JPH04335054A - 成形体および塗装された成形体 - Google Patents

成形体および塗装された成形体

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JPH04335054A
JPH04335054A JP10606591A JP10606591A JPH04335054A JP H04335054 A JPH04335054 A JP H04335054A JP 10606591 A JP10606591 A JP 10606591A JP 10606591 A JP10606591 A JP 10606591A JP H04335054 A JPH04335054 A JP H04335054A
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JP
Japan
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weight
parts
molding
compound
diene polymer
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Application number
JP10606591A
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English (en)
Inventor
Kazuhisa Kitamura
北 村 和 久
Jichio Deguchi
出 口 自治夫
Yuuta Kumano
熊 野 勇 太
Sadao Kitagawa
北 川 貞 雄
Hideki Takahashi
高 橋 英 樹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面に塗装を施すのに
適したビニルシラン変性オレフィン系樹脂素材を含有す
る組成物より形成されている成形体および該成形体表面
に塗装を施した塗装された成形体に関する。更に詳しく
は、ビニルシラン変性オレフィン系樹脂、末端に水酸基
を有するジエンポリマーまたはその水素添加物、有機ス
ズ化合物および/または第三級アミン化合物からなる樹
脂組成物から形成された成形体、および、これらの成分
にさらにエラストマー成分を加えてなる樹脂組成物から
形成された成形体、および、それら成形体表面に、直接
塗装を施した塗装された成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリオレフィン樹脂は、その分子
構造中に極性基が存在せず、しかも結晶性が高いことか
ら塗料の付着が極めて悪く、塗装性が劣っていることが
知られている。従って、この付着性の悪さを改善するた
めに、ポリオレフィン樹脂の表面に予めプライマーを塗
布したり、プラズマ処理すること等によって表面を改質
し、塗装性を改良してから塗料を塗布していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな塗装方法においては、従来から以下に示すような問
題点があった。すなわち、上記プライマー塗布法におい
ては、高価なプライマーを使用しなければならないこと
や、塗装工程数が多くなることなどから塗装コストが高
くなるといった欠点があるが、それ以外にも、プライマ
ーの溶媒を揮発させる必要があることなどから作業環境
が悪くなると共に火災の危険性を伴い安全性にも問題が
あった。一方、上記プラズマ処理法においては、高度の
真空状態が必要であるために、高価な装置を設置しなけ
ればならず、しかも、バッチ式であるためコストの上昇
を避けることができなかった。更に、プラズマ処理後の
表面は不安定で、異物に接触すると塗料の付着性が低下
するため、塗膜性能にバラつきが生じることもあり、取
り扱いが非常に不便であった。従って、このようなプラ
イマー塗布や、プラズマ処理する工程を省略することが
できれば、塗装工程の簡略化、作業環境の改善、コスト
の低減化等を図ることが可能となることから、これまで
にもこれらの問題点を改善しようと多くの研究がなされ
てきた。しかしながら、結局、未だこの目的を達成する
には至っておらず、ポリオレフィン系樹脂素材ではこの
ようなプライマー塗布やプラズマ処理等を省くことがで
きず、このような処理の後に塗装が施されている場合が
多い。
【0004】
【課題を解決するための手段】
〔発明の概要〕本発明者らは上記課題に鑑みて鋭意研究
を重ねた結果、被塗装体に特定の樹脂組成物を用いるこ
とによって、上記課題を解決し得ることができるとの見
知を得て、本発明を完成するに至った。すなわち、本発
明の成形体は、ビニルシラン変性オレフィン系樹脂10
0重量部に対して、末端に水酸基を有するジエンポリマ
ーまたはその水素添加化物0.01〜20重量部、有機
スズ化合物0.01〜5重量部および/または第三級ア
ミン化合物0.01〜20重量部を配合(さらにエラス
トマー成分1〜200重量部を配合することができる)
してなる樹脂組成物から形成されたものであることを特
徴とするものである。また、本発明のもう一つの発明で
ある塗装された成形体は、ビニルシラン変性オレフィン
系樹脂100重量部に対して、末端に水酸基を有するジ
エンポリマーまたはその水素添加物0.01〜20重量
部、有機スズ化合物0.01〜5重量部および/または
第三級アミン化合物0.01〜20重量部(さらにエラ
