JPH0689186B2 - 成形体および塗装された成形体 - Google Patents

成形体および塗装された成形体

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JPH0689186B2
JPH0689186B2 JP3033109A JP3310991A JPH0689186B2 JP H0689186 B2 JPH0689186 B2 JP H0689186B2 JP 3033109 A JP3033109 A JP 3033109A JP 3310991 A JP3310991 A JP 3310991A JP H0689186 B2 JPH0689186 B2 JP H0689186B2
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川 貞 雄 北
橋 英 樹 高
谷 吉 憲 西
西 俊 一 大
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三菱油化株式会社
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面に塗装を施すのに
適したオレフィン系樹脂素材により形成されている成形
体および該成形体表面に塗装を施した塗装された成形体
に関する。さらに詳しくは、オレフィン系樹脂、エチレ
ンと水酸基含有不飽和化合物との共重合体、有機スズ化
合物および/または第三級アミン化合物からなる樹脂組
成物から形成された成形体、および、これらの成分にさ
らにエラストマー成分を加えてなる樹脂組成物から形成
された成形体、および、それら成形体表面に、直接塗装
を施した塗装された成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリオレフィン樹脂は、その構造
中に極性基が存在せず、しかも結晶性が高いことから塗
料の付着が極めて悪く、塗装性が劣っていることが知ら
れている。従って、この付着性の悪さを改善するため
に、ポリオレフィン樹脂の表面に予めプライマーを塗布
したり、プラズマ処理すること等によって表面を改質
し、塗装性を改良してから塗料を塗布していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな塗装方法においては、従来から以下に示すような問
題点があった。すなわち、プライマー塗布法において
は、高価なプライマーを使用しなければならないこと
や、塗装工程数が多くなることなどから塗装コストが高
くなるといった欠点があるが、それ以外にも、プライマ
ーの溶媒を発揮させる必要があることなどから作業環境
が悪くなると共に火災の危険性を伴い安全性にも問題が
あった。一方、プラズマ処理法においては、高度の真空
状態が必要であるために、高価な装置を設置しなければ
ならず、しかも、バッチ式のためコストの上昇を避ける
ことができなかった。更に、プラズマ処理後の表面は不
安定で、異物に接触すると塗料の付着性が低下するた
め、塗膜性能にバラつきが生じることもあり、取り扱い
が非常に不便であった。従って、このようなプライマー
塗布や、プラズマ処理する工程を省略することができれ
ば、塗装工程の簡略化、作業環境の改善、コストの低減
化等を図ることが可能となることから、これまでにもこ
れらの問題点を改善しようと多くの研究がなされてき
た。しかしながら、結局、未だこの目的を達成するには
至っておらず、ポリオレフィン系樹脂素材ではこのよう
なプライマー塗布やプラズマ処理等を省くことが出来
ず、このような処理の後に塗装が施されている場合が多
い。
【0004】
【課題を解決するための手段】〔発明の概要〕本発明者
らは上記課題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、被塗装体
に特定の樹脂組成物を用いることによって、上記課題を
解決し得ることができるとの見知を得て、本発明を完成
するに至った。すなわち、本発明成形体は、オレフィン
系樹脂100重量部に、エチレンと水酸基含有不飽和化
合物との共重合体を0.01〜40重量部、有機スズ化
合物を0.01〜5重量部および/または第三級アミン
化合物0.01〜20重量部を配合(さらにエラストマ
ー成分1〜200重量部を配合することができる)して
なる樹脂組成物から形成されたものであることを特徴と
するものである。また、本発明のもう一つの発明である
塗装された成形体は、オレフィン系樹脂100重量部
に、エチレンと水酸基含有不飽和化合物との共重合体を
0.01〜40重量部、有機スズ化合物を0.01〜5
重量部および/または第三級アミン化合物0.01〜2
0重量部を配合(さらにエラストマー成分1〜200重
量部を配合することができる)してなる樹脂組成物から
形成された成形体の表面に、直接塗装が施されたもので
あることを特徴とするものである。
【0005】〔発明の具体的説明〕 〔I〕樹脂組成物 (1)構成成分 本発明の成形体を形成する樹脂組成物は、下記(a)〜
