JP3318716B2 - 塗装性の改良された軟質重合体組成物 - Google Patents

塗装性の改良された軟質重合体組成物

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JP3318716B2
JP3318716B2 JP35798591A JP35798591A JP3318716B2 JP 3318716 B2 JP3318716 B2 JP 3318716B2 JP 35798591 A JP35798591 A JP 35798591A JP 35798591 A JP35798591 A JP 35798591A JP 3318716 B2 JP3318716 B2 JP 3318716B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は成形品外観、柔軟性、低
温衝撃性に優れた品質バランスを有し、プライマー塗布
やプラズマ処理等の表面改質なしでも優れた塗装性を有
する軟質重合体組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の軽量化による燃費の向上
を目的とする部品のプラスチックス化が急速に進み、従
来金属であったバンパー、フェンダー、ホイールキャッ
プ、ドア及び車体の一部にまで各種のプラスチックス用
いられるうになった。このような部品に用いられるプラ
スチックスとしては SMC、RIM ウレタン、複合ポリプロ
ピレン、ポリカーボネート・ABS-アロイ材料などが挙げ
られる。
【0003】とりわけ RIMウレタンはバンパー等に広く
用いられるているが、コスト、廃棄物処理等の問題か
ら、エチレン・プロピレン共重合体ゴムを配合したプロ
ピレン系複合樹脂の採用が多くなりつつある。また、ス
ポイラー、マットガード、サイドモールなど従来他のプ
ラスチックスが用いれていた部品についても、成形性、
コスト、リサイクル性などからエチレン・プロピレン共
重合体ゴムを配合したポリプロピレン系複合樹脂が多く
なりつつある。
【0004】しかしながら、このようなポリプロピレン
系樹脂は分子内に極性基を有していないため化学的に不
活性であって、極めて塗装性に劣り、 RIMウレタンのよ
うな1コート塗装(上塗りだけ)が出来ず、上塗りの前
にプライマー塗布あるいはプラズマ処理等の表面改質が
必要であった。
【0005】しかしながら、プライマー塗布法において
は、プライマーが高価であること、塗装工程数が多くな
ることなどから、塗装コストが高くなるといった欠点の
ほか、プライマーの溶媒を揮発させる必要があり、その
ため作業環境が悪く、且つ火災の危険性を伴い、安全性
にも問題があった。
【0006】一方、プラズマ処理法においては、高度の
真空状態が必要で、高価な装置を設置しなければないこ
と、また、処理がバッチ式であることなどからコストの
上昇が避けられず、さらに、プラズマ処理後の表面が不
安定で、異物との接触で塗料の付着性が低下し、塗膜性
能にバラ付きを生じ易いため、その取り扱いが極めて不
便であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、このよう
な前処理工程を省略できれば、塗装工程の簡略化、作業
環境の改善、コストの低減を図ることができる。この問
題の改善については多くの研究がなされてきたが、未だ
に解決には到っておらずポリオレフィン系樹脂素材で
は、上記のプライマー塗布やプラズマ処理の後に塗装が
施されている場合が多い。
【0008】このようなプライマー塗布やプラズマ処理
する工程も省略することができれば塗装工程の簡略化、
作業環境の改善、コストの低減化等が可能なることから
これまでも多くの検討がなされて来たが、いまだに実際
の自動車部品の製造においてはプライマー塗布やプラズ
マ処理等が行なわれているのが実情である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく、これまで RIMウレタンで作られていた部
品に使用できるような成形外観、柔軟性低温衝撃性に優
れた品質バランスを有するポリプロピレン系樹脂の組成
物について検討を重ねた結果、本発明を完成するに至っ
た。
【0010】すなわち、本発明は、 成分A:エチレン含量12重量%以下で且つ230℃、
2.16kg荷重のMFR10〜100g/10分のポ
リプロピレン樹脂30〜70重量部、 成分B:プロピレン含量が10〜70重量%でML
1+4(100℃)が5〜300のエチレン・プロピレ
ン系共重合体ゴム30〜70重量部及び成分Aと成分B
の合計量100重量部に対し、 成分C:1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、
イソプレン、クロロプレン、2,3−ジメチル−1,3
−ブタジエン、及び1−フェニル−1,3−ブタジエン
から選ばれた少なくとも一種の共役ジエンからなる末端
に水酸基を有し、分子量が200〜100,000のジ
エンポリマー又はその水素添加物0.1〜25重量部か
らなり、成分Bと成分Aの一部分又は全量からなる混合
物を有機パーオキサイドの存在下で動的に熱処理した
後、残りの部分を配合したもので、且つJIS−K72
03による曲げ弾性率が1,000〜10,000kg
/cmであることを特徴とする軟質重合体組成物であ
る。
【0011】〔発明の具体的説明〕 (1)構成成分 成分 A:ポリプロピレン樹脂 本発明に用いられるポリプロピレン樹脂は、エチレン含
量が12重量%以下、好ましくは10重量%以下で、且つ 2
30℃、2.16kg荷重の MFRが10〜100 g/10分、好ましくは
10〜80g/10分のポリプロピレン樹脂である。
【0012】ここでエチレン含量は赤外線吸収スペクト
ル分析法等により測定された値であり。 MFRはJIS-K721
0 に準拠して測定したものである。
【0013】このポリプロピレン樹脂は、本発明の効果
を著しく損なわない範囲内で他の不飽和単量体を含有す
る三元以上の共重合体であってもよい。このような不飽
和単量体としては、例えばブテン-1、ヘキセン-1などの
α- オレフィン、7-メチル-1,6-オクタジエン、5-メチ
ル- 1,4-ヘキサジエン、4-メチル- 1,4-ヘキサジエン、
1,9-デカジエンなどの非共役ジエン、酢酸ビニルなどの
ビニルエステル、ビニルトリメトキシシランなどの不飽
和シラン化合物、(メタ)アクリル酸(エステル)、無
水マレイン酸などの不飽和有機酸又はその誘導体等を挙
げることができる。これらの不飽和単量体の重合形態は
グラフト型、ランダム型、ブロック型の何れでもよい。
【0014】成分B:エチレン・プロピレン系共重合体
ゴム 本発明に用いられるエチレン・プロピレン系共重合体ゴ
ムは、プロピレン含量が10〜70重量%、好ましくは20〜
50重量%で、且つムーニー粘度(ML1+4 100 ℃)が 5〜
300 、好ましくは10〜100 のエチレン・プロピレン系共
重合体ゴムを挙げることができる。
【0015】各成分の含量は、赤外線吸収スペクトル分
析や NMR法等の情報により測定された値である。また、
これらのゴムの結晶化度は30%以下のものが好ましい。
これらの製法や形は特に限定されない。
【0016】成分C:末端に水酸基を有するジエンポリ
マー又は水素添加物 本発明において用いられる末端に水酸基を有するジエン
ポリマー又はその水素添加物のうち末端に水酸基を有す
るジエンポリマーには、例えばポリヒドロキシポリブタ
ジエンなどがある。具体的には末端に少なくとも一個の
水酸基を有し、分子量が 200〜100,000 、好ましくは 5
00〜50,000、特に好ましくは 800〜10,000の常温で液
体、半固体、固体のポリマーが含まれる。 1分子当りの
平均水酸基数は一般に 1〜10、特に 1.5〜5 のものが好
ましく、水酸基価(KOHmg/g )が一般に15〜250 、好ま
しくは25〜125 のものである。
【0017】この末端に水酸基を有するジエンポリマー
は、1,3-ジエンを原料に用いて周知の方法、例えばラジ
カル重合法等によって製造することができる。具体的に
は例えば特開昭51-71391号公報に記載されている方法等
を挙げることが出来る。
【0018】これをラジカル重合によって製造する場合
には、過酸化水素を重合開始剤として用いてジエン系モ
ノマーを重合させることにより容易に得られる。また、
アニオン重合触媒、例えばアルカリ金属化合物を用いて
重合ささせることにより得られた両末端の少なくとも一
つにアルカリ金属が結合した構造のリビングポリマー
に、例えばモノエポキシ化合物、ホルムアルデヒド、ア
セトアルデヒド、アセトン若しくはハロゲンアルキレン
オキシド、ポリエポキシ等を反応させればよい。
【0019】これらのポリマーの原料モノマーとして
は、少なくとも 1種類の共役ジエンモノマーが使用され
る。共役ジエンモノマーとしては1,3-ブタジエン、1.3-
ペンタジエン、イソプレン、クロロプレン、2,3-ジメチ
ル- 1,3-ブタジエン、1-フェニル- 1,3-ブタジエン等を
挙げることができる。
【0020】前記末端に水酸基を有するジエンポリマー
の水素添加物としては、上述の末端に水酸基を有するジ
エンポリマーを、通常の方法、例えば特開昭51-71391号
公報に記載されている方法などで水素添加することによ
って得られるものである。水素添加の程度は、ポリマー
中に含まれる二重結合を全部又は部分的に水素添加した
ものであってもよいが、特にヨウ素価が通常 0〜20特に
0〜5(g/100g) のものが好ましい。
【0021】これら末端に水素機を有するジエンポリマ
ー又はその水素添加物はそれぞれ単独でも、複数の混合
物としても使用することができる。
【0022】(2)配合比 本発明においては成分A〜成分Cの配合割合が特に重要
である。上記 成分Aの配合量は成分Bとの合計量 100
重量部中に30〜70重量部、好ましくは55〜65重量部の割
合にて使用さる。従って、成分Bの配合量は成分Aとの
合計量 100重量部中に70〜30重量部、好ましくは45〜35
重量部の割合にて使用される。
【0023】成分Aの配合量が上記範囲を超えると、す
なわち成分Bの配合量が上記範囲未満では、塗装強度や
衝撃強度が劣り、また、成分Aの配合量が上記範囲未
満、すなわち成分Bの配合量が上記範囲を超えると、耐
熱剛性や表面硬度が低下する。上記配合量が好ましい範
囲の場合には塗装性能や機械的強度の点で特に良好とな
る。
【0024】本発明における成分Cの配合量は、前記成
分Aと成分Bとの合計量 100重量部に対して 0.1〜25重
量部であり、好ましくは 0.1〜18、特に好ましくは 0.5
〜12重量部である。上記範囲未満では塗料の付着性の再
現性が乏しく、塗装強度が低下する。また、上記範囲を
超える配合は不経済であるばかりか、成分Cのブリード
アウトが生じ易く、かえって塗装強度が低下する。
【0025】(3)付加的成分 上記本発明の樹脂組成物成形体は、塗装を目的とするの
で、通常は着色するための顔料の配合は不要であるが、
非塗装部のための顔料の配合もあり、顔料の配合を排除
するものではない。また、各種性能の向上をはかるた
め、成分A〜Cの他に炭化水素系ゴム用軟化剤(平均分
子量 300〜1,000 )、各種可塑剤、酸化防止剤、帯電防
止剤、難燃剤、分散剤等の各種添加物を添加することが
出来る。さらに、本発明の効果を著しく損なわない範囲
内で、前記各成分A〜C以外の各種樹脂、各種エラスト
マー、ガラス繊維、ガラスバルーン、炭素繊維等の各種
フィラー等の配合材を配合することができる。
【0026】このような付加的成分のうち、炭化水素系
ゴム用軟化剤は、組成物の加工性、柔軟性のコントロー
ルを行うために重要な役割を持つものである。炭化水素
系ゴム用軟化剤は芳香族環、ナフテン環及びパラフィン
鎖の三者の組み合せ混合物であってパラフィン鎖炭素数
が全炭素中の50%以上を占めるものがパラフィン系と呼
ばれ、ナフテン環炭素数が30〜45%のものがナフテン
系、芳香族炭素数が30%より多いものが芳香族系と呼ば
れ、区分されている。これらの中で好ましいものはパラ
フィン系であり、本発明において実施例に成分Dとして
記載した。この成分の配合量は、成分Aと成分Bの合計
量 100重量部に対して 200重量部以下が好ましい。
【0027】〔II〕樹脂組成物成形体の製造 本発明の樹脂組成物を用いた成形体の製造は、部分架橋
物を製造する第一工程と、得られた部分架橋物と残りの
成分とを配合する第二工程及び得られた組成物を成形す
る成形工程とからなる。
【0028】(第一工程)第一工程においては、少なく
とも本発明の成分Bの全量を有機パーオキサイドの存在
下に熱処理して部分架橋せしめる。この場合、予定され
ている成分Aの配合量の一部又は全量を成分Bと同時に
用いてもよい。また、場合によりこの部分架橋に際して
適当量の付加的成分を同時に存在させてもよい。
【0029】用いられる有機パーオキサイドは、芳香族
系、脂肪族系の何れも使用でき、二種以上のパーオキサ
イドの混合物でもよい。具体的には2,5-ジメチル- 2,5-
ジ(ベンゾイルパーオキシ)- ヘキサン、 tert.ブチル
パーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、2,
5-ジメチル- 2,5-ジ( tert.ブチルパーオキシ)- ヘキ
サン、 tert.ブチルクミルパーオキサイド、ジイソプロ
ピルベンゾヒドロパーオキサイド、1,3-ビス- (tert.ブ
チルパーオキシイソプロピル)- ベンゼン、ベンゾイル
パーオキサイド等が用いられる。
【0030】部分架橋に際しては架橋剤の有機パーオキ
サイドと共に必要に応じて架橋助剤を併用することがで
きる。架橋助剤としては、アクリル系多官能性モノマ
−、例えばエチレングリコールジメタクリレート、ポリ
エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレートなどのほか、ジビニルベンゼ
ン、液状ポリブタジエン等がある。
【0031】第一工程で使用される有機パーオキサイド
及び必要に応じて使用される架橋助剤の量は、成分Bの
100重量部に対して 0.1〜10重量部、通常 0.2〜3 重量
部程度であるが、実際には成分Bの種類、配合比及び得
られる樹脂組成物の品質に影響する成分Bの架橋度を考
慮して定められる。
【0032】第一工程で得られる部分架橋物における成
分Bの架橋度(重量%)は、第一工程の部分架橋物1gを
ソックスレー抽出器を用いて沸騰キシレンにより10時間
抽出した後、残留分を80メッシュ金網を通して得られる
固形分の重量を、同試料中1g中の成分Bの配合量で除し
た値を 100倍した値である。
【0033】本発明において好ましいB成分の架橋度
は、上記の測定値において30重量%以上であり、30重量
%未満では最終的に得られる樹脂組成物の耐熱変形性の
改良効果がみられない。特に好ましい架橋度の範囲は50
〜90重量%である。
【0034】架橋は、この工程で使用される各成分を別
途十分に混練した後、架橋剤の存在下に熱処理すること
によって行なわれる。熱処理はバンバリーミキサー、押
出機などを用いて混練する方法(例えば特公昭53-34210
号、特公昭54-2662 号各明細書ほか)あるいは各成分か
らなるペレット状組成物に架橋剤を導入した後温水中で
熱処理する方法(例えば特開昭56-98248号明細書)を採
用することもできる。
【0035】(第二工程)本発明の第二工程において
は、上記第一工程で得られた架橋物と成分A、C及び付
加的成分の残量とが配合される。配合方法としては次の
3方法が採用される。
【0036】(i) 第一工程で得られた架橋物と残りの
各成分とを混練する方法。 (ii) 第一工程で用いられなかった残りの各成分を別工
程で予め混練し、得られた組成物と第一工程の架橋物と
をドライブレンドして配合する方法。 (iii) 上記(ii)のドライブレンドされた配合物を更に混
練する方法。
【0037】上記3方法における混練は、何れもゴム、
プラスチックス等で通常用いられる方法でよく、例えば
一軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー
その他各種のニーダー等が用いられる。
【0038】なお、本発明の樹脂組成物の製造において
は、少なくとも成分Bの全量を部分架橋せしめることが
必要であり、したがって上記のように第一工程と第二工
程に分けずに全成分を最終配合割合で同時に架橋剤の存
在下に熱処理する方法も採用し得る。
【0039】(成形)成形は通常の方法で行なうことが
できる。すなわち、射出成形、圧縮成形、押出成形(シ
ート成形、ブロー成形)等の成形法が採用できるが、中
でも塗装性の著しい改良効果の点から射出成形が好まし
い。
【0040】〔III 〕塗装 上記によって得られた成形体の表面に塗料を直接塗布し
て塗膜を形成させる。塗装方法としては、従来の塗装工
程からプライマー塗布工程を除いた工程で行なうことが
できる。また、塗膜の付着力を高めるために行なわれて
いるプラズマ処理工程も省略することができる。ただ
し、塗布前の成形体表面に不可避的に付着した、手垢や
機械油などを洗浄除去する通常の脱脂処理などの補助的
表面処理は必要に応じて施される。
【0041】脱脂処理は有機溶剤又はその蒸気、水、水
蒸気、酸、アルカリ液あるいは界面活性剤水溶液等によ
る洗浄法があり、これらの中では有機溶剤の蒸気を用い
る洗浄、水、温水、アルカリ液、中性洗剤を添加した水
又は温水等を用いる洗浄、アルコール洗浄等が好んで用
いられる。
【0042】塗料の塗布手段としては、スプレーによる
吹付け、刷毛塗り、ローラーによる塗布等があり、何れ
の方法も採用することができる。
【0043】塗料としては、一般に広く用いられている
塗料、例えばアクリル系塗料、エポキシ系塗料、ポリエ
ステル系塗料、ウレタン系塗料、アルキッド系塗料、メ
ラミン系塗料等を挙げることができる。この中ではアク
リル系塗料、メラミン系塗料、ポリエステル系塗料、ウ
レタン系塗料を用いることが好ましい。
【0044】本発明による成形体の塗膜は、一般に10〜
100 μm 、好ましくは15〜70μm で、500g/cm 以上の剥
離強度を示し、特に耐温水性に優れている。さらに、日
光に直接暴露される非塗装部分の耐候性も高水準にある
ため、フェンダー、ドアパネル、バンパー、スポイラ
ー、マッドガード、サイドモール、ホイールキャップ、
インストルメントパネル、トリム、コンソール、ハンド
ルパッド等の自動車部材として高い実用性を示す。
【0045】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示して、本発明を
より具体的に説明する。なお、ここで使用した原材料、
塗装方法及び評価法は次に示すとおりである。
【0046】(1)原材料 (成分A) a-1:エチレン含量が40重量%である常温キシレン可溶
分を14重量%含み、共重合体全体のエチレン含量が 9重
量%、且つ MFRが40g/10分であるプロピレン・エチレン
- ブロック共重合体。 a-2 :エチレン含量が30重量%である常温キシレン可溶
分を16重量%含み、共重合体全体のエチレン含量が 7.5
重量%、且つ MFRが10g/10分であるプロピレン・エチレ
ン- ブロック共重合体。 a-3 :エチレン含量が30重量%である常温キシレン可溶
分を16重量%含み、共重合体全体のエチレン含量が12重
量%、且つ MFRが80g/10分であるプロピレン・エチレン
- ブロック共重合体。 a-4 :曲げ弾性率が13,000kg/cm2、且つ MFRが25g/10分
のポリプロピレン。
【0047】(成分B) b-1 :ムーニ粘度ML1+4 (100℃)が24、プロピレン含量
26重量%のエチレン・プロピレン共重合ゴム。 b-2 :ムーニ粘度ML1+4 (100℃)が70、プロピレン含量
27重量%のエチレン・プロピレン共重合ゴム。 b-3 :ムーニ粘度ML1+4 (100℃)が90、プロピレン含量
28重量%のエチレン・プロピレン共重合ゴム。 b-4 :ムーニ粘度ML1+4 (100℃)が70、プロピレン含量
70重量%のエチレン・プロピレン共重合体。
【0048】(成分C) c-1 :ヨウ素価が 1.0(g/100g)で、水酸基価が 83.7(KO
Hmg/g)のジエンポリマーの水素添加物(主原料をブタジ
エンとして製造された分子量が約 2900 、水酸基価約84
のジエンポリマーを水添して製造したもの)。
【0049】(成分D) d-1 :平均分子量 746で環分析 0%のパラフィンオイ
ル。
【0050】(成分E)有機パーオキサイド e-1 :化薬ヌーリー社製「パーカードックス 14/40」、
〔1,3-ビス- (tert.ブチルパーオキシイソプロピル)ベ
ンゼンの40%希釈品、希釈剤:炭酸カルシウム〕。 なお、実施例、比較例におけるパーオキサイド配合量部
数はすべて純品換算した数値である。
【0051】(2)塗布方法 (前処理、焼付け処理)成形した平板をトリクロロエタ
ン蒸気での20秒間脱脂処理(TCE処理) を行った後、エア
ーガンを用いて塗料を塗布した。焼付け乾燥を終了後、
48時間室温で放置し、塗装性試験を行った。
【0052】(塗料)市販ポリエステルウレタン系塗料
を用いて塗装を行った。
【0053】(塗布)各塗料を各々調合して、エアース
プレーガンを用いて、塗膜厚さが約30μm 及び約 100μ
m になるようにスプレー塗布した。
【0054】(3)評価 〔機械的強度評価〕 (曲げ弾性率)成形体試片について JIS-K7203に準拠し
て測定した。測定温度は23℃である。
【0055】〔塗料付着性評価〕 (碁盤目剥離)片刃カミソリを用い約30μm 厚に塗装し
た試験片の表面に直交する縦横11本ずつの平行線を 1mm
間隔で引き、碁盤目を 100個造る。その上にセロハン粘
着テープ(JIS-Z1522) を充分に圧着し、塗装面と約30度
に保ちながら手前に一気に引き剥し、碁盤目に囲まれた
部分の状態を観察し、剥離しなかった碁盤目の数を記録
した。
【0056】(ピール強度)約 100μm 厚に塗装した試
験片の表面に片刃カミソリにて 1cm幅で直線カットを施
し、その塗膜の帯状部分を引張試験機にて 50mm/分の速
度にて 180°裏返す形で、引っ張り、その剥離する際の
荷重を読み取った。
【0057】(耐温水試験)40℃の温水中に 240時間浸
水後、碁盤目試験により評価した。
【0058】実施例1〜12及び比較例1〜4 第一工程 成分A、B、Dを表1に示す割合に従い4 リットルのバ
リーミキサー(170℃、60rpm)に投入し、更に成分Eを成
分Aと成分Bの合計量 100重量部に対し 0.3重量部投入
し、約 5分間混練した。次にロールによりシーティング
し、シートカッターにかけてペレットとした。
【0059】第二工程 第一工程で得られた部分架橋組成分と成分Cの全量及び
成分A、Bの残り、更に成分Aと成分Bの合計量 100重
量部に対し、ペンタエリスリチル- テトラキス〔3-(3,5
- ジ-tert ブチル-4- ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート〕を 0.1重量部、ビス(2,2,6,6- テトラメチル-4-
ピペリジル) セバケートを 0.2重量部及びカーボンブラ
ックを 0.8重量部各々配合し、ヘンシェルミキサーにて
混合し、次に二軸押出機(池貝鉄工社製 PCM45、 200
℃、210rpm) にて混練して樹脂組成物を得た。
【0060】このものを射出成形により物性測定用試料
を成形し、物性を測定した。その結果を表1及び表2に
示す。
【0061】
【表1】
【表2】
【0062】
【発明の効果】本発明の組成物は、適度な柔軟性と優れ
た低温耐衝撃性、造形性を備え、しかもその成形体はプ
ライマー塗布やプラズマー処理等の表面改質をすること
なく塗装できるという優れた塗装性を有し、得られた塗
装品はその外観(塗膜鮮映姓)にも優れている。本発明
による成形体は、特にバンパー、ドアガーニッシュ、ス
ポイラー、マッドガード、サイドモール、ホイールキャ
ップ等の外層品に適している。また、インストルメント
パネル、レバー、ノブ、内張り等の内装部品として使用
した場合も、プライマー塗布、プラズマ処理等の表面改
質をすることなく塗装することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI (C08L 23/16 (C08L 23/16 47:00) 47:00) (56)参考文献 特開 平3−157168(JP,A) 特開 昭56−98248(JP,A) 特公 昭54−2662(JP,B1) 特公 昭53−34210(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/00 - 23/36 C08L 47/00 C08J 3/24

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成分A:エチレン含量12重量%以下で
    且つ230℃、2.16kg荷重のMFR10〜100
    g/10分のポリプロピレン樹脂30〜70重量部、 成分B:プロピレン含量が10〜70重量%でML
    1+4(100℃)が5〜300のエチレン・プロピレ
    ン系共重合体ゴム30〜70重量部及び成分Aと成分B
    の合計量100重量部に対し、 成分C:1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、
    イソプレン、クロロプレン、2,3−ジメチル−1,3
    −ブタジエン、及び1−フェニル−1,3−ブタジエン
    から選ばれた少なくとも一種の共役ジエンからなる末端
    に水酸基を有し、分子量が200〜100,000のジ
    エンポリマー又はその水素添加物0.1〜25重量部か
    らなり、成分Bと成分Aの一部分又は全量からなる混合
    物を有機パーオキサイドの存在下で動的に熱処理した
    後、残りの部分を配合したもので、且つJIS−K72
    03による曲げ弾性率が1,000〜10,000kg
    /cmであることを特徴とする軟質重合体組成物。
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