JPH0573813B2 - - Google Patents

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JPH0573813B2
JPH0573813B2 JP59246514A JP24651484A JPH0573813B2 JP H0573813 B2 JPH0573813 B2 JP H0573813B2 JP 59246514 A JP59246514 A JP 59246514A JP 24651484 A JP24651484 A JP 24651484A JP H0573813 B2 JPH0573813 B2 JP H0573813B2
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Isao Okutomi
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Tokyo Shibaura Electric Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
[発明の技術分野] 本発明は、真空開閉装置の真空バルブに使用さ
れる真空バルブ用接点材料およびその製造方法に
関する。 [発明の技術的背景とその問題点] 周知のように、真空バルブは、小形、軽量、メ
ンテナンスフリー、環境調和等他の遮断器に比較
して種々優れた特徴を有するため、近年次第にそ
の適用範囲が拡大してきた。このような真空バル
ブの接点に要求される基本的要件としては、(1)溶
着性が少ないこと、(2)耐電圧が高いこと、(3)しや
断特性がよいこと、が挙げられ、この他にさい断
電流値が小さいこと、接触抵抗が低く安定してい
ること、耐消耗性がよいこと等も重要な要件とな
つている。 しかしながら、これらの要件の中には相反する
ものがある関係上、単一の金属種によつて全ての
要件を満足させることは不可能である。このた
め、実用されている多くの接点材料においては、
不足する性能を相互に補なえるような2種以上の
元素を組合せ、かつ大電流用あるいは高電圧用等
のように特定の用途に適した接点材料の開発が行
なわれ、それなりに優れた特性を有するものが開
発されているが、さらに強まる高耐圧化および大
電流化の要求を充分満足する真空バルブ用接点材
料は、未だ得られていないのが実情である。 例えば、大電流化を指向した接点材料として、
Bi(ビスマス)のような溶着防止成分を5%以下
の量で含有するCu(銅)−Bi(ビスマス)合金が知
られている(特公昭41−12131号公報)が、Cu
(銅)母相に対するBuの溶解度が極めて低いた
め、しばしば偏析を生じ、しや断後の表面荒れが
大きく、加工成形が困難である等の問題点を有し
ている。また、大電流化を指向した他の接点材料
として、Cu(銅)−Te(テルル)合金も知られて
いる(特公昭44−23751号公報)。 この合金は、Cu−Bi系合金が持つ上記問題点
を緩和してはいるが、Cu−Bi系合金に比較して
雰囲気に対し、より敏感なため接触抵抗等の安定
性に欠ける。さらに、これらCu−Te、Cu−Bi等
の接点の共通的特徴として、耐溶着性に優れてい
るものの、耐電圧特性が従来の中電圧クラスへの
適用には充分であるとしても、これ以上高い電圧
分野への応用に対しては、必ずしも満足でないこ
とが明らかとなつてきた。 一方、高耐圧化を指向した接点材料としてCu
(又はAg(銀))等の高導電成分と、Cr(クロム)、
Ti(チタン)などとの焼結合金が知られている。
これらの焼結合金は、強いゲツタ作用を持つ以外
に蒸気圧特性がCrの場合Cuに近似し、Tiにおい
ても他の接点材料として用いられているW(タン
グステン)、Mo(モリブデン)よりはCuに近いた
め、Cu−Cr、Cu−Ti、Ag−Cr、およびAg−Ti
(以下、本発明の説明上高導電性成分としてCu
が、またCrとTiとについてCrが代表する)接点
のしや断後の接点表面は、W、Mo系接点より平
滑さを維持する結果、耐電圧特性などに良い傾向
を示すことが知られている。 しかしながら、Crは極めて酸化しやすい金属