ストマー成分1〜200重量部を配合することができる
)してなる樹脂組成物から形成された成形体の表面に、
直接塗装が施されたものであることを特徴とするもので
ある。
【0005】〔発明の具体的説明〕 〔I〕  樹脂組成物 (1)  構成成分 本発明の成形体を形成する樹脂組成物は、下記(a)〜
(d)成分または(a)〜(e)成分に示す構成成分か
ら基本的に形成されたものである。 (a)成分:ビニルシラン変性オレフィン系樹脂本発明
において用いられるビニルシラン変性オレフィン系樹脂
としては、分子中にアルコキシシラン基を含有するオレ
フィン系樹脂であって、該アルコキシシラン基によりポ
リマー同士を架橋させることができるものである。具体
的には、ビニルシラン化合物、例えばビニルトリメトキ
シシラン、γ‐メタクロイルオキシプロピルトリメトキ
シシランをオレフィン重合体にグラフト共重合させたも
の、またはビニルシラン化合物とエチレンとをランダム
共重合させたものを挙げることができる。これらのビニ
ルシラン変性オレフィン重合体については、例えば特公
昭48−1711号、特開昭59−36115号および
特開昭55−9611号公報に詳細に記載されており、
また市場でも入手することができる。
【0006】これらビニルシラン変性オレフィン系樹脂
の好ましい例としては、ビニルシラン化合物で変性され
たオレフィン系樹脂である。上記ビニルシラン変性オレ
フィン系樹脂において用いられるオレフィン系樹脂とし
ては、エチレン、プロピレン、1‐ブテン、3‐メチル
‐1‐ブテン、4‐メチル‐1‐ペンテン、1‐ヘキセ
ン、1‐ペンテン等で代表されるα‐オレフィンの単独
重合体、或いはこれらα‐オレフィン相互の共重合体で
あって、しかも、JIS−K7203に準拠して測定し
た曲げ弾性率が1,000〜20,000kg/cm2
 、好ましくは2,000〜18,000kg/cm2
 、特に好ましくは3,000〜15,000kg/c
m2 の樹脂を挙げることができる。また、この共重合
体樹脂のメルトフローレート(MFR)については特別
に制限されないが、ASTM−D1238に準拠して測
定した値が通常0.01〜200g/10分、好ましく
は0.1〜100g/10分の範囲内であるのが最適で
ある。前記オレフィン系樹脂について具体的に示せば、
低圧法ポリエチレン、中圧法ポリエチレン、高圧法ポリ
エチレン、線状低密度ポリエチレン等のポリエチレン系
樹脂、立体規則性ポリプロピレン、立体規則性ポリ‐1
‐ブテン、立体規則性ポリ‐4‐メチル‐1‐ペンテン
等の立体規則性ポリ‐α‐オレフィン系樹脂などを挙げ
ることができる。 これらオレフィン系樹脂の中では立体規則性ポリプロピ
レン(以下単に「プロピレン系樹脂」と略記する。)が
好ましい。このプロピレン系樹脂の中ではプロピレンと
他のオレフィンとの共重合体が好ましく、特にエチレン
との共重合体が好ましい。該共重合体はランダム共重合
体であっても、ブロック共重合体であってもよいが、ブ
ロック共重合体の方が特に好ましい。これらのオレフィ
ン系樹脂は上記樹脂を単独で或いは複数種混合した混合
物として使用することもでき、通常、市販の樹脂の中か
ら適宜選んで使用することができる。このようなビニル
シラン変性オレフィン系樹脂は、シラノール縮合触媒、
例えばジブチル錫ジラウレートにより水で容易に架橋反
応を進行させることができるように、該樹脂中に通常シ
ラノール縮合触媒を一般に0.001〜10重量%、好
ましくは0.01〜5重量%配合させることができる。 該シラノール縮合触媒は後記(C)成分の有機スズ化合
物と同一の構造式を有しているものの範疇に属するもの
を使用する場合には、シラノール縮合触媒と同様の架橋
反応を促進させることができるが、後記(C)成分の有
機スズ化合物の作用である塗料の付着強度を向上させる
ことができるので、本発明においては(C)成分の有機
スズ化合物としてみなされる。このようなビニルシラン
変性オレフィン系樹脂は、得られた成形品を水または水
分を含む雰囲気下に置くことにより、容易に水架橋させ
得る。また、ビニルシラン変性オレフィン系樹脂は、目
的に応じて、単独でも、またオレフィン系樹脂と混合し
た混合物としても使用することができるが、その際、J
IS−C3005に規定される架橋度が20重量%以上
、さらに30重量%以上、特に30〜90重量%である
ことが好ましい。
【0007】(b)成分:末端に水酸基を有するジエン
ポリマーまたはその水素添加物 ■  末端に水酸基を有するジエンポリマー本発明の成
形体において用いられる末端に水酸基を有するジエンポ
リマーまたはその水素添加物のうち、末端に水酸基を有
するジエンポリマーとしては、例えばポリヒドロキシブ
タジエンなどがある。具体的には、末端に少なくとも一
個の水酸基を有し、分子量が200〜100,000、
好ましくは500〜50,000、特に好ましくは80
0〜10,000の、常温で液体、半固体、固体のポリ
マーが含まれる。1分子当たりの平均水酸基数は一般に
1〜10、特に1.5〜5のものが好ましく、水酸基価
が一般に15〜250、好ましくは25〜125(KO
Hmg/g)のものが特に好ましい。このような末端に
水酸基を有するジエンポリマーは、1,3‐ジエンを原
料に用いて、周知の方法、例えばラジカル重合法、アニ
オン重合法などによって製造することができる。具体的
には例えば特開昭51−71391号公報に記載される
方法などを挙げることができる。上記ラジカル重合によ
