JPH069783A - アルコキシシリルを末端基とする材料と有機ポリシロキサンの合成と、湿分と光硬化両機構による硬化可能な組成物と湿分硬化組成物 - Google Patents

アルコキシシリルを末端基とする材料と有機ポリシロキサンの合成と、湿分と光硬化両機構による硬化可能な組成物と湿分硬化組成物

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JPH069783A
JPH069783A JP5096660A JP9666093A JPH069783A JP H069783 A JPH069783 A JP H069783A JP 5096660 A JP5096660 A JP 5096660A JP 9666093 A JP9666093 A JP 9666093A JP H069783 A JPH069783 A JP H069783A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ジ−、トリ或いはテトラアルコキシシランを
シラノール末端類をもつジ有機シロキサンとアルコキシ
を末端基とする重合体の鎖のおのおの末端で反応させて
重合体を合成させるに必要な先行技術の特定の触媒系に
は、反応の緩慢性、腐食性、嫌悪性、有害性など著しい
欠点を有し、それらを克服する新しい触媒系。 【構成】 少くとも1つのアルコキシ類を少くとも1つ
の末端に有するアルコキシシリルを末端基とする材料の
合成法であって、触媒として有効量の有機リチウム試薬
が共存する時、アルコキシシリルを末端基とする第1の
反応体を、シラノール類で末端となる鎖の少くとも一端
を有する第2の反応体と反応させる工程からなる。 【効果】 生成アルコキシを末端基とする有機ポリシロ
キサンは粒度値(cps)が時間が経ってもそのまま維
持できることで判断されるように本質的に安定した材料
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルコキシ末端類をもつ
シリル含有材料の合成に関する。詳述すれば、この発明
はアルコキシ末端類をもつ有機ポリシロキサンの合成に
おける有機リチウム試薬の使用に関するものである。こ
れらの材料は更にオレフィン官能価をもち、そのため湿
分と光硬化性機構による二重硬化を可能にする。
【0002】
【従来の技術】アルコキシを末端類とする重合体が、ジ
−、トリ或いはテトラアルコキシシランを、シラノール
末端類をもつジ有機シロキサンと前記重合体鎖のおのお
のの末端で反応さえて合成できる。この反応には特定の
触媒例えばアミン、無機酸化物、酢酸カリウム、有機チ
タン誘導体、チタン・アミン化合物、カルボン酸・アミ
ンの化合物のみならずカルバメートやオキシム含有有機
化合物も使用する必要がある。しかし、これらの触媒系
には著しい欠点がある。例えば、アミン触媒系は特に緩
慢であって、この速度の欠如は問題のアルコキシシラン
の反応度により更に悪化させることがしばしばである。
そのうえ、アミンとカルボン酸触媒は腐食性であり、い
ったん反応が進んで所望の完結状態に達すると、特別の
取扱いと除去工程が必要である。触媒反応残留物は前記
有機シロキサン液の貯蔵安定性と生成架橋性生成物の特
性を特に損なうものとなる。これらの触媒残液の除去は
しばしば困難で、面倒で費用のかかる特別の工程を必要
とする。そのうえ、これらの触媒の多くは、不快な臭気
を発し、かつ眼や皮膚に危険で人体にはとりわけ有害な
ものである。
【0003】有機チタン触媒例えばチタンテトライソプ
ロピオネートもこれらの種類の反応に一般に用いられて
きたが、チタン・珪素錯体化の結果である「厚手の相」
の予期せぬ有害作用の欠点がある。前記シラノールを末
端類とする有機ポリシロキサンとアルコキシシランの間
の意図した反応が完結する前に、厚いゲル状の相が生じ
て、この相の克服と反応の進行を容易にする混合羽根か
らの余力の剪断刀とエネルギーを必要とする。この厚手
の相は、工業規模バッチの重合体を合成し、又厚手相の
克服に必要な剪断刀が大きい時、特に困難な問題とな
る。
【0004】かなり最近になっては、米国特許第5,0
79,324号が水酸化リチウムを触媒として、末端類
シアノール類をもつジ有機シロキサンを次式のポリアル
コキシシランとの反応に使用することを開示している: (R″)(R′)Si(OR″′)4−(a+c) [式中、R′とR″は、官能基C1−13を含むことが
ある例えば1価の炭化水素基、又R″′は脂肪族基C
1−8である]。
【0005】しかし、水酸化リチウムは、極性溶剤例え
ばメタノールを使用してそれを溶液として反応に導入す
る必要がある無機固体である。メタノールが共存するた
め、この触媒系にはリチウムメトキシドの形で絶えず再
生されるというきわだった不利益がある。生成重合体生
成物は前記再生リチウム触媒がシロキサンに作用して粘
度の急速な低下を示す。一般にはどちらかといえば直ぐ
に起こる粘度の低下は時間と共に一層著しくなり、従っ
て保存寿命に大きく影響する。そのうえ、この官能基化
重合体の引続く硬化にも悪影響を来す。粘度の低下は再
生リチウムによるシロキサン結合の開裂に直接関係し、
その結果、著しく低い分子量と生成物の不安定性をもた
らす。
【0006】ブチルリチルムをヘキサメチルシクロトリ
シロキサンのメチルメトキシシランとのオリゴマー化の
開始剤としてヘキサメチルフォスフォロアミドと組合わ
せて使用することを1985年刊Eur.Plym.