であるため、粉末あるいは成形体の管理または熱
処理の条件が重要になり、また、Cuなどの高導
電性成分量(すなわち、CrとCuとの比率)もし
や断特性などに与える影響が大きい。したがつ
て、従来の製造方法には、次のような問題点があ
る。 (1) 例えばCu−Crを製造する場合Crとしては、
特開昭56−19832号公報、特開昭53−146905号
公報などに示されているように所定の粒径を持
つた粉体が使われている。一方Cr鉱石から金
属Crにする主な方法としてアルミ/サーミツ
ク法、電解法とが行われているが、得られた金
属Crを粉体にするには、従来スタンプミル、
ボールミルなどを主とした粉砕作業によるのが
一般的である。この粉砕作業は通常長い時間を
要するため、Cr粉体表面には、汚染皮膜
(Cr2O3を主体とした安定な酸化物)の生成、
ガス吸着などが著しい。このような状態のCr
粉体をCu−Cr接点の原料として使用するとき、
溶浸Cuとは、充分な濡れが得られず、接点中
に生ずるポアの一因となる。その原因はCr粉
体の前述のような汚染皮膜の多くはCu−Cr接
点製造中の例えば前加熱処理、焼結、溶浸など
の熱処理では、完全には除去できない為であ
る。このようなポアが接点中に残存するとしや
断性能の低下につながる。 以上述べたように粉末化の工程に於て目的径
にするまでに何回もの、或いは長時間の粉砕作
業を要するためCrは汚染を受け安定した管理
と、作業の改善が望まれている。 (2) 上記のような粉砕作業によつて得たCr粉体
は一般に、長軸と短軸の差の少ないすなわち球
形に近い粒状を呈している。そのために接点中
のCr粒子はCu−Cr接点表面加工中或いは開閉
時の機械的衝撃中に脱落する現象がある。この
理由はミクロ的観察によるとCr粒子自体が脆
いこと或いはCuとCrとの界面に介在する汚染
皮膜による濡れ不足或いはCr粉末がほぼ粒状
に近いためCuとCrとの接触面積の不足等によ
る原因によつてCr粒子の脱落或いは欠けが起
るものと考えられる。Cr粒子の脱落或いは欠
けが生ずると耐電圧特性の低下を招くことがあ
るので、Cr粒子の脱落防止が望まれている。 上記Cu−Crの接点表面加工時の脱落による
表面荒れは、初期耐圧、特に静耐圧の低下に影
響を及ぼし、又開閉時の機械的衝撃中に生ずる
脱落は離脱したCr粒子のぬけ跡による表面荒
れのみならず、離脱したCr粒子自体が他の部
所例えば電極面、シールド面へクランプとして
付着することによる耐電圧特性低下或いは再点
弧発生へ影響を与える。このような現象は多発
するものではないが、信頼度の高い真空バルブ
の製作及び長時間の信頼性保証の観点から重要
視される。 [発明の目的] 本発明は、上記事情に鑑みなされたものであ
り、その目的とするところは、しや断性能および
高耐電圧特性を安定して発揮させることができる
真空バルブ用接点材料およびその製造方法を提供
することである。 [発明の概要] 本発明は上記目的を達成するために次のように
したものである。すなわち、第1番目の発明は、
Cr、Ti、Vの少なくとも1つよりなる耐火材料
と、Ag、Cuの少なくとも1つよりなる高導電材
料とからなる合金において、 前記耐火材料は、長さが150〜20000μmで直径
20〜250μmであつて、長さと直径の比が1より
大きく104より小さい繊維状であるとともに、ガ
ス量が200ppm以下にしたことを特徴とする真空
バルブ用接点材料である。また第2番目の発明
は、耐火材料原料を、非酸化性雰囲気中で溶解又
は焼結し塊状とする第1工程と、この第1工程で
得られた塊状の耐火材料を非酸化性雰囲気中で微
細、繊維化する第2工程と、この第2工程で得ら
れた耐火材料繊維を、非酸化性雰囲気中で焼結
し、耐火材料スケルトンを得る第3工程と、非酸
化性雰囲気中で前記第3工程で得られたスケルト
ン空〓中に高導電材料を溶浸する第4工程とを含
んだことを特徴とする真空バルブ用接点材料の製
造方法である。 [発明の実施例] 以下、本発明の実施例について説明するが、は
じめに従来のCu−Cr合金においてCrの形状とし
ては脱落のしやすい粒状(球形)でなく、Cuと
の接触面積が多くなるようなるべく繊維状とし、
かつ表面の汚染皮膜を極力少ない状態でCrの脱
落現象の発生を軽減化する技術について検討す
る。このために次のような試料A、B、C、Dを
準備する。試料A:数cmの大きさの電解Cr塊
をハンマーで0.5cm〜1cm程度に砕き、アルゴン
ガスを満たしたボールミル・ポツト中に入れ、約
12時間粉砕し、100メツシユのCr粉としたもので
ある。試料B:同じCr塊をアルゴンガスを流
した部屋のなかでスタンプ・ミルと、らいかい機
を用いて約12時間粉砕し、100メツシユのCr粉を
得たものである。試料C:同じCr塊をジルコ
ニア製坩堝に入れ上部に多孔質のカーボンふたを
置き、真空中溶解を行つて得たインゴツトを試料
Aを得るのと同じ工程で粉砕し100メツシユのCr
粉を得たものである。試料D:上記真空溶解に
よつて得た直径80mm、長さ100mmのCrインゴツト
を、アルゴンを流した部屋に設置した回転装置に
取り付けると共に、Crインゴツトの端面と対向
するように、切削工具、例えばWC−Co製超硬バ
イトを配置する。 回転装置は、2〜1000回/秒の回転速度で回
転させる。 Crインゴツト又は、切削工具に振動数例え
ば50c/sの振動を与える。 上記、によつて、Crインゴツトの端面を
切削工具によつて、瞬時的に切削加工を行い、切
削屑を収集する。回転速度が、2回/秒以下で
は、振動数が50c/sであつても、切削粉の直径
が250μmを越える粉末の混在が見られ、さらに
その長さも150μm以下の粉末の混在が見られる。 1000回/秒以上では、切削粉の直径が20μm以
下の粉末の混在が見られ、長さも20000μm以上
の粉末の混在が見られるので、2〜1000回/秒の
範囲に特定される。 Crインゴツトに又は、切削工具に加える振動
数は、回転装置の回転速度と関係を保ちながら選
択をする。例えば、回転速度が2〜1000回/秒で
あつても、振動数が、50c/s以下では、切削粉
の長さが、20000μm以上の粉末の混在が見られ
ることから、振動数の範囲を最適な値に選定する
必要がある。この場合の切削屑は、インゴツト端
面に接する切削工具の刃の幅を任意に変えること
によつて繊維の長を調整することが出来、かつ、
回転装置の回転速度と、切削工具の送り速度の両
者を調整することで繊維の直径を調整することが
出来る。 以上のようにして得た試料A〜Dの粉末につ
き、2400℃加熱下で抽出される酸素量の比較を行
つた。その結果を第1表に示す。
【表】 この第1表から明らかなように400〜700ppm程
度の酸素量を含有する原料(電解Cr塊)を、上
記条件で粉砕した後の、試料A、B、Cの酸素量
は原料の約1.1〜2倍に増加していることがわか
る。一方原料の電解Cr塊を所定条件で真空溶解
すると内蔵ガスの除去によつて酸素量は大幅に減
少(200ppm前後)する。これを12時間、アルゴ
ン中でボールミルにより粉砕した試料Cは、吸着
ガス量の増加が著しく大きいが、切削によつて瞬
間的に繊維とした試料Dでは酸素量の増加は若干
程度である。 尚、粉砕後の試料A、B、Cを真空中900℃で
酸素処理しても、又水素中950℃で熱処理しても、
粉砕後の数値と変化なく脱酸素の効果は少ない。
従つてガスに対しては、原料レベルでの酸素量を
低くした上で粉砕化工程の管理が重要であること
を示している。試料Dを得る場合、工具の刃幅を
約0.2m/mにしたところ直径とほぼ同じ長さを
持つ長さ/直径の比がほぼ1のCrも得て、酸素
量を測定した結果、240〜300ppmであることを確
認した。従つて、試料Dは耐電圧特性およびしや
断性能が向上することが明らかである。 本発明の真空バルブ用接点材料の一実施例は、
上記の知見に基いて完成され、次のような特徴を
有する。(イ)Cu−Cr合金に於てCrは直径が20〜
250μmでかつ長さが150〜20000μmの微細化(粉
末又は繊維化)であること。(ロ)Cu−Cr合金中に
占めるCr量は10〜90重量%であること。 このような特徴を有する真空バルブ用接点材料
は実験によればしや断性能および高耐電圧特性が
安定して得られることがわかる。 従来の球状のCrは、その表面に一度汚染(主
として酸化)を受けると、前処理又は焼結、溶浸
工程の加熱でも回復が困難であり、Cr粉のこの
ような汚染は、焼結溶浸の阻害のみならず、汚染
物質へのアーク集中、それに付随する異常続弧
(アーク時間が著しく長い現象)を増長し、かつ
著しい損傷が起きやすいが、本発明の接点材料は
そのようなことはない。 また本発明ではCrとして微細化したCr特に繊
維状のCrであることから、Cuの量を広範囲に設
計することができ、導電率、接触抵抗の調整を有
利に行える。これは従来の粒状(球状)のCrを
使用する場合には、50%の空隙率を確保するのが
技術的限度であるのに対し、本発明による微細化
したCrを使用するとスケルトン空隙率を90%程
度にでき、従つて、立体的に広い空間を容易に得
ることができる。さらに微細化したCrを使用す
ることにより、機械的および熱的衝撃による接点
面のミクロ的亀裂の進展を阻止できるという副次
的な効果も得られる。 上記真空バルブ用接点材料は次のように変形し
ても上記実施例と同様な効果が得られる。Crの
一部又は全部をTi(チタン)、V(バナジウム)の
群の少なくとも1種で置換し、残部がCu又は及
びAg(銀)よりなるものであつてもよい。Crとし
てはあらかじめCu又は及びAgを含有したCr−Cu
素材、Cr−Ag素材であつてもよい。またCr素材
の一部をCrとの比率が30重量%未満のCo、Feの
少なくとも1種で置換したものでもよい。 上記した本発明の真空バルブ用接点材料は、次
のようにして製造される。例えばCu−Cr合金の
場合、原料として使うCr繊維は、金属Cr塊をジ
ルコニア坩堝に収納し、1×10-5Torrの非酸化
性雰囲気中で約20分間、真空溶解し真空中で冷却
固化して得たCrインゴツトの円柱を、回転装置
に取りつけ、例えば20回転/秒で回転する上記
Crインゴツト端面を、平均送り速度が例えば0.1
mm/秒で端面方向に移動する切削工具によつて上
記した直径及び長さを持つCr繊維を3/分の
流量のアルゴン雰囲気中で瞬時に得る。 上記Cr繊維をカーボン容器中へ自然充填、若
しくは0.5〜7トン/cm2の加圧充填によつて収納
後、カーボン容器と共に露点−70゜以下の水素、
若しくは真空度1×10-6Torrの真空中で温度
1200℃、時間1時間で焼結し、Cr繊維スケルト
ンを得る。スケルトン中の空孔は、Cr繊維の成
形時の圧力、焼結温度、時間によつて調整し、所
望の空孔率を持つスケルトンを得る。次いでスケ
ルトン中の残存空孔中にCuを真空度1×
10-6Torr、温度1150℃時間1時間で溶浸させCr
繊維を含有したCu−Cr接点素材を得る。 その後、所定形状に加工し電気接点を得る。 尚、上記製造方法においてCrの代りにV、Ti
であつても、又Crの一部にV、Tiが含有されて
いても、更にはCrの一部に30%の未満のFe、Co
によつて代替しても上記と同じ方法で接点素材を
作ることができる。 又、Cuの一部又は総てをAgで代替しても同じ
方法で接点素材を作り得る。さらにCr繊維を製
造するのに機械振動を与えたが、電気振動であつ
てもよい。 上記製造方法で用いられる容器は、金属粉末を
収納するうつわであり、例えば、中空部を有しか
つ少なくとも一面に開口部を有する器状の、もし
くは、平板状のものである。この容器は、金属粉
末とともに焼結される。したがつて、焼結温度で
溶融する材料で容器がつくられている場合、接点
に含有することのできる材料に限定される。例え
ば、CuやAgである。容器壁の厚さについては、
収容物を強度的に十分支えられる厚さが下限とな
り、具体的には10μm以上と考えられ、又その厚
さの上限は、焼結溶浸後の組成の狂いを増長させ
たり、ガス源とならないよう極力薄い方が好まし
く、例えば1mm以内である。しかし、焼結温度で
溶融しない材料である場合、特に限定されない
が、例えば、炭素質材料やセラミツクス材料など
を用いるこができる。 本発明において金属粉末の容器への充填・成形
は、好ましくは、1.5トン/cm2以下の外圧もしく
は充填された粉末の自重の圧力で行われる。すな
わち、容器が成形体の型になつている場合には、
金属粉末を容器内に自然落下させたままで粉末の
自重の圧力で成形することができる。さらに、外
部から1.5トン/cm2以下の低圧で粉末を直接的に、
