JPH07106953B2 - 無機層状多孔体およびその製法 - Google Patents
無機層状多孔体およびその製法Info
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- JPH07106953B2 JPH07106953B2 JP60106353A JP10635385A JPH07106953B2 JP H07106953 B2 JPH07106953 B2 JP H07106953B2 JP 60106353 A JP60106353 A JP 60106353A JP 10635385 A JP10635385 A JP 10635385A JP H07106953 B2 JPH07106953 B2 JP H07106953B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 この発明は、断熱性に優れた無機層状多孔体の製法に関
する。
する。
空隙を有する層状多孔体として、膨潤性層状化合物の層
間に水酸化物等の異種物質を挿入反応させたインターカ
レーション物質がある。以上、特開昭54−5884号公報、
特開昭54−16386号公報参照。これは層間距離が4〜10
Å程度と小さいため、層表面の吸着水の影響を受けやす
いことと、空隙に比べて固体部の割合が大きいこととか
ら、断熱性の点であまりすぐれたものとは言えない。そ
のため、断熱性の優れた層状多孔体が望まれている。
間に水酸化物等の異種物質を挿入反応させたインターカ
レーション物質がある。以上、特開昭54−5884号公報、
特開昭54−16386号公報参照。これは層間距離が4〜10
Å程度と小さいため、層表面の吸着水の影響を受けやす
いことと、空隙に比べて固体部の割合が大きいこととか
ら、断熱性の点であまりすぐれたものとは言えない。そ
のため、断熱性の優れた層状多孔体が望まれている。
この発明は、このような現状に鑑みて、層間に比較的大
きな空隙を有して断熱効果に優れた無機層状多孔体の製
法を提供するものである。
きな空隙を有して断熱効果に優れた無機層状多孔体の製
法を提供するものである。
このような目的を達成するために、この発明者らは、膨
潤性層状化合物の層間に無機化合物粒子をピラーとして
配置して層間隔を20〜600Åに保持するようにした無機
層状多孔体を開発した。この無機層状多孔体は、従来の
ものに比べ断熱性に優れたものであったが、開孔率が10
〜15%で熱伝導がまだ少し大きいという問題があった。
潤性層状化合物の層間に無機化合物粒子をピラーとして
配置して層間隔を20〜600Åに保持するようにした無機
層状多孔体を開発した。この無機層状多孔体は、従来の
ものに比べ断熱性に優れたものであったが、開孔率が10
〜15%で熱伝導がまだ少し大きいという問題があった。
このため、この発明者らは、さらに鋭意検討を重ねた結
果、開孔率を増加させる方法を種々検討し、この発明を
完成した。
果、開孔率を増加させる方法を種々検討し、この発明を
完成した。
この発明にかかる無機層状多孔体は、膨潤性層状化合物
の層間にピラーが配置されて層間隔が保持されている無
機層状多孔体であって、前記ピラーが、コロイド粒子と
して層間に供給された粒状の無機化合物と、この無機化
合物とは異なる化合物であって、無機ポリカチオンとし
て層間に供給され無機層状多孔体の層間のイオンとのイ
オン交換で無機ポリカチオンが変化した金属酸化物とで
構成されていることを特徴とする。
の層間にピラーが配置されて層間隔が保持されている無
機層状多孔体であって、前記ピラーが、コロイド粒子と
して層間に供給された粒状の無機化合物と、この無機化
合物とは異なる化合物であって、無機ポリカチオンとし
て層間に供給され無機層状多孔体の層間のイオンとのイ
オン交換で無機ポリカチオンが変化した金属酸化物とで
構成されていることを特徴とする。
また、この発明にかかる無機層状多孔体の製法は、層間
にピラーを配置して層間隔を保持するようにした無機層
状多孔体を得るにあたり、膨潤性層状化合物を膨潤させ
