JP3216190B2 - 塗装された軟質成形体 - Google Patents
塗装された軟質成形体Info
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- JP3216190B2 JP3216190B2 JP00107092A JP107092A JP3216190B2 JP 3216190 B2 JP3216190 B2 JP 3216190B2 JP 00107092 A JP00107092 A JP 00107092A JP 107092 A JP107092 A JP 107092A JP 3216190 B2 JP3216190 B2 JP 3216190B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形体表面に塗料が塗
布された軟質成形体に関するものである。
布された軟質成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリオレフィン樹脂は、その構造
中に極性基が存在せず、しかも結晶性が高いことから塗
料の付着が極めて悪く、塗装性が劣っていることが知ら
れている。従って、この付着性の悪さを改善するため
に、ポリオレフィン樹脂の表面に予めプライマーを塗布
したり、プラズマ処理すること等によって表面を改質
し、塗装性を改良してから塗料を塗布していた。
中に極性基が存在せず、しかも結晶性が高いことから塗
料の付着が極めて悪く、塗装性が劣っていることが知ら
れている。従って、この付着性の悪さを改善するため
に、ポリオレフィン樹脂の表面に予めプライマーを塗布
したり、プラズマ処理すること等によって表面を改質
し、塗装性を改良してから塗料を塗布していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな塗装方法においては、従来から以下に示すような問
題点があった。すなわち、プライマー塗布法において
は、高価なプライマーを使用しなければならないこと
や、塗装工程数が多くなること等から、塗装コストが高
くなるといった欠点がある。更に、プライマー中の溶媒
を揮発させる必要があること等から火災が発生するなど
の危険性を伴うので安全性にも問題があった。一方、プ
ラズマ処理法においては、高度の真空状態が必要である
ために、高価な装置を設置しなければならず、しかも、
バッチ方式のためにコストの上昇を避けることができな
かった。更にプラズマ処理後の表面は不安定で、異物に
接触すると塗料の付着性が低下するため、塗膜性能にバ
ラツキが生じ易く、取扱いが非常に不便であった。従っ
て、このようなプライマー塗布や、プラズマ処理の工程
を省略することができれば、塗装工程の簡略化、作業環
境の改善、コストの低減化等を図ることが可能となるこ
とから、これまでにもこれらの工程の省略を達成しよう
と多くの研究がなされてきた。しかしながら、結局未だ
にこの目的を達成するに至っておらず、ポリオレフィン
系樹脂素材はこの様なプライマー塗布やプラズマ処理等
を省くことが出来ず、これら処理を行なってから塗装が
施されている。
うな塗装方法においては、従来から以下に示すような問
題点があった。すなわち、プライマー塗布法において
は、高価なプライマーを使用しなければならないこと
や、塗装工程数が多くなること等から、塗装コストが高
くなるといった欠点がある。更に、プライマー中の溶媒
を揮発させる必要があること等から火災が発生するなど
の危険性を伴うので安全性にも問題があった。一方、プ
ラズマ処理法においては、高度の真空状態が必要である
ために、高価な装置を設置しなければならず、しかも、
バッチ方式のためにコストの上昇を避けることができな
かった。更にプラズマ処理後の表面は不安定で、異物に
接触すると塗料の付着性が低下するため、塗膜性能にバ
ラツキが生じ易く、取扱いが非常に不便であった。従っ
て、このようなプライマー塗布や、プラズマ処理の工程
を省略することができれば、塗装工程の簡略化、作業環
境の改善、コストの低減化等を図ることが可能となるこ
とから、これまでにもこれらの工程の省略を達成しよう
と多くの研究がなされてきた。しかしながら、結局未だ
にこの目的を達成するに至っておらず、ポリオレフィン
系樹脂素材はこの様なプライマー塗布やプラズマ処理等
を省くことが出来ず、これら処理を行なってから塗装が
施されている。
【0004】
〔発明の概要〕本発明者等は、前記課題を達成するため
に、鋭意種々の研究を重ねた結果、少量のフィラーを含
む特定な材料及び組成のプロピレン系軟質樹脂組成物を
用いて成形した成形体が、塗料を直接塗布することもで
き、機械的強度、塗膜の耐温水性及び塗料付着性能に優
れ、かつ、比重や剛性の増加を殆ど伴わず、軟質樹脂と
しての物性を損うことがないとの知見を得て本発明を完
成するに至った。
に、鋭意種々の研究を重ねた結果、少量のフィラーを含
む特定な材料及び組成のプロピレン系軟質樹脂組成物を
用いて成形した成形体が、塗料を直接塗布することもで
き、機械的強度、塗膜の耐温水性及び塗料付着性能に優
れ、かつ、比重や剛性の増加を殆ど伴わず、軟質樹脂と
しての物性を損うことがないとの知見を得て本発明を完
成するに至った。
【0005】すなわち、本発明の塗装された軟質成形体
は、下記の(a)成分〜(e)成分から成り、曲げ弾性
率(JIS−6703)が10,000kg/cm2 以
下である樹脂組成物成形体の表面に塗膜が形成されてい
ることを特徴とするものである。 (a)成分:エチレン含量が20〜70重量%である常
温キシレン可溶分を4〜30重量%含み、共重合体全体
のMFRが1〜200g/10分かつエチレン含量が3
〜21重量%であるプロピレン・エチレンブロック共重
合体:30〜70重量部、 (b)成分:エチレン系エラストマー、水素添加スチレ
ン・ブタジエンブロック共重合体及び水素添加スチレン
・イソプレンブロック共重合体から選ばれた少なくとも
一種のエラストマー:70〜30重量部、(a)成分と
(b)成分との合計量100重量部に対して、 (c)成分:末端に水酸基を有するジエンポリマー又は
その水素添加物:0.1〜25重量部、 (d)成分:比表面積が37,000cm2 /g以上、
長さが実質的に15μm以下、平均粒径が0.8〜3.
0μmかつ平均アスペクト比が5以上のタルク、平均直
径が2μm以下かつ平均アスペクト比が5以上のほう酸
アルミニウムウィスカー、同チタン酸カリウムウィスカ
ー、同硫酸マグネシウムウィスカー〔マグネシウムオキ
シサルフェートウィスカーMgSO4 ・5Mg(OH)
2 ・3H2 O〕、同酸化チタンウィスカー、同炭酸カル
シウムウィスカー及び炭酸カルシウムから選ばれた少な
くも一種のフィラー:0.01〜7重量部、 (e)成分:有機スズ化合物:0.01〜5重量部ある
いは、有機スズ化合物:0.01〜5重要部および第3
級アミン化合物:0.01〜20重量部
は、下記の(a)成分〜(e)成分から成り、曲げ弾性
率(JIS−6703)が10,000kg/cm2 以
下である樹脂組成物成形体の表面に塗膜が形成されてい
ることを特徴とするものである。 (a)成分:エチレン含量が20〜70重量%である常
温キシレン可溶分を4〜30重量%含み、共重合体全体
のMFRが1〜200g/10分かつエチレン含量が3
〜21重量%であるプロピレン・エチレンブロック共重
合体:30〜70重量部、 (b)成分:エチレン系エラストマー、水素添加スチレ
ン・ブタジエンブロック共重合体及び水素添加スチレン
・イソプレンブロック共重合体から選ばれた少なくとも
一種のエラストマー:70〜30重量部、(a)成分と
(b)成分との合計量100重量部に対して、 (c)成分:末端に水酸基を有するジエンポリマー又は
その水素添加物:0.1〜25重量部、 (d)成分:比表面積が37,000cm2 /g以上、
長さが実質的に15μm以下、平均粒径が0.8〜3.