もしくは容器ごと成形することもできる。 又、溶浸するCu又はAg量が少ないときには成
型時の圧力を7トン/cm2程度まで任意に選択する
が、あらかじめ成型したCr繊維を用いることも
出来る。接点の用途に応じ溶着現象を軽減化させ
るのに有効なBi、Pb、Te、Sb、Seの少なくとも
1種をCu−Cr繊維系合金中に、少なくとも0.1重
量%含有させることも出来る。 第1図は、本発明による真空バルブ用接点材料
を適用する真空バルブの一構成例を示す正断面図
であり、第2図はその要部拡大図である。しや断
室1は、セラミツク等の絶縁材料によりほぼ円筒
状に形成された絶縁容器2と、この両端に密閉機
構3,3aを介して設けた金属蓋体4および5と
で真空気密に区画されている。しかして、このし
や断室1内には、一対の電極棒6,7の互いに対
向する端部にそれぞれ固定電極8および可動電極
9が配設されている。また、上記可動電極9の電
極棒7には、ベローズ10が取付けられ、しや断
室1内を真空気密に保持しながら、電極9の往復
動による一対の電極8,9の開閉を可能にしてい
る。またこのベローズ10はフード11により覆
われ、アーク蒸気の被着を防止しており、またし
や断室1内には更に円筒状金属容器12が設けら
れ、絶縁容器2へのアーク蒸気の被着を防止して
いる。 一方、可動電極9は、その拡大構造を第2図に
示すように、導電棒7にロウ材13によつて固定
されるか、又はかしめによつて圧着接続(図示せ
ず)されており、その上には可動接点14がロウ
材15によつて接合されている。また固定電極8
の詳細構造(図示せず)も向きが逆となるのみで
ほぼ同様であり、これには固定接点14aか設け
られている。 本発明の真空バルブ用接点材料は、上記したよ
うな接点14,14aの双方またはいずれか一方
を構成するのに適したものである。 以下、本発明の製造方法の具体例について説明
するが、はじめに比較例1〜3について説明す
る。 約50%のCrを含有するCu−50Cr合金を試作す
る。Cr素材は上記0.5〜1cmの大きさに砕いた電
解Cr塊をアルゴンガスで満したステンレス製ポ
ツト(比較例1)、及びアルゴン気流を流した密
閉容器中に設置したスタンプミル及びらいかい機
(比較例2)、及び同電解Cr塊をジルコニア製坩
堝を用いて約5×10-4Torr、2000℃で真空溶解
を行つたCrを比較例1と同じようにアルゴンガ
スで満したステンレス製ポツト(比較例3)の如
く、夫々の条件で約12時間粉砕し、74μm及び
149μmのふるいを用いて平均粒径105μmの粉末
を選び出した。 夫々のCr粉末を別々に、黒鉛ボートに自然充
填した後(比較例3のみは若干の加圧によつて充
填)真空中1×10-6Torr、1時間焼結し空孔率
約50%の純スケルトンを得て、更にその空孔中に
別に用意した真空溶解銅を真空中5×10-6Torr、
1時間で、Cuを溶浸し、Cu−Cr素材を作製し
た。次に述べる評価条件でガス量、切削時のCr
の脱落数、静耐圧、しや断電流限界などの評価を
行いその結果を第2表に示した。 評価条件 酸素:5mm立方の試験片を切出し2400〜2600℃の
カーボンカプセル中に挿入し抽出する。 耐電圧特性:羽布研磨により仕上げたNi(ニツケ
ル)針電極を陽極とし同じく羽布研磨により仕
上げた各種試料平板を陰極とし、10-6Torrの
真空中において電圧を徐々に上昇させ、スパー
クを発生したときの電圧値を測定し、破壊時の
電圧(kV)とした。 しや断電流限界比率:直径70mmの接点を有するテ
スト用モデル真空バルブを開閉装置に取付ける
と共に電極表面をエージングした後モデル真空
バルブを12kVの回路に接続し、0.5〜4kAステ
ツプで電流も増加させながらしや断しこの時の
しや断が限界となる電流値を求め、粉砕によつ
て得たCr粉を原料として作製したCu−50Cr(比
較例1)の電流値を100とし、その比率で示し
た。 上記比較例において、ガス量はいずれも200〜
400ppmであり、静耐圧は66〜70kV、しや断電流
限界も比較例1を100とした場合の90〜100%の範
囲で、大差ない。比較例3は他の比較例1、2に
比べ、切削時のCrの脱落の面で優れている。繊
維状のCrが脱落の面で効果を発揮していること
を示しているが、長時間の粉砕による表面汚染の
影響で、他の特性では優位性を示していないこと
が判る。 次に具体例1〜4について説明する。 上記と同じ電解Cr塊を、比較例3と同じジル
コニア製坩堝を用い5×10-4Torr、約2000℃で
真空溶解を行つた直径80mm、長さ100mmのCrイン
ゴツトを、高速で回転させながらアルゴン気流中
で上記インゴツトの端面を切削工具によつて瞬時
に切削しその切屑を収集する。 上記インゴツトの回転数、切削工具刃の送り速
度を調整しながら繊維の平均直径をほぼ一定の約
150〜180μmに揃えながら、切削工具の刃の幅を
調整しながら繊維の平均長さを0.1mm(具体例
1)、0.3mm(具体例2)、2.2mm(具体例3)、20
mm(具体例4)持つものを作り、Cu−Cr合金用
のCr原料とした。各長さを持つCr繊維を黒鉛坩
堝に加圧充填した後、真空中1×10-6Torr、1
時間の条件で焼結し、空孔率約50%の純Crスケ
ルトンを得た。 なお、黒鉛坩堝中へのCr繊維の導入は自然充
填で行うとCu量を50%近傍と規定するとややCu
量が多過ぎる為、空孔を調整する意味で加圧し、
またCu量が50%以上を目標とする場合には、自
然充填法も活用することができる。 次いで別に用意した真空溶解銅を真空中5×
10-6Torr、1時間でCuを溶浸し、Cu−Cr素材を
作製した。上記した評価条件でガス量、切削時の
Crの脱落数、静耐圧、しや断電流限界などの評
価を行いその結果を第2表に併記した。ガス量は
いずれも100ppm程度で上記粉砕によつて得たCr
を使用した場合(比較例1〜3)より少なく1/2
〜1/3程度である。繊維の長さが0.15mm(具体例
1)及びそれ以上(具体例2〜4)では、Cr脱
落が極端に少なく、接点表面のミクロ的荒れが少
ないため初期状態の耐電圧特性(静耐圧)が、
70kV以上と安定している。しや断電流の限界も、
粉砕によるCrを用いた比較例1を100としたと
き、約30%の向上が認められている。これらは所
定の素材を管理した状態の雰囲気中で表面汚染さ
せることなく瞬時に粉体化させる必要性を示し、
更に、Crを繊維化することで表面からのCrの脱
落も軽減化させ相乗的に静耐圧特性としや断特性
の維持向上に寄与したものと推察される。以上の
観点から、Cr繊維の長さは0.15mm(具体例1)以
上を必要とし、その上限は20mm以上になると切削
時に折損する場合があり、略20mm程度と考えられ
る。 具体例1〜4と同じ方法でCu−50Cr合金を試
作した、Cr繊維の直径が20μm(具体例4)、同
じく250μm(具体例5)の素材を用いた場合、
70kV以上の静耐圧値と、30%以上のしや断電流
限界の向上が確認される。これはガス量が粉砕法
によつて得たCr粉末を用いた比較例1〜3に比
し1/2〜1/4であることと、素材レベルでの切削時
のCr脱落が少ないことなどが寄与しているもの
と推察される。しかしCr繊維の直径が20μm以下
のものは、切削法によつて瞬時に得るには折損が
多く量的な確保が困難であり、又Cr繊維の直径
が大となるとCr同志の接触のチヤンスが増加す
る傾向にある為、250μmを限度とする。Cr同志
の接触は耐溶着性を低下させる要因となる。以上
からCr繊維の直径は20〜25μmの範囲に制御する
のが好ましいが、直径は取扱い性の観点から繊維
の長さとの比(長さ/直径)によつても規定され
るべきで、例えばこの比が極端に大きい状態(例
えば104倍)は避けるべきであり、この比が1以
下の繊維は、製造技術上現実的でない。
【表】 具体例1〜6は、総て焼結、溶浸共、真空中雰
囲気で行つた例を示したが、焼結を水素、溶浸を
真空中で行つても第3表で示すように同様の特性
が得られている(具体例7、14〜15、17)。 また、具体例1〜7、14〜17は、Cr量をほぼ
50%のものにつき示したが、Cr量が10%(具体
例8)、Cr量が90%(具体例9)の場合でも同様
の特性が得られている。 更に、具体例1〜9、16は、Cu−Cr系合金に
つき示したが、Tiの場合(具体例10)、Vの場合