J.第21巻第2号第135乃至140頁の「ジ.アニ
オニック.オリゴマリゼーション.オブ.ヘキサメチル
シクロトリシロキサン.ウィズ.メチルメトキシシラン
(The Anionic Oligomerizat
ion of Hexamethylcyclotri
siloxane with Methylmetho
xysilanes)」と題する論文で開示している。
この文献はブチルリチウムのみならず無機塩基も、メチ
ルメトキシシランと共存する時、ヘキサメチルシクロト
リシロキサンの開環手段として使用できることを開示し
ている。
【0007】EPA第362,710号は、重合性官能
類が片方もしくは両分子鎖端で存在するジ有機ポリシロ
キサンの合成方法を開示している。合成は有機シランも
しくは有機ポリシロキサンと共存する時、重合の開始剤
として、前記重合性官能類をもつアルカリ金属シラノレ
ートを用いてシクロトリシロキサンの開環を必要とす
る。この引例は、反応が平衡で進んでいる場合、生成物
の混合物、すなわち両端における官能類との重合体と、
いずれかの端において官能類のない重合体を生成するこ
とを述べている。この引例は重合体の両端でのアルコキ
シ類との末端キャップ形成の方法を教示しないが、むし
ろ環状トリシロキサンをリビング重合単量体として用い
る重合反応を教示する。
【0008】米国特許第3,878,263号は、非プ
ロトン性溶媒中に有機リチウムを、又同様に無機リチウ
ム触媒も用いて環状有機ポリシロキサンをアクリル酸機
能性シランもしくはシロキサンとの重合に用いる重合反
応を開示している。この引例は本発明からの異なる出発
原料から始まって開環反応すなわちシロキサン開裂を実
施する。生成重合体にはアルコキシ類を末端とする一方
の端とアクリル酸塩類を末端とする他端があるだけであ
る。重合反応は末端であるメタクリロキシ基で調節され
る。これらの開示された触媒にはリチウムアルコキシド
化合物例えばリチウムメトキシド:リチウムアルキル例
えばエチルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチ
ルリチウム、ビニルリチウム;リチウムアリール例えば
フェニールリチウム;水素化リチウム、水素化リチウム
アルミニウム、リチウムシラノレートと水酸化リチウム
が含まれる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】粘度の安定したアルコ
キシシリル含有材料で、非腐食性、高速かつ、先行技術
触媒系の不快臭や他の不利点などの欠点のない例えばア
ルコキシを末端基とする有機ポリシロキサンをつくる方
法に対する要望は決定的である。そのうえ、安定した保
存寿命を示し、シーラント、接着剤、コーチングその他
同種類のもののような製品の生産に有用となりうる組成
物に対する要望もある。
【0010】本発明は上記要望に答えた合成法及び硬化
組成物を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】一実施例では、本発明は
末端に少くとも1つのアルコキシ類をもつアルコキシシ
リルを末端基とする材料の合成法に関し、前記方法が、
触媒として有効な量の有機リチウム試薬が共存する時、
アルコキシシランの第1の反応体をシラノール類を末端
とするその鎖の少くとも一端を有する第2の反応体と反
応させる工程からなる。前記アルコキシシリルを末端基
とする材料はいろいろな重合体主鎖品種例えばシリコー
ン、ポリウレタン、ポリアミドその他同種類のものをも
っていても差支えない。これらの材料は湿分硬化もしく
は湿分ならびに光硬化二重機構のいずれかによる硬化が
考えられている。
【0012】アルコキシを末端基とする材料はなるべ
く、少くとも1つの末端アルコキシ基をもつ有機ポリシ
ロキサンであること。このような材料は、シラノール類
で末端となる1つの末端、好ましくは両末端をもつ有機
ポリシロキサンの、少くとも2つのアルコキシ類を含む
シランとの反応の生成物であり、又前記反応が触媒とし
て有効な量の有機リチウム試薬が共存する時に起こるこ
とを特徴とする。生成アルコキシを末端基とする有機ポ
リシロキサンは、ほぼ一定の粘度値(cps)を時間と
共に維持する能力により測定される通り本質的に安定し
た材料である。そのうえ、残留有機リチウム触媒がある
場合、その除去は全く随意であるが、濾過によって容易
に達成できる。この触媒系も他の触媒が発生させるよう
な不快な臭気を発生させない。
【0013】更に好ましい実施例では、アルコキシを末
端基とする本発明の有機ポリシロキサンにはビニルと、
なるべくはアクリル酸官能価も同様備わり、光と湿分の
二重硬化を可能にすることである。このような実施例の
1つは触媒量の有機リチウム触媒が共存する時、ビニル
トリメトキシシランのシラノールを末端基とするポリジ
メチルシロキサン液との反応生成物である。
【0014】本発明は、湿分と光硬化の両機構による硬
化ができ、又本質的に保存寿命の安定した粘度を備える
組成物に更に関するものであり、その組成物が: (a) 少くとも1つの末端に少くとも1つのアルコキシ類
と、少くとも1つの末端に少くとも1つの光硬化性類を
もつ反応性有機ポリシロキサンと; (b) 有効量の光開始剤と; (C) 有効量の湿分硬化触媒と; からなり、前記(a)の反応有機ポリシロキサンが、シ
ラノール類で末端となる少くとも1つの末端をもつ有機
ポリシロキサンの、少くとも2つ、なるべくなら3つの
アルコキシ類と少くとも1つの光硬化性類を含むシラン
との反応生成物であることと、前記反応が触媒として有
効な量の有機リチウム試薬が共存する時に起こることを
特徴とする。
【0015】進歩的方法で触媒量の試薬を独特の方法で
使用すると、有機ポリシロキサン液をアルコキシ類で、
今まで列挙した欠点もなく、有機ポリシロキサン液をア
ルコキシ基と末端キャップ化する新しい方法を提供す
る。とりわけ重要なことは、生成アルコキシ末端キャッ
プ化有機ポリシロキサンは、シラノールを末端基とする
シロキサン出発材料の粘度にほぼ等しい粘度(すなわ
ち、粘度低下がほとんどない)を維持し、双方とも反応
の完全さ、例えばミラノールが未反応のまま残らないこ
とと、最終重合体の安定性を示す。
【0016】本発明で有用な有機リチウム試薬を式Li
14で示し、式中の有機類R14は、C1−18、ア
ルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキ
ル、アルケニル、及びアルキニル類;アミン含有化合
物;のみならず有機シリコーン化合物;からもなる群よ
り選ばれる。これらの試薬は触媒としての有効量で共存
し、又本方法と、それから生成される生成物の品質の双
方にとって決定的である。
【0017】
【作用】詳述すれば、本発明のアルコキシを末端基とす
る有機シロキサンを化学式4で示す:
【0018】
【化4】 [式中、R、R、RとRは同一のもの、或いは
異なるものでもよく、最高10炭素原子(C1−10
又はハローもしくはシアノ置換炭化水素基をもつ1価の
炭化水素基である;Sはヘテロ原子がO、N及びSか
ら選ばれた10炭素原子以下(C10)の1価のヘ
テロ炭化水素基であり;Rはアルキル(C
10)、好ましくはメチル、エチルもしくはイソプ
ロピル;Rは更にCHCHOCH;nは整数;
aは0、1もしくは2;bは0、1もしくは2;そして
a+bは0、1もしくは2]。
【0019】最も好ましい実施例は次の化学式5で示さ
れ、式中Rはメタクリロキシ−プロピル類、CH
(CH)−COOC、R及びRはメチル、
そしてRとRは化学式4で述べられたもので化学式
5で示される。
【0020】
【化5】 [式中、MAはメタクリロキシプロピル基、nは1から
