JP4476542B2 - 真空遮断器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、すぐれた遮断特性と再点弧特性とを両立させた接点を備えた真空バルブを用いた真空遮断器に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に真空遮断器に於いて、真空中でのア−クの拡散性を利用して高真空中で電流遮断を行わせる真空バルブの接点は、対向する固定、可動の2つの接点から構成されている。
【0003】
図7に示す如く、絶縁容器101の両端開口部を蓋体102a、102bにより閉塞した真空容器103内に、一対の接触子104、105を対向させて設けると共に、これらを、前記蓋体102a、102bを貫通させて真空容器103内に挿入された通電軸106、107の端部にそれぞれ装着し、その一方の通電軸107を図示しない操作機構により軸方向に移動可能として、前記一方の接点である固定接点104に対して、他方の接点である可動接点105を接触または開離出来るようにしてある。この場合、蓋体102bと通電軸107との間には、真空容器103内を真空気密に保持しかつ導電棒107の軸方向への移動を可能とするベロ−ズ108が設けられる。なお図中109は、前記各接点104、105および導電棒106、107を包囲する如く設けられたアークシ−ルドである。
【0004】
上記真空遮断器は、通常両接点が接触し通電状態となる。この状態からの動作により通電軸107が図中矢印M方向に移動すると、可動接点105が固定接点104から開離し、両接点間にはア−クが発生する。このア−クは陰極例えば可動接点105側からの金属蒸気の発生により維持され、電流がゼロ点(零点)に達すると金属蒸気の発生が止まってア−クが維持できなくなり、遮断が完了する。
【0005】
ところで、上記両接点104、105間に発生するア−クは、遮断電流が大きいとア−ク自身により生じた磁場と外部回路の作る磁場との相互作用により著しく不安定な状態となる。その結果、ア−クは接点面上を移動し(接点が電極に取り付けられ一体化している時には、ア−クは電極面上にも移動している場合もある)、接点の端部或いは周辺部に片寄り、その部分を局部的に過熱し、多量の金属蒸気を放出させて、真空容器103内の真空度を低下させる。その結果、真空遮断器の遮断性能は低下する。これらは金属組織などで代表される接点の状態に依存することが多い。
【0006】
図8は、一対の接点41、51を対向させて設けると共に、接点41の背面には平板型電極40、接点51の背面には平板型電極50をそれぞれ装着した真空バルブである。また接点41の背面にはコイル電極40、接点51の背面にはコイル電極50をそれぞれ装着することもできる。
【0007】
一般に真空遮断器では、大電流遮断性能、耐電圧性能、耐溶着性能の基本的3要件の他に、再点弧現象の発生の抑制が重要な要件となっている。
【0008】
しかしながら、これらの要件の中には相反するものがある関係上、単一の金属種によって総ての要件を満足させることは不可能である。この為実用されている多くの接点材料に於いては、不足する性能を相互に補うような2種以上の元素を組合せることによって、例えば大電流用、高耐圧用などのように特定の用途に合った接点材料の選択採用が行われ、それなりに優れた特性を持つ真空バルブが開発されているが、それでも一部の機能を犠牲にして対応している製品が多い。
【0009】
さらに強まる要求を充分満足する真空バルブは未だ得られていないのが実情である。
【0010】
例えば、大電流遮断性を目的とした接点として、Crを50wt%程度含有させたCu−Cr合金が知られている(例えば、特許文献1参照)。この合金は、Cr自体がCuと略同等の蒸気圧特性を保持しかつ強力なガスのゲッタ作用を示す等の効果で高電圧大電流遮断性を実現し、高耐圧特性と大容量遮断とを両立させ得る接点として多用されている。
【0011】
この合金は、活性度の高いCrを使用していることから、原料粉の選択、不純物の混入、雰囲気の管理などに十分に配慮しながら接点素材を製造(焼結工程など)したり、接点素材から接点片へと加工に配慮しながら接点製品としたりしているが、再点弧の発生が引金となって遮断性能を低下させる場合が見られ、その改善が望まれている。
【0012】
【特許文献1】
特公昭45−35101号公報(第1〜2頁、図2)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
CuCr接点は、両者の高温度での蒸気圧特性が近似していることなどが主因となって、遮断した後でも接点表面は比較的平滑な損傷特性を示し、安定した電気特性を発揮している。
【0014】
近年では、一層の大電流遮断やより高電圧が印加される可能性のある回路への適応が日常的に行われる結果、接点として加工した新品時の表面状態、電流遮断後の接点表面の損傷状態などによっては、次の定常電流を開閉した時に、接触抵抗の異常上昇や温度の異常上昇を引き起こす原因となったり、耐電圧不良を示し再点弧発生の一因となったりしている。
【0015】
しかし、接点の表面状態を管理しても完全には再点弧発生を抑制することが出来ず、十分な電流遮断特性が得られていないのが現実である。
【0016】
更に、例えばCuCr合金の再点弧特性と遮断特性の安定化には、接点材料の組成、成分量(Cr量)、組織形態(粒度、粒度分布、偏析の程度、合金中に存在する空孔の程度)、ガス量および接点の表面形態に強く依存することが判明した。しかしこれらの最適化を進めているにも拘らず、上述した近年の適応状況では、まだ再点弧特性にはばらつきが見られ、特に再点弧特性のより一層の安定化と遮断特性との両特性を兼備した真空バルブが必要となって来た。
【0017】
この発明の目的は、接点合金の再点弧特性を安定化させて電流遮断特性の優れた真空バルブを用いた真空遮断器を提供するにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記発明の目的を達成する為、本発明は、真空容器と、ベローズと、通電軸と、対向する一対の接点とを備えた真空遮断器に於いて、
接点は、0.1〜150μmの平均粒子直径を持つCrより成る耐弧性成分と、10〜85重量%のCuより成る導電性成分とを含有し、この導電性成分のCuマトリックス中に、0.005〜0.5重量%のCrより成る耐弧性成分を固溶させたCu−Cr系接点合金からなり、
導電性成分のCuマトリックス中には、100℃で濃度が3N(規定)の硝酸溶液中で10分間の加熱、または100℃で濃度が6N(規定)の塩酸溶液中で30分間の加熱に溶解する酸・アルカリ溶解性Al成分と、硝酸又は塩酸溶液に溶解せず、塩化ナトリウム又は塩化カリウム溶液にも溶解しない酸・アルカリ非溶解性Al成分とが含有され、
導電性成分のCuマトリックス中の酸・アルカリ溶解性Al成分は、10〜250ppmのアルミニウムからなり、導電性成分のCuマトリックス中の酸・アルカリ非溶解性Al成分は、10〜2000ppmの酸化アルミニウムからなることを特徴とする。
【0019】
このような構成により、再点弧特性と電流遮断特性とを両立させることができる。
【0020】
すなわち100℃で濃度が3N(規定)の硝酸溶液中で10分間の加熱、または100℃で濃度が6N(規定)の塩酸溶液中で30分間の加熱に溶解する酸・アルカリ溶解性Al成分であるアルミニウムの量(m)が250ppmを越えると、接点素材の導電率の低下が見られ、再点弧発生頻度には影響はないが、遮断特性が低下する傾向を示す。なお酸・アルカリ溶解性Al成分であるアルミニウムの量(m)を10ppm以下とすることは技術的には可能であるが、経済性の観点から得策ではない。
【0021】
また、導電性成分のCuマトリックス中の硝酸又は塩酸溶液に溶解せず、塩化ナトリウム又は塩化カリウム溶液にも溶解しない酸・アルカリ非溶解性Al成分である酸化アルミニウムの量(s)が2000ppmを越えると、再点弧特性が不安定化する。なお酸・アルカリ非溶解性Al成分である酸化アルミニウムの量(s)を10ppm以下とすることは技術的には可能であるが、経済性の観点から得策ではない。
【0022】
なお、本発明ではCu−Cr系接点合金中のCu量が85重量%を越えると、電流の遮断時に耐ア−ク性が劣り遮断後の接点表面は著しい荒れを示し、この荒れが再点弧発生の原因の1つとなる。Cu−Cr系接点合金中のCu量が10重量%未満では低い導電性の為、十分な遮断特性が得られないと共に接触抵抗特性、温度上昇特性も劣化する。
【0023】
また、耐弧性成分の平均粒子直径は、全Cr粒子のうち0.1〜150μmの範囲のCr粒子が少なくとも75容積%を占める時、安定した再点弧特性を発揮する。しかし、Cu量を10〜85重量%以内に制御したとしても、Cr粒子の平均粒子径が0.1μm未満では、Cu−Cr系接点合金中のCr粒子の分布は、十分には分散出来ず凝集部分が存在すると共に、Cu−Cr系接点素材中のガス量が低減化出来ず、いずれも再点弧発生を増長させている。150μmを越えると、仕上げ加工した接点表面には、Cr粒子とCu相界面に引っかき状の傷を残し平滑で均一な状態が得難く、再点弧特性が大きく低下する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0025】
研究によれば、電流を遮断した直後の接点面は主としてア−ク熱によって極めて高温度になり、溶融した接点面からは多量の気体状成分や固体状成分が電極空間に放出される。このうち気体状成分が電極間に所定時間以上停滞していると、真空の持つ、優れた絶縁性は破壊される。従って電極間の絶縁耐力を維持するには、接点面から放出される気体状成分の絶対量をあらかじめ極少にしておくことや、放出された気体状成分を速やかに電極間以外に拡散除去することも重要である。
【0026】
すなわち、接点の表面或いは接点内部に存在する物質(上述の気体状成分や固体状成分)内で、ア−ク熱によって簡単に分解あるいは除去される様な物質の場合には、遮断前の段階(ア−クによって接点が昇温して行く前)や昇温過程の極く初期の段階に電極空間に移動し、再点弧発生の直接的原因となる確率は低いことが観察された。
【0027】
逆に、簡単に分解あるいは除去されない物質の場合には、遮断完了しても分解あるいは除去が進行し電極空間に移動し、再点弧発生の重要な一因となることが観察された。前記した物質が分解される過程で生成されるガス(気体)の場合では、質量数の大きい成分ほど拡散速度が遅く電極空間に残存し易く、真空度の回復が遅れる傾向にあり、その結果絶縁破壊を誘発することが観察された。
【0028】
ここで、接点の表面或いは接点内部に存在する物質には、ア−ク熱やジュ−ル熱で簡単に排除可能の物質と、簡単には排除出来ない物質の2種類の存在が考えられる。この内で特に後者の物質の取扱いが再点弧抑制に対して重要となる。すなわち、電流を遮断する前の段階では(或いは接点が昇温して行く途中の極く初期の段階では)簡単に分解あるいは電極空間に放出・除去出来ない物質を、低減化することが重要となる。その為には簡単に分解あるいは除去出来ない物質がどの程度の量存在するかを、実際の電流を遮断することなくどう定量化するかも重要となる。
【0029】
接点の総てを完全に蒸気状態にまで加熱すれば、その時に放出される表面ガス量や内蔵ガス量を総て捕捉することが出来るが、接点の総てを完全に蒸気状態にまで加熱することは不可能であって、実際、融解中には分解しない物質が存在するので、表面或いは接点内部に存在する物質の総量を捕捉することは出来ないのが実情である。
【0030】
CuCr合金を塩酸、硝酸などの酸類の溶液及び必要により塩化ナトリウム、塩化カリウムなどのアルカリ類の溶液によって溶解すると、酸やアルカリに溶解して除去される成分と、これとは別に酸やアルカリに溶解しない非溶解物が残存する。
【0031】
前者の酸(アルカリ)に溶解し除去可能の成分は、ア−ク熱を受けた時点で接点表面へ拡散し易く、除去され易い成分に相当する。後者の酸(アルカリ)に非溶解で除去不可能の成分の中には、Al化合物として、接点表面部や接点内部に固形体として存在し、これらは簡単には分解あるいは除去され難い物質(s)に相当し、再点弧抑制に対して重要な意味を持つ。
【0032】
すなわち前記固形体のうち、接点表面部分に存在する酸・アルカリ非溶解物Al(s)は、ア−クを受けた時、分解して瞬間的に多量のガスを放出したり、分解生成物を放出したり、これが再点弧発生の一因となる。一方の接点内部に存在する酸・アルカリ非溶解物Al(s)も、最終的には接点表面層に移動の後、同様にア−クによって分解して多量のガス放出源となったり、電極空間への分解生成物の放出あるいは接点表面へ分解生成物を付着させたりして、同様に再点弧発生の一因となる。接点内部に存在する酸・アルカリ非溶解物Al(s)は、接点表面への拡散が遅れる為、遮断後或る時間経過後に見られる再点弧の一因となる。
【0033】
(実験1):発明者らの実験によれば、極微少量の酸・アルカリ非溶解物Al(s)を接点中に存在させる一つの手段として、原料とするCr粉末をサブミクロン級のAl酸化物を懸濁させた有機溶媒中に浸漬し、Cr表面にサブミクロン級のAl酸化物を被着させたCrを成型、焼結によってCrスケルトンを製造し、このCrスケルトンの空隙中に、導電成分となるCuを溶浸させる溶浸法によって、極く微量で微細酸化Alを内部に持つCuCr合金を製造した。有機溶媒中に懸濁させる酸化Alの量、大きさ、Crの粒子直径などを調整することによって、CuCr合金中の微細酸化Alの量を制御することは容易である。
【0034】
(実験2):同じく他の手段として、上記同様に有機溶媒中に懸濁させたサブミクロン級の酸化Alを被着させた原料Cr粉と、原料Cu粉とを固相焼結法によって、CuCr合金を製造した。
【0035】
いずれの製造法によって得たCuCr合金でも、酸化Alの量が大量の場合には、再点弧の発生頻度が大となる知見を得ると共に、その中からは特に酸・アルカリ非溶解物Al化合物(s)の存在が確認される。一方、酸化Alの量が少量の場合には、再点弧の発生頻度が極めて少ない傾向にある知見を得た。
【0036】
(実験3):発明者らの他の観察によれば、接点材料中には、極く微細な析出物が存在する場合と、析出物の無いか極く微量の場合とが観察される。
【0037】
実際の真空遮断器に於いて、高い再点弧発生頻度を示した真空バルブに搭載されていた接点について、更に高倍率(微視的)に観察すると、極く微細な析出物、介在物(いずれも酸・アルカリに非溶解の物質)が確認され、この場合の酸・アルカリに非溶解の物質中には、Al成分が一定量以上に多量に存在していることを確認した。
【0038】
これに対して、低い再点弧発生頻度を示した真空バルブに搭載されていた接点について、更に高倍率(微視的)に観察すると、微細析出物、介在物中にはAl成分が少ない傾向にあった。従ってこの実験から酸・アルカリ非溶解性物質の存在と、その中のAl成分の量(s)とが、再点弧特性と深く関わっていることを見出した。本発明では、実験1〜3の知見によって酸・アルカリ非溶解性物質Alの量(s)を制御すると共に最適化を図り、再点弧特性と遮断特性の両立を図ったものである。
【0039】
真空バルブの再点弧特性、遮断特性の安定化には、一般的には接点材料の組成、成分量の変動、ガス量、組織形態(粒度、粒度分布、偏析の程度、合金中に存在する空孔の程度)など、および接点の表面形態に強く依存するが、特に再点弧特性のより一層の安定化には、上記に加えてCuCr合金を酸溶液、アルカリ溶液によって溶解した後に、溶解せずに溶液中に残存している酸・アルカリ非溶解性Al成分の量(s)が深く関与する。
【0040】
以下に、本発明を実施例と比較例とで詳細に説明する。評価条件と評価結果を図1〜6に示す。
【0041】
(1)再点弧特性
直径30mm、厚さ5mmの円板状接点片を、ディマウンタブル型真空バルブに装着し、24kv×500Aの回路を2000回遮断した時の再点弧発生頻度を測定した。尚、結果は再点弧頻度を下記の様に表示した。
【0042】
すなわち、実施例2の発生数を1とした時の倍率が、0.1未満を評価(A)、0.1〜0.8を評価(B)、0.8〜1.2を評価(C)、1.2〜1.5を評価(D)、1.5〜10を評価(X)、10〜100を評価(Y)、100以上を評価(Z)とした。
【0043】
なお、(A)〜(D)を「合格」、(X)〜(Z)を「不良」の目安とした。
【0044】
(2)遮断特性
直径70mmの接点を装着した遮断テスト用実験バルブを開閉装置に取り付けると共に、ベ−キング、電圧エ−ジング等を与えた後、24kv、50Hzの回路に接続し、電流をほぼ1kAずつ増加しながら遮断限界を真空バルブ3本につき評価した。尚、数値は実施例2の値を1.0とした時の比較値を、バラツキ幅を持って示した。
【0045】
(3)遮断テスト用実験バルブの組立ての概要
遮断テスト用実験バルブの組立ての概要を示す。端面の平均表面粗さを約1.5μmに研磨したセラミックス製絶縁容器(主成分:AL23)を用意し、このセラミックス製絶縁容器については、組立て前に1600℃の前加熱処理を施した。封着金具として、板厚さ2mmの42%Ni−Fe合金を用意した。ロウ材として、厚さ0.1mmの72%Ag−Cu合金板を用意した。上記用意した各部材を被接合物間(セラミックス製絶縁容器の端面と封着金具)に気密封着接合が可能なように配置して、5×10-4Paの真空雰囲気で封着金具とセラミックス製絶縁容器との気密封着工程に供した。
【0046】
(実施例1〜3、比較例1)
本発明では、再点弧特性、遮断特性と接点素材中に含有される酸とアルカリの少なくとも一方の溶液に溶解する酸・アルカリ溶解性Al成分(m)および酸とアルカリのいずれの溶液にも溶解しない酸・アルカリ非溶解性Al成分(s)との関係が重要である。
【0047】
酸とアルカリの少なくとも一方の溶液に溶解する酸・アルカリ溶解性Al成分の量(m)および酸とアルカリのいずれの溶液にも溶解しない酸・アルカリ非溶解性Al成分の量(s)は以下の条件で定量化した。
【0048】
代表接点としてCu−25%Cr合金を選択し、この接点素材から約10gr.を採取した。例えば100℃で3N(規定)の硝酸中で約10分間加熱分解の後、これをろ過し、ろ液A(Cu2+)と沈殿物Aとに分別する。ここでろ液A(Cu2+)はCu相(Cuマトリックス相)に相当する。このろ液A(Cu2+)中に存在するAl量およびCr量をICP、AESなどの分析装置で定量することによって、前記Cuマトリックス中に固溶させた微量のAlの量(m)およびCrの量(b)を知る。
【0049】
次いで、この沈殿物Aを6Nの塩酸によって加熱分解(100℃で30分間)した後、ろ過することによって、ろ液B(Cr3+)と沈殿物Bとに分別する。ここでろ液B(Cr3+)は、前記原料として使用している0.1〜150μmのCr粒子(a)と、Cuマトリックス中に析出させたCr(c)との合計(a+c)に相当する。沈殿物Bをアルカリ溶液中での溶解、更には酸溶液中での溶解を実施し、両溶液に対して非溶解の物質を回収し、ICP、AESなどによる定量分析によって、酸・アルカリ非溶解性Al成分の量(s)および酸・アルカリ非溶解性Cr成分の量(d)を知る。なお、上記した(b)+(a+c)+(d)の合計量は、代表接点として選択したCuCr合金中のCr量である25%とほぼ一致した。
【0050】
なお、定量化に使用する酸としては硝酸、塩酸、弗酸など、アルカリとしては塩化ナトリウム、塩化カリウムなどが利用可能である。
【0051】
例えば、原料粉Cr粉表面に被着させる微細Alの量或いは微細酸化Alの量、微細Alの大きさ或いは微細酸化Alの大きさ、原料粉Crの粒子直径、焼結雰囲気の種類とその質、処理温度、時間などの調節などによって、接点素材中のCuマトリックス中の酸・アルカリ溶解性Al成分の量(m)を、10ppm〜1500ppmの範囲にある素材を製造し試験に供した(比較例1、実施例1〜3)。
【0052】
すなわち、評価用代表接点としてCu粉、Cr粉の成型体に対して、1060℃の加熱処理を与えたCu−25%Cr合金を選定し、これらの接点合金に対して、前記した定量化方法で接点素材中に含有される酸・アルカリ溶解性Al成分の量(m)を、10〜25ppm(実施例1)、120〜150ppm(実施例2)、220〜250ppm(実施例3)、1200〜1500ppm(比較例1)とした接点を製造した。
【0053】
再点弧特性の評価は、各接点について24kv×500Aの回路を2000回遮断した時の実施例2の再点弧発生数を1.0とした場合、0.1倍未満を評価(A)、0.1〜0.8倍を評価(B)、0.8〜1.2倍を評価(C)、1.2〜1.5倍を(評価D)とに分けこれらを「合格」と判断し、1.5〜10倍を評価(X)、10〜100倍を評価(Y)、100倍以上を評価(Z)とに分けこれらを「不良」と判断した。
【0054】
遮断特性の評価は、各接点について遮断電流値を測定し、後述する実施例2の遮断電流値を1.0とした時の倍率で示した。
【0055】
[再点弧特性(再点弧発生の頻度)]
接点素材中に含有される酸・アルカリ溶解性Al成分の量(m)が、10〜25ppm(実施例1)では、後述する実施例2と比較したの再点弧発生頻度は、0.1倍未満、0.1〜0.8倍を示し極めて良好な再点弧特性(評価A〜B)を発揮した。
【0056】
酸・アルカリ溶解性Al成分の量(m)を120〜150ppmとした標準接点では、0.8〜1.2倍を示し極めて良好な再点弧特性(評価C)を発揮した(実施例2)。
【0057】
酸・アルカリ溶解性Al成分の量(m)を220〜250ppm(実施例3)とした接点では、標準接点(実施例2)の発生頻度と比較した再点弧発生頻度は、0.1〜0.8倍、0・8〜1.2倍を示し、良好な再点弧特性(評価B〜C)を発揮した。
【0058】
酸・アルカリ溶解性Al成分の量(m)を、1200〜1500ppm(比較例1)とした接点では、標準接点(実施例2)の発生頻度と比較した再点弧発生頻度は、0・8〜1.2倍、1.2〜1.5倍以内を示し、良好な再点弧特性(評価C〜D)を発揮した。
【0059】
なお、接点素材中の酸・アルカリ溶解性Al成分の量(m)を安定して10ppm未満とするにはコスト高となり、製造工程が繁雑となるのみで、経済的価値が低い。
【0060】
[遮断特性の評価結果]
接点素材中に含有される酸・アルカリ溶解性Al成分の量(m)を、120〜150ppmとした標準接点(実施例2)の遮断倍率を、(1.0)とした時、酸・アルカリ溶解性Al成分の量(m)が10〜25ppm(実施例1)の時の遮断倍率は、(1.0〜1.1)倍、アルカリ溶解性Al成分の量(m)が220〜250ppm(実施例3)の時の遮断倍率も、(0.95〜1.0)倍を示し、いずれも標準接点(実施例2)とほぼ同程度若しくはそれ以上の好ましい遮断特性にある。
【0061】
これに対して、酸・アルカリ溶解性Al成分の量(m)が、前記実施例1〜3よりも多い1200〜1500ppm(比較例1)では、前述の様に再点弧特性は良好な範囲(評価C〜D)にあったが、遮断倍率は(0.5〜0.8)倍に低下した。明らかに接点素材中の酸・アルカリ溶解性Al成分の(m)量が増加する場合に遮断特性は低下する傾向にある。
【0062】
従って、接点素材中に含有される酸・アルカリ溶解性Al成分の量(m)は、再点弧特性と遮断特性の両立の観点から、250ppm以下とすることが好ましく、下限量は前記再点弧の時と同様に経済性によって決定される。
【0063】
(実施例4〜6、比較例2)
前記実施例1〜3、比較例1では、接点素材中に含有される酸・アルカリ溶解性Al成分の量(m)の再点弧特性、遮断特性に及ぼす影響を、接点合金中の酸・アルカリ非溶解性Al成分の量(s)を50〜70ppmとしたCu−25%Cr接点について示したが、本発明技術での酸・アルカリ非溶解性Al成分(s)の量は50〜70ppmに限ることなくその効果を発揮する。
【0064】
すなわち、接点合金中の酸・アルカリ非溶解性Al成分の量(s)を10〜15ppm(実施例4)、300〜350ppm(実施例5)、1650〜2000ppm(実施例6)、4500〜5200ppm(比較例2)とした接点を製造した上で、これらの接点材料の中から酸・アルカリ溶解性Al成分(m)の量が、10〜25ppmの範囲内にある接点材料を選択した上で、前記評価を実施した。
【0065】
[再点弧特性(再点弧発生の頻度)]
酸・アルカリ非溶解性Al成分の量(s)を10〜15ppm(実施例4)とした時には、標準接点(実施例2)と比較した再点弧発生頻度は、0.1倍未満(評価A)を示し極めて良好な再点弧特性を発揮している。
【0066】
酸・アルカリ非溶解性Al成分の量(s)を300〜350ppm(実施例5)とした時にも、標準接点(実施例2)と比較した再点弧発生頻度は、0.1倍未満および0.1〜0.8倍(評価A〜B)を示し、同等以上の良好な再点弧特性を発揮している。
【0067】
酸・アルカリ非溶解性Al成分の量(s)を1650〜2000ppm(実施例6)とした時にも、標準接点(実施例2)と比較した再点弧発生頻度は、0.1倍〜0.8倍および0.8〜1.2倍(評価B〜C)を示し、良好な再点弧特性を発揮している。
【0068】
これに対して、酸・アルカリ非溶解性Al成分の量(s)が、前記実施例4〜6より多い4500〜5200ppm(比較例2)では、標準接点(実施例2)の再点弧発生頻度と比較して、10〜100倍および100倍以上の再点弧発生頻度(評価Y〜Z)を示し好ましくない。
【0069】
以上の様に、酸・アルカリ非溶解性Al成分の量(s)が、2000ppm以下(実施例6)の場合では、好ましい再点弧特性が見られるのに対して、酸・アルカリ非溶解性Al成分の量(s)が実施例6より多い4500〜5200ppm(比較例2)では、遮断直後の絶縁回復が著しく遅く耐電圧性が低下し再点弧が多発し、10〜100倍および100倍以上の再点弧発生頻度(評価Y〜Z)を示し、再点弧特性は著しく低下した。明らかに接点素材中に含有される酸・アルカリ非溶解性Al成分の量(s)が、所定量以下の時に良好な再点弧特性を発揮する。なお、接点素材中の酸・アルカリ非溶解性Al成分の量(s)を安定して10ppm未満とするにはコスト高となり、製造工程が繁雑となるのみで、経済的価値が低い。
【0070】
以上により、本発明技術を適応する接点素材中に含有される酸・アルカリ非溶解性Al成分の量(s)は2000ppm以下が好ましい。
【0071】
[遮断特性]
遮断特性は、接点中の酸・アルカリ非溶解性Al成分の量(s)が10〜15ppm(実施例4)の遮断倍率は(1.05〜1.2)倍、300〜350ppm(実施例5)の遮断倍率は(1.0〜1.1)倍、1650〜2000ppm(実施例6)の遮断倍率は(0.9〜1.0)倍を示し、いずれも標準接点(実施例2)とほぼ同程度の好ましい遮断特性にある。
【0072】
酸・アルカリ非溶解性Al成分の量(s)が4500〜5200ppm(比較例2)の遮断倍率は(0.35〜0.5)倍に大幅な低下を示した。接点表面の荒れが起因して遮断特性は大きなバラツキをした。
【0073】
以上により、本発明技術を適応する接点素材中に含有される酸・アルカリ非溶解性Al成分の量(s)は、10〜2000ppmの範囲の接点を使用するのが好ましい。
【0074】
なお、酸・アルカリ溶解性Al成分(m)と、酸・アルカリ非溶解性Al成分(s)との合計量(m+s)は、20〜2000ppmであることが好ましい。CuCr系接点合金中の酸・アルカリ溶解性Al成分(m)と酸・アルカリ非溶解性Al成分(s)との合計量(m+s)が2000ppmを越えると、再点弧特性が不安定化する。合計量(m+s)を20ppm以下とすることは技術的には可能であるが、経済性の観点から得策ではない。
【0075】
(実施例7〜9、比較例3〜4)
前記実施例1〜3、比較例1では、接点素材中に含有される酸・アルカリ溶解性Al成分の量(m)、前記実施例4〜6、比較例2では、接点素材中に含有される酸・アルカリ非溶解性Al成分の量(s)の各々について再点弧特性、遮断特性に及ぼす影響を、接点合金中のCu量を75重量%(以下接点材料については重量%)としたCu−25%Cr接点について示したが、本発明技術はこれに限ることなく上記Cu−25%Cr接点以外でもその効果を発揮する。
【0076】
すなわち、接点合金中のCu量を5%とした5%Cu−Cr(比較例3)、10%Cu−Cr(実施例7)、50%Cu−Cr(実施例8)、85%Cu−Cr(実施例9)、98%Cu−Cr(比較例4)を製造した上で、これらの接点材料の中から酸・アルカリ溶解性Al成分の量(m)が、10〜25ppmの範囲内にある接点材料で、酸・アルカリ非溶解性Al成分の量(s)が、50〜70ppmの範囲内にある接点材料を選択した上で、前記評価を実施した。
【0077】
[再点弧特性(再点弧発生の頻度)]
10%Cu−Cr(実施例7)の時には、標準接点(実施例2)と同等の再点弧発生の頻度0.1〜0.8倍および0.8〜1.2倍(評価B〜C)を示し良好な再点弧特性を発揮している。
【0078】
50%Cu−Cr(実施例8)の時には、標準接点(実施例2)と同等の再点弧発生の頻度0.1〜0.8倍および0.8〜1.2倍(評価B〜C)を示し良好な再点弧特性を発揮している。
【0079】
85%Cu−Cr(実施例9)の時には、再点弧発生の頻度0.8〜1.2倍および1.2〜1.5倍(評価C〜D)を示し良好な再点弧特性を発揮している。
【0080】
これに対して、接点中のCu量が、実施例8の85%より多い98%Cu−Cr(比較例4)では、電流遮断時に一部に溶着現象の発生や接点表面の荒れが大きくなる現象を呈し、接点の耐電圧特性の低下によって、1.5〜10倍および100倍以上(評価X〜Z)を示し、再点弧特性は著しく低下を示すと共に、バラツキを示し好ましくない。
【0081】
なお、接点中のCu量を5%とした5%Cu−Cr(比較例3)の場合では、標準試料(実施例2)と比較して同等以上の再点弧特性を示し、再点弧発生の頻度は0.1〜8倍および0.8〜1.2倍(評価B〜C)を示し良好な再点弧特性を発揮しているが、後述する遮断特性との両立が不可能である。
【0082】
以上により、本発明技術を適応する接点素材中に含有されるCu量は10〜85%が好ましい。
【0083】
[遮断特性]
10%Cu−Cr(実施例7)の時には、標準接点(実施例2)と同等の遮断特性(0.9〜0.95)倍を示し良好な遮断特性を発揮している。
【0084】
50%Cu−Cr(実施例8)の時には、標準接点(実施例2)と同等の遮断特性(1.0)倍を示し良好な遮断特性を発揮している。
【0085】
85%Cu−Cr(実施例9)の時には、標準接点(実施例2)と同等の遮断特性(1.0〜1.1)倍を示し良好な遮断特性を発揮している。
【0086】
98%Cu−Cr(比較例4)の時には、標準接点(実施例2)と比較して遮断特性(0.7〜1.15)倍を示し,遮断特性にバラツキを示した。接点表面の荒れが起因して遮断特性は大きなバラツキをした。
【0087】
接点中のCu量が(実施例2)の10%より少ない5%Cu−Cr(比較例3)の遮断倍率は、接点材料自体の低導電率化によって(0.55〜0.7)倍を示し、大幅な低下と大幅なバラツキを示している。
【0088】
以上により、本発明技術を適応する接点素材中に含有されるCu量は、10〜85%の範囲の接点を使用するのが好ましい。
【0089】
(実施例10〜11)
前記実施例1〜9、比較例1〜4では、接点素材中の導電性分としてCuを選択した場合の例について示したが、本発明技術はこれに限ることなくCu以外でもその効果を発揮する。
【0090】
すなわち接点素材中の導電性分をAgとした40%Ag−Cr(実施例10)であっても、再点弧発生の頻度は1.2〜1.5倍の良好な再点弧特性(評価D)を示し合格の範囲である。
【0091】
さらに、導電性分を、Ag=54%、Cu=21%とした75%(Ag+Cu)−Cr(実施例11)であっても、標準接点(実施例2)と同等の再点弧発生の頻度0.8〜1.2倍および1.2〜1.5倍(評価C〜D)を示し良好な再点弧特性を発揮している。
【0092】
遮断特性は、標準とする実施例2の遮断特性を1.0とした場合の、(0.9)倍(実施例10)、(0.95〜1.05)倍(実施例11)を示しいずれも合格の範囲である。
【0093】
(実施例12〜14、比較例5)
前記実施例1〜11、比較例1〜4では再点弧特性、遮断特性に及ぼす接点合金中の酸・アルカリ溶解性Al成分の量(m)および酸・アルカリ非溶解性Al成分の量(s)の影響を、接点合金中のCuマトリックス中に固溶させたCrの量(b)を0.02%(重量%)としたCuCr接点について示したが、本発明技術でのCuマトリックス中に固溶させたCrの量(b)は、0.02%に限ることなくその効果を発揮する。
【0094】
すなわち接点合金中のCuマトリックス中に固溶させたCrの量(b)を、0.005%、0.1%、0.5%とした75%Cu−Cr(実施例12〜14)、および0.5%より多い量とした75%Cu−Cr(比較例5)の各合金を、主として接点製造時の冷却過程での冷却速度を調整しながら製造した上で、これらの中から接点材料中の酸・アルカリ溶解性Al成分の量(m)が10〜25ppmの範囲内にあり、かつ酸・アルカリ非溶解性Al成分の量(s)が50〜70ppmの範囲内にある接点材料を選出して前記評価を実施した。
【0095】
[再点弧特性(再点弧発生の頻度)]
導電成分中に固溶する耐弧成分の量すなわちCuマトリックス中に固溶させたCrの量(b)が、標準接点(実施例2)の0.02%よりも少ない0.005%の場合(実施例12)では、実施例2より優れた0.1倍未満および0.1〜0.8倍の再点弧特性(評価A〜B)を示した。
【0096】
Cuマトリックス中に固溶させたCrの量(b)が、0.1%の場合(実施例13)、0.5%の場合(実施例14)では、いずれも0.8〜1.2倍(評価C)を示し好ましい再点弧特性を示した。
【0097】
これに対して、Cuマトリックス中に固溶するCrの量(b)が、0.5%より多い場合(比較例4)では、0.8〜1.2倍から10〜100倍の再点弧特性(評価C〜Y)を示し、バラツキ幅の大きい再点弧特性を示し好ましくない。
【0098】
なお、Cuマトリックス中に固溶するCrの量(b)を0.005%未満とすることは製造コストが高く供給性に難があり製造技術的観点から、本発明の好ましい範囲から除外した。
【0099】
[遮断特性]
導電成分中に固溶する耐弧成分の量すなわちCuマトリックス中に固溶するCrの量(b)が標準接点(実施例2)の0.02%より少ない0.005%(実施例12)の遮断倍率は(1.0〜1.1)倍、固溶するCrの量(b)が0.1%(実施例13)の遮断倍率は(0.9〜1.0)倍、固溶するCrの量(b)が0.5%(実施例14)の遮断倍率は(0.9〜0.95)倍を示し、いずれも良好な範囲である。
【0100】
これに対して、Cuマトリックス中に固溶するCrの量(b)を、実施例12の0.5%より多くした場合(比較例5)では、(0.6〜0.75)倍に低下し好ましくない。
【0101】
以上から、本発明を実施する上では、接点合金中のCuマトリックス中に固溶させたCrの量(b)は、0.005〜0.5%の範囲にある接点合金を採用することが好ましい。
【0102】
すなわち、導電性成分(Cu相)中に固溶させたCrの量(b)が0.5%を越すと、接点の製造技術上経済性の面で問題であると共に、接点合金自体の導電率が低下し遮断特性が大幅に低下する。また、導電性成分(Cu相)中に固溶させるCrの量を0.005%未満に制御するのも工業的にも経済的にも得策でない。
【0103】
(実施例15〜16、比較例6)
前記実施例1〜14、比較例1〜5では、接点中の耐弧成分の種類としてCrを選択したCuCr接点について、再点弧特性、遮断特性に及ぼす効果を示したが、本発明技術はこれに限ることなくCu−Cr接点以外でもその効果を発揮する。
【0104】
[再点弧特性]
接点合金中のCuマトリックス中に固溶させたCrの量(b)を0.02%、接点素材中に含有される酸・アルカリ溶解性Al成分の量(m)を10〜25ppm、酸・アルカリ非溶解性Al成分の量(s)を50〜70ppm、残部をCuとした上で、接点素材中に存在する耐弧性成分(重量比)の種類を、CrW(Cr:W=9:1)、CrW(Cr:W=5:5)で置換しても、標準接点(実施例2)と比較して、それぞれ、0.1倍未満および0.1〜0.8倍の再点弧発生頻度(評価A〜B)、0.1〜0.8倍および0.8〜1.2倍の再点弧発生頻度(評価B〜C)を示した(実施例15〜16)。
【0105】
しかし、CrとWとの比率がCr:W=2:8の場合の様に、Cr成分が少ない時には、再点弧発生頻度が0.8〜1.2倍および1.5〜10倍を示しバラツキの大きい再点弧特性(評価C〜X)を示し好ましくない(比較例6)。
【0106】
[遮断特性]
CrW(Cr:W=9:1)の場合(実施例15)では、(0.9〜1.1)倍、CrW(Cr:W=5:5)の場合(実施例16)でも、(0.9〜1.1)倍の良好な遮断特性を示した。しかし、CrW(Cr:W=2:8)の場合の様に、耐弧性成分中のCr成分が少ない時には、多量の熱電子放出の影響で遮断特性は,(0.4〜0.55)倍に大幅に低下した。この場合遮断直後の絶縁回復が著しく遅れ耐電圧性低下で再点弧特性にバラツキ発生、遮断特性も大幅に低下した(比較例6)。
【0107】
(実施例17、19〜20)
[再点弧特性]
接点合金中のCuマトリックス中に固溶させたCrの量(b)を0.02%、接点素材中に含有される酸・アルカリ溶解性Al成分の量(m)を10〜25ppm、酸・アルカリ非溶解性Al成分の量(s)を50〜70ppm、残部をCuとした上で接点素材中に存在する耐弧性成分(重量比)の種類を、CrMo(Cr:Mo=9:1)、CrTa(Cr:Ta=9:1)、CrNb(Cr:Nb=9:1)で置換しても、標準接点(実施例2)と比較して0.1倍未満および0.1〜0.8倍の再点弧発生頻度(評価A〜B)を示した(実施例17、実施例19〜20)。
【0108】
[遮断特性]
接点素材中に存在する耐弧性成分(重量比)の種類をCrMo(Cr:Mo=9:1)、CrTa(Cr:Ta=9:1)、CrNb(Cr:Nb=9:1)で置換しても、標準接点(実施例2)と同等以上の好ましい遮断特性(0.95〜1.15)倍を示しを示し良好な特性にある(実施例17、実施例19〜20)。
【0109】
(実施例18)
なお、上記実施例1〜17、実施例19〜20では、接点合金中の導電成分(Cuマトリックス)中に固溶させた耐弧成分の種類としてCrを選択したが、実施例18での導電成分(Cuマトリックス)中に固溶させた耐弧成分の種類はCrTiとなる。この場合であってもその効果を発揮する。
【0110】
すなわち、接点合金中の導電成分中に固溶する耐弧成分をCrTiとし、その量を、0.02とした75%Cu−Cr(実施例18)を製造し、前記評価を実施した。
【0111】
[再点弧特性]
再点弧発生の頻度は実施例2と同等以上の0.1倍未満および0.1〜0.8倍(評価A〜B)を示し、良好な再点弧特性を発揮している(実施例18)。
【0112】
[遮断特性]
遮断特性も遮断倍率(0.95〜1.15)倍を示し、実施例2と同等の範囲である(実施例18)。
【0113】
以上から、前記接点に於ける耐弧性成分は、Crの一部を50%以下のW、Mo、Ta、Nb、Tiの1つで置換しても同等の効果を得る。
【0114】
すなわち、Crの一部をW、Mo、Ta、Nb、Tiの1つで置換した接点を使用することによって、Cu−Cr接点素材全体の機械的強度を大とし、Cr粒子の脱落が引き金となって引き起こされる再点弧発生を軽減化することができる。
【0115】
(実施例21〜22、比較例7)
前記実施例1〜20、比較例1〜6では、Cuマトリックス中の耐弧成分(Cr、CrWなど)の粒子直径をCrは40〜80μm、Wなどは1〜6μmとした場合について、再点弧特性、遮断特性に及ぼす効果を示したが、本発明技術で使用する耐弧成分の粒子直径は、これに限ることなくその効果を発揮する。
【0116】
すなわち、接点合金中のCuマトリックス中に固溶させたCrの量(b)を0.02%、接点素材中に含有される酸・アルカリ溶解性Al成分の量(m)を10〜25ppm、接点素材中に含有される酸・アルカリ非溶解性Al成分の量(s)を50〜70ppm、残部をCuとした上で、耐弧成分(Cr、CrWなど)の粒子直径を0.1〜25μm、70〜150μm、200μm以上とし、前記と同等の評価を実施した。
【0117】
[再点弧特性]
耐弧成分(Cr)の粒子直径を0.1〜25μm、70〜150μmとしても、標準としている実施例2と比較してほぼ同等の好ましい再点弧特性(評価B〜Cおよび評価C〜D)を示した(実施例21〜22)。
【0118】
耐弧成分(Cr)の粒子直径が200μm以上の接点では、標準接点(実施例2)と比較した再点弧発生の頻度は、1.5〜10倍および100倍以上(評価X〜Z)を示し、大幅な低下と大きなバラツキ幅を示し好ましくない(比較例7)。
【0119】
なお、Cuマトリックス中の耐弧成分(Cr)の粒子直径を、0.1μm未満とすることは、粒子直径を0.1μm未満とする為の生産性の低さなど高い製造コストによって本発明外とする。
【0120】
[遮断特性]
耐弧成分(Cr)の粒子直径を0.1〜25μm、70〜150μmとしても、標準接点(実施例2)と比較した遮断倍率は(0.95〜1.05)倍および(1.0〜1.1)倍を示し、標準としている実施例2の遮断特性1.0と比較してほぼ同等の好ましい値である(実施例21〜22)。
【0121】
しかし、耐弧成分(Cr)の粒子直径が200μm以上の接点での遮断倍率は、(0.75倍〜1.0)倍を示し、やはり大きなバラツキ幅を示し好ましくない(比較例7)。
【0122】
以上から、前記接点中の耐弧性成分は、0.1〜150μmの平均粒子直径を持つことが好ましい。
【0123】
(実施例23〜28、比較例8)
前記実施例1〜22、比較例1〜7では、接点合金中にBiなどの耐溶着性を改善させる為の補助成分を含有していないCuCr接点について、再点弧特性、遮断特性に及ぼす影響を示したが、本発明技術はこれに限ることなく上記した接点合金中にBiなどの補助成分が所定量以内存在してもその効果を維持する。
【0124】
すなわち、接点合金中にBiを0.1%、1.0%添加した75%Cu−Cr合金(実施例23〜24)、同じくBiを2.0%添加した75%Cu−Cr合金(比較例8)、Pbを0.3%添加した75%Cu−Cr合金(実施例25)、Sbを0.1%添加した75%Cu−Cr合金(実施例26)、Teを3.0%添加した75%Cu−Cr合金(実施例27)、Seを1.0%添加した75%Cu−Cr合金(実施例28)を製造した上で、前記同様の評価を実施した。
【0125】
[再点弧特性]
再点弧発生の頻度は、Bi量を0.1%とした実施例23では0.1〜0.8倍および0.8〜1.2倍(評価B〜C)を示し、Bi量を1.0%とした実施例24では0.8〜1.2倍および1.2〜1.5倍(評価C〜D)を示し、実施例2とほぼ同等かそれ以上の好ましい再点弧特性を示した。
【0126】
しかし、Bi量を2.0%とした比較例8では、10〜100倍および100倍以上(評価Y〜Z)を示し、再点弧特性の大幅な低下とバラツキ幅の拡大が見られ好ましくない。なおBiの存在によって実施例2よりも大幅に耐溶着性が改善される。
【0127】
[遮断特性]
遮断特性は、Bi量を0.1%とした実施例23では、(0.95)倍、Bi量を1.0%とした実施例24では(0.9)倍を示し、いずれも実施例2とほぼ同等の特性を示した。
【0128】
これに対して、Bi量を2.0%とした比較例8では、遮断時に生ずるBiの選択的蒸発による接点表面の荒損によって耐電圧性の低下を招く結果、遮断倍率は(0.3〜0.45)倍に大幅に低下し好ましくない(比較例8)。
【0129】
Pb量を0.3%とした実施例25、Sb量を0.1%とした実施例26、Te量を3.0%とした実施例27、Se量を1.0%とした実施例28など他の耐溶着性成分を含有する75%Cu−Cr合金に於いても、再点弧特性は0.8〜1.2倍および1.2〜1.5倍(評価C〜D)を示し、良好な再点弧特性を示すと共に、遮断倍率も(0.9)倍、(0.9〜0.95)倍を示し、いずれも良好な遮断特性を示す(実施例25〜28)。
【0130】
すなわち、Cu相中での1%以下のBi、Pb、Sbの存在は電流遮断後の接点表面荒れを安定化させ再点弧発生レベルを一層低くするのに貢献する。しかし、1%を越すBi、Pb、Sbの存在は、再点弧発生の頻度を増加させて好ましく無い。
【0131】
Cu相中での所定量のTe、Seの存在も、5%以下なら電流遮断後の接点表面荒れを安定化させ再点弧発生レベルを低くする。
【0132】
(実施例29〜31、比較例9〜10)
本発明の実施に於ける真空遮断器の接点の導電率は、例えば8%IACS以下の導電率を持つ比較例3では遮断特性が大幅な低下を示す様に、少なくとも10%IACSの導電率を持つ合金であることが好ましい。
【0133】
導電率が10%IACS未満の場合では、再点弧特性には変化は見られていないが、遮断倍率が(0.55〜0.7)倍を示し、遮断特性の低下が認められる。
【0134】
すなわち、接点合金の導電率が10%IACS未満では、遮断特性が大幅に低下する。また、接触抵抗、回路抵抗、温度上昇の増加を招き遮断電流値の低下、定格開閉電流値の低下を来たし好ましくない。
【0135】
本発明の実施に於ける真空遮断器の通電軸の導電率は、通常100%IACSのCuを用いるが、本発明では95%IACSの場合(実施例29)、70%IACSの場合(実施例30)であっても、再点弧発生頻度は0.1〜0.8倍および0.8〜1.2倍(評価B〜C)であり、再点弧特性には変化は見られていないが、通電軸の導電率が50%IACSの0.3重量%Zr−Cu合金を用いた場合では、遮断特性が(0.5〜0.65)倍の遮断倍率を示し、大幅に低下する(比較例9)。従って、通電軸の導電率は少なくとも70%IACSの導電率を持つことが好ましい。
【0136】
すなわち、通電軸の導電率が70%IACS未満では、やはり回路抵抗を増加させ温度上昇の増加を招き遮断電流値の低下、定格開閉電流値の低下を来たし好ましくない。純Cuは、機械的な外力に対する変形抵抗性が劣るが設計的な配慮を行うことによって、100%IACSの導電率を容易に得られるので、好適な通電軸材料として使用することができる。
【0137】
本発明の実施に於ける真空遮断器のコイル電極は、通常100%IACSのCuを用いるが、本発明では、コイル電極が0.1重量%Cr−Cuで製造した70%IACSの場合(実施例31)であっても、再点弧発生頻度は0.1〜0.8倍および0.8〜1.2倍(評価B〜C)であり、再点弧特性には変化は見られていない。
【0138】
コイル電極の導電率が50%IACSの0.3重量%Zr−Cu合金を用いた場合では、遮断特性に於いて(0.4〜0.55)倍の遮断倍率を示し、遮断特性の大幅な低下が認められる(比較例10)。従って、コイル電極の導電率は少なくとも70%IACSの導電率を持つことが好ましい。
【0139】
すなわち、コイル電極の導電率が70%IACS未満では、やはり回路抵抗を増加させ温度上昇の増加を招き遮断電流値の低下、定格開閉電流値の低下を来たし好ましくない。純Cuは、機械的な外力に対する変形抵抗性が劣るが設計的な配慮を行うことによって、100%IACSの導電率を容易に得られるので、好適なコイル電極材料として使用することができる。
【0140】
【発明の効果】
以上のように、本発明の真空遮断器によれば、再点弧特性と電流遮断特性とを両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る真空遮断器の実施例1〜9および比較例1〜4の評価条件を示す表図。
【図2】 本発明に係る真空遮断器の実施例10〜20および比較例5〜6の評価条件を示す表図。
【図3】 本発明に係る真空遮断器の実施例21〜31および比較例7〜10の評価条件を示す表図。
【図4】 本発明に係る真空遮断器の実施例1〜9および比較例1〜4の評価結果を示す表図。
【図5】 本発明に係る真空遮断器の実施例10〜20および比較例5〜6の評価結果を示す表図。
【図6】 本発明に係る真空遮断器の実施例21〜31および比較例7〜10の評価結果を示す表図。
【図7】 代表的な真空バルブの構成例を示す断面図。
【図8】 代表的な真空バルブの他の構成例を示す断面図。
【符号の説明】
40…電極(接点41の背面)
41…固定接点
50…電極(接点51の背面)
51…可動接点
101…絶縁容器
102a…固定側蓋体
102b…可動側蓋体
103…真空容器
104…固定接点
105…可動接点
106…固定通電軸
107…可動通電軸
108…ベロ−ズ
109…ア−クシ−ルド
M…通電軸107の移動方向

Claims (1)

  1. 真空容器と、ベローズと、通電軸と、対向する一対の接点とを備えた真空遮断器に於いて、
    前記接点は、0.1〜150μmの平均粒子直径を持つCrより成る耐弧性成分と、10〜85重量%のCuより成る導電性成分とを含有し、この導電性成分のCuマトリックス中に、0.005〜0.5重量%のCrより成る耐弧性成分を固溶させたCu−Cr系接点合金からなり、
    前記導電性成分のCuマトリックス中には、100℃で濃度が3N(規定)の硝酸溶液中で10分間の加熱、または100℃で濃度が6N(規定)の塩酸溶液中で30分間の加熱に溶解する酸・アルカリ溶解性Al成分と、硝酸又は塩酸溶液に溶解せず、塩化ナトリウム又は塩化カリウム溶液にも溶解しない酸・アルカリ非溶解性Al成分とが含有され、
    前記導電性成分のCuマトリックス中の酸・アルカリ溶解性Al成分は、10〜250ppmのアルミニウムからなり、前記導電性成分のCuマトリックス中の酸・アルカリ非溶解性Al成分は、10〜2000ppmの酸化アルミニウムからなることを特徴とする真空遮断器。
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