(具体例11)でも、同じ効果が得られている。 一方、具体例1〜11、16はCu−Cr2元素につき
示したが、Cr−Ti(具体例12)、Cr−V(具体例
13)、Cr−Co(具体例14)、Cr−Fe(具体例15)に
於ても同じ効果が得られている。 以上に述べた具体例8〜15と対比させるため総
ての試料につき比較例1〜3と同じように粉砕に
よつて各Cr又はCrTi、CrV、CrCo、CrFe合金を
得て同様の測定を行つたが、比較例1−3と同様
の傾向にあつた。 Cu−Cr接点を作製する場合、比較例1〜3、
具体例1〜9などで用いたようなCrのみのスケ
ルトンではなく、スケルトンを作る時点で最終的
に必要とするCu量の一部(具体例16では50%の
うちの5%)Crに混合しておき、この混合粉
(Cr繊維95%:Cu粉5%)を黒鉛ボードに充填
し、焼結、溶浸を行い接点素材とする方法の場合
に適用しても同じ効果が得られている(具体例
16)。 具体例17は次の通りである。約50%のCrを含
有したCu−Cr接点を、外径25mmφの一対の円板
状試料と、外径25mmφ先端が100Rの球面をなす
加圧ロツドに加工しこれらを対向させ100Kgの荷
重を加えて10-5mmTorrの真空中に於て、50Hz、
20kAの電流を20ミリ秒間通電し、その時の試料
とロツドの間の引きはずしに要する力を測定し耐
溶着性を評価すると、約60〜90Kgの引きはずし力
を要する。一方これにロツド0.1%程度以上のBi
(具体例17では0.5%Bi)を添加すると5〜30Kg程
度に改良される。他の補助材料Pb(鉛)、Te(テ
ルル)、Se(セレン)、Sb(アンチモン)なども同
様の改良がなされる。このような補助材料を含む
Cu−Cr合金に対しても本発明条件による微細化
(繊維)は静耐圧、しや断電流限界に対しても効
果を示す。
【表】
【表】 [発明の効果] 以上述べた本発明によれば、しや断性能および
高耐電圧特性が安定して得られる真空バルブ用接
点材料およびその製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による真空バルブ用接点材料が
適用される真空バルブの一構成例を示す正断面
図、第2図は第1図の要部を拡大して示す図であ
る。 1……絶縁容器、6,7……電極棒、8……固
定電極、9……可動電極、14……可動接点、1
4a……固定接点。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 Cr、Ti、Vの少なくとも1つよりなる耐火
    材料と、 Ag、Cuの少なくとも1つよりなる高導電材料
    とからなる合金において、 前記耐火材料は、長さが150〜20000μmで直径
    20〜250μmであつて、長さと直径の比が1より
    大きく104より小さい繊維状であるとともに、ガ
    ス量が200ppm以下にしたことを特徴とする真空
    バルブ用接点材料。 2 CrとCuの比率(Cr/Cr+Cu)が10〜90重量
    %であることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の真空バルブ用接点材料。 3 耐火材料原料を、非酸化性雰囲気中で溶解又
    は焼結し塊状とする第1工程と、 この第1工程で得られた塊状の耐火材料を非酸
    化性雰囲気中で微細、繊維化する第2工程と、 この第2工程で得られた耐火材料繊維を、非酸
    化性雰囲気中で焼結し、耐火材料スケルトンを得
    る第3工程と、 非酸化性雰囲気中で前記第3工程で得られたス
    ケルトン空〓中に高導電材料を溶浸する第4工程
    と、 を含んだことを特徴とする真空バルブ用接点材料
    の製造方法。 4 微細、繊維化する第2工程は、塊状の耐火材
    料、又は切削工具に対して所定の振動数を機械的
    振動手段あるいは電気的振動手段により与えて、
    瞬間的に微細化することを特徴とする特許請求の
    範囲第3項記載の真空バルブ用接点材料の製造方
    法。
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