JPH0692496B2 - 成形体および塗装された成形体 - Google Patents

成形体および塗装された成形体

Info

Publication number
JPH0692496B2
JPH0692496B2 JP3033112A JP3311291A JPH0692496B2 JP H0692496 B2 JPH0692496 B2 JP H0692496B2 JP 3033112 A JP3033112 A JP 3033112A JP 3311291 A JP3311291 A JP 3311291A JP H0692496 B2 JPH0692496 B2 JP H0692496B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
parts
compound
coating
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3033112A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04272938A (ja
Inventor
勇太 熊野
貞雄 北川
英樹 高橋
吉憲 西谷
俊一 大西
Original Assignee
三菱油化株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 三菱油化株式会社 filed Critical 三菱油化株式会社
Priority to JP3033112A priority Critical patent/JPH0692496B2/ja
Publication of JPH04272938A publication Critical patent/JPH04272938A/ja
Publication of JPH0692496B2 publication Critical patent/JPH0692496B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面に塗装を施すのに
適したオレフィン系樹脂素材により形成されている成形
体および該成形体表面に塗装を施した塗装された成形体
に関する。さらに詳しくは、オレフィン系樹脂、末端に
水酸基を有するジエンポリマー又はその水素添加物、有
機スズ化合物および/または第三級アミン化合物からな
る樹脂組成物から形成された成形体、および、これらの
成分にさらにエラストマー成分を加えてなる樹脂組成物
から形成された成形体、および、それら成形体表面に、
直接塗装を施した塗装された成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリオレフィン樹脂は、その構造
中に極性基が存在せず、しかも結晶性が高いことから塗
料の付着が極めて悪く、塗装性が劣っていることが知ら
れている。従って、この付着性の悪さを改善するため
に、ポリオレフィン樹脂の表面に予めプライマーを塗布
したり、プラズマ処理すること等によって表面を改質
し、塗装性を改良してから塗料を塗布していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな塗装方法においては、従来から以下に示すような問
題点があった。すなわち、プライマー塗布法において
は、高価なプライマーを使用しなければならないこと
や、塗装工程数が多くなることなどから塗装コストが高
くなるといった欠点があるが、それ以外にも、プライマ
ーの溶媒を発揮させる必要があることなどから作業環境
が悪くなると共に火災の危険性を伴い安全性にも問題が
あった。一方、プラズマ処理法においては、高度の真空
状態が必要であるために、高価な装置を設置しなければ
ならず、しかも、バッチ式のためコストの上昇を避ける
ことができなかった。更に、プラズマ処理後の表面は不
安定で、異物に接触すると塗料の付着性が低下するた
め、塗膜性能にバラつきが生じることもあり、取り扱い
が非常に不便であった。従って、このようなプライマー
塗布や、プラズマ処理する工程を省略することができれ
ば、塗装工程の簡略化、作業環境の改善、コストの低減
化等を図ることが可能となることから、これまでにもこ
れらの問題点を改善しようと多くの研究がなされてき
た。しかしながら、結局、未だこの目的を達成するには
至っておらず、ポリオレフィン系樹脂素材ではこのよう
なプライマー塗布やプラズマ処理等を省くことが出来
ず、このような処理の後に塗装が施されている場合が多
い。
【0004】
【課題を解決するための手段】〔発明の概要〕本発明者
らは上記課題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、被塗装体
に特定の樹脂組成物を用いることによって、上記課題を
解決し得ることができるとの見知を得て、本発明を完成
するに至った。すなわち、本発明成形体は、オレフィン
系樹脂100重量部に、末端に水酸基を有するジエンポ
リマー又はその水素添加物を0.01〜20重量部、有
機スズ化合物を0.01〜5重量部および/または第三
級アミン化合物0.01〜20重量部を配合(さらにエ
ラストマー成分1〜200重量部を配合することができ
る)してなる樹脂組成物から形成されたものであること
を特徴とするものである。また、本発明のもう一つの発
明である塗装された成形体は、オレフィン系樹脂100
重量部に、末端に水酸基を有するジエンポリマー又はそ
の水素添加物を0.01〜20重量部、有機スズ化合物
を0.01〜5重量部および/または第三級アミン化合
物0.01〜20重量部を配合(さらにエラストマー成
分1〜200重量部を配合することができる)してなる
樹脂組成物から形成された成形体の表面に、直接塗装が
施されたものであることを特徴とするものである。
【0005】〔発明の具体的説明〕 〔I〕樹脂組成物 (1)構成成分 本発明の成形体を形成する樹脂組成物は、下記(a)〜
(d)に示す構成成分から基本的に形成されている。 (a)成分:オレフィン系樹脂 本発明において使用されるオレフィン系樹脂としては、
エチレン、プロピレン、1‐ブテン、3‐メチル‐1‐
ブテン、4‐メチル‐1‐ペンテン、1‐ヘキセン、1
‐ペンテン等で代表されるα‐オレフィンの単独重合
体、或いはこれらα‐オレフィン相互の共重合体であっ
て、しかも、JIS−K7203に準拠して測定した曲
げ弾性率が1,000〜20,000kg/cm2 、好まし
