JP2004168629A - 多孔質焼結体及びその製造方法 - Google Patents

多孔質焼結体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】吸着剤,水分調湿剤,各種活性成分担体等として有用な微細多孔構造及び機械強度を備えた多孔質無機焼結体とその製造方法を提供する。
【解決手段】この多孔質焼結体は、シリカ系多孔質無機粉末と、式:
Ti2n+1
[式中、M:アルカリ金属、n:1〜8、好ましくは1〜4]
で示されるチタン酸アルカリ金属の結晶質又は非晶質の粉末を含有する原料組成物の成形体を焼結することにより製造される。シリカ系多孔質無機粉末は、多孔質シリカ粉末、ゼオライト粉末、吸着性珪酸塩粉末、多孔質ガラス粉末等である。好ましくはシリカ系多孔質無機質粉末70mass%以上、チタン酸アルカリ塩の粉末1〜10mass%の組成に調整される。この多孔質焼結体は、原料組成物を混練、成形し、乾燥した後、600〜1000℃で焼結することにより製造される。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸着剤、活性物質担体等として有用な、微細多孔構造を有するシリカ系多孔質焼結体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
多孔質無機粉末であるアルミナ、シリカ、珪酸塩、ゼオライト、粘土鉱物(セピオライト等)などからなる成形体は、微細多孔質構造及び大きな比表面積により、脱臭,有害物質の吸着除去、水分調湿等のための吸着剤、または触媒等の活性物質の担体等として各種分野で利用されている。
多孔質無機粉末は、それ自体は可塑性をもたないので、圧粉成形するか、または窯業鉱物(粘土)、コロイダルシリカ,ガラス粉末,セメント等の無機質結合剤を加えて成形し乾燥後、焼結することにより製造される。
【0003】
無機質多孔体の製法についてはこれまで種々の提案が成されている。
例えば、(1)再水和性アルミナ(アルミナ水和物を熱分解したα−アルミナ以外の遷移アルミナ,例えばρアルミナ,無定形アルミナ等)と一般式M’O・nTiO(M’リチウム,ナトリウム,カリウム,バリウム,カルシウム等、nは1以上の整数)で表されるチタン酸アルカリ塩と溶融シリカからなる組成物を1100−1300℃で仮焼して耐熱衝撃性が改良されたセラミックスを得る(特許文献1)、(2)アルミナゾル(水を分散媒としたベーマイト系アルミナ水和物のコロイド液)、チタン酸カリウム等のチタン酸アルカリ塩、溶融シリカ、必要に応じて添加される成形助剤,可塑剤等からなる混合物を1000−1300℃で仮焼して排ガス浄化触媒用のセラミックスを得る(特許文献2)、(3)ゼオライト粉末にセピオライト繊維等の無機繊維とコロイダルシリカ等の無機結合剤を配合した組成物を押出形成し乾燥後、400〜700℃で焼成する(特許文献3)、(4)複鎖構造型粘土鉱物(セピオライト,パリゴルスカイト等)と副原料(活性炭,シリカゲル,アルミナゲル又はゼオライト等)と成形助剤(メチルセルロース等)の湿式混練物を成形し、乾燥後550−800℃で焼成する(特許文献4)、等が知られている。
【0004】
【特許文献1】特公平5−013101号公報(第3欄9行−第4欄6行)
【特許文献2】特公平5−013102号公報(第3欄7−42行)
【特許文献3】特開平5−023528号公報(p.2段落番号[0009]−[0010])
【特許文献4】特開平7−144127号公報(p2.段落番号[0007−[0020]])
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
多孔質粉末の圧粉成形体は、強度が不十分であったり、成形可能な形状が限られるほか、粉末の脱落などによる損傷を生じ易い等の難点を有する。無機結合剤を配合して行う焼結体の製造においては、無機結合剤が多孔質粉末粒子の細孔を塞ぐことによる性能低下を付随し、機械強度を高めるべく多量添加すると重量増のみならず多孔構造の性能低下が大きくなるという問題がある。更に焼結については、強度面から高温処理を必要とするため、多孔質粉末粒子の結晶構造の変質により細孔及び比表面積が損なわれ、しかも熱エネルギーコストの負担増をも余儀なくされる。
