JP2511019B2 - 真空バルブ用接点材料 - Google Patents

真空バルブ用接点材料

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JP2511019B2
JP2511019B2 JP62056643A JP5664387A JP2511019B2 JP 2511019 B2 JP2511019 B2 JP 2511019B2 JP 62056643 A JP62056643 A JP 62056643A JP 5664387 A JP5664387 A JP 5664387A JP 2511019 B2 JP2511019 B2 JP 2511019B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、ホウ素(B)を含有する接点合金に係り、
特に、加熱時の接点変形現象の防止と耐溶着性能の向上
の両立化が図られた真空バルブ用接点材料に関する。
(従来の技術) 真空しゃ断器は、小型、軽量、メンテナンスフリー、
環境調和など、他のしゃ断器に比べ優れた特徴を有する
ため、近年、次第にその適用範囲が拡大され、従来より
一般に使用されている36KV以下の回路から、例えば72KV
以上というような更に高圧の回路への適用が行なわれて
いる。また電流的にも10〜20KA級回路から40KA級という
ような更に大電流の回路への適用が行なわれている。こ
のような高圧化、大電流化に伴い、溶着現象の発生が少
なく、かつ、大容量しゃ断の可能な接点材料の開発が望
まれている。
この要求に対しては、従来より、高耐圧、大容量真空
しゃ断器用の接点材料として、Bi、Pb,Te、Se、Sb等の
溶着防止成分を配合したCu基合金、又は/及びAg基合金
が開発されてはいるが、これらの接点材料においても最
近の苛酷化した要求に対しては必ずしも充分な対応が出
来ない場合がある。
ところで、通常の真空バルブの組立てに於ては、ロウ
材(銀ロウ、銅ロウなど)を使用して、接点と通電軸、
又は電極板とがロウ接合されるのが一般的である。
しかし、このロウ接合工程は、800℃前後もしくはそ
れ以上の高温下で行われるため、その加熱によって接点
は寸法膨脹するが、ロウ接処理終了後常温にまで冷却し
ても、元の状態(加熱処理前の寸法)に戻らず、寸法が
増大する現象を呈する場合があ多々あり、接点特性の改
善において大きな障害となっていた。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者らの研究によれば、Cuまたは/およびAgと溶
着防止成分との合金に、0.005〜2%程度の極く少量の
B(ホウ素)を含有させた接点合金が上記問題点の軽減
化に有益な合金であるという知見を得ている。
しかしながら、上述の合金では、B量の範囲が広いた
めに、素材特性が広く変化し、厳しく耐溶着性を確保せ
ねばならないとき、耐溶着性と寸法増大現象との両者の
同時解決は困難である。
この発明は、上述した最近の厳しい技術的背景に基い
てなされたものであり、その目的とするところは、一般
に相反する状況にあるロウ接合工程後の接点の寸法増大
現象の軽減化と耐溶着性の維持向上との双方を同時に達
成し得る真空バルブ用接点材料を提供することである。
〔発明の構成〕
(問題点を解決するための手段) 本発明者らの研究によれば、上述の目的は、少量のB
(ホウ素)をCuまたは/およびAg中に含有した真空バル
ブ用接点合金において、所定の粒径を有するBが、該合
金中に偏析することなく高度に分散された含有形態であ
って、更に素材中の酸素量が所定範囲にありかつその酸
素は、高い解離温度を持つ化合物として存在しない場合
に達せられることが判明した。すなわち、本発明の真空
バルブ用接点材料は、重量比でB(ホウ素)を0.0001
(1ppm)〜0.02(20ppm)%、酸素を0.0001(1ppm)〜
0.002(20ppm)%含有してなるCuまたは/およびAg合金
であって、前記Bは、該合金中に粒子状で実質的に均一