くは2,000〜18,000kg/cm2 、特に好ましく
は3,000〜15,000kg/cm2 の樹脂を挙げるこ
とができる。また、この共重合体樹脂のメトルフローレ
ート(MFR)については特別に制限されないが、AS
TM−D1238に準拠して測定した値が通常0.01
〜200g/10分、好ましくは0.1〜100g/1
0分の範囲内であるのが最適である。前記オレフィン系
樹脂としては、例えば、いわゆる低圧法ポリエチレン、
中圧法ポリエチレン、高圧法ポリエチレン、線状低密度
ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、立体規則性ポリ
プロピレン、立体規則性ポリ‐1‐ブテン、立体規則性
ポリ‐4‐メチル‐1‐ペンテン等の立体規則性ポリ‐
α‐オレフィン系樹脂などを挙げることができる。これ
らオレフィン系樹脂の中では立体規則性ポリプロピレン
(以下単に「プロピレン系樹脂」と略記する。)が好ま
しい。このプロピレン系樹脂の中ではプロピレンと他の
オレフィンとの共重合体が好ましく、特にエチレンとの
共重合体が好ましい。該共重合体はランダム共重合体で
あっても、ブロック共重合体であってもよいが、ブロッ
ク共重合体の方が特に好ましい。これらのオレフィン系
樹脂は上記樹脂を単独で或いは複数種混合した混合物と
して使用することもでき、通常、市販の樹脂の中から適
宜選んだ使用することができる。
【0006】(b)成分:末端に水酸基を有するジエン
ポリマーまたはその水素添加物 末端に水酸基を有するジエンポリマー 本発明の成形体において用いられる末端に水酸基を有す
るジエンポリマーまたはその水素添加物のうち、末端に
水酸基を有するジエンポリマーとしては、例えばポリヒ
ドロキシブタジエンなどがある。具体的には末端には少
なくとも一個の水酸基を有し、分子量が200〜10
0,000、好ましくは500〜50,000、特に好
ましくは800〜10,000の、常温で液体、半固
体、固体のポリマーが含まれる。1分子当たりの平均水
酸基数は一般に1〜10、特に1.5〜5のものが好ま
しく、水酸基価が一般に15〜250、好ましくは25
〜125(KOHmg/g)のものが特に好ましい。末端
に水酸基を有するジエンポリマーは、1,3‐ジエンを
原料に用いて、周知の方法、例えばラジカル重合法、ア
ニオン重合法などによって製造することができる。具体
的には例えば特開昭51−71391号公報に記載され
る方法などを挙げることができる。上記ラジカル重合に
より製造する場合には、例えば過酸化水素を重合開始剤
として用いてジエン系モノマーを重合することにより容
易に得られる。また、上記アニオン重合により製造する
場合には、共役ジエンを周知の方法に従って、アニオン
重合触媒、例えばアルカリ金属または有機アルカリ金属
化合物を用いて重合させることにより得られた、両末端
の少なくとも一方にアルカリ金属が結合した構造のリビ
ングポリマーに、例えばモノエポキ化合物、ホルムアル
デヒド、アセトアルデヒド、アセトン、もしくはハロゲ
ノアルキレンオキシド、ポリエポキシドを反応させれば
良い。これらポリマーの原料モノマーとしては少なくと
も1種類の共役ジエンモノマーが使用される。共役ジエ
ンモノマーとしては、1,3‐ブタジエン、1,3‐ペ
ンタジエン、イソプレン、クロロプレン、2,3‐ジメ
チル‐1,3‐ブタジエン、1‐フェニル‐1,3‐ブ
タジエンなどを挙げることができる。
【0007】 末端に水酸基を有するジエンポリマー
の水素添加物 また、末端に水酸基を有するジエンポリマーの水素添加
物としては、前述の末端に水酸基を有するジエンポリマ
ーを、通常の方法、例えば特開昭51−71391号公
報に記載される方法などで水素添加することによって得
られるものである。水素添加の程度については、ポリマ
ー中に含まれる二重結合を全部または部分的に水素添加
したものであってもよいが、特にヨウ素価が通常0〜2
0、特に0〜5(g/100g)のものが好ましい。こ
れらの末端に水酸基を有するジエンポリマーおよびその
水素添加物は、それぞれ単独でも、複数種混合した混合
物としても使用することができる。
【0008】(c)成分:有機スズ化合物 本発明において使用される有機スズ化合物としては、次
式で表わされるものなどがある。
【0009】
【化1】 (上記式中のR,R,R,Rはそれぞれ炭素数
1〜12の飽和炭化水素基であり、それぞれが、同じで
も異なってもかまわなく、好ましくは炭素数が3〜12
の飽和炭化水素基である。また、Y,Yはそれぞれ
脂肪酸残基、マレイン酸誘導体残基、メルカプタン残
基、メルカプト酸残基等であり、それぞれが同じでも異
なっていてもかまわなく、好ましくは、脂肪酸残基、マ
レイン酸誘導体残基である。さらに、Xは酸素原子、
硫黄原子、マレイン酸残基等であり、好ましくは酸素原
子、マレイン酸残基である。また、mは0または1〜3
0の整数であり、好ましくは0または1〜25の整数、
特に好ましくは、0または1〜20の整数である。) これら有機スズ化合物の具体例としては、モノブチル・
スズ・トリメチルマレート、モノブチル・スズ・トリオ
クチルマレート、ジブチル・スズ・ジラウレート、ジブ
チル・スズ・ラウレート・メチルマレート、ジブチル・
スズ・ジオレイルマレート、ジブチル・スズ・ジメチル
マレート、ジブチル・スズ・マレート、ジブチル・スズ
・メトキシメチルマレート、ジブチル・スズ・ジオクチ
ルマレート、ジブチル・スズ・ジオクチル・チオクリエ
ート、ジブチル・スズ・ラウリル・メルカプタイト、ト
リベンシル・スズ・オクチルマレート、トリベンシル・
スズ・トリメチルマレート等を挙げることができる。こ
れらの中ではジアルキル・スズ化合物を用いることが好
ましい。そして、これらの有機スズ化合物は、それぞれ
単独でも、複数種混合した混合物として使用することが
でき、通常、市販のものの中から適宜選んで使用するこ
とができる。
【0010】(d)成分:第三級アミン化合物 本発明の成形体において使用される第三級アミン化合物
としては、第三級アミン構造を有する低分子化合物から
高分子化合物のものまでを指す。 第三級アミン構造を有する低分子化合物 第三級アミン構造を有する低分子化合物としては、その
分子量が100から約1,000未満のものを指す。そ
の具体的な例としては、トリエチレンジアミン、ジメチ
ルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミ
ン、テトラグアニジン、1,8‐ジアザビシクロ(5.