(d)に示す構成成分から基本的に形成されている。 (a)成分:オレフィン系樹脂 本発明において使用されるオレフィン系樹脂としては、
エチレン、プロピレン、1‐ブテン、3‐メチル‐1‐
ブテン、4‐メチル‐1‐ペンテン、1‐ヘキセン、1
‐ペンテン等で代表されるα‐オレフィンの単独重合
体、或いはこれらα‐オレフィン相互の共重合体であっ
て、しかも、JIS−K7203に準拠して測定した曲
げ弾性率が1,000〜20,000kg/cm2 、好まし
くは2,000〜18,000kg/cm2 、特に好ましく
は3,000〜15,000kg/cm2 の樹脂を挙げるこ
とができる。また、この共重合体樹脂のメトルフローレ
ート(MFR)については特別に制限されないが、AS
TM−D1238に準拠して測定した値が通常0.01
〜200g/10分、好ましくは0.1〜100g/1
0分の範囲内であるのが最適である。前記オレフィン系
樹脂としては、例えば、いわゆる低圧法ポリエチレン、
中圧法ポリエチレン、高圧法ポリエチレン、線状低密度
ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、立体規則性ポリ
プロピレン、立体規則性ポリ‐1‐ブテン、立体規則性
ポリ‐4‐メチル‐1‐ペンテン等の立体規則性ポリ‐
α‐オレフィン系樹脂などを挙げることができる。これ
らオレフィン系樹脂の中では立体規則性ポリプロピレン
(以下単に「プロピレン系樹脂」と略記する。)が好ま
しい。このプロピレン系樹脂の中ではプロピレンと他の
オレフィンとの共重合体が好ましく、特にエチレンとの
共重合体が好ましい。該共重合体はランダム共重合体で
あっても、ブロック共重合体であってもよいが、ブロッ
ク共重合体の方が特に好ましい。これらのオレフィン系
樹脂は上記樹脂を単独で或いは複数種混合した混合物と
して使用することもでき、通常、市販の樹脂の中から適
宜選んだ使用することができる。
【0006】(b)成分:エチレンと水酸基含有不飽和
化合物との共重合体 本発明の成形体において用いられるエチレンと水酸基含
有不飽和化合物との共重合体とは、構造的な見地から、
分岐状あるいは線状の炭素鎖中に、不規則あるいは規則
的に水酸基含有不飽和化合物が、エチレンと共重合して
いる構造を有するもの全般を指す。具体的には、水酸基
含有不飽和化合物の含有量が0.1〜50重量%、好ま
しくは0.5〜45重量%、特に好ましくは1〜40重
量%を示すものであり、JIS−K6760に準拠して
測定したメルトフローレート(MFR)が、0.1〜
1,000g/10分、好ましくは0.5〜700g/
10分、特に好ましくは1〜500g/10分のもの
で、常温で液体、半固体、固体のポリマーが含まれる。
このようなエチレンと水酸基含有不飽和化合物との共重
合体は、エチレンと水酸基含有不飽和化合物を原料とし
て周知の方法、例えば高圧ラジカル重合法などによって
製造することができる。該高圧ラジカル重合法による製
造の場合、エチレン、水酸基含有不飽和化合物、および
ラジカル重合開始剤を、例えば圧力1,000〜3,0
00気圧、温度90〜300℃に保たれた反応帯域中
に、エチレン:水酸基含有不飽和化合物の比が1:0.
0001〜1:0.1となるように連続的に供給して、
転化率3〜20%にてエチレン共重合体とし、反応帯域
から該共重合体を連続的に取り出すことによって製造さ
れる。このような水酸基含有不飽和化合物としては、例
えば、2‐ヒドロキシエチルメタクリレート、2‐ヒド
ロキシエチルアクリレート、2‐ヒドロキシプロピルメ
タクリレート、2‐ヒドロキシプロピルアクリレート、
3‐ヒドロキシプロピルメタクリレート、3‐ヒドロキ
シプロピルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)
モノメタクリレート等を挙げることができる。また、上
記エチレンおよび水酸基含有不飽和化合物成分以外に第
三の共重合モノマー成分として、メチルアクリレート、
エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタ
アクリレート等の不飽和カルボン酸エステル:スチレ
ン、α‐メチルスチレン、ビニルトルエン等のビニル芳
香族化合物:アクリロニトリル、メタクリロニトリル等
のニトリル化合物:2‐ビニルピリジン、4‐ビニルピ
リジン等のビニルピリジン:メチルビニルエーテル、2
‐クロルエチルビニルエーテル等のビニルエーテル:塩
化ビニル、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル:酢酸ビニ
ル等のビニルエステル:アクリルアミド等を挙げること
ができ、三元系、多元系共重合体として用いることも可
能である。そして、これらの共重合体は、それぞれ単独
でも、複数種混合した混合物としても使用することがで
きる。
【0007】(c)成分:有機スズ化合物 本発明において使用される有機スズ化合物としては、次
式で表わされるものなどがある。
【0008】
【化1】 (上記式中のR,R,R,Rはそれぞれ炭素数
1〜12の飽和炭化水素基であり、それぞれが、同じで