り製造する場合には、例えば過酸化水素を重合開始剤と
して用いてジエン系モノマーを重合することにより容易
に得られる。また、上記アニオン重合により製造する場
合には、共役ジエンを周知の方法に従って、アニオン重
合触媒、例えばアルカリ金属または有機アルカリ金属化
合物を用いて重合させることにより得られた、両末端の
少なくとも一方にアルカリ金属が結合した構造のリビン
グポリマーに、例えばモノエポキシ化合物、ホルムアル
デヒド、アセトアルデヒド、アセトン、もしくはハロゲ
ノアルキレンオキシド、ポリエポキシドを反応させれば
よい。これらポリマーの原料モノマーとしては少なくと
も1種類の共役ジエンモノマーが使用される。共役ジエ
ンモノマーとしては、1,3‐ブタジエン、1,3‐ペ
ンタジエン、イソプレン、クロロプレン、2,3‐ジメ
チル‐1,3‐ブタジエン、1‐フェニル‐1,3‐ブ
タジエンなどを挙げることができる。
【0008】■  末端に水酸基を有するジエンポリマ
ーの水素添加物 また、末端に水酸基を有するジエンポリマーの水素添加
物としては、前述の末端に水酸基を有するジエンポリマ
ーを、通常の方法、例えば特開昭51−71391号公
報に記載される方法などで水素添加することによって得
られるものである。水素添加の程度については、ポリマ
ー中に含まれる二重結合を全部または部分的に水素添加
したものであってもよいが、特にヨウ素価が通常0〜2
0、特に0〜5(g/100g)のものが好ましい。こ
れらの末端に水酸基を有するジエンポリマーおよびその
水素添加物は、それぞれ単独でも、複数種混合した混合
物としても使用することができる。
【0009】(c)成分:有機スズ化合物本発明におい
て使用される有機スズ化合物としては、次式で表わされ
るものなどがある。 (上記式中のR1 ,R2 ,R3 ,R4 はそれぞ
れ炭素数1〜12の飽和炭化水素基であり、それぞれが
、同じでも異なってもかまわなく、好ましくは炭素数が
3〜12の飽和炭化水素基である。また、Y1 ,Y2
 はそれぞれ脂肪酸残基、マレイン酸誘導体残基、メル
カプタン残基、メルカプト酸残基等であり、それぞれが
同じでも異なっていてもかまわまく、好ましくは、脂肪
酸残基、マレイン酸誘導体残基である。さらに、X1 
は酸素原子、硫黄原子、マレイン酸残基等であり、好ま
しくは酸素原子、マレイン酸残基である。また、mは0
または1〜30の整数であり、好ましくは0または1〜
25の整数、特に好ましくは、0または1〜20の整数
である。)
【0010】これら有機スズ化合物の具体例
としては、モノブチル・スズ・トリメチルマレート、モ
ノブチル・スズ・トリオクチルマレート、ジブチル・ス
ズ・ジラウレート、ジブチル・スズ・ラウレート・メチ
ルマレート、ジブチル・スズ・ジオレイルマレート、ジ
ブチル・スズ・ジメチルマレート、ジブチル・スズ・マ
レート、ジブチル・スズ・メトキシメチルマレート、ジ
ブチル・スズ・ジオクチルマレート、ジブチル・スズ・
ジオクチル・チオクリエート、ジブチル・スズ・ラウリ
ル・メルカプタイト、トリベンジル・スズ・オクチルマ
レート、トリベンジル・スズ・トリメチルマレート等を
挙げることができる。これらの中ではジアルキル・スズ
化合物を用いることが好ましい。そして、これらの有機
スズ化合物は、それぞれ単独でも、複数種混合した混合
物として使用することができ、通常市販のものの中から
適宜選んで使用することができる。また、前記したビニ
ルシラン変性オレフィン系樹脂を架橋させる際に用いら
れるシラノール縮合触媒においても本有機スズ化合物成
分と同じ作用効果を発揮するものがある。
【0011】(d)成分:第三級アミン化合物本発明の
成形体において使用される第三級アミン化合物としては
、第三級アミン構造を有する低分子化合物から高分子化
合物のものまでを指す。 ■  第三級アミン構造を有する低分子化合物第三級ア
ミン構造を有する低分子化合物としては、その分子量が
100から約1,000未満のものを指す。その具体的
な例としては、トリエチレンジアミン、ジメチルアミノ
プロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、テト
ラグアニジン、1,8‐ジアザビシクロ(5.4.0)
‐7‐ウンデセン、N,N‐ビス(2‐ヒドロキシエチ
ル)ラウリルアミン、および、テトラキス(N‐メチル
‐2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)1
,2,3,4‐ブタンテトラカルボキシレート等を挙げ
ることができる。これらのものは、市販の中から適宜選
んで用いることができる。 ■  第三級アミン構造を有する高分子化合物また、第
三級アミン構造を有する高分子化合物としては、その分
子量が1,000以上のもので、常温で液体、半固体、
固体の分子量が100,000程度までのポリマーが含
まれる。このような第三級アミン構造を有する高分子化
合物としては、第三級アミノ基含有変性オレフィン重合
体を挙げることができる。
【0012】このような第三級アミノ基含有変性オレフ
ィン系重合体とは、構造的な見地から、分岐状あるいは
線状の炭素鎖中に、不規則あるいは規則的に、第三級ア
ミノ基含有不飽和化合物が共重合していたり、第三級ア
ミン構造を有する側鎖がグラフトしている構造を有する
もの全般を指す。具体的には、第三級アミノ基含有不飽
和化合物の含量が0.1〜50重量%、好ましくは0.