に分散しB粒子の粒径は、90%以上の粒子が、0.1〜7
μmの範囲にあり、かつ、前記酸素は、少なくとも1000
℃以上の解離温度を有する酸化物としては合金中に存在
せずその大部分が該合金中に固溶した状態で存在してい
ることを特徴とするものである。
発明の具体的な説明 以下、この発明を、図面を参照しつつ更に具体的に説
明する。
真空しゃ断器 第1図は、本発明の接点材料を適用する真空しゃ断器
の一構成例を示す正断面図であり、第2図はその要部拡
大図である。図面を参照して、真空しゃ断器を説明す
る。しゃ断室1は、セラミック等の絶縁材料によりほぼ
円筒状形成された絶縁容器2と、この両端に密閉機構
3、3aを介して設けた金属製蓋体4および5とで真空気
密に区画されている。しかして、このしゃ断室1内に
は、一対の電極棒6、7の互いに対向する端部にそれぞ
れ固定電極8および可動電極9が配設されている。また
上記可動電極9の電極棒7には、ベローズ10が取付けら
れ、しゃ断室1内を真空気密に保持しながら、電極9の
往復動による一対の電極8、9の開閉を可能にしてい
る。またこのベローズ10はフード11により覆われ、アー
ク蒸気の被着を防止しており、またしゃ断室1内には更
に円筒状金属容器12が設けられ、絶縁容器2へのアーク
蒸気の被着を防止している。
一方、可動電極9は、その拡大構造を第2図に示すよ
うに、導電棒7にロウ材13によって固定されるか、又は
かしめによって圧着接続(図示せず)されており、その
上には可動接点14がロウ材15によって接合されている。
また固定電極8の詳細構造(図示せず)も向きが逆とな
るのみでほぼ同様であり、これには固定接点14aが設け
られている。本発明の接点材料は、上記したような接点
14、14aの双方またはいずれか一方を構成するのに適し
たものである。
真空バルブ用接点合金 この発明の接点材料は、0.0001(1ppm)〜0.002(20p
pm)重量%のB(ホウ素)と、0.0001(1ppm)〜0.002
(20ppm)重量%の酸素とを含有してなるCuまたは/お
よびAg基の導電性合金であり、特に、Bは、該合金中に
粒子状として高濃度に分散し、その粒子径は粒子の90%
以上のものが0.1〜7μmの範囲にあり、かつ、該合金
中の酸素は、該合金中に固溶した状態で存在しているこ
とを特徴とする接点材料である。
以下の記載において、量比を表わす「%」は、特記し
ない限り重量%を示すものとする。
この発明において導電性成分としては、Cuまたは/お
よびAgが通常、主成分として用いられるが、必要に応じ
てこれらの一部を5%(導電性成分基準)未満のFe、7
%未満のCoまたは2%未満のCrで置換することもでき
る。また、この溶着防止成分としては、Bi、Pb、Te、S
e、Sbの一種以上が用いられる。これら元素は本発明の
適用した接点材料中に0.1〜5%の量で用いられる。0.1
%未満では、大電流に対する耐溶着性が劣り、また5%
を超えると、製造時に偏析等を起こす傾向にあること、
しゃ断器用接点としてロウ接合特性が低下する傾向にあ
ることなど、健全な接点素材が得がたいからである。
この発明においては、耐溶着性特性向上とロウ接合加
熱後の寸法増大現象との両特性を同時に満足した接点材
料を得るために、上記した導電性成分および溶着防止成
分に加えて、接点材料には0.0001(1ppm)〜0.002(20p
pm)%のBを含有すると共に、合金中の酸素量を0.0001
(1ppm)〜0.002%(20ppm)に制限し、かつ前記Bにお
いては合金中に折出するB粒子の90%以上は、0.1〜7
μmの大きさの範囲に制限し、更に前記酸素において
は、解離困難な化合物の存在を極力抑制する。
それらの理由は、B量が0.0001%(1ppm)未満では寸
法増大現象を軽減化する効果が乏しい上に、量的にも微
量のため溶解時のコントロールに手間を要するからであ
り、一方、B量が0.002%(20ppm)を超えると、寸法増
大現象の軽減化に対しては、卓越した効果を発揮する
が、耐溶着性を更に厳しく要求するとき、その低下(劣