も異なってもかまわなく、好ましくは炭素数が3〜12
の飽和炭化水素基である。また、Y,Yはそれぞれ
脂肪酸残基、マレイン酸誘導体残基、メルカプタン残
基、メルカプト酸残基等であり、それぞれが同じでも異
なっていてもかまわなく、好ましくは、脂肪酸残基、マ
レイン酸誘導体残基である。さらに、Xは酸素原子、
硫黄原子、マレイン酸残基等であり、好ましくは酸素原
子、マレイン酸残基である。また、mは0または1〜3
0の整数であり、好ましくは0または1〜25の整数、
特に好ましくは、0または1〜20の整数である。) これら有機スズ化合物の具体例としては、モノブチル・
スズ・トリメチルマレート、モノブチル・スズ・トリオ
クチルマレート、ジブチル・スズ・ジラウレート、ジブ
チル・スズ・ラウレート・メチルマレート、ジブチル・
スズ・ジオレイルマレート、ジブチル・スズ・ジメチル
マレート、ジブチル・スズ・マレート、ジブチル・スズ
・メトキシメチルマレート、ジブチル・スズ・ジオクチ
ルマレート、ジブチル・スズ・ジオクチル・チオクリエ
ート、ジブチル・スズ・ラウリル・メルカプタイト、ト
リベンシル・スズ・オクチルマレート、トリベンシル・
スズ・トリメチルマレート等を挙げることができる。こ
れらの中ではジアルキル・スズ化合物を用いることが好
ましい。そして、これらの有機スズ化合物は、それぞれ
単独でも、複数種混合した混合物として使用することが
でき、通常、市販のものの中から適宜選んで使用するこ
とができる。
【0009】(d)成分:第三級アミン化合物 本発明の成形体において使用される第三級アミン化合物
としては、第三級アミン構造を有する低分子化合物から
高分子化合物のものまでを指す。 第三級アミン構造を有する低分子化合物 第三級アミン構造を有する低分子化合物としては、その
分子量が100から約1,000未満のものを指す。そ
の具体的な例としては、トリエチレンジアミン、ジメチ
ルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミ
ン、テトラグアニジン、1,8‐ジアザビシクロ(5.
4.0)‐7‐ウンデセン、N,N‐ビス(2‐ヒドロ
キシエチル)ラウリルアミン、および、テトラキス(N
‐メチル‐2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリ
ジル)1,2,3,4‐ブタンテトラカルボキシレート
等を挙げることができる。これらのものは、市販の中か
ら適宜選んで用いることができる。
【0010】 第三級アミン構造を有する高分子化合
物 また、第三級アミン構造を有する高分子化合物として
は、その分子量が1,000以上のもので、常温で液
体、半固体、固体の、分子量が100,000程度まで
のポリマーが含まれる。このような第三級アミン構造を
有する高分子化合物としては、第三級アミノ基含有変性
オレフィン重合体を挙げることができる。このような第
三級アミノ基含有変性オレフィン系重合体とは、構造的
な見地から、分岐状あるいは線状の炭素鎖中に、不規則
あるいは規則的に、第三級アミノ基含有不飽和化合物が
共重合していたり、第三級アミン構造を有する側鎖がグ
ラフトしている構造を有するもの全般を指す。具体的に
は、第三級アミノ基含有不飽和化合物の含量が0.1〜
50重量%、好ましくは0.5〜45重量%、特に好ま
しくは1〜40重量%を示すものであり、JIS−K6
760に準拠して測定したメルトフローレート(MF
R)が、0.1〜1,000g/10分のものが好まし
く、特に好ましくは0.5〜700g/10分のもので
ある。この第三級アミノ基含有変性オレフィン系重合体
は、第三級アミノ基含有不飽和化合物を用いて、周知の
方法によって製造することができる。例えば高圧ラジカ
ル重合法による製造の場合、エチレン、第三級アミノ基
含有不飽和化合物およびラジカル重合開始剤を、例えば
圧力1,000〜3,000気圧、温度90〜300℃
に保たれた反応帯域中に、エチレン:第三級アミノ基含
有不飽和化合物の比が1:0.0001〜1:0.1と
なるように連続的に供給して、転化率が3〜20%にて
エチレン共重合体とし、反応帯域から該共重合体を連続
的に取り出すことによって製造される。また、含浸グラ
フト重合法による製造の場合には、オレフィン系ポリマ
ーのペレットと反応させる第三級アミノ基含有不飽和化
合物およびラジカル重合開始剤を、水溶媒中に懸濁さ
せ、第三級アミノ基含有不飽和化合物と開始剤を、オレ
フィン系ポリマーのペレットに含浸させてから、開始剤
の分解温度まで加熱し、ペレット内でグラフト反応を起
こし、変性させることによって製造される。
【0011】このような第三級アミノ基含有不飽和化合
物としては、次式で表わされる。
【0012】
【化2】 (上記式中のRは水素または、炭素数1〜4の飽和炭
化水素基であり、好ましくは水素原子または炭素数が1
〜2の飽和炭化水素基である。Rは炭素数2〜12の
飽和炭化水素基であり、好ましくは炭素数2〜6の飽和
炭化水素基である。R,Rは炭素数1〜12の飽和
炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜6、特に好ま