るとともに、その層間に無機化合物を配置した後、乾燥
を行う無機層状多孔体の製法であって、前記ピラーを、
コロイド粒子として層間に供給された粒状の無機化合物
と、この無機化合物とは異なる化合物であって、無機ポ
リカチオンとして層間に供給され無機層状多孔体の層間
のイオンとのイオン交換で無機ポリカチオンを変化させ
た金属酸化物とで構成することを特徴とする。
にピラーを配置して層間隔を保持するようにした無機層
状多孔体を得るにあたり、膨潤性層状化合物を膨潤させ
るとともに、その層間に無機化合物を配置した後、乾燥
を行う無機層状多孔体の製法であって、前記ピラーを、
コロイド粒子として層間に供給された粒状の無機化合物
と、この無機化合物とは異なる化合物であって、無機ポ
リカチオンとして層間に供給され無機層状多孔体の層間
のイオンとのイオン交換で無機ポリカチオンを変化させ
た金属酸化物とで構成することを特徴とする。
以下に、この発明を、その1実施例を表す図面に基づい
て詳しく説明する。
て詳しく説明する。
構造を模式化してあらわした第1図にみるように、この
発明の無機層状多孔体Aは、無機層状化合物の層1,1間
に、無機ポリカチオンが層間で変化してできた金属酸化
物2b′と粒状の無機化合物2aとがピラー2として配置さ
れている。そのため、その層間隔3が20〜600Åに保持
されている。そのうち20%以上は30〜600Åの層間隔と
なっている。無機層状化合物としては、Na−モンモリロ
ナイト,Ca−モンモリロナイト,3−八面体合成スメクタ
イト,酸性白土および合成雲母(Naフッ素四ケイ素雲
母)等が挙げられるが、膨潤性層状化合物であれば、こ
れらに限られるものではない。Ca−モンモリロナイトや
酸性白土のような難膨潤性化合物を用いたときは、熱伝
導率の経年劣化性が少ない。無機化合物としては、Si
O2,Al2O3,ZrO2,Fe2O3等が単独あるいは混合して用いら
れる。これらが、層間を20〜600Å、好ましくは30〜600
Åに保持するのである。これらピラーとして用いられる
無機化合物は限定されないが、熱に対して安定な金属酸
化物などが好ましい。第1図中、11は空隙である。
発明の無機層状多孔体Aは、無機層状化合物の層1,1間
に、無機ポリカチオンが層間で変化してできた金属酸化
物2b′と粒状の無機化合物2aとがピラー2として配置さ
れている。そのため、その層間隔3が20〜600Åに保持
されている。そのうち20%以上は30〜600Åの層間隔と
なっている。無機層状化合物としては、Na−モンモリロ
ナイト,Ca−モンモリロナイト,3−八面体合成スメクタ
イト,酸性白土および合成雲母(Naフッ素四ケイ素雲
母)等が挙げられるが、膨潤性層状化合物であれば、こ
れらに限られるものではない。Ca−モンモリロナイトや
酸性白土のような難膨潤性化合物を用いたときは、熱伝
導率の経年劣化性が少ない。無機化合物としては、Si
O2,Al2O3,ZrO2,Fe2O3等が単独あるいは混合して用いら
れる。これらが、層間を20〜600Å、好ましくは30〜600
Åに保持するのである。これらピラーとして用いられる
無機化合物は限定されないが、熱に対して安定な金属酸
化物などが好ましい。第1図中、11は空隙である。
つぎに、この無機層状多孔体の製法について、その1実
施例を模式化して表した図面に基づいて詳しく説明す
る。
施例を模式化して表した図面に基づいて詳しく説明す
る。
膨潤性粘土鉱物のような物質は、第2図に示すように、
膨潤性層状化合物A1の集まりでできている。主材たるこ
の化合物A1を水などの溶媒と混合(必要に応じ混練)し
て、第3図にみるように層1,1間に溶媒4を含ませて膨
潤させる。溶媒としては、水やそれ以外の極性溶媒、た
とえば、メタノール,DMF,DMSOなどが挙げられ、これら
を単独あるいは混合して用いるようにする。水と水以外
の極性溶媒を混合するようにして用いる方が膨潤によっ
て層間をよく広げるので好ましい。この膨潤させた無機
層状化合物A2に対し、仮ピラーになる水溶性高分子や高