1,200、そしてCは0もしくは1である]。
【0021】アルコキシとアクリル酸の両類が共存する
ため、この好ましい実施例は、湿分と光両硬化機構によ
る硬化能力を有する。従って、例えば、この重合体液材
料又は前記材料からなる組成物を光開始剤の存在下で紫
外線に暴露して前記材料を部分的に硬化又はゲル化で
き、その後、周囲条件で湿分より更に硬化できる。
【0022】シラノールを末端基とする試薬を次の化学
式6で示される実際に有用であればどのようなシラノー
ルを末端基とする材料であって差支えない:
【0023】
【化6】 [式中、Aは重合体もしくは共重合体本鎖を示し、ポリ
ウレタン、シリコーン、ポリアミド、ポリエーテルその
他同種のものであってよい;RとRは同一のもので
も異なるものであっても差支えなく、又最高10炭素原
子をもつ1価の炭化水素基もしくはハロー、或いはシア
ノ置換炭化水素基;そしてRは1価の炭化水素基C
1−10又はOH]。
【0024】しかし、なるべくならばこの反応体がシラ
ノールを末端基にして次の化学式7を示す有機ポリシロ
キサンであることが好ましい:
【0025】
【化7】 [式中、R、RとRを前化学式6の通りに規定す
る。RとRの好ましい類はアルキルC1−10で最
も好ましくはメチル、エチル及びイソプロピルである
が、アリール類例えばフェニルもビニル類と同様考えら
れている。Rの好ましい類はOHである。反復単位の
数は分子量、従ってこの出発原料の粘度を決定するもの
である。従って、nは例えば整数でも、例えば約1乃至
1,200、好ましくは約10乃至約1,000でも差
支えない。これらの材料の粘度は決定的なものではな
く、特定の製品用途に合うよう容易に選択ができる。そ
れは詳しくは、この反応のアルコキシを末端基とする最
終製品が、前記シラノールを末端基とする反応体とほぼ
同一の粘度をもつことになるからである。これらのシラ
ノールを末端基とする有機ポリシロキサンの粘度は約1
cps乃至約150,000cpsの範囲をとることが
できる(ブルックフィールド、25℃)。本発明で使用
されるものの好ましい範囲は約100乃至60,000
cpsである。
【0026】このようなシラノールを末端基とする有機
ポリシロキサンの1つは次の化学式8に示されるポリジ
メチルシロキサンである:
【0027】
【化8】 第2の反応体は少くとも2つのアルコキシ類を含み次式
で示されるシランである: (R(R10Si(OR11
4−(a+b) [式中、R、R10とR11は同一のもの或いは、も
しあるならヘテロ原子がハロ原子、O、NとSから選ば
れるC1−10を有するヘテロ炭化水素基であってもよ
い;aは0、1もしくは2;bは0、1もしくは2;そ
してa+bが0、1又は2である]。
【0028】好ましくは、RとR10がメチル、エチ
ル、イソプロピル、ビニルとフェニルからなる群より選
ばれることで;R11はなるべくメチル、エチル、イソ
プロピルとCHCHOCHからなる群より選ばれ
ることである。本発明で特に有用であるのは、ビニルト
リエトキシシランとメチルトリメトキシシランである。
【0029】本発明で有用な他の代表的ポリアルコキシ
シランには次のものが含まれる: Si(OCH、Si(OCHCH、Si
(OCHCHCH、(CHO)SiCH
、(CO)SiCH、(CHO)Si
CH=CH、(CO)SiCH=CH
(CHO)SiCH−CH=CH、(CH
O)Si[CH−(CH)C=CH]、(C
O)Si(OCH)、Si(OCH−CH
−OCH、CHSi(OCH−CH−O
CH(CO)Si(CHCH−Cl、(C
O)Si(CHNH、(CO)
Si(CHNH、(CHO)Si(C
NH(CHNH、(CO)
i(CHNH(CHNH、(CHO)
−Si(CHSH、(CH)(CH=C
H)Si(OCH、及び(CHO)Si
[(CHOOCH=CH]。
【0030】本発明で有用な有機リチウム試薬は式Li
14で示され、式中、有機類R14はC1−18、ア
ルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキ
ル、アルケニル、アルキニル類;アミン含有化合物;の
みならず有機シリコーン化合物から;からもなる群より
選ばれる。これらの試薬は、触媒として有効な量で存在
し、又方法とそれから生成される生成物の品質双方にと
って決定的である。
【0031】前記有機リチウム触媒はなるべくならアル
キルリチウム例えばメチル、nブチル、s−ブチル、t
−ブチル、n−ヘキシル、2−エチルヘキシルブチルと
n−オクチルブチルリチウムであること。他の有用な触
媒には、フェニルリチウム、ビニルリチウム、リチウム
フェニルアセチリド、リチウム(トリメチルシリル)ア
セチリド、リチウムシラノレートとリチウムシロキサノ
レートである。前記有機類もアミン含有化合物例えばジ
メチルアミド、ジエチルアミド、ジイソプロピルアミド
がジシクロヘキサルアミド、もしくはシリコーン含有化
合物でも差支えない。
【0032】有用なリチウムシラノレートは式LiOS
iR111213で示され、式中、R11とR12
は1価の炭化水素基C1−10、好ましくはアルキル例
えばメチル、エチルとブチル、又同様にアリール例えば
フェニルであり、R13はアルキル又はC1−18をも
つアリール類である。
【0033】有用なリチウムシロキノレートは式Li
(OSiR1112O)SiR111213
示され、式中、R11とR12は上述の通り;R13
上述の通り、そしてtは整数好ましくは1乃至10であ
る。
【0034】前記有機リチウム試薬は触媒としての有効
量で用いられる。一般に、この量は特定の触媒と反応体
材料で変化するが、リチウムの原子量に対し約1乃至
1,000ppmが有用である。更に好ましい量は15
乃至25Oppmである。
【0035】極性もしくは非プロトン性溶媒のいずれも
触媒溶液もしくは反応混合物に、好ましくない又無制限
な触媒の再生と、引続き起るシロキサン結合の開裂を防
ぐためにも導入されないほうがよい。しかし、ごく少量
のアルコールは反応中現場で生成される。この重要でな
い副生成物の存在は非常に微量であるので最終製品の粘
度安定度には目立つ低下も、それに及ぼす影響は見られ
ない。これらの少量のアルコール副生成物は反応中、或
いは反応にすぐ引続いて任意に除去できる。
【0036】本発明の反応方法は、シラノールを末端基
とする有機シロキサン、アルコキシシランと有機リチウ
ム溶液を反応器容器に加えることからなる。前記混合物
をその後、攪拌しながら水分を共存させないで、例えば
窒素条件の下、約1/2乃至5時間の間、周囲温度乃至
約110℃、なるべくならば25℃乃至約60℃の温度
にして、アルコキシの末端キャップ化が完了するまで加
熱する。末端キャップ化が完了したという証拠は、チタ
ン触媒を添加すると厚手の相がなくなることである。混
合物を、そこで気泡化したか、或いは液体二酸化炭素又
はドライアイスで急冷し更に冷却する。生成した炭酸リ
チウムは、望ましい場合は濾過により容易に除去でき
る。触媒の中和を任意に、好ましくは二酸化炭素をドラ
イアイスの形にして用いて行う。化合物例えば燐酸シリ
ル、酢酸シリルその他同種のものと同様、酸も中和に使
用できる。縮合水分が前記中和プロセスを助ける。揮発
物がある場合は真空抜取りができる。前記シラノールを
末端基とした有機ポリシロキサン(SiOHのモルに基
づき)の等モル量とのアルコキシシランを反応に使用で
きるが、余分のアルコキシシランが好ましい。一部二重
硬化組成物の合成においては、僅かに余分のアルコキシ
シランを添加して増加しがちの粘度を抑えることが好ま
しい。従って、例えば前記の事例では、1.0乃至1.