【0006】
そこで本発明は、多孔質無機粉末粒子を主材とし、その微細多孔質構造に基づく性能および実用上要求される機械強度を具備し、かつペレット、リング等の比較的単純な形状のみならず、ハニカム等の複雑形状を有する多孔質焼結体およびその低温焼結による製造方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の多孔質焼結体は、シリカ系多孔質無機粉末と、結合剤である下式:
Ti2n+1 …[1]
[式中、M:Li,Na,K,Rb,Ce等のアルカリ金属、n:1〜8]
で示されるチタン酸アルカリ塩の結晶質又は非晶質の粉末を含有する原料組成物の成形体を焼結して得られるシリカ系多孔質焼結体である。
【0008】
本発明の多孔質焼結体は、シリカ系多孔質無機粉末と、前記
[1] 式で示されるチタン酸アルカリ塩の結晶質又は非晶質の粉末を結合剤として含有する原料組成物を混練し、混練物を成形して乾燥した後、600〜1000℃で焼結することにより製造される。
【0009】
多孔質無機粉末に結合剤として配合されるチタン酸アルカリ塩[1]は、高アルカリ含有量であるものの水不溶性である。このため、粉末混合物に水を加えて混練する原料調製工程において、水に可溶のアルカリ塩や珪酸アルカリ塩のように水に溶解し多孔質焼結体の表面に偏析したり、その細孔内に浸入して細孔を塞ぐ等の不具合をきたすことがなく、また粉末成形体の乾燥過程で、吸着特性を有しないガラス相が焼結体表面に生成するという現象も回避される。しかもチタン酸アルカリ塩[1]は、主材のシリカ系多孔質粉末に比し低融点であり、粉末粒子の細孔構造が変質しない低温域で粉末粒子同士の結合剤として機能する。
【0010】
すなわち主材のシリカ系多孔質無機粉末に、結合剤として配合されるチタン酸アルカリ塩[1]は、実質的に水に溶解することなく、比較的低温域(約600〜1000℃)の加熱条件下に融液相を生成して多孔質粉末の粒子間に一様に移動分布し、粒子表面へのカリウム分の拡散と焼結作用を奏する。このような低温焼結の効果として、多孔質粉末粒子の結晶構造の変質・崩壊を可及的に抑制回避しつつ、吸着剤や活性成分担体等として望まれる微細多孔構造と実用に耐え得る機械強度を備えた多孔質焼結体が形成される。
【0011】
なお、特許文献1及び2の多孔質セラミックスの製造法は、原料組成物の調製にチタン酸アルカリ塩を使用しているが、その原料組成物は、多孔質無機粉末としてアルミナ分(前者では再水和性アルミナ、後者ではアルミナゾル)を使用し、
これに溶融シリカとチタン酸アルカリ塩を配合した、アルミナ−溶融シリカ−チタン酸アルカリ塩の3成分系であり、これを1100〜1300℃で「仮焼」(焼結)するというものであるから、本発明とは成分系を異にすると共に、焼結過程におけるチタン酸アルカリ塩の作用効果において相違している。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。
本発明における主材粉末は、シリカ系多孔質無機粉末である。その具体例として、(1)シリカゲル,メソポーラスシリカ等の多孔質シリカ、(2)モルデナイト,シリカライト等のゼオライト、(3)セピオライト(含水マグネシア珪酸塩鉱物),カオリナイト(アミノ珪酸塩鉱物),モンモリロナイト(三層構造フィロ珪酸塩鉱物)、酸性白土(モンモリロン石を主体とするベントナイト)、珪藻土等の吸着性珪酸塩
(4)バイコール型多孔質ガラス,PPG多孔質ガラス,シラス多孔質ガラス等の多孔質ガラス粉末など、が挙げられる。
これらのシリカ系多孔質粉末は、任意に選ばれる1種の単独使用又は2種もしくはそれ以上の複数種の混合使用とされる。
【0013】