しくは炭素数1〜3の飽和炭化水素基である。また、こ
こでR,Rは同じでも異なっていても良い。X
酸素原子または−NR−、硫黄原子であり、好ましく
は、酸素原子、−NR−である。Rは水素原子また
は炭素数1〜12の飽和炭化水素基であり、好ましくは
水素原子または炭素数1〜6の飽和炭化水素基であ
る。) これら第三級アミノ基含有不飽和化合物の具体的な例と
しては、2‐(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、
2‐(ジエチルアミノ)エチルアクリレート、2‐(ジ
メチルアミノ)エチルメタクリレート、2‐(ジエチル
アミノ)エチルメタクリレート、2‐〔ジ(t‐ブチ
ル)アミノ〕エチルアクリレート、2‐〔ジ(t‐ブチ
ル)アミノ〕エチルメタクリレート、3‐(ジメチルア
ミノ)‐プロピルアクリルアミド、および3‐(ジメチ
ルアミノ)‐プロピルメタクリルアミド等を挙げること
ができる。また、上記第三級アミノ基含有不飽和化合物
と共重合する場合のオレフィン系モノマー成分として
は、エチレン、プロピレン、1‐ブテン等のα‐オレフ
ィン類を挙げることができるが、これらの中では、特に
エチレンが好ましい。また、上記第三級アミノ基含有不
飽和化合物をグラフトさせる場合幹ポリマーとしてのオ
レフィン系重合体成分としては、前記オレフィン系樹脂
((a) 成分)および後記オレフィン系エラストマー
((e)-成分)等を挙げることができ、これらの中で
は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂および
エチレン系エラストマーを用いることが好ましい。また
第三級アミノ基含有変性オレフィン系重合体を製造する
際に、上記第三級アミノ基含有不飽和化合物と共重合す
ることのできるモノマー成分として、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチル
メタアクリレート等の不飽和カルボン酸エステル;スチ
レン、α‐メチルスチレン、ビニルトルエン等のビニル
芳香族化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル
等のニトリル化合物;2‐ビニルピリジン、4‐ビニル
ピリジン等のビニルピリジン;メチルビニルエーテル、
2‐クロルエチルビニルエーテル等のビニルエーテル:
塩化ビニル、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル:酢酸ビ
ニル等のビニルエステル:アクリルアミド等を挙げるこ
とができ、これらを用いて、三元系、あるいは、さらに
多元系変性ポリオレフィンとして用いることも可能であ
る。そしてこれらの変性ポリオレフィンは、それぞれ単
独でも、複数種混合した混合物としても使用することが
できる。以上挙げた第三級アミン化合物の中では使用し
た際にブリードアウトし難い第三級アミノ基含有変性オ
レフィン系重合体を用いることが好ましい。
【0013】(e)成分:エラストマー成分 本発明の好適な成形体において使用されるエラストマー
成分としては、スチレン系およびオレフィン系から選ば
れた少なくとも一種のエラストマーが最適である。
スチレン系エラストマー上記スチレン系エラストマーと
しては、スチレン、α‐メチルスチレン等のスチレン系
化合物と、1,3‐ブタジエン、イソプレン等の共役ジ
エンとのエラストマー状ランダム又はブロック共重合体
およびこれら共重合体の水素添加物である。これらスチ
レン系エラストマーの中では、スチレン系化合物と共役
ジエンとのブロック共重合体が好ましく、これらブロッ
ク共重合体は一般式が次式で表わされるものが最適であ
る。 一般式 (A−B)n+1 、または A−(B−A)、または B−(A−B)n+1 (上記式中のAはスチレン系化合物よりなる重合体ブロ
ック、Bは共役ジエン重合体ブロックであり、nは1〜
20の整数、Aブロックの全体の分子に占める割合は1
〜50重量%である。) これら共重合体の平均分子量は10,000〜1,00
0,000、好ましくは50,000〜250,000
である。これらスチレン系エラストマーの具体例として
は、スチレン・ブタジエンランダム共重合体、スチレン
・イソプレンランダム共重合体、スチレン・ブタジエン
・スチレントリブロック共重合体、スチレン・イソプレ
ン・スチレントリブロック共重合体、ポリスチレンブロ
ックが末端であるスチレン・ブタジエンラジアルブロッ
ク共重合体、ポリスチレンブロックが末端であるスチレ
ン・イソプレンラジアルブロック共重合体、スチレン・
ブタジエンマルチブロック共重合体、スチレン・イソプ
レンマルチブロック共重合体等のスチレン・共役ジエン
ブロック共重合体、およびこれらを水素添加した生成物
等を挙げることができる。これらのスチレン系エラスト
マーの中で好ましいものは水素添加されたスチレン・共
役ジエンブロック共重合体である。
【0014】 オレフィン系エラストマー 上記オレフィン系エラストマーとしては、エチレン、プ
ロピレン、1‐ブテン、1‐ヘキセン等のα‐オレフィ