5モルのアルコキシシランが、1モル1モルのシラノー
ルにとって好ましい。
【0037】生成液をその後、他の通常の添加剤例えば
充填剤、開始剤、促進剤、増量剤、水分掃去剤その他同
種のものと混合して1部硬化組成を形成できる。充填剤
例えば疎水性ヒュームドシリカもしくは石英は所望の物
理特性の硬化材料への付与に役立つ。水分掃去剤例えば
メチルトリメトキシシランとビニルトリメチルオキシシ
ランが有用である。
【0038】これらの硬化性組成物は100部(重量
部)の本発明の方法により合成した機能化重合体に添加
して達成される: (a) 0乃至250部の無機充填剤; (b) 0乃至20部、好ましくは0乃至10部の接着促進
剤例えばシランもしくはポリシロキサンで1分子ごとに
同時に持っているもの: (i) SiC結合により珪素原子に結合し又アミノ、グリ
シドキシ又はメルカプト類その他同種のもので置換され
た少くとも1つのC−C15の有機類と; (ii)少くとも1つのC−Cアルコキシ類もしくはC
−Cアルコキシアルキレンオキシ類その他同種のも
のと; (c) 有効量の縮合触媒。
【0039】「有効量」の縮合触媒の意図するところ
は、重量比で約0.1乃至約5%、好ましくは約0.2
5乃至約2.5%の、典型的例として、チタン、亜鉛、
ジルコンとその混合物から選ばれる金属の少くとも1つ
の化合物である。チタン酸テトライソプロポキシとチタ
ン酸テトラブトキシが好ましい。米国特許第4,11
1,890号は数多くの他の有用なものを列挙してい
る。
【0040】従って、本発明のアルコキシを末端基とす
る有機シロキサン液は、時間が経過してもほとんど粘度
低下を示さないで、従って最終製品に保存安定性を付与
する一部硬化性系に処方できる。例えば、この発明は湿
分と光硬化の両機構により硬化ができ本質的に保存性の
ある程度をもつ組成物を考えている。前記組成物は: (a) 珪素原子に少くとも1末端で連結される少くとも1
つのアルコキシ類と、少くとも1つの末端で連結された
1つの光硬化性類をもつ反応性有機ポリシロキサンと; (b) 有効量の光開始剤と; (c) 有効量の湿分硬化触媒と; からなり、前記反応性ポリシロキサンが少くとも1つの
末端シラノール類をもつ有機ポリシロキサンの、少くと
も2つ、好ましくは3つのアルコキシ類を少くとも1つ
の光硬化性類を含むシランとの反応生成物であること
と、前記反応が触媒としての有効量の有機リチウム試薬
の共存の時に起こることを特徴とする。
【0041】本発明により合成された反応性有機ポリシ
ロキサンは湿分だけで硬化性となる。
【0042】本発明の有用な二重硬化組成物の処方で
は、処方に、湿分硬化触媒例えばチタン触媒が含まれ
る。
【0043】本発明で用いられる二重硬化組成物には、
光開始剤が含まれる。周知のラジカル光開始剤であれば
どれでも、又その混合物を本発明から離脱することなく
使用できる。試料の光開始剤にはベンゾインと、置換ベ
ンゾイン化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーのケトンで
あるジアルコキシベンゾフェノン、ジアルコキシアセト
フェノンその他同種のものが含まれる。光開始類を有機
シロキサン重合体主鎖に結合させてシリコーンと相溶性
の光開始剤も使用可能である。
【0044】前記組成物に用いられる光開始剤の量は典
型的例として、組成物の約0.1%乃至5%の範囲内で
ある。しかし、特定の光開始剤の特性により、この範囲
外の量を、アクリル酸類の急速かつ有効な重合開始の機
能を遂行する限り本発明から逸脱することなく使用でき
る。詳述すれば、シリコーン結合の光開始剤を光開始類
ごとに高等量で用いる場合、より高い割合が必要であ
る。
【0045】光開始剤を別の成分として用いるが、進歩
した方法で用いる処方は、上述で討議の光硬化とアルコ
キシ類を含む同一の有機ポリシロキサン重合体の主鎖に
光開始基が含まれる。有機ポリシロキサンに連結される
ことがある好ましい光硬化基にはアクリル酸、メタクリ
ル酸とグリシドキシ基が含まれる。
【0046】進歩的組成物も、紫外線と湿分硬化機構と
妨害しない限り他の添加物を含むことができる。これら
は接触促進剤例えばグリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、トリアリル−S−
トリア−ジン−2、3、6(1H.3H.5H)−トリ
オン、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン
と当業者に周知の他のものを含む;充填剤例えばシリ
カ、極微風船形フラスコその他同種のものが通常目的の
ために有用である。
【0047】
【実施例】本発明は次の非限定実施例に関し更に理解で
きる。重量比は別に明記のない限り全組成あたりであ
る。粘度は別に明記のない限り、25℃の温度で、1分
間10回転のスピンドル#6もしくは#4を備えたブル
ックフィールド粘度計で測定される。実施例1 リチウムn−ブチルジメチルシラノレート触媒溶液を先
ず25gのヘキサメチルシクロトリシロキサンを25g
のヘキサンに溶解させ、その後、ヘキサン(120g)
中の172mlの1.6M n−ブチルリチウム(0.
