JPH03295118A - 真空バルブ用接点材料 - Google Patents

真空バルブ用接点材料

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JPH03295118A
JPH03295118A JP9788490A JP9788490A JPH03295118A JP H03295118 A JPH03295118 A JP H03295118A JP 9788490 A JP9788490 A JP 9788490A JP 9788490 A JP9788490 A JP 9788490A JP H03295118 A JPH03295118 A JP H03295118A
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vacuum valve
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alloy
particle size
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JP9788490A
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Isao Okutomi
奥冨 功
Atsushi Yamamoto
敦史 山本
Keisei Seki
経世 関
Shigeaki Sekiguchi
関口 薫旦
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) この発明は、真空バルブの接点材料に用いられる焼結合
金に関し、より詳細には、電流さい所持性および大電流
遮断特性を改良した真空バルブ用接点材料に関する。
(従来の技術) 真空中でのアーク拡散性を利用して高真空中で電流しゃ
断を行なわせる真空バルブの接点は、対向する固定、可
動の2つの接点から構成されている。この真空バルブを
用いて、電動機負荷などの誘導性回路の電流をしゃ断す
るとき、過度の異常サージ電圧が発生し、負荷機器を破
壊させる恐れがある。
この異常サージ電圧の発生原因は、例えば、真空中にお
ける小電流しゃ断時に発生するさい新現象(交流電流波
形の自然ゼロ点を待たずに強制的に電流しゃ断が行われ
ること)、或いは高周波消弧現象などによるものである
さい新現象による異常サージ電圧の値Vsは、回路のサ
ージインピーダンスZOと、電流さい断値Icの積、す
なわちVswZo拳Icで表される。従って、異常サー
ジ電圧Vsを低くするためには電流さい断値1cを小さ
くしなくてはならない。
上記の要求に対して、炭化タングステン(WC)と銀(
Ag)とを複合化した合金の接点を用いた真空開閉器か
開発され(特願昭42−68447号、米国特許第36
83138号)、これが実用化されている。
このA g −WC系合金の接点は、 (1)WCの介在が電子放射を容易にさせ、(2)電界
放射電子の衝突による電極面の加熱に基づく接点材料の
蒸発を促進させ、更に、(3)接点材料の炭化物がアー
クにより分解し、荷電体を生成してアークを接続する等
の点で優れた低さい断電流特性を発揮する。
また、低さい断電流特性を発揮する他の接点材料として
、ビスマス(Bi)と銅(Cu)とを複合化した合金が
製造され、この材料が真空バルブ用接点として実用化さ
れている(特公昭35−14974号、米国特許第29
75256号、特公昭41−12131号、米国特許第 3246979号)。この合金のうち、Biを10ff
iffi%(以下wt%)としたもの(特公昭35−1
4974号)は、その適度な蒸気圧特性を有するので、
低いさい断電流特性を発揮し、また、Biを0.5wt
%としたもの(特公昭41−12131号)は、Biが
結晶粒界に偏析して存在する結果、合金自体を脆化し、
低い溶着用外力を実現し大電流しゃ断性に優れている。
低さい断電流特性を得る他の接点材料として、AgとC
uとの比率をほぼ7:3としたAg−Cu−WC合金が
提案されている(特開昭58−157015号)。この
合金においては、従来にない限定をしたAgとCuとの
比率を選択するので、安定したさい断電流特性を発揮す
ると記載されている。
更に、特開昭62−77439号公報には、耐弧性材料
の粒径(例えば、WCの粒径)を0.2〜1μmとする
ことにより、低さい断電流特性の改善に有効であること
が示唆されている。
(発明が解決しようとする課8) 真空しゃ断器には、低サージ性が要求され、そのために
、従来から、上述のように低さい断電流特性(低チョッ
ピング特性)が要求されていた。
しかしながら、真空バルブは、近年、電動機等の誘導性
回路に適用されることが一層増えると共に、高サージイ