4.0)‐7‐ウンデセン、N,N‐ビス(2‐ヒドロ
キシエチル)ラウリルアミン、および、テトラキス(N
‐メチル‐2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリ
ジル)1,2,3,4‐ブタンテトラカルボキシレート
等を挙げることができる。これらのものは、市販の中か
ら適宜選んで用いることができる。
【0011】 第三級アミン構造を有する高分子化合
物 また、第三級アミン構造を有する高分子化合物として
は、その分子量が1,000以上のもので、常温で液
体、半固体、固体の、分子量が100,000程度まで
のポリマーが含まれる。このような第三級アミン構造を
有する高分子化合物としては、第三級アミノ基含有変性
オレフィン重合体を挙げることができる。このような第
三級アミノ基含有変性オレフィン系重合体とは、構造的
な見地から、分岐状あるいは線状の炭素鎖中に、不規則
あるいは規則的に、第三級アミノ基含有不飽和化合物が
共重合していたり、第三級アミン構造を有する側鎖がグ
ラフトしている構造を有するもの全般を指す。具体的に
は、第三級アミノ基含有不飽和化合物の含量が0.1〜
50重量%、好ましくは0.5〜45重量%、特に好ま
しくは1〜40重量%を示すものであり、JIS−K6
760に準拠して測定したメルトフローレート(MF
R)が、0.1〜1,000g/10分のものが好まし
く、特に好ましくは0.5〜700g/10分のもので
ある。この第三級アミノ基含有変性オレフィン系重合体
は、第三級アミノ基含有不飽和化合物を用いて、周知の
方法によって製造することができる。例えば高圧ラジカ
ル重合法による製造の場合、エチレン、第三級アミノ基
含有不飽和化合物およびラジカル重合開始剤を、例えば
圧力1,000〜3,000気圧、温度90〜300℃
に保たれた反応帯域中に、エチレン:第三級アミノ基含
有不飽和化合物の比が1:0.0001〜1:0.1と
なるように連続的に供給して、転化率が3〜20%にて
エチレン共重合体とし、反応帯域から該共重合体を連続
的に取り出すことによって製造される。また、含浸グラ
フト重合法による製造の場合には、オレフィン系ポリマ
ーのペレットと反応させる第三級アミノ基含有不飽和化
合物およびラジカル重合開始剤を、水溶媒中に懸濁さ
せ、第三級アミノ基含有不飽和化合物と開始剤を、オレ
フィン系ポリマーのペレットに含浸させてから、開始剤
の分解温度まで加熱し、ペレット内でグラフト反応を起
こし、変性させることによって製造される。
【0012】このような第三級アミノ基含有不飽和化合
物としては、次式で表わされる。
【0013】
【化2】 (上記式中のRは水素または、炭素数1〜4の飽和炭
化水素基であり、好ましくは水素原子または炭素数が1
〜2の飽和炭化水素基である。Rは炭素数2〜12の
飽和炭化水素基であり、好ましくは炭素数2〜6の飽和
炭化水素基である。R,Rは炭素数1〜12の飽和
炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜6、特に好ま
しくは炭素数1〜3の飽和炭化水素基である。また、こ
こでR,Rは同じでも異なっていても良い。X
酸素原子または−NR−、硫黄原子であり、好ましく
は、酸素原子、−NR−である。Rは水素原子また
は炭素数1〜12の飽和炭化水素基であり、好ましくは
水素原子または炭素数1〜6の飽和炭化水素基であ
る。) これら第三級アミノ基含有不飽和化合物の具体的な例と
しては、2‐(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、
2‐(ジエチルアミノ)エチルアクリレート、2‐(ジ
メチルアミノ)エチルメタクリレート、2‐(ジエチル
アミノ)エチルメタクリレート、2‐〔ジ(t‐ブチ
ル)アミノ〕エチルアクリレート、2‐〔ジ(t‐ブチ
ル)アミノ〕エチルメタクリレート、3‐(ジメチルア
ミノ)‐プロピルアクリルアミド、および3‐(ジメチ
ルアミノ)‐プロピルメタクリルアミド等を挙げること
ができる。また、上記第三級アミノ基含有不飽和化合物
と共重合する場合のオレフィン系モノマー成分として
は、エチレン、プロピレン、1‐ブテン等のα‐オレフ
ィン類を挙げることができるが、これらの中では、特に
エチレンが好ましい。また、上記第三級アミノ基含有不
飽和化合物をグラフトさせる場合幹ポリマーとしてのオ
レフィン系重合体成分としては、前記オレフィン系樹脂
((a) 成分)および後記オレフィン系エラストマー
((e)-成分)等を挙げることができ、これらの中で
は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂および
エチレン系エラストマーを用いることが好ましい。また
第三級アミノ基含有変性オレフィン系重合体を製造する
際に、上記第三級アミノ基含有不飽和化合物と共重合す
ることのできるモノマー成分として、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチル
メタアクリレート等の不飽和カルボン酸エステル;スチ
レン、α‐メチルスチレン、ビニルトルエン等のビニル
芳香族化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル
等のニトリル化合物;2‐ビニルピリジン、4‐ビニル
ピリジン等のビニルピリジン;メチルビニルエーテル、
2‐クロルエチルビニルエーテル等のビニルエーテル:
塩化ビニル、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル:酢酸ビ
ニル等のビニルエステル:アクリルアミド等を挙げるこ
とができ、これらを用いて、三元系、あるいは、さらに
多元系変性ポリオレフィンとして用いることも可能であ