0μmかつ平均アスペクト比が5以上のタルク、平均直
径が2μm以下かつ平均アスペクト比が5以上のほう酸
アルミニウムウィスカー、同チタン酸カリウムウィスカ
ー、同硫酸マグネシウムウィスカー〔マグネシウムオキ
シサルフェートウィスカーMgSO4 ・5Mg(OH)
2 ・3H2 O〕、同酸化チタンウィスカー、同炭酸カル
シウムウィスカー及び炭酸カルシウムから選ばれた少な
くも一種のフィラー:0.01〜7重量部、 (e)成分:有機スズ化合物:0.01〜5重量部ある
いは、有機スズ化合物:0.01〜5重要部および第3
級アミン化合物:0.01〜20重量部
【0006】〔発明の具体的説明〕 〔I〕樹脂組成物成形体 (1)構成成分 (a)成分:プロピレン・エチレンブロック共重合体 本発明において用いられる(a)成分のプロピレン・エ
チレンブロック共重合体としては、エチレン含量が20
〜70重量%である実質的に非晶性の常温キシレン可溶
分を4〜30重量%、好ましくは6〜25重量%含有
し、共重合体全体のMFR(230℃、2.16kg)
が1〜200g/10分、好ましくは2〜100g/1
0分かつエチレン含量が3〜21重量%、好ましくは3
〜18重量%の樹脂を挙げることができる。ここでエチ
レン含量は赤外線吸収スペクトル分析法等により測定さ
れる値であり、また常温キシレン可溶分は、2gの試料
を沸騰キシレン500g中に20分間浸漬して溶解させ
た後に室温まで冷却し、析出した固相をガラスフィルタ
ーで濾過、乾燥して求めた固相重量から逆算した値であ
り、MFRはJIS−K7210に準拠して測定したも
のである。ここで常温キシレン可溶分が多い共重合体は
塗装強度が向上するので有利である。このプロピレン・
エチレンブロック共重合体は、本発明の効果を著しく損
なわない範囲内で他の不飽和単量体{例えばブテン−
1、ヘキサン−1等のα−オレフィン;酢酸ビニルの如
きビニルエステル;ビニルトリメトキシシランの如き不
飽和シラン化合物;(メタ)アクリル酸(エステル)、
無水マレイン酸等の不飽和有機酸又はその誘導体等}を
含有する(グラフト型、ランダム型、ブロック型の何れ
でも構わない)三元以上の共重合体であってもよい。
チレンブロック共重合体としては、エチレン含量が20
〜70重量%である実質的に非晶性の常温キシレン可溶
分を4〜30重量%、好ましくは6〜25重量%含有
し、共重合体全体のMFR(230℃、2.16kg)
が1〜200g/10分、好ましくは2〜100g/1
0分かつエチレン含量が3〜21重量%、好ましくは3
〜18重量%の樹脂を挙げることができる。ここでエチ
レン含量は赤外線吸収スペクトル分析法等により測定さ
れる値であり、また常温キシレン可溶分は、2gの試料
を沸騰キシレン500g中に20分間浸漬して溶解させ
た後に室温まで冷却し、析出した固相をガラスフィルタ
ーで濾過、乾燥して求めた固相重量から逆算した値であ
り、MFRはJIS−K7210に準拠して測定したも
のである。ここで常温キシレン可溶分が多い共重合体は
塗装強度が向上するので有利である。このプロピレン・
エチレンブロック共重合体は、本発明の効果を著しく損
なわない範囲内で他の不飽和単量体{例えばブテン−
1、ヘキサン−1等のα−オレフィン;酢酸ビニルの如
きビニルエステル;ビニルトリメトキシシランの如き不
飽和シラン化合物;(メタ)アクリル酸(エステル)、
無水マレイン酸等の不飽和有機酸又はその誘導体等}を
含有する(グラフト型、ランダム型、ブロック型の何れ
でも構わない)三元以上の共重合体であってもよい。
【0007】(b)成分:エラストマー 本発明において(b)成分のエラストマーとしては、エ
チレン・プロピレン二元共重合ゴム(EPM)やエチレ
ン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合ゴム(EPD
M)、エチレン・ブテン−1二元共重合ゴムやエチレン
・プロピレン・ブテン−1三元共重合ゴム等のエチレン
系エラストマー、水素添加スチレン・ブタジエンブロッ
ク共重合体及び水素添加スチレン・イソプレンブロック
共重合体から選ばれた少なくとも一種のものを用いるこ
とができる。エチレン・プロピレン二元共重合ゴム(E
PM)はプロピレン含量が20〜55重量%、好ましく
は25〜55重量%で、ムーニー粘度(ML1+4 100
℃)が10〜100、特に15〜90のものが好適であ
る。エチレン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合ゴ
ム(EPDM)では、沃素価が20以下、特に18以下
のものが好ましい。エチレン・ブテン−1二元共重合ゴ
ムはブテン−1含有量が5〜30重量%、好ましくは1
0〜25重量%のものが好適である。エチレン・プロピ
レン・ブテン−1三元共重合ゴムは、プロピレン含有量
が20〜55重量%、好ましくは25〜50重量%及び
ブテン−1含有量が3〜15重量%、好ましくは5〜1
2重量%のものが好適である。ここで、各成分の含量
は、赤外線吸収スペクトル分析法やNMR法等が常法に
より測定される値である。また、これらのゴムの結晶化
度は30%以下のものが好ましい。これらの製法や形状
は特に限定されない。水素添加スチレン・ブタジエンブ
ロック共重合体および水素添加スチレン・イソプレンブ
ロック共重合体は、それぞれ完全または部分水素添加さ
れたもので、いわゆるスチレン・エチレン・ブチレン・
スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・エ
チレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SE
PS)と表現されるものである。通常その水添率は95
%以上であるが、99%以上のものが好ましい。また、
スチレン含量は5〜50重量%が好ましく、特に15〜
50重量%のものが好ましい。これらのエラストマーの
上記物性範囲内のものは、塗装性能や物性バランスが特
に好ましい。
チレン・プロピレン二元共重合ゴム(EPM)やエチレ
ン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合ゴム(EPD
M)、エチレン・ブテン−1二元共重合ゴムやエチレン
・プロピレン・ブテン−1三元共重合ゴム等のエチレン
系エラストマー、水素添加スチレン・ブタジエンブロッ
ク共重合体及び水素添加スチレン・イソプレンブロック
共重合体から選ばれた少なくとも一種のものを用いるこ
とができる。エチレン・プロピレン二元共重合ゴム(E
PM)はプロピレン含量が20〜55重量%、好ましく
は25〜55重量%で、ムーニー粘度(ML1+4 100
℃)が10〜100、特に15〜90のものが好適であ
る。エチレン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合ゴ
ム(EPDM)では、沃素価が20以下、特に18以下
のものが好ましい。エチレン・ブテン−1二元共重合ゴ
ムはブテン−1含有量が5〜30重量%、好ましくは1
0〜25重量%のものが好適である。エチレン・プロピ
レン・ブテン−1三元共重合ゴムは、プロピレン含有量
が20〜55重量%、好ましくは25〜50重量%及び
ブテン−1含有量が3〜15重量%、好ましくは5〜1
2重量%のものが好適である。ここで、各成分の含量
は、赤外線吸収スペクトル分析法やNMR法等が常法に
より測定される値である。また、これらのゴムの結晶化
度は30%以下のものが好ましい。これらの製法や形状
は特に限定されない。水素添加スチレン・ブタジエンブ
ロック共重合体および水素添加スチレン・イソプレンブ
ロック共重合体は、それぞれ完全または部分水素添加さ
れたもので、いわゆるスチレン・エチレン・ブチレン・
スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・エ
チレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SE
PS)と表現されるものである。通常その水添率は95
%以上であるが、99%以上のものが好ましい。また、
スチレン含量は5〜50重量%が好ましく、特に15〜
50重量%のものが好ましい。これらのエラストマーの
上記物性範囲内のものは、塗装性能や物性バランスが特
に好ましい。
【0008】(c)成分:末端に水酸基を有するジエン
ポリマー又はその水素添加物 本発明において用いられる(c)成分としては末端に水
酸基を有するジエンポリマー又はその水素添加物を挙げ
ることができ、そのうち、末端に水酸基を有するジエン
ポリマーには、例えばポリヒドロキシポリブタジエンな
どがある。具体的には末端に少なくとも一個の水酸基を
有し、分子量が200〜100,000、好ましくは5
00〜50,000、特に好ましくは800〜10,0
00の、常温で液体、半固体、固体のポリマーが含まれ
る。1分子当りの平均水酸基数は一般に1〜10、特に
1.5〜5のものが好ましく、水酸基価が一般に15〜
250、好ましくは25〜125(KOHmg/g)の
ものが好ましい。該末端に水酸基を有するジエンポリマ
ーは、1,3−ジエンを原料に用いて、周知の方法、例
えばラジカル重合法、アニオン重合法等によって製造す
ることができる。具体的には例えば特開昭51−713
91号公報に記載される方法等を挙げることが出来る。