ンピーダンス負荷のものも出現したため、真空バルブは
一層安定した低さい断電流特性を持つことが望まれるの
は勿論のこと、大電流遮断特性についても兼備し満足し
なくてはならない。
従来、これらの両特性を同時に満足させる接点材料はな
かった。
すなわち、前記電流さい断によるサージ(過電圧)は、
電流さい断値を小さ(することにより改善できる。さい
断時性は一般に接点の熱伝導度を小とすること、電極空
間の金属蒸気量を多くすることによって特性の向上が得
られるが、一方の遮断特性は、これらと全く逆に熱伝導
度は大に、電極空間の金属蒸気量、ガス量を極力少なく
することが必要とされている。
WCとAgとを複合化した合金の接点(特願昭42−6
8447号、米国特許第3683138号)では、さい
断電流値自体が不十分であるのみならず、遮断特性の改
善に対しても何等の配慮がなされていない。
10 w t%のBiとCuとを複合化した合金(特公
昭35−14974号、米国特許第2975256号)
では、開閉回数の増大と共に電極間空間への金属供給量
が減少して、低さい断電流特性の劣化が現れ、高蒸気圧
元素量に依存して耐電圧特性の劣化も指摘されている。
しかも、遮断特性を十分に満足していない。
0.5wt%のBiとCuとを複合化した合金(特公昭
41−12131号、米国特許第3246979号)で
は、低さい断電流特性が不十分である。
また、AgとCuとの重量比率をほぼ7:3としたAg
−Cu−WC合金(特開昭58−157015号)およ
び耐弧性材料の粒径を0、 2〜1μmとする合金(特
開昭62−77439号)では、遮断特性を十分に満足
していない。
この発明は上述の背景に基づきなされたものであり、そ
の目的とするところは、優れた低さい断電流特性と遮断
特性生を兼備し、苛酷化する真空しゃ断器への要求に応
える接点材料を提供することである。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 本発明者は、上記の課題解決のために研究開発を進めた
結果、高導電性成分と耐弧性成分とから構成された真空
バルブ用接点材料の高導電性成分中に所定粒径のBを少
量含有させた接点を使用することによって、目的を達成
できることが判った。
発明の概要 すなわち、本発明の真空バルブ用接点材料は、Agおよ
び/またはCuからなる高導電性成分と金属炭化物から
なる耐弧性成分とを含む真空バルブ用接点材料であって
、前記高導電性成分の含有量が20〜60重量%(接点
材料基準)であり、かつ前記高導電性成分中には平均粒
径が0.05〜7μmの範囲にあるB(ホウ素)を0.
5〜2XIO’ ppm (高導電性成分基準)含有さ
せたこと、を特徴とするものである。
また、本発明の真空バルブは、上記接点材料からなる接
点を具備したものである。
発明の詳細な説明 以下、この発明を、図面を参照しつつ更に具体的に説明
する。
真空バルブ 第1図は、本発明の接点材料を適用する真空バルブの一
構成例を示す正断面図であり、第2図はその要部拡大図
である。図面を参照して、真空しゃ断器を説明する。し
ゃ断器1は、セラミック等の絶縁材料によりほぼ円筒状
に形成された絶縁容器2と、この容器の両端に密閉機構
3.3aを介して設けられた金属製蓋体4および5とに
より真空気密に区画されている。そして、このしゃ新字
1内には、一対の電極棒6.7の互いに対向する端部に
それぞれ固定電極8および可動電極9が配設されている
。また上記可動電極9の電極棒7には、ベローズ10が
取付けられ、しゃ新字1内を真空気密に保持しながら、
電極9の往復動による一対の電極8.9の開閉を可能に
している。またこのベローズ10はフード11により覆
われ、アーク蒸気のベローズ10への被着を防止してお
り、またしゃ新字1内には更に円筒状金属容器12が設
けられ、絶縁容器2へのアーク蒸気の被着を防止してい
る。
一方、可動電極9は、その拡大構造が第2図に示される
ように、導電棒7にロウ材13によって固定されるか、
又はかしめによって圧着接続(図示せず)されており、
その上には可動接点14がロウ材15によって接合され
ている。また固定電極8の詳細構造(図示せず)も向き
が逆となるのみで上記可動電極とほぼ同様であり、これ
には固定接点14aが設けられている。本発明の接点材
料は、上記したような接点14.14aの双方またはい
ずれか一方を構成するのに適したものである。
真空バルブ用接点材料 この発明の真空バルブ用接点材料は、Agおよび/また
はCuよりなる高導電性成分と、金属炭化物からなる耐
弧性成分とからなる真空バルブ用接点材料において、高
導電性成分の含有量は20〜60重量%(接点材料基準
)であり、かつ、高導電性成分中には、平均粒径が0.