ン相互の共重合体、あるいはこれらと非共役ジエンとの
共重合体、あるいは1‐ヘキセン等の高級α‐オレフィ
ンの単独重合体であって、エラストマー状の重合体であ
り、100℃で測定したムーニー粘度ML1+4 が、通常
1〜200、好ましくは5〜150、特に好ましくは7
〜100の範囲のものである。これらオレフィン系エラ
ストマーの中ではエチレン系エラストマーが品質および
安定性の点で特に好ましい。具体的にはエチレン・プロ
ピレン共重合ゴム(EPM)、エチレン・1‐ブテン共
重合ゴム、エチレン・プロピレン・1‐ブテン共重合ゴ
ム、エチレン・プロピレン‐非共役ジエン共重合ゴム
(EPDM)、エチレン・1‐ブテン・非共役ジエン共
重合ゴム、エチレン・プロピレン・1‐ブテン・非共役
ジエン共重合ゴム等がある。なお上記非共役ジエンの具
体例としては、ジシクロペンタジエン、1,4‐ヘキサ
ジエン、シクロオクタジエン、ジシクロオクタジエン、
メチレンノルボルネン、5‐エチリデン‐2‐ノルボル
ネン、5‐ビニル‐2‐ノルボルネン、5‐メチレン‐
2‐ノルボルネン、5‐メチル‐1,4‐ヘキサジエ
ン、7‐メチル‐1,6‐オクタジエン等を挙げること
ができる。こうしたエラストマー成分の中でも、特にオ
レフィン系エラストマーが、成形体の表面荒れが起こり
難いために好んで使用される。
【0015】(f)成分:付加的成分 本発明の成形体を形成する樹脂組成物の中には、本発明
の効果を著しく損なわない範囲で上記(a)〜(d)成
分または(a)〜(e)成分の必須成分に加えて以下に
示すような付加的成分を含有させることができる。該付
加的成分としては、例えば、無機フィラー、具体的には
石英等の天然シリカ、湿式法、乾式法で製造した合成シ
リカ、カオリン、マイカ、タルク、石綿等の天然珪酸
塩、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム等の合成珪酸
塩、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属
水酸化物、アルミナ、チタニア等の金属酸化合物、炭酸
カルシウム、アルミニウム、ブロンズ等の金属粉、カー
ボンブラック、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウ
ム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、チッ化ケイ素、サファ
イア、ベリリア、炭化ホウ素、炭化ケイ素等のウィスカ
ーがある。また、可塑剤ないしは流動性改良剤、その他
添加剤、具体的には着色剤、安定剤、分散助剤、分子量
調整剤、架橋剤、核剤等を挙げることができる。
【0016】(2)量 比 本発明の成形体に用いられる樹脂組成物を構成する上記
各成分の配合の量比としては、通常、(a)成分のオレ
フィン系樹脂100重量部に対して、(b)成分のエチ
レンと水酸基含有不飽和化合物との共重合体は0.01
〜40重量部、好ましくは、0.05〜35重量部、特
に好ましくは、0.1〜30重量部の範囲内であり、
(c)成分の有機スズ化合物は0.01〜5重量部、好
ましくは、0.05〜4重量部、特に好ましくは0.1
〜3重量部であり、(d)成分の第三級アミン化合物は
0.01〜20重量部、好ましくは0.05〜18重量
部、特に好ましくは0.1〜17重量部の範囲内であ
る。(b)成分のエチレンと水酸基含有不飽和化合物と
の共重合体の配合量が上記範囲未満のときは、塗料の付
着性に再現性が乏しかったり、塗料の付着強度が弱かっ
たりして好ましくない。一方、上記範囲を越えると高価
な該ポリマーの添加量が多いために、樹脂組成物として
のコストが高くなり、また該ポリマーがデラミネーショ
ンやブリードアウトしてくるために、塗料の付着性が低
下する等の為に好ましくない。また、(c)成分の有機
スズ化合物が、上記範囲未満のときは、塗布する塗料に
よっては、その付着強度が非常に弱くなることがあり、
好ましくない。一方、上記範囲を越えても、添加量に比
例した効果が得られるものではなく、むしろポリオレフ
ィンの劣化を促進する恐れがあるために好ましくない。
また、(d)成分の第三級アミン化合物が上記範囲未満
のときは、塗布する塗料によっては、その付着強度が非
常に弱くなることがあり、好ましくない。一方、上記範
囲を越えると、高価な該ポリマーの添加量が多いため
に、樹脂組成物としてのコストが高くなるばかりでな
く、該ポリマーの添加量に比例した効果が得られるもの
ではない。また、上記構成成分の配合量比からなる樹脂
組成物に、更に(e)成分のエラストマー成分を配合す
ることは、剛性や耐衝撃性などの調整を行うことができ
るので好都合である。従って、機械的強度の点から、エ
ラストマー成分をオレフィン系樹脂100重量部に対し
て1〜200重量部、好ましくは5〜180重量部、特
に好ましくは、10〜150重量部使用するのが良い。
【0017】(3)配 合 上記の各構成成分を混合することによって本発明の成形
体を形成する樹脂組成物が製造される。これらの各構成