級アルコールなどを加えて充分に混練を行い、層1,1間
に仮ピラーを挿入する。この仮ピラーは、層間隔を押し
広げ、仮にピラーとして挿入されるもので、本来のピラ
ーとなる無機化合物が配置されたのち、焼成によって簡
単に取り除くことができ、その仮ピラー5が存在した層
1,1間に空隙を残すようなものでなければならない。こ
の仮ピラーは、無機層状化合物の層間隔を押し広げて、
後で挿入される無機ポリカチオンおよびコロイド粒子の
層間への侵入を容易とさせるとともに、層間のイオンの
電荷を緩和してコロイド粒子が層間に入りやすくなるよ
うな役目をも果たすものである。この混練系中に無機ポ
リカチオンからなる水溶液を添加して混練を続け、この
ポリカチオンと層1,1間の陽イオンとを交換させる。つ
ぎに、第4図にみるように、ポリカチオンが添加された
混練系中に、溶媒に不溶なコロイド粒子2aを添加して混
練を続け、層1,1間にコロイド粒子2aを挿入する。第4
図中、4′は溶媒と他の添加物の混合物である。混練時
の温度は30〜90℃の範囲に設定して行うことが好まし
い。つぎに、この混練されたものを冷却する。このよう
にすると、第5図にみるように、無機ポリカチオンが過
飽和状態になり、その結晶2bが層1,1間に析出する。冷
却温度は0℃〜20℃の範囲で行うようにする。この層1,
1間に結晶2bが析出した層状化合物を60〜105℃で乾燥さ
せて水などの溶媒を除去する。溶媒が取り除かれると、
各層は、コロイド粒子2aが挿入された状態で収縮し、コ
ロイド粒子2aが層1,1間から離脱できないようになる。
このとき、水溶性高分子あるいは高級アルコールなど
は、まだ層1,1間に仮ピラー5として残っている。これ
を200〜600℃、好ましくは450〜550℃で焼成する。この
焼成によって、仮ピラーたる水溶性高分子あるいは高級
アルコールはCO2およびH2Oに変化して除去され、これら
が存在した空間は、第1図にみるように、そのまま層1,
1間に空隙11として残る。この焼成によって、無機ポリ
カチオンの結晶が金属酸化物2b′に変化するとともに、
コロイド粒子2aが、この金属酸化物および層壁との間で
一部融着を起こす。そして、この層状化合物は、層間に
第1図にみるように金属酸化物2b′およびコロイド粒子
2aがピラー2としてしっかり配置された無機層状多孔体
Aとなる。なお、冷却および焼成の温度は、上記範囲に
おいて用いられる仮ピラーや無機ポリカチオンの種類に
応じた温度に設定するようにする。このようにして得ら
れた無機層状多孔体は、その全体の20%以上のものが層
間隔30〜600Åを保持しており、第1図の矢印B方向の
断熱性に優れている。なお、仮ピラーは、用いても用い
なくても良いが、層間にコロイド粒子などが入りやすく
したり、焼成によって空隙を作ったりするので、用いる
ことが望ましい。仮ピラーとして用いられる水溶性高分
子としては、たとえば、ポリビニルアルコール,ポリエ
チレンオキシド,メチルセルロース,ポリアクリル酸ソ
ーダ,カルボキシメチルセルロースなど、高級アルコー
ルとしては、ヘキサノール(C6),オクタノール
(C8),デカノール(C10),ドデカノール(C12),テ
トラデカノール(C14),ヘキサデカノール(C16),オ
クタデタノール(C18),エイコサノール(C20)などが
挙げられるが、層間を押し広げて無機ポリカチオンの結
晶成長を助けるとともに、焼成などによって気化して層
間に空隙を残すようなものであれば、上記のものに限定
されるものではない。無機ポリカチオンとしては、Al,Z
r,Ti,FeおよびNiなどの金属イオンを中心として形成さ
れるポリカチオンなどが挙げられる。水溶液中でこれら
の錯体イオンになるような無機化合物としては、AlCl3,
ZrOCl2,Fe3O(CH3COO)6などが挙げられる。コロイド
粒子としては、たとえば、SiO2,Al2O3,Fe2O3などが挙げ
られる。
膨潤性層状化合物A1の集まりでできている。主材たるこ
の化合物A1を水などの溶媒と混合(必要に応じ混練)し