05〜7μmの範囲にあるB(ホウ素)を0.5〜2×
104ppmC高導電性成分基準)含有したものである
以下の記載において、量比を表す「%」は、特記しない
限り重量%を示すものとする。
この発明において導電性成分としては、Agおよび/ま
たはCuが通常、主成分として用いられる。この導電性
成分が接点材料中に占める割合は20〜60 w t%
(接点材料基準)である。20wt%未満では、WCは
80%以上に相当し、熱電子放出が大であること、合金
の導電率が小であるためしゃ断時性が著しく低下し、一
方、60%超過では、裁断現象の発生を軽減するのに関
連性の大きい、Ag又はAgCu蒸気量を適正量に制御
するのに重要な合金の熱伝導度を低く維持できずさい断
時性が劣化する。
この導電性成分は、必要に応じてその一部を5%(導電
性成分基準)未満のFe、7%未満のCOまたは2%未
満のNiで置換することもできる。
また、この導電性成分の溶着防止成分として、Bi、P
b、Te、Seまたはsbの一種以上が用いられる。こ
れらの元素は本発明に適用される接点材料中に0.1〜
5%の量で用いられる。
0.1%未満では、大電流に対する耐溶着性が劣り、一
方、5%を越えると、接点製造時に偏析等を起こす傾向
にあること、およびしゃ所用接点としてロウ接合特性が
低下する傾向にあることなどのため、上記含有量の範囲
外では良好な接点素材を得難い。
次に、本発明に用いられる接点材料中の耐弧性成分は、
金属炭化物である。ここで、本発明に用いられる金属炭
化物としては、W、Ti、Zr、Hf5V、Nbs T
a%CrおよびMoからなる群から選ばれた金属の炭化
物の少なくとも一種が好ましく用いられる。これらのう
ちで、さらに好ましくは、WCである。これらの耐弧性
成分は、その平均粒径が0.1〜9μmの範囲にあるこ
とが好ましい。0.1μm未満では、その粒径の制御が
難しく、一方、9μm超過では、さい断値の最大値が大
となり、さい断値にばらつきが発生する傾向がある。
本発明においては、電流さい断時性と大電流しゃ断時性
との両特性を同時に満足した真空バルブ用接点を得るた
めに、上記した高導電性成分中にその平均粒径が0.0
5〜7μmの範囲にあり、その含有量が0.5〜2×1
04 ppmの範囲にある8粒子を含有せしめる。
Bの含有量を上記の範囲に制御するのは、B量が0.5
ppm未満では、さい断時性の安定性向上の効果が乏し
い上に、量的にも微量であるため、接点製造時のコント
ロールに困難があるからであり、一方、B、ilが2%
(2×104ppm)を越えると、Bの偏析が著しくな
るため、さい断時性およびしゃ断時性にばらつきが生じ
易いからである。従って、両特性を同時に満足させるB
jlの範囲は0.5〜2×104 ppmである。
なお、使用される導電性成分材料および成分材料の品位
、溶解作業温度、真空度の変動等を考慮すると、上記B
量の範囲、特にその下限は、添加量ではなく、接点材料
中の含量として満足されるべきである。
高導電性成分中に析出する8粒子の大きさは、その平均
粒径が0.05〜7μmの範囲のものである。粒径が7
μm超過では電流さい断時性にばらつきが見られる。一
方、粒径が0.05μm未満では、全ての8粒子の粒径
をこの範囲に制御することは工業的に難しい。
本発明においては、特に、高導電性成分中に含有せしめ
るBは、高導電性成分中に粒子状として高度に分散され
、その粒径がその粒子の90%以上のものか上記0.0
5〜7μmの範囲にあることが好ましい。
粒径が上記0.05〜7μmの範囲にあるものの8粒子
の割合が90%未満では、電流さい断時性にばらつきが
見られる。
高導電性成分中にBが粒子状として高度に分散している
とは、8粒子が高導電性成分からなるマトリックス中に
実質的に均一に分散していることを意味する。しかしな
がら、必ずしも完全な均一性が要求されるものではなく
、多少の不均一性が残る分散であってもよい。8粒子が
高導電性成分中に実質的に均一に分散されていないとき
は、さい断時性およびしゃ断時性にばらつきが生じやす
い。
このように、高導電性成分のマトリックス中に8粒子が
高度に分散し、その粒子が所定の大きさであることによ
って、素材ロットによってみられる接点合金の特定のば
らつきをなくして、B含有による優れた効果を十二分に
発揮させることができる。
なお、この発明において、8粒子は純粋なりのみならず
、ホウ素化合物ならびにこれらの混合物をも含むものと
する。
接点合金の製造法 ここで接点合金を製造する方法について説明する。
まず導電性成分の製造について示す。たとえば、3 真空度約lXl0 〜IlXl0−6ssH,1000
〜1300℃の条件で導電性成分を溶解した後、所定条
件で調製されたB源および場合によっては溶着防止成分
を溶解し、均一に溶解した後鋳型中で冷却固化するが、
必要によって指向性凝固を行なう。Bおよび溶着防止成
分の添加順序は任意であり、蒸発、飛散を防止するため
にこれら成分の添加はArによって増圧後に行なうこと
もできる。
次いで、耐弧性成分の製造について示す。たとえば0.
5〜4トン/adでプレス成形した耐弧性成分(WCな
ど)の圧粉体を、真空度l×104〜I X 10−0
−6m1H温度1000〜1500℃で焼結し、耐弧性
成分のスケルトンを作る。
得られたスケルトン中の残存空孔のなかに1100〜1
300℃で前記導電性成分を溶浸することによって接点
素材を得る。
このようにして得られた接点材料は、必要に応じて切削
、研摩等の機械加工が施され、或いは圧延等の塑性加工
が施されて所望の形状の接点に加工される。
B(ホウ素)源の調製 この発明の接点合金を製造するにあたって、B源は、好
ましくは、所定の条件の下で調製されたものである。
ここで言う所定条件の第1は、Bの粒径が1urn−4
ws好ましくは44μm〜300μmの範囲にあること
と共に、その範囲から選択したBと、はぼ同等の粒径を
持つCu(または/および・Ag)とを使用することで
ある。その理由は、Bの粒径が1μm未満では、比表面
積が大きいことに起因する表面の酸化の程度が大きく、
保管管理の条件によってその状態が変動し、素材特性に
対しBの効果を発揮するに際し、ばらつきを呈するので
好ましくないからである。一方、Bの粒径が4■■超過
では、合金中に8粒子が偏存する場合があり、裁断特性
にばらつきを呈することがある。
所定条件の第2は、前記粒径のほぼ揃った両粉末、すな
わちBとCu(または/およびAg)とを特に充分よく
混合した混合体を作ることである。
充分よく混合するためには、例えばボ、−ルミル中で4
時間程度回転、攪拌混合を与える。混合体とする理由は
、溶解作業の効率を上げることと、得られた合金の均一
性すなわち溶解作業条件のばらつきに起因する合金特性
のばらつきを最少限におさえるために重要であり、前記
所定条件の第1で述べた両粉末の粒径をほぼ揃える効果
と相まって各合金間のばらつき及び1個の合金内部のば
らつきも、最少限に管理するために必要である。これら
の細かい管理はBが活性であり、かつ粒径の小さい粉末
を取扱う為に重要な条件である。
所定条件の第3は、上記の混合粉体を一定の集合体とし
て用いることである。その理由は、細かいこれら両粉末
を効率よく合金組成として添加するための作業管理上重
要である。この集合体は、一定の形状に成型して得るこ
とができる。または、成型体とせず混合体を他の導電性
金属箔、好ましくは合金の主成分であるCu(または/
およびAg)箔で包むことでも、同じ目的を達し得る。
この合金の製造に用いるB源は、上記した第1.12、
第3の所定条件を満すものである。これは、B−Cu(
または/およびAg)合金の前述した数多くの利点を効
率的に得るのに有効である。
このようにして得たB源を溶融中のCuまたは/および
Ag(Cuに対しては1100℃以上、Agに対しては
1000℃以上、真空度は好ましくは10−5Torr
以下)溶湯へ投入するか、又は更に溶着防止成分も含有
した溶湯中へ投入し、約15分攪拌し、加熱保持後鋳型
中へキャストするが、堆堝中で冷却固化し、溶着防止成
分を含有したB−Cu(または/およびAg)合金素材
を得る。
またB源のなかのBは、B単体のみならず、たとえばC
u−Bのような母合金あるいはFe−Bのようなホウ素
化合物の形態を有する粉末であって、これとCu(また
は/およびAg)粉とでB源を形成してもよい。
(作 用) 電流さい断時性の改善には、電流さい断値自体をより低
い値に維持すること以外に、そのばらつき幅を縮めるこ
とも極めて重要である。前述の電流さい新現象は、接点
間の蒸気fl(材料物性としては蒸気圧、熱伝導)、接
点材料からの放出電子などと関係が深いとされ、発明者
らの実験によれば、前者の方が寄与が大きいことが判明
した。従って、蒸気を供給し易くするか、あるいは供給
し易い材料で接点を作成すれば電流さい新現象が緩和で
きることが判明した。上述のCu−B1系合金はこうし
た観念に立つもので、低いさい断値を有する。しかしな
がら、致命的な欠点として、Biが持つ低融点(271
℃)のために通常真空バルブで行われる600℃近傍の
ベーキング或いは800℃の銀ろう付は作業時に、Bi
の溶融による移動・凝集の結果、電流さい断時性を維持
すべきBiの存在が不均一になってしまう。このため、
電流さい断値のばらつき幅が増大する現象が見られる。
一方、A g−WCで代表されるAg−耐弧性材料系合
金では、耐弧性材料(この場合wc)の沸点におけるA
gの蒸気量に左右されるものの他方、前記Cu−B1系
におけるBiの蒸気圧よりAgの蒸気圧は著しく低いた
めに接点のどの位置に(Agか耐弧性材料か)にアーク
の足が固着するかによって、温度不足すなわち蒸気不足
を招くことがある。結果的には、電流さい断値のばらつ
き幅が現れることが確認された。このように電流さい断
終期の接点面の急激な温度低下をAgと耐弧性材料との
組合わせのみによる合金によって阻止しアークを維持さ
せることは既に限界であると考えられた。更に、高性能
化するためには、何等かの補助技術を付与する必要があ
るとの結論に至った。この改良の1つの考えとして耐弧
性成分をより微細化することで、ばらつき幅の改善が見
られる。従って、耐弧性成分の粒径が電流さい新現象に
重要な役割を果たすことを示唆すると共に、耐弧性成分
が初期粒径のほぼ10〜20倍程の大きさに偏析か見ら
れた接点材料では著しいばらつきを示した観察結果を併
せて考慮すると、耐弧性成分の粒径に特定の範囲がある
ことを示唆している。
しかし、このように耐弧性成分の粒径を特定範囲に制御
した接点においても、電流さい新現象の改善は見られる
ものの、未だしゃ断時性につぃは十分に満足していない
本発明による接点材料を用いた真空バルブの電流さい断
時性は使用する接点を例えばA g −WC合金とする
と電流しゃ断時に電極空間に存在するAgの蒸気ffi
(Agの方がwcより蒸気圧が高い)と関係する。すな
わち、電極空間のAg蒸気量が多い程電流さい断値は低
く好ましい状態となる。
一方、上述のように電流さい断時性を左右するAgは、
WC粒子て構成するwcスケルトンのすき間に存在する
ため、Agの大きさ、分散状態は、WC粒子の分布状態
に依存し、実際的にはまちまちの状態である。従って、
Agの蒸発もまちまちとなり電流さい断値にばらつきが
発生する。
このような状態のAgのなかにAgよりはるかに高い電
気抵抗を持っBが微細に高度に分散した状態で存在する
ことは、Agの蒸発を促進させると共に、BがAgより
融点も高いため発熱体としての役目も持ち、電流開閉時
の熱エネルギによってスムーズなAgの蒸発を支援する
このようなりの作用によって電流さい断値を低く押える
と共に、そのばらつき幅の縮小の効果をも発揮する。
さらに、本発明の真空バルブ用接点材料中のBは大電流
しゃ断時性の改良にも寄与している。すなわち、電極空
間に供給されるAg蒸気(高導電性成分がCuのときに
はCu蒸気)が多ければさい断時性を向上させるが、過
剰の場合にはしゃ断時性の低下を示す。しゃ断不能を起
こすような大電流しゃ断が行われたとき、Ag中にBが
存在するとBがAgの蒸発熱を調整するように作用する
すなわち、結果的にAgの過剰な蒸発を抑制し、大電流
しゃ断時性の向上に寄与する。しかもAgの蒸発開始初
期には、BがAgよりも高抵抗でありかつ高融点である
特性が発揮され、Agの蒸発をスムーズに促進するよう
に作用しさい断時性の向上にも好影響を与える。、この
ようにしてAg中にBが存在することによって大電流し
ゃ断時性の維持とさい断時性の維持の両立が達成される
上記はA g−WC合金を例として説明したものである
が、導電性成分として純Cu或いはAgおよびCuを用
いた場合、また、耐弧性成分としてWC以外の金属炭化
物または複合金属炭化物、を用いた場合においても、導
電性成分中に分散したBの作用は上記と同様に達成され
る。
(実施例) 以下、本発明を実施例及び比較例によって更に具体的に
説明する。
平均粒径が44μmの金属ホウ素とほぼ同じ粒径を有す
る還元電界銀粉とを夫々はぼ等量ずつ秤量後、乳ばちで
予備混合した。それをボールミルで約4時間、十分攪拌
混合作業を行ないB−Ag混合体を得た。
上記混合粉体の一部を取り出し、直径5n+の金型を使
用し3.5トン/ cdで成型し、成型体を得た。得ら
れた成型体を4 X 10 ’Torrの真空中で、温
度1070℃で加熱し、ホウ素源を得た。
次に、上記ホウ素源を溶浸材として用いて接点を製造す
る。製造に先立って、必要粒径別に耐弧性成分および補
助成分を分類する。分類作業は例えば篩分けと沈降法と
を併用して行うことで容易に所定粒径の粉末を得る。ま
ず所定粒径のWCを所定量および所定粒径のAgを所定
量の一部用意し、これらを混合し、その後加圧成型して
粉末成形体を得る。
ついで、この粉末成形体を露点が一50℃以下の水素雰
囲気或いは真空度が1. 3X10−’mm)1g以下
で、所定温度、例えば1150℃×1時間にて仮焼結し
、仮焼結体を得る。
ついで、先に作製したホウ素源と上記仮焼結体とを重ね
合わせるよう配置すると共にホウ素源の溶融点以上に加
熱し、上記仮焼結体の残存空孔中に所定量のAgを溶浸
しA g −WC合金を得る。
尚、前記仮焼結体の作製において、粉末成形体中にあら
かじめAgを混合しておき、後から前述のホウ素源を用
いてAgを溶浸することによっても所望組成のA g−
WC合金を得ることができる。
いずれの場合も、所定量のBをAg中に含有した所定組
成の接点を得ることができる。
次に、本発明実施例データを得た計画方法、および評価
条件につき述べる。
(1)電流さい断時性 各接点を取付けて10’Pa以下に排気した組立て式真
空バルブを製作し、この装置を0.8m/秒の開極速度
で開極させ遅れ小電流をしゃ断した時のさい断電流を測
定した。しゃ断電流は20A(実効値)、50Hzとし
た。開極位相はランダムに行い500回しゃ断されたと
きのさい断電流を接点数3個につき測定しその平均値お
よび最大値を表1〜3に示した。尚、数値は、実施例2
のさい断電流値の平均値を1,0とした場合の相対値で
示した。
(2)シゃ断時性 接点径45mm、厚さ5■■の円板状接点片を、ディマ
ンウタブル型の真空しゃ断装置に装着し、接触力30k
gて7.2KVX12.5KV(7)しゃ断電流につき
、“O”−“CO″→“CO”  (4号責務)及びそ
の後“0”−“0”−“O” (5号責務)の責務を与
えたときのしゃ断状況(例えばしゃ新生の再点弧の発生
の有無、アーク時間の長短などを観測)を、実施例−2
の特性値を100としたときの相対値によって比較評価
した。
供試接点の内容 表−1,2,3に供試接点の材料内容とその対応する特
性データを示した。
表のように、合金中のBの量をゼロから9×10’pp
mの範囲に変化させ、かつ8粒子の粒径とその占める割
合の影響、さらに、高導電性成分の量の影響を調査する
と共に、耐弧性成分の粒径の範囲についても検討した。
実施例1〜5、比較例1〜2 平均粒径0. 7μmのWC粉末および平均粒径3.0
μmのAg粉末を用意する。WCとAgの一部を所定比
率混合後、焼結後の残存空隙量を調整するよう成形圧を
ゼロ−8トン/ cdの範囲で適宜選択しながら成形し
、WC−Ag成形体を得る。
次いで水素中1100℃で前記WC−Ag成形体を焼結
し、WC−Ag焼結体を得る。
得らたれWC−Ag焼結体とあらかじめ調製されたホウ
素源(Bを含有したAg)とを重ね合せて真空中115
0℃で加熱し、ホウ素源Ag−BをWC−Ag焼結体の
空孔中に溶浸させる。
このようにして、B量が0.5〜9×104ppm(実
施例1〜5、比較例−2)の試料を作製した。尚、B量
がゼロの試料(比較例−1)の場合には、前記ホウ素源
を用いず純Agを溶浸材として用い同様に溶浸したもの
である。
これら接点素材を所定の形状に加工後、前述した評価方
法、条件にてさい所持性及びしゃ所持性を評価した。
前記したように、さい所持性の評価は、500回しゃ断
させたときの特性で比較した。表−1の比較例1〜2、
実施例1〜5に示すように、合金中のB(ホウ素)量の
変化に対してのさい断値の平均値は、実施例2のB量−
4〜7ppmにおけるさい断値の平均値を1.0とした
ときの相対値で比較した場合、2.0倍以下の上昇(特
性の劣化)になっているが、B量−ゼロ(比較例1)お
よびB量−9xlO’ ppm (比較例2)では、さ
い断値の最大値が上昇している。これに対し、B量が0
.5〜2×104 ppm (実施例1〜5)では、比
較値が2.0倍以下に安定(特性良好)している。特に
B量−ゼロ(比較例1)のようにBを含有しない接点の
さい所持性は、さい断値の最大値が実施例−2より上昇
の傾向にあった。
一方、しゃ所持性の評価を行うと、同様に実施例2の特
性を標準とした相対値で検討すると、B量が0,5〜2
×104 ppm (実施例1〜5)では安定した特性
を示すが、B量がゼロ(比較例1)では、前記相対値か
減少(特性の劣化)の傾向にあり、相対値が50に劣化
した。従って、合金中のBffiは、さい所持性および
しゃ所持性の両観点から0.5〜2×104ppmの範
囲が好ましい(表−1)。
比較例3〜4 前述したようにBjlが好ましい範囲、すなわち4〜7
ppmの範囲であっても合金中に分布するBの粒径が適
切でないと、さい所持性およびしゃ所持性か劣化するこ
とが判った。すなわち、Bの粒径か大きい場合(比較例
−3)には、さい所持性のト目々・I値か2. 0超過
となった。更にその粒径か好ましい範囲にある割合が少
ない分布を持っている場合(比較例−4)には、さい断
値の平均値は2. 0以下であるが、最大値が大となり
好ましくないばかりでなく、シゃ所持性の相対値が70
に劣化した(表−1)。
実施例6〜7、比較例5〜6 Bの量及び8粒径とその分布がいずれも適切な範囲にあ
っても、B添加のさい断、しゃ断への効果は、合金中の
導電性成分の量が少ない合金Agm10wt%(比較例
−5)の場合には、さい断値は相対値が2.0以下と好
ましいものの、しゃ所持性が著しく低下した。
一方、合金中の導電性成分の量が多い合金Ag−80w
t%(比較例−6)の場合には、さい所持性が2. 0
超過と劣化した。これらより、合金中の導電性成分の含
有量が20〜60 w t%の場合の合金に対してB添
加の効果が見られる(表−1)。
実施例9〜11 前記実施例1〜8および比較例1〜6は、すべて耐弧性
成分WCの平均粒径を0.7μmとし、導電性成分の量
及び導電性成分中のBの量とその存在形態が前記の好ま
しい範囲にある場合につき述べたが、耐弧性成分WCの
平均粒径も、さい断時性、しゃ断時性に影響を与えた。
すなわち、WCの平均粒径が0.1〜9μm(実施例9
〜11)では、さい断時性の平均値および最大値共に相
対値が2.0以下にあり、しゃ断時性も問題ない傾向を
示したが、WCの平均粒径が更に粗の44μm(比較例
−7)では、前述の所定範囲のB量とBの存在形態であ
っても、さい断値の特に最大値が大となりばらつきが発
生して好ましくない傾向にあった。
従って、導電性成分の量、Bの量とその存在形態が好ま
しい範囲にあっても、耐弧性成分の粒径には、適切な範
囲が存在し、その値は0.1〜9μmであった(表−2
)。
実施例12〜16 前述した実施例1〜11および比較例1〜7は、すべて
導電性成分として純Agの場合を例示したが、Bの存在
の効果は純Ag以外でも発揮される。
すなわち、WCの焼結性の促進材として一般に用いられ
るCo、Fe、Niを含有したA g−WC合金(実施
例12) 、Ag−WC合金(実施例13) 、Ag−
WC合金(実施例14)においても、Co、Fe、Ni