これをラジカル重合によって製造する場合には、過酸化
水素を重合開始剤として用いてジエン系モノマーを重合
することにより容易に得られる。また、アニオン重合に
より製造する場合には、共役ジエンを周知の方法に従っ
て、アニオン重合触媒、例えばアルカリ金属または有機
アルカリ金属化合物を用いて重合させることにより得ら
れた両末端の少なくとも一つにアルカリ金属が結合した
構造のリビングポリマーに、例えばモノエポキシ化合
物、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、
もしくはハロゲノアルキレンオキシド、ポリエポキシド
等を反応させれば良い。これらポリマーの原料モノマー
としては少なくとも1種類の共役ジエンモノマーが使用
される。共役ジエンモノマーとしては、1,3−ブタジ
エン、1,3−ペンタジエン、イソプレン、クロロプレ
ン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1−フェ
ニル−1,3−ブタジエン等を挙げることができる。前
記末端に水酸基を有するジエンポリマーの水素添加物と
しては、上述の末端に水酸基を有するジエンポリマー
を、通常の方法、例えば特開昭51−71391号公報
に記載の方法などで水素添加することによって得られる
ものである。水素添加の程度は、ポリマー中に含まれる
二重結合を全部または部分的に水素添加したものであっ
てもよいが、特にヨウ素価が通常0〜20、特に0〜5
(g/100g)のものが好ましい。これらの末端に水
酸基を有するジエンポリマー又はその水素添加物は、そ
れぞれ単独でも、複数の混合物としても使用することが
出来る。
ポリマー又はその水素添加物 本発明において用いられる(c)成分としては末端に水
酸基を有するジエンポリマー又はその水素添加物を挙げ
ることができ、そのうち、末端に水酸基を有するジエン
ポリマーには、例えばポリヒドロキシポリブタジエンな
どがある。具体的には末端に少なくとも一個の水酸基を
有し、分子量が200〜100,000、好ましくは5
00〜50,000、特に好ましくは800〜10,0
00の、常温で液体、半固体、固体のポリマーが含まれ
る。1分子当りの平均水酸基数は一般に1〜10、特に
1.5〜5のものが好ましく、水酸基価が一般に15〜
250、好ましくは25〜125(KOHmg/g)の
ものが好ましい。該末端に水酸基を有するジエンポリマ
ーは、1,3−ジエンを原料に用いて、周知の方法、例
えばラジカル重合法、アニオン重合法等によって製造す
ることができる。具体的には例えば特開昭51−713
91号公報に記載される方法等を挙げることが出来る。
これをラジカル重合によって製造する場合には、過酸化
水素を重合開始剤として用いてジエン系モノマーを重合
することにより容易に得られる。また、アニオン重合に
より製造する場合には、共役ジエンを周知の方法に従っ
て、アニオン重合触媒、例えばアルカリ金属または有機
アルカリ金属化合物を用いて重合させることにより得ら
れた両末端の少なくとも一つにアルカリ金属が結合した
構造のリビングポリマーに、例えばモノエポキシ化合
物、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、
もしくはハロゲノアルキレンオキシド、ポリエポキシド
等を反応させれば良い。これらポリマーの原料モノマー
としては少なくとも1種類の共役ジエンモノマーが使用
される。共役ジエンモノマーとしては、1,3−ブタジ
エン、1,3−ペンタジエン、イソプレン、クロロプレ
ン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1−フェ
ニル−1,3−ブタジエン等を挙げることができる。前
記末端に水酸基を有するジエンポリマーの水素添加物と
しては、上述の末端に水酸基を有するジエンポリマー
を、通常の方法、例えば特開昭51−71391号公報
に記載の方法などで水素添加することによって得られる
ものである。水素添加の程度は、ポリマー中に含まれる
二重結合を全部または部分的に水素添加したものであっ
てもよいが、特にヨウ素価が通常0〜20、特に0〜5
(g/100g)のものが好ましい。これらの末端に水
酸基を有するジエンポリマー又はその水素添加物は、そ
れぞれ単独でも、複数の混合物としても使用することが
出来る。
【0009】(d)成分:フィラー 本発明において用いられる上記(d)成分のフィラー
は、比表面積が37,000cm2 /g以上、好ましく
は40,000cm2 /g以上、長さが実質的に15μ
m以下、好ましくは10μm以下、平均粒径が0.8〜
3.0μm、好ましくは0.8〜2.5μm、且つ平均
アスペクト比が5以上、好ましくは6以上のタルク、平
均直径が2μm以下、好ましくは1.5μm以下、且つ
平均アスペクト比が5以上、好ましくは10以上のほう
酸アルミニウムウィスカー、同チタン酸カリウムウィス
カー、同硫酸マグネシウムウィスカー〔マグネシウムオ
キシサルフェートウィスカーMgSO4 ・5Mg(O
H)2 ・3H2 O〕、同酸化チタンウィスカー及び同炭
酸カルシウムウィスカー、炭酸カルシウムから選ばれた
少なくとも一種のフィラーである。ここで、タルクの長
さが「実質的に」とは、殆どのタルク粒子がこの範囲に
あるものを言う。タルクは、例えばタルク原石を衝撃式
粉砕機やミクロンミル型粉砕機で粉砕し、更にミクロン
ミル、ジェット型粉砕機で微粉砕した後、サイクロンや
ミクロンセパレーター等で分級調整し製造する。ここで
原石は中国産が金属不純物成分が少ないので好ましい。
さらに、比表面積、長さ、平均アスペクト比が上記範囲
外で且つ平均粒径が上記範囲を超えるタルクを用いる
と、成形体の衝撃強度や塗装外観が劣り、一方、平均粒
径が上記範囲より小さくなるとタルクを分散させること
が困難となり衝撃強度や塗装外観がかえって悪化し、好
ましくない。また、ほう酸アルミニウムウィスカー、チ
タン酸カリウムウィスカー、硫酸マグネシウムウィスカ
ー、酸化チタンウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー
の好ましいものは平均直径が1.5μm以下且つ平均ア
スペクト比が10以上のものである。これらは、平均直
径が上記範囲を超えるものは、成形体の外観や、高温時
の寸法安定等が劣り不適である。これらフィラーの中
で、タルク、ほう酸アルミニウムウィスカー、硫酸マグ
ネシウムウィスカー〔マグネシウムオキシサルフェート
ウィスカーMgSO4 ・5Mg(OH)2 ・3H2 O〕
>の単独使用が好ましく、また、タルクの単独使用、タ
ルクと上記各ウィスカーとの併用がより好ましく、特
に、タルクの単独使用、タルクとほう酸アルミニウムウ
ィスカー、タルクと硫酸マグネシウムウィスカー〔マグ
ネシウムオキシサルフェートウィスカーMgSO4 ・5
Mg(OH)2 ・3H2 O〕との併用が好ましい。ここ
で、平均粒径の測定は液相沈降方式の光透過法によるも
ので、測定装置としては、例として島津製作所製SA−
CP型があり、また、比表面積は、空気透過法によるも
ので、測定装置としては、例として島津製作所製SS−
100型がある。長さとアスペクト比は顕微鏡法等によ
り、測定される。これらフィラーは界面活性剤、カップ
リング剤等で表面処理を施したものでも良い。
は、比表面積が37,000cm2 /g以上、好ましく
は40,000cm2 /g以上、長さが実質的に15μ
m以下、好ましくは10μm以下、平均粒径が0.8〜
3.0μm、好ましくは0.8〜2.5μm、且つ平均
アスペクト比が5以上、好ましくは6以上のタルク、平
均直径が2μm以下、好ましくは1.5μm以下、且つ
平均アスペクト比が5以上、好ましくは10以上のほう
酸アルミニウムウィスカー、同チタン酸カリウムウィス
カー、同硫酸マグネシウムウィスカー〔マグネシウムオ
キシサルフェートウィスカーMgSO4 ・5Mg(O
H)2 ・3H2 O〕、同酸化チタンウィスカー及び同炭
酸カルシウムウィスカー、炭酸カルシウムから選ばれた
少なくとも一種のフィラーである。ここで、タルクの長
さが「実質的に」とは、殆どのタルク粒子がこの範囲に
あるものを言う。タルクは、例えばタルク原石を衝撃式
粉砕機やミクロンミル型粉砕機で粉砕し、更にミクロン
ミル、ジェット型粉砕機で微粉砕した後、サイクロンや
ミクロンセパレーター等で分級調整し製造する。ここで
原石は中国産が金属不純物成分が少ないので好ましい。
さらに、比表面積、長さ、平均アスペクト比が上記範囲
外で且つ平均粒径が上記範囲を超えるタルクを用いる
と、成形体の衝撃強度や塗装外観が劣り、一方、平均粒
径が上記範囲より小さくなるとタルクを分散させること
が困難となり衝撃強度や塗装外観がかえって悪化し、好
ましくない。また、ほう酸アルミニウムウィスカー、チ
タン酸カリウムウィスカー、硫酸マグネシウムウィスカ
ー、酸化チタンウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー
の好ましいものは平均直径が1.5μm以下且つ平均ア
スペクト比が10以上のものである。これらは、平均直
径が上記範囲を超えるものは、成形体の外観や、高温時
の寸法安定等が劣り不適である。これらフィラーの中
で、タルク、ほう酸アルミニウムウィスカー、硫酸マグ
ネシウムウィスカー〔マグネシウムオキシサルフェート