275モル)をこのヘキサメチルシクロトリシロキサン
溶液に加える。生成溶液を室温に冷却後端末キャップ化
触媒として用いた。
【0048】GPC分析が99,000の重量平均分子
量と、72,500の数平均分子量(ポリスチレン標準
に対し)を示す50,000cps(スピンドル#6)
シラノールを末端基とするポリジメチルシロキサン液を
ビニルトリメトキシシランによる末端キャップ化に用い
た。5Kgのこの液体と、48gのビニルトリメトキシ
シランと6.5gの上記リチウムn−ブチルジメチルシ
ラノレート溶液を反応器中で混合した。この混合物を3
時間で55℃に加熱した。全部で5gになるドライアイ
ス小片をいくつか、その後前記混合物に入れた。冷却
後、前記混合物を15分間室温で真空抜取りして僅かな
揮発性物質も除去した。混合物の粘度は45,000c
ps(スピンドル#6)であることがわかり、又混合物
は貯蔵中安定していることがわかった。この混合物のG
PC分析では重量平均分子量が101,000又数平均
分子量が74,000を示した。
【0049】この混合物の65部をその後、27.5部
の疎水性ヒュームドシリカ、7部のビニルトリメトキシ
シラン(水分掃去剤)と0.5部のチタンイソプロポキ
シドと空気と水分の存在しない時に混合してシーラント
もしくはコーチング組成物を形成する。混合中、厚手相
生成が見られず、完全末端キャップ化を示した。対照的
に、シラノール液だけを末端キャップ化液の代りにビニ
ルトリメトキシシランと用いると、チタンイソプロポキ
シドの混合物への添加に際し直ぐに増粘が出てくること
が認められた。
【0050】このように合成されたシーラントは周囲条
件において7日間で硬化できた。加硫ゴムの次の特性が
見られた:引張り956psi;伸び700%;硬度
(ショアーA)36;そして100%の伸びにおける引
張り90psi。硬化ずみ材料の表面は不粘着性で指触
乾燥状態であった。実施例2 16,000(スピンドル#6)cpsシラノールを末
端基とするポリジメチルシロキサン液を用いて上記の実
施例を反復した。5Kgのシラノール液、67gのビニ
ルトリメトキシシランと6.5gの上述の触媒溶液を用
いた。前記シラノールを末端基とするポリジメチルシロ
キサン液は79,000の重量平均分子量と57,00
0の数平均分子量をもつことがわかった。末端キャップ
化の後、材料は14,000cpsの粘度(スピンドル
#6)、74,000の重量平均分子量と53,000
の数平均分子量を示した。
【0051】65部の末端キャップ化液を27.5部の
前記疎水性ヒュームドシリカ、7部の水分掃去剤ビニル
トリメトキシシランと0.5部の湿分硬化触媒チタンイ
ソプロポキシドと配合した。前記混合物の増粘は見られ
なかった。周囲条件で7日後の前記配合シーラントは次
の特性を示した:引張り800psi;伸び530%;
硬度(ショアーA)40;そして100%伸びにおける
引張り116psi。硬化ずみ材料は表面乾燥であっ
た。実施例3 この実施例は二重乾燥系の合成を実証する。500gの
2,000cps(スピンドル#4)のシラノールを末
端基とするポリジメチルシロキサン液を1,000ml
の3つ首丸底フラスコに入れた。14gのメタクリルオ
キシプロピルトリメトキシシランをその後加えた。前記
攪拌混合物に前もって合成したリチウムn−ブチルジメ
チルシラノレート溶液(すなわち15ppmのLi)を
更に加えた。前記混合物を室温で3時間窒素の下で混合
した。二酸化炭素の弱い流れを前記系中に10分間泡立
てて触媒急冷した。前記混合物をその後、窒素散布に3
0分かけて110℃の温度に加熱して揮発性物質を除去
した。その後、前記混合物を室温に冷却させた。混合物
は3,100cpsの粘度示度(スピンドル#4)(ブ
ルックフィールド粘度計、10rpmのスピンドル#
4)。混合物は4ヶ月の貯蔵中には粘度の変化がほとん
どなかった。
【0052】コーチングもしくは封止の処方を、49.
10gの末端キャップ化した材料を0.75gのジエト
キシアセトフォノンと0.15gのチタンイソプロポキ
シドと混合して合成した。この混合物をH電球を備えた
融解装置紫外線室を用いて紫外線硬化にかけた。前記材
料を1mm厚の0.075″(約0.19cm)離間し
た二重のポリエチレン膜の間に入れた。前記膜をガラス
板掴み具に保持させた。前記材料を75mw/cm
強さの紫外線でおのおのの側面で1分間硬化させた。硬
化ずみ材料は41の硬度(ショアー00)を示した。材
料を3日間更に湿分硬化させ、61の硬度(ショアー0
0)を示した。対照的に、シラノールを末端基とするポ
リジメチルシロキサン液を3−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシランとジエトキシアセトフェノンとで単
純に混合すると紫外線硬化性材料の生成はなかった。実施例4 実施例3に説明の末端キャップ化材料を、10gの疎水
性ヒュームドシリカと90gの前記液体を混合すること
でシーラント組成になるよう更に配合を立てた。混合物
を実施例3に説明の紫外線硬化にかけた。最初の紫外線
硬化後の材料は66の硬度(ジュロメーターショアー0
0)を示した。最初の紫外線硬化後、材料を周囲条件で
3日間更に湿分硬化させた。その後、材料は次の特性を
示した:硬度88(ショアー00);引張り180ps
i;伸び120%;そして100%伸びにおける引張り
150psi。
【0053】対照的に、シラノールを末端基とするポリ
ジメチルシロキサンを3−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、ヒュームドシリカ、ジエトキシアセト
フェノンとチタンイソプロポキシドと単純に混合すると
直ちに増粘(厚手相)をもたらして、シーラントとして
有用な材料を産出しなかった。実施例5 リチウムt−ブチルジメチルシラノレート触媒の触媒溶
液を初めに3.8gのヘキサメチルシクロトリシロキサ
ンを3.8gのヘキサン中で混合し、その後、ペンタン
に入れた15gの1.7M t−ブチルリチウム(0.