5〜45重量%、特に好ましくは1〜40重量%を示す
ものであり、JIS−K6760に準拠して測定したメ
ルトフローレート(MFR)が、0.1〜1,000g
/10分のものが好ましく、特に好ましくは0.5〜7
0g/10分のものである。
【0013】この第三級アミノ基含有変性オレフィン系
重合体は、第三級アミノ基含有不飽和化合物を用いて、
周知の方法によって製造することができる。例えば高圧
ラジカル重合法による製造の場合、エチレン、第三級ア
ミノ基含有不飽和化合物およびラジカル重合開始剤を、
例えば圧力1,000〜3,000気圧、温度90〜3
00℃に保たれた反応帯域中に、エチレン:第三級アミ
ノ基含有不飽和化合物の比が1:0.0001〜1:0
.1となるように連続的に供給して、転化率が3〜20
%にてエチレン共重合体とし、反応帯域から該共重合体
を連続的に取り出すことによって製造される。また、含
浸グラフト重合法による製造の場合には、オレフィン系
ポリマーのペレットと反応させる第三級アミノ基含有不
飽和化合物およびラジカル重合開始剤を、水溶媒中に懸
濁させ、第三級アミノ基含有不飽和化合物と開始剤を、
オレフィン系ポリマーのペレットに含浸させてから、開
始剤の分解温度まで加熱し、ペレット内でグラフト反応
を起こし、変性させることによって製造される。
【0014】このような第三級アミノ基含有不飽和化合
物としては、次式で表わされる。 (上記式中のR5 は水素または、炭素数1〜4の飽和
炭化水素基であり、好ましくは水素原子または炭素数が
1〜2の飽和炭化水素基である。R6 は炭素数2〜1
2の飽和炭化水素基であり、好ましくは炭素数2〜6の
飽和炭化水素基である。R7 ,R8 は炭素数1〜1
2の飽和炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜6、
特に好ましくは炭素数1〜3の飽和炭化水素基である。 また、ここでR7 ,R8 は同じでも異なっていても
よい。X2 は酸素原子または−NR9 −、硫黄原子
であり、好ましくは、酸素原子、−NR9 −である。 R9 は水素原子または炭素数1〜12の飽和炭化水素
基であり、好ましくは水素原子または炭素数1〜6の飽
和炭化水素基である。)これら第三級アミノ基含有不飽
和化合物の具体的な例としては、2‐(ジメチルアミノ
)エチルアクリレート、2‐(ジエチルアミノ)エチル
アクリレート、2‐(ジメチルアミノ)エチルメタクリ
レート、2‐(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート
、2‐〔ジ(t‐ブチル)アミノ〕エチルアクリレート
、2‐〔ジ(t‐ブチル)アミノ〕エチルメタクリレー
ト、3‐(ジメチルアミノ)‐プロピルアクリルアミド
、および3‐(ジメチルアミノ)‐プロピルメタクリル
アミド等を挙げることができる。
【0015】また、上記第三級アミノ基含有不飽和化合
物と共重合する場合のオレフィン系モノマー成分として
は、エチレン、プロピレン、1‐ブテン等のα‐オレフ
ィン類を挙げることができるが、これらの中では、特に
エチレンが好ましい。また、上記第三級アミノ基含有不
飽和化合物をグラフトさせる場合幹ポリマーとしてのオ
レフィン系重合体成分としては、前記オレフィン系樹脂
((a)成分)および後記オレフィン系エラストマー(
(e)−■成分)等を挙げることができ、これらの中で
は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂および
エチレン系エラストマーを用いることが好ましい。
【0016】また第三級アミノ基含有変性オレフィン系
重合体を製造する際に、上記第三級アミノ基含有不飽和
化合物と共重合することのできるモノマー成分として、
メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアク
リレート、メチルメタアクリレート等の不飽和カルボン
酸エステル;スチレン、α‐メチルスチレン、ビニルト
ルエン等のビニル芳香族化合物;アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル等のニトリル化合物;2‐ビニルピリ
ジン、4‐ビニルピリジン等のビニルピリジン;メチル
ビニルエーテル、2‐クロルエチルビニルエーテル等の
ビニルエーテル:塩化ビニル、臭化ビニル等のハロゲン
化ビニル:酢酸ビニル等のビニルエステル:アクリルア
ミド等を挙げることができ、これらを用いて、三元系、
あるいは、さらに多元系変性ポリオレフィンとして用い
ることも可能である。そしてこれらの変性ポリオレフィ
ンは、それぞれ単独でも、複数種混合した混合物として
も使用することができる。    以上挙げた第三級ア
ミン化合物の中では使用した際にブリードアウトし難い
第三級アミノ基含有変性オレフィン系重合体を用いるこ
とが好ましい。
【0017】(e)成分:エラストマー成分本発明の好
適な成形体において使用されるエラストマー成分として
は、スチレン系およびオレフィン系から選ばれた少なく
とも一種のエラストマーが最適である。 ■  スチレン系エラストマー 上記スチレン系エラストマーとしては、スチレン、α‐
メチルスチレン等のスチレン系化合物と、1,3‐ブタ
ジエン、イソプレン等の共役ジエンとのエラストマー状
ランダムまたはブロック共重合体およびこれら共重合体
の水素添加物である。これらスチレン系エラストマーの
中では、スチレン系化合物と共役ジエンとのブロック共
重合体が好ましく、これらブロック共重合体は一般式が
次式で表わされるものが最適である。 一般式 (A−B)n+1 、または A−(B−A)n 、または B−(A−B)n+1  (上記式中のAはスチレン系化合物よりなる重合体ブロ
ック、Bは共役ジエン重合体ブロックであり、nは1〜
20の整数、Aブロックの全体の分子に占める割合は1
〜50重量%である。)これら共重合体の平均分子量は