成分の混合順序も特に制限はなく、上記構成成分を同時
に混合する方法、任意の2成分を予め混合しておき、次
いで残りの成分を混合する方法などいずれの方法を採用
してもよい。混合方法としては、ブラベンダーブラスト
グラフ、一軸あるいは二軸押出機、強力スクリュー型混
練機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等の従来
知られている混練機であればいかなるものでも使用する
ことができる。 〔II〕成形体 上記樹脂組成物を各種成形方法によって成形することに
よって本発明の成形体が得られる。成形は通常の方法に
よって行うことができる。すなわち、射出成形、圧縮成
形、押出し成形(シート成形、ブロー成形)等のいずれ
の成形方法であっても構わない。特に複雑な形状に射出
成形された成形体において特に有効である。
【0018】〔III 〕塗 装 本発明の塗装された成形体を形成するための塗装法とし
ては、従来の塗装工程からプライマー塗布やプラズマ処
理等の表面改質工程を除いた工程を採用することができ
る。すなわち、上記樹脂組成物を形成加工して得られた
成形体に直接あるいは必要により脱脂処理を施した後
に、塗料を塗布するものである。本発明における「直接
塗装が施された」とは従来行われていたプライマー塗布
やプラズマ処理を施さずに塗料を塗布することであっ
て、本発明の技術思想を逸脱しない限り、塗料を塗布す
る前に何らかの表面処理を施すことを除外するものでは
ない。そのような表面処理の一つとして脱脂処理などを
挙げることができる。このような脱脂処理は、一般に塗
料を塗布する直前に行われている通常の操作であって、
これによって、樹脂組成物の成形から塗装までの工程で
不可避的に成形物の表面に付着した手垢や機械油等を洗
浄除去することができる。具体的には、有機溶剤または
その蒸気、水、水蒸気、酸、アルカリ水溶液あるいは界
面活性剤水溶液等による洗浄法があり、これらのなかで
は有機溶剤蒸気や各種水溶液による洗浄法が好んで用い
られる。また塗料の塗布手段としては、スプレーによる
吹き付け塗布、はけ塗り、ローラーによる塗布等がある
が、いずれの方法をも採用することができる。塗装工程
にて使用することができる塗料としては、一般に広く用
いられている塗料、例えば、アクリル系塗料、エポキシ
系塗料、ポリエステル系塗料、ウレタン系塗料、アルキ
ッド系塗料等が使用できる。この中で好ましいのはウレ
タン系塗料であり、特に好ましくは二液型ウレタン塗料
である。
【0019】〔IV〕塗装された樹脂成形体 このようにして塗装された成形体には、塗料が一般に1
0〜100μm、好ましくは20〜70μm程度の厚さ
で塗装され、その塗膜は強固に被着されているので、各
種工業用部品、例えば自動車のバンパー、マッドガー
ド、サイドモール、ホイールキャップ、スポイラー類等
の自動車外装部品、インスツルメントパネル、レバー、
ノブ、内張り等の自動車内装部品、ポット、掃除機、洗
濯機、冷蔵庫、照明器具、オーディオ機器等の電気製
品、カラーボックス、収納ケース等の日用雑貨品等とし
て利用することができる。
【0020】〔実 験 例〕以下に実施例および比較例
を掲げ、本発明を更に具体的に説明する。各実験例にお
いて製造された樹脂組成物から試験試料を得るための成
形条件および試験方法は以下に示す通りである。なお、
実験例中の「部」は重量部である。 <成形条件>成形機 名機製作所製の射出成形機 M40A−SJ成形温度 230℃成形品 平板(65mm×65mm×2mm) 三点曲げ弾性率試験片(90mm×10mm×4mm)曲げ弾性率 JIS K−7203に準拠して測定した。MFR ASTM D−1238に準拠して測定した。
【0021】<塗 装>塗 料 二液型ウレタン系塗料を用いて、塗装を行なった。塗装法 塗料を調合し、エアースプレーガンを用いて、塗膜厚さ
が、碁盤目試験では約40μm、剥離強度試験では約1
00μmとなるように、スプレー塗布した。その後、8
5℃で30分間焼き付けて乾燥させた。
【0022】<塗料付着性評価>碁盤目試験 片刃カミソリを用い試験片の表面に直交する縦横11本
ずつの平行線を2mm間隔で引いて碁盤目を100個作
る。その上にセロハン粘着テープ(JIS Z152
2)を十分圧着し、塗膜面と約30度に保ち手前に一気
に引き剥し、碁盤目で囲まれた部分の状態を観察し、剥
離しなかった碁盤目の数を記録した。剥離強度 試験片の上半分に塗料が付着しないような処理を施した
後、各塗料を塗膜厚さが100μmになるように塗布し
焼き付け乾燥した。試験片にセロハン粘着テープ(例:
ニチバン製幅24mm)を全面に密着させ、幅1cmで、上
下方向に素地にまで達する切り傷を付ける。塗膜付着の
ない側を手で剥し、引張試験機に取付け180度方向に
50mm/分の速度で引き剥したときの負荷を記録した。
なお、塗膜が破断した場合は破断と記した。
【0023】実験例1〜26および比較例1〜8(1)樹脂成形体の製造 表1、表2および表3に示した各成分を配合させて、二
軸押出機により200℃で溶融混練してペレットとし
た。このペレットを用いて平板および三点曲げ弾性率測
