JPH07292173A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JPH07292173A
JPH07292173A JP8336894A JP8336894A JPH07292173A JP H07292173 A JPH07292173 A JP H07292173A JP 8336894 A JP8336894 A JP 8336894A JP 8336894 A JP8336894 A JP 8336894A JP H07292173 A JPH07292173 A JP H07292173A
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component
weight
compound
resin
polymer
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JP8336894A
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Inventor
Yuuta Kumano
勇太 熊野
Sadao Kitagawa
貞雄 北川
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面に塗装を施すのに適し、ハロゲン系有機
溶剤による表面洗浄やプライマー塗布、プラズマ処理等
の表面改質を行うことなく、優れた塗料付着性を示し且
つ高い剛性を有する、物性バランスの優れた成形体を成
形することのできる樹脂組成物の提供。 【構成】 オレフィン系樹脂、オレフィン系エラストマ
ー、ビニル芳香族化合物・共役ジエンブロック共重合体
またはその水素添加物、ビニル芳香族化合物系樹脂、水
酸基を有するジエンポリマーまたはその水素添加物およ
びフィラー、場合により付着促進剤を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面に塗装を施すのに
適し、且つ高い剛性を有する樹脂組成物に関する。さら
に詳しくは、ハロゲン系有機溶剤による表面洗浄やプラ
イマー塗布、プラズマ処理等の表面改質を行うことな
く、優れた塗料付着性を示し且つ高い剛性を有し、物性
バランスの優れた樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、樹脂成形体の表面を塗装する際に
は、塗装前に、成形体表面に付着した手垢や機械油等を
洗浄除去するために、ハロゲン系有機溶剤を用いた蒸気
洗浄が行われている。また、オレフィン系樹脂は、その
構造中に極性基が存在せず、しかも結晶性が高いことか
ら塗料の付着性が極めて悪く、塗装性が劣っていること
から、その表面に予めプライマーを塗布したり、プラズ
マ処理すること等によって表面を改質し、付着性を改良
してから塗装を施していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな方法においては、従来から以下に示すような問題点
があった。即ち、ハロゲン系有機溶剤は、環境保護の観
点から、その使用に当たっては十分注意する必要があ
り、一部使用禁止が考慮されている状況下、種々の代替
技術が検討されている。また、プライマー塗布法におい
ては、高価なプライマーを使用しなければならないこと
や、工程数が多くなることなどからコストが高くなると
いった欠点があり、更にプライマーの溶媒を揮発させる
必要があることなどから作業環境が悪くなると共に、火
災の危険性を伴い安全性にも問題があった。
【0004】一方、プラズマ処理法においては、高度の
真空状態が必要であるために、高価な装置を設置しなけ
ればならず、しかも、バッチ式のためコストの上昇を避
けることができなかった。更に、プラズマ処理後の表面
は不安定で、異物に接触すると塗料の付着性が低下する
ため、付着性能にバラつきが生じることもあり、取り扱
いが非常に不便であった。
【0005】従って、このようなプライマー塗布や、プ
ラズマ処理する工程を省略することができれば、工程の
簡略化、作業環境の改善、コストの低減化等を図ること
が可能となることから、これまでにもこれらの問題点を
改善しようと多くの研究がなされてきた。しかしなが
ら、結局、未だこの目的を充分に達成するには至ってお
らず、オレフィン系樹脂素材ではこのようなプライマー
塗布やプラズマ処理等を省くことが出来ず、このような
処理の後に塗装が施されている場合が多い。
【0006】また、塗装を要する樹脂部材としての大き
な用途である自動車部材等に関しては、その燃費削減の
ため材料自体の軽量化、肉薄化が図られている。そのた
めに、従来よりも剛性の高い材料の要求が高まってい
る。オレフィン系樹脂に、水酸基を有するポリマー類等
を配合し、樹脂組成物の塗料の付着性を向上させる提案
は幾つかある(例えば、特開平3−157168号、特
開平3−278863号、特開平4−93330号公
報、特開平4−103640号公報、特開平4−272
938号、特開平4−272948号、特開平6−41
358号、特開平6−41359号公報等が挙げられ
る。)。しかしながら、これら開示の組成物では、その
剛性を高くしていくと塗料付着性能が不安定になってし
まう傾向があった。
【0007】また、オレフィン系樹脂、ビニル芳香族化
合物系樹脂、およびビニル芳香族化合物からなるブロッ
クと共役ジエンからなるブロックを有するブロックポリ
マー及び/又はその共役ジエンブロックを水素添加した
ポリマー等からなる、剛性、耐衝撃等の物性バランスの
優れた組成物に関しても数多く提案されている(例え
ば、特開昭48−28553号、 特開昭49−286
73号、特開昭50−135146号、特開昭56−3
8338号、特開昭56−50943号、特開昭56−
104978号、特開昭57−28144号、特開昭6
0−133039号、特開昭63−277253号、特
開昭63−277261号、特開昭64−9256号、
特開昭64−87645号、特開平3−157436
号、特開平3−220249号、特開平3−22025
5号、特開平4−45140号、特開平4−12275
1号、特開平4−279648号、特開平5−9808
6号、特開平5−98099号、特開平5−18664
3号、特開平5−230294号、特開平5−2303
04号、特開平5−311009号公報が挙げられ
る)。しかしながら、これらの提案には塗装性の改良と
いう概念は全く開示されておらず、実際に塗料付着性は
発現しなかった(後記比較例10参照)。
【0008】また、特開昭58−213039号、特開
昭58−222133号及び特開昭61−118448
号公報には、塗装性の改良効果についての開示はある
が、それらの実施例では、プロピレン系樹脂、ビニル芳
香族化合物系樹脂、およびビニル芳香族化合物からなる
ブロックと共役ジエンからなるブロックを有するブロッ
クポリマー等を含有する樹脂組成物が使用されており、
これらには塗料との反応性を有する極性基成分が含有さ
れておらず、プライマーに対する付着性改良効果が示さ
れているに過ぎない。これは、本発明の意図する、一般
的な塗料に対する付着性能の向上とは根本的に相違して
おり、実際に自動車用上塗り塗料を使用した場合には塗
料付着性は発現しなかった(比較例4、8及び9参
照)。
【0009】さらに、オレフィン系樹脂、ビニル芳香族
化合物系樹脂、ビニル芳香族化合物からなるブロックと
共役ジエンからなるブロックを有するブロックポリマー
及び/又はその共役ジエンブロックを水素添加したポリ
マーおよび官能基を有するポリマー等からなる、塗装性
の改良された組成物に関しても数多く提案されている
(例えば、特開昭52−141854号、特開昭55−
3413号、特開昭56−122849号、特開昭58
−67736号、特開昭60−32842号、特開昭6
2−41239号、特開平2−132137号、特開平
4−59847号公報が挙げられる。)。しかしなが
ら、これらに開示の組成物についても、プライマー塗布
又は特殊な溶剤処理やハロゲン系有機溶剤処理が必要と
されていたり、塗料種によってはその付着性が不十分で
あり、汎用性という点では満足いくものではなかった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
【発明の概要】本発明者らは上記課題に鑑みて鋭意研究
を重ねた結果、特定の樹脂組成物を用いることによっ
て、上記課題を解決し得ることができるとの見知を得
て、本発明を完成するに至った。
【0011】即ち、本発明は、下記の成分(A)、成分
(B)、成分(C)、成分(D)、成分(E)および成
分(F)を含み、成分(A)100重量部に対し、成分
(B)を1〜100重量部、成分(C)を1〜75重量
部、成分(D)を10〜300重量部、成分(E)を
0.1〜75重量部および成分(F)を0〜200重量
部含有する樹脂組成物、および、場合によりさらに下記
成分(G)を0.01〜75重量部含有する重量部組成
物を提供するものである。成分(A) :オレフィン系樹脂成分(B) :オレフィン系エラストマー成分(C) :ビニル芳香族化合物・共役ジエンブロック
共重合体またはその水素添加物成分(D) :ビニル芳香族化合物系樹脂成分(E) :水酸基を有するジエンポリマーまたはその
水素添加物成分(F) :フィラー成分(G): 付着促進剤として下記成分から選ばれる少
なくとも1つの化合物 (G1)リン酸化合物 (G2)第三級アミン化合物 (G3)有機スズ化合物
【0012】
【発明の具体的説明】
〔I〕樹脂組成物 (1)構成成分 本発明の樹脂組成物は、下記に示す構成成分から基本的
に形成されるものである。
【0013】成分(A):オレフィン系樹脂 本発明において使用されるオレフィン系樹脂としては、
エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−
ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1
−ペンテン等で代表されるα−オレフィンの単独重合
体、或はこれらα−オレフィンの相互共重合体、または
上記α−オレフィン類と非共役ジエン類との共重合体、
該α−オレフィン類と有機ケイ素化合物との共重合体、
或は該オレフィン系樹脂へのグラフト重合体を挙げるこ
とができる。
【0014】これら重合体は、JIS−K7203に準
拠して測定した曲げ弾性率が1,000〜30,000kg
/cm2、好ましくは2,000〜20,000kg/cm2
特に好ましくは3,000〜15,000kg/cm2の範囲
のものである。この範囲外であると、組成物としたとき
に物性バランスがとりにくく好ましくない。また、該重
合体のメルトフローレート(MFR)については特に制
限されないが、ASTM−D1238に準拠して測定し
た値が通常0.001〜200g/10分、好ましくは
0.01〜100g/10分の範囲内である。この範囲内
であれば、組成物としたときに成形性が良好となり好ま
しい。
【0015】前記オレフィン系樹脂としては、例えば、
いわゆる低圧法ポリエチレン、中圧法ポリエチレン、高
圧法ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等のポリエ
チレン系樹脂、立体規則性ポリプロピレン、立体規則性
ポリ−1−ブテン、立体規則性ポリ−3−メチル−1−
ブテン、立体規則性ポリ−4−メチル−1−ペンテン等
の立体規則性ポリ−α−オレフィン系樹脂などを挙げる
ことができる。これらオレフィン系樹脂の中では、立体
規則性ポリプロピレン(以下単に「プロピレン系樹脂」
と略記する。)が組成物としたとき物性のバランスが非
常に良好であり好ましい。なお、立体規則性としてはア
イソタクチックでもシンジオタクチックでもよいが、ア
イソタクチックの方が組成物としたときの剛性が高くな
るためにより好ましい。
【0016】このプロピレン系樹脂としては、プロピレ
ンの単独重合体、或はプロピレン成分が70重量%以
上、好ましくは80重量%以上のプロピレンと前記α−
オレフィン類との相互共重合体、もしくは非共役ジエン
類を含む共重合体であって、しかもJIS−K7203
に準拠して測定した曲げ弾性率が1,000〜30,0
00kg/cm2、好ましくは5,000〜20,000kg/c
m2、特に好ましくは8,000〜15,000kg/cm2
範囲のものである。この範囲外であると、組成物とした
ときに物性バランスがとりにくくなり好ましくない。ま
た、該重合体のメツトフローレート(MFR)について
は特に制限されないが、ASTMーD1238に準拠し
て測定した値が通常0.01〜200g/10分、好ま
しくは0.1〜100g/10分、特に好ましくは1〜
70g/10分の範囲内であるのが最適である。この範
囲内であれば、組成物としたときに成形性が良好となり
好ましい。これらプロピレン系樹脂の中でも、プロピレ
ンと他のα−オレフィンとの共重合体が好ましく、特に
エチレンとの共重合体が好ましい。該共重合体はランダ
ム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよ
いが、ブロック共重合体の方が特に好ましい。これらは
組成物としたときの物性バランス等を調整する上で好適
である。これらのオレフィン系樹脂は上記樹脂を単独で
或いは複数種混合した混合物として使用することもで
き、通常、市販の樹脂の中から適宜選んで使用すること
ができる。
【0017】成分(B):オレフィン系エラストマー 本発明の樹脂組成物において使用されるオレフィン系エ
ラストマーとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ヘキセン等のα−オレフィンの相互共重合体、
あるいはこれらと非共役ジエンとの共重合体、あるいは
1−ヘキセン等の高級α−オレフィンの単独重合体であ
って、エラストマー状の重合体であり、100℃で測定
したムーニー粘度ML1+4が、通常1〜400、好まし
くは3〜200、特に好ましくは5〜100の範囲のも
のが最適である。この範囲外であると、エラストマーと
しての本発明に寄与する効果が低下するので、好ましく
ない。
【0018】これらオレフィン系エラストマーの中で
は、エチレン系エラストマーが品質および安定性の点で
特に好ましい。具体的にはエチレン・プロピレン共重合
ゴム(EPM)、エチレン・1−ブテン共重合ゴム、エ
チレン・プロピレン・1−ブテン共重合ゴム、エチレン
・プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム(EPDM)、
エチレン・1−ブテン・非共役ジエン共重合ゴム、エチ
レン・プロピレン・1−ブテン・非共役ジエン共重合ゴ
ム等がある。
【0019】なお、上記非共役ジエンの具体例として
は、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シ
クロオクタジエン、ジシクロオクタジエン、メチレンノ
ルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−
ビニル−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボ
ルネン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチ
ル−1,6−オクタジエン等を挙げることができる。こ
のエチレン系エラストマーとしては、エチレン成分が2
0〜90重量%、好ましくは30〜80重量%のもので
ある。また、非共役ジエン成分は0〜30重量%、好ま
しくは0〜15重量%の範囲のもので、しかも100℃
で測定したムーニー粘度ML1+4が、通常1〜200、
好ましくは5〜100の範囲のものが最適である。この
範囲外であると、エラストマーとしての本発明に寄与す
る効果が低下するので、好ましくない。
【0020】またこれらエチレン系エラストマーの中で
も、エチレン・プロピレン共重合ゴム(EPM)、エチ
レン・1−ブテン共重合ゴム(EBM)及びエチレン・
プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム(EPDM)が好
ましく、エチレン・プロピレン共重合ゴム(EPM)及
びエチレン・プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム(E
PDM)が特に好ましい。また、エチレン・プロピレン
−非共役ジエン共重合ゴム(EPDM)に用いられる非
共役ジエンとしては、ジシクロペンタジエン、5−エチ
リデン−2−ノルボルネン等が好ましい。これらは、本
発明の効果を良好に発揮させると共に、組成物としたと
きの物性バランス等を調整する上で好適である。これら
のオレフィン系エラストマーは単独で、或は複数種混合
した混合物として使用することができ、通常、市販のエ
ラストマーの中から適宜選んで使用することができる。
【0021】成分(C):ビニル芳香族化合物・共役ジ
エンブロック共重合体またはその水素添加物 ここで用いられるビニル芳香族化合物・共役ジエンブロ
ック共重合体としては、少なくとも1つのビニル芳香族
化合物からなる重合体ブロックと、少なくとも1つの共
役ジエン類からなる重合体ブロックを有するブロック共
重合体及び/又はこれらの共役ジエン類からなる重合体
ブロックを水素添加したブロック共重合体である。これ
らビニル芳香族化合物・共役ジエンブロック共重合体に
は、直鎖状又は放射状とがあり、例えば一般式が次式で
表される。
【0022】一般式: (A−B)n;A−(B−A)n;B−(A−B)n、ま
たは X−[(B−A)nm (上記式中、Aはビニル芳香族化合物よりなる重合体ブ
ロック、Xはm個の(B−A)nブロックと結合してい
る多官能性のカップリング剤基、Bは共役ジエン類より
なる重合体ブロックであり、nは1〜20の整数、mは
2以上の整数である。) これらブロック共重合体の平均分子量は10,000〜
1,000,000、好ましくは30,000〜250,0
00の範囲内である。この範囲外であると、本発明の効
果は低下してしまい好ましくない。
【0023】ここで用いられるビニル芳香族化合物とし
ては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチ
レン、ビニルナフタレンおよびビニルアントラセン等を
挙げることができる。これらに中ではスチレンおよびα
−メチルスチレンが好ましく、スチレンが特に好まし
い。これらは汎用性があり、組成物としたときの物性バ
ランス等を調整する上で好適である。また、ここで用い
られる共役ジエン類としては、1,3−ブタジエン、
1,3−ペンタジエン、イソプレン、クロロプレン、
2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンおよび1−フェ
ニル−1,3−ブタジエン等を挙げることができる、こ
れらの中では1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエ
ンおよびイソプレンが好ましく、1,3−ブタジエンお
よびイソプレンが特に好ましい。
【0024】これらビニル芳香族化合物・共役ジエンブ