ウィスカーMgSO4 ・5Mg(OH)2 ・3H2 O〕
>の単独使用が好ましく、また、タルクの単独使用、タ
ルクと上記各ウィスカーとの併用がより好ましく、特
に、タルクの単独使用、タルクとほう酸アルミニウムウ
ィスカー、タルクと硫酸マグネシウムウィスカー〔マグ
ネシウムオキシサルフェートウィスカーMgSO4 ・5
Mg(OH)2 ・3H2 O〕との併用が好ましい。ここ
で、平均粒径の測定は液相沈降方式の光透過法によるも
ので、測定装置としては、例として島津製作所製SA−
CP型があり、また、比表面積は、空気透過法によるも
ので、測定装置としては、例として島津製作所製SS−
100型がある。長さとアスペクト比は顕微鏡法等によ
り、測定される。これらフィラーは界面活性剤、カップ
リング剤等で表面処理を施したものでも良い。
【0010】(e)成分:有機スズ化合物 本発明の樹脂組成物成形体において付加的成分として使
用される有機スズ化合物としては、次式で表されるもの
である。 (R1 ,R2 ,R3 ,R4 :炭素数1〜12の飽和炭化
水素基であり、それぞれが同じでも異なってもかまわな
く、好ましくは炭素数が3〜12の飽和炭化水素基であ
る。 Y1 ,Y2 :脂肪酸、マレイン酸誘導体、メルカプタ
ン、メルカプト酸等であり、それぞれが同じでも異なっ
てもかまわなく、好ましくは、脂肪酸、マレイン酸誘導
体である。 X1 :酸素原子、硫黄原子、マレイン酸等であり、好ま
しくは、酸化原子、マレイン酸である。 n:0または1〜30の整数であり、好ましくは0また
は1〜25の整数、特に好ましくは、0または1〜20
の整数である。) これらの有機スズ化合物の具体例としては、モノブチル
・スズ・トリメチルマレート、モノブチル・スズ・トリ
オクチルマレート、ジブチル・スズ・ジラウレート、ジ
ブチル・スズ・ラウレート・メチルマレート、ジブチル
・スズ・ジオレイルマレート、ジブチル・スズ・ジメチ
ルマレート、ジブチル・スズ・マレート、ジブチル・ス
ズ・メトキシメチルマレート、ジブチル・スズ・ジオク
チルマレート、ジブチル・スズ・ジオクチル・チオグリ
コレート、ジブチル・スズ・ジラウリル・メルカプタイ
ド、トリベンジル・スズ・オクチルマレート、トリベン
ジル・スズ・トリメチルマレート等を挙げることができ
る。 そして、これらの有機スズ化合物は、それぞれ単独で
も、複数種混合した混合物として使用することもでき、
通常、市販のものの中から適宜選んで使用することがで
きる。
用される有機スズ化合物としては、次式で表されるもの
である。 (R1 ,R2 ,R3 ,R4 :炭素数1〜12の飽和炭化
水素基であり、それぞれが同じでも異なってもかまわな
く、好ましくは炭素数が3〜12の飽和炭化水素基であ
る。 Y1 ,Y2 :脂肪酸、マレイン酸誘導体、メルカプタ
ン、メルカプト酸等であり、それぞれが同じでも異なっ
てもかまわなく、好ましくは、脂肪酸、マレイン酸誘導
体である。 X1 :酸素原子、硫黄原子、マレイン酸等であり、好ま
しくは、酸化原子、マレイン酸である。 n:0または1〜30の整数であり、好ましくは0また
は1〜25の整数、特に好ましくは、0または1〜20
の整数である。) これらの有機スズ化合物の具体例としては、モノブチル
・スズ・トリメチルマレート、モノブチル・スズ・トリ
オクチルマレート、ジブチル・スズ・ジラウレート、ジ
ブチル・スズ・ラウレート・メチルマレート、ジブチル
・スズ・ジオレイルマレート、ジブチル・スズ・ジメチ
ルマレート、ジブチル・スズ・マレート、ジブチル・ス
ズ・メトキシメチルマレート、ジブチル・スズ・ジオク
チルマレート、ジブチル・スズ・ジオクチル・チオグリ
コレート、ジブチル・スズ・ジラウリル・メルカプタイ
ド、トリベンジル・スズ・オクチルマレート、トリベン
ジル・スズ・トリメチルマレート等を挙げることができ
る。 そして、これらの有機スズ化合物は、それぞれ単独で
も、複数種混合した混合物として使用することもでき、
通常、市販のものの中から適宜選んで使用することがで
きる。
【0011】第3級アミン化合物 本発明の樹脂組成物成形体において、付加的成分として
使用される第3級アミン化合物とは、第3級アミン構造
を有する低分子化合物から、高分子化合物までを指す。 第3級アミン構造を有する低分子化合物 第3級アミン構造を有する低分子化合物としては、その
分子量が約1,000以下のものを指す。具体的な例と
しては、トリエチレンジアミン、ジメチルアミノプロピ
ルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、テトラグア
ニジン、1,8−ジアザビシクロ−(5,4,0)−7
−ウンデセン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)
ラウリルアミン、及び、テトラキス(N−メチル−2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,
3,4−ブタンテトラカルボキシレート等が挙げられ
る。これらのものは、市販されるものの中から適宜選ん
で用いることができる。
使用される第3級アミン化合物とは、第3級アミン構造
を有する低分子化合物から、高分子化合物までを指す。 第3級アミン構造を有する低分子化合物 第3級アミン構造を有する低分子化合物としては、その
分子量が約1,000以下のものを指す。具体的な例と
しては、トリエチレンジアミン、ジメチルアミノプロピ
ルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、テトラグア
ニジン、1,8−ジアザビシクロ−(5,4,0)−7
−ウンデセン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)
ラウリルアミン、及び、テトラキス(N−メチル−2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,
3,4−ブタンテトラカルボキシレート等が挙げられ
る。これらのものは、市販されるものの中から適宜選ん
で用いることができる。
【0012】第3級アミン構造を有する高分子化合物 第3級アミン構造を有する高分子化合物としては、その
分子量が1,000以上で、常温で液体、半固体、固体
のポリマーが含まれる。この第3級アミン構造を有する
高分子化合物としては、第3級アミン基含有変性オレフ
ィン重合体を挙げることができる。第3級アミノ基含有
変性オレフィン重合体とは、構造的な見地から、分岐状
あるいは線状の炭素鎖中に、不規則あるいは規則的に、
第3級アミノ基含有不飽和化合物が、共重合していた
り、第3級アミン構造を有する側鎖がグラフトしている
構造を有するもの全般を指す。具体的には、第3級アミ
ノ基含有不飽和化合物の含量が0.1〜50重量%、好
ましくは0.5〜40重量%、特に好ましくは1〜40
重量%を示すものであり、JIS−K6760に準拠し
て測定したメルトフローレート(MFR)が、0.1〜
1,000g/10分のものが好ましく、特に好ましく
は0.5〜700g/10分のものである。
分子量が1,000以上で、常温で液体、半固体、固体
のポリマーが含まれる。この第3級アミン構造を有する
高分子化合物としては、第3級アミン基含有変性オレフ
ィン重合体を挙げることができる。第3級アミノ基含有
変性オレフィン重合体とは、構造的な見地から、分岐状
あるいは線状の炭素鎖中に、不規則あるいは規則的に、
第3級アミノ基含有不飽和化合物が、共重合していた
り、第3級アミン構造を有する側鎖がグラフトしている
構造を有するもの全般を指す。具体的には、第3級アミ
ノ基含有不飽和化合物の含量が0.1〜50重量%、好
ましくは0.5〜40重量%、特に好ましくは1〜40
重量%を示すものであり、JIS−K6760に準拠し
て測定したメルトフローレート(MFR)が、0.1〜
1,000g/10分のものが好ましく、特に好ましく
は0.5〜700g/10分のものである。
【0013】この第3級アミノ基含有変性オレフィン重
合体は、第3級アミノ基含有不飽和化合物を用いて、周
知の方法によって製造することができる。例えば高圧ラ
ジカル重合法による製造の場合、エチレン、第3級アミ
ノ基含有不飽和化合物およびラジカル重合開始剤を、例
えば圧力1,000〜3,000気圧、温度90〜30
0℃に保たれた反応帯域中に、エチレン:第3級アミノ
基含有不飽和化合物の比が1:0.0001〜1:0.
1となるように連続的に供給して、転化率3〜20%に
てエチレン共重合体とし、反応帯域から該共重合体を連
続的に取り出すことによって製造される。また、グラフ
ト重合法による製造の場合にも周知の方法によって製造
することができる。オレフィン系ポリマーと反応させる
第3級アミノ基含有不飽和化合物およびラジカル重合開
始剤を、水溶液中に懸濁させ、系内の温度を開始剤の分
解温度まで加熱し、ポリオレフィンにグラフト反応を起
こし、変性させることによって製造される。
合体は、第3級アミノ基含有不飽和化合物を用いて、周
知の方法によって製造することができる。例えば高圧ラ
ジカル重合法による製造の場合、エチレン、第3級アミ
ノ基含有不飽和化合物およびラジカル重合開始剤を、例
えば圧力1,000〜3,000気圧、温度90〜30
0℃に保たれた反応帯域中に、エチレン:第3級アミノ
基含有不飽和化合物の比が1:0.0001〜1:0.
1となるように連続的に供給して、転化率3〜20%に
てエチレン共重合体とし、反応帯域から該共重合体を連
続的に取り出すことによって製造される。また、グラフ
ト重合法による製造の場合にも周知の方法によって製造
することができる。オレフィン系ポリマーと反応させる
第3級アミノ基含有不飽和化合物およびラジカル重合開
始剤を、水溶液中に懸濁させ、系内の温度を開始剤の分
解温度まで加熱し、ポリオレフィンにグラフト反応を起
こし、変性させることによって製造される。
【0014】このような第3級アミノ基含有不飽和化合
物としては、次式で表される。 (R5 :水素または、炭素数1〜4の飽和炭化水素基で
あり、好ましくは水素原子、または、炭素数が1〜2の
飽和水素基である。 R6 :炭素数2〜12の飽和炭化水素基であり、好まし
くは炭素数2〜6の飽和炭化水素基である。 R7 、R8 :炭素数1〜12の飽和炭化水素基であり、
好ましくは、炭素数1〜6、特に好ましくは1〜3の飽
和炭化水素基である。またここでR7 、R8 は同じでも
異なっていてもよい。 X:酸素原子または−NR9 −、硫黄原子であり、好ま
しくは、酸素原子、−NR9 −である。 R9 :水素原子または炭素数1〜12の飽和炭化水素基
であり、好ましくは水素原子または炭素数1〜6の飽和
炭化水素基である。 これら第3級アミン化合物の具体例としては、2−(ジ
メチルアミノ)エチルアクリレート、2−(ジエチルア
ミノ)エチルアクリレート、2−(ジメチルアミノ)エ
チルメタクリレート、2−(ジエチルアミノ)エチルメ
タクリレート、2−〔ジ(t−ブチル)アミノ〕エチル
アクリレート、2−〔ジ(t−ブチル)アミノ〕エチル
メタクリレート、3−(ジメチルアミノ)−プロピルア
クリルアミド、および3−(ジメチルアミノ)−プロピ
ルメタクリルアミド等を挙げることができる。
物としては、次式で表される。 (R5 :水素または、炭素数1〜4の飽和炭化水素基で
あり、好ましくは水素原子、または、炭素数が1〜2の
飽和水素基である。 R6 :炭素数2〜12の飽和炭化水素基であり、好まし
くは炭素数2〜6の飽和炭化水素基である。 R7 、R8 :炭素数1〜12の飽和炭化水素基であり、
好ましくは、炭素数1〜6、特に好ましくは1〜3の飽
和炭化水素基である。またここでR7 、R8 は同じでも
異なっていてもよい。 X:酸素原子または−NR9 −、硫黄原子であり、好ま
しくは、酸素原子、−NR9 −である。 R9 :水素原子または炭素数1〜12の飽和炭化水素基
であり、好ましくは水素原子または炭素数1〜6の飽和
炭化水素基である。 これら第3級アミン化合物の具体例としては、2−(ジ
メチルアミノ)エチルアクリレート、2−(ジエチルア
ミノ)エチルアクリレート、2−(ジメチルアミノ)エ
チルメタクリレート、2−(ジエチルアミノ)エチルメ
タクリレート、2−〔ジ(t−ブチル)アミノ〕エチル
アクリレート、2−〔ジ(t−ブチル)アミノ〕エチル
メタクリレート、3−(ジメチルアミノ)−プロピルア
クリルアミド、および3−(ジメチルアミノ)−プロピ
ルメタクリルアミド等を挙げることができる。
【0015】また上記第3級アミノ基含有不飽和化合物
と共重合する場合のオレフィン系モノマー成分として
は、エチレン、プロピレン、1−ブテン等のα−オレフ
ィン類が挙げられるが、これらの中では、特にエチレン
が好ましい。また上記第3級アミノ基含有不飽和化合物
をグラフトさせる場合の幹ポリマーとして用いられるオ
レフィン系重合体成分としては、前記オレフィン系樹脂
((a)成分)およびオレフィン系エラストマー
((b)成分)等を挙げることができ、これらの中で
は、ポリエチレン系樹脂、プロピレン系樹脂およびエチ
レン系エラストマーが好ましい。また第3級アミノ基含
有変性オレフィン系重合体を製造する際に、上記第3級
アミノ基含有不飽和化合物と共重合することのできるモ
ノマー成分としては、メチルアクリレート、エチルアク
リレート、ブチルアクリレート、メチルメタアクリレー
ト等の不飽和カルボン酸エステル;スチレン、α−メチ
ルスチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族化合物;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル化
合物;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のビ
ニルピリジン;メチルビニルエーテル、2−クロルエチ
ルビニルエーテル等のビニルエーテル;塩化ビニル、臭
化ビニル等のハロゲン化ビニル;酢酸ビニル等のビニル
エステル;アクリルアミド等を挙げることができ、これ
らを用いて、三元系、あるいはさらに多元系変性ポリオ
レフィンとして用いることも可能である。そしてこれら
の変性ポリオレフィンは、それぞれ単独でも、複数種混
合した混合物としても使用することができる。以上挙げ
た第3級アミン化合物の中では使用に際して、ブリード
アウトする心配の少ない第3級アミノ基含有変性オレフ
ィン系重合体が好ましい。
と共重合する場合のオレフィン系モノマー成分として
は、エチレン、プロピレン、1−ブテン等のα−オレフ
ィン類が挙げられるが、これらの中では、特にエチレン
が好ましい。また上記第3級アミノ基含有不飽和化合物
をグラフトさせる場合の幹ポリマーとして用いられるオ
レフィン系重合体成分としては、前記オレフィン系樹脂
((a)成分)およびオレフィン系エラストマー
((b)成分)等を挙げることができ、これらの中で
は、ポリエチレン系樹脂、プロピレン系樹脂およびエチ
レン系エラストマーが好ましい。また第3級アミノ基含
有変性オレフィン系重合体を製造する際に、上記第3級
アミノ基含有不飽和化合物と共重合することのできるモ
ノマー成分としては、メチルアクリレート、エチルアク
リレート、ブチルアクリレート、メチルメタアクリレー
ト等の不飽和カルボン酸エステル;スチレン、α−メチ
ルスチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族化合物;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル化
合物;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のビ
ニルピリジン;メチルビニルエーテル、2−クロルエチ
ルビニルエーテル等のビニルエーテル;塩化ビニル、臭
化ビニル等のハロゲン化ビニル;酢酸ビニル等のビニル
エステル;アクリルアミド等を挙げることができ、これ
らを用いて、三元系、あるいはさらに多元系変性ポリオ
レフィンとして用いることも可能である。そしてこれら
の変性ポリオレフィンは、それぞれ単独でも、複数種混
合した混合物としても使用することができる。以上挙げ
た第3級アミン化合物の中では使用に際して、ブリード
アウトする心配の少ない第3級アミノ基含有変性オレフ
ィン系重合体が好ましい。
【0016】(2)量比 本発明においては上記(a)成分〜(e)成分の配合割
合が特に重要である。上記(a)成分の配合量は前記
(b)成分との合計量100重量部中に30〜70重量
部、好ましくは55〜65重量部の割合にて使用され
る。従って、(b)成分の配合量は前記(a)成分との
合計量100重量部中に70〜30重量部、好ましくは
45〜35重量部の割合にて使用される。該(a)成分
の配合量が上記範囲を超えると、すなわち(b)成分の
配合量が上記範囲未満では塗装強度や衝撃強度が劣り、
また、(a)成分の配合量が上記範囲未満、すなわち
(b)成分の配合量が上記範囲を超えると耐熱剛性や表
面硬度が劣る様になり不適である。上記配合量が好まし
い範囲の場合は塗装性能や機械的強度の点で良好となる
ので好ましい。上記(c)成分の配合量は、前記(a)
成分と(b)成分の合計量100重量部に対して0.1
〜25重量部であり、好ましくは0.1〜18重量部で
あり、特に好ましくは0.5〜12重量部である。上記
範囲未満では塗料の付着性の再現性が乏しかったり、塗
装強度が弱かったりする。また、上記範囲を超えると不
経済であるばかりか、該ポリマーのブリードアウトが生
じる為、かえって塗装強度が低下する。上記(d)成分
の配合量は前記(a)成分と(b)成分の合計量100
重量部に対して0.01〜7重量部、好ましくは0.1
〜6重量部、特に好ましくは0.5〜5重量部である。
上記範囲未満では塗装性が劣り、また、上記範囲を超え
ると傷つきによる白化が起こるので不適当である。上記
(e)成分の有機スズ化合物の配合量は前記(a)成分
と(b)成分の合計量100重量部に対して0.01〜
5重量部、好ましくは0.05〜4重量部、特に好まし
くは0.1〜3重量部である。上記範囲未満では塗装強
度が劣り、また、上記範囲を超えるとブリードアウトが
生じるため、かえって塗装強度が低下する。上記(e)
成分の第3級アミン化合物の配合量は前記(a)成分と
(b)成分の合計量100重量部に対して0.01〜2
0重量部、好ましくは0.05〜18重量部、特に好ま
しくは0.1〜17重量部の範囲内である。上記範囲未
満では塗装強度が劣り、上記範囲を超えると物性バラン
スが劣るようになり不適当である。
合が特に重要である。上記(a)成分の配合量は前記
(b)成分との合計量100重量部中に30〜70重量
部、好ましくは55〜65重量部の割合にて使用され
る。従って、(b)成分の配合量は前記(a)成分との
合計量100重量部中に70〜30重量部、好ましくは
45〜35重量部の割合にて使用される。該(a)成分
の配合量が上記範囲を超えると、すなわち(b)成分の
配合量が上記範囲未満では塗装強度や衝撃強度が劣り、
また、(a)成分の配合量が上記範囲未満、すなわち
(b)成分の配合量が上記範囲を超えると耐熱剛性や表
面硬度が劣る様になり不適である。上記配合量が好まし
い範囲の場合は塗装性能や機械的強度の点で良好となる
ので好ましい。上記(c)成分の配合量は、前記(a)
成分と(b)成分の合計量100重量部に対して0.1
〜25重量部であり、好ましくは0.1〜18重量部で
あり、特に好ましくは0.5〜12重量部である。上記
範囲未満では塗料の付着性の再現性が乏しかったり、塗
装強度が弱かったりする。また、上記範囲を超えると不
経済であるばかりか、該ポリマーのブリードアウトが生
じる為、かえって塗装強度が低下する。上記(d)成分
の配合量は前記(a)成分と(b)成分の合計量100
重量部に対して0.01〜7重量部、好ましくは0.1
〜6重量部、特に好ましくは0.5〜5重量部である。
上記範囲未満では塗装性が劣り、また、上記範囲を超え
ると傷つきによる白化が起こるので不適当である。上記
(e)成分の有機スズ化合物の配合量は前記(a)成分
と(b)成分の合計量100重量部に対して0.01〜
5重量部、好ましくは0.05〜4重量部、特に好まし
くは0.1〜3重量部である。上記範囲未満では塗装強
度が劣り、また、上記範囲を超えるとブリードアウトが
生じるため、かえって塗装強度が低下する。上記(e)
成分の第3級アミン化合物の配合量は前記(a)成分と
(b)成分の合計量100重量部に対して0.01〜2
0重量部、好ましくは0.05〜18重量部、特に好ま
しくは0.1〜17重量部の範囲内である。上記範囲未
満では塗装強度が劣り、上記範囲を超えると物性バラン
スが劣るようになり不適当である。
【0017】(3)付加的成分 上記本発明の樹脂組成物成形体は通常着色する為の顔料
が配合されたり、更に他の各種性能の向上をはかる為、
上記必須の構成成分(a)成分〜(e)成分の他に、炭
化水素系ゴム用軟化剤(平均分子量300〜1,00
0)、各種可塑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、
分散剤等の各種転化剤を添加することも出来る。更に本
発明の効果を著しく損なわない範囲内で前記各(a)〜
(e)成分以外の各種樹脂、各種エラストマー、ガラス
繊維、ガラスバルーン、炭素繊維等の各種フィラー等の
配合材を配合することができる。特に、以下に述べる
(f)成分は、上記付加的配合成分の中でも特に好まし
いものである。
が配合されたり、更に他の各種性能の向上をはかる為、
上記必須の構成成分(a)成分〜(e)成分の他に、炭
化水素系ゴム用軟化剤(平均分子量300〜1,00
0)、各種可塑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、
分散剤等の各種転化剤を添加することも出来る。更に本
発明の効果を著しく損なわない範囲内で前記各(a)〜
(e)成分以外の各種樹脂、各種エラストマー、ガラス
繊維、ガラスバルーン、炭素繊維等の各種フィラー等の
配合材を配合することができる。特に、以下に述べる
(f)成分は、上記付加的配合成分の中でも特に好まし
いものである。
【0018】(f)成分:エチレン重合体 上記本発明の樹脂組成物成形体において付加的成分とし
て用いられるエチレン重合体としては、低密度ポリエチ
レン(分岐状エチレン重合体)や中密度、高密度ポリエ
チレン(直鎖状エチレン共重合体)を挙げることができ
る。特に耐熱性の点から好ましいものは中密度、高密度
ポリエチレン(直鎖状エチレン共重合体)である。上記
直鎖状エチレン共重合体は、密度が0.915〜0.9
70g/cm3 であり、MFR(190℃、2.16k
g)が0.5〜200g/10分、好ましくは10〜1
50g/10分のエチレンとα−オレフィンとの直鎖状
エチレン共重合体である。ここでα−オレフィンとして
は、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−
1、オクテン−1等であり、これらを2種以上併用して
も良い。また、このような直鎖状エチレン共重合体の製
造方法としては、圧力5〜2,500kg/cm2 、温
度50〜300℃の条件下でチーグラー型触媒、バナジ
ウム型触媒、カミンスキー型触媒等の触媒を使用して、
エチレンとα−オレフィンを共重合する方法が採られ
る。例えば、特公昭56−18132号公報等に記載さ
れる方法が知られている。このような(f)成分のエチ
レン共重合体の配合量は、前記(a)成分と(b)成分
の合計量100重量部に対して一般に3〜25重量部、
好ましくは3〜20重量部、特に好ましくは3〜15重
量部である。(f)成分の配合量が上記範囲未満では塗
装強度が劣り、また、上記範囲を超えると物性バランス
が劣る様になり不適当である。また、その他の成分とし
て炭化水素系ゴム用軟化剤は加工性、柔軟性のコントロ
ールを行うために重要な役割を持つものである。炭化水
素系ゴム用軟化剤は、芳香族環、ナフテン環およびパラ
フィン鎖三者の組み合わせ混合物であって、パラフィン
鎖炭素数が全炭素中の50%以上を占めるものがパラフ
ィン系と呼ばれ、ナフテン環炭素数が30〜45%のも
のがナフテン系、芳香族炭素数が30%より多いものが
芳香族系と呼ばれ、区分されている。これらの中で好ま
しいものはパラフィン系であり、本発明においては実施
例に(g)成分として記載した。
て用いられるエチレン重合体としては、低密度ポリエチ
レン(分岐状エチレン重合体)や中密度、高密度ポリエ
チレン(直鎖状エチレン共重合体)を挙げることができ
る。特に耐熱性の点から好ましいものは中密度、高密度
ポリエチレン(直鎖状エチレン共重合体)である。上記
直鎖状エチレン共重合体は、密度が0.915〜0.9
70g/cm3 であり、MFR(190℃、2.16k
g)が0.5〜200g/10分、好ましくは10〜1
50g/10分のエチレンとα−オレフィンとの直鎖状
エチレン共重合体である。ここでα−オレフィンとして
は、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−
1、オクテン−1等であり、これらを2種以上併用して
も良い。また、このような直鎖状エチレン共重合体の製
造方法としては、圧力5〜2,500kg/cm2 、温
度50〜300℃の条件下でチーグラー型触媒、バナジ
ウム型触媒、カミンスキー型触媒等の触媒を使用して、
エチレンとα−オレフィンを共重合する方法が採られ
る。例えば、特公昭56−18132号公報等に記載さ
れる方法が知られている。このような(f)成分のエチ
レン共重合体の配合量は、前記(a)成分と(b)成分
の合計量100重量部に対して一般に3〜25重量部、
好ましくは3〜20重量部、特に好ましくは3〜15重
量部である。(f)成分の配合量が上記範囲未満では塗
装強度が劣り、また、上記範囲を超えると物性バランス
が劣る様になり不適当である。また、その他の成分とし
て炭化水素系ゴム用軟化剤は加工性、柔軟性のコントロ
ールを行うために重要な役割を持つものである。炭化水
素系ゴム用軟化剤は、芳香族環、ナフテン環およびパラ
フィン鎖三者の組み合わせ混合物であって、パラフィン
鎖炭素数が全炭素中の50%以上を占めるものがパラフ
ィン系と呼ばれ、ナフテン環炭素数が30〜45%のも
のがナフテン系、芳香族炭素数が30%より多いものが
芳香族系と呼ばれ、区分されている。これらの中で好ま
しいものはパラフィン系であり、本発明においては実施
例に(g)成分として記載した。
【0019】〔II〕樹脂組成物成形体の製造 上記必須の構成成分の(a)成分〜(e)成分を、場合
により付加的成分の(f)成分や(g)成分等の各成分
を配合してなる樹脂組成物は、例えば一軸押出機、二軸
押出機、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダープ
ラストグラフ、ニーダー等の通常の混練機を用いて混練
して得られるのが一般的である。各成分の分散を良好に
する混練方法を選ぶのが好ましく、一般に二軸押出機を
用いて混練される。この様にして得られた樹脂組成物を
用いて成形することによって軟質自動車部材としての成
形体が得られる。成形は、通常の方法によって行うこと
が出来る。すなわち、射出成形、圧縮成形、押出成形
(シート成形、ブロー成形)等のいずれの成形方法であ
っても構わないが、中でも射出成形が好ましい。
により付加的成分の(f)成分や(g)成分等の各成分
を配合してなる樹脂組成物は、例えば一軸押出機、二軸
押出機、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダープ
ラストグラフ、ニーダー等の通常の混練機を用いて混練
して得られるのが一般的である。各成分の分散を良好に
する混練方法を選ぶのが好ましく、一般に二軸押出機を
用いて混練される。この様にして得られた樹脂組成物を
用いて成形することによって軟質自動車部材としての成
形体が得られる。成形は、通常の方法によって行うこと
が出来る。すなわち、射出成形、圧縮成形、押出成形
(シート成形、ブロー成形)等のいずれの成形方法であ
っても構わないが、中でも射出成形が好ましい。
【0020】〔III 〕塗装 上記の様にして得られた成形体の表面に、塗料を直接塗
布して、該表面に塗膜を直接、形成させる。塗装法とし
ては、従来の塗装工程からプライマー塗布工程を除いた
工程にて行なうことが出来る。また、塗膜の付着力を高
める為に行われているプラズマ処理工程も省略すること
が出来る。即ち、表面改質工程を施していない成形体に
直接、塗料を塗布できるものである。ただ、塗料を塗布
する前に脱脂処理などの補助的な表面処理を施すことは
構わない。このような脱脂処理とは、一般に塗料を塗布
する直前に行われている通常の操作で、これによって成
形体の成形から塗装前までの工程で不可避的に成形体の
表面に付着する手垢や機械油等を洗浄除去することが出
来る。具体的には、有機溶剤液またはその蒸気、水、水
蒸気、酸、アルカリ液或は界面活性剤水溶液等による洗
浄法があり、これらの中では、有機溶剤の蒸気を用いた
洗浄、水・温水又はアルカリ液や中性洗剤等を添加した
水・温水を用いた洗浄やアルコール洗浄等が好んで用い
られる。塗料の塗布手段としては、スプレーによる吹き
付け、はけ塗り、ローラーによる塗布などがあるが、い
ずれの方法も採用することが出来る。塗料としては、一
般に広く用いられる塗料、例えば、アクリル系塗料、エ
ポキシ系塗料、ポリエステル系塗料、ウレタン系塗料、
アルキッド系塗料、メラミン系塗料等を挙げることが出
来る。この中ではアクリル系塗料、メラミン系塗料、ポ
リエステル系塗料、ウレタン系塗料を用いることが好ま
しい。
布して、該表面に塗膜を直接、形成させる。塗装法とし
ては、従来の塗装工程からプライマー塗布工程を除いた
工程にて行なうことが出来る。また、塗膜の付着力を高
める為に行われているプラズマ処理工程も省略すること
が出来る。即ち、表面改質工程を施していない成形体に
直接、塗料を塗布できるものである。ただ、塗料を塗布
する前に脱脂処理などの補助的な表面処理を施すことは
構わない。このような脱脂処理とは、一般に塗料を塗布
する直前に行われている通常の操作で、これによって成
形体の成形から塗装前までの工程で不可避的に成形体の
表面に付着する手垢や機械油等を洗浄除去することが出
来る。具体的には、有機溶剤液またはその蒸気、水、水
蒸気、酸、アルカリ液或は界面活性剤水溶液等による洗
浄法があり、これらの中では、有機溶剤の蒸気を用いた
洗浄、水・温水又はアルカリ液や中性洗剤等を添加した
水・温水を用いた洗浄やアルコール洗浄等が好んで用い
られる。塗料の塗布手段としては、スプレーによる吹き
付け、はけ塗り、ローラーによる塗布などがあるが、い
ずれの方法も採用することが出来る。塗料としては、一
般に広く用いられる塗料、例えば、アクリル系塗料、エ
ポキシ系塗料、ポリエステル系塗料、ウレタン系塗料、
アルキッド系塗料、メラミン系塗料等を挙げることが出
来る。この中ではアクリル系塗料、メラミン系塗料、ポ
リエステル系塗料、ウレタン系塗料を用いることが好ま
しい。
【0021】本発明の塗装された軟質成形体は、塗料が
一般に10〜100μm、好ましくは15〜70μmの
厚さで塗布され、その塗膜は通常500g/cm以上、
特に700〜2,000g/cmの剥離強度で強固に付
着し、然も塗装性能のうち実質的に極めて重要な耐温水
性が優れているのに加え、日光に直接暴露される非塗装
部分の耐候性も高水準であるため、フェンダー、ドアパ
ネル、バンパー、スポイラー、マッドガード、サイドモ
ール、ホイールキャップ、インストルメントパネル、ト
リム、コンソール、ハンドルパッド等の自動車部材とし
て高い実用性を有する。
一般に10〜100μm、好ましくは15〜70μmの
厚さで塗布され、その塗膜は通常500g/cm以上、
特に700〜2,000g/cmの剥離強度で強固に付
着し、然も塗装性能のうち実質的に極めて重要な耐温水
性が優れているのに加え、日光に直接暴露される非塗装
部分の耐候性も高水準であるため、フェンダー、ドアパ
ネル、バンパー、スポイラー、マッドガード、サイドモ
ール、ホイールキャップ、インストルメントパネル、ト
リム、コンソール、ハンドルパッド等の自動車部材とし
て高い実用性を有する。
【0022】
【実施例】以下に実施例および比較例を示して、本発明
をより具体的に説明する。なお、ここで使用した原材料
及び塗装方法及び評価法は次に示すとおりである。 (1)原料 (a)成分 a−1:エチレン含量が40重量%である常温キシレン
可溶分を14重量%含み、共重合体全体のエチレン含量
が9重量%かつMFRが40g/10分であるプロピレ
ン・エチレンブロック共重合体 a−2:エチレン含量が30重量%である常温キシレン
可溶分を16重量%含み、共重合体全体のエチレン含量
が7.5重量%かつMFRが10g/10分であるプロ
ピレン・エチレンブロック共重合体 a−3:エチレン含量が30重量%である常温キシレン
可溶分を16重量%含み、共重合体全体のエチレン含量
が12重量%かつMFRが80g/10分であるプロピ
レン・エチレンブロック共重合体 a−4:曲げ弾性率が13,000kg/cm2 、かつ
MFRが25g/10分のポリプロピレン a−5:エチレン含量が13.8重量%、JIS−K7
203に準拠して測定した曲げ弾性率が13,000k
g/cm2 、かつASTM−D1238に準拠して測定
したMFRが11g/10分で、シラン化合物含量が
2.2重量%であるビニルトリメトキシシラングラフト
・プロピレン・エチレンブロック共重合体(三菱油化社
製 商標“リンクロンXPM700B”)
をより具体的に説明する。なお、ここで使用した原材料
及び塗装方法及び評価法は次に示すとおりである。 (1)原料 (a)成分 a−1:エチレン含量が40重量%である常温キシレン
可溶分を14重量%含み、共重合体全体のエチレン含量
が9重量%かつMFRが40g/10分であるプロピレ
ン・エチレンブロック共重合体 a−2:エチレン含量が30重量%である常温キシレン
可溶分を16重量%含み、共重合体全体のエチレン含量
が7.5重量%かつMFRが10g/10分であるプロ
ピレン・エチレンブロック共重合体 a−3:エチレン含量が30重量%である常温キシレン
可溶分を16重量%含み、共重合体全体のエチレン含量
が12重量%かつMFRが80g/10分であるプロピ
レン・エチレンブロック共重合体 a−4:曲げ弾性率が13,000kg/cm2 、かつ
MFRが25g/10分のポリプロピレン a−5:エチレン含量が13.8重量%、JIS−K7
203に準拠して測定した曲げ弾性率が13,000k
g/cm2 、かつASTM−D1238に準拠して測定
したMFRが11g/10分で、シラン化合物含量が
2.2重量%であるビニルトリメトキシシラングラフト
・プロピレン・エチレンブロック共重合体(三菱油化社
製 商標“リンクロンXPM700B”)
【0023】(b)成分 b−1:ムーニー粘度ML1+4 (100℃)47、プロ
ピレン含量26重量%のエチレン・プロピレン共重合ゴ
ム(EPM) b−2:スチレン含量33重量%、分子量25,000
のスチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共
重合体(SEBS)
ピレン含量26重量%のエチレン・プロピレン共重合ゴ
ム(EPM) b−2:スチレン含量33重量%、分子量25,000
のスチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共
重合体(SEBS)
【0024】(c)成分 c−1:ヨウ素価が1.0(g/100g)かつ水酸基
価が83.7(KOHmg/g)のジエンポリマーの水
素添加物(主原料をブタジエンとして製造された分子量
が約2,900、水酸基価約84のジエンポリマーを水
添して製造したもの。)
価が83.7(KOHmg/g)のジエンポリマーの水
素添加物(主原料をブタジエンとして製造された分子量
が約2,900、水酸基価約84のジエンポリマーを水
添して製造したもの。)
【0025】(d)成分 d−1:比表面積が34,000〜39,000cm2
/g、平均粒径が1.5〜2.0μmのタルク d−2:平均直径が0.2〜0.5μm、繊維長が10
〜20μmのチタン酸カリウムウィスカー d−3:比表面積が10,000〜11,500cm2
/g、平均粒径が0.15〜0.30μmの炭酸カルシ
ウム
/g、平均粒径が1.5〜2.0μmのタルク d−2:平均直径が0.2〜0.5μm、繊維長が10
〜20μmのチタン酸カリウムウィスカー d−3:比表面積が10,000〜11,500cm2
/g、平均粒径が0.15〜0.30μmの炭酸カルシ
ウム
【0026】(e)成分 e−1:ジブチル・スズ・ジラウレート e−2:アデカ・アーガス社製光安定剤「Mark L
A62」で、その構造は下式に示す構造を有する化合物
である。 (式中のR10、R11、R12、R13は次式または−C13H
27を表わすものであり、これらR10、R11、R12、R13
のうち少なくとも1つが、N−メチル−2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル基であり、残りが炭素
数13の飽和炭化水素基を示すものである。)
A62」で、その構造は下式に示す構造を有する化合物
である。 (式中のR10、R11、R12、R13は次式または−C13H
27を表わすものであり、これらR10、R11、R12、R13
のうち少なくとも1つが、N−メチル−2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル基であり、残りが炭素
数13の飽和炭化水素基を示すものである。)
【化1】 e−3:高圧ラジカル重合法により得られた、2−(ジ
メチルアミノ)エチルメタクリレート含有率が30重量
%、JIS−K6760に準拠して測定したMFRが2
g/10分のエチレン・2−(ジメチルアミノ)エチル
メタクリレート共重合体。
メチルアミノ)エチルメタクリレート含有率が30重量
%、JIS−K6760に準拠して測定したMFRが2
g/10分のエチレン・2−(ジメチルアミノ)エチル
メタクリレート共重合体。
【0027】e−4:下記に示す含浸グラフト重合法に
よるEDMA(2)の合成にて得られた幹ポリマーのポ
リエチレンに2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレ
ートおよびスチレンがグラフトしたグラフト共重合体で
2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート含有率が
15重量%、スチレン含有率が25重量%、JIS−K
6760に準拠して測定したMFRが2g/10分の物
性値を示すグラフト共重合体である。グラフト重合法によるe−4の合成 容量10リットルのオートクレーブで、JIS−K67
60に準拠して測定したMFRが100g/10分の線
状低密度ポリエチレンのペレット1080g、2−(ジ
メチルアミノ)エチルメタクリレート270g、スチレ
ン450g、ベンゾイルパーオキサイド6.5g、分散
剤としてリン酸カルシウム〔Ca3 (PO4 )2 〕21
gを水4リットル中に加えて懸濁させた。次いで、該懸
濁液の温度を50℃に3時間保ち、さらに8時間かけて
94℃まで徐々に温度を上昇させながら反応を行なっ
た。反応終了後、得られたペレットを水洗し、遠心分離
器で水分を除去し、80℃で12時間減圧乾燥を行なっ
た。得られたポリマーの2−(ジメチルアミノ)エチル
メタクリレートの含有量は15重量%、スチレン含有量
は25重量%、MFRは2g/10分を示すものであっ
た。
よるEDMA(2)の合成にて得られた幹ポリマーのポ
リエチレンに2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレ
ートおよびスチレンがグラフトしたグラフト共重合体で
2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート含有率が
15重量%、スチレン含有率が25重量%、JIS−K
6760に準拠して測定したMFRが2g/10分の物
性値を示すグラフト共重合体である。グラフト重合法によるe−4の合成 容量10リットルのオートクレーブで、JIS−K67
60に準拠して測定したMFRが100g/10分の線
状低密度ポリエチレンのペレット1080g、2−(ジ
メチルアミノ)エチルメタクリレート270g、スチレ
ン450g、ベンゾイルパーオキサイド6.5g、分散
剤としてリン酸カルシウム〔Ca3 (PO4 )2 〕21
gを水4リットル中に加えて懸濁させた。次いで、該懸
濁液の温度を50℃に3時間保ち、さらに8時間かけて
94℃まで徐々に温度を上昇させながら反応を行なっ
た。反応終了後、得られたペレットを水洗し、遠心分離
器で水分を除去し、80℃で12時間減圧乾燥を行なっ
た。得られたポリマーの2−(ジメチルアミノ)エチル
メタクリレートの含有量は15重量%、スチレン含有量
は25重量%、MFRは2g/10分を示すものであっ
た。
【0028】(f)成分 f−1:密度0.958g/cm3 、MFR(190
℃、2.16kg)が20g/10分のエチレン重合体
℃、2.16kg)が20g/10分のエチレン重合体
【0029】(g)成分 g−1:平均分子量746、環分析0%のパラフィンオ
イル。
イル。
【0030】(2)塗布方法 (前処理、焼付け処理)成形した平板を次の前処理、す
なわちトリクロロエタン蒸気での20秒間脱脂処理
(TCE処理)全くの無洗浄(無処理)を各々行った
後、エアーガンを用いて塗料を塗布した。焼付け乾燥を
終了後、48時間室温で放置し、塗装性試験を行った。 (塗料)市販ポリエステルウレタン系塗料を用いて塗装
を行った。 (塗布)各塗料を各々調合して、エアースプレーガンを
用いて、塗膜厚さが約30μm及び約100μmになる
ようスプレー塗布した。
なわちトリクロロエタン蒸気での20秒間脱脂処理
(TCE処理)全くの無洗浄(無処理)を各々行った
後、エアーガンを用いて塗料を塗布した。焼付け乾燥を
終了後、48時間室温で放置し、塗装性試験を行った。 (塗料)市販ポリエステルウレタン系塗料を用いて塗装
を行った。 (塗布)各塗料を各々調合して、エアースプレーガンを
用いて、塗膜厚さが約30μm及び約100μmになる
ようスプレー塗布した。
【0031】(3)評価 〔機械的強度評価〕 (曲げ弾性率)成形体試片についてJIS−K7203
に準拠して測定した。測定温度は23℃である。 (傷つき試験)試験用シートを100円硬貨でこすり、
その跡を肉眼により観察し、傷つきによる白化具合の確
認を行った。 〔塗料付着性評価〕 (碁盤目剥離)片刃カミソリを用い約30μm厚に塗装
した試験片の表面に直行する縦横11本ずつの平行線を
1mm間隔で引いて碁盤目を100個作る。その上にセ
ロハン粘着テープ(JIS−Z1522)を充分圧着
し、塗膜面と約30度に保ちながら手前に一気に引き剥
し、碁盤目に囲まれた部分の状態を観察し、剥離しなか
った碁盤目の数を記録した。 (ピール強度)約100μm厚に塗装した試験片の表面
に片刃カミソリにて1cm幅で直線カットを施し、その
塗膜の帯状部分を引張試験機にて50mm/分の速度に
て180°裏返す形で引張り、その剥離する際の荷重を
読み取った。 (耐温水試験)40℃の温水中に240時間浸水後、ゴ
バン目試験により評価した。
に準拠して測定した。測定温度は23℃である。 (傷つき試験)試験用シートを100円硬貨でこすり、
その跡を肉眼により観察し、傷つきによる白化具合の確
認を行った。 〔塗料付着性評価〕 (碁盤目剥離)片刃カミソリを用い約30μm厚に塗装
した試験片の表面に直行する縦横11本ずつの平行線を
1mm間隔で引いて碁盤目を100個作る。その上にセ
ロハン粘着テープ(JIS−Z1522)を充分圧着
し、塗膜面と約30度に保ちながら手前に一気に引き剥
し、碁盤目に囲まれた部分の状態を観察し、剥離しなか
った碁盤目の数を記録した。 (ピール強度)約100μm厚に塗装した試験片の表面
に片刃カミソリにて1cm幅で直線カットを施し、その
塗膜の帯状部分を引張試験機にて50mm/分の速度に
て180°裏返す形で引張り、その剥離する際の荷重を
読み取った。 (耐温水試験)40℃の温水中に240時間浸水後、ゴ
バン目試験により評価した。
【0032】〔実施例1〜19及び比較例1〜12〕 (a)成分(粉末)、(b)成分、(c)成分、(d)
成分、(e)成分、(f)成分及び(g)成分を表1〜
表3に示す割合で配合し、更にトリス(2,4−ジ−t
−ブチルフェニル)フォスファイト及び3,9−ビス
〔2−{3−(3−t−ブチル−4−ハイドロキシ−5
−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジ
メチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピ
ロ〔5・5〕ウンデカンを(a)成分〜(e)成分合計
100重量部に対して各々0.1重量部、カーボンブラ
ックのマスターバッチを同3.0重量部、オレイン酸ア
ミドを同0.3重量部各々配合し、高速ミキサーにて充
分混合した。然る後、高速2軸押出機を用いて210℃
の温度条件にて混練造粒し、得られた着色ペレットをス
クリューインライン式射出成形機へ供給して塗装性及び
耐候性評価用シート(100mm×100mm×3m
m)及び物性評価用試片を210℃で成形した。その評
価結果を表1〜表3に示す。
成分、(e)成分、(f)成分及び(g)成分を表1〜
表3に示す割合で配合し、更にトリス(2,4−ジ−t
−ブチルフェニル)フォスファイト及び3,9−ビス
〔2−{3−(3−t−ブチル−4−ハイドロキシ−5
−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジ
メチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピ
ロ〔5・5〕ウンデカンを(a)成分〜(e)成分合計
100重量部に対して各々0.1重量部、カーボンブラ
ックのマスターバッチを同3.0重量部、オレイン酸ア
ミドを同0.3重量部各々配合し、高速ミキサーにて充
分混合した。然る後、高速2軸押出機を用いて210℃
の温度条件にて混練造粒し、得られた着色ペレットをス
クリューインライン式射出成形機へ供給して塗装性及び
耐候性評価用シート(100mm×100mm×3m
m)及び物性評価用試片を210℃で成形した。その評
価結果を表1〜表3に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【発明の効果】本発明の塗装された軟質成形体は、従来
のプロピレン系軟質樹脂で成形された成形体と異なり、
成形体表面に何等の改質処理を施さずに塗料を直接塗布
できるので、塗装工程の簡略化、作業環境の改善、コス
トの低減化等を図ることができ、しかも、得られた製品
は機械的強度、耐温水性を含めた実用充分な塗料付着性
能を有しており、バンパー、スポイラー、マッドガー
ド、サイドモール、ホイールキャップ、インストルメン
トパネル等の自動車部材として好適である優れたもので
ある。
のプロピレン系軟質樹脂で成形された成形体と異なり、
成形体表面に何等の改質処理を施さずに塗料を直接塗布
できるので、塗装工程の簡略化、作業環境の改善、コス
トの低減化等を図ることができ、しかも、得られた製品
は機械的強度、耐温水性を含めた実用充分な塗料付着性
能を有しており、バンパー、スポイラー、マッドガー
ド、サイドモール、ホイールキャップ、インストルメン
トパネル等の自動車部材として好適である優れたもので
ある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08K 7/08 C08K 7/08 C08L 9/06 C08L 9/06 23/16 23/16 53/02 53/02 (56)参考文献 特開 平3−277636(JP,A) 特開 平4−216832(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 53/00 C08K 3/34 C08K 5/17 C08K 5/57 C08K 7/08 C08L 9/06 C08L 23/16 C08L 53/02
Claims (1)
- 【請求項1】 下記の(a)成分〜(e)成分から成
り、曲げ弾性率(JIS−6703)が10,000k
g/cm2 以下である樹脂組成物成形体の表面に塗膜が
形成されていることを特徴とする塗装された軟質成形
体。 (a)成分:エチレン含量が20〜70重量%である常
温キシレン可溶分を4〜30重量%含み、共重合体全体
のMFRが1〜200g/10分かつエチレン含量が3
〜21重量%であるプロピレン・エチレンブロック共重
合体:30〜70重量部、 (b)成分:エチレン系エラストマー、水素添加スチレ
ン・ブタジエンブロック共重合体及び水素添加スチレン
・イソプレンブロック共重合体から選ばれた少なくとも
一種のエラストマー:70〜30重量部、 該(a)成分と(b)成分との合計量100重量部に対
して、 (c)成分:末端に水酸基を有するジエンポリマー又は
その水素添加物:0.1〜25重量部、 (d)成分:比表面積が37,000cm2 /g以上、
長さが実質的に15μm以下、平均粒径が0.8〜3.
0μmかつ平均アスペクト比が5以上のタルク、平均直
径が2μm以下かつ平均アスペクト比が5以上のほう酸
アルミニウムウィスカー、同チタン酸カリウムウィスカ
ー、同硫酸マグネシウムウィスカー〔マグネシウムオキ
シサルフェートウィスカーMgSO4 ・5Mg(OH)
2 ・3H2 O〕、同酸化チタンウィスカー、同炭酸カル
シウムウィスカー及び炭酸カルシウムから選ばれた少な
くも一種のフィラー:0.01〜7重量部、 (e)成分:有機スズ化合物:0.01〜5重量部ある
いは、有機スズ化合物:0.01〜5重量部および第3
級アミン化合物:0.01〜20重量部
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