化)の傾向が見られる。従って、両特性を同時に満足さ
せる範囲は、B量が0.0001〜0.002%(1〜20ppm)とす
るのが得策である。但し、前記Bは、合金中に析出する
粒子の大きさとその分布が重要であって、粒径が7μm
以上および分布が90%未満では、耐溶着性にばらつきが
見られる。一方、粒径が0.1μm以下については、全て
のB粒子をこの数値に制御することは、工業的に難かし
い。
また、素材中の酸素量は、寸法増大現象に直接的に関
係する。すなわち、素材中の酸素量が0.002%(20ppm)
以上のときには、寸法増大現象が著しく見られる。一方
酸素量を0.0001%(1ppm)以下に制御することは、好ま
しい状況であるが、工業レベルでは技術的に難かしい。
合金中のAl23、MgO、SiO2など高融点の酸化物、真空
バルブに組込んだとき、しばしば再点弧発生の源とな
る。従って、合金中の酸素は、固溶状態で存在するもの
であって、前述酸化物の形成は、好ましくない。
尚、上記酸化物の解離温度が1000℃程度以下のもの、
たとえばAg2O、CdOなどでは、接点合金の溶解作業中の
加熱温度によって解離または昇華し合金中に存在しない
ので合金中に多量に存在して接点特性に影響を及ぼすよ
うなことは少ない。従って、溶解作業温度でも解離など
せず残存する高融点の酸化物の存在は、充分抑制しなけ
ればならない。
なお、使用される導電性成分材料および溶着防止成分
材料の品位、溶解作業温度、真空度の変動等の影響を考
慮すると、上記B量の範囲、特に下限は、添加量でな
く、接点材料中の含量として満たされるべきである。
この発明の真空バルブ用接点合金の重要な特徴の一つ
は、前記B粒子が合金中で導電性成分からなるマトリッ
クス中に高度に分散していることである。すなわち、実
質的に均一に分散していることである。しかしながら、
この発明において、必ずしも完全な均一性が要求され
ず、多少不均一性が残る分散であってもよい。
この発明の第二の特徴は、マトリックス中のB粒子の
90%以上の粒子の粒径が0.1〜7μmの範囲にあること
である。この発明において、B粒子は、純粋なBのみな
らず、ホウ素化合物ならびにこれらの混合物をも含むも
のとする。
この発明の第三の特徴は、合金中の酸素が高融点の酸
化物の形成を抑制した、すなわち酸素が0.002%(20pp
m)以下とし、合金中に固溶した状態で存在するもので
ある。
接点合金の製造法 次いで接点合金を製造する方法について説明する。こ
の合金の製造は、たとえば、真空度約1×10-3〜1×10
-6mmHg、1000〜1300℃の条件で導電性成分を溶解した
後、所定条件で調製されたB源および溶着防止成分を溶
解し、均一に溶解した後鋳型中で冷却固化するが、必要
によって指向性凝固を行なう。Bおよび溶着防止成分の
添加順序は任意であり、蒸発、飛散を防止するためにこ
れら成分の添加はArによって増圧後に行なうこともでき
る。
B(ホウ素)源の調製 この発明の接点合金を製造するにあたって、B源は、
好ましくは、所定の条件の下で調製されたものである。
ここで言う所定条件とは、Bの粒径が1μm〜4mm、
好ましくは44μm〜300μmの範囲にあることと共に、
その範囲から選択したBと、ほぼ同等の粒径を持つCu
(または/およびAg)とを使用することが第1である。
その理由は、B粒径が1μm以下では、比表面積が大き
いことに起因する表面の酸化の程度が大きく、保管管理
の条件によってその状態が変動し、素材特性に対しBの
効果を発揮するに際し、ばらつきを呈するので好ましく
ないからである。
所定条件の第2は、前記粒径のほぼ揃った両粉末、す
なわちBとCu(または/およびAg)とを特に充分よく、
混合した混合体を作ることである。充分よく混合するた
めには、例えばボールミル中で4時間程度回転、撹拌混
合を与える。混合体とする理由は、溶解作業の効率を上
げることと得られた合金の均一性すなわち溶解作業条件
のばらつきに起因する合金特性のばらつきを最少限に防
ぐために重要であり、前記所定条件の第1で述べた両粉
末の粒径をほぼ揃える効果を相まって各合金間のばらつ
き及び1個の合金内部のばらつきも、最少限に管理する
ために必要である。これらの細かい管理はBが活性であ
り、かつ粒径が小さい粉末を取扱う為に重要な条件であ
る。
所定条件の第3は、上記の混合粉体を一定の集合体と
して用いる。その理由は、細かいこれら両粉末を効率よ
く合金組成として添加するための作業管理に重要であ
る。この集合体は、一定の形状に成型して得ることがで
きる。また、成型体とせず混合体を他の導電性金属箔、
好ましくは合金の主成分であるCu(または/およびAg)
箔で包むことも、同じ目的を達し得る。
この合金の製造に用いるB源は、上記した第1、第
2、第3の所定条件を満すものである。これは、B−Cu
(または/およびAg)合金の前述した数多くの利点を効
率的に得るのに有効である。
このようにして得たB源を溶融中のCuまたは/および
Ag(Cuに対しては1100℃以上、Agに対しては1000℃以
上、真空度は好ましくは10-5Torr以下)溶湯へ投入する
か、又は更に溶着防止成分も含有した溶湯中へ投入し、
約15分撹拌し、加熱保持後鋳型中へキャストするが、堆
堝中で冷却固化し、溶着防止成分を含有したB−Cu(ま
たは/およびAg)合金素材を得る。
またB源のなかのBは、B単体のみならず、たとえば
Cu−Bのような母合金あるいはFe−Bのようなホウ素化
合物の形態を有する粉末であって、これとCu(または/
およびAg)粉とでB源を形成してもよい。
この発明による接点材料について、必要に応じて、切
削、研摩等の機械加工を行ない、あるいは圧延等の塑性
加工を行なうことにより所望の形状の接点が得られる。
(作用) 合金中に析出するB(ホウ素)粒子の90%以上の粒子
径が、0.1〜7μmの範囲にあり合金中に0.0001〜0.002
%(1〜20ppm)存在しかつ合金中の酸素量は0.002%
(20ppm)以下に抑制され、1000℃以上の解離温度を有
する化合物の形成・析出のないCuまたは/およびAgの導
電成分と、Te、Se、Bi、Pb、Sbより選ばれた少なくとも
1の溶着防止成分とからなる接点合金は安定した材料特
性、すなわち、ロウ接加熱後の寸法増加現象が軽減化さ
れた上、耐溶着性も兼備した特性を有する。
その理由は必ずしも明らかでないが、所定条件を有す
る適量のB量に制御し、かつ同時に、合金中の酸素量を
所定量以下に抑制した相乗効果によるものと考えられ
る。
すなわち、上述したB量、Bの存在形態及び酸素量、
酸素の存在形態が所定条件内にあるときは、本発明の目
的を同時に満足するが、酸素量が0.002%(20ppm)を越
えるときには、寸法増大現象の軽減化に対するBの効果
が減少し逆に酸素量が0.002%(20ppm)以内であって
も、Bが0.002%(20ppm)以上のときには、厳しく耐溶
着性を要求する場合には好ましくない。B及び酸素の存
在形態を特定した寄与は、耐溶着性あるいは寸法変化の
特にばらつき幅の縮少に寄与する。
また、0.002%(20ppm)を越えたB量を含有する合金
は合金自体に硬度の増加する結果、接触面積の減少によ
るジュール発熱の促進が耐溶着性低下(劣化)に寄与し
ているものと考えられる。
(実施例) 以下、本発明を実施例及び比較例によって更に具体的
に説明する。
平均粒径が44μmの金属ホウ素とほぼ同じ粒径を有す
る還元電解銅粉とを夫々100gずつ秤量後、乳ばちで予備
混合した。それをボールミルで約4時間、充分撹拌混合
作業を行ないB−Cu混合体を得た。
上記混合粉体の一部を取り出し、直径5mmの金型を使
用し3.5トン/cm2で成型し、成型体(ホウ素源)を得
た。
一方、直径82mmの黒鉛堆堝中で約5kgの銅を3×10-5m
mHgの真空度、1200℃の温度で溶解させ、約20分間保持
した後、150mmHgのAr(アルゴン)で増圧しCu-Te母合金
(Cu2Te)を得られる合金中のTe量が約4%近傍になる
に必要な量を添加する。撹拌保持後再び3×10-5mmHgに
排気したCu-Te溶湯中へ、前記に作成した成型体の一部
を適宜投入し、所定量のBを含有したB−Cu-Te合金素
材を約100mm得た。特に、成型体を前記Cu-Te溶湯中へ投
入する時の溶湯の温度、冷却を開始する時のB−Cu-Te
溶湯温度、B−Cu-Te溶湯が凝固するまで、及び凝固点
から常温までの冷却速度、原料として使用するB源のB
粒度、などを制御することによって、また素材の一部は
焼結寸法を使用することによって合金母相(マトリック
ス)中のB粒子の粒子径を0.1〜7μmの範囲になるよ
うに揃えた試料(実施例1〜15、比較例2、比較例4〜
8)のそれぞれの製作を行なった。尚粒径の確認は、顕
微鏡観察によって行なった。後述する評価方法、条件に
よってこれらの接点合金の評価結果を下記第1表に示し
た。
実施例1〜3、比較例1および2 Teを4%近傍含有しかつBを含有しないCu-Te合金の
耐溶着性を基準(比較例−1)とした相対評価結果によ
ると、合金中のBの量が4〜6.5ppmでその粒径が0.1〜
7μmの範囲にあるときには、耐溶着性は同等若しく
は、わずかに低下する程度(比較例−2、実施例1〜
3)であり実用範囲であるが、第1表から明らかなよう
に合金中の酸素量が40ppm(比較例−1)、28ppm(比較
例−2)のものでは、後述する方法によって評価したロ
ウ接合処理後の寸法増加の発生割合が著しく高く、夫々
15%(比較例−1)4%(比較例−2)を示している。
これに対し、合金中の酸素量が14ppm(実施例−1)4pp
m(実施例−2)1ppm(実施例−3)のものでは前述寸
法増加の発生率がゼロであった。上記試料(実施例1〜
3、比較例1〜2)はいずれも前記のようにB粒径が0.
1〜7μmの範囲のものであったが、これが10〜44μm
の範囲のものでは、B量が上記と同じ4〜6.5ppmであっ
ても溶着引きはずし力(耐溶着性)に著しいばらつきが
見られる(比較例−3)。従って、これらから合金中の
酸素量の範囲、並びに合金中のBの粒径の重要性が見ら
れ、酸素量が多い場合には寸法増加の発生率が高く、ま
たB粒径が大きい場合には溶着引きはずし力にばらつき
(B粒子の分布に偏析が起こるのが原因)が見られる傾
向があることが判る。
実施例4および5、比較例4および5 前記と同様、Teを4%近傍含有するCr-Te合金に示し
て合金中に分布するBの粒径を0.1〜7μmに揃えた場
合、合金中のB量が1%未満(比較例−4)ではロウ接
合処理後の寸法増加の発生率が高いがB量が1ppm以上、
20ppm、66ppm(実施例4〜5、比較例−5)では、寸法
増加の発生がゼロである。しかし66ppm(比較例−5)
では、溶着引きはずし力が増大の傾向にある。これは、
前述のようにBの分散効果による素材強度の向上及び硬
さの増加による接触点面積の減少の結果、ジュール溶着
の促進に起因するものと思われる。
以上の結果から、合金中のB量は1〜20ppm、酸素量
も1〜20ppmの範囲にあるとき、耐溶着性と寸法増加の
抑制の両特性を同時に満足させ得る範囲であることを示
している(実施例1〜5、比較例1〜5)。
比較例6〜8 合金中のB量及び酸素量とを前記好ましい範囲に管理
しても、0.1〜7μmの粒径を有するB粒子の占める割
合が65%(比較例−6)、30%(比較例−7)では、溶
着引きはずし力にばらつきが現われる。従って、B粒子
の粒径は0.1〜7μmのものが90%以上占めなくてはな
らない。
尚溶着防止成分を含まない場合には溶着引きはずし力
のレベルが含有するものと比較して数倍以上の高レベル
を示している(比較例−8)。
第1表から明らかなように、合金マトリックス中のB
粒子の粒径が前述好ましい範囲にあっても接点合金中の
B量が66ppm(比較例5)の如く、多量のときには、合
金中のBの分布に偏析、粗大化現象が見られ溶着引きは
ずし力にばらつきが見られるのは、その原因が影響して
いると推考され、合金マトリックス中のB粒子の粒径を
前述0.1〜7μmの範囲に制御しても、対象とする接点
合金中のB量には適切な範囲が存在し、その値は0.0001
〜0.002%(1〜20ppm)(実施例4〜5)と考えられ
る。
実施例6〜10 以上に示した実施例1〜5、比較例1〜8の合金は溶
着防止成分としてTe(テルル)を選定した場合の本発明
合金マトリックス中のB粒子の粒径の効果並びに合金中
の酸素量の効果について示したものであるが、溶着防止
成分がBi、Pb、Se、Sb、Te+Se(実施例6〜10)であっ
ても少ない溶着引きはずし力と寸法増加の抑制が見られ
る(実施例6〜10)。
同様に導電性成分がAgである場合(実施例11)、Cu-C
o、Cu-Fe、Cu-Crである場合(実施例12〜14)であって
も少ない溶着引きはずし力と寸法増加の抑制が見られ
た。更に導電性成分がCu-Agである場合(実施例15)に
対しても同様の効果が得られる。
耐溶着性 外径25mmφの一対の円板状試料に外径25mmφ先端が10
0Rの球面をなす加圧ロッドを対向させ100kgの荷車を加
え10-5mmHgの真空中において50Hz、18KAの電流を20ミリ
秒間通電し、その時の試料−ロッド間の引きはずしに必
要な力を測定し耐溶着性の判断をした。
第1表は、Te=3.7%残部Cuよりなる合金の上記引き
はずし力を1.0としたときの相対値で示したもので、同
一組成の試料を4個作り、測定したものであってその最
大値と最少値をばらつき幅として示した。
寸法増加の評価 外径42mmφの上述各試料円板を各100枚用意し850℃に
加熱する前後の直径を測定し、その比の平均値を第1表
に示した。
〔発明の効果〕
この発明による真空バルブ用接点合金によって次の効
果を得ることができる。すなわち、B(ほう素)を含有
したCuまたは/およびAg合金は真空バルブ用接点合金と
して数多くの利点を持っている。しかしながら、素材ロ
ットによって合金の再点弧特性にばらつきが見られ、B
含有合金の利点が充分発揮されない場合がある。この発
明の特徴である合金中のB(ホウ素)の存在形態、すな
わち導電成分のマトリックス中にB粒子が高度に分散
し、その粒子が所定の大きさであることによって、上述
のばらつきを無くして、B含有によるすぐれた効果を十
二分に発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の接点材料を適用する真空しゃ断器の一
構成例を示す正断面図、第2図はその要部拡大図であ
る。 1……しゃ断室、2……絶縁容器、6,7……電極棒、8
……固定電極、9……可動電極、14,14a……接点、13,1
5……ロウ材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01H 1/02 H01H 1/02 C (72)発明者 菅井 晋三 横浜市磯子区新杉田8 株式会社東芝横 浜金属工場内 (72)発明者 中島 信昭 横浜市磯子区新杉田8 株式会社東芝横 浜金属工場内

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量比で、ホウ素を0.0001〜0.002%、酸
    素を0.0001〜0.002%含有してなるCuまたは/およびAg
    合金であって、前記ホウ素は、該合金中に粒子状で実質
    的に均一に分散し、ホウ素粒子の粒径は、その90%以上
    の粒子が、0.1〜7μmの範囲にあり、かつ、前記酸素
    は、少なくとも1000℃以上の解離温度を有する酸化物と
    しては合金中に存在せず、その大部分が該合金中に固溶
    した状態で存在していることを特徴とする、真空バルブ
    用接点材料。
  2. 【請求項2】Bi、Pb、Te、Se、Sbから選ばれた少なくと
    も1種の溶着防止成分を0.1〜5重量%含有したことを
    特徴とする、特許請求の範囲第1項に記載の真空バルブ
    用接点材料。
  3. 【請求項3】Teまたは/およびSeとCuまたは/およびAg
    との化合物を1〜10重量%含有したことを特徴とする、
    特許請求の範囲第1項または第2項に記載の真空バルブ
    用接点材料。
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