ロック共重合体の具体例としては、スチレン・ブタジエ
ンジブロック共重合体、スチレン・イソプレンジブロッ
ク共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレントリブロ
ック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレントリブ
ロック共重合体、ポリスチレンブロックが末端であるス
チレン・ブタジエンラジアルブロック共重合体、ポリス
チレンブロックが末端であるスチレン・イソプレンラジ
アルブロック共重合体、スチレン・ブタジエンマルチブ
ロック共重合体、スチレン・イソプレンマルチブロック
共重合体等のスチレン・共役ジエンブロック共重合体、
およびこれらを水素添加した生成物等を挙げることがで
きる。これらの中で、直鎖状のブロック共重合体および
その水素添加物が好ましく、直鎖状のジブロック、トリ
ブロック共重合体およびその水素添加物が特に好まし
い。これらは本発明の効果をより大きく発揮し好適であ
る。
【0025】これら直鎖状のジブロック、トリブロック
共重合体およびその水素添加物の数平均分子量は10,
000〜300,000、好ましくは20,000〜2
00,000、特に好ましくは40,000〜150,
000の範囲であり、且つポリスチレンからなるブロッ
クの数平均分子量としては、1,000〜100,00
0、好ましくは3,000〜70,000、特に好まし
くは5,000〜50,000の範囲内である。この範
囲外であると、本発明の効果が低下してしまい好ましく
ない。また、これら直鎖状のジブロック、トリブロック
共重合体およびその水素添加物の中でも、直鎖状のジブ
ロック、トリブロック共重合体水素添加物が、組成物中
の混和性、耐熱性および耐候性が優れるため、より好ま
しい。これらのビニル芳香族化合物・共役ジエンブロッ
ク共重合体およびその水素添加物は、上記のブロック共
重合体を単独で、或は複数種混合した混合物として使用
することができ、通常、市販の該共重合体の中から適宜
選んで使用することができる。
【0026】成分(D):ビニル芳香族化合物系樹脂 ここで用いられるビニル芳香族化合物系樹脂としては、
スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、
ビニルナフタレンおよびビニルアントラセン等で代表さ
れるビニル芳香族化合物の単独重合体、或はアクリロニ
トリル、メチルメタクリレート、エチルアクリレート等
の他のモノマーを1〜50重量%共重合した共重合体、
または上記の単独重合体、共重合体がゴム成分にグラフ
トしたグラフト重合体もしくは上記の単独重合体、共重
合体とゴム成分との混合物からなるゴム変性重合体等を
挙げることができる。上記ゴム成分としては、アクリル
ゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンランダム
ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレン−
プロピレンゴム、塩素化ポリエチレン等を挙げることが
できる。
【0027】これらビニル芳香族化合物系樹脂は、JI
S−K7203に準拠して測定した曲げ弾性率が、5,
000〜50,000kg/cm2、好ましくは10,000
〜45,000kg/cm2、特に好ましくは15,000〜
40,000kg/cm2の範囲内のものである。この範囲外
であると、組成物としたときに物性バランスがとりにく
く好ましくない。また、該重合体のメルトフローレート
(MFR)については特に制限されないが、JIS−K
7210に準拠して測定した値が、通常0.001〜2
00g/10分、好ましくは0.01〜100g/10
分の範囲内であるのが最適である。この範囲内であれば
組成物としたときに成形性が良好となり好ましい。これ
らビニル芳香族化合物系樹脂の具体例としては、スチレ
ン単独重合体、耐衝撃性ポリスチレン、アクリロニトリ
ル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン
−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル
−アクリルゴム−スチレン樹脂(AAS樹脂)、アクリ
ロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン樹脂
(AES樹脂)、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレ
ン−スチレン樹脂(ACS樹脂)、ブタジエン−スチレ
ン−メチルメタクリレート共重合体(MBS樹脂)等を
挙げることができる。これらのビニル芳香族化合物系樹
脂の中では、スチレン単独重合体、耐衝撃性ポリスチレ
ンが、組成物としたときの物性バランスが非常に良好で
あり好ましい。
【0028】これらは、スチレンの単独重合体、もしく
は1〜20重量%、好ましくは5〜10重量%のブタジ
エンゴム等をスチレンモノマー中に溶解した上でスチレ
ンを重合させて得られるゴム変性ポリスチレンであっ
て、しかもJIS−K7203に準拠して測定した曲げ
弾性率が、5,000〜50,000kg/cm2、好ましく
は10,000〜40,000kg/cm2、特に好ましくは
20,000〜35,000kg/cm2の範囲内のものであ
る。この範囲外であると、組成物としたときに物性バラ
ンスがとりにくく好ましくない。また、該重合体のメル
トフローレート(MFR)については特に制限されない
が、JIS−K7210に準拠して測定した値が、通常
0.01〜200g/10分、好ましくは0.1〜10
0g/10分、特に好ましくは0.5〜50g/10分
の範囲内であるのが最適である。この範囲内であれば組
成物としたときに成形性が良好となり好ましい。また、
これらスチレン単独重合体、耐衝撃性ポリスチレンの中
でも、特にスチレン単独重合体が好ましい。これらは組
成物としたときの物性バランス等を調整する上で好適で
ある。これらのビニル芳香族化合物系樹脂は、上記の重
合体を単独で、或は複数種混合した混合物として使用す
ることができ、通常、市販の該共重合体の中から適宜選
んで使用することができる。
【0029】成分(E):水酸基を有するジエンポリマ
ーまたはその水素添加物 ここで使用される水酸基を有するジエンポリマーまたは
その水素添加物としては、例えば次のものを挙げること
ができる。(E1)水酸基を有するジエンポリマー 本発明において用いられる水酸基を有するジエンポリマ
ーとしては、例えばポリヒドロキシブタジエンを挙げる
ことができる。具体的には、分子中に少なくとも一個の
水酸基を有し、分子量が200〜100,000、好ま
しくは500〜50,000、特に好ましくは800〜
10,000であり、常温で液体、半固体または固体の
ポリマーが含まれる。分子中に含まれる水酸基の含量を
水酸基価で表せば、0.5〜650、好ましくは1〜5
00、特に好ましくは5〜250(KOHmg/g)のもの
である。
【0030】該ジエンポリマーは、その製法には制限は
なく、公知の種々の方法を採用することができる。例え
ば、1,3−ジエン類を原料として、ラジカル重合法、
アニオン重合法により製造することができる。具体的に
は、例えば特開昭51−71391号公報に記載されて
いる方法などを挙げることができる。上記ラジカル重合
法により製造する場合は、例えば過酸化水素を重合開始
剤として用いてジエン系モノマーを重合することにより
容易に得られる。また、上記アニオン重合により製造す
る場合には、共役ジエンを周知の方法にしたがって、ア
ニオン重合触媒、例えばアルカリ金属または有機アルカ
リ金属化合物を用いて重合させることにより得られた、
分子鎖中の少なくとも一ヶ所にアルカリ金属が結合した
構造のリビングポリマーに、例えばモノエポキシ化合
物、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、
ハロゲノアルキレンオキシドまたはポリエポキシド等を
反応させれば良い。
【0031】また、公知の重合法により製造された共役
ジエンポリマーは、四酸化オスミウム(OsO4)、酸
化バナジウム(V25)、タングステン酸(H2
4)、二酸化セレン(SEO2)等の存在下に、過酸化
水素を作用させると、主鎖中の二重結合に水酸基が付加
したものが得られるが、このものも本発明には使用する
ことができる。これらポリマーの原料モノマーとして
は、少なくとも1種類の共役ジエンモノマーが使用され
る。共役ジエンモノマーとしては、1,3−ブタジエ
ン、1,3−ペンタジエン、イソプレン、クロロプレ
ン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1−フェ
ニル−1,3−ブタジエンなどを挙げることができる。
【0032】(E2)水酸基を有するジエンポリマーの水素添加物 水酸基を有するジエンポリマーの水素添加物としては、
上記の水酸基を有するジエンポリマーを、通常の方法、
例えば特開昭51−71391号公報に記載された方法
などで水素添加することにより得られるものである。水
素添加の程度については、ポリマー中に含まれる二重結
合を全部または部分的に水素添加したものであってもよ
いが、特にヨウ素価が通常0〜20、特に0〜5(g/
100g)のものが好ましい。また、これらの水酸基を
有するジエンポリマーおよびその水素添加物の中でも、
特に水酸基を有するジエンポリマーの水素添加物が、組
成物中の混和性、耐熱性及び耐候性が優れるため好まし
い。これらの水酸基を有するジエンポリマーおよびその