の含有量が導電性成分の性質を大幅に変化させない最大
5%(Coの場合)、7%(Feの場合)、2%(Ni
の場合)(導電性成分基準)未満の場合には、前記した
Bの量とBの存在形態の範囲内であれば、Bの存在の効
果は有益に発揮され、表−2に示すように安定したさい
断時性およびしゃ断時性が得られた。
また、導電性成分が純Cuの場合(実施例−15)やA
g−Cu合金の場合(実施例−16)でも同様の効果が
得られた(表−2)。
実施例17〜25 前述した実施例1〜16および比較例1〜7における耐
弧性成分は、すべてWCについて例示した。しかし、本
発明真空バルブ用接点材料の目的達成のためのBの存在
の効果は、WC以外の炭化物を耐弧性成分として用いて
も同様の効果が発揮されることが判った。すなわち、W
C以外の炭化物としてTic、ZrC,HfC,VC,
NbC。
TaC,Cr3C2,Mo2C(実施例17〜24)を
用いた場合においても、WCの場合と同様、しゃ断時性
の相対値をほぼ100に維持しつつ、安定したさい断時
性を得た。
また、耐弧性成分として2種以上の金属炭化物を併用し
た複合炭化物の場合(実施例−25)についても、同様
の効果が得られた(表−3)。
以上述べた実施例のように、Agおよび/またはCuか
らなる、又必要により5%未満7%未満、2%未満のc
o、Fe、Niの少なくとも1つを含有する高導電性成
分の、この高導電性成分中に所定量のBを所定の存在形
態で添加することにより、電流さい断時性を低く維持で
き、かつそのばらつきも少なく管理することができ、更
にしゃ断時性も同時に満足する真空バルブ用接点材料か
得られる。
〔発明の効果〕
以上詳述したように本発明によれば、次のような効果を
奏する。すなわち、Agおよび/またはCuからなる高
導電性成分と金属炭化物からなる耐弧性成分とを含有す
る接点材料の高導電性成分中に所定粒径のBを少量含有
させることによって、電流さい所持性を低く維持でき、
かつそのばらつきも少なく管理した真空バルブ用接点材
料が製造できる。更に、しゃ所持性も同時に満足するこ
とができる。
従って、本発明の接点材料を真空バルブ用接点に用いれ
ば、信頼性の高い真空開閉装置を得ることができる。
13゜ 15・・・ロウ材。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、Agおよび/またはCuからなる高導電性成分と金
    属炭化物からなる耐弧性成分とを含む真空バルブ用接点
    材料であって、 前記高導電性成分の含有量が20〜60重量%(接点材
    料基準)であり、かつ前記高導電性成分中には平均粒径
    が0.05〜7μmの範囲にあるB(ホウ素)を0.5
    〜2×10^4ppm(高導電性成分基準)含有させた
    ことを特徴とする、真空バルブ用接点材料。 2、前記金属炭化物がW、Ti、Zr、Hf、V、Nb
    、Ta、CrおよびMoからなる群から選ばれた一種以
    上の金属炭化物である、請求項1記載の真空バルブ用接
    点材料。 3、前記金属炭化物がWCである、請求項2記載の真空
    バルブ用接点材料。 4、前記金属炭化物からなる耐弧性成分の粒径が0.1
    〜9μmの範囲にある、請求項1記載の真空バルブ用接
    点材料。 5、前記高導電性成分中に含有するBが該高導電性成分
    中に粒子状で実質的に均一に分散されている、請求項1
    記載の真空バルブ用接点材料。 6、前記高導電性成分中に含有するB粒子の粒子径が、
    該粒子の90%以上のものが0.05〜7μmの範囲に
    ある、請求項1記載の真空バルブ用接点材料。 7、請求項1記載の真空バルブ用接点材料からなる接点
    を具備した真空バルブ。
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