10,000〜1,000,000、好ましくは50,
000〜250,000である。これらスチレン系エラ
ストマーの具体例としては、スチレン・ブタジエンラン
ダム共重合体、スチレン・イソプレンランダム共重合体
、スチレン・ブタジエン・スチレントリブロック共重合
体、スチレン・イソプレン・スチレントリブロック共重
合体、ポリスチレンブロックが末端であるスチレン・ブ
タジエンラジアルブロック共重合体、ポリスチレンブロ
ックが末端であるスチレン・イソプレンラジアルブロッ
ク共重合体、スチレン・ブタジエンマルチブロック共重
合体、スチレン・イソプレンマルチブロック共重合体等
のスチレン・共役ジエンブロック共重合体、およびこれ
らを水素添加した生成物等を挙げることができる。これ
らのスチレン系エラストマーの中で好ましいものは水素
添加されたスチレン・共役ジエンブロック共重合体であ
る。
【0018】■  オレフィン系エラストマー上記オレ
フィン系エラストマーとしては、エチレン、プロピレン
、1‐ブテン、1‐ヘキセン等のα‐オレフィン相互の
共重合体、あるいはこれらと非共役ジエンとの共重合体
、あるいは1‐ヘキセン等の高級α‐オレフィンの単独
重合体であって、エラストマー状の重合体であり、10
0℃で測定したムーニー粘度ML1+4 が、通常1〜
200、好ましくは5〜150、特に好ましくは7〜1
00の範囲のものである。これらオレフィン系エラスト
マーの中ではエチレン系エラストマーが品質および安定
性の点で特に好ましい。具体的にはエチレン・プロピレ
ン共重合ゴム(EPM)、エチレン・1‐ブテン共重合
ゴム、エチレン・プロピレン・1‐ブテン共重合ゴム、
エチレン・プロピレン‐非共役ジエン共重合ゴム(EP
DM)、エチレン・1‐ブテン・非共役ジエン共重合ゴ
ム、エチレン・プロピレン・1‐ブテン・非共役ジエン
共重合ゴム等がある。なお上記非共役ジエンの具体例と
しては、ジシクロペンタジエン、1,4‐ヘキサジエン
、シクロオクタジエン、ジシクロオクタジエン、メチレ
ンノルボルネン、5‐エチリデン‐2‐ノルボルネン、
5‐ビニル‐2‐ノルボルネン、5‐メチレン‐2‐ノ
ルボルネン、5‐メチル‐1,4‐ヘキサジエン、7‐
メチル‐1,6‐オクタジエン等を挙げることができる
。こうしたエラストマー成分の中でも、特にオレフィン
系エラストマーが、成形体の表面荒れが起こり難いため
に好んで使用される。
【0019】(f)成分:付加的成分 本発明の成形体を形成する樹脂組成物の中には、本発明
の効果を著しく損なわない範囲で上記(a)〜(d)成
分または(a)〜(e)成分の必須成分に加えて以下に
示すような付加的成分を含有させることができる。該付
加的成分としては、例えば、無機フィラー、具体的には
石英等の天然シリカ、湿式法、乾式法で製造した合成シ
リカ、カオリン、マイカ、タルク、石綿等の天然珪酸塩
、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム等の合成珪酸塩、
水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸
化物、アルミナ、チタニア等の金属酸化物、炭酸カルシ
ウム、アルミニウム、ブロンズ等の金属粉、カーボンブ
ラック、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム、硫
酸カルシウム、酸化亜鉛、チッ化ケイ素、サファイア、
ベリリア、炭化ホウ素、炭化ケイ素等のウィスカーがあ
る。また、可塑剤ないしは流動性改良剤、その他添加剤
、具体的には着色剤、安定剤、分散助剤、分子量調整剤
、架橋剤、核剤等を挙げることができる。
【0020】(2)  量  比 本発明の成形体に用いられる樹脂組成物を構成する上記
各成分の配合の量比としては、通常、(a)成分のビニ
ルシラン変性オレフィン系樹脂100重量部に対して、
(b)成分の末端に水酸基を有するジエンポリマーまた
はその水素添加物は0.01〜20重量部、好ましくは
、0.05〜17重量部、特に好ましくは0.1〜15
重量部の範囲内であり、(c)成分の有機スズ化合物は
0.01〜5重量部、好ましくは、0.05〜4重量部
、特に好ましくは0.1〜3重量部であり、(d)成分
の第三級アミン化合物は0.01〜20重量部、好まし
くは0.05〜18重量部、特に好ましくは0.1〜1
7重量部の範囲内である。(b)成分の末端に水酸基を
有するジエンポリマーまたはその水素添加物の配合量が
上記範囲未満のときは、塗料の付着性に再現性が乏しか
ったり、塗料の付着強度が弱かったりして好ましくない
。一方、上記範囲を越えると高価な該ポリマーの添加量
が多いために、樹脂組成物としてのコストが高くなり、
また該ポリマーがデラミネーションやブリードアウトし
てくるために、塗料の付着性が低下する等のために好ま
しくない。また、(c)成分の有機スズ化合物が、上記
範囲未満のときは、塗布する塗料によっては、その付着
強度が非常に弱くなることがあり、好ましくない。 一方、上記範囲を越えても、添加量に比例した効果が得
られるものではなく、むしろポリオレフィンの劣化を促
進する恐れがあるために好ましくない。また、(d)成
分の第三級アミン化合物が上記範囲未満のときは、塗布
する塗料によっては、その付着強度が非常に弱くなるこ
とがあり、好ましくない。一方、上記範囲を越えると、
高価な該ポリマーの添加量が多いために、樹脂組成物と
してのコストが高くなるばかりでなく、該ポリマーの添
加量に比例した効果が得られるものではない。また、上
記構成成分の配合量比からなる樹脂組成物に、さらに(
e)成分のエラストマー成分を配合することは、剛性や
耐衝撃性などの調整を行なうことができるので好都合で
ある。従って、機械的強度の点から、エラストマー成分
をオレフィン系樹脂100重量部に対して1〜200重
量部、好ましくは5〜180重量部、特に好ましくは、
10〜150重量部使用するのがよい。
【0021】(3)  配  合 上記の各構成成分を混合することによって本発明の成形
体を形成する樹脂組成物が製造される。これらの各構成
成分の混合順序も特に制限はなく、上記構成成分を全て
同時に混合する方法、任意の2成分を予め混合しておき
、次いで残りの成分を混合する方法などいずれの方法を
採用してもよい。混合方法としては、ブラベンダープラ
ストグラフ、一軸あるいは二軸押出機、強力スクリュー
型混練機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等の
従来知られている混練機であればいかなるものでも使用
することができる。
【0022】〔II〕  成形体 上記樹脂組成物を各種成形方法によって成形することに
よって本発明の成形体が得られる。成形は通常の方法に
よって行なうことができる。すなわち、射出成形、圧縮
成形、押出し成形(シート成形、ブロー成形)等のいず
れの成形方法であっても構わない。特に複雑な形状に射
出成形された成形体において特に有効である。
【0023】〔III 〕  架橋処理ここでできた成
形体を水架橋する方法としては、水もしくは湯に浸漬す
る方法、水蒸気の雰囲気中にさらす方法または、水を含
んだ材料で梱包しておく方法等があるが、原則としては
、成形体が水分と接触することができるならば、どのよ
うな方法でも良く、例えば大気中に放置しておいただけ
でも架橋させることができる。このようにして得られた
水架橋成形品は耐熱性や機械的強度に著しく優れた性質
を発揮させられる。
【0024】〔IV〕  塗  装 本発明の塗装された成形体を形成するための塗装法とし
ては、従来の塗装工程からプライマー塗布やプラズマ処
理等の表面改質工程を除いた工程を採用することができ
る。すなわち、上記樹脂組成物を成形加工して得られた
成形体に直接あるいは必要により脱脂処理を施した後に
、塗料を塗布するものである。本発明における「直接塗
装が施された」とは従来行われていたプライマー塗布や
プラズマ処理を施さずに塗料を塗布することであって、
本発明の技術思想を逸脱しない限り、塗料を塗布する前
に何らかの表面処理を施すことを除外するものではない
。そのような表面処理の一つとして脱脂処理などを挙げ
ることができる。このような脱脂処理は、一般に塗料を
塗布する直前に行われている通常の操作であって、これ
によって、樹脂組成物の成形から塗装までの工程で不可
避的に成形物の表面に付着した手垢や機械油等を洗浄除
去することができる。具体的には、有機溶剤またはその
蒸気、水、水蒸気、酸、アルカリ水溶液あるいは界面活
性剤水溶液等による洗浄法があり、これらのなかでは有
機溶剤蒸気や各種水溶液による洗浄法が好んで用いられ
る。また塗料の塗布手段としては、スプレーによる吹き
付け塗布、はけ塗り、ローラーによる塗布等があるが、
いずれの方法も採用することができる。塗装工程にて使
用することができる塗料としては、一般に広く用いられ
ている塗料、例えば、アクリル系塗料、エポキシ系塗料
、ポリエステル系塗料、ウレタン系塗料、アルキッド系
塗料等が使用できる。この中で好ましいのはウレタン系
塗料であり、特に好ましくは二液型ウレタン塗料である
【0025】〔V〕  塗装された樹脂成形体このよう
にして塗装された成形体には、塗料が一般に10〜10
0μm、好ましくは20〜70μm程度の厚さで塗装さ
れ、その塗膜は強固に被着されているので、各種工業用
部品、例えば自動車のバンパー、マッドガード、サイド
モール、ホイールキャップ、スポイラー類等の自動車外
装部品、インスツルメントパネル、レバー、ノブ、内張
り等の自動車内装部品、ポット、掃除機、洗濯機、冷蔵
庫、照明器具、オーディオ機器等の電気製品、カラーボ
ックス、収納ケース等の日用雑貨品等として利用するこ
とができる。
【0026】
【実施例】以下に実施例および比較例を掲げ、本発明を
さらに具体的に説明する。各実験例において使用された
樹脂組成物の配合成分および該樹脂組成物から試験試料
を得るための成形条件および試験方法は以下に示す通り
である。なお、実験例中の「部」は重量部である。 (1)  配合成分 <ビニルシラン変性オレフィン系樹脂:(a)成分>S
i化PP(1):エチレン含量が13.8重量%、JI
S−K7203に準拠して測定した曲げ弾性率が13,
000kg/cm2 、かつASTM−D1238に準
拠して測定したMFRが11g/10分で、シラン化合
物含有量が2.2重量%であるビニルトリメトキシシラ
ングラフト・プロピレン・エチレンブロック共重合体(
三菱油化社製「リンクロンXPM700B」)Si化P
P(2):JIS−K7203に準拠して測定した曲げ
弾性率が17,000kg/cm2 、かつASTM−
D1238に準拠して測定したMFRが14g/10分
で、シラン化合物含有量が2.5重量%であるビニルト
リメトキシシラングラフト・ポリプロピレン共重合体(
三菱油化社製「リンクロンXPM800H」)Si化P
E:ASTM−D747に準拠して測定した曲げ弾性率
が10,800kg/cm2 、かつJIS−K676
0に準拠して測定したMFRが12g/10分で、シラ
ン化合物含有量が1.4重量%であるビニルトリメトキ
シシラングラフト・ポリエチレン(三菱油化社製「リン
クロンHM600A」) ブロックPP:エチレン含量が4重量%、JIS−K7
203に準拠して測定した曲げ弾性率が14,000k
g/cm2 、かつASTM−D1238に準拠して測
定したMFRが60g/10分のプロピレン・エチレン
ブロック共重合体。 ホモPP:JIS−K7203に準拠して測定した曲げ
弾性率が13,000kg/cm2 、かつASTM−
D1238に準拠して測定したMFRが25g/10分
のポリプロピレン。 HDPE:ASTM−D747に準拠して測定した曲げ
弾性率が10,500kg/cm2 、かつJIS−K
6760に準拠して測定したMFRが20g/10分の
低圧法ポリエチレン(高密度ポリエチレン)。