定用試験片を射出成形した。なお、表1、表2及び表3
中の配合成分は次の通りである。 <オレフィン系樹脂:(a)成分>ブロックPP
(1):エチレン含量が4重量%、JIS−K7203
に準拠して測定した曲げ弾性率が14,000kg/c
m2 、かつASTM−D1238に準拠して測定したM
FRが60g/10分のプロピレン・エチレンブロック
共重合体。ブロックPP(2) :エチレン含量が13重量%、JI
S−K7203に準拠して測定した曲げ弾性率が6,0
00kg/cm2 、かつASTM−D1238に準拠して測
定したMFRが30g/10分のプロピレン・エチレン
ブロック共重合体。ランダムPP :エチレン含量3.4重量%、JIS−K
7203に準拠して測定した曲げ弾性率が10,500
kg/cm2 、かつASTM−D1238に準拠して測定し
たMFRが15g/10分のプロピレン・エチレンラン
ダム共重合体。単独PP :JIS−K7203に準拠して測定した曲げ
弾性率が13,000kg/cm2 、かつASTM−D12
38に準拠して測定したMFRが25g/10分のポリ
プロピレン。HDPE :ASTM−D747に準拠して測定した曲げ
弾性率が10,500kg/cm2 、かつJIS−K676
0に準拠して測定したMFRが、20g/10分の低圧
法ポリエチレン(高密度ポリエチレン)。
【0024】<エチレン・水酸基含有不飽和化合物との
共重合体:(b)成分>(MFRはJIS−K6760
に準拠して測定した)EHM(1):高圧ラジカル重合
法により得られた、2‐ヒドロキシエチルメタクリレー
ト含有率が10重量%、MFRが7g/10分のエチレ
ン・2‐ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体。EHM(2) :高圧ラジカル重合法で得た、2‐ヒドロ
キシエチルメタクリレート含有率が10重量%、メチル
アクリレート含有率が10重量%、MFRが13g/1
0分のエチレン・2‐ヒドロキシエチルメタクリレート
・メチルアクリレート三元共重合体。EHM(3) :高圧ラジカル重合法で得た、2‐ヒドロ
キシエチルメタクリレート含有率が10重量%、メチル
アクリレート含有率が10重量%、MFRが100g/
10分のエチレン・2‐ヒドロキシエチルメタクリレー
ト・メチルアクリレート共重合体。
【0025】<有機スズ化合物:(c)成分>DBTD
:ジブチルスズジラウレートDOTDL :ジオクチルスズジラウレート
【0026】<第三級アミン化合物:(d)成分>ED
MA(1):高圧ラジカル重合法により得られた、2‐
(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート含有率が30
重量%、JIS−K6760に準拠して測定したMFR
が2g/10分のエチレン・2‐(ジメチルアミノ)エ
チルメタクリレート共重合体。EDMA(2) :下記に示す含浸グラフト重合法による
EDMA(2)の合成にて得られた乾ポリマーのポリエ
チレンに2‐(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート
およびスチレンがグラフトしたグラフト共重合体で2‐
(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート含有率が15
重量%、スチレン含有率が25重量%、JIS−K67
60に準拠して測定したMFRが2g/10分の物性値
を示すグラフト共重合体ある。含浸グラフト重合法によるEDMA(2)の合成 容量10リットルのオートクレーブで、JIS−K67
60に準拠して測定したMFRが100g/10分の線
状低密度ポリエチレンのペレット1080g、2‐(ジ
メチルアミノ)エチルメタクリレート270g、スチレ
ン450g、ベンゾイルパーオキサイド6.5g、分散
剤としてリン酸カルシウム〔Ca(PO〕21
gを水4リットル中に加えて懸濁させた。次いで、該懸
濁液の温度を50℃に3時間保ち、これら2‐(ジメチ
ルアミノ)エチルメタクリレート、スチレン、ベンゾイ
ルパーオキサイドを前記ポリエチレンのペレットに含浸
させた。その後、8時間かけて94℃まで徐々に温度を
上昇させながら反応を行なった。反応終了後、得られた
ペレットを水洗し、遠心分離器で水分を除去し、80℃
で12時間減圧乾燥を行なった。得られたポリマーの2
‐(ジメチルアミノ)エチルメタクリレートの含有量は
15重量%、スチレン含有量は25重量%、MFRは2
g/10分を示すものであった。低分子化合物(1) :アデカ・アーガス社製光安定剤
「Mark LA62」で、その構造は下式に示す構造
を有する化合物である。
【0027】
【化3】 (式中のR10、R11,R12,R13は次式
【0028】
【化4】 または−C1327を表わすものであり、これらR10、R
11、R12、R13のうち少なくとも1つが、N‐メチル‐
2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル基であ
り、残りが炭素数13の飽和炭化水素基を示すものであ
る。)
【0029】<エラストマー成分:(e)成分>EPM
(1):ムーニー粘度ML1+4 (100℃)が70、比
重が0.86であるエチレン・プロピレン・共重合ゴ
ム。EPDM(1) :ムーニー粘度ML1+4 (100℃)が
62、比重が0.87である、オイル分66重量%を含
む、油展エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネ
ン共重合ゴム。EPDM(2) :ムーニー粘度ML1+4 (100℃)が
47、比重が0.86であるエチレン・プロピレン・エ
チリデンノルボルネン共重合ゴム。SEBS :数平均分子量が70,000、比重が0.9
1であるスチレン・ブタジエン・スチレントリブロック
共重合ゴムの水素添加物。
【0030】(2)樹脂成形体の塗装 上記樹脂成形体の製造によって成形した平板にトリクロ
ロエタン蒸気で30秒間脱脂処理(TCE処理)を施し
たものと、全く処理を施さないものに、それぞれエアー
ガンを用いて塗料を塗布した。焼き付け乾燥終了後、4
8時間室温放置して、碁盤目試験を行なった。得られた
樹脂組成物の弾性率と塗料付着性の結果を表1、表2お
よび表3に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】 比較例3に示す配合の組成物においては、柔らかすぎて
JIS−K7203に準拠した測定方法では曲げ弾性率
を測定することはできなかった。また塗装時において
は、塗料塗布後の焼き付け乾燥時に試験片の平板がひど
く変形をしてしまい、また平板の表面にも凹凸が生じて
しまって、評価することができなかった。これらの結果
から表3の比較例6と、表1の実施例9と13の配合を
対比してみると有機スズ化合物とアミン化合物のどちら
かを配合することによって塗料の付着力が非常に向上す
ることが理解できる。また、実施例14の有機スズ化合
物とアミン化合物を併用することによって、その塗料付
着性の効果がより一層向上するのが理解できる。
【0034】
【発明の効果】本発明の成形体および塗装された成形体
は、該成形体を形成している樹脂組成物に特定な成分の
ものを用いることにより、従来の「オレフィン系樹脂へ
直接塗装することは不可能である。」との常識を覆し
て、成形体にプライマー塗布、プラズマ処理等の表面改
質処理を予め施すことなく、塗料を直接塗布しても良好
な塗料付着性を示し、工業的に極めて有用なものであ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 53/00 LLW 7308−4J LLY 7308−4J //(C08K 5/00 5:17 5:57) (C08L 23/02 23:08) (C08L 53/00 23:08) 23:00 (72)発明者 西 谷 吉 憲 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社 四日市総合研究所内 (72)発明者 大 西 俊 一 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社 四日市総合研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オレフィン系樹脂100重量部に、エチレ
    ンと水酸基含有不飽和化合物との共重合体を0.01〜
    40重量部、有機スズ化合物を0.01〜5重量部およ
    び/または第三級アミン化合物0.01〜20重量部を
    配合してなる樹脂組成物から形成されたものであること
    を特徴とする成形体。
  2. 【請求項2】オレフィン系樹脂100重量部に、エチレ
    ンと水酸基含有不飽和化合物との共重合体を0.01〜
    40重量部、有機スズ化合物を0.01〜5重量部およ
    び/または第三級アミン化合物0.01〜20重量部お
    よびエラストマー成分1〜200重量部を配合してなる
    樹脂組成物から形成されたものであることを特徴とする
    成形体。
  3. 【請求項3】オレフィン系樹脂100重量部に、エチレ
    ンと水酸基含有不飽和化合物との共重合体を0.01〜
    40重量部、有機スズ化合物を0.01〜5重量部およ
    び/または第三級アミン化合物0.01〜20重量部を
    配合してなる樹脂組成物から形成された成形体の表面
    に、直接塗装が施されたものであることを特徴とする塗
    装された成形体。
  4. 【請求項4】オレフィン系樹脂100重量部に、エチレ
    ンと水酸基含有不飽和化合物との共重合体を0.01〜
    40重量部、有機スズ化合物を0.01〜5重量部およ
    び/または第三級アミン化合物0.01〜20重量部お
    よびエラストマー成分を1〜200重量部配合してなる
    樹脂組成物から形成された成形体の表面に、直接塗装が
    施されたものであることを特徴とする塗装された成形
    体。
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