る。そしてこれらの変性ポリオレフィンは、それぞれ単
独でも、複数種混合した混合物としても使用することが
できる。以上挙げた第三級アミン化合物の中では使用し
た際にブリードアウトし難い第三級アミノ基含有変性オ
レフィン系重合体を用いることが好ましい。
【0014】(e)成分:エラストマー成分 本発明の好適な成形体において使用されるエラストマー
成分としては、スチレン系およびオレフィン系から選ば
れた少なくとも一種のエラストマーが最適である。 スチレン系エラストマー 上記スチレン系エラストマーとしては、スチレン、α‐
メチルスチレン等のスチレン系化合物と、1,3‐ブタ
ジエン、イソプレン等の共役ジエンとのエラストマー状
ランダム又はブロック共重合体およびこれら共重合体の
水素添加物である。これらスチレン系エラストマーの中
では、スチレン系化合物と共役ジエンとのブロック共重
合体が好ましく、これらブロック共重合体は一般式が次
式で表わされるものが最適である。 一般式 (A−B)n+1 、または A−(B−A)、または B−(A−B)n+1 (上記式中のAはスチレン系化合物よりなる重合体ブロ
ック、Bは共役ジエン重合体ブロックであり、nは1〜
20の整数、Aブロックの全体の分子に占める割合は1
〜50重量%である。) これら共重合体の平均分子量は10,000〜1,00
0,000、好ましくは50,000〜250,000
である。これらスチレン系エラストマーの具体例として
は、スチレン・ブタジエンランダム共重合体、スチレン
・イソプレンランダム共重合体、スチレン・ブタジエン
・スチレントリブロック共重合体、スチレン・イソプレ
ン・スチレントリブロック共重合体、ポリスチレンブロ
ックが末端であるスチレン・ブタジエンラジアルブロッ
ク共重合体、ポリスチレンブロックが末端であるスチレ
ン・イソプレンラジアルブロック共重合体、スチレン・
ブタジエンマルチブロック共重合体、スチレン・イソプ
レンマルチブロック共重合体等のスチレン・共役ジエン
ブロック共重合体、およびこれらを水素添加した生成物
等を挙げることができる。これらのスチレン系エラスト
マーの中で好ましいものは水素添加されたスチレン・共
役ジエンブロック共重合体である。
【0015】 オレフィン系エラストマー 上記オレフィン系エラストマーとしては、エチレン、プ
ロピレン、1‐ブテン、1‐ヘキセン等のα‐オレフィ
ン相互の共重合体、あるいはこれらと非共役ジエンとの
共重合体、あるいは1‐ヘキセン等の高級α‐オレフィ
ンの単独重合体であって、エラストマー状の重合体であ
り、100℃で測定したムーニー粘度ML1+4 が、通常
1〜200、好ましくは5〜150、特に好ましくは7
〜100の範囲のものである。これらオレフィン系エラ
ストマーの中ではエチレン系エラストマーが品質および
安定性の点で特に好ましい。具体的にはエチレン・プロ
ピレン共重合ゴム(EPM)、エチレン・1‐ブテン共
重合ゴム、エチレン・プロピレン・1‐ブテン共重合ゴ
ム、エチレン・プロピレン‐非共役ジエン共重合ゴム
(EPDM)、エチレン・1‐ブテン・非共役ジエン共
重合ゴム、エチレン・プロピレン・1‐ブテン・非共役
ジエン共重合ゴム等がある。なお上記非共役ジエンの具
体例としては、ジシクロペンタジエン、1,4‐ヘキサ
ジエン、シクロオクタジエン、ジシクロオクタジエン、
メチレンノルボルネン、5‐エチリデン‐2‐ノルボル
ネン、5‐ビニル‐2‐ノルボルネン、5‐メチレン‐
2‐ノルボルネン、5‐メチル‐1,4‐ヘキサジエ
ン、7‐メチル‐1,6‐オクタジエン等を挙げること
ができる。こうしたエラストマー成分の中でも、特にオ
レフィン系エラストマーが、成形体の表面荒れが起こり
難いために好んで使用される。
【0016】(f)成分:付加的成分 本発明の成形体を形成する樹脂組成物の中には、本発明
の効果を著しく損なわない範囲で上記(a)〜(d)成
分または(a)〜(e)成分の必須成分に加えて以下に
示すような付加的成分を含有させることができる。該付
加的成分としては、例えば、無機フィラー、具体的には
石英等の天然シリカ、湿式法、乾式法で製造した合成シ
リカ、カオリン、マイカ、タルク、石綿等の天然珪酸
塩、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム等の合成珪酸
塩、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属
水酸化物、アルミナ、チタニア等の金属酸化合物、炭酸
カルシウム、アルミニウム、ブロンズ等の金属粉、カー
ボンブラック、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウ
ム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、チッ化ケイ素、サファ
イア、ベリリア、炭化ホウ素、炭化ケイ素等のウィスカ
ーがある。また、可塑剤ないしは流動性改良剤、その他
添加剤、具体的には着色剤、安定剤、分散助剤、分子量
調整剤、架橋剤、核剤等を挙げることができる。
【0017】(2)量 比 本発明の成形体に用いられる樹脂組成物を構成する上記
各成分の配合の量比としては、通常、(a)成分のオレ
フィン系樹脂100重量部に対して、(b)成分の末端
に水酸基を有するジエンポリマーまたはその水素添加物
は0.01〜20重量部、好ましくは、0.05〜17
重量部、特に好ましくは、0.1〜15重量部の範囲内
であり、(c)成分の有機スズ化合物は0.01〜5重
量部、好ましくは、0.05〜4重量部、特に好ましく
は0.1〜3重量部であり、(d)成分の第三級アミン
化合物は0.01〜20重量部、好ましくは0.05〜
18重量部、特に好ましくは0.1〜17重量部の範囲
内である。(b)成分の末端に水酸基を有するジエンポ
リマーまたはその水素添加物の配合量が上記範囲未満の
ときは、塗料の付着性に再現性が乏しかったり、塗料の
付着強度が弱かったりして好ましくない。一方、上記範
囲を越えると高価な該ポリマーの添加量が多いために、
樹脂組成物としてのコストが高くなり、また該ポリマー
がデラミネーションやブリードアウトしてくるために、
塗料の付着性が低下する等の為に好ましくない。また、
(c)成分の有機スズ化合物が、上記範囲未満のとき
は、塗布する塗料によっては、その付着強度が非常に弱
くなることがあり、好ましくない。一方、上記範囲を越
えても、添加量に比例した効果が得られるものではな
く、むしろポリオレフィンの劣化を促進する恐れがある
ために好ましくない。また、(d)成分の第三級アミン
化合物が上記範囲未満のときは、塗布する塗料によって
は、その付着強度が非常に弱くなることがあり、好まし
くない。一方、上記範囲を越えると、高価な該ポリマー
の添加量が多いために、樹脂組成物としてのコストが高
くなるばかりでなく、該ポリマーの添加量に比例した効
果が得られるものではない。また、上記構成成分の配合
量比からなる樹脂組成物に、更に(e)成分のエラスト
マー成分を配合することは、剛性や耐衝撃性などの調整
を行うことができるので好都合である。従って、機械的
強度の点から、エラストマー成分をオレフィン系樹脂1
00重量部に対して1〜200重量部、好ましくは5〜
180重量部、特に好ましくは、10〜150重量部使
用するのが良い。
【0018】(3)配 合 上記の各構成成分を混合することによって本発明の成形
体を形成する樹脂組成物が製造される。これらの各構成
成分の混合順序も特に制限はなく、上記構成成分を同時
に混合する方法、任意の2成分を予め混合しておき、次
いで残りの成分を混合する方法などいずれの方法を採用
してもよい。混合方法としては、ブラベンダーブラスト
グラフ、一軸あるいは二軸押出機、強力スクリュー型混
練機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等の従来
知られている混練機であればいかなるものでも使用する
ことができる。
【0019】〔II〕成形体 上記樹脂組成物を各種成形方法によって成形することに
よって本発明の成形体が得られる。成形は通常の方法に
よって行うことができる。すなわち、射出成形、圧縮成
形、押出し成形(シート成形、ブロー成形)等のいずれ
の成形方法であっても構わない。特に複雑な形状に射出
成形された成形体において特に有効である。
【0020】〔III 〕塗 装 本発明の塗装された成形体を形成するための塗装法とし
ては、従来の塗装工程からプライマー塗布やプラズマ処
理等の表面改質工程を除いた工程を採用することができ
る。すなわち、上記樹脂組成物を形成加工して得られた
成形体に直接あるいは必要により脱脂処理を施した後
に、塗料を塗布するものである。本発明における「直接
塗装が施された」とは従来行われていたプライマー塗布
やプラズマ処理を施さずに塗料を塗布することであっ
て、本発明の技術思想を逸脱しない限り、塗料を塗布す
る前に何らかの表面処理を施すことを除外するものでは
ない。そのような表面処理の一つとして脱脂処理などを
挙げることができる。このような脱脂処理は、一般に塗
料を塗布する直前に行われている通常の操作であって、
これによって、樹脂組成物の成形から塗装までの工程で
不可避的に成形物の表面に付着した手垢や機械油等を洗
浄除去することができる。具体的には、有機溶剤または
その蒸気、水、水蒸気、酸、アルカリ水溶液あるいは界
面活性剤水溶液等による洗浄法があり、これらのなかで
は有機溶剤蒸気や各種水溶液による洗浄法が好んで用い
られる。また塗料の塗布手段としては、スプレーによる
吹き付け塗布、はけ塗り、ローラーによる塗布等がある
が、いずれの方法をも採用することができる。塗装工程
にて使用することができる塗料としては、一般に広く用
いられている塗料、例えば、アクリル系塗料、エポキシ
系塗料、ポリエステル系塗料、ウレタン系塗料、アルキ
ッド系塗料等が使用できる。この中で好ましいのはウレ
タン系塗料であり、特に好ましくは二液型ウレタン塗料
である。
【0021】〔IV〕塗装された樹脂成形体 このようにして塗装された成形体には、塗料が一般に1
0〜100μm、好ましくは20〜70μm程度の厚さ
で塗装され、その塗膜は強固に被着されているので、各
種工業用部品、例えば自動車のバンパー、マッドガー
ド、サイドモール、ホイールキャップ、スポイラー類等
の自動車外装部品、インスツルメントパネル、レバー、
ノブ、内張り等の自動車内装部品、ポット、掃除機、洗
濯機、冷蔵庫、照明器具、オーディオ機器等の電気製
品、カラーボックス、収納ケース等の日用雑貨品等とし
て利用することができる。
【0022】〔実 験 例〕以下に実施例および比較例
を掲げ、本発明を更に具体的に説明する。各実験例にお
いて製造された樹脂組成物から試験試料を得るための成
形条件および試験方法は以下に示す通りである。なお、
実験例中の「部」は重量部である。 <成形条件>成形機 名機製作所製の射出成形機 M40A−SJ成形温度 230℃成形品 平板(65mm×65mm×2mm)三点曲げ弾性率試験片
(90mm×10mm×4mm)曲げ弾性率 JIS K−7203に準拠して測定した。MFR ASTM D−1238に準拠して測定した。
【0023】<塗 装>塗 料 二液型ウレタン系塗料を用いて、塗装を行なった。塗装法 塗料を調合し、エアースプレーガンを用いて、塗膜厚さ
が、碁盤目試験では約40μm、剥離強度試験では約1
00μmとなるように、スプレー塗布した。その後、8
5℃で30分間焼き付けて乾燥させた。
【0024】<塗料付着性評価>碁盤目試験 片刃カミソリを用い試験片の表面に直交する縦横11本
ずつの平行線を2mm間隔で引いて碁盤目を100個作
る。その上にセロハン粘着テープ(JIS Z152
2)を十分圧着し、塗膜面と約30度に保ち手前に一気
に引き剥し、碁盤目で囲まれた部分の状態を観察し、剥
離しなかった碁盤目の数を記録した。剥離強度 試験片の上半分に塗料が付着しないような処理を施した
後、各塗料を塗膜厚さが100μmになるように塗布し
焼き付け乾燥した。試験片にセロハン粘着テープ(例:
ニチバン製幅24mm)を全面に密着させ、幅1cmで、上
下方向に素地にまで達する切り傷を付ける。塗膜付着の
ない側を手で剥し、引張試験機に取付け180度方向に
50mm/分の速度で引き剥したときの負荷を記録した。
なお、塗膜が破断した場合は破断と記した。
【0025】実験例1〜25および比較例1〜8(1)樹脂成形体の製造 表1、表2および表3に示した各成分を配合させて、二
軸押出機により200℃で溶融混練してペレットとし
た。このペレットを用いて平板および三点曲げ弾性率測
定用試験片を射出成形した。なお、表1、表2及び表3
中の配合成分は次の通りである。 <オレフィン系樹脂:(a)成分>ブロックPP
(1):エチレン含量が4重量%、JIS−K7203
に準拠して測定した曲げ弾性率が14,000kg/c
m2 、かつASTM−D1238に準拠して測定したM
FRが60g/10分のプロピレン・エチレンブロック
共重合体。ブロックPP(2) :エチレン含量が13重量%、JI
S−K7203に準拠して測定した曲げ弾性率が6,0
00kg/cm2 、かつASTM−D1238に準拠して測
定したMFRが30g/10分のプロピレン・エチレン
ブロック共重合体。ランダムPP :エチレン含量3.4重量%、JIS−K
7203に準拠して測定した曲げ弾性率が10,500
kg/cm2 、かつASTM−D1238に準拠して測定し
たMFRが15g/10分のプロピレン・エチレンラン
ダム共重合体。単独PP :JIS−K7203に準拠して測定した曲げ
弾性率が13,000kg/cm2 、かつASTM−D12
38に準拠して測定したMFRが25g/10分のポリ
プロピレン。HDPE :ASTM−D747に準拠して測定した曲げ
弾性率が10,500kg/cm2 、かつJIS−K676
0に準拠して測定したMFRが、20g/10分の低圧
法ポリエチレン(高密度ポリエチレン)。
【0026】<末端に水酸基を有するジエンポリマーま
たはその水素添加物:(b)成分>末端に水酸基を有す
るジエンポリマーの合成 容量500mlのオートクレーブに、1,3‐ブタジエン
100g、イソプロピルアルコール70gおよび60%
過酸化水素水10gを用い、アルゴン雰囲気中で90
℃、5時間重合を行なった。反応終了後、未反応モノマ
ーを除去し生成したジエンポリマーを乾燥した。得られ
たポリマーの分子量は約2,900、水酸基価が約88
(KOHmg/g)であった。末端に水酸基を有するジエンポリマーの水素添加物の合
上記末端に水酸基を有するジエンポリマーの合成で得ら
れたジエンポリマーを50g、シクロヘキサン50g、
5重量%カーボン担持ルテニウム触媒5gを、容量20
0mlのオートクレーブに仕込みアルゴンガスで系内を置
換した後、水素ガスを50kg/cm2 になるまで送入し
た。これを100℃まで昇温し、全圧が50kg/cm2
保たれるように水素ガスを供給しつつ10時間反応を行
なった。反応終了後、水素を除去し、槇過にて触媒を除
いてから生成した水素添加物をメタノール中で析出さ
せ、槇別、乾燥をして目的物を得た。得られたジエンポ
リマー水素添加物のヨウ素価は1.5(g/100
g)、水素基価は87.8(KOHmg/g)であった。ジエンポリマー :前記末端に水酸基を有するジエンポリ
マーの合成で得たジエンポリマー。ジエンポリマー水素添加物(1) :上記末端に水酸基を
有するジエンポリマーの水素添加物に水酸基を有するジ
エンポリマー水素添加物。ジエンポリマー水素添加物(2) :ヨウ素価0.5(g
/100g)、水酸基価46.9(KOHmg/g)のブ
タジエンポリマー水素添加物
【0027】<有機スズ化合物:(c)成分>DBTD
:ジブチルスズジラウレートDOTDL :ジオクチルスズジラウレート
【0028】<第三級アミン化合物:(d)成分>ED
MA(1):高圧ラジカル重合法により得られた、2‐
(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート含有率が30
重量%、JIS−K6760に準拠して測定したMFR
が2g/10分のエチレン・2‐(ジメチルアミノ)エ
チルメタクリレート共重合体。EDMA(2) :下記に示す含浸グラフト重合法による
EDMA(2)の合成にて得られた乾ポリマーのポリエ
チレンに2‐(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート
およびスチレンがグラフトしたグラフト共重合体で2‐
(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート含有率が15
重量%、スチレン含有率が25重量%、JIS−K67
60に準拠して測定したMFRが2g/10分の物性値
を示すグラフト共重合体ある。含浸グラフト重合法によるEDMA(2)の合成 容量10リットルのオートクレーブで、JIS−K67
60に準拠して測定したMFRが100g/10分の線
状低密度ポリエチレンのペレット1080g、2‐(ジ
メチルアミノ)エチルメタクリレート270g、スチレ
ン450g、ベンゾイルパーオキサイド6.5g、分散
剤としてリン酸カルシウム〔Ca(PO〕21
gを水4リットル中に加えて懸濁させた。次いで、該懸
濁液の温度を50℃に3時間保ち、これら2‐(ジメチ
ルアミノ)エチルメタクリレート、スチレン、ベンゾイ
ルパーオキサイドを前記ポリエチレンのペレットに含浸
させた。その後、8時間かけて94℃まで徐々に温度を
上昇させながら反応を行なった。反応終了後、得られた
ペレットを水洗し、遠心分離器で水分を除去し、80℃
で12時間減圧乾燥を行なった。得られたポリマーの2
‐(ジメチルアミノ)エチルメタクリレートの含有量は
15重量%、スチレン含有量は25重量%、MFRは2
g/10分を示すものであった。低分子化合物(1) :アデカ・アーガス社製光安定剤
「Mark LA62」で、その構造は下式に示す構造
を有する化合物である。
【0029】
【化3】 (式中のR10、R11,R12,R13は次式
【0030】
【化4】 または−C1327を表わすものであり、これらR10、R
11、R12、R13のうち少なくとも1つが、N‐メチル‐
2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル基であ
り、残りが炭素数13の飽和炭化水素基を示すものであ
る。)
【0031】<エラストマー成分:(e)成分>EPM
(1):ムーニー粘度ML1+4 (100℃)が70、比
重が0.86であるエチレン・プロピレン・共重合ゴ
ム。EPDM(1) :ムーニー粘度ML1+4 (100℃)が
62、比重が0.87である、オイル分66重量%を含
む、油展エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネ
ン共重合ゴム。EPDM(2) :ムーニー粘度ML1+4 (100℃)が
47、比重が0.86であるエチレン・プロピレン・エ
チリデンノルボルネン共重合ゴム。SEBS :数平均分子量が70,000、比重が0.9
1であるスチレン・ブタジエン・スチレントリブロック
共重合ゴムの水素添加物。
【0032】(2)樹脂成形体の塗装 上記樹脂成形体の製造によって成形した平板にトリクロ
ロエタン蒸気で30秒間脱脂処理(TCE処理)を施し
たものと、全く処理を施さないものに、それぞれエアー
ガンを用いて塗料を塗布した。焼き付け乾燥終了後、4
8時間室温放置して、碁盤目試験を行なった。得られた
樹脂組成物の弾性率と塗料付着性の結果を表1、表2お
よび表3に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】 比較例3に示す配合の組成物においては、柔らかすぎて
JIS−K7203に準拠した測定方法では曲げ弾性率
を測定することはできなかった。また塗装時において
は、塗料塗布後の焼き付け乾燥時に試験片の平板がひど
く変形をしてしまい、また平板の表面にも凹凸が生じて
しまって、評価することができなかった。これらの結果
から表3の比較例6と、表1の実施例8と12の配合を
対比してみると有機スズ化合物とアミン化合物のどちら
かを配合することによって塗料の付着力が非常に向上す
ることが理解できる。また、実施例13の有機スズ化合
物とアミン化合物を併用することによって、その塗料付
着性の効果がより一層向上するのが理解できる。
【0036】
【発明の効果】本発明の成形体および塗装された成形体
は、該成形体を形成している樹脂組成物に特定な成分の
ものを用いることにより、従来の「オレフィン系樹脂へ
直接塗装することは不可能である。」との常識を覆し
て、成形体にプライマー塗布、プラズマ処理等の表面改
質処理を予め施すことなく、塗料を直接塗布しても良好
な塗料付着性を示し、工業的に極めて有用なものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C08L 23/02 9:00) 7211−4J (72)発明者 西谷 吉憲 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社 四日市総合研究所内 (72)発明者 大西 俊一 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社 四日市総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭58−191706(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オレフィン系樹脂100重量部に、末端に
    水酸基を有するジエンポリマー又はその水素添加物を
    0.01〜20重量部、有機スズ化合物を0.01〜5
    重量部および/または第三級アミン化合物0.01〜2
    0重量部を配合してなる樹脂組成物から形成されたもの
    であることを特徴とする成形体。
  2. 【請求項2】オレフィン系樹脂100重量部に、末端に
    水酸基を有するジエンポリマー又はその水素添加物を
    0.01〜20重量部、有機スズ化合物を0.01〜5
    重量部および/または第三級アミン化合物0.01〜2
    0重量部およびエラストマー成分1〜200重量部を配
    合してなる樹脂組成物から形成されたものであることを
    特徴とする成形体。
  3. 【請求項3】オレフィン系樹脂100重量部に、末端に
    水酸基を有するジエンポリマー又はその水素添加物を
    0.01〜20重量部、有機スズ化合物を0.01〜5
    重量部および/または第三級アミン化合物0.01〜2
    0重量部を配合してなる樹脂組成物から形成された成形
    体の表面に、直接塗装が施されたものであることを特徴
    とする塗装された成形体。
  4. 【請求項4】オレフィン系樹脂100重量部に、末端に
    水酸基を有するジエンポリマー又はその水素添加物を
    0.01〜20重量部、有機スズ化合物を0.01〜5
    重量部および/または第三級アミン化合物0.01〜2
    0重量部およびエラストマー成分を1〜200重量部配
    合してなる樹脂組成物から形成された成形体の表面に、
    直接塗装が施されたものであることを特徴とする塗装さ
    れた成形体。
JP3033112A 1991-02-27 1991-02-27 成形体および塗装された成形体 Expired - Fee Related JPH0692496B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3033112A JPH0692496B2 (ja) 1991-02-27 1991-02-27 成形体および塗装された成形体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3033112A JPH0692496B2 (ja) 1991-02-27 1991-02-27 成形体および塗装された成形体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04272938A JPH04272938A (ja) 1992-09-29
JPH0692496B2 true JPH0692496B2 (ja) 1994-11-16

Family

ID=12377572

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3033112A Expired - Fee Related JPH0692496B2 (ja) 1991-02-27 1991-02-27 成形体および塗装された成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0692496B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0562582B1 (en) * 1992-03-25 1996-09-11 Showa Denko Kabushiki Kaisha Thermoplastic resin composition and paint-coated molded product thereof
DE69918485T2 (de) * 1998-04-13 2005-09-01 Mitsuboshi Belting Ltd., Kobe Mehrschichtige Haut, Verfahren zum Schlickergiessen dieser Haut und Verwendung dieser Haut

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5439459A (en) * 1977-09-05 1979-03-26 Toyoda Gosei Co Ltd Weatherstrip for automobile
JPS58191706A (ja) * 1982-05-06 1983-11-09 Showa Denko Kk オレフイン系重合体混合物
JPS592452A (ja) * 1982-06-28 1984-01-09 Toshiba Corp 光信号線路切替装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04272938A (ja) 1992-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0525585B1 (en) Olefin resin composition
JPH06306221A (ja) プロピレン系重合体組成物
JPH0692496B2 (ja) 成形体および塗装された成形体
JPH0689186B2 (ja) 成形体および塗装された成形体
JP3081290B2 (ja) 樹脂組成物
JPH1036456A (ja) 変性ゴム組成物、その製造法および成形品
JPH0493330A (ja) 成形体および塗装された成形体
JP3216190B2 (ja) 塗装された軟質成形体
JP3135305B2 (ja) 樹脂組成物
JPH03157168A (ja) 樹脂成形体の塗装法
JP3068268B2 (ja) 樹脂組成物
JPH07292173A (ja) 樹脂組成物
JPH07292182A (ja) 樹脂組成物
JPH06128429A (ja) プロピレン系重合体組成物
JPH03157169A (ja) 塗装された樹脂成形体の製造法
JP3247433B2 (ja) オレフィン系樹脂組成物
JPH04335054A (ja) 成形体および塗装された成形体
JPH05262924A (ja) 樹脂組成物
JP3081287B2 (ja) 樹脂組成物
JPH07207073A (ja) オレフィン系樹脂組成物及びその塗装された成形体
JP2930703B2 (ja) プロピレン系樹脂組成物および塗装された成形体
JP2871798B2 (ja) 樹脂成形体の塗装法
JP3046655B2 (ja) 樹脂組成物
JPH0673241A (ja) 樹脂組成物
JPH04335053A (ja) 成形体および塗装された成形体

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081116

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081116

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091116

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101116

Year of fee payment: 16

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees