JP2001236865A - 真空バルブ - Google Patents

真空バルブ

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JP2001236865A
JP2001236865A JP2000048530A JP2000048530A JP2001236865A JP 2001236865 A JP2001236865 A JP 2001236865A JP 2000048530 A JP2000048530 A JP 2000048530A JP 2000048530 A JP2000048530 A JP 2000048530A JP 2001236865 A JP2001236865 A JP 2001236865A
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JP2000048530A
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Isao Okutomi
功 奥富
Takashi Kusano
貴史 草野
Atsushi Yamamoto
敦史 山本
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Toshiba Corp
Shibafu Engineering Corp
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Toshiba Corp
Shibafu Engineering Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大電流遮断特性および再点弧特性に優れた特
性を発揮する接点を備えた真空バルブを提供する。 【解決手段】 (a):Cu粉とCr粉の混合体、
(b):Cu粉とCr粉の成型体、(c):CuCr合
金、のいずれかからなるCu成分とCr成分に、少なく
とも1.5トン/cm2の外力を与えてCuCr素材を
得る第1の工程と、この第1の工程の後のCuCr素材
に対して、1120℃〜1350℃の加熱処理を与える
第2の工程とから接点を製造し、これを真空バルブの接
点として用いる。これにより、大電流遮断特性および再
点弧特性に優れた真空バルブが実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、大電流遮断特性
および再点弧特性に優れた特性を発揮する接点を備えた
真空バルブに関する。
【0002】
【従来の技術】真空中でのアーク拡散性を利用して、高
真空中で電流遮断を行わせる真空バルブの接点は対向す
る固定、可動の2つの接点から構成されている。
【0003】真空遮断器には、大電流断性能、耐電圧性
能、耐溶着性能の基本的3要件の他に接点の耐消耗特性
が重要な要件となっている。しかしながら、これらの要
件の中には相反するものがある関係上、単一の金属種に
よって総ての要件を満足させることは不可能である。こ
の為、実用されている多くの接点材料に於いては、不足
する性能を相互に補完するような2種以上の元素を組合
せることによって、例えば大電流用、高耐圧用などのよ
うに特定の用途に合った接点材料の選択採用が行われて
いる。それなりに優れた特性を持つ真空バルブが開発さ
れているが、更に強まる要求を充分満足する真空バルブ
は未だ得られていないのが実情である。
【0004】従来より、大電流遮断性を目的とした接点
としては、Biを0.5wt%(重量%)含有させたC
u−Bi合金(特公昭41−12131号)が知られて
いる。これは微量のBiを結晶粒界に偏析して存在させ
合金自体を脆化させる結果、耐電圧特性を大幅に劣化さ
せることなく、溶着引きはずし力(耐溶着性)を改善
し、大電流断性を実現している。
【0005】大電流遮断性を目的とした他の接点とし
て、Cu−Te合金(特公昭44−23751号)も知
られている。これは結晶粒界粒内に析出したCu2Te
が同ように合金自体を脆化させる結果、耐溶着性を改善
し大電流遮断性を実現している。
【0006】大電流遮断性を目的とした他の接点とし
て、Crを50wt%程度含有させたCu−Cr合金
(特公昭45−35101号)が知られている。この合
金は、Cr自体がCuと略同等の蒸気圧特性を保持し、
かつ強力なガスのゲッタ作用を示す等の効果で、高電圧
で大電流断性を実現している。この合金は、活性度の高
いCrを使用していることから、接点素材の製造(焼結
工程など)、接点素材から接点片へと加工する時などに
於いて、原料粉の選択、不純物の混入、雰囲気の管理な
どに配慮しながら製造している。しかし近年の高耐圧特
性と大容量遮断とを同時に満たす要求に対しては、必ず
しも完全な技術とはなっていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般に真空遮断器に
は、大電流断性能、耐電圧性能、耐溶着性能の基本的3
要件の他に接触抵抗性能、耐消耗性能、電流裁断性能等
が要求される。近年の使用条件の過酷化や適用範囲の拡
大、負荷の大容量化によって、最近では大電流断性能と
特に再点弧特性とを兼備しなくてはならなくなってきて
いる。
【0008】大電流遮断を可能とする要求に対しては、
材料中のガス含有量が少いこと、放出した蒸気を素早く
拡敵させなければならないことは勿論、接点の温度上昇
を低く抑える必要性から導電率値にも配慮することも必
要である。
【0009】研究によれば、CuCr合金の接点特性
は、合金中のCr量の変動、Cr粒子の粒度、粒度分
布、Crの偏析の程度、合金中に存在する空孔の程度な
どに依存することが判明した。しかしその最適化を進め
ているにも拘らず、上述した近年の適応状況では、再点
弧特性と大電流遮断特性の両特性を兼備した真空バルブ
の要求に対しては十分ではない。
【0010】再点弧特性を向上させる要求に対しては、
上記接点材料の組成成分のみでは十分な対応が不可能と
なって来ており、前記組成成分と共にその製造技術の高
度化が必要である。
【0011】すなわち、組成成分的に好ましい範囲にあ
る接点材料であっても、その製造条件によって、大電流
断性能や再点弧特性は著しく変動すると共に著しいばら
つきも見られ、組成成分でのみで一義的に決定されない
ことが判った。
【0012】そこで、本発明者らが、目標性能を持つ健
全な接点材料を得ることと、それによる優れた大電流遮
断特性および再点弧特性を発揮する真空バルブを得るこ
とを目的に、特性の変動やばらつきに及ぼす製造条件の
影響を検討したところ、従来主として重要視されてきた
原料粉の純度、粒度分布など原材料技術以外に、従来見
落しがちだった加圧成型加工技術と基本的焼結技術(加
熱処理温度など)との相互の関連が、特性(例えば再点
弧特性、耐溶着特性、大電流断性能などのばらつき幅)
に重大な影響を与えていることが判った。
【0013】例えば、熱処理温度を高く選択すると、合
金の再点弧発生の頻度は低減し改善の傾向にあるが、C
u−Cr合金の場合のCr、Cu−Cr−Bi合金の場
合のBiのように、該合金中で蒸気圧の高い成分に組成
変動が起こり、その結果前記特性の低下やばらつきとし
て表れている。この場合、蒸気圧の高い成分の組成変動
幅を安定させる技術として、熱処理温度を低く、その温
度幅も小さく制御すると有益であるが、熱処理後の材料
特性、特に合金中の内蔵ガス量が大となり、その結果前
記特性のばらつきとして表れる。このように熱処理温度
を高くすると再点弧特性を安定化させプラスとなるが、
逆に合金中の高蒸気圧成分の制御にはマイナスとなる如
く、二律背反的な関係にあることが判った。
【0014】このような不都合さは、健全な接点素材あ
るいは部品の製造に対して障害となり、問題となってい
る。
【0015】CuCr接点は、CuとCrが高温度での
蒸気圧特性が近似していることなどの効果で、電流遮断
後でも比較的平滑な表面状態を得て、安定した電気持牲
を発揮している。しかし近年では、より大容量化した設
備での一層の大電流遮断やコンデンサーなど過酷な高電
圧印加が行われる可能性のある回路への適応が日常的に
行われ、接点には大きな熱エネルギーの注入がなされ
る。その結果、接点表面近傍のみならず接点素材の数1
00μm以上の内部にまでも著しい熱影響を受ける。そ
の際にはその素材内部からは大量の溶融金属や金属蒸気
の噴出や多量のガスの放出を伴い、これらは再発弧現象
や再点弧現象を起こし易い状態を作る。従って、この素
材内部から放出されるガス量をより低く抑制すること
は、再発弧や再点弧の発生の低減化に有効となる。
【0016】そこで、所定のCu−Cr素材に対して、
Cu−Cr素材に、所定の以上の加圧力を与えCr粒
子同志を十分に接触させ、耐電圧特性に有利な高密度状
能の素材とすると共に、Cuの融解温度より高い11
50℃〜1350℃での加熱処理(焼結)を与えること
によって、接点素材中に残存するガス(例えば酸素ガ
ス)は液相状のCu相中を高速度で拡散し効率的に脱ガ
スされる。
【0017】このの相乗的効果によって、残存する
ガスが原因となっている再点弧についてはその抑制に有
効に寄与する。Cuの融解温度(1081℃)を越えれ
ば液相状Cuを得る。しかし融解温度直上の1090℃
〜1150℃未満では、Crなど耐弧性成分に関係する
酸化物を十分には還元若しくは分解することができず、
Crなど耐弧性成分中には酸化物がガス源として残存す
る。これが大電流遮断や高電圧印加時のエネルギー注入
によって放出され、再点弧現象を起こす一因となる。
【0018】拡散速度をより高めガス排出を高効率とす
る為に、更に高い温度1150℃以上を選択する時に
は、Cuの融解温度以下の焼結温度を選択する時より
も、大幅に高いガス排出(脱ガス)効率を得る。一方、
1350℃以上の加熱処理温度(焼結)を選択する時に
は、脱ガス性は大幅に改善するものの、接点製造工程中
でのCrなどの蒸発損失が大となり、接点成分の変動と
共に加熱処理炉の著しい汚染は避けられない。
【0019】この発明は、このような点に鑑み為された
もので、その目的は、大電流遮断特性および再点弧特性
とに優れた特性を発揮する接点を備えた真空バルブを提
供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】真空遮断器に於いて、電
流遮断後真空バルブ内で閃絡が発生し接点間が再び導通
状態になる(その後放電は継続しない)現象を再点弧と
呼び、その発生メカニズムは未解明であるが、電気回路
が一度電流遮断状態となった後に導通状態に急激に変化
する為、異常過電圧が発生しやすい。特にコンデンサバ
ンクの遮断時に再点弧を発生させる実験によれば、極め
て大きな過電圧の発生や、過大な高周波電流が流れる
為、再点弧の発生抑制が求められている。
【0021】上記したように、再点弧現象の発生メカニ
ズムは未だ知られていないが、本発明者らの実験観察に
よれば、再点弧は真空バブル内の接点/接点間、接点/
アークシールド間でかなり高い頻度で発生している。そ
の為、本発明者らは、例えば接点がアークを受けた時に
放出される突発性ガスの抑制、接点表面形態の最適化な
どを進め、再点弧の発生抑制に極めて有効な技術を明ら
かにし、再点弧発生数を大幅に低減した。しかし、近年
の真空バルブに対する高耐電圧化要求、大電流遮断化要
求、小形化要求には上記接点の改良のみではすでに限界
と考えられ、これら以外に於いて改良最適化が必要とな
ってきた。
【0022】再点弧の発生に対する本発明者らの前記模
擬再点弧発生実験により詳細に解析した結果、接点材料
が直接的に関与する場合と、電極構造、シールド構造な
ど設計に関与する場合と、予期しない高電圧暴露など電
気的機械的外部条件などが関係していた。
【0023】本発明者らは、セラミックス製絶縁容器外
管、接点、アークシールド、金属蓋体、通電軸、封着金
具、ベローズなど各構成部材を、適宜装着したり取外し
したりしながら模擬再点弧発生実験を行ったところ、直
接アークを受ける接点の組成、材質と、その状態、その
製造条件などが再点弧発生に対して重要であるとの知見
を得た。
【0024】本発明者らが観察した再点弧発生状況は、
(イ)接点組織およびその状態(偏析、均一性)につい
ては、製造プロセスの特に混合条件の最適化と相関し、
電流遮断開閉の経過回数とは関係無くランダムな再点弧
現象の発生がみられる特徴がある。(ロ)接点表面に付
着、吸着したガスや水分の量、状態については、あらか
じめ仕上げられた接点の加工後の管理環境の問題であっ
て、直接焼結技術が関与するものではないが、電流遮断
開閉回数の比較的初期から再点弧現象の発生がみられる
特徴がある。(ハ)接点内部に内蔵している異物の量、
状態などの接点内部の状態については、原料粉末の品質
(導電性成分粉[A]、前記耐弧性成分粉[B]の選
択)及び原料の成形状熊がポイントとなり、電流遮断回
数の経過の比較的後半に発生する再点弧の発生原因と考
えられるなどが示唆される。
【0025】以上から、再点弧現象の発生の時期は、電
流遮断回数の進展に対して見掛け上では関係無く見える
が、上記(イ)(ロ)(ハ)のように各発生の時期によ
ってその原因は異なっていることが判明した。このこと
が各真空バルブ毎に再点弧現象の発生にばらつきが生じ
ていた重要な一因と考えられた。
【0026】従って、再点弧の各発生の時期の総てを抑
制もしくは軽減化するには、品質的に好ましい状態のC
uCr素材を得た後、これに所定の外力を与える第一の
工程と、所定の温度範囲の熱処理を与える第2の工程と
を備えて製造した接点合金を使用するのが有効であっ
た。
【0027】上記発明の目的を達成する為に、請求項1
に記載の本発明は、Cu成分とCr成分に少なくとも
1.5トン/cm2の外力を与えてCuCr素材を得る
第1の工程と、この第1の工程の後のCuCr素材に対
して、1120℃〜1350℃の加熱処理を与える第2
の工程とから製造した接点を備えたことを特徴とする真
空バルブである。
【0028】すなわち、第1の工程でのCu成分とCr
成分に与える外力を、1.5トン/cm2未満とする
と、接点合金とした時に高耐電圧性を維持するに十分な
密度を得ることができず、再点弧特性の低下が見られる
からである。また第2の工程での加熱処理温度を112
0℃未満とした時には、Cr酸化物の分解したり還元す
る能力が十分でないのみならず、合金中からのガスの排
気(脱ガス)も十分でなく、やはり再点弧発生の一因と
なる。1350℃を越えた処理では、例えばCuの蒸発
損失が大となりCu成分が不足する。このような時には
遮断特性が低下するのみならず、また製造ロット間に合
金中の成分の変動が現れ、やはり遮断特性が変動する。
なお、第1の工程での雰囲気選択は、例えば、通常の1
気圧の空気中雰囲気で実施する。素材中のガス成分は第
2の工程で脱ガスされ、製品を製造することができる。
【0029】上記発明の目的を達成する為に、請求項2
に記載の本発明は、第1の工程が、非酸化性雰囲気、も
しくは0.8気圧以下の空気中雰囲気で、所定の外力を
与えることを特徴とする請求項1に記載の真空バルブで
ある。
【0030】すなわち、第1の工程での雰囲気選択は、
通常1気圧の空気中雰囲気で実施することができるが、
CuCr素材に加える外力を、例えば8トン/cm2
ように高い値を選択する時には、外力を与える前に素材
中に含有したり吸着したガスは、取り残される場合があ
り、再点弧発生の一因となる。従って、第1の工程での
素材の取扱いは、空気中雰囲気である時は、好ましくは
0.8気圧以下の空気中雰囲気を選択する。また、好ま
しくは非酸化性の雰囲気を選択する。これによって、8
トン/cm2程度の高い外力を与えても安定な再点弧特
性を示す。
【0031】請求項3に記載の本発明は、Cu成分とC
r成分の状態が、(a):Cu粉とCr粉の混合体、
(b):Cu粉とCr粉の成型体、(c):CuCr合
金のいずれかであることを特徴とする請求項1または請
求項2に記載の真空バルブである。
【0032】すなわち、第1の工程で与える外力と第2
の工程で与える加熱処理とによって、接点として適応可
能なほぼ90%以上の相対密度とすることが出来るの
で、(a)、(b)、(c)のいずれも使用が可能であ
る。(a)より(b)、(b)より(c)の順に相対密
度が大となると共に再点弧特性も向上する。そこで再点
弧の起き易いコンデンサー回路への適応などの場合に
は、(c)を選択するのが好ましい。逆に製造コスト、
生産性はこの順に低下する。従って適応する電気的負荷
条件に応じて適宜選択した上で第1の工程に供する。
【0033】更に請求項4に記載の本発明は、第1の工
程における外力を、一方向加圧、二方向加圧、等方向加
圧のいずれかによって与えることを特徴とする請求項1
または請求項2に記載の真空バルブである。
【0034】すなわち、第1の工程に於いて、CuCr
素材に対して、一方向加圧、二方向加圧、等方向加圧の
いずれでも、前記CuCr素材(a)、(b)、(c)
に対して、1.5トン/cm2の外力を与えること可能
であるので、Cu粉とCu粉、Cr粉とCr粉、Cu粉
とCr粉は互いに、十分に接触したり近接した状態が得
られるので適応が可能である。
【0035】一方向加圧を選択した時には、作業上は最
も安価であり、準備する型なども最も安価である利点が
ある反面、一方向からの加圧の為、成型密度分布が加圧
面と非加圧面とではある程度の差異が生じ、第2の工程
の後の接点密度に影響を与え、再点弧発生の頻度にばら
つきと成って表れる等の不利な点もある。
【0036】二方向加圧を選択した時には、上記した一
方向加圧時に見られた欠点(加圧面と非加圧面とでの再
点弧発生のばらつきの問題)は、両面が加圧面となる
為、解消される利点がある反面、成形型が一方向の場合
より高価となる。
【0037】等方向加圧を撰択した時には、逆に作業上
は最も繁雑であり、設備的にも最も高価である欠点があ
る反面、静水圧式の成型機によって成型密度分布に方向
性の無い素材を得て、第2の工程の後の密度分布が均一
となり再点弧発生頻度のばらつきが小さく成って表れる
等の利点がある。
【0038】なお、一方向加圧、二方向加圧では、外周
部と内部とで密度に差異が存在し、接点面の場所に再点
弧発生がばらつくという共通の欠点が存在する。しか
し、等方向加圧ではこのような接点面の場所によるばら
つき問題は解消される。
【0039】従って、電気的使用条件、要求に応じて一
方向加圧、二方向加圧、等方向加圧を適宜選択した上
で、第1の工程に供する。
【0040】また請求項5に記載の本発明は、接点を、
第2の工程の後の工程として、少なくとも1.5トン/
cm2の外力を再度与える第3の工程を加えて製造した
ことを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれかに記
載の真空バルブである。
【0041】すなわち、第2の工程の後に、再度外力を
与える第3の工程の効果は、遮断特性は一定の範囲内を
維持するものの、再点弧発生頻度を一層小とし、そのば
らつき幅も小とする。
【0042】更に請求項6に記載の本発明は、接点を、
前記第3の工程の後の工程として、Cuの融解温度(1
081℃)以下で加熱処理を再度与える第4の工程を加
えて製造したことを特徴とする請求項5に記載の真空バ
ルブである。
【0043】すなわち、第3の工程の後Cuの融解温度
(1081℃)以下、例えば1075℃以下で800℃
以上の温度で加熱処理を与える第4の工程の効果は、遮
断特性,再点弧特性の両特性の向上を得る。その場合は
加熱処理の温度をCuの融解温度以下とする効果は、第
3の工程でCu−Cr素材が受けた歪みを回復させると
共に素材中の残存ガスを一層除去する効果として、遮断
特性、再点弧特性を安定化する。
【0044】また請求項7に記載の本発明は、接点が、
耐弧性成分としての5〜60%(重量)のCr成分と、
導電性成分としての残部がCuとで構成されたものであ
ることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに
記載の真空バルブである。
【0045】すなわち、本技術をCrが5%未満のCu
−Cr接点に適応すると、接触抵抗と温度上昇特性は一
層向上するものの、耐アーク消耗性、再点弧特件の大幅
な低下を招く。またCrが60%を越えるCu−Cr接
点に適応すると耐アーク消耗性はより向上するものの、
遮断特性の低下を招く。
【0046】更に請求項8に記載の本発明は、接点を、
耐弧性成分が、Cr成分と、50%以下のX成分(X=
Ti,V,Ta,Nb,Mo,Wの1つ)とからなり、
導電性成分としての残部がCuで構成されたものとした
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記
載の真空バルブである。
【0047】すなわち、50%以下のX成分とCr成分
との共存は、耐アーク消耗性、再点弧特性を安定化させ
る。
【0048】更に請求項9に記載の本発明は、接点を、
耐弧性成分が、Cr成分とX成分(X=Ti,V,T
a,Nb,Mo,Wの1つ)とからなり、それらの合計
が5〜60%であり、導電性成分としての残部がCuで
構成されたものとしたことを特徴とする請求項8に記載
の真空バルブである。
【0049】すなわち、60%以下のCrとX(X=T
i,V,Ta,Nb,Mo,Wの1つ)より成る耐弧性
成分と、Cu(導電性成分)との合金接点を搭載するこ
とによって、耐アーク消耗性を向上させると共に再点弧
特性の安定化に寄与する。Cr成分とX成分を60%以
上とした場合には、CuとCrの選択的蒸発を進め、加
速させ、接点の表面荒れとCuとCrの蒸発損失を招
く。その結果、再点弧発生頻度の増加とばらつき幅の増
大を招く。
【0050】また請求項10に記載の本発明は、接点
が、Bi,Pb、Sbの1つを1%以下、若しくはT
e、Seの1つを5%以下含有したものであることを特
徴とする請求項7または請求項8に記載の真空バルブで
ある。
【0051】すなわち、上記耐溶着性成分の存在は、特
に大電流遮断後の接点表面を安定化し、再点弧発生頻度
のばらつき幅を縮小する。
【0052】更に請求項11に記載の本発明は、接点
は、接点面の中央部のCr量が、30%以下のCr−C
u合金よりなり、接点面の中央部のCr量より、接点面
の外周部のCr量を多くしたものであることを特徴とす
る請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の真空バル
ブである。
【0053】すなわち、「接点面の中央部のCr量<接
点面の外周部のCr量」なる構成によって、接点面全体
を「中央部と同じCr量」とするよりも再点弧発生頻度
を縮小する。接点面全体を「外周部と同じCr量」とす
るよりも接触抵抗と温度上昇特性が安定化し、より大き
な定格電流通電を得ると共に、遮断電流特性も改善され
る。逆の構成すなわち「中央部のCr量>外周部のCr
量」なる構成では、上述の効果は得られない。
【0054】また請求項12に記載の本発明は、Cu成
分とCr成分が、50〜230meshの範囲の粒子直
径を持つ第1のCr粉が50%以上、325mesh以
下の粒子直径を持つ第2のCr粉が50%以下、前記第
1のCr粉と第2のCr粉との間の粒子直径を持つ第3
のCr粉3が10%以下(ゼロを含む)として構成さ
れ、これらのCrの合計が5〜60%(重量)であり、
残部がCuであるCu−Cr系合金であることを特徴と
する請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の真空バ
ルブである。
【0055】すなわち、Crの粒度分布を上記した範囲
に第1のCr粉と第1のCr粉と第3のCr粉とを制御
することによって、Crの粒度分布を制御しない時と比
べて、少なくとも10%の再点弧発生数の低減が得られ
ると共に、ばらつき幅も約10%縮小し、信頼性の向上
に有益となる。同時に遮断特性も安定化する。
【0056】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を詳細に説
明する。なお、実施例及び比較例の試作の条件を図1及
び図2に、またこれらの実施例及び比較例の評価結果を
図3及び図4に示す。
【0057】まず特性評価の条件、方法を示す。 (1)遮断特性 各条件で製造した直径70mmの接点を装着した遮断テ
スト用実験バルブを開閉装置に取り付けると共に、べー
キング、電圧エージング等を与えた後、24kV、50
Hzの回路に接続し、電流をほぼ1kAずつ増加しなが
ら遮断限界を真空バルブ3本につき比較評価した。24
kVの回路を遮断させた時、再点弧無しでアーク時間が
1ミリ秒以内で遮断に成功した時の電流値を求めた。
【0058】遮断テスト後の実験バルブについて、破壊
してアークの拡がりの程度も観察し、遮断性能の判断の
一助とした。 (2)再点弧特性 直径30mm、厚さ5mmの円板状接点片を、ディマウ
ンタブル型真空バルブに装着し、24kV×500Aの
回路を2000回遮断した時の再点弧発生頻度を2台の
遮断器(真空バルブとして6本)のバラツキ値を考慮し
て表示した。
【0059】なお、実施例5の発生数を1.0とした時
の倍率が、0.1未満を(イ)、0.1〜0.8を
(ロ)、0.8〜1.2を(ハ)、1.2〜1.5を
(ニ)、1.5〜10を(ホ)、10〜100を
(ヘ)、100以上を(ト)とした。(イ)(ロ)
(ハ)(ニ)の時合格、(ホ)(ヘ)(ト)の時不合格
である。
【0060】(実施例1〜5、比較例1)まず、遮断テ
スト用実験バルブの組立ての概要を示す。端面の平均表
面粗さを約1.5μmに研磨したセラミックス製絶縁容
器(主成分:AL23)を用意し、このセラミックス製
絶縁容器に対して組立て前に1650℃の前加熱処理を
施した。封着金具として、板厚さ2mmの42%Ni−
Fe合金を用意した。ロウ材として、厚さ0.1mmの
72%Ag−Cu合金板を用意した。上記用意した各部
材を被接合物間(セラミックス製絶縁容器の端面と封着
金具)に気密封着接合が可能なように配置して、5×l
-4Paの真空雰囲気で封着金具とセラミックス製絶縁
容器との気密封着工程に供する。
【0061】次いで、供試接点材料の内容、製造条件に
ついて示す。
【0062】Cu粉とCr粉の状態を(a):Cu粉と
Cr粉の混合体、(b):Cu粉とCr粉の成型体、
(c):Cu−Cr合金体とする。(a)には与える外
