JPH0697857B2 - レ−ザ用光源の電源装置 - Google Patents

レ−ザ用光源の電源装置

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JPH0697857B2
JPH0697857B2 JP61302468A JP30246886A JPH0697857B2 JP H0697857 B2 JPH0697857 B2 JP H0697857B2 JP 61302468 A JP61302468 A JP 61302468A JP 30246886 A JP30246886 A JP 30246886A JP H0697857 B2 JPH0697857 B2 JP H0697857B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、1組のレーザ媒質を複数組の光源で励起す
る場合のレーザ用光源の電源装置に関する。
〔従来の技術〕
現在、加工用に使用する固体レーザとしては、発振の安
定性が良好であることや、比較的に大出力が得やすいこ
となどから、Nd:YAGがレーザ媒質として多用されてい
る。このレーザ媒質としてのNd:YAGは、イットリウム・
アルミニウム・ガーネットと称されている光学結晶に、
約1%のネオジウム(化学記号Nd)を含有させたもので
あって、これを棒状に形成して両端面を鏡面研磨したの
ち無反射コーティングを施し、側面はすりガラス状にし
て励起光が棒全体に吸収されやすい構造にしており、こ
れを一般にYAG棒と称している。
このYAG棒は、波長が500〜800nmの光を吸収していわゆ
る励起状態となり、波長が1.06μm付近のレーザ光を発
振する。このようにYAG棒を励起させるための光源とし
ては、フラッシュランプあるいはアークランプなどが用
いられるのであるが、これらランプへ電力を供給する電
源装置は、半導体スイッチを使用したチョッパタイプの
ものが、その効率の良好なことから最も一般的に使用さ
れている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところでチョッパタイプの電源装置は、電流を断続する
ことによってその出力電流値を所望の値に制御するもの
であるから、原理的にその出力電流にはリップル分が含
まれており、従ってランプからの光出力もこれに見合っ
たリップル分を含有している。一方レーザ出力を物体の
加工に適用する場合には、加工精度を向上させるため
に、ランプの光出力に含まれるリップル分、従って電源
装置からの出力に含まれるリップル分を極力減少させる
ことが要求される。
チョッパ方式の電源装置でその出力に含まれているリッ
プル分を小さくするための方法としては、a)スイッチ
ング周波数を高くする、b)出力平滑用リアクトルのイ
ンダクタンスを大きくする、などが考えられるが、スイ
ッチング周波数を高くするとこのスイッチング動作に伴
って発生する損失が大きくなって装置の効率が低下する
ばかりでなく、この発生損失を放散させるために装置が
大形・高価になるばかりでなく、このスイッチングに使
用する半導体スイッチ素子が高価になる欠点を有する。
また出力平滑用リアクトルのインダクタンスを大きくす
ることは、当然当該電源装置の大形化をもたらし、高価
となる欠点を有している。
そこでこの発明の目的は、レーザ励起用ランプに電力を
供給する電源装置の発生損失を増大させたり、装置を大
形・高価なものにすることなく、当該電源装置からの出
力に含まれるリップル分を低減させることにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の目的を達成するために、この発明によれば、1組
のレーザ媒質に対して、該レーザ媒質を励起させるため
の光源が複数組備えられているレーザ装置において、前
記複数組の光源のそれぞれに別個に電流を供給するチョ
ッパと、該各チョッパを制御する制御回路と、前記チョ
ッパの出力を平滑する平滑手段とを備え、該制御回路は
前記各チョッパを、すべて同一のチョッピング周波数で
動作させるとともに、各チョッパのチョッピング位相を
チョッピング周期をチョッパ台数で等分割した値だけ相
互にずらせる制御を行う。
〔作用〕
この発明は、レーザ媒質を励起するための光源を複数組
とし、それぞれの光源へ別個のチョッパから電力を供給
するのにあたって、各チョッパのチョッピング周波数を
同一にそろえ、それぞれが相互に等しい位相差でオン・
オフ動作するように制御することで、各ランプの光出力
の和に含まれるリップル分を低減させようとするもので
ある。
〔実施例〕
第1図は本発明の実施例を示す回路図であって、1組の
レーザ媒質に対して2組のランプにより励起させる場合
を図示している。ただしレーザ媒質は本発明とは直接の
関係がないので、これの図示は省略している。
この第1図において、交流電源2からの交流電力は整流
器3により直流電力に変換され、平滑コンデンサ4によ
りリップル分が除去されるので、このようにして平滑さ
れた直流電力は、第1チョッパ10と第2チョッパ20とに
与えられ、第1チョッパ10からの出力はランプ16へ、ま
た第2チョッパ20からの出力がランプ26へ与えられるよ
うになっている。
ここで第1チョッパ10は、チョッパトランジスタ11とこ
れを動作させるベース駆動回路12、出力平滑用リアクト
ル13ならびにフリーホイールダイオード14とで構成され
ており、第2チョッパ20も同様にチョッパトランジスタ
21、ベース駆動回路22、出力平滑用リアクトル23ならび
にフリーホイールダイオード24とで構成されている。ま
たこれら両チョッパ10と20とを制御するためのチョッパ
制御回路30は、第1チョッパ10用の電流調節器31とコン
パレータ32、第2チョッパ20用の電流調節器33とコンパ
レータ34、両チョッパに共通の3角波発生器35ならびに
位相反転器36とで構成されている。またこのチョッパ制
御回路30へは電流指令回路5からの電流指令信号が入力
されるようになっている。
第1チョッパ10のチョッパトランジスタ11をオンさせる
ことにより、平滑コンデンサ4→チョッパトランジスタ
11→出力平滑用リアクトル13→ランプ16→平滑コンデン
サ4の経路で、所定の時定数で増加する電流がランプ16
へ流れる。次いでチョッパトランジスタ11をオフにすれ
ば、出力平滑用リアクトル13→ランプ16→フリーホイー
ルダイオード14→出力平滑用リアクトル13の経路で、電
流が減少しながら還流するのは周知であり、この第1チ
ョッパ10からはランプ16へ脈動電流が供給されるので、
このランプ16の光出力も脈動する。
第2チョッパ20も上述の第1チョッパ10と同じ動作をす
るのであるが、本発明においては、これら第1チョッパ
10と第2チョッパ20とは同じチョッピング周波数である
が、相互に電気角で180度の位相差をもってオン・オフ
動作をさせる。すなわち電流調節器31は、電流検出器15
からフィードバックされて来る第1チョッパ10の出力電
流I1と電流指令回路5からの電流指令信号との偏差を入
力し、この入力偏差を零にする制御信号A1をコンパレー
タ32へ出力するので、このコンパレータ32は、3角波発
生器35からの3角波信号B1と上述の制御信号A1との大小
関係を比較し、その結果として得られるパルス列信号を
ベース駆動回路12へ送ってチョッパトランジスタ11をオ
ン・オフ動作させる。
第2チョッパ20の出力電流I2は電流検出器25で検出され
るので、電流指令回路5からの指令信号とこの検出電流
I2との偏差を電流調節器33へ入力させると、この電流調
節器33からは入力偏差を零にする制御信号A2を出力す
る。コンパレータ34はこの制御信号A2と3角波信号B2
を入力して、両者の大小関係を比較することで得られる
パルス列信号を出力するので、このパルス列信号をベー
ス駆動回路22へ与えることにより、チョッパトランジス
タ21をオン・オフ動作させる。
ここでコンパレータ24へ入力される3角波信号B2は、第
1チョッパ10の場合と同じ3角波発生器35からの出力B1
を位相反転器36により180度の位相差をつけたものであ
るから、第1チョッパ10と第2チョッパ20のチョッピン
グ周波数は等しくなり、相互に180度の位相差がつくこ
とになる。それ故第2チョッパ20からランプ26への脈動
電流もランプ16への脈動電流とその脈動の周波数は等し
く、180度位相がずれた脈動となる。
これら2組のランプ16と26とを使用することで、レーザ
媒質へ与えられる合計の光出力は個々のランプの光出力
にくらべて、リップル分が大幅に低減される。
第2図は第1図に示す実施例回路の各部の動作をあらわ
した動作波形図であって、第2図(イ)はコンパレータ
32へ入力される信号A1と信号B1の変化を、第2図(ロ)
はコンパレータ34へ入力される信号A2と信号B2の変化
を、第2図(ハ)はコンパレータ32の出力信号の変化
を、第2図(ニ)はランプ16へ流れる電流I1の変化を、
第2図(ホ)はコンパレータ34の出力信号の変化を、第
2図(ヘ)はランプ26へ流れる電流I2の変化を、第2図
(ト)は合計光出力の変化をそれぞれがあらわしてい
る。
この第2図であきらかなように、ランプ16へ流れる電流
I1と、ランプ26へ流れる電流I2とは、それぞれに大きな
リップル分を含んでいるが、両ランプ16と26の合計光出
力はこの両電流I1とI2との和に比例するので、第2図
(ト)に示すようにその脈動分が大幅に減少している。
なおこの第1図と第2図で説明した実施例は2組のラン
プを使用した場合であるが、3組以上のランプを使用
し、電流脈動の位相が相互に等しい値だけずれるように
電源を制御するならば、そのリップル分は更に大きく低
減できることは勿論である。
〔発明の効果〕
この発明によれば、レーザ媒質を励起させる光源を複数
用意し、各光源を別個のチョッパを用いてランプ電流を
制御する場合に、各チョッパのチョッピング周波数を等
しくして、相互に等しい位相差でチョッピング動作を行
うように制御するならば、個々のランプへ供給される電
流には大きな脈動分が含まれていても、合計した光出力
に含まれる脈動分はごく僅かなものにできるので、レー
ザ媒質からは良質なレーザ光が得られる。すなわち各チ
ョッパのチョッピング周波数を上昇させる必要がなく、
また出力平滑用リアクトルのインダクタンスを増大させ
る必要もないことから、チョッパの大形化・高価格化を
回避することができ、しかも良質なレーザ光を得られる
効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を示す回路図であり、第2図は
第1図に示す実施例回路の各部の動作をあらわした動作
波形図である。 2……交流電源、3……整流器、4……平滑コンデン
サ、5……電流指令回路、10……第1チョッパ、11,21
……チョッパトランジスタ、12,22……ベース駆動回
路、13,23……出力平滑用リアクトル、14,24……フリー
ホイールダイオード、15,25……電流検出器、16,26……
ランプ、20……第2チョッパ、30……チョッパ制御回
路、31,33……電流調節器、32,34……コンパレータ、35
……3角波発生器、36……位相反転器。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1組のレーザ媒質に対して、該レーザ媒質
    を励起させるための光源が複数組備えられているレーザ
    装置において、 前記複数組の光源のそれぞれに別個に電流を供給するチ
    ョッパと、該各チョッパを制御する制御回路と、前記チ
    ョッパの出力を平滑する平滑手段とを備え、 該制御回路は前記各チョッパを、すべて同一のチョッピ
    ング周波数で動作させるとともに、各チョッパのチョッ
    ピング位相をチョッピング周期をチョッパ台数で等分割
    した値だけ相互にずらせる制御を行うことを特徴とする
    レーザ用光源の電源装置。
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