JPH0680569B2 - 真空バルブ用接点合金の製造法 - Google Patents

真空バルブ用接点合金の製造法

Info

Publication number
JPH0680569B2
JPH0680569B2 JP61043256A JP4325686A JPH0680569B2 JP H0680569 B2 JPH0680569 B2 JP H0680569B2 JP 61043256 A JP61043256 A JP 61043256A JP 4325686 A JP4325686 A JP 4325686A JP H0680569 B2 JPH0680569 B2 JP H0680569B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
boron
alloy
contact
manufacturing
particle size
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP61043256A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS62202425A (ja
Inventor
功 奥富
誠司 千葉
普三 菅井
信昭 中島
秀夫 鈴木
尚志 久津美
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Tokyo Shibaura Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Shibaura Electric Co Ltd filed Critical Tokyo Shibaura Electric Co Ltd
Priority to JP61043256A priority Critical patent/JPH0680569B2/ja
Publication of JPS62202425A publication Critical patent/JPS62202425A/ja
Publication of JPH0680569B2 publication Critical patent/JPH0680569B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Contacts (AREA)
  • High-Tension Arc-Extinguishing Switches Without Spraying Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、しゃ断性能が改良されたホウ素(B、ボロ
ン)含有の真空バルブ用接点合金の製造法に関する。
(従来技術およびその問題点) 真空しゃ断器は、小型、軽量、メンテナンスフリー、環
境調和など、他のしゃ断器に比べ優れた特徴を有するた
め、近年、次第にその適用範囲が拡大され、従来より一
般に使用されている36KV以下の回路から、例えば72KV以
上というような更に高圧の回路への適用が行なわれてい
る。また電流的にも10〜20KA級回路から40KA級というよ
うな更に大電流の回路への適用が行なわれている。この
ような高圧化、大電流化に伴い、再点弧現象の発生の少
ないかつ、大容量しゃ断の可能な接点材料の開発が望ま
れている。この要求に対しては、従来より高耐圧、大容
量真空しゃ断器用の接点材料として用いられているBi、
Pb、Te、Se、Sb等の溶着防止成分を配合したCu基合金は
必ずしも満足すべきものとは云い難い。
上記した高圧下及び大電流下においても再点弧現象を起
こしにくいかつ、大容量しゃ断の可能な接点材料を得る
ためには、一般に(1)耐圧的に欠陥となりやすい脆弱
な溶着防止成分を極力少なくすること、(2)ガス不純
物やピンホール等を極力少なくすること、が望ましい。
これに対し、上記したようにBi、Pb、Te、Se、Sbなどの
蒸気圧の高い元素を含有する接点合金では、鋳塊に気泡
が発生しやすく、特に径の小さな鋳型に鋳込む際には、
気泡が表面付近に多く発生したり、又内部に引け巣を生
じたりするなどの重大な鋳造欠陥が生ずることも多い。
このような欠陥を生じさせないために、一方向凝固法も
採用されているが、この場合も上記溶着防止成分の添加
に伴う弊害は十分には避けられない。特に上記した溶着
防止成分を含む接点合金は、これら成分の母相への固溶
度が低いためしばしば偏折を生ずること、脆く加工性が
劣ること等の欠点がある。
一方、Cuと溶着防止成分との合金に、0.0005〜2%程度
の極く少量のB(ボロン)含有させた接点合金が上記問
題点の軽減化に有益な合金であるという知見を、本発明
者は得ている。しかし、上記合金は上記のようにB(ホ
ロン)量が極めて少量のため、合金中のB(ボロン)含
有量の制御が難しく、その結果素材特性並びに電気特性
のばらつきを招くことが多くB(ボロン)を含有した合
金の製造方法の改善、確立が望まれている。
この発明は上述した背景にもとずいてなされもであり、
その目的とするところは、真空バルブ用接点合金中のB
(ボロン)含有量を正確に制御して接点合金の素材特性
が改善されかつ電気特性のばらつきを解消した合金の製
造法を提供することである。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らの研究によれば、上述の目的が、B(ボロ
ン)含有の真空バルブ用接点合金の製造工程において、
B(ボロン)源として厳密に管理されたものを用い、こ
れを溶湯中に投入することによって達成されることを見
出された。
すなわち、本発明の真空バルブ用接点合金の製造法は、
0.0005〜2重量%のB(ボロン)を含有するCu又は/及
びAgの導電性成分と、Bi、Pb、Te、Se、Sbから選ばれた
少なくとも1種の溶着防止成分とを含む真空バルブ用接
点合金を、合金材料の溶融によって製造するに際して、
1μm〜4mm、好ましくは44〜300μmの範囲にある粒径
を有するB粉と、それと略同等の粒径を有するCu又は/
及びAg粉との均一混合物との集合体、例えば、成形体ま
たは導電材料で収納包括したものを、前記合金のB源と
して用いることを特徴とするものである。
発明の具体的な説明 以下、この発明を、図面を参照しつつ具体的に説明す
る。
真空しゃ断器 第1図は、本発明の製造方法によって得た接点材料を適
用する真空しゃ断器の一構成例を示す正断面図であり、
第2図はその要部拡大図である。図面を参照して、真空
しゃ断器を説明する。しゃ断室1は、セラミック等の絶
縁材料によりほぼ円筒状に形成された絶縁容器2と、こ
の両端に密閉機構3,3aを介して設けた金属製蓋体4およ
び5とで真空気密に区画されている。しかして、このし
ゃ断室1内には、一対の電極棒6,7の互いに対向する端
部にそれぞれ固定電極8および可動電極9が配設されて
いる。また上記可動電極9の電極棒7には、ベローズ10
が取付けられ、しゃ断室1内を真空気密に保持しなが
ら、電極9の往復動による一対の電極8,9の開閉を可能
にしている。またこのベローズ10はフード11により覆わ
れ、アーク蒸気の被着を防止しており、またしゃ断室1
内には更に円筒状金属容器12が設けられ、絶縁容器2へ
のアーク蒸気の被着を防止している。
一方、可動電極9は、その拡大構造を第2図に示すよう
に、導電棒7にロウ材13によって固定されるか、又はか
しめによって圧着接続(図示せず)されており、その上
には可動接点14がロウ材15によって接合されている。ま
た固定電極8の詳細構造(図示せず)も向きが逆となる
のみでほぼ同様であり、これには固定接点14aが設けら
れている。本発明の製造方法によって製造した前記接点
材料は、上記したような接点14,14aの双方またはいずれ
か一方を構成するのに適したものである。
真空バルブ用接点合金 この発明の製造方法が適用される接点合金は、0.0005〜
2重量%のBを含有するCu又は/及びAgの導電性成分
と、Te、Se、Bi等より選ばれた少なくとも1種の溶着成
分とからなる接点合金である。以下、「%」は特記しな
い限り重量%を示すものとする。
この高導電性成分としては、Cu又は/およびAgが通常、
主成分として用いられるが、必要に応じてこれらの一部
を5%(高導電性成分基準)未満のFe、5%未満のCoま
たは1%未満のCrで置換することもできる。また、この
溶着防止成分としては、Bi、Pb、Te、Se、Sbの一種以上
が用いられる。これら元素は本発明の製造方法を適用し
た接点材料中に0.1〜15%の量で用いられる。0.1%未満
では、大電流に対する耐溶着性が劣り、また15%を超え
ると、製造時に偏折等を起こし、健全な接点素材が得が
たいからである。
本発明の製造方法の適用によって、加工性ならびに再点
弧防止特性等に優れた接点材料を得るために、上記した
高導電性成分および溶着防止成分に加えて、接点材料に
は0.005〜2%、好ましくは0.01〜2%のB(ボロン)
を含有せしめる。これは、0.005%未満では、添加効果
が乏しいからである。一方、2%を超えて添加しても、
溶着防止成分との併用において認められる上記した効果
のそれ以上の改善は得られず、溶解により接点材料を得
る場合、B(ボロン)が高導電性成分との間で偏折を起
すようになるからである。
なお、使用される高導電性成分材料および溶着防止成分
材料の品位、溶解作業温度、真空度の変動等の影響を考
慮すると、上記B(ボロン)量の範囲、特に下限は、添
加量でなく、接点材料中の含量として満されるべきであ
る。
接点合金の製造法 次いで接点合金を製造する方法について説明する。この
合金の製造は、たとえば、真空度約1×10-3〜1×10-6
mmHg、1000〜1300℃の条件で高導電性成分を溶解した
後、所定条件で調製されたB(ボロン)源および溶着防
止成分を溶解し、均一に溶解した後鋳型中で冷却固化す
るが、必要によって指向性凝固を行なう。B(ボロン)
および溶着防止成分の添加順序は任意であり、蒸発、飛
散を防止するためにこれら成分の添加はArによって増圧
後に行なうこともできる。
B(ボロン)源の調製 この発明の特徴の一つは、B(ボロン)源が所定条件の
下で調製されることである。
ここで言う所定条件とは、B(ボロン)の粒径が1μm
〜4mm、好ましくは44μm〜300μmの範囲にあることと
共に、その範囲から選択したB(ボロン)と、ほぼ同等
の粒径を持つCu(又は/及びAg)とを使用することが第
1である。その理由は、B(ボロン)粒径が1μm以下
では、比表面積が大きいことに起因する表面の酸化の程
度が大きく、保管管理の条件によってその状態が変動
し、素材特性に対しB(ボロン)の効果を発揮するに際
し、ばらつきを呈するので好ましくないからである。
所定条件の第2は、前記粒径のほぼ揃った両粉末、すな
わちB(ボロン)とCu(又は/及びAg)とを特に充分よ
く、混合した混合体を作ることである。充分よく混合す
るためには、例えばポールミル中で4時間程度回転、攪
拌混合を与える。混合体とする理由は、溶解作業の効率
を上げることと得られた合金の均一性すなわち溶解作業
条件のばらつきに起因する合金特性のばらつきを最小限
に防ぐために重要であり、前記所定条件の第1で述べた
両粉末の粒径をほぼ揃える効果と相まって各合金間のば
らつき及び1個の合金内部のばらつきも、最小限に管理
するために必要である。これらの細かい管理はB(ボロ
ン)が活性であり、かつ粒径が小さい粉末を取扱う為に
重要な条件である。
所定条件の第3は、上記の混合粉体を一定の集合体とし
て用いる。その理由は、細かいこれら両粉末を効率よく
合金組成として添加するための作業管理に重要である。
この集合体は、一定の形状に成型して得ることができ
る。また、成型体とせず混合体を他の導電性金属箔、好
ましくは合金の主成分であるCu(又は/及びAg箔)箔で
包むことも、同じ目的を達し得る。
本発明製造方法に用いるB(ボロン)源は、上記した第
1、第2、第3の所定条件を満すものである。これは、
B(ボロン)−Cu(又は/及びAg)合金の前述した数多
くの利点を効率的に得るのに必須である。
このようにして得たB(ボロン)源を溶融中のCu又は/
及びAg(Cuに対しては1100℃以上、Agに対しては1000℃
以上、真空度は好ましくは10-5Torr以下)溶湯へ投入す
るか、又は更に溶着防止成分も含有した溶湯中へ投入
し、約15分攪拌し、加熱保持後鋳型中へキャストする
が、堆堝中で冷却固化し、溶着防止成分を含有したB
(ボロン)−Cu(又は/及びAg)合金素材を得る。
またB(ボロン)源のなかのB(ボロン)は、B(ボロ
ン)単体のみならず、たとえばCu−Bのような母合金あ
るいはFe−Bのようなホウ素化物の形態を有する粉末で
あって、これとCu(又は/及びAg)粉とでB(ボロン)
源を形成してもよい。
本発明製造方法によって得られた接点材料について、必
要に応じて、切削、研摩等の機械加工を行ない、あるい
は圧延等の塑性加工を行なうことにより所望の形状の接
点が得られる。
(実施例) 以下、この発明を、実施例および比較例によって更に具
体的に説明する。
実施例1〜4、比較例1及び5 平均粒径が44μmの金属ボロンとほぼ同じ粒径を有する
還元電解銅粉とを夫々50gずつ秤量後、乳ばちで予備混
合した。それをステンレス製ポットで約4時間、充分攪
拌混合作業を行ないB−Cu混合体を得た。
上記混合粉体の一部を取り出し、直径5mmの金型を使用
し3.5トン/cm2で成型し、成型体(ボロン源)を得た。
一方、直径82mmの黒鉛堆堝中で約5.2Kgの銅を1250℃で
溶解する。この溶湯中に前記成型体の一個全部、その一
部、又は複数個を適宜投入し合金中のB(ボロン)量
が、0.0005wt%(実施例1)〜2wt%(実施例4)の約1
12mm長のB(ボロン)を含有したCu基合金を得た。尚こ
の合金には、溶着防止成分としてTeを選択しその量は約
3.8wt%を目標としたもので、B(ボロン)源を投入
後、溶着防止成分を投入したものである。後述する評価
方法、条件によってこれらの接点合金の評価結果を第1
表に示した。
第1表から明らかなように、合金中のB(ボロン)の量
が0.0005%(実施例1)、0.005%(実施例2)、0.1%
(実施例3)2.0%(実施例4)の場合は本発明製造方
法を適用すると、再点弧発生率を低く押えた上で所定の
しゃ断特性の確保が可能であったのに対し、B(ボロ
ン)量がゼロ(比較例1)の場合には、本発明製造方法
の適用によっても、前記特性への寄与がなかった。従っ
て本発明製造技術の適用可能な接点合金は、合金中のB
(ボロン)の量が0.0005%〜2%に限定される。
特に、合金中のB(ボロン)の量が0.005%〜0.1%(実
施例2〜3)の場合には、7.2KV−12KAしゃ断テストに
於いて、所定の4号責務(しゃ断電流12KAをO−CO−CO
で試験する。但し、Oはオープン、COはクローズオープ
ンを示す)及び5号責務(O−O−O)テスト以外に、
追加したCOテストも30回以上可能であった。
実施例5〜7、比較例2〜3 平均粒径が0.2μm(比較例2)、1μm、300μm、4m
m(実施例5〜7)の金属ボロンを60gと、ほぼ同じ粒径
を有する電解銅粉を240gとを夫々用意し、これらをステ
ンレス製ボールミルで充分混合し、各粒径を有するB
(ボロン)−Cu混合体を得る。この混合体の一部を取り
出し直径5mmの金型を使用し3トン/cm2で成型し、成型
体を得てボロン源とした。
一方、直径82mmの黒鉛堆堝中で約5Kgの銅を真空度5×1
0-5Torr、温度1300℃で約10分間溶融した後、この溶湯
中に銅−テルル母合金(Cu2Te)を合金中の最終組成が
ほぼ4wt%近傍になるよう調整しながら投入しCu−Te溶
湯を得た。
この溶湯中に前記B(ボロン)源の所定量を適宜投入し
Teを約3.8wt%、B(ボロン)を0.005wt%含有したCu基
B−Te合金(比較例2、3、実施例5〜7)を得た。後
述する方法、条件によってこれらの接点合金の製造方法
を適用するのに有効なB(ボロン)粉の粒径の検討を行
なった。第1表にその評価結果を示した。
第1表から明らかなように、本発明製造方法を適用する
に於いてその効果を有効的に発揮させるためには、B
(ボロン)源中のB粒の粒径も関与することが判った。
すなわちB(ボロン)源中のB(ボロン)の平均粒径が
0.2μm程度に細かすぎると例え本発明の製造方法を適
用しても得られた接点合金には、再点弧発生が多く見ら
れかつ、特性にばらつきが見られ好ましくないことが判
った(比較例2)。その理由は明らかでないが、先にも
述べたようにB(ボロン)が活性な為、微細なものは安
定した保管する管理技術が難しく、表面状態の例えば酸
化の程度にばらつきが生じていることが考えられる。そ
の証拠に比較例2に示したB(ボロン)粒径が0.2μm
の合金評価結果のなかには、極めて低い再点弧発生を示
したケースもある。しかし、多くのロットを安定して品
質を確保する観点からは、経済性、作業性の点でB(ボ
ロン)粒径が0.2μm(比較例2)は、除外することが
得策である。逆にB(ボロン)粒径の上限はB(ボロ
ン)添加後の攪拌技術、溶融中の温度、溶融時間の合理
的選択で、得られた合金中での偏析もなく4mmの場合
(実施例7)に対しても本発明の製造方法を適用するこ
とは効果を発揮する。しかし必要とするB(ボロン)量
が少量のため、大きな径のB(ボロン)では、添加時の
作業技術上すなわち、合金中のB(ボロン)量の制御の
点に問題を生じ4mm程度を用いるべきで、好ましくは300
μm程度であれば本発明の製造方法による利点が効果的
に発揮される。
一方、B(ボロン)源中のB(ボロン)粒径が、1μm
に対してCu粒径が4mmの如く、両者の粒径に大きな差が
あるときやはり、得られた合金は、再点弧特性にばらつ
きが見られ好ましくなく(比較例3)、逆にB(ボロ
ン)粉のみで、Cu粉を使用しないB(ボロン)源も、同
じような現象が見られ好ましくない(比較例5)。
以上によってB(ボロン)源中のB(ボロン)の粒径は
本発明の製造方法に於いて適正値が存在し、その量は1
μm〜4mmの範囲、好ましくは44μm〜300μmの範囲が
よく、更に両粉末の粒径の大きさに大きな開きがあるの
は好ましくなく、ほぼ同等の大きさが特に好ましい。
以上示した実施例1〜7及び比較例1〜3、5は溶着防
止成分としてTeを選定した場合の本発明の製造方法の適
用状況を示したものであるが、他の溶着防止成分Bi(実
施例8)、Pb(実施例9)、Se(実施例10)、Sb(実施
例11)についても同等の効果を発揮し、同じく、溶着防
止成分がTe、Seの2成分であっても同等の効果を発揮し
た。更にAg基合金に対しても同等の効果を得た(実施例
13)。
評価条件 (1)しゃ断性能及び再点弧性能 接点径45mm、厚さ5mmの円板状接点片を、ディマンウタ
ブル型の真空しゃ断装置に装着し、接触力30Kgで7.2KV
×12.5KAのしゃ断電流につき、“O"→“CO"→“CO"及び
その後“O"→“O"→“O"の責務を与えたときの状況(し
ゃ断中に再点弧の発生があるかどうか)を観察し、再点
弧なしでしゃ断が成功したときを合格とした。特性のよ
い場合には、更に10回程度の“CO"を追加しその状況を
観察する。“O"はオープンを意味し、投入された状態の
12.5KAのしゃ断電流を開く。“CO"は、クローズオープ
ンを意味し、12.5KAの回路を閉じて、かつ開く。
(2)第1表中の再点弧発生率は同一組成6組の接点対
を前記真空しゃ断装置に交互に着脱し評価したときのば
らつき幅(最大と最小)で示した。接点の装着に際して
は、ベーキング加熱(450℃30分)を与えた。
(作用および発明の効果) 0.0005〜2重量%のBを含有するCu又は/及びAgの導電
性成分と、Te、Se、Bi等より選ばれた少なくとも1種の
溶着防止成分とからなる接点合金は、安定したしゃ断特
性を有する。その理由は必ずしも明らかでないが、接点
材料の溶融鋳造における微細組織が改善されることが一
つの原因となっているものと思われている。すなわち、
従来の真空しゃ断器用接点材料(合金)においては、添
加されるBi、Pb、Te、Sb等の溶着防止成分が、Cu、Ag等
よりなる高導電性成分マトリクスに対する固溶度が低
く、合金の結晶粒界に析出し、結晶粒界の脆弱化を招
く。その結果、接点合金の加工時に、欠け、剥離等の加
工欠陥を起し、製品歩留りの低下を招くだけでなく、こ
のように加工性が悪いことにより生ずる表面荒れが再点
弧現象の発生を促進していると考えられる。また、接点
材料が台金に対してロウ材により接合される場合には、
ロウ材料成分が粒界腐食(ペネトレーション)或いは亀
裂を起した結晶粒界を容易に拡散し、接点材料の接合面
と逆側の表面、すなわち接触面に浸出する現象(ロウ材
のはい上り)を起し、これまた再点弧発生の促進等によ
り信頼性の低下を招く。これに対し、所定量のB(ボロ
ン)源を添加すると、高導電性成分と溶着防止成分との
相溶性が改善され、溶着防止成分の偏析が防止されると
ともに、結晶粒の微細化ならびに結晶粒界の強化などの
微細組織の改善が行なわれる。このため、加工性の改善
のみならず、加工性の改善に伴う表面精度の向上および
ロウ材のはい上り防止を通じ再点弧発生の防止及びしゃ
断性能の向上等の接点特性の改善が得られるものと考え
られる。本発明の製造方法にしたがい得られる接点材料
は、結晶粒界の強化のため、しゃ断時に接点が受ける機
械的、熱的衝撃により微細なクラックが進展することも
少なく、加工時の条件管理によっては、圧延又は鍛造加
工等の塑性加工も可能となり、更にはB(ボロン)の添
加により導電率が低下することもない。
以上に示したように、B(ボロン)を含有したCu又は/
及びAg合金は真空バルブ用接点合金として数多くの利点
を持っている。しかしながら、素材ロットによって合金
の電気特性にばらつきが見られ、B含有合金の利点が充
分発揮されない場合がある。
この発明において、B(ボロン)源として厳密に調製さ
れたものを、上記のB含有合金の製造に用いるので、合
金中のB(ボロン)含有量を正確に制御できる。したが
って、接点合金の素材ロットによって合金の電気特性が
変動するという従来法の欠点を解消し、B含有合金の利
点を十二分に発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の接点材料を適用する真空しゃ断器の一
構成例を示す正断面図、第2図はその要部拡大図であ
る。 1…しゃ断室、2…絶縁容器、6,7…電極棒、8…固定
電極、9…可動電極、14,14a…接点、13,15…ロウ材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 信昭 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8 株式会 社東芝横浜金属工場内 (72)発明者 鈴木 秀夫 東京都府中市東芝町1 株式会社東芝府中 工場内 (72)発明者 久津美 尚志 東京都府中市東芝町1 株式会社東芝府中 工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】0.0005〜2重量%のBを含有するCu又は/
    及びAgの導電性成分と、Bi、Pb、Te、Se、Sbから選ばれ
    た少なくとも1種の溶着防止成分とを含む真空バルブ用
    接点合金を溶融によって製造するにあたって、1μm〜
    4mmの範囲にある粒径を有するB粉と略同等の粒径を有
    するCu又は/及びAg粉との均一混合物の集合体を、前記
    合金のB源として用いることを特徴とする真空バルブ用
    接点合金の製造法。
  2. 【請求項2】前記B粉の粒径が、44〜300μmの範囲に
    ある、特許請求の範囲第1項記載の製造法。
  3. 【請求項3】前記B源としての集合体を溶融中の導電性
    成分の溶湯に投入する、特許請求の範囲第1項または第
    2項記載の製造法。
  4. 【請求項4】前記B源としての集合体を溶融中の導電性
    成分と溶着防止成分との溶湯中に投入する、特許請求の
    範囲第1項または第2項記載の製造法。
  5. 【請求項5】前記集合体が、均一混合物の成形体、また
    は前記成形体もしくは前記均一混合物のいずれかを導電
    性箔で収納包括したものである、特許請求の範囲第1項
    ないし第4項のいずれか1項記載の製造法。
JP61043256A 1986-02-28 1986-02-28 真空バルブ用接点合金の製造法 Expired - Lifetime JPH0680569B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61043256A JPH0680569B2 (ja) 1986-02-28 1986-02-28 真空バルブ用接点合金の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61043256A JPH0680569B2 (ja) 1986-02-28 1986-02-28 真空バルブ用接点合金の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS62202425A JPS62202425A (ja) 1987-09-07
JPH0680569B2 true JPH0680569B2 (ja) 1994-10-12

Family

ID=12658780

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61043256A Expired - Lifetime JPH0680569B2 (ja) 1986-02-28 1986-02-28 真空バルブ用接点合金の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0680569B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09150377A (ja) * 1995-11-24 1997-06-10 Michishirou Ikeda タイヤチェ−ン装着具

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4607554B2 (ja) * 2004-11-16 2011-01-05 芝府エンジニアリング株式会社 真空バルブ用接点

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09150377A (ja) * 1995-11-24 1997-06-10 Michishirou Ikeda タイヤチェ−ン装着具

Also Published As

Publication number Publication date
JPS62202425A (ja) 1987-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0083200B1 (en) Electrode composition for vacuum switch
US4008081A (en) Method of making vacuum interrupter contact materials
JPS6142828A (ja) 真空コンタクタおよびその製造方法
JPH11195323A (ja) 接点材料
JPH1173830A (ja) 真空バルブ
JPS6359217B2 (ja)
JPH0680569B2 (ja) 真空バルブ用接点合金の製造法
JPH0680571B2 (ja) 真空バルブ用接点合金
JP2511019B2 (ja) 真空バルブ用接点材料
US6346683B1 (en) Vacuum interrupter and vacuum switch thereof
JP2001184963A (ja) 電気接点材料およびその製造方法
JPS5914218A (ja) 真空しや断器用接点材料
JP2937620B2 (ja) 真空バルブ用接点合金の製造方法
JPS61124542A (ja) 真空バルブ用接点材料およびその製造方法
JPH0443521A (ja) 真空バルブ用接点
JPH01258330A (ja) 真空バルブ用接点材料の製造方法
JPH1040761A (ja) 真空遮断器用接点材料,その製造方法および真空遮断器
JP2004273342A (ja) 真空バルブ用接点材料及び真空バルブ
JP4515695B2 (ja) 真空遮断器用接点材料
JPH07111857B2 (ja) 真空バルブ用接点材料およびその製造方法
JPH04129119A (ja) 電極材料の製造方法
JPH03295118A (ja) 真空バルブ用接点材料
JPH04324220A (ja) 電極材料の製造方法
JPS59819A (ja) 真空しや断器用接点材料
JPS6129026A (ja) 真空しや断器用接点材料及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term