結合剤として配合されるチタン酸アルカリ金属(式[1])の粉末は、チタニア(TiO)とアルカリ金属(Li,Na,K,Rb,Cs等)の酸化物(MO)とを原料成分とし、溶融法,フラックス法,焼成法,水熱合成法等として知られる各種の製法により得られる合成無機化合物である。その典型例として、二チタン酸アルカリ金属(MTi)、三チタン酸アルカリ金属(MTi)、四チタン酸アルカリ金属(MTi)、六チタン酸アルカリ金属(MTi13)、八チタン酸アルカリ金属(MTi17)等が挙げれられる。二チタン酸アルカリ金属、三チタン酸アルカリ金属、四チタン酸アルカリ金属等は、層状結晶構造(アルカリ金属は層間に配位)を有し、六チタン酸アルカリ金属及び八チタン酸アルカリ金属はトンネル型結晶構造(アルカリ金属原子はトンネル枠内に配位)を有する。
【0014】
上記チタン酸アルカリ金属の粉末は、製造条件の制御(例えば溶融法における溶融生成物の超急冷処理。後記参考例)により、式[1]の化学組成を有する非晶質(nは整数とは限らない)の化合物として合成される。例えば、二チタン酸アルカリ金属(MTi)もしくはそれに近似した組成を有する非晶質物、四チタン酸アルカリ金属(MTi)もしくはそれに近似の組成を有する非晶質物などが挙げられる。
【0015】
上記チタン酸アルカリ金属は、その化学組成により、結合剤としての活性化温度(液相生成温度)が異なる。一般的には式[1]におけるn数(=TiO/MOモル比)が小さいものほど低温域で活性化する。二チタン酸カリウム(KTi)、三チタン酸ナトリウム(NaTi)、四チタン酸カリウム(KTi)等は、六チタン酸カリウム(KTi13)や八チタン酸カリウム(KTi17)等より低い温度域で結合剤として機能する。
また、結合剤としての活性化温度は、結晶質と非晶質との相違によっても異なる。化学組成が同じチタン酸アルカリ金属同士を比較すると、非晶質粉末は結晶質粉末より低い温度域で結合剤として機能する。
【0016】
チタン酸アルカリ金属の材種の選択については、主材である多孔質無機粉末が、比較的高い熱的安定性を有するもの[例えば、ゼオライトの中でNaイオンをH(プロトン)で交換したZSM−5(H−ZSM5)のように、約800−900℃程度の温度域まで微細多孔質構造の変質を生じ難いもの]である場合は、6チタン酸カリウム等のようにn数の大きいものを適用することができる。しかし、結合剤として比較的低温域で機能する材種を使用すれば、それだけ焼結温度を低く抑えることができる。従って、主材粉末粒子の微細多孔構造の変質をできるだけ抑制・回避しつつ、粒子同士の結合を十分に行なわせ機械強度の高い多孔質焼結体を得るには、活性温度の低いチタン酸アルカリ金属を適用するのが有利である。この観点から、式[1]のn数が1〜4であるチタン酸アルカリ金属が好ましく使用される。より好ましいのは、n数が1〜4の組成有する非晶質のチタン酸アルカリ金属粉末である。
【0017】
なお、チタン酸アルカリ金属は、その合成法や処理条件により、板状,薄片状,繊維状,ウィスカー状,顆粒状等の形態を有しサイズもさまざまであるが、いずれの使用も可能である。必要に応じて適当なサイズに粉砕処理して使用される。
【0018】
次に多孔質焼結体の製造工程について説明する。
まず、主材であるシリカ系多孔質粉末と、結合剤であるチタン酸アルカリ金属粉末とを混合し原料組成物を調製する。吸着剤や活性成分担体等としての多孔質焼結体の性能を確保し得るように、該粉末混合物に占める主材の量比は約70mass%以上であるのが好ましい。
チタン酸アルカリ金属の量比は、約1mass%以上であるのが好ましい。増量により効果を増すが、約10mass%を超えて多量に添加しても効果の増加はなく、むしろ製品焼結体の性能(微細多孔構造及び機械強度)を低下させることもあるので、これを上限とするのがよい。
上記多孔質無機粉末とチタン酸アルカリ金属粉末の混合物は、必要に応じボールミル,ヘンシェルミキサー等による処理が適宜施される。
【0019】
上記原料組成物の調製においては、必要に応じて、成形助剤としてメチルセルロース(MC),カルボキシメチルセルロース(CMC),ポリビニルアルコール(PVA)等、および可塑剤としてグリセリン,ワセリン等が適量添加される。添加量(成形助剤及び可塑剤の合計量)は、上記主材及び結合剤からなる粉末混合物100重量部に対し、例えば3〜10重量部である。成形助剤及び可塑剤は、焼結処理工程で燃焼消失し製品多孔質焼結体には残留しない。