【0027】<末端に水酸基を有するジエンポリマーま
たはその水素添加物:(b)成分> 末端に水酸基を有するジエンポリマーの合成容量500
mlのオートクレーブに、1,3‐ブタジエン100g
、イソプロピルアルコール70gおよび60%過酸化水
素水10gを用い、アルゴン雰囲気中で90℃、5時間
重合を行なった。反応終了後、未反応モノマーを除去し
生成したジエンポリマーを乾燥した。得られたポリマー
の分子量は約2,900、水酸基価が約88(KOHm
g/g)であった。 末端に水酸基を有するジエンポリマーの水素添加物の合
成 上記末端に水酸基を有するジエンポリマーの合成で得ら
れたジエンポリマーを50g、シクロヘキサン50g、
5重量%カーボン担持ルテニウム触媒5gを、容量20
0mlのオートクレーブに仕込みアルゴンガスで系内を
置換した後、水素ガスを50kg/cm2 になるまで
送入した。これを100℃まで昇温し、全圧が50kg
/cm2 に保たれるように水素ガスを供給しつつ10
時間反応を行なった。反応終了後、水素を除去し、濾過
にて触媒を除いてから生成した水素添加物をメタノール
中で析出させ、濾別、乾燥をして目的物を得た。得られ
たジエンポリマー水素添加物のヨウ素価は1.5(g/
100g)、水酸基価は87.8(KOHmg/g)で
あった。 ジエンポリマー:前記末端に水酸基を有するジエンポリ
マーの合成で得たジエンポリマー。 ジエンポリマー水素添加物(1):上記末端に水酸基を
有するジエンポリマーの水素添加物に水酸基を有するジ
エンポリマー水素添加物。 ジエンポリマー水素添加物(2):ヨウ素価は0.5(
g/100g)、水酸基価は46.9(KOHmg/g
)のブタジエンポリマー水素添加物
【0028】<有機スズ化合物:(c)成分>DBTD
L:ジブチルスズジラウレートDOTDL:ジオクチル
スズジラウレート
【0029】<第三級アミン化合物:
(d)成分>EDMA(1):高圧ラジカル重合法によ
り得られた、2‐(ジメチルアミノ)エチルメタクリレ
ート含有率が30重量%、JIS−K6760に準拠し
て測定したMFRが2g/10分のエチレン・2‐(ジ
メチルアミノ)エチルメタクリレート共重合体。 EDMA(2):下記に示す含浸グラフト重合法による
EDMA(2)の合成にて得られた乾ポリマーのポリエ
チレンに2‐(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート
およびスチレンがグラフトしたグラフト共重合体で2‐
(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート含有率が15
重量%、スチレン含有率が25重量%、JIS−K67
60に準拠して測定したMFRが2g/10分の物性値
を示すグラフト共重合体である。 含浸グラフト重合法によるEDMA(2)の合成容量1
0リットルのオートクレーブで、JIS−K6760に
準拠して測定したMFRが100g/10分の線状低密
度ポリエチレンのペレット1080g、2‐(ジメチル
アミノ)エチルメタクリレート270g、スチレン45
0g、ベンゾイルパーオキサイド6.5g、分散剤とし
てリン酸カルシウム〔Ca3(PO4)2〕21gを水
4リットル中に加えて懸濁させた。次いで、該懸濁液の
温度を50℃に3時間保ち、これら2‐(ジメチルアミ
ノ)エチルメタクリレート、スチレン、ベンゾイルパー
オキサイドを前記ポリエチレンのペレットに含浸させた
。その後、8時間かけて94℃まで徐々に温度を上昇さ
せながら反応を行なった。反応終了後、得られたペレッ
トを水洗し、遠心分離器で水分を除去し、80℃で12
時間減圧乾燥を行なった。得られたポリマーの2‐(ジ
メチルアミノ)エチルメタクリレートの含有量は15重
量%、スチレン含有量は25重量%、MFRは2g/1
0分を示すものであった。 低分子化合物(1):アデカ・アーガス社製光安定剤「
Mark  LA62」で、その製造は下式に示す構造
を有する化合物である。 (式中のR10、R11、R12、R13は次式
【00
30】
【化1】 または−C13H27を表わすものであり、これらR1
0、R11、R12、R13のうち少なくとも1つが、
N‐メチル‐2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペ
リジル基であり、残りが炭素数13の飽和炭化水素基を
示すものである。)
【0031】<エラストマー成分:(e)成分>EPM
(1):ムーニー粘度ML1+4 (100℃)が70
、比重が0.86であるエチレン・プロピレン・共重合
ゴム。 EPDM(1):ムーニー粘度ML1+4 (100℃
)が62、比重が0.87である、オイル分66重量%
を含む、油展エチレン・プロピレン・エチリデンノルボ
ルネン共重合ゴム。 EPDM(2):ムーニー粘度ML1+4 (100℃
)が47、比重が0.86であるエチレン・プロピレン
・エチリデンノルボルネン共重合ゴム。 SEBS:数平均分子量が70,000、比重が0.9
1であるスチレン・ブタジエン・スチレントリブロック
共重合ゴムの水素添加物。
【0032】(2)  評  価 <成形条件> 成形機 名機製作所製の射出成形機  M40A−SJ成形温度 230℃ 成形品 平板(65mm×65mm×2mm) 三点曲げ弾性率試験片(90mm×10mm×4mm)
曲げ弾性率 JIS−K7203に準拠して測定した。 MFR ASTM−D1238に準拠して測定した。
【0033】<塗  装> 塗  料 二液型ウレタン系塗料を用いて、塗装を行なった。 塗装法 塗料を調合し、エアースプレーガンを用いて、塗膜厚さ
が、碁盤目試験では約40μm、剥離強度試験では約1
00μmとなるように、スプレー塗布した。その後、8
5℃で30分間焼き付けて乾燥させた。
【0034】<塗料付着性評価> 碁盤目試験 片刃カミソリを用い試験片の表面に直交する縦横11本
ずつの平行線を2mm間隔で引いて碁盤目を100個作
る。その上にセロハン粘着テープ(JIS  Z−15
22)を十分圧着し、塗膜面と約30度に保ち手前に一
気に引き剥がし、碁盤目で囲まれた部分の状態を観察し
、剥離しなかった碁盤目の数を記録した。 剥離強度 試験片の上半分に塗料が付着しないような処理を施した
後、各塗料を塗膜厚さが100μmになるように塗布し
焼き付け乾燥した。試験片にセロハン粘着テープ(例:
ニチバン製幅24mm)を全面に密着させ、幅1cmで
、上下方向に素地にまで達する切り傷を付ける。塗膜付
着のない側を手で剥がし、引張試験機に取付け180度
方向に50mm/分の速度で引き剥がしたときの負荷を
記録した。なお、塗膜が破断した場合は破断と記した。
【0035】<架橋処理>成形体を95℃熱水中に16
時間浸漬した。
【0036】<架橋物の評価> ゲル分率 架橋体サンプルを、溶媒としてキシレンを用いソックス
レー型抽出器により約24時間沸点温度にて抽出し、下
式にしたがい抽出残の重量を百分率で表示したものとす
る。                         抽
出残重量(g)  ゲル分率(%)  =      
                    ×100 
                   抽出前のサン
プル重量(g)加熱加圧変形率 厚さ2mmのシートを成形し、このシートを縦10mm
、横10mmの試験片に切りとる。この試験片を180
℃のシリコンオイル浴中で加圧板間にセットして、荷重
を所定量(3kg)載せて1時間に亘り試験片に圧力を
印加する。試験片厚さの変化量をダイヤルゲージにより
求め、下式により加熱加圧変形率(%)を算出する。                          
 試験片厚さの変化量(mm)  加熱加圧変形率(%
)  =                     
   ×100                  
          試験片の厚さ(2mm)
【003
7】実験例1〜25および比較例1〜9樹脂成形体の製
造 表1、表2、表3および表4に示した各成分を配合させ
て、二軸押出機により200℃で溶融混練してペレット
とした。このペレットを用いて平板および三点曲げ弾性
率測定用試験片を射出成形した。 樹脂成形体の塗装 上記樹脂成形体の製造によって成形した平板にトリクロ
ロエタン蒸気で30秒間脱脂処理(TCE処理)を施し
たものと、全く処理を施さないものに、それぞれエアー
ガンを用いて塗料を塗布した。焼き付け乾燥終了後、4
8時間室温放置して、碁盤目試験を行なった。得られた
樹脂組成物の弾性率と塗料付着性の結果を表1、表2、
表3および表4に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】これらの結果から表4の比較例7と、表1
の実施例9と表2の実施例13の配合を対比してみると
有機スズ化合物とアミン化合物のどちらかを配合するこ
とによって塗料の付着力が非常に向上することが理解で
きる。また、実施例14の有機スズ化合物とアミン化合
物を併用することによって、その塗料付着性の効果がよ
り一層向上するのが理解できる。また、実施例2、23
、25は、それぞれ実施例1、22、24で得られた成
形体を架橋処理した他は同じ方法で評価した結果である
が、加熱加圧変形率が架橋処理により小さくなっており
、耐熱性が向上しているのみか、塗料付着の強度も、一
層向上していることが理解できる。
【0043】
【発明の効果】本発明の成形体および塗装された成形体
は、該成形体を形成している樹脂組成物に特定な成分の
ものを用いることにより、従来の「オレフィン系樹脂へ
直接塗装することは不可能である。」との常識を覆して
、成形体にプライマー塗布、プラズマ処理等の表面改質
処理を予め施すことなく、塗料を直接塗布しても良好な
塗料付着性を示し、工業的に極めて有用なものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビニルシラン変性オレフィン系樹脂100
    重量部に対して、末端に水酸基を有するジエンポリマー
    またはその水素添加物0.01〜20重量部、有機スズ
    化合物0.01〜5重量部および/または第三級アミン
    化合物0.01〜20重量部を配合してなる樹脂組成物
    から形成されたものであることを特徴とする成形体。
  2. 【請求項2】ビニルシラン変性オレフィン系樹脂100
    重量部に対して、末端に水酸基を有するジエンポリマー
    またはその水素添加物0.01〜20重量部、有機スズ
    化合物0.01〜5重量部および/または第三級アミン
    化合物0.01〜20重量部、およびエラストマー成分
    1〜200重量部を配合してなる樹脂組成物から形成さ
    れたものであることを特徴とする成形体。
  3. 【請求項3】ビニルシラン変性オレフィン系樹脂100
    重量部に対して、末端に水酸基を有するジエンポリマー
    またはその水素添加物0.01〜20重量部、有機スズ
    化合物0.01〜5重量部および/または第三級アミン
    化合物0.01〜20重量部を配合してなる樹脂組成物
    から形成された成形体の表面に、直接塗装が施されたも
    のであることを特徴とする塗装された成形体。
  4. 【請求項4】ビニルシラン変性オレフィン系樹脂100
    重量部に対して、末端に水酸基を有するジエンポリマー
    またはその水素添加物0.01〜20重量部、有機スズ
    化合物0.01〜5重量部および/または第三級アミン
    化合物0.01〜20重量部、およびエラストマー成分
    1〜200重量部を配合してなる樹脂組成物から形成さ
    れた成形体の表面に、直接塗装が施されたものであるこ
    とを特徴とする塗装された成形体。
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