て、第3図にみるように層1,1間に溶媒4を含ませて膨
潤させる。溶媒としては、水やそれ以外の極性溶媒、た
とえば、メタノール,DMF,DMSOなどが挙げられ、これら
を単独あるいは混合して用いるようにする。水と水以外
の極性溶媒を混合するようにして用いる方が膨潤によっ
て層間をよく広げるので好ましい。この膨潤させた無機
層状化合物A2に対し、仮ピラーになる水溶性高分子や高
級アルコールなどを加えて充分に混練を行い、層1,1間
に仮ピラーを挿入する。この仮ピラーは、層間隔を押し
広げ、仮にピラーとして挿入されるもので、本来のピラ
ーとなる無機化合物が配置されたのち、焼成によって簡
単に取り除くことができ、その仮ピラー5が存在した層
1,1間に空隙を残すようなものでなければならない。こ
の仮ピラーは、無機層状化合物の層間隔を押し広げて、
後で挿入される無機ポリカチオンおよびコロイド粒子の
層間への侵入を容易とさせるとともに、層間のイオンの
電荷を緩和してコロイド粒子が層間に入りやすくなるよ
うな役目をも果たすものである。この混練系中に無機ポ
リカチオンからなる水溶液を添加して混練を続け、この
ポリカチオンと層1,1間の陽イオンとを交換させる。つ
ぎに、第4図にみるように、ポリカチオンが添加された
混練系中に、溶媒に不溶なコロイド粒子2aを添加して混
練を続け、層1,1間にコロイド粒子2aを挿入する。第4
図中、4′は溶媒と他の添加物の混合物である。混練時
の温度は30〜90℃の範囲に設定して行うことが好まし
い。つぎに、この混練されたものを冷却する。このよう
にすると、第5図にみるように、無機ポリカチオンが過
飽和状態になり、その結晶2bが層1,1間に析出する。冷
却温度は0℃〜20℃の範囲で行うようにする。この層1,
1間に結晶2bが析出した層状化合物を60〜105℃で乾燥さ
せて水などの溶媒を除去する。溶媒が取り除かれると、
各層は、コロイド粒子2aが挿入された状態で収縮し、コ
ロイド粒子2aが層1,1間から離脱できないようになる。
このとき、水溶性高分子あるいは高級アルコールなど
は、まだ層1,1間に仮ピラー5として残っている。これ
を200〜600℃、好ましくは450〜550℃で焼成する。この
焼成によって、仮ピラーたる水溶性高分子あるいは高級
アルコールはCO2およびH2Oに変化して除去され、これら
が存在した空間は、第1図にみるように、そのまま層1,
1間に空隙11として残る。この焼成によって、無機ポリ
カチオンの結晶が金属酸化物2b′に変化するとともに、
コロイド粒子2aが、この金属酸化物および層壁との間で
一部融着を起こす。そして、この層状化合物は、層間に
第1図にみるように金属酸化物2b′およびコロイド粒子
2aがピラー2としてしっかり配置された無機層状多孔体
Aとなる。なお、冷却および焼成の温度は、上記範囲に
おいて用いられる仮ピラーや無機ポリカチオンの種類に
応じた温度に設定するようにする。このようにして得ら
れた無機層状多孔体は、その全体の20%以上のものが層
間隔30〜600Åを保持しており、第1図の矢印B方向の
断熱性に優れている。なお、仮ピラーは、用いても用い
なくても良いが、層間にコロイド粒子などが入りやすく
したり、焼成によって空隙を作ったりするので、用いる
ことが望ましい。仮ピラーとして用いられる水溶性高分
子としては、たとえば、ポリビニルアルコール,ポリエ
チレンオキシド,メチルセルロース,ポリアクリル酸ソ
ーダ,カルボキシメチルセルロースなど、高級アルコー
ルとしては、ヘキサノール(C6),オクタノール
(C8),デカノール(C10),ドデカノール(C12),テ
トラデカノール(C14),ヘキサデカノール(C16),オ
クタデタノール(C18),エイコサノール(C20)などが
挙げられるが、層間を押し広げて無機ポリカチオンの結
晶成長を助けるとともに、焼成などによって気化して層
間に空隙を残すようなものであれば、上記のものに限定
されるものではない。無機ポリカチオンとしては、Al,Z
r,Ti,FeおよびNiなどの金属イオンを中心として形成さ
れるポリカチオンなどが挙げられる。水溶液中でこれら
の錯体イオンになるような無機化合物としては、AlCl3,
ZrOCl2,Fe3O(CH3COO)6などが挙げられる。コロイド
粒子としては、たとえば、SiO2,Al2O3,Fe2O3などが挙げ
られる。
つぎに、実施例を詳しく説明する。
(実施例1) 材料は、主材である膨潤性層状化合物としてNa−モンモ
リロナイト(クニミネ工業(株)製)、コロイド粒子と
してシリカゾル(日産化学工業(株)製、平均粒径40
Å,20wt%水溶液)、無機ポリカチオンとなるものとし
てオキシ塩化ジルコニウム(ZrOCl2)、溶媒として水を
用い、これらを、重量比で主材:溶媒:ポリカチオン:
粒子が1:10:1:3の混合比となるようにして、混合,混練
した。混練は、万能ミキサー(丸菱化学(株)製)を用
いて、80℃で行った。この混練によって得られたものを
ヘラで板状に延ばし、この試料に入った容器を0℃の恒
温槽中に浸して2時間静置した。その後、これを半日間
自然乾燥させ、つぎに105℃で熱して乾燥して溶媒を除
去した。これを450℃の電気炉中で焼成し、厚み2mm程度
の板状無機層状多孔体を得た。
リロナイト(クニミネ工業(株)製)、コロイド粒子と
してシリカゾル(日産化学工業(株)製、平均粒径40
Å,20wt%水溶液)、無機ポリカチオンとなるものとし
てオキシ塩化ジルコニウム(ZrOCl2)、溶媒として水を
用い、これらを、重量比で主材:溶媒:ポリカチオン:
粒子が1:10:1:3の混合比となるようにして、混合,混練
した。混練は、万能ミキサー(丸菱化学(株)製)を用
いて、80℃で行った。この混練によって得られたものを
ヘラで板状に延ばし、この試料に入った容器を0℃の恒
温槽中に浸して2時間静置した。その後、これを半日間
自然乾燥させ、つぎに105℃で熱して乾燥して溶媒を除
去した。これを450℃の電気炉中で焼成し、厚み2mm程度
の板状無機層状多孔体を得た。
(実施例2) 溶媒として、水とDMFを重量比で1:1の割合で混合した混
合溶媒を用いた以外は実施例1と同様にして無機層状多
孔体を得た。
合溶媒を用いた以外は実施例1と同様にして無機層状多
孔体を得た。
(実施例3) 実施例1の材料に加えて、仮ピラーとしてのポリビニル
アルコール(分子量22,000)を主材に対して重量比で1:
1となるようにして用いた以外は実施例1と同様にして
無機層状多孔体を得た。
アルコール(分子量22,000)を主材に対して重量比で1:
1となるようにして用いた以外は実施例1と同様にして
無機層状多孔体を得た。
(実施例4) 実施例3と同様にして仮ピラーとしてのポリビニルアル
コール(分子量22,000)を用いた以外は実施例2と同様
にして無機層状多孔体を得た。
コール(分子量22,000)を用いた以外は実施例2と同様
にして無機層状多孔体を得た。
(実施例5) ホリビニルアルコールに代えてポリエチレングリコール
(分子量22,000)を用いた以外は実施例2と、同様にし
て無機層状多孔体を得た。
(分子量22,000)を用いた以外は実施例2と、同様にし
て無機層状多孔体を得た。
なお、この製法による各材料の配合比は上記実施例に限
られない。
られない。
これら実施例で得られた無機層状多孔体(板状成形体)
の開孔率,層間距離,密度,熱伝導率を測定し、その結
果を石膏ボードおよび砂の成形体の2つの比較例の結果
と併せて第1表に示す。なお、開孔率はつぎのような式 によって得られる。比表面積は窒素吸着法におけるBET
の方法,平均層間距離(細孔分布)は窒素吸着法におけ
るCI法を用いた。窒素吸着装置はカルロエルバ社ソープ
トマチック1800を用いた。熱伝導率測定は、キセノンフ
ラッシュ法による熱伝導率測定装置を用いた。
の開孔率,層間距離,密度,熱伝導率を測定し、その結
果を石膏ボードおよび砂の成形体の2つの比較例の結果
と併せて第1表に示す。なお、開孔率はつぎのような式 によって得られる。比表面積は窒素吸着法におけるBET
の方法,平均層間距離(細孔分布)は窒素吸着法におけ
るCI法を用いた。窒素吸着装置はカルロエルバ社ソープ
トマチック1800を用いた。熱伝導率測定は、キセノンフ
ラッシュ法による熱伝導率測定装置を用いた。
第1表から明らかなように、これら実施例で得られた無
機層状多孔体は、すべて層間隔が平均30Å以上で開孔率
が20%以上となり充分な断熱性を有している。
機層状多孔体は、すべて層間隔が平均30Å以上で開孔率
が20%以上となり充分な断熱性を有している。
(実施例6) 実施例1において、オキシ塩化ジルコニウルの代わりに
四塩化チタンを用いた以外は、実施例1と同様にして無
機層状多孔体を得た。実施例1と同様にして測定した結
果は、開孔率0.40、平均層間距離(最低層間距離)45Å
(25Å)、熱伝導率0.054Kcal/mh℃、密度1.12g/cm3で
あった。
四塩化チタンを用いた以外は、実施例1と同様にして無
機層状多孔体を得た。実施例1と同様にして測定した結
果は、開孔率0.40、平均層間距離(最低層間距離)45Å
(25Å)、熱伝導率0.054Kcal/mh℃、密度1.12g/cm3で
あった。
なお、この発明にかかる無機層状多孔体の製法は、上記
のような無機層状多孔体の製造にのみ用いられるもので
はない。
のような無機層状多孔体の製造にのみ用いられるもので
はない。
この発明の無機層状多孔体の製法は、以上のように構成
されているため、ピラーたる無機化合物によって全体20
%以上が層間隔を30〜60Åに保持されて開孔率が20%以
上になっており、断熱材等に有用な断熱性に非常にすぐ
れ、かつ、経年劣化も少ない無機層状多孔体を確実に得
ることができるようになる。
されているため、ピラーたる無機化合物によって全体20
%以上が層間隔を30〜60Åに保持されて開孔率が20%以
上になっており、断熱材等に有用な断熱性に非常にすぐ
れ、かつ、経年劣化も少ない無機層状多孔体を確実に得
ることができるようになる。
第1図は無機層状多孔体の模式的側面図、第2図は膨潤
性層状化合物の模式的側面図、第3図はその膨潤に至る
状態を説明する説明図、第4図はコロイド粒子の添加時
の混練の状態を説明する説明図、第5図は乾燥時の状態
を説明する説明図である。 A……無機層状多孔体、A1……膨潤性無機層状化合物、
1……層、2……ピラー、3……層間隔、4……溶媒、
2a……コロイド粒子、2b……無機ポリカチオンの結晶、
2b′……金属酸化物
性層状化合物の模式的側面図、第3図はその膨潤に至る
状態を説明する説明図、第4図はコロイド粒子の添加時
の混練の状態を説明する説明図、第5図は乾燥時の状態
を説明する説明図である。 A……無機層状多孔体、A1……膨潤性無機層状化合物、
1……層、2……ピラー、3……層間隔、4……溶媒、
2a……コロイド粒子、2b……無機ポリカチオンの結晶、
2b′……金属酸化物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高濱 孝一 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭52−81125(JP,A) 特開 昭53−110979(JP,A) 特開 昭59−203719(JP,A)
Claims (8)
- 【請求項1】膨潤性無機層状化合物の層間にピラーが配
置されて層間隔が保持されている無機層状多孔体であっ
て、前記ピラーが、コロイド粒子として層間に供給され
た粒状の無機化合物と、無機ポリカチオンとして層間に
供給され無機層状多孔体の層間のイオンとのイオン交換
で無機ポリカチオンが変化した金属酸化物とで構成され
ていることを特徴とする無機層状多孔体。 - 【請求項2】膨潤性無機層状化合物が、Na−モンモリロ
ナイト,Ca−モンモリロナイト,酸性白土,3−八面体合
成スメクタイトおよび合成雲母からなる群より選ばれた
1つである特許請求の範囲第1項記載の無機層状多孔
体。 - 【請求項3】粒状の無機化合物がSiO2,Al2O3およびFe2O
3からなる群より選ばれた少なくとも1つである特許請
求の範囲第1項または第2項記載の無機層状多孔体。 - 【請求項4】金属酸化物が、Al,Zr,Ti,FeおよびNiから
なる群より選ばれた金属イオンを中心とする無機ポリカ
チオンのうち少なくとも1つの変化したものである特許
請求の範囲第1項ないし第3項のいずれかに記載の無機
層状多孔体。 - 【請求項5】無機層状多孔体は、層間隔30〜600Åのも
のが全体の20%以上を占めているものからなる特許請求
の範囲第1項ないし第4項のいずれかに記載の無機層状
多孔体。 - 【請求項6】層間にピラーを配置して層間隔を保持する
ようにした無機層状多孔体を得るにあたり、膨潤性層状
化合物を膨潤させるとともに、その層間に無機化合物を
配置した後、乾燥を行う無機層状多孔体の製法であっ
て、前記ピラーを、コロイド粒子として層間に供給され
た粒状の無機化合物と、無機ポリカチオンとして層間に
供給され無機層状多孔体の層間のイオンとのイオン交換
で無機ポリカチオンを変化させた金属酸化物とで構成す
ることを特徴とする無機層状多孔体の製法。 - 【請求項7】膨潤を、水と水以外の極性溶媒との混合溶
媒によって行うようにする特許請求の範囲第6項記載の
無機層状多孔体の製法。 - 【請求項8】膨潤から無機化合物を配置するまでの適宜
の時期に、水溶性高分子および高級アルコールからなる
群より選ばれた少なくとも1つを添加するようにする特
許請求の範囲第6項または第7項記載の無機層状多孔体
の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60106353A JPH07106953B2 (ja) | 1985-05-18 | 1985-05-18 | 無機層状多孔体およびその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60106353A JPH07106953B2 (ja) | 1985-05-18 | 1985-05-18 | 無機層状多孔体およびその製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61266368A JPS61266368A (ja) | 1986-11-26 |
JPH07106953B2 true JPH07106953B2 (ja) | 1995-11-15 |
Family
ID=14431409
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60106353A Expired - Lifetime JPH07106953B2 (ja) | 1985-05-18 | 1985-05-18 | 無機層状多孔体およびその製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07106953B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63230580A (ja) * | 1987-03-17 | 1988-09-27 | 工業技術院長 | 多孔体の製造方法 |
JPS63319277A (ja) * | 1987-06-19 | 1988-12-27 | Matsushita Electric Works Ltd | 無機層状多孔体の製法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59203719A (ja) * | 1983-05-02 | 1984-11-17 | Mitsubishi Mining & Cement Co Ltd | 無機物金属複合体およびその合成方法 |
-
1985
- 1985-05-18 JP JP60106353A patent/JPH07106953B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61266368A (ja) | 1986-11-26 |
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