【0020】
上記原料組成物に、分散媒として適量の水、アルコール等を添加し、混練機(スクリューニーダー等)で混練したうえ、混練物を所要形状に成形する。例えば、打錠機によるペレット状成形体、スクリュー押出成形機によるハニカム状成形体を得る。ついで、この成形物(グリーン)を乾燥(加温又は風乾等)したうえ、焼結処理に付す。
【0021】
焼結処理は、約600〜1000℃で行なうのが好ましい。約600℃より低い温度域では、焼結に長時間を要するほか、製品焼結体の機械強度の確保が困難となり、他方1000℃を超える高温処理行うと、多孔質無機粉末の微細多孔構造の変質により製品焼結体の性能の低下をきたすからである。好ましくは600〜900℃、より好ましく600〜800℃である。
【0022】
【実施例】
[実施例1]
(原料調製)
主 材:ゼオライト(ZSM−5型)粉末
結合剤:結晶質の二チタン酸カリウム粉末(後記参考例1による)
ゼオライト粉末97mass%、二チタン酸カリウム(結晶質)粉末3mass%からなる粉末混合物100重量に、水150重量部を加え、混練機で混練した後、打錠機にてペレット(φ5mm,長さ7mm)に成形する。
(焼結処理)
上記成形体を乾燥器で150℃で乾燥した後、電気炉に入れ600〜900℃の各設定温度で焼結(処理時間:1Hr)し、ペレット形状の多孔質焼結体を得た。
【0023】
[実施例2]
(原料調製)
主 材:シリカゲル(B型)粉末
結合剤:非晶質の四チタン酸カリウム粉末(後記参考例2による)
成形助剤:メチルセルロース
可塑剤 :グリセリン
シリカゲル95mass%、非晶質チタン酸カリウム粉末5mass%からなる粉末混合物100重量部に、メチルセルロース4重量部、グリセリン2重量部、及び水30重量部を加え、スクリューニーダーで10分間混練する。混練物をスクリュー型押出成形機に供給し、正方形セルからなるハニカム成形体(正方形セル:φ31.5mm,長さ15mm、セル数160個/in)を成形する。
(焼成処理)
上記成形体を風乾した後、電気炉に入れ、600〜900℃の各設定温度で焼結処理(処理時間:1Hr)を施してハニカム構造の多孔質焼結体を得た。
【0024】
[実施例3]
(原料調製)
主 材:ゼオライト(ZSM−5型)粉末
結合剤:結晶質の六チタン酸カリウム粉末(後記参考例3による)
ゼオライト粉末97mass%、六チタン酸カリウム(結晶質)粉末3mass%からなる粉末混合物100重量に、水150重量部を加え、混練機で混練した後、打錠機にてペレット(φ5mm,長さ7mm)に成形する。
(焼結処理)
上記成形体を乾燥器で150℃で乾燥した後、電気炉に入れ600〜900℃の各設定温度で焼結(処理時間:1Hr)し、ペレット形状の多孔質焼結体を得た。
【0025】
【表1】
Figure 2004168629
【0026】
各供試材の原料組成配合、焼結温度及び製品焼結体の物性を表1に示す。
本発明の多孔質焼結体は、比較的低温域の焼結処理により、主材粉末粒子(シリカ系多孔質粉末)の微細多孔構造を保持すると共に、良好な機械強度を備えている。なお、実施例1と実施例3の多孔質焼結体(主材はともにゼオライト)の強度・比表面積を比較すると、実施例1(結合剤:結晶質二チタン酸カリウム粉末,融点約940℃)の多孔質焼結体は、実施例3(結合剤として結晶質六チタン酸カリウム粉末使用,融点約1330℃)のそれに比し、同じ焼結処理温度においてより大きい比表面積と強度レベルを有している。このように結合剤であるチタン酸アルカリ金属塩(MTi2n+1)として、そのn数の小さいものを採択することにより、焼成処理温度を低くし、主材粉末の高い比表面積レベルを維持しながら、焼結体により高い強度レベルを付与することができる。
【0027】
【参考例】(チタン酸アルカリ金属粉末の製造)
[参考例1−結晶質二チタン酸カリウム(KTi)粉末の製造−]
精製アナターゼ粉末(純度99.8mass%)と工業用炭酸カリウム粉末(純度99.5mass%)とを、TiO/KOモル比が2.0となるように配合し均一に混合する。混合粉末を白金るつぼに入れ、温度1100℃で40分間を要して加熱溶融する。溶融生成物を皿状容器(銅製)に流し込んで冷却し、繊維状の二チタン酸カリウム結晶(KTi)の塊状物を得る。これを高速ハンマーミル(スクリーン0.5mm)で粉砕して二チタン酸カリウム粉末(結晶質)を得る。
【0028】
[参考例2−非晶質四チタン酸カリウム(KTi)粉末の製造−]
精製アナターゼ粉末(純度99.8mass%)と工業用炭酸カリウム粉末(純度99.5mass%)とを、TiO/KOモル比が4.0となるように配合し均一に混合する。混合粉末を白金るつぼに入れ、温度1450℃で40分間を要して加熱溶融する。溶融生成物を金属製双ロールのロール間に流下する双ロール法で急冷することにより薄片状固化物(非晶質体)を得る。これを高速ハンマーミル(スクリーン0.5mm)で粉砕し、非晶質のチタン酸カリウムの粉末(四チタン酸カリウム相当組成)を得る。
【0029】
[参考例3−結晶質六チタン酸カリウム(KTi13)粉末の製造−]
精製アナターゼ粉末(純度99.8mass%)と工業用炭酸カリウム粉末(純度99.5mass%)とを、TiO/KOモル比が2.0となるように配合し均一に混合する。混合粉末を白金るつぼに入れ、温度1100℃で40分間を要して加熱溶融する。溶融生成物を皿状容器(銅製)に流し込んで冷却し、繊維状の二チタン酸カリウム結晶(KTi)の塊状物を得る。
上記二チタン酸カリウム結晶の塊状物を、硫酸水溶液(0.3%)に浸漬しプロペラ攪拌下にKイオンを溶出し、TiO/KO(モル比)に組成変換された水和チタン酸粉末を得、脱水乾燥の後、1100℃の焼成処理(結晶構造変換処理)に付し、六チタン酸カリウム粉末を得る。
【発明の効果】
本発明の多孔質焼結体は、シリカ系無機質粉末の結合剤としてチタン酸アルカリ金属を使用して形成されることにより、吸着材や活性物質担体等として望まれる微細多孔質構造及び良好な機械強度を具備している。またペレット等の単純形状のみならず、ハニカム形状等、多孔質焼結体の具体的な用途・使用態様に応じた多様な形状を付与することもできる。従って、気体・液体の浄化または調湿用材料として、あるいは消臭・脱臭剤材、低濃度のVOC除去用フィルタ、除加湿ローター、デシカントローター、更には酸化浄化ハニカム等として使用することができ各種分野における多様な工学的用途を可能とするものである。

Claims (8)

  1. シリカ系多孔質無機粉末と、結合剤である下式:
    Ti2n+1 …[1]
    [式中、M:アルカリ金属、n:1〜8]
    で示されるチタン酸アルカリ金属の結晶質又は非晶質の粉末を含有する原料組成物の成形体を焼結してなる多孔質焼結体。
  2. 式[1]におけるnが1〜4である請求項1に記載の多孔質焼結体。
  3. シリカ系多孔質無機粉末が、多孔質シリカ粉末、ゼオライト粉末、吸着性珪酸塩粉末、多孔質ガラス粉末から選ばれる1種もしくは2種以上である請求項1又は請求項2に記載の多孔質焼結体。
  4. シリカ系多孔質無機粉末の含有量は70mass%以上、チタン酸アルカリ金属粉末の含有量は1〜10mass%である請求項3に記載の多孔質焼結体。
  5. シリカ系多孔質無機粉末と、結合剤である下式:
    Ti2n+1 …[1]
    [式中、M:アルカリ金属、n:1〜8]
    で示されるチタン酸アルカリ塩の結晶質又は非晶質の粉末を含有する原料組成物を混練し、混練物を成形して乾燥した後、600〜1000℃で焼結することを特徴とする多孔質焼結体の製造方法。
  6. 式[1]におけるnが1〜4である請求項5に記載の多孔質焼結体の製造方法。
  7. シリカ系多孔質無機粉末が、多孔質シリカ粉末、ゼオライト粉末、吸着性珪酸塩粉末、多孔質ガラス粉末から選ばれる1種もしくは2種以上である請求項5又は請求項6に記載の多孔質焼結体の製造方法。
  8. シリカ系多孔質無機粉末の含有量は70mass%以上、チタン酸アルカリ金属粉末の含有量は1〜10mass%である請求項7に記載の多孔質焼結体。
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