04モル)をこの溶液に添加して合成した。発熱は見ら
れなかった。
【0054】実施例3を上述の触媒溶液(0.65g)
を代りに用いて反復した。反応を室温で3時間かけて起
こさせた。触媒をその後、二酸化炭素の泡立てにより中
和させた。冷却混合物は2,840cpsの粘度(スピ
ンドル#4)を示し、又貯蔵中安定していた。
【0055】前記の混合物に0.75gのジエトキシア
セトフェノンと0.3%のチタンイソプロポキシドを加
えて硬化性組成物に配合した。前記混合物の一部を前述
のように紫外線硬化にかけた。この紫外線硬化材料は4
2の硬度(ショアー00)を示した。材料の別の部分を
3日間の湿分硬化にだけかけた。この湿分硬化だけの材
料は55の硬度(ショアー00)を示した。前記の初め
に紫外線硬化させた材料を更に3日間湿分硬化させると
68の硬度(ショアー00)示度を示した。実施例6 実施例3をリチウムn−ブチルジエチルシラノレートの
代りに1mlの1.6M n−ブチルリチウムをヘキサ
ン溶液に入れて反復した。混合物を末端キャップ化する
と2,640cpsの粘度(スピンドル#4)を示し
た。
【0056】78.5%のこの末端キャップ化した液体
を1.5%の前記光開始剤ジエトキシアセトフェノンと
混合して調製した配合を紫外線硬化にかけた。チタン湿
分硬化触媒は使用されなかった。硬化材料は41の硬度
(ショアー00)を示した。 実施例7 この実施例はメタノールを有機リチウムと併用すると非
反応性ポリジメチルシロキサンと液体の粘度が不安定と
なることを示すモデルとして考えられたものである。こ
の非反応性液体の粘度低下をもたらすシロキサン結合に
及ぼす作用と開裂が、非プロトン性もしくは極性溶媒を
用いる反応性液体組成物に起こり又それをもたらす同一
の作用に適したモデルであると考えられる。
【0057】300gの1,000cps(スピンドル
#4)のトリメチルシリルを末端基とするポリジメチル
シロキサン液に、ヘキサン溶液中で1mlの1.6Nリ
チウムn−ブチルジメチルシラノレートを添加した。そ
の混合物をその後、おのおのが150gの2つの等量部
分に分割した。前記2部分の1つに1mlのメタノール
を更に添加した。両方の部分を密閉容器内で25℃の温
度の水浴に入れた。その粘度を6日間ずっと監視した。
その結果を表1に示す:
【0058】
【表1】 部分A 部分B メタノールなし メタノールあり 添加後の時間 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 初期粘度 10,000cps 10,000cps 1時間後における粘度 10,500cps 9,140cps 2時間後における粘度 10,500cps 8,620cps 3時間後における粘度 10,500cps 8,280cps 4時間後における粘度 10,500cps 8,040cps 5時間後における粘度 10,400cps 7,900cps 6時間後における粘度 10,400cps 7,720cps 24時間後における粘度 10,600cps 5,400cps 48時間後における粘度 10,400cps 4,280cps 144時間後における粘度 10,200cps 2,400cps ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 表1から明白なように、メタノールの使用は、部分Bに
著しい粘度低下があることでわかるように時間と共に粘
度に明らかに有害作用を及ぼすことである。実施例8 47,000cps(スピンドル#6)の粘度をもつシ
ラノールを末端基とするポリジメチルシロキサン液を3
つの比較研究に用いた: (1) 3Kgのシラノールを末端基とする液体を29gの
ビニルトリメトキシシランと3.7gのリチウムn−ブ
チルジメチルシラノレートと、1.21%(15pp
m)リチウム(リチウム原子の重量比で)リチウムシラ
ノレートとして含むヘキサン溶液中で混合した。前記混
合物を3時間混合しながら50℃の温度に加熱した。数
個のドライアイスをその後、前記混合物に混合して触媒
を急冷した。その後、前記混合物を室温に冷却して25
℃の温度で2日間平衡化した。前記材料の粘度は44,
500cpsであると測定され、前記47,000cp
sの出発原料とほぼ同様であった。
【0059】(2) 上述の手順を、前記ヘキサン溶液中の
リチウムn−ブチルジメチルシラノレートの代りに、メ
タノール溶液中で26.7gの1%水酸化リチウム−水
塩を用いて(15ppmLi)反復した。前記材料の粘
度は33,900cpsと測定され、出発原料よりかな
り低かった。
【0060】(3) この実施例は対照標準として用いられ
た。3Kgのシラノールを末端基とする液体を29gの
ビニルトリメトキシシランと26.7gのメタノールと
混合した。ポリジメチルシロキサンをビニルトリメトキ
シシランとメタノールで希釈したため、前記混合物の粘
度は41,000cpsと測定された。この実施例は、
粘度低下が前記水酸化リチウム−水塩・メタノールを併
用した時ほど激しくないことを示している。実施例9 3,500cpsのシラノールを末端基とするポリジメ
チルシロキサン液を2つの比較研究に用いた。第1の研
究では、メタノール溶液中の水酸化リチウム−水塩を用
いる一方、第2の研究では、ヘキサン溶液中のリチウム
n−ブチルジメチルシラノレートを用いた。両事例と
も、シラノール基の1モル当量当り2モル当量のシラン
を前記シラノールを末端基とする液体に添加した。その
後15ppmのリチウムを、メタノール溶液中の1%の
水酸化リチウム或いはヘキサン溶液中のリチウムn−ブ
チルジメチルシラノレートのいずれかとしてそれぞれの
混合物に添加した。前記混合物の粘度は定期的に監視さ
れた。その結果を次表2に示す:
【0061】
【表2】 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 比 較 進 歩 的 時間(hrs.) MeOH中のLiOH、HO Hexane中のリチウムシラノレート ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 3 3,360cps 3,460cps 6 3,260cps 3,480cps 24 2,840cps 3,300cps 48 2,120cps 3,400cps ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 表2で明らかなように、メタノールに溶かした水酸化リ
チウムを触媒試薬として用いて合成したアルコキシを末
端基とする有機シロキサン液体は24乃至48時間に亘
る期間で粘度の著しい低下を示した。対照的に、ヘキサ
ン中のリチウムシラノレートを用いて合成したアルコキ
シを末端基とする有機シロキサンは粘度にほとんど変化
がなかった。実施例10 モノシラノールを末端基とするポリジメチルシロキサン
を最初に次の反応をさせて合成した。100部のヘキサ
メチシクロトリシロキサンを200部の炭化水素溶剤例
えばヘキサンに溶解させた。ヘキサン溶液中の一部の
1.6Mブチルリチウムと3部のジメチルスルホキシド
をその後、前記混合物に添加した。前記混合物を約3時
間攪拌し、そこで一部の氷酢酸で急冷した。生成材料を
水で洗浄してリチウム塩とジメチルスルホキシドを除去
し、その後、前記洗浄ヘキサン溶液を無水硫酸ナトリウ
ムの上で貯蔵し、溶液中の極微量の水分も除去した。前
記溶液をその後、真空抜取りにかけて溶剤を除去して、
α−ヒドロキシ−ω−ブチルジメチルシリル−ポリジメ
チルシロキサンを産出させた。
【0062】この材料をその後、本発明の反応体として
次のように用いた。モノシラノールを末端基とし上述の
ように合成されたポリジメチルシロキサンに、ヘキサン
溶液中の0.5部のメタクリロキシプロピルトリメトキ
シシランと0.1部の前記1.6Mブチルリチウムを更
に添加した。前記混合物を室温で約1時間攪拌した。そ
こでドライアイスを加えて前記リチウム塩基を急冷して
本発明による化合物であるα−メタクリロキシプロピル
ジメトキシシリル−ω−ブチルジメチルシリルポリジメ
チルシロキサンを産出させた。
【0063】
【発明の効果】生成アルコキシを末端基とする有機ポリ
シロキサンは粘度値(cps)が時間が経ってもそのま
ま維持できることで判断されるように本質的に安定した
材料である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロバート.ピー.クロス アメリカ合衆国.06067.コネチカット州. ロッキー.ヒル.アパートメント.303. エルムズ.コモン.ドライヴ.967

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シラノール類が末端となる少くとも1つ
    の末端を有する材料からアルコキシシリルを末端基とす
    る材料の合成法で、少くとも1つの末端をもつ前記材料
    を、少くとも2つのアルコキシ基を含むシランと反応さ
    せる工程からなり、前記反応が極性もしくは非プロトン
    性溶媒が本質的に存在しないで、触媒として有効量の有
    機リチウム試薬が共存する時に起こることを特徴とする
    材料の合成法。
  2. 【請求項2】 前記有機リチウム試薬が式: LiR14 で示され、式中、有機R14がC1−18アルキル、ア
    リール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルケ
    ニル又はアルキニル類;アミン含有化合物;有機シリコ
    ーン含有化合物;からなる群より選ばれることを特徴と
    する請求項1の合成法。
  3. 【請求項3】 前記アルキルリチンが、メチルリチウ
    ム、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブ
    チルリチウム、n−ヘキシルリチウム、2−エチルヘキ
    シルリチウムとn−オクチルリチウムからなる群より選
    ばれることを特徴とする請求項2の合成法。
  4. 【請求項4】 前記アリールリチウム試薬がフェニルリ
    チウムであることを特徴とする請求項2の合成法。
  5. 【請求項5】 前記リチウム試薬がビニルリチウム、リ
    チウムフェニルアセチリドもしくはリチウム(トリメチ
    ルシリル)アセチリドであることを特徴とする請求項2
    の合成法。
  6. 【請求項6】 前記有機リチウム試薬が、リチウムジメ
    チルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジイソ
    プロピルアミドとリチウムジシクロヘキシルアミドから
    なる群より選ばれることを特徴とする請求項2の合成
    法。
  7. 【請求項7】 前記式中のR14が: OSiR111213又は O(SiR1112O)SiR111213 であり、式中、R11とR12が1価の炭化水素基C
    1−10、R13はC1−18のアルキル又はアリー
    ル、そしてtが整数であることを特徴とする請求項2の
    合成法。
  8. 【請求項8】 前記アルコキシシリルを末端基とする材
    料が、光硬化性類を更に含むことを特徴とする請求項1
    の合成法。
  9. 【請求項9】 前記光硬化性類がアクリレート、メタク
    リレートとグリシドキシル類からなる群より選ばれるこ
    とを特徴とする請求項8の合成法。
  10. 【請求項10】 前記アルコキシシリルを末端基とする
    材料が光硬化と湿分硬化の両機構により調節自在に硬化
    できることを特徴とする請求項8の合成法。
  11. 【請求項11】 末端で珪素原子に結合した少くとも1
    つのアルコキシ類をもつ有機ポリシロキサンの合成法
    で、シナノールで末端となる少くとも1つの末端を有す
    る有機ポリシロキサンを少くとも2つのアルコキシ基を
    含むシランと反応させる工程からなり、前記反応が、極
    性もしくは非プロトン性溶媒が本質的に存在しないで、
    触媒として有効量の有機リチウム試薬が共存する時、起
    こることを特徴とする有機ポリシロキサンの合成法。
  12. 【請求項12】 前記有機リチウム試薬が次式: LiR14 で示され、式中、有機R14基がC1−18アルキル、
    アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アル
    ケニル及びアルキニル類;アミン含有化合物;有機シリ
    コーン含有化合物;からなる群より選ばれることを特徴
    とする請求項11の合成法。
  13. 【請求項13】 前記R14が、メチル、n−ブチル、
    s−ブチル、t−ブチル、n−ヘキシル、2−エチルヘ
    キシルとn−オクチルからなる群より選ばれることを特
    徴とする請求項12の合成法。
  14. 【請求項14】 前記R14がフェニル、ビニル、フェ
    ニルアセチリド、(トリメチルシリル)アセチリド、ジ
    メチルアミド、ジエチルアミド、ジイソプロピルアミド
    とジシクロヘキシルアミドからなる群より選ばれること
    を特徴とする請求項12の合成法。
  15. 【請求項15】 前記有機リチウム試薬が式LiOSi
    111213で示されるシラノレートもしくは式
    LiO(SiR1112O)SiR1112
    13で示されるシロキサノレートであり、式中、R11
    とR12が1価の炭化水素基C1−10、R13がC
    1−18アルキル又はアリールそしてtが整数であるこ