力として3.5トン/cm2(実施例4)、及び外力な
し(比較例1)を与えた。(b)にも与える外力として
3.5トン/cm2(実施例5)を与えた。(c)には
与える外力として1.5〜8トン/cm2(実施例1〜
3)を与え、Cu−25%Crの素材を得た後、次い
で、第2の工程として1220℃の加熱処理を与えてC
u−25%Cr合金を得た。
【0063】なお、評価はCu粉、Cr粉の成型体に対
して、3.5トン/cm2の外力を与えて得たCuCr
素材(実施例5)に1220℃の加熱処理を与えてCu
−25%Cr合金とした実施例5の特性を標準とし、そ
の相対値で行った。
【0064】これらの接点合金について前記条件による
再点弧特性、遮断特性を評価したところ、前記外力の値
が1.5以上の時には(ロ)〜(ニ)の範囲を示し安定
した再点弧特性を示した。(実施例1〜5)。これに対
して、前記外力の値がゼロの時の再点弧特性は(へ)〜
(ト)を示し、著しい低下を示した(比較例1)。遮断
特性は、前記外力の値が1.5以上の時には16〜24
kAの安定した高い遮断特性を発揮した(実施例1〜
5)。これに対して、前記外力の値がゼロの時には5k
Aを示し、遮断特性は著しい低下を示した(比較例
1)。
【0065】なお、Cu粉とCr粉の状態は(a)のC
u粉とCr粉の混合体、(b)のCu粉とCr粉の成型
体、(c)のCu−Cr合金体いずれであっても、実施
例1〜5が示すように、好ましい特性を得る。
【0066】再点弧特性を評価した後の接点表面の顕微
鏡観察によると、外力の大きい8トン/cm2(実施例
3)の接点の表面の損傷は、Cr粒子の脱落などは見ら
れず、平坦な損傷であるのに対して、外力の大きさがゼ
ロ(比較例1)の接点の表面の損傷は、うろこ状のCu
片の脱落やCrの著しい脱落と共に接点部を貫通し接点
自体を支持している台金部Cuにまで至るアークの集中
孔が見られ、接点表面は激しい凹凸が発生している。第
2の工程での1220℃では、CuマトリックスとCr
粒子との十分な界面強さが得られていないことによるC
r粒子の脱落の現象と考えられる。
【0067】(実施例6〜10)前記実施例1〜5で
は、CuCr素材に外力を与える雰囲気は、通常の大気
中1気圧の空気中で実施した例について示したが、本発
明の技術はこれに限らずその効果を発揮する。
【0068】すなわち、CuCr素材に外力を与える雰
囲気を、0.8気圧の空気中(実施例6)で実施すると
ともに、非酸化性雰囲気として、1気圧の水素中、窒素
中、アルゴン中(実施例7〜9)、及び真空度2×10
-1Pa(実施例10)で実施したところ、再点弧特性
は、(イ)〜(ハ)の範囲で安定した再点弧特性を示し
た(実施例6〜10)。遮断特性は16〜24kAの安
定した高い遮断特性を発揮した(実施例6〜10)。
【0069】(実施例11〜12)前記実施例1〜10
では、CuCr素材の上面下面(2方向加圧)から外力
を与えた例について示したが、本発明の技術はこれに限
らずその効果を発揮する。
【0070】すなわち、外力を与える時の方向を1方向
加圧、等方向加圧として前記評価を実施したところ、実
施例5の特性を標準とした再点弧特性は、(ロ)〜
(ハ)の範囲で安定した再点弧特性を示した(実施例1
1〜12)。例えば等方向加圧させた場合の実施例12
では、更に安定した再点弧特性を示した。遮断特性は1
6〜24kAの安定した高い遮断特性を発揮した(実施
例11〜12)。例えば実施例12では、24kA以上
の遮断特性を示した。
【0071】再点弧特性を評価した後の接点表面の顕微
鏡観察によると、Cr粒子の脱落などは見られず良好な
状態である。
【0072】(実施例13〜14、比較例2〜3)前記
実施例1〜12では、第2の工程での加熱処理の温度と
して1220℃を選択した例について示したが、本発明
の技術はこれに限らずその効果を発揮する。
【0073】すなわち加熱処理の温度として1120
℃、1350℃を選択して、前記評価を実施したとこ
ろ、実施例5の特性を標準とした再点弧特性は、112
0℃については(ハ)〜(ニ)、1350℃については
(イ)の範囲で安定した再点弧特性を示した(実施例1
3〜14)。これに対して、加熱処理の温度として95
0℃、1450℃を選択して、前記評価を実施したとこ
ろ、950℃については、(ホ)〜(ヘ)、1450℃
では(ハ)〜(ホ)の範囲で著しく劣化した再点弧特性
を示した(比較例2〜3)。
【0074】一方遮断特性は、前記第2の工程での加熱
処理の温度として1120℃については16kA、13
50℃については16〜20kAの範囲の安定した高い
遮断特性を発揮した(実施例13〜14)。しかし、加
熱処理の温度として950℃、1450℃を選択して、
前記評価を実施したところ、950℃については、8〜
12kA、1450℃については5〜16kAに著しく
低下した。再点弧特性、遮断特性とも低下した一因は、
950℃の素材ではガス量が十分に除去出来ないこと、
また1450℃の素材では組織変動が大であることにあ
る(比較例2〜3)。
【0075】(実施例15〜16)前記実施例1〜14
では、前記第1の工程での外力と、第2の工程の加熱処
理の温度を選択することによって接点合金を得る例につ
いて示したが、本発明の技術はこれに限らずその効果を
発揮する。
【0076】前記第2の工程の加熱処理後のCuCr素
材に対して、再度外力(第3の工程)を与えることによ
って特性の安定化に有益である。
【0077】すなわち、第3の工程として、1.5トン
/cm2(実施例15)、8トン/cm2(実施例16)
の外力を与えた場合の再点弧性は、(ハ)〜(ニ)を示
すと共に遮断特性も20〜24kA(以上)を示し、両
特性の安定化が見られる。特に実施例16では、極めて
安定した遮断特性を示した。
【0078】(実施例17〜18)前記第3の工程で再
度外力を与えることを示したが、この前記第3の工程の
後に、再度加熱処理(第4の工程)を与えることによっ
て、更に特性の安定化に有益である。
【0079】すなわち第4の工程として、800℃(実
施17)、1050℃(実施例18)の加熱処理を与え
た場合の再点弧特性は、(ロ)〜(ハ)を示すと共に、
遮断特性も24kA以上の極めて安定した遮断特性を示
した。
【0080】(実施例19〜23、比較例4〜5)前記
実施例1〜18では、製造する接点合金としてCu−2
5Cr接点合金を得る例について示したが、本発明の技
術はこれに限らずその効果を発揮する。
【0081】すなわち5〜60%Cr−Cu合金(実施
例19〜23)の製造に対しても、再点弧特性は、
(イ)〜(ニ)の好ましい範囲を示すと共に、遮断特性
も16〜20kAの好ましい安定した遮断特性を示し
た。
【0082】しかし、1.2%Cr−Cu合金の製造に
対しては、再点弧特性が(ニ)〜(ト)を示し大きく低
下した(比較例4)。遮断特性も12〜16kAに低下
した。一方85Cr−Cu合金の製造に対しては、再点
弧特性は(イ)〜(ロ)を示し極めて良好な特性を発揮
したにもかかわらず、遮断特性では12kAに低下し、
好ましくなかった(比較例5)。
【0083】再点弧特性、遮断特性とも低下した一因
は、比較例4では遮断テスト中の一部に溶着の発生を認
めると共に接点のアークによる材料消耗も大となったこ
と、比較例5では、温度上昇、接触抵抗の増加が大であ
ったこともある。
【0084】(実施例24〜31、比較例6)前記実施
例1〜23では、製造する接点合金としてCu−Cr系
接点合金を得る例について示したが、本発明の技術はこ
れに限らずその効果を発揮する。すなわちCrに対し
て、X=Ti,V,Ta,Nb,Mo,Wの1つを所定
量含有したCu−CrX合金(実施例24〜31)の製
造に対しても、再点弧特性は(イ)〜(ロ)の範囲の極
めて良好な特性を発揮し、遮断特性も16〜20kAの
好ましい安定した遮断特性を示した。しかし、比較例6
に対しては、再点弧特性が(イ)〜(ロ)を示し良好な
特性を発揮したにもかかわらず、遮断特性が12kAに
低下した。
【0085】(実施例32、比較例7)上記した実施例
1〜31では、接点面の組成分は、接点全面総てが同一
組成の接点を使用したが、本発明の技術はこれに限らず
その効果を発揮する。
【0086】すなわち、Cr量が、接点面の中央部を2
5%Cr、外周部を55%としたCuCr合金では、再
点弧特性は(ロ)の極めて良好な特性を発揮した。更に
遮断特性も20kAを示し、良好な遮断特性を発揮した
(実施例32)。これに対して、逆に接点面の中央部の
Cr量を85%としたCuCr合金では、再点弧特性は
(イ)〜(ロ)の極めて良好な特性を発揮したが、遮断
特性に於いて12kA(以下)を示し、好ましくない特
性となった(比較例7)。
【0087】(その他の実施例)なお、上記各実施例に
おいて、耐溶着性成分として、Bi,Pb、Sbの1つ
を1%以下、若しくはTe、Seの1つを5%以下含有
させることもできる。
【0088】すなわち、上記耐溶着性成分の存在は、特
に大電流遮断後の接点表面を安定化し、再点弧発生頻度
のばらつき幅を縮小する。
【0089】また、Cu成分とCr成分として、50〜
230meshの範囲の粒子直径を持つ第1のCr粉が
50%以上、325mesh以下の粒子直径を持つ第2
のCr粉が50%以下、前記第1のCr粉と第2のCr
粉との間の粒子直径を持つ第3のCr粉3]が10%以
下(ゼロ含む)として構成され、これらのCrの合計が
5〜60%(重量)であり、残部がCuであるCu−C
r系合金を用い、このCu−Crに少なくとも1.5ト
ン/cm2の外力を与えてCuCr素材を得る第1の工
程と、この第1の工程の後のCuCr素材に対して、1
120℃〜1350℃の加熱処理を与える第2の工程と
から接点を製造することもできる。
【0090】このように、Crの粒度分布を上記した範
囲に第1のCr粉と第1のCr粉と第3のCr粉とを制
御することによって、Crの粒度分布を制御しない時と
比べて、少なくとも10%の再点弧発生数の低減が得ら
れると共に、ばらつき幅も約10%縮小し、信頼性の向
上に有益となる。同時に遮断特性も安定化する。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
大電流遮断特性および再点弧特性に優れた特性を発揮す
る接点を備えた真空バルブを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る真空バルブの実施例1〜18及
び比較例1〜3の評価条件を示す表図。
【図2】 本発明に係る真空バルブの実施例19〜32
及び比較例4〜7の評価条件を示す表図。
【図3】 本発明に係る真空バルブの実施例1〜18及
び比較例1〜3の評価結果を示す表図。
【図4】 本発明に係る真空バルブの実施例19〜32
及び比較例4〜7の評価結果を示す表図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22F 1/08 C22F 1/08 B 1/11 1/11 H01H 1/02 H01H 1/02 C 11/04 11/04 B // C22F 1/00 627 C22F 1/00 627 661 661A 691 691B 1/02 1/02 (72)発明者 草野 貴史 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 山本 敦史 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 Fターム(参考) 4K018 AA04 BA02 BA20 BB04 BC12 CA02 JA03 KA34 5G023 AA05 BA11 CA08 CA21 5G026 BA01 BB02 BB14 BC04 BC05 BC07 5G050 AA12 AA13 BA01 CA01 CA19 DA03 EA01 EA06 EA13

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Cu成分とCr成分に少なくとも1.5ト
    ン/cm2の外力を与えてCuCr素材を得る第1の工
    程と、この第1の工程の後のCuCr素材に対して、1
    120℃〜1350℃の加熱処理を与える第2の工程と
    から製造した接点を備えたことを特徴とする真空バル
    ブ。
  2. 【請求項2】前記第1の工程は、非酸化性雰囲気、もし
    くは0.8気圧以下の空気中雰囲気で、前記所定の外力
    を与えることを特徴とする請求項1に記載の真空バル
    ブ。
  3. 【請求項3】前記Cu成分とCr成分の状態が、Cu粉
    とCr粉の混合体、Cu粉とCr粉の成型体、Cu−C
    r合金体のいずれかであることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2に記載の真空バルブ。
  4. 【請求項4】前記第1の工程における外力は、一方向加
    圧、二方向加圧、等方向加圧のいずれかによって与える
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の真空
    バルブ。
  5. 【請求項5】前記接点は、前記第2の工程の後の工程と
    して、少なくとも1.5トン/cm 2の外力を再度与え
    る第3の工程を加えて製造したことを特徴とする請求項
    1乃至請求項4のいずれかに記載の真空バルブ。
  6. 【請求項6】前記接点は、前記第3の工程の後の工程と
    して、Cuの融解温度以下で加熱処理を再度与える第4
    の工程を加えて製造したことを特徴とする請求項5に記
    載の真空バルブ。
  7. 【請求項7】前記接点は、耐弧性成分としての5〜60
    %(重量)のCr成分と、導電性成分としての残部がC
    uとで構成されたものであることを特徴とする請求項1
    乃至請求項6のいずれかに記載の真空バルブ。
  8. 【請求項8】前記接点は、耐弧性成分が、Cr成分と、
    50%以下のX成分(X=Ti,V,Ta,Nb,M
    o,Wの1つ)とからなり、導電性成分としての残部が
    Cuで構成されたものであることを特徴とする請求項1
    乃至請求項6のいずれかに記載の真空バルブ。
  9. 【請求項9】前記接点は、耐弧性成分が、Cr成分とX
    成分(X=Ti,V,Ta,Nb,Mo,Wの1つ)と
    からなり、それらの合計が5〜60%であり、導電性成
    分としての残部がCuで構成されたものであることを特
    徴とする請求項8に記載の真空バルブ。
  10. 【請求項10】前記接点は、Bi,Pb、Sbの1つを
    1%以下、若しくはTe、Seの1つを5%以下含有し
    たものであることを特徴とする請求項7または請求項8
    に記載の真空バルブ。
  11. 【請求項11】前記接点は、接点面の中央部のCr量
    が、30%以下のCr−Cu合金よりなり、接点面の中
    央部のCr量より、接点面の外周部のCr量を多くした
    ものであることを特徴とする請求項1乃至請求項10の
    いずれかに記載の真空バルブ。
  12. 【請求項12】前記Cu成分とCr成分は、50〜23
    0meshの範囲の粒子直径を持つ第1のCr粉が50
    %以上、325mesh以下の粒子直径を持つ第2のC
    r粉が50%以下、前記第1のCr粉と第2のCr粉と
    の間の粒子直径を持つ第3のCr粉3が10%以下(ゼ
    ロを含む)として構成され、これらのCrの合計が5〜
    60%(重量)であり、残部がCuであるCu−Cr系
    合金であることを特徴とする請求項1乃至請求項10の
    いずれかに記載の真空バルブ。
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