水素添加物は、それぞれ単独でも、複数種混合して用い
ることができる。
【0033】成分(F):フィラー 本発明の樹脂組成物には、必要に応じてフィラー類を配
合することができる。フィラー類の配合は、該組成物か
らなる成形体の剛性や寸法安定性等の調整ができるので
好都合である。本発明において使用されるフィラーとし
ては、無機系又は有機系フィラーのいずれも使用するこ
とができ、その形状は、板状、球状、繊維状のもの、あ
るいは不定形のものでもよい。
【0034】具体的には、石英等の天然シリカ、湿式法
または乾式法で製造した合成シリカ;カオリン、マイ
カ、タルク、石綿等の天然珪酸塩;珪酸カルシウム、珪
酸アルミニウム等の合成珪酸塩;水酸化マグネシウム、
水酸化アルミニウム等の金属水酸化物;アルミナ、チタ
ニア等の金属酸化合物;炭酸カルシウム;アルミニウ
ム、ブロンズ等の金属粉;木粉;カーボンブラック;ガ
ラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維等の
繊維状物質;高分子液晶物質;チタン酸カリウムウィス
カー、硫酸マグネシウムウィスカー、ほう酸アルミニウ
ムウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、ほう酸マグ
ネシウムウィスカー、酸化亜鉛ウィスカー、炭化ケイ素
ウィスカー、窒化ケイ素ウィスカー、サファイアウィス
カー、ベリリヤウィスカー等のウィスカー類等が挙げら
れる。
【0035】これらの中で好ましいものとしては、マイ
カ、タルク、炭酸カルシウム、チタン酸カリウムウィス
カー、硫酸マグネシウムウィスカー、ほう酸アルミニウ
ムウィスカー、炭酸カルシウムウィスカーおよびガラス
繊維であり、特に好ましいものは、マイカ、タルク、チ
タン酸カリウムウィスカーおよび硫酸マグネシウムウィ
スカーである。これらは、成形体の表面平滑性及び物性
バランスの調整に好適である。これらのフィラー類は、
界面活性剤、カップリング剤等で表面処理を施したもの
でも良い。またフィラー類は、単独でも、複数種併用し
てもかまわない。各種フィラーは、市販の中から適宜選
んで用いることができる。
【0036】成分(G):付着促進剤 本発明で用いられる付着促進剤としては、下記の成分を
挙げることができる。これらの成分から選ばれる少なく
とも1つの成分を使用することにより塗料付着性能が向
上する。 (G1):リン酸化合物 本発明において使用されるリン酸化合物としては、リン
酸構造を有する化合物であり、低分子化合物から高分子
化合物のものまでを指す。 リン酸構造を有する低分子化合物 リン酸構造を有する低分子化合物は分子量が100から
約1,000未満のリン酸化合物およびその誘導体であ
る。
【0037】これらの一般例としては、リン酸、ピロリ
ン酸、三リン酸、四リン酸、ポリリン酸およびこれらの
エステル誘導体、金属塩誘導体、アミド誘導体等の構造
をもつ化合物等を挙げることができ、好ましい例として
は、リン酸、ピロリン酸、三リン酸、四リン酸、ポリリ
ン酸およびこれらのエステル誘導体構造を有する化合物
を挙げることができる。特に好ましいものとしては、リ
ン酸、ピロリン酸、三リン酸、四リン酸、ポリリン酸の
酸性エステル誘導体が挙げられる。これらは本発明の効
果及び耐熱性が優れ好適である。これらの特に好ましい
酸性リン酸エステル誘導体の具体的な例としては、リン
酸モノブチルエステル、リン酸ジブチルエステル、リン
酸モノ(2−エチルヘキシル)エステル、リン酸ジ(2
−エチルヘキシル)エステル、リン酸モノ(イソデシ
ル)エステル、リン酸ジ(イソデシル)エステル、リン
酸モノ(ラウリル)エステル、リン酸ジ(ラウリル)エ
ステル、リン酸モノ(トリデシル)エステル、リン酸ジ
(トリデシル)エステル、リン酸モノ(ノニルフェノキ
シエチル)エステル、リン酸ジ(ノニルフェノキシエチ
ル)エステル等の酸性リン酸エステル類;ピロリン酸モ
ノブチルエステル、ピロリン酸ジブチルエステル、ピロ
リン酸モノ(2−エチルヘキシル)エステル、ピロリン
酸ジ(2−エチルヘキシル)エステル、ピロリン酸モノ
(イソデシル)エステル、ピロリン酸ジ(イソデシル)
エステル、ピロリン酸モノ(ラウリル)エステル、ピロ
リン酸ジ(ラウリル)エステル、ピロリン酸モノ(トリ
デシル)エステル、ピロリン酸ジ(トリデシル)エステ
ル、ピロリン酸モノ(ノニルフェノキシエチル)エステ
ル、ピロリン酸ジ(ノニルフェノキシエチル)エステル
等の酸性ピロリン酸エステル類;および同様の三リン
酸、四リン酸、ポリリン酸の酸性アルキルエステル等を
挙げることができる。これらの中でも、リン酸モノアル
キルエステル、リン酸ジアルキルエステル、ピロリン酸
ジアルキルエステル等が本発明の効果を大きく向上させ
ることができ好ましい。また、上記化合物に直接該当し
ない構造のリン酸化合物であっても、組成物の製造中の
どこかの工程で変化して、上記化合物に該当する構造を
有するリン酸化合物となったものも、勿論本発明に包含
される。
【0038】 リン酸構造を有する高分子化合物 リン酸構造を有する高分子化合物としては、その分子中
にリン酸構造を少なくとも一つ有し、分子量が1,00
0以上500,000程度までのポリマーが含まれ、常
温で液体、半固体、固体状のいずれでもよい。このよう
なリン酸構造を有する高分子化合物とは、構造的な見地
から、分岐状あるいは線状の分子鎖中あるいは分子鎖末
端に、リン酸構造が存在していたり、リン酸構造を有す
る基がペンダントしている構造を有するもの全般を指
す。
【0039】具体的には、付加重合もしくは縮合重合に
よって得られるリン酸構造含有重合性化合物の単独重
合、およびリン酸構造含有重合性化合物と他の重合性モ
ノマーからなる共重合体およびリン酸構造を側鎖もしく
は分子鎖末端に持つグラフト変性重合体等が挙げられ
る。ここでリン酸構造含有重合性化合物とは、リン酸構
造を少なくとも一つ有し、その他に付加重合の可能な不
飽和基または縮合重合の可能な官能基を少なくとも一つ
有する化合物全般を指す。また、共重合しうる他の重合
性モノマーとしては、付加重合の場合α−オレフィン
類、ビニル芳香族類、不飽和カルボン酸類、不飽和ニト
リル類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、共役ジ
エン類、ハロゲン化ビニル類およびアクリルアミド類等
を、縮合重合の場合ジオール化合物、ポリオール化合
物、ジカルボン酸化合物、ポリカルボン酸(酸無水物を
含む)化合物類、ジアミン化合物類、ジイミン化合物
類、ラクタム類、ラクトン類およびホルムアルデヒド等
を挙げることができる。また、グラフト変性重合体であ
る場合の幹ポリマーとしては、オレフィン系重合体、ス
チレン系重合体、アクリル系重合体、ジエン系重合体、
ポリアミド類、ポリイミド類、ポリエステル類、ポリウ
レタン類、ポリエーテル類およびポリケトン類を挙げる
ことができる。
【0040】これらのリン酸構造を有する高分子化合物
の中でも、リン酸構造含有重合性化合物として、リン酸
構造含有化合物、五酸化リン、オキシ塩化リン等を用い
た共重合体もしくはグラフト変性重合体が好ましい。さ
らには、リン酸構造含有不飽和化合物、五酸化リン、オ
キシ塩化リン等を用いて、α−オレフィン類との共重合
もしくは幹ポリマーとしてのオレフィン系重合体へのグ
ラフト変性重合体等のリン酸構造含有変性オレフィン系
重合体が、使用した際にデラミネーションし難く特に好
ましい。
【0041】具体的には、リン酸構造含有化合物の含量
が、0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜30重量
%、特に好ましくは1〜10重量%を示すものであり、
数平均分子量が1,000〜500,000、好ましく
は1,500〜300,000、特に好ましくは2,0
00〜100,000のものである。この範囲外である
と、組成物中での分散が不均一となり好ましくない。こ
のリン酸構造含有変性オレフィン重合体は、リン酸構造
含有不飽和化合物、五酸化リン、およびオキシ塩化リン
等を用いて、周知の方法により製造することができる。
例えば、高圧ラジカル重合法による製造の場合、エチレ
ン、リン酸構造含有不飽和化合物及びラジカル重合開始
剤を、例えば圧力1,000〜3,000気圧、温度9
0〜300℃に保たれた反応帯域中に、エチレン:リン
酸含有不飽和化合物の比が1:0.0001〜0.1と
なるように連続的に、反応帯域から該重合体を連続的に
取り出すことにより製造される。
【0042】また、混練グラフト法による製造の場合に
は、例えばオレフィン系樹脂あるいはエラストマーに、
リン酸構造含有不飽和化合物をドライブレンドし、要す
れば反応開始剤として有機過酸化物を用い、温度80〜
250℃に設定した押出機中で溶融混練することにより
製造される。また、溶液反応による製造の場合には、例
えば水酸基を有するポリマーに、オキシ塩化リンを過剰
に作用させ、得られたものをアルカリ条件下で部分加水
分解することにより製造される。このようなリン酸構造
含有不飽和化合物としては、次式で表される。
【0043】
【化1】
【0044】上記式中のRは、水素原子または炭素数
1〜4の飽和炭化水素、好ましくは水素原子または炭素
数1〜2の飽和炭化水素基である。Xはカルボニル
基、芳香族環、脂肪族環または炭素数1〜12のアルキ
レン鎖であり、好ましくはカルボニル基または芳香族
環、特に好ましくはカルボニル基である。R2は、酸素
原子、炭素数1〜12のアルキルグリコキシル基、炭素
数2〜6のグリコールユニットからなるポリアルキレン
グリコール鎖、硫黄原子または−NR56−であり、好
ましくは酸素原子、炭素数1〜12のアルキルグリコー
ル基、特に好ましくは酸素原子、炭素数1〜6のアルキ
ルグリコール基である。R3、R4は水素原子または炭素
数1〜12のアルキル基、炭素数2〜6のグリコールユ
ニットからなるポリアルキレングリコール鎖、芳香族環
および、脂肪族環構造等からなる置換基であり、好まし
くは水素原子または炭素数1〜12のアルキル基であ
り、特に好ましくは水素原子である。また、(OR3
がリン原子に複数結合する場合は、R3はそれぞれ同じ
でも異なっていても差し支えない。また、R3、R4はそ
れぞれ同じでも異なっていてもよい。R5は、水素原子
または炭素数1〜12の炭化水素基、好ましくは水素原
子または炭素数1〜6の炭化水素基、特に好ましくは炭
素数1〜4の飽和炭化水素基である。R6は、炭素数1
〜12のアルキル鎖または炭素数1〜12のリン原子側
に酸素原子を1つ持つアルキレン鎖であり、好ましくは
炭素数1〜6のアルキレン鎖または炭素数1〜6のリン
原子側に酸素原子を1つ持つアルキレン鎖であり、特に
好ましくは炭素数1〜6のリン原子側に酸素原子を1つ
持つアルキレン鎖である。nは1〜3、好ましくは1〜
2の整数である。mは0または1、好ましくは1であ
る。lは0または1、好ましくは1である。qは0〜
3、好ましくは0または1である。
【0045】これらのリン酸構造含有不飽和化合物の特
に好ましいものの具体的な例としては、リン酸モノ(2
−アクロイルオキシエチル)エステル、リン酸ジ(2−
アクロイルオキシエチル)エステル、リン酸モノ(2−
メタクロイルオキシエチル)エステル、リン酸ジ(2−
メタクロイルオキシエチル)エステル等を挙げることが
できる。
【0046】また、上記リン酸構造含有不飽和化合物と
共重合する場合のオレフィン系モノマー成分としては、
エチレン、プロピレン、1−ブテン等のα−オレフィン
類等を挙げることができるが、これらの中では、エチレ
ンが好ましい。また、前記リン酸構造含有不飽和化合物
をグラフトさせる場合の幹ポリマーとしてのオレフィン
系重合体成分としては、オレフィン系樹脂およびオレフ
ィン系エラストマーを挙げることができ、これらの中で
は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂および
エチレン系エラストマーを用いることが組成物としたと
きの相溶性が高く好ましい。
【0047】これらリン酸構造含有変性オレフィン重合
体を製造する際に、上記リン酸構造含有不飽和化合物と
共重合することのできるモノマー成分としては、メチル
アクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレー
ト、メチルメタクリレート等の不飽和カルボン酸エステ
ル;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等
のビニル芳香族化合物;アクリロニトリル、メタクロニ
トリル等の不飽和ニトリル化合物;メチルビニルエーテ
ル、2−クロルエチルビニルエーテル等のビニルエーテ
ル;塩化ビニル、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル;酢
酸ビニル等のビニルエステル;アクリルアミド等を挙げ
ることができ、これらを用いて三元型、あるいはさらに
多元系変性ポリオレフィンとして用いることも可能であ
る。
【0048】これらリン酸化合物の低分子量化合物と高
分子量化合物では、少量添加でより本発明の効果を向上
することができる低分子量化合物の方がより好ましい。
そしてこれらのリン酸化合物は、それぞれ単独でも、複
数種混合した混合物としても使用することができ、通
常、市販のものの中から適宜選んで使用することができ
る。
【0049】(G2):第三級アミン化合物 本発明において使用される第三級アミン化合物として
は、第三級アミン構造を有する低分子化合物から高分子
化合物のものまでを指す。 第三級アミン構造を有する低分子化合物 第三級アミン構造を有する低分子化合物としては、その
分子量が100から約1,000未満のものを指す。そ
の具体的な例としては、トリエチルアミン、トリブチル
アミン、トリエチレンジアミン、ジエチルフェニルアミ
ン、ジブチルフェニルアミン、N−エチルピペリジン、
ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピ
ルアミン、テトラグアニジン、1,8−ジアザビシクロ
(5.4.0)−7−ウンデセン、N,N−ビス(2−
ヒドロキシエチル)ラウリルアミン、および、テトラキ
ス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシ
レート等を挙げることができる。これらのものは、市販
の中から適宜選んで用いることができる。
【0050】 第三級アミン構造を有する高分子化合物 また、第三級アミン構造を有する高分子化合物として
は、その分子中に第三級アミン構造を少なくとも一つ有
し、分子量が1,000以上500,000程度までの
ポリマーが含まれ、常温で液体、半固体、固体状のいず
れでもよい。このような第三級アミン構造を有する高分
子化合物とは、構造的な見地から、分岐状あるいは線状
の分子鎖中あるいは分子鎖末端に、第三級アミン構造が
存在していたり、第三級アミン構造を有する基がペンダ
ントしている構造を有するもの全般を指す。
【0051】具体的には、付加重合もしくは縮合重合に
よって得られる第三級アミン構造含有重合性化合物の単
独重合、および第三級アミン構造含有重合性化合物と他
の重合性モノマーからなる共重合体もしくは第三級アミ
ン構造を側鎖もしくは分子鎖末端に持つグラフト変性重
合体等が挙げられる。ここで第三級アミン構造含有重合
性化合物とは、第三級アミン構造を少なくとも一つ有
し、その他に付加重合の可能な不飽和基または縮合重合
の可能な官能基を少なくとも一つ有する化合物全般を指
す。また、共重合しうる他の重合性モノマーとしては、
付加重合の場合α−オレフィン類、ビニル芳香族類、不
飽和カルボン酸類、不飽和ニトリル類、ビニルエーテル
類、ビニルエステル類、共役ジエン類、ハロゲン化ビニ
ル類およびアクリルアミド類等を、縮合重合の場合ジオ
ール化合物、ポリオール化合物、ジカルボン酸化合物、
ポリカルボン酸(酸無水物を含む)化合物類、ジアミン
化合物類、ジイミン化合物類、ラクタム類、ラクトン類
およびホルムアルデヒド等を挙げることができる。ま
た、グラフト変性重合体である場合の幹ポリマーとして
は、オレフィン系重合体、スチレン系重合体、アクリル
系重合体、ジエン系重合体、ポリアミド類、ポリイミド
類、ポリエステル類、ポリウレタン類、ポリエーテル類
およびポリケトン類を挙げることができる。
【0052】これらの第三級アミン構造を有する高分子
化合物の中でも、付加重合可能な第三級アミン構造含有
重合性化合物を用いた共重合体もしくはグラフト変性重
合体が好ましい。さらには、第三級アミン構造含有不飽
和化合物とα−オレフィン類との共重合もしくは幹ポリ
マーとしてのオレフィン系重合体へのグラフト変性重合
体等の第三級アミン構造含有変性オレフィン系重合体
が、使用した際にブリードアウトし難く特に好ましい。
具体的には、第三級アミノ基含有不飽和化合物の含量が
0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜30重量%、
特に好ましくは1〜15重量%を示すものであり、JI
S−K6760に準拠して測定したメルトフローレート
(MFR)が、0.1〜1,000g/10分のものが
好ましく、特に好ましくは0.5〜700g/10分の
ものである。
【0053】この第三級アミノ基含有変性オレフィン系
重合体は、第三級アミノ基含有不飽和化合物を用いて、
周知の方法によって製造することができる。例えば高圧
ラジカル重合法による製造の場合、エチレン、第三級ア
ミノ基含有不飽和化合物およびラジカル重合開始剤を、
例えば圧力1,000〜3,000気圧、温度90〜3
00℃に保たれた反応帯域中に、エチレン:第三級アミ
ノ基含有不飽和化合物の比が1:0.0001〜1:
0.1となるように連続的に供給して、転化率が3〜2
0%にてエチレン共重合体とし、反応帯域から該共重合
体を連続的に取り出すことによって製造される。
【0054】また、含浸グラフト重合法による製造の場
合には、例えばオレフィン系ポリマーのペレット、第三
級アミノ基含有不飽和化合物およびラジカル重合開始剤
を、水溶媒中に懸濁させ、第三級アミノ基含有不飽和化
合物と開始剤を、オレフィン系ポリマーのペレットに含
浸させてから、開始剤の分解温度まで加熱し、ペレット
内でグラフト反応を起こし、変性させることによって製
造される。また、混練グラフト法による製造の場合には
例えば、オレフィン系樹脂、オレフィン系エラストマー
に、第三級アミノ基含有不飽和化合物をドライブレンド
し、要すれば反応開始剤として有機過酸化物を用い、温
度80〜250℃に設定した押出機中で溶融混練するこ
とによって製造される。
【0055】このような第三級アミノ基含有不飽和化合
物としては、2−ビニルピリミジン、4−ビニルピリミ
ジン等のビニルピリミジン類や、次式で表されるものが
ある。
【0056】
【化2】
【0057】上記式中のR7は、水素原子または炭素数
1〜4の飽和炭化水素、好ましくは水素原子または炭素
数1〜2の飽和炭化水素基である。X2はカルボニル
基、芳香族環、脂肪族環または炭素数1〜12のアルキ
ル鎖であり、好ましくはカルボニル基または芳香族環、
特に好ましくはカルボニル基である。R8は、炭素数1
〜12の炭化水素基、炭素数1〜12のX2基側に酸素
原子を1つ持つアルキレン鎖、硫黄原子または−NR11
12−であり、好ましくは炭素数1〜12のX2基側に
酸素原子の付いたアルキレン鎖または−NR1112−で
あり、特に好ましくは炭素数1〜6のX2基側に酸素原
子を1つ持つアルキレン鎖である。R9,R10は、炭素
数1〜12のアルキル鎖、炭素数2〜6のグリコールユ
ニットからなるポリアルキレングリコール鎖、脂肪族鎖
および芳香族鎖構造等からなる置換基であり、好ましく
は炭素数1〜6のアルキル基であり、特に好ましくは炭
素数1〜3のアルキル基である。また、ここでR9,R
10は同じでも異なっていてもよい。R11は、水素原子ま
たは炭素数1〜12の炭化水素基、好ましくは水素原子
または炭素数1〜6の炭化水素基、特に好ましくは炭素
数1〜4の飽和炭化水素基である。R12は、炭素数2〜
12のアルキレン鎖であり、好ましくは炭素数2〜6の
アルキレン鎖である。nは0または1、好ましくは1、
mは0または1、好ましくは1である。
【0058】これら第三級アミノ基含有不飽和化合物の
好ましいものの具体的な例としては、2−(ジメチルア
ミノ)エチルアクリレート、2−(ジエチルアミノ)エ
チルアクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルメタ
クリレート、2−(ジエチルアミノ)エチルメタクリレ
ート、2−〔ジ(t−ブチル)アミノ〕エチルアクリレ
ート、2−〔ジ(t−ブチル)アミノ〕エチルメタクリ
レート、3−(ジメチルアミノ)−プロピルアクリルア
ミド、および3−(ジメチルアミノ)−プロピルメタク
リルアミド等を挙げることができる。
【0059】また、上記第三級アミノ基含有不飽和化合
物と共重合する場合のオレフィン系モノマー成分として
は、エチレン、プロピレン、1−ブテン等のα−オレフ
ィン類を挙げることができるが、これらの中では、特に
エチレンが好ましい。また、上記第三級アミノ基含有不
飽和化合物をグラフトさせる場合幹ポリマーとしてのオ
レフィン系重合体成分としては、オレフィン系樹脂およ
びオレフィン系エラストマー等を挙げることができ、こ
れらの中では、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系
樹脂およびエチレン系エラストマーを用いることが好ま
しい。
【0060】また第三級アミノ基含有変性オレフィン系
重合体を製造する際に、上記第三級アミノ基含有不飽和
化合物と共重合することのできるモノマー成分として
は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチル
アクリレート、メチルメタアクリレート等の不飽和カル
ボン酸エステル;スチレン、α−メチルスチレン、ビニ
ルトルエン等のビニル芳香族化合物;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等のニトリル化合物;メチルビ
ニルエーテル、2−クロルエチルビニルエーテル等のビ
ニルエーテル:塩化ビニル、臭化ビニル等のハロゲン化
ビニル:酢酸ビニル等のビニルエステル:アクリルアミ
ド等を挙げることができ、これらを用いて、三元系、あ
るいは、さらに多元系変性ポリオレフィンとして用いる
ことも可能である。
【0061】これら第三級アミン化合物の低分子化合物
と高分子化合物では、本発明の組成物を製造する上で、
飛散し難い高分子化合物の方がより好ましい。そしてこ
れらの第三級アミン化合物は、それぞれ単独でも、複数
種混合した混合物としても使用することができる。
【0062】(G3):有機スズ化合物 本発明において使用される有機スズ化合物としては、ス
ズ原子に少なくとも1つの、炭素数1〜12のアルキル
鎖が結合している化合物が挙げられ、好ましくは次式で
表されるものなどがある。
【0063】
【化3】
【0064】
【化4】
【0065】
【化5】
【0066】上記式中のR13,R14,R15,R16
17,R18,R19はそれぞれ炭素数1〜12の飽和炭化
水素基等であり、それぞれが同じでも異なっていてもよ
く、好ましくは炭素数が3〜12の飽和炭化水素基であ
る。また、Y1,Y2,Y3,Y4,Y5はそれぞれ脂肪酸
残基、マレイン酸誘導体残基、メルカプタン残基、メル
カプト酸残基、アルコール残基等であり、それぞれが同
じでも異なっていてもよく、好ましくは脂肪酸残基、マ
レイン酸誘導体残基である。さらに、X3は酸素原子、
硫黄原子、マレイン酸残基等であり、好ましくは酸素原
子、マレイン酸残基である。また、mは0〜30の整数
であり、好ましくは0〜25の整数、特に好ましくは、
0〜20の整数である。
【0067】これら有機スズ化合物の具体例としては、
モノブチル・スズ・トリメチルマレート、モノブチル・
スズ・トリオクチルマレート、ジブチル・スズ・ジラウ
レート、ジブチル・スズ・ラウレート・メチルマレー
ト、ジブチル・スズ・ジオレイルマレート、ジブチル・
スズ・ジメチルマレート、ジブチル・スズ・マレート、
ジブチル・スズ・メトキシメチルマレート、ジブチル・
スズ・ジオクチルマレート、ジブチル・スズ・ジオクチ
ル・チオクリコレート、ジブチル・スズ・ラウリル・メ
ルカプタイト、トリベンシル・スズ・オクチルマレー
ト、トリベンシル・スズ・トリメチルマレート等を挙げ
ることができる。これらの中ではジアルキル・スズ化合
物が好ましく、特にジブチル・スズ・ジラウレート、ジ
ブチル・スズオキサイド、ジオクチル・スズオキサイド
が本発明の効果を向上させるため好ましい。そして、こ
れらの有機スズ化合物は、それぞれ単独でも、複数種混
合した混合物として使用することができ、通常、市販の
ものの中から適宜選んで使用することができる。
【0068】なお、本発明の樹脂組成物を構成する各成
分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)および
(F)、場合により成分(G)について、好ましいもの
として上記した成分同士の組み合わせが最適のものであ
ることは言うまでもない。
【0069】成分(H):付加的成分 本発明の樹脂組成物の中には、上記成分(A)〜成分
(G)の外に、本発明の効果を著しく損なわない範囲で
以下に示すような付加的成分を含有させることができ
る。該付加的成分としては、例えば添加剤類、具体的に
は、パラフィンオイル等の可塑剤類ないしは流動性改良
剤類;オレフィン系液状ゴム、共役ジエン系液状ゴム等
の軟化剤類;着色剤類;酸化防止剤類;中和剤類;光安
定剤類;紫外線吸収剤類;帯電防止剤類;滑剤類;分散
助剤類;分子量調整剤類;架橋剤類;核剤類;難燃剤類
等を挙げることができる。
【0070】(2)量比 本発明の樹脂組成物を構成する上記各成分の配合の量比
は次の通りである。 成分(A):オレフィン系樹脂100重量部に対して、
成分(B):オレフィン系エラストマー1〜100重量
部、好ましくは5〜70重量部、特に好ましくは10〜
50重量部、成分(C):ビニル芳香族化合物・共役ジ
エンブロック共重合体は、1〜75重量部、好ましくは
5〜40重量部、特に好ましくは10〜25重量部、成
分(D):ビニル芳香族化合物系樹脂は、10〜300
重量部、好ましくは30〜250重量部、特に好ましく
は50〜150重量部、成分(E):水酸基を有するジ
エンポリマーまたはその水素添加物は、0.1〜75重
量部、好ましくは0.5〜50重量部、特に好ましくは
1〜25重量部、および成分(F):フィラーは、0〜
200重量部、好ましくは0.1〜100重量部、特に
好ましくは0.1〜50重量部であり、さらに場合によ
り配合される成分(G)は、0.01〜75重量部、好
ましくは0.05〜50重量部、特に好ましくは0.1
〜25重量部である。
【0071】成分(B)のオレフィン系エラストマーが
上記範囲未満のときは、塗料の付着強度が低下して好ま
しくない。一方、上記範囲を超えると組成物としたとき
の剛性を低下させ、組成物としての物性バランスが悪く
なり好ましくない。成分(C)のビニル芳香族化合物・
共役ジエンブロック共重合体が上記範囲未満のときは、
組成物中での相溶化剤としての作用が不足し、非常に脆
い組成物となり好ましくない。一方、上記範囲を超えて
も該ブロック共重合体の配合量に比例した効果が得られ
るものでなく、かえって剛性を低下させるため好ましく
ない。成分(D)のビニル芳香族化合物系樹脂が上記範
囲未満のときは、組成物としたときの剛性が低下して好
ましくない。一方、上記範囲を超えると耐衝撃性が低下
し組成物としての物性バランスが悪くなり好ましくな
い。成分(E)の水酸基を有するジエンポリマーまたは
その水素添加物が上記範囲未満のときは、塗料の付着強
度が弱く好ましくない。一方、上記範囲を超えても該ポ
リマーの配合量に比例した効果が得られるものではな
く、かえって剛性を低下させるため好ましくない。成分
(F)のフィラーを配合することは、成形体表面の層間
剥離を押さえたり、寸法安定性や物性バランスを調整す
る事を可能にするので好都合である。しかし、上記範囲
を超えると成形性が悪化するなどのため好ましくない。
成分(G)の付着促進剤を添加することにより、強固な
塗料付着性を得ることができ好都合である。しかし、上
記範囲を超えると、該促進剤がブリードアウトするな
ど、かえって塗料の付着強度を低下させるので好ましく
ない。
【0072】(3)配合 上記の各構成成分を混合することによって、本発明の樹
脂組成物が製造される。これらの各構成成分の混合順序
も特に制限はなく、上記構成成分を同時に混合する方
法、任意の2成分を予め混合しておき、次いで残りの成
分を混合する方法などいずれの方法を採用してもよい。
混合方法としては、ブラベンダープラストグラフ、一軸
あるいは二軸押出機、強力スクリュー型混練機、バンバ
リーミキサー、ニーダー、ロール等の従来知られている
いかなる混練機でも使用することができる。
【0073】[2]成形体 上記した本発明の樹脂組成物は、これを各種成形方法に
よって成形して樹脂成形体とすることができる。成形方
法は、射出成形、圧縮成形、押出成形(シート成形、ブ
ロー成形、フィルム成形)等のいずれであってもかまわ
ない。特に、複雑な形状に射出成形された成形体におい
ても、本発明の樹脂組成物の特徴を有効に発現できる。
本発明の樹脂組成物から形成された成形体は、そのまま
直接、即ち、環境破壊の恐れのあるハロゲン系有機溶剤
による蒸気洗浄等を施すことなく、また、プライマー塗
布やプラズマ処理等の表面改質処理を行うことなく、塗
装を施すことが可能であり、良好な塗料付着性が得られ
る特徴を有する。但し、樹脂組成物の成形から塗装まで
の工程で不可避的に成形体表面に付着した手垢や機械油
を洗浄除去する目的で、ハロゲン系有機溶剤を含まない
洗浄液で洗浄を施すことは一向に差し支えない。これら
ハロゲン系有機溶剤を含まない洗浄液の例としては、溶
剤型洗浄液、エマルジョン型洗浄液、水系洗浄液等を挙
げることができる。具体的には、溶剤型洗浄液として
は、ケロシン、d−リモネン等の脂肪族炭化水素、メタ
ノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアル
コール類が挙げられる。エマルジョン型洗浄液として
は、ケロシン、d−リモネン、シリコーン、トルエン等
の溶剤を界面活性剤で水に乳化、分散したものが挙げら
れる。水系洗浄液としては、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、ケイ酸ナトリウム及び炭酸ナトリウム等のア
ルカリ成分と界面活性剤を併用したアルカリ性洗浄液;
リン酸等の酸成分と界面活性剤を併用した酸性洗浄液;
非イオン型界面活性剤等を用いた中性洗浄液;純水、温
水等の水などが挙げられる。
【0074】〔3〕塗装 本発明の樹脂組成物から形成された成形体を塗装する際
には、従来の塗装工程からプライマー塗布やプラズマ処
理等の表面改質工程を省略することができる。即ち、上
記樹脂組成物を成形加工して得られた成形体に、そのま
ま直接に塗料を塗布するものである。塗料の塗布手段と
しては、スプレーによる吹き付け塗布、はけ塗り、ロー
ラーによる塗布等があるが、いずれの方法をも採用する
ことができる。塗装工程にて使用することができる塗料
としては、一般に広く用いられている有機溶剤系塗料お
よび水溶性樹脂塗料、水分散性樹脂塗料、水性エマルジ
ョン塗料等の水系塗料等を使用することができる。具体
的には、これら塗料の樹脂成分または架橋成分が、アク
リル系、エポキシ系、ポリエステル系、アルキッド系、
ウレタン系およびメラミン系等の成分からなる塗料を挙
げることができる。これらの中でも、好ましいものは、
アクリル系塗料、ウレタン系塗料およびメラミン系塗料
であり、特に好ましいのはメラミン系塗料である。
【0075】〔4〕用途例 本発明はの樹脂組成物から形成された成形体は、上述し
たように塗料付着性が良好であり、且つ高い剛性を有す
ることから、自動車のバンパー、マッドガード、サイド
モール、ホイールキャップ、スポイラー類等の自動車外
装部品;インスツルメントパネル、レバー、ノブ、内張
り等の自動車内装部品;ポット、掃除機、洗濯機、冷蔵
庫、照明器具、オーディオ機器等の電気製品;包装用フ
ィルム、合成紙、ラミネートフィルム等の包装材;また
はカラーボックス、収納ケース等の各種日用雑貨品等と
して利用することができる。
【0076】
【実施例】以下に実施例および比較例を掲げ、本発明を
更に具体的に説明する。各実験例において製造された樹
脂組成物から試験試料を得るための成形条件および試験
方法は以下に示す通りである。これら実験例では、本発
明の樹脂組成物の特徴を成形体の塗装性能で示した。な
お、実験例中の「部」は重量部である。
【0077】<成形条件>成形機 :名機製作所製の射出成形機 M40A−SJ成形温度 :230℃成形品 :平板(65mm×65mm×2mm) 三点曲げ弾性率試験片(90mm×10mm×4mm)曲げ弾性率 (三点曲げ):JIS K−7203に準拠
して測定した。MFR(メルトフローレート) :ASTM D−123
8またはJIS−K7210に準拠して測定した。
【0078】<塗装>一液型有機溶剤系メラミン架橋メ
タリックベース塗料と一液型有機溶剤系メラミン架橋ク
リア塗料からなる鋼板用塗料系と、一液型有機溶剤系メ
ラミン架橋メタリックベース塗料と二液型有機溶剤系ウ
レタン架橋クリア塗料からなる樹脂用塗料系を用いて、
塗装を行った。塗装法 :各塗料を調合し、エアースプレーガンを用い
て、メタリックベースの塗膜厚さが20μm、次いでク
リア塗料が25μmとなるように、ウエット・オン・ウ
エット状態でスプレー塗布した。その後、鋼板用塗料系
は140℃で20分間、樹脂用塗料系は80℃で30分
間焼き付け乾燥した。
【0079】<塗料付着性評価>碁盤目試験 :片刃カミソリを用い試験片の表面に直行す
る縦横11本づつの平行線を2mm間隔で引いて碁盤目
を100個作る。その上にセロハン粘着テープ(JIS
−Z1522)を十分圧着し、塗膜面と約30度に保ち
手前に一気に引き剥がし、碁盤面で囲まれた部分の状態
を観察し、剥離しなかった碁盤目の数を記録した。
【0080】実施例1〜39および比較例1〜10 (1) 樹脂成形体の製造 下記の表1及び表2に示した各成分を配合して、二軸押
出機により200℃で溶融混練してペレットとした。こ
のペレットを用いて平板および三点曲げ弾性率測定用試
験片を射出成形した。なお、表1及び表2中の配合成分
は次の通りである。
【0081】<オレフィン系樹脂:(A)成分>BPP(1) :エチレン含量が4重量%、曲げ弾性率が1
4,000kg/cm2、且つASTM−D1238に準拠
(230℃,2.16kg)して測定したMFRが60g
/10分のプロピレン・エチレンブロック共重合体。
【0082】BPP(2):エチレン含量が4重量%、曲
げ弾性率が15,000kg/cm2、且つASTM−D12
38に準拠(230℃、2.16kg)して測定したMF
Rが30g/10分のプロピレン・エチレンブロック共
重合体。
【0083】BPP(3):エチレン含量4重量%、曲げ
弾性率が4,000kg/cm2、且つASTM−D1238
に準拠(230℃、2.16kg)して測定したMFRが
10g/10分のプロピレン・エチレンブロック共重合
体。
【0084】RPP:エチレン含量3.4重量%、曲げ
弾性率が10,500kg/cm2、且つASTM−D123
8に準拠(230℃、2.16kg)して測定したMFR
が15g/10分のプロピレン・エチレンランダム共重
合体。
【0085】 <オレフィン系エラストマー成分:(B)成分>EPM(1) :ムーニー粘度ML1+4(100℃)が10、
エチレン含量が78重量%、且つ比重が0.86である
エチレン・プロピレン共重合ゴム。EPM(2) :ムーニー粘度ML1+4(100℃)が24、
エチレン含量が74重量%、且つ比重が0.86である
エチレン・プロピレン共重合ゴム。EPM(3) :ムーニー粘度ML1+4(100℃)が70、
エチレン含量が73重量%、且つ比重が0.86である
エチレン・プロピレン共重合ゴム。EPDM :ムーニー粘度ML1+4(100℃)が88、
エチレン含量が61重量%およびエチリデンノルボルネ
ン含量が11重量%、且つ比重が0.86であるエチレ
ン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合ゴム。
【0086】<ビニル芳香族化合物・共役ジエンブロッ
ク共重合体及びその水素添加物:成分:(C)成分>SIS :数平均分子量が120,000、スチレン含量
が14重量%、且つ分子量とスチレン含量から算出した
ポリスチレンブロック1つあたりの平均分子量が8,4
00であるスチレン・イソプレン・スチレントリブロッ
ク共重合体。SEPS(1) :数平均分子量が45,000、スチレン含
量が30重量%、且つ分子量とスチレン含量から算出し
たポリスチレンブロック1つあたりの平均分子量が6,
800であるスチレン・イソプレン・スチレントリブロ
ック共重合体水素添加物。SEPS(2) :数平均分子量が60,000、スチレン含
量が65重量%、且つ分子量とスチレン含量から算出し
たポリスチレンブロック1つあたりの平均分子量が1
9,000であるスチレン・イソプレン・スチレントリ
ブロック共重合体水素添加物。SEPS(3) :数平均分子量が120,000、スチレン
含量が13重量%、且つ分子量とスチレン含量から算出
したポリスチレンブロック1つあたりの平均分子量が
8,300であるスチレン・イソプレン・スチレントリ
ブロック共重合体水素添加物。SEBS :数平均分子量が83,000、スチレン含量
が28重量%、且つ分子量とスチレン含量から算出した
ポリスチレンブロック1つあたりの平均分子量が13,
000であるスチレン・ブタジエン・スチレントリブロ
ック共重合体水素添加物。SEP :数平均分子量が110,000、スチレン含量
が37重量%、且つ分子量とスチレン含量から算出した
ポリスチレンブロック1つあたりの平均分子量が41,
000であるスチレン・イソプレンジブロック共重合体
水素添加物。
【0087】 <ビニル芳香族化合物系樹脂:(D)成分>PS(1) :曲げ弾性率が32,000kg/cm2、且つJI
S−K7210に準拠(200℃,5kg)して測定した
MFRが16g/10分であるスチレン単独重合体。PS(2) :曲げ弾性率が32,000kg/cm2、且つJI
S−K7210に準拠(200℃,5kg)して測定した
MFRが1.5g/10分であるスチレン単独重合体。HIPS :曲げ弾性率が23,000kg/cm2、且つJI
S−K7210に準拠(200℃,5kg)して測定した
MFRが4g/10分であり、6重量%のブタジエンゴ
ムを含む耐衝撃ポリスチレン。
【0088】<水酸基を有するジエンポリマーまたはそ
の水素添加物:(E)成分>水酸基を有するジエンポリマー(E1)の合成 容量500mlのオートクレーブに、1,3−ブタジエ
ン100g、イソプロピルアルコール70gおよび60
%過酸化水素水10gを加え、アルゴン雰囲気中で90
℃、5時間重合を行った。反応終了後、未反応モノマー
を除去し、生成したジエンポリマーを乾燥した。得られ
たポリマーの分子量は、約2,900、水酸基価は約8
8(KOHmg/g)であった。
【0089】その水素添加物(E2)の合成 上記のようにして得られたジエンポリマー50g、シク
ロヘキサン50gおよび5重量%カーボン担持ルテニウ
ム触媒5gを、容量200mlのオートクレーブに仕込
みアルゴンガスで系内を置換した後、水素ガス50kg/c
m2になるまで送入した。これを100℃まで昇温し、全
圧が50kg/cm2に保たれるように水素ガスを供給しつつ
10時間反応を行った。反応終了後、水素を除去し、濾
過にて触媒を除いてから生成した水素添加物をメタノー
ル中で析出させ、濾別、乾燥して目的物を得た。得られ
たジエンポリマー水素添加物のヨウ素価は1.5(g/
100g)、水酸基価は87.8(KOHmg/g)であっ
た。
【0090】ジエンポリマー:上記で得られた水酸基を
有するジエンポリマー。ジエンポリマー水素添加物(1) :上記で得られた水酸
基を有するジエンポリマー水素添加物。ジエンポリマー水素添加物(2) :上記のような手法で
合成した分子量5,400、ヨウ素価0.5(g/100
g)、水酸基価46.9(KOHmg/g)の水酸基を有す
るジエンポリマー水素添加物。
【0091】<フィラー成分:(F)成分>タルク :比表面積が39,000cm2/g、および平均粒
径が1.8〜2.2μmのタルク。マイカ :平均フレーク径が90μmのマイカ。ウィスカー :平均直径が0.2〜0.5μm、且つ平均ア
スペクト比が20以上のチタン酸カリウムウィスカー
[K2O・6TiO]。
【0092】<付着促進剤:(G)成分> (i)リン酸化合物(G1)PAEHE: リン酸モノ(2−エチルヘキシル)エステ
ルとリン酸ジ(2−エチルヘキシル)エステルのモル比
1:1の混合物PPADOE: ピロリン酸ジオクチルエステル
【0093】(ii)第三級アミン化合物(G2)EDMA(1) :2−(ジメチルアミノ)エチルメタク
リレート含有率が20重量%、JIS−K6760に準
拠(190℃,2.16kg)して測定したMFRが2g
/10分の高圧ラジカル重合法により得られたエチレン
・2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート共重合
体。
【0094】EDMA(2):幹ポリマーのポリエチレ
ンに2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレートおよ
びスチレンがグラフトしたグラフト共重合体で2−(ジ
メチルアミノ)エチルメタクリレート含有率が15重量
%、スチレン含有率が25重量%、JIS−K6760
に準拠(190℃,2.16kg)して測定したMFRが
2g/10分の物性値を示す下記に示す含浸グラフト重
合法にて得られたグラフト共重合体。
【0095】 (含浸グラフト重合法によるEDMA(2)の合成)容
量10リットルのオートクレーブで、JIS−K676
0に準拠(190℃,2.16kg)して測定したMFR
が100g/10分の線状低密度ポリエチレンのペレッ
ト1080g、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリ
レート270g、スチレン450g、ベンゾイルパーオ
キサイド6.5g、分散剤としてリン酸カルシウム〔C
3(PO42〕21gを水4リットル中に加えて懸濁
させた。次いで、該懸濁液の温度を50℃に3時間保つ
ことによって、これら2−(ジメチルアミノ)エチルメ
タクリレート、スチレン、ベンゾイルパーオキサイドを
前記ポリエチレンのペレットに含浸させた。その後、8
時間かけて94℃まで徐々に温度を上昇させながら反応
を行った。反応終了後、得られたペレットを水洗し、遠
心分離器で水分を除去し、80℃で12時間減圧乾燥を
行い目的物を得た。
【0096】(iii)有機スズ(G3)DBTDL :ジブチル・スズ・ジラウレートDOTOX :ジオクチル・スズオキサイド
【0097】(2) 樹脂成形体の塗装 上記樹脂成形体の製造によって成形した平板に、直接エ
アーガンを用いて塗料を塗布した。焼き付け乾燥終了
後、48時間室温放置して、碁盤目試験を行なった。得
られた樹脂組成物の曲げ弾性率および成形体の塗料付着
性の結果を表1及び表2に示す。
【0098】
【表1】
【0099】
【表2】
【0100】
【表3】
【0101】
【表4】
【0102】
【表5】
【0103】
【表6】
【0104】
【表7】
【0105】上記表に示した塗装付着性データによれ
ば、水酸基を有するジエンポリマーまたはその水素添加
物(成分(E))を含まない組成物では、塗料付着性を
全く示していないことがわかる(比較例2、4、8、9
参照)。ビニル芳香族化合物系樹脂(成分(D))を含
まない樹脂組成物であ、塗料付着性は非常に低いことが
わかる(比較例3、7参照)。ビニル芳香族化合物・共
役ジエンブロック共重合体(成分(C))を含まない樹
脂組成物では、その他の成分の相溶性が非常に悪く、得
られた成形体は非常に脆いものであった。また、塗料付
着性も非常に低いことがわかる(比較例6参照)。オレ
フィン系エラストマー(成分(B))を含まない樹脂組
成物についても、塗料付着性が非常に低いことがわかる
(比較例5参照)。これらに対して、本発明の上記各成
分からなる樹脂組成物は、優れた塗料付着性と剛性を示
していることがわかる(実施例1〜39)。
【0106】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は上記した特定の成
分から構成されているので、該樹脂組成物から形成され
た成形体は、環境破壊の恐れのあるハロゲン系有機溶剤
による蒸気洗浄等を施すことなく、また、プライマー塗
布やプラズマ処理等の表面改質処理を行うことなく、直
接塗料を施すことが可能であり、良好な塗料付着性が得
られ、且つ高い剛性を有するため、様々な分野への適用
が可能である。従って、本発明の樹脂組成物から成形さ
れた成形体は、プライマー塗装、プラズマ処理等の表面
改質処理を予め施すことなく、塗料を塗布しても良好な
塗料付着性を示し且つ剛性が高く、工業的に極めて有用
なものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23/16 LCY 25/04 LDS 53/02 LLY

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の成分(A)、成分(B)、成分
    (C)、成分(D)、成分(E)および成分(F)を含
    み、成分(A)100重量部に対し、成分(B)を1〜
    100重量部、成分(C)を1〜75重量部、成分
    (D)を10〜300重量部、成分(E)を0.1〜7
    5重量部および成分(F)を0〜200重量部含有する
    樹脂組成物。成分(A) :オレフィン系樹脂成分(B) :オレフィン系エラストマー成分(C) :ビニル芳香族化合物・共役ジエンブロック
    共重合体またはその水素添加物成分(D) :ビニル芳香族化合物系樹脂成分(E) :水酸基を有するジエンポリマーまたはその
    水素添加物成分(F) :フィラー
  2. 【請求項2】 下記の成分(A)、成分(B)、成分
    (C)、成分(D)、成分(E)、成分(F)および成
    分(G)を含み、成分(A)100重量部に対し、成分
    (B)を1〜100重量部、成分(C)を1〜75重量
    部、成分(D)を10〜300重量部、成分(E)を
    0.1〜75重量部、成分(F)を0〜200重量部お
    よび成分(G)を0.01〜75重量部含有する樹脂組
    成物。成分(A) :オレフィン系樹脂成分(B) :オレフィン系エラストマー成分(C) :ビニル芳香族化合物・共役ジエンブロック
    共重合体またはその水素添加物成分(D) :ビニル芳香族化合物系樹脂成分(E) :水酸基を有するジエンポリマーまたはその
    水素添加物成分(F) :フィラー成分(G): 付着促進剤として下記成分から選ばれる少
    なくとも1つの化合物 (G1)リン酸化合物 (G2)第三級アミン化合物 (G3)有機スズ化合物
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JP2003535176A (ja) * 2000-06-01 2003-11-25 ソルヴェイ エンジニアード ポリマーズ 表面耐久性の改善されたポリオレフィン材料
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