    とを特徴とする請求項12の合成法。
  16. 【請求項16】 前記シラノール類で末端となる少くと
    も1つの末端を有する有機ポリシロキサンが化学式1: 【化1】 で示され、式中、RとRが1価の炭化水素基C
    1−10で同一のものでも異なるものであっても差支え
    なく、そしてnは整数であり;Rは1価の炭化水素基
    1−10もしくはOH;又少くとも2つのアルコキシ
    類を含む前記シランが 次式: (R(R10Si(OR11
    4−(a+b) で示され、式中、R、R10とR11が同一又は異な
    る、1価の炭化水素基又はあるならヘテロ原子が、ハロ
    原子、O、NとSから選ばれるC1−10をもつヘテロ
    炭化水素基;aは0、1又は2;bは0、1又は2;そ
    してa+bは0、1又は2であることを特徴とする請求
    項11の合成法。
  17. 【請求項17】 前記R、R、RとR10が、メ
    チル、エチル、イソプロピル、ビニルとフェニルからな
    る群より選ばれ、又R11がメチル、エチル、イソプロ
    ピルとCHCHOCHからなる群より選ばれるこ
    とを特徴とする請求項17の合成法。
  18. 【請求項18】 前記少くとも2つのアルコキシ基を含
    むシランがビニルトリメトキシシラン又はメチトリメト
    キシシランであり、又シラノールを末端基とする有機ポ
    リシロキサンがシラノールを末端基とするポリジメチル
    シロキサンであることを特徴とする請求項13の合成
    法。
  19. 【請求項19】 前記アルコキシを末端基とするジ有機
    ポリシロキサンが化学式2: 【化2】 で示され、式中、R、R、RとRが同一のもの
    もしくは異なるものであって差支えなく、1価の炭化水
    素基又はヘテロ原子が、ハロ原子、O、NとSから選ば
    れるC1−10を有するヘテロ炭化水素基;Rはアル
    キルC1−10;nは整数;aは0、1もしくは2;そ
    してbは0、1又は2;そしてa+bは0、1もしくは
    2であることを特徴とする請求項11の合成法。
  20. 【請求項20】 前記アルコキシシリルを末端基とする
    ものが光硬化性類を更に含み、調節された光硬化と湿分
    硬化素質を付与することを特徴とする請求項11の合成
    法。
  21. 【請求項21】 湿分硬化と光硬化の両機構による硬化
    ができ、又かなりの保存安定性粘度を備える組成物で: (a) 少くとも1つの末端で珪素原子に結合した少くとも
    1つのアルコキシ類と、少くとも1つの末端で少くとも
    1つの光硬化性類とをもつ反応性有機ポリシロキサン
    と; (b) 有効量の光開始剤と; (c) 有効量の湿分硬化触媒と; からなり、前記反応性有機ポリシロキサンがシラノール
    類で末端となる少くとも一端を有する有機ポリシロキサ
    ンの、少くとも2つのアルコキシ類と少くとも1つの光
    硬化性類を含むシランとの反応生成物であり、前記反応
    が触媒として有効量の有機リチウム試薬の共存する時に
    起こることを特徴とする保存安定性粘度を備える組成
    物。
  22. 【請求項22】 前記有機リチウム試薬が、C1−18
    アルキル、アリール、アルケニルとアルキニルリチウ
    ム;C1−18リチウムシアノレートとシロキサノレー
    ト;及びリチウムジアルキル(C1−18)アミドから
    なる群より選ばれることを特徴とする請求項21の組成
    物。
  23. 【請求項23】 前記シラノール類で末端となる少くと
    も1つの末端をもつ有機ポリシロキサンが化学式3: 【化3】 で示され、式中、RとRがメチル又はフェニル類;
    nは10乃至1,200;Rは1価の炭化水素基C
    1−10又はOH;そして少くとも2つのアルコキシ類
    と少くとも1つの光硬化性類を含むシランが次式: (R15)(R16)Si(OR17 で示され、式中、R15がアクリレート類、R16はR
    15と同一か或いはOR17もしくは1価の炭化水素基
    1−10、そしてR17がメチル、エチル、イソプロ
    ピルもしくはCHCHOCHであることを特徴と
    する請求項21の組成物。
  24. 【請求項24】 前記アクリレート類はアクリロキシプ
    ロピル又はメタクリロキシプロピルであることを特徴と
    する請求項23の組成物。
  25. 【請求項25】 前記アルコキシを末端基とする有機ポ
    リシロキサンがメタクリロキシプロピルトリメトキシシ
    ランとシラノールを末端基とするポリジメチルシロキサ
    ンの、n−ブチルリチウム、リチウムt−ブチルジメチ
    ルシラノレートとリチウムn−ブチルジメチルシラノレ
    ートからなる群より選ばれる触媒と共存する時の反応生
    成物であることを特徴とする請求項21の組成物。
  26. 【請求項26】 前記光開始剤が、置換又は未置換ベン
    ゾイン、ベンゾフェノン、ジアルコキシベンゾフェノ
    ン、ミヒラーのケトンとジエトキシアセトフェノンの群
    から選ばれることを特徴とする請求項21の組成物。
  27. 【請求項27】 前記湿分硬化触媒が有機チタン誘導体
    と有機亜鉛誘導体からなる群より選ばれることを特徴と
    する請求項21の組成物。
  28. 【請求項28】 前記組成物が約100cps乃至6
    0,000cpsの範囲の粘度を備えることを特徴とす
    る請求項21の組成物。
  29. 【請求項29】 本質的に保存安定性のある粘度を備え
    る湿分硬化組成物で: (a) 少くとも1つの末端で珪素原子に結合する少くとも
    1つのアルコキシ類をもつ反応性有機ポリシロキサン
    と; (b) 有効量の湿分硬化触媒と; からなり、前記反応性有機ポリシロキサンが、シラノー
    ル類で末端となる少くとも1つの末端をもつ有機ポリシ
    ロキサンの、少くとも2つのアルコキシ類との反応体で
    あり、前記反応が触媒として有効量の有機リチウム試薬
    が共存して起こることを特徴とする湿分硬化組成物。
  30. 【請求項30】 前記組成物が、充填剤、増量剤、接着
    促進剤と水分掃去剤からなる群より選ばれる材料から更
    になる請求項29の組成物。
  31. 【請求項31】 前記充填剤が疎水性ヒュームドシリカ
    であることを特徴とする請求項30の組成物。
  32. 【請求項32】 前記(a)の反応性ポリシロキサンが
    両末端に結合した少くとも1つのアルコキシ類を備える
    ことを特徴とする請求項29の組成物。
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