JPH0680571B2 - 真空バルブ用接点合金 - Google Patents

真空バルブ用接点合金

Info

Publication number
JPH0680571B2
JPH0680571B2 JP61070471A JP7047186A JPH0680571B2 JP H0680571 B2 JPH0680571 B2 JP H0680571B2 JP 61070471 A JP61070471 A JP 61070471A JP 7047186 A JP7047186 A JP 7047186A JP H0680571 B2 JPH0680571 B2 JP H0680571B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
boron
alloy
contact
particle size
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP61070471A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS62229619A (ja
Inventor
功 奥富
普三 菅井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Tokyo Shibaura Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Shibaura Electric Co Ltd filed Critical Tokyo Shibaura Electric Co Ltd
Priority to JP61070471A priority Critical patent/JPH0680571B2/ja
Publication of JPS62229619A publication Critical patent/JPS62229619A/ja
Publication of JPH0680571B2 publication Critical patent/JPH0680571B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • High-Tension Arc-Extinguishing Switches Without Spraying Means (AREA)
  • Contacts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) この発明は、しゃ断性能が改良されたホウ素(B、ボロ
ン)含有の真空バルブ用接点合金に関する。
〔従来の技術〕
真空しゃ断器は、小型、軽量、メンテナンスフリー、環
境調和など、他のしゃ断器に比べ優れた特徴を有するた
め、近年、次第にその適用範囲が拡大され、従来より一
般に使用されている36KV以下の回路から、例えば27KV以
上というような更に高圧の回路への適用が行なわれてい
る。また電流的にも10〜20KA級回路から40KA級というよ
うな更に大電流の回路への適用が行なわれている。この
ような高圧化、大電流化に伴い、再点弧現象の発生の少
ないかつ、大容量しゃ断の可能な接点材料の開発が望ま
れている。この要求に対しては、従来より高耐圧、大容
量真空しゃ断器用の接点材料として用いられているBi、
Pb、Te、Se、Sb等の溶着防止成分を配合したCu基合金は
必ずしも満足すべきものとは云い難い。
上記した高圧下及び大電流下においても再点弧現象を起
しにくいかつ、大容量しゃ断の可能な接点材料を得るた
めには、一般に(1)耐圧的に欠陥となりやすい脆弱な
溶着防止成分を極力少なくすること、(2)ガス不純物
やピンホール等を極力少なくすること、が望ましい。こ
れに対し、上記したようにBi、Pb、Te、Se、Sbなどの蒸
気圧の高い元素を含有する接点合金では、鋳塊に気泡が
発生しやすく、特に径の小さな鋳型に鋳込む際には、気
泡が表面付近に多く発生したり、又内部に引け巣を生じ
たりするなどの重大な鋳造欠陥が生ずることも多い。こ
のような欠陥を生じさせないために、一方向凝固法も採
用されているが、この場合も上記溶着防止成分の添加に
伴う弊害は十分には避けられない。特に上記した溶着防
止成分を含む接点合金は、これら成分の母相への固溶度
が低いためしばしば偏折を生ずること、脆く加工性が劣
ること等の欠点がある。
一方、Cuまたは/およびAgと溶着防止成分との合金に、
0.0005〜2%程度の極く少量のB(ボロン)含有させた
接点合金が上記問題点の軽減化に有益な合金であるとい
う知見を、本発明者は得ている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、上記合金は上記のようにB(ボロン)量
が極めて少量のため、合金中のB(ボロン)の含有形態
によって再点弧特性のばらつきを招くことが多く、B
(ボロン)を含有した合金の改良が強く望まれている。
この発明は上述した背景にもとずいてなされものであ
り、その目的とするところは、再点弧特性のばらつきの
ない安定なB(ボロン)含有形態を有する真空バルブ用
接点合金を提供することである。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らの研究によれば、上述の目的は、少量のB
(ボロン)をCuまたは/およびAg中に含有した真空バル
ブ用接点合金において、前記のB(ボロン)が、該合金
中に偏析することなく高度に分散された含有形態であり
かつ所定の寸法の粒子である場合に達せられることが判
った。
すなわち、この本発明の真空バルブ用接点合金は、0.00
05〜2重量%のB(ボロン)を含有する主にCuまたは/
およびAgよりなる導電性成分と、Te、Se、Bi等より選ば
れた少なくとも1種の溶着成分とからなる接点合金であ
って、前記B(ボロン)の粒子が導電性成分からなるマ
トリックス中に高度に分散し、かつその平均粒径が0.1
μm〜7μm、好ましくは、0.1μm〜5μmの範囲に
あることを特徴とするするものである。
発明の具体的な説明 以下、この発明を、図面を参照しつつ具体的に説明す
る。
真空しゃ断器 第1図は、本発明の接点材料を適用する真空しゃ断器の
一構成例を示す正断面図であり、第2図はその要部拡大
図である。図面を参照して、真空しゃ断器を説明する。
しゃ断室1は、セラミック等の絶縁材料によりほぼ円筒
状形成された絶縁容器2と、この両端に密閉機構3,3aを
介して設けた金属製蓋体4および5とで真空気密に区画
されている。しかして、このしゃ断室1内には、一対の
電極棒6,7の互いに対向する端部にそれぞれ固定電極8
および可動電極9が配設されている。また上記可動電極
9の電極棒7には、ベローズ10が取付けられ、しゃ断室
1内を真空気密に保持しながら、電極9の往復動による
一対の電極8,9の開閉を可能にしている。またこのベロ
ーズ10はフード11により覆われ、アーク蒸気の被着を防
止しており、またしゃ断室1内には更に円筒状金属容器
12が設けられ、絶縁容器2へのアーク蒸気の被着を防止
している。
一方、可動電極9は、その拡大構造を第2図に示すよう
に、導電棒7にロウ材13によって固定されるか、又はか
しめによって圧着接続(図示せず)されており、その上
には可動接点14がロウ材15によって接合されている。ま
た固定電極8の詳細構造(図示せず)も向きが逆となる
のみでほぼ同様であり、これには固定接点14aが設けら
れている。本発明の接点材料は、上記したような接点1
4,14aの双方またはいずれか一方を構成するのに適した
ものである。
真空バルブ用接点合金 この発明の接点合金は、0.0005〜2重量%のBを含有す
るCu又は/及びAgの導電性成分と、Te、Se、Bi等より選
ばれた少なくとも1種の溶着成分とからなる接点合金で
ある。以下、「%」は特記しない限り重量%を示すもの
とする。
この発明において導電性成分としては、Cu又は/および
Agが通常、主成分として用いられるが、必要に応じてこ
れらの一部を5%(導電性成分基準)未満のFe、7%未
満のCoまたは2%未満のCrで置換することもできる。ま
た、この溶着防止成分としては、Bi、Pb、Te、Se、Sbの
一種以上か用いられる。これら元素は本発明の適用した
接点材料中に0.1〜15%の量で用いられる。0.1%未満で
は、大電流に対する耐溶着性が劣り、また15%を超える
と、製造時に偏折等を起こし、健全な接点素材が得がた
いからである。
この発明において、再点弧防止特性等に優れた接点材料
を得るために、上記した導電性成分および溶着防止成分
に加えて、接点材料には0.005〜2%、好ましくは0.01
〜2%のB(ボロン)を含有せしめる。これは、0.005
%未満では、添加効果が乏しいからである。一方、2%
を超えて添加しても、溶着防止成分との併用において認
められる上記した効果のそれ以上の改善は得られず、溶
解により接点材料を得る場合、B(ボロン)が導電性成
分との間で偏折を起すようになるからである。
なお、使用される導電性成分材料および溶着防止成分材
料の品位、溶解作業温度、真空度の変動等の影響を考慮
すると、上記B(ボロン)量の範囲、特に下限は、添加
量でなく、接点材料中の含量として満されるべきであ
る。
この発明の真空バルブ用接点合金の重要な特徴の一つ
は、前記B(ボロン)の粒子が合金中で導電性成分から
なるマトリックス中に高度に分散していることである。
すなわち、実質的に均一に分散していることである。し
かしながら、この発明において、必ずしも完全な均一性
が要求されず、多少不均一性が残る分散であってもよ
い。
この発明の第二の特徴は、マトリックス中のB(ボロ
ン)粒子の平均粒径が0.1〜7μm、好ましくは、0.1〜
5μmの範囲にあることである。この発明において、B
(ボロン)粒子は、純粋なBのみならず、ホウ素化合物
ならびにこれらの混合物をも含むものとする。
接点合金の製造法 次いで接点合金を製造する方法について説明する。この
合金の製造は、たとえば、真空度約1×10-3〜1×10-6
mmHg、1000〜1300℃の条件で導電性成分を溶解した後、
所定条件で調製されたB(ボロン)源および溶着防止成
分を溶解し、均一に溶解した後鋳型中で冷却固化する
が、必要によって指向性凝固を行なう。B(ボロン)お
よび溶着防止成分の添加順序は任意であり、蒸発、飛散
を防止するためにこれら成分の添加はArによって増圧後
に行なうこともできる。
B(ボロン)源の調製 この発明の接点合金を製造するにあたって、B(ボロ
ン)源は、好ましくは、所定の条件の下で調製されたも
のである。
ここで言う所定条件とは、B(ボロン)の粒径が1μm
〜4mm、好ましくは44μm〜300μmの範囲にあることと
共に、その範囲から選択したB(ボロン)と、ほぼ同等
の粒径を持つCu(又は/及びAg)とを使用することが第
1である。その理由は、B(ボロン)粒径が1μm以下
では、比表面積が大きいことに起因する表面の酸化の程
度が大きく、保管管理の条件によってその状態が変動
し、素材特性に対しB(ボロン)の効果を発揮するに際
し、ばらつきを呈するので好ましくないからである。
所定条件の第2は、前記粒径のほぼ揃った両粉末、すな
わちB(ボロン)とCu(又は/及びAg)とを特に充分よ
く、混合した混合体を作ることである。充分よく混合す
るためには、例えばボールミル中で4時間程度回転、攪
拌混合を与える。混合体とする理由は、溶解作業の効率
を上げることと得られた合金の均一性すなわち溶解作業
条件のばらつきに起因する合金特性のばらつきを最少限
に防ぐために重要であり、前記所定条件の第1で述べた
両粉末の粒径をほぼ揃える効果と相まって各合金間のば
らつき及び1個の合金内部のばらつきも、最少限に管理
するために必要である。これらの細かい管理はB(ボロ
ン)が活性であり、かつ粒径が小さい粉末を取扱う為に
重要な条件である。
所定条件の第3は、上記の混合粉体を一定の集合体とし
て用いる。その理由は、細かいこれら両粉末を効率よく
合金組成として添加するための作業管理に重要である。
この集合体は、一定の形状に成型して得ることができ
る。また、成型体とせず混合体を他の導電性金属箔、好
ましくは合金の主成分であるCu(又は/及びAg)箔で包
むことも、同じ目的を達し得る。
この合金の製造に用いるB(ボロン)源は、上記した第
1、第2、第3の所定条件を満すものである。これは、
B(ボロン)−Cu(又は/及びAg)合金の前述した数多
くの利点を効率的に得るのに有効である。
このようにして得たB(ボロン)源を溶融中のCu又は/
及びAg(Cuに対しては1100℃以上、Agに対しては1000℃
以上、真空度は好ましくは10-5Torr以下)溶湯へ投入す
るか、又は更に溶着防止成分も含有した溶湯中へ投入
し、約15分攪拌し、加熱保持後鋳型中へキャストする
が、堆堝中で冷却固化し、溶着防止成分を含有したB
(ボロン)−Cu(又は/及びAg)合金素材を得る。
またB(ボロン)源のなかのB(ボロン)は、B(ボロ
ン)単体のみならず、たとえばCu−Bのような母合金あ
るいはFe−Bのようなホウ素化合物の形態を有する粉末
であって、これとCu(又は/及びAg)粉とでB(ボロ
ン)源を形成してもよい。
この発明による接点材料について、必要に応じて、切
削、研摩等の機械加工を行ない、あるいは圧延等の塑性
加工を行なうことにより所望の形状の接点が得られる。
(作用) 0.0005〜2重量%のBを含有するCu又は/及びAgの導電
性成分と、Te、Se、Bi等より選ばれた少なくとも1種の
溶着防止成分とからなる接点合金は、安定したしゃ断特
性を有する。その理由は必ずしも明らかでないが、接点
材料の溶融鋳造における微細組織が改善されることが一
つの原因となっているものと思われている。すなわち、
従来の真空しゃ断器用接点材料(合金)においては、添
加されるBi、Pb、Te、Sb等の溶着防止成分が、Cu、Ag等
よりなる高導電性成分マトリクスに対する固溶度が低
く、合金の結晶粒界に析出し、結晶粒界の脆弱化を招
く。その結果、接点合金の加工時に、欠け、剥離等の加
工欠陥を起し、製品歩留りの低下を招くだけでなく、こ
のように加工性が悪いことにより生ずる表面荒れが再点
弧現象の発生を促進していると考えられる。また、接点
材料が合金に対してロウ材により接合される場合には、
ロウ材料成分が粒界腐食(ペネトレーション)或いは亀
裂を起した結晶粒界を容易に拡散し、接点材料の接合面
と逆側の表面、すなわち接触面に浸出する現象(ロウ材
のはい上り)を起し、これまた再点弧発生の促進等によ
り信頼性の低下を招く。これに対し、所定量のB(ボロ
ン)源を添加すると、高導電性成分と溶着防止成分との
相溶性が改善され、溶着防止成分の偏析が防止されると
ともに、結晶粒の微細化ならびに結晶粒界の強化などの
微細組織の改善が行なわれる。このため、加工性の改善
のみならず、加工性の改善に伴う表面精度の向上および
ロウ材のはい上り防止を通じ再点弧発生の防止及びしゃ
断性能の向上等の接点特性の改善が得られるものと考え
られる。本発明により得られる接点材料は、結晶粒界の
強化のため、しゃ断時に接点が受ける機械的、熱的衝撃
により微細なクラックが進展することも少なく、加工時
の条件管理によっては、圧延又は鍛造加工等の塑性加工
も可能となり、更にはB(ボロン)の添加により導電率
が低下することもない。
以上に示したように、B(ボロン)を含有したCu又は/
及びAg合金は真空バルブ用接点合金として数多くの利点
を持っている。しかしながら、素材ロットによって合金
の再点弧特性にばらつきが見られ、B含有合金の利点が
充分発揮されない場合がある。
この発明の特徴である合金中のB(ボロン)の存在形
態、すなわち導電成分のマトリックス中にB粒子が高度
に分散し、その粒子が所定の大きさであることによっ
て、上述のばらつきを無くしてB含有による利点を十二
分に発揮することができる。
(実施例) 以下、この発明を、実施例および比較例によって更に具
体的に説明する。
実施例1〜2、比較例1〜3 平均粒径が44μmの金属ボロンとほぼ同じ粒径を有する
還元電解銅粉とを夫々100gずつ秤量後、乳ばちで予備混
合した。それをボールミルで約4時間、充分攪拌混合作
業を行ないB−Cu混合体を得た。
上記混合粉体の一部を取り出し、直径5mmの金型を使用
し3.5トン/cm2で成型し、成型体(ボロン源)を得た。
一方、直径82mmの黒鉛堆堝中で約5Kgの銅を3×10-5mmH
gの真空度、1200℃の温度で溶解させ、約20分間保持し
た後、150mmHgのAr(アルゴン)で増圧しCu−Te母合金
(Cu2Te)を得られる合金中のTe量が約4%近傍になる
に必要な量を添加する。攪拌保持後再び3×10-5mmHgに
排気したCu−Te溶湯中へ、前記に作製した成型体の一部
を適宜投入し、所定量のB(ボロン)を含有したB−Cu
−Te合金素材を約100mmm得た。特に、成型体を前記Cu−
Te溶湯中へ投入する時の溶湯の温度、冷却を開始する時
のB−Cu−Te溶湯温度、B−Cu−Te溶湯が凝固するま
で、及び凝固点から常温までの冷却速度、原料として使
用するB(ボロン)源のB(ボロン)粒度、などを制御
することによって、また素材の一部は焼結手法を使用す
ることによって合金母相(マトリックス)中のB(ボロ
ン)粒子の粒子径を0.1μm以下(比較例2)、0.1〜5
μm(実施例1〜2)、10〜25μm(比較例3)の夫々
の製作を行なった。尚粒径の確認は、顕微鏡観察によっ
て行なった。
後述する評価方法、条件によってこれらの接点合金の評
価結果を第1表に示した。
第1表から明らかなように、合金マトリックス中にB
(ボロン)がない場合(比較例1)、および合金マトリ
ックス中のB(ボロン)粒子の粒径が0.1μm以下のと
き(比較例2)には、再点弧発生率が多くしゃ断性能評
価結果の数値に意味を持たない。0.1μm以下の場合に
は、素材的にもこの粒径にB(ボロン)粒子の総てを揃
えることが、製造技術上難しく、0.1μm以上の粒子も
或る割合で混在することが避けられずこれが再点弧のば
らつき幅として表われたと推察される。これに対して合
金マトリックス中のB(ボロン)粒子の粒径が0.1〜2
μm(実施例1)の試料及び1〜5μm(実施例2)の
試料では、再点弧なし又は再点弧極く小数で7.2KV−12.
5KAしゃ断に成功している。一方、B(ボロン)粒子の
粒径が更に大きい10〜25μm(比較例3)の試料では、
再点弧発生につきばらつきが見られ好ましくなかった。
これは、B(ボロン)粒子が偏析を生じているためだと
考えられる。以上によって、合金マトリックス中のB
(ボロン)粒子の粒径には再点弧なししゃ断に対して適
当な大きさの範囲が存在していることが示され、その粒
径は0.1〜7μm、好ましくは0.1〜5μmの範囲である
ことが判る。
実施例3〜5、比較例4 直径82mmの黒鉛堆堝中で、約5.1Kgの銅を真空度9×10
-6mmHg、温度1150度で溶解させ約30分間加熱保持、前記
実施例1〜2、比較例1〜3で準備した成型体の一部を
分割し、Cu箔で作った容器に包んで、前記加熱保持中の
Cu溶湯中へ適量投入し、B(ボロン)量を0.0005%、0.
1%、2%、5.2%(実施例3〜5、比較例4)含有した
素材を得た。尚この素材の製造に於いて、溶着防止成分
のTeは、約4%近傍を目標とした所定量を上述B(ボロ
ン)−Cu溶湯中にCu−Te母合金(Cu2Te)の形で投入し
また、合金マトリックス中のB(ボロン)粒子の粒径
は、前記実施例1〜2、比較例1〜3で述べたようにB
−Cu−Te溶湯の冷却速度、溶湯温度などを一定とするこ
とによって0.3〜2μmの範囲に一定値に制御した。
第1表から明らかなように、合金マトリックス中のB
(ボロン)粒子の粒径が前述好ましい範囲にあっても接
点合金中のB(ボロン)量が5%(比較例4)の如く、
多量のときには、合金中のB(ボロン)の分布に偏析、
粗大化現象が見られ再点弧にばらつきが見られるのは、
その原因が影響していると推考され、合金マトリックス
中のB(ボロン)粒子の粒径を前述0.1〜5μmの範囲
に制御しても、対象とする接点合金中のB(ボロン)量
には適切な範囲が存在し、その値は0.0005〜2%(実施
例3〜5)と考えられる。
実施例6〜15 以上に示した実施例1〜5、比較例1〜4の合金は溶着
防止成分としてTe(テルル)を選定した場合の本発明合
金マトリックス中のB(ボロン)粒子の粒径の効果につ
いて示したものであるが、溶着防止成分がBi、Pb,Se、S
b、Te+Se(実施例6〜10)であっても少ない再点弧回
数で7.2KV、12.5KAしゃ断が成功している。同様に導電
性成分がAgである場合(実施例10)、Cu−Co、Cu−Fe、
Cu−Crである場合(実施例12〜14)であっても少ない再
点弧回数以内で7.2KV−12.5KAのしゃ断に成功した。更
に導電性成分がCu−Agである場合(実施例15)に対して
も同様の効果が得られる。
評価条件 (1)しゃ断性能及び再点弧性能 接点径45mm、厚さ5mmの円板状接点片を、ディマンウタ
ブル型の真空しゃ断装置に装着し、接触力30Kgで7.2KV
×12.5KAのしゃ断電流につき、“O"→“CO"→“CO"及び
その後“O"→“O"→“O"の責務を与えたときの状況(し
ゃ断中に再点弧の発生があるかどうか)を観察し、再点
弧なしでしゃ断が成功したときを合格とした。特性のよ
い場合には、更に10回程度の“CO"を追加しその状況を
観察する。“O"はオープンを意味し、投入された状態の
12.5KAのしゃ断電流を開く。“CO"は、クローズオープ
ンを意味し、12.5KAの回路を閉じて、かつ開く。
(発明の効果) この発明による真空バルブ用接点合金によって次の効果
を得ることができる。すなわち、B(ボロン)を含有し
たCu又は/及びAg合金は真空バルブ用接点合金として数
多くの利点を持っている。しかしながら、素材ロットに
よって合金の再点弧特性にばらつきが見られ、B含有合
金の利点が充分発揮されない場合がある。この発明の特
徴である合金中のB(ボロン)の存在形態、すなわち導
電成分のマトリックス中にB粒子が高度に分散し、その
粒子が所定の大きさであることによって、上述のばらつ
きを無くしてB含有による利点を十二分に発揮すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の接点材料を適用する真空しゃ断器の一
構成例を示す正断面図、第2図はその要部拡大図であ
る。 1…しゃ断室、2…絶縁容器、6,7…電極棒、8…固定
電極、9…可動電極、14,14a…接点、13,15…ロウ材。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】0.0005〜2重量%のBを含有するCuまたは
    /およびAgよりなる導電性成分と、Bi、Pb、Te、Seおよ
    びSbより選ばれた少なくとも1種の溶着成分とからなる
    接点合金であって、前記Bの粒子が電導性成分からなる
    マトリックス中に高度に分散し、かつその平均粒径が0.
    1μm〜7μmの範囲内にあることを特徴とする真空バ
    ルブ用接点合金。
  2. 【請求項2】平均粒径が0.1μm〜5μmの範囲内にあ
    る、特許請求の範囲第1項記載の真空バルブ用接点合
    金。
  3. 【請求項3】導電性成分としてFe、CuまたはCrを含有す
    る、特許請求の範囲第1項または第2項記載の真空バル
    ブ用接点合金。
JP61070471A 1986-03-28 1986-03-28 真空バルブ用接点合金 Expired - Fee Related JPH0680571B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61070471A JPH0680571B2 (ja) 1986-03-28 1986-03-28 真空バルブ用接点合金

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61070471A JPH0680571B2 (ja) 1986-03-28 1986-03-28 真空バルブ用接点合金

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS62229619A JPS62229619A (ja) 1987-10-08
JPH0680571B2 true JPH0680571B2 (ja) 1994-10-12

Family

ID=13432470

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61070471A Expired - Fee Related JPH0680571B2 (ja) 1986-03-28 1986-03-28 真空バルブ用接点合金

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0680571B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2705998B2 (ja) * 1990-08-02 1998-01-28 株式会社明電舎 電気接点材料の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS62229619A (ja) 1987-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0495318A (ja) 電気接点材料及びその製造方法
JPH0471970B2 (ja)
JP2908073B2 (ja) 真空バルブ用接点合金の製造方法
JPH1173830A (ja) 真空バルブ
JPH11195323A (ja) 接点材料
KR960006449B1 (ko) 구리, 크롬 및 적어도 하나의 증발성 성분의 용융재료를 제조하는 방법 및 이 방법에서 사용하기에 적절한 용융전극봉
JPS6359217B2 (ja)
KR950006738B1 (ko) 진공 인터럽터용 접점
JPH0680571B2 (ja) 真空バルブ用接点合金
JP2006228684A (ja) 真空バルブ用接点材料並びに真空バルブ及びその製造方法
JPH0680569B2 (ja) 真空バルブ用接点合金の製造法
JP2003147407A (ja) 電気接点部材とその製造法及びそれを用いた真空バルブ並びに真空遮断器
JP2511019B2 (ja) 真空バルブ用接点材料
JP4515696B2 (ja) 真空遮断器用接点材料
JP2937620B2 (ja) 真空バルブ用接点合金の製造方法
JPH0573813B2 (ja)
JP2001236865A (ja) 真空バルブ
US5985000A (en) Method for manufacturing electrode material for vacuum circuit breaker
JP4515695B2 (ja) 真空遮断器用接点材料
KR0171607B1 (ko) 진공회로 차단기용 전극 및 진공회로 차단기
JPH08209268A (ja) Cu−Cr−Ni系複合材料及びその製造方法
JP2004273342A (ja) 真空バルブ用接点材料及び真空バルブ
JP2004332046A (ja) 遮断器用接点材料及び真空遮断器
JPS5960827A (ja) 真空しや断器用接点合金の製造方法
JPH03295118A (ja) 真空バルブ用接点材料

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees