JPH07111857B2 - 真空バルブ用接点材料およびその製造方法 - Google Patents

真空バルブ用接点材料およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、真空バルブに係り、特に耐溶着特性を改良し
た真空バルブ用接点材料およびその製造方法に関する。
(従来の技術) 真空バルブ用接点材料に要求される特性としては、耐溶
着,耐電圧,遮断に対する各性能で示される基本三要件
と、この他に温度上昇,接触抵抗が低く安定しているこ
とが重要な要件となっている。しかしながら、これらの
要件の中には相反するものがある関係上、単一の金属種
によって全ての要件を満足させることは不可能である。
このため、実用されている多くの接点材料においては、
不足する性能を相互に補えるような2種以上の元素を組
合せ、かつ大電流用又は高電圧用などのように特定の用
途に合った接合材料の開発が行われ、それなりに優れた
特性を有するものが開発されているが、さらに強まる高
耐圧化および大電流化の要求を充分満足する真空バルブ
用接点材料は未だ得られていないのが実状である。
たとえば、大電流化を思考した接点材料としてBiのよう
な溶着防止成分を5%以下の量で含有するCu−Bi合金が
知られている(特公昭41−12131号公報)がCu母相に対
するBiの溶解度が極めて低いため、しばしば偏析を生
じ、遮断後の表面荒れが大きく、加工成形が困難である
などの問題点を有している。
また、大電流化を指向した他の接点材料として、Cu−Te
合金も知られている(特公昭44−23751号公報)。この
合金は、Cu−Bi系合金が持つ上記問題点を緩和してはい
るが、Cu−Bi系合金に比較して雰囲気に対し、より敏感
なため接触抵抗などの安定性に欠ける。
さらに、これらCu−Te,Cu−Bi等の接点の共通的特徴と
して、耐溶着性に優れているものの、耐電圧特性が従来
の中電圧クラスへの適用には充分であるとしても、これ
以上高い電圧分野への適用に対しては、必ずしも満足で
きないことが明らかとなってきた。
一方、Crを含有したCu−Cr合金が真空バルブ用接点材料
として、知られている。この接点合金は、高温下でのCr
とCuとの熱特性が好ましい状態で発揮されるため高耐圧
大電流用として優れた特性を有している。すなわち、Cu
−Cr合金は、高耐圧特性と、大容量遮断とを両立させ得
る接点として多用されている。
しかしながら、Cu−Cr合金は、遮断器用接点材料として
一般に多用されている前述したBiを5%程度以下添加し
たCu−Bi合金と比較して、耐溶着特性が大幅に劣ってい
る。
溶着現象とは、接点同士の接触面に発生するジュール熱
により接点材料が溶融し、その後に凝固する場、開閉の
瞬間に発生するアーク放電により接点材料が気化しその
後に凝固する場合の2通りに於いて発生する。Cu−Cr合
金に於いて、何れの場合も凝固する段階でCrとCuが1μ
m以下の微粒子となり互いに入り乱れた状態で数μm〜
数百μm程度の層を形成する。一般に、組織の超微細化
は、材料の強度向上に寄与する要因の一つであり、この
場合も例外ではない。しかして、この超微細Cu−Cr層の
強度がCu−Cr合金のマトリクスの強度に優れ、かつ、マ
トリクス強度が設計された引外し力を超えた時にも溶着
が発生する。
したがって、Cu−Cr材料を用いた真空バルブを駆動させ
る操作機構は、Cu−Biに比べ引外し力を大きく設計する
必要があり、小型化や経済性の点で困難がある。
(発明が解決しようとする問題点) 上記したように、従来の高導電材料と耐弧材料から構成
される真空バルブ用接点材料は、耐溶着性が劣るという
欠点がある。
そこで、本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは高導電材料と耐弧材料から
構成され、耐溶着特性に優れ接点の溶着引外し力を低減
した真空バルブ用接点材料およびその製造方法を提供す
ることにある。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) 本発明は、高導電材料と耐弧材料から構成される真空バ
ルブ用接点材料に於いて、導電材料の結晶粒度をASTMの
No.3乃至13としたことを特徴とするものである。
また、真空バルブに組込まれ、かつ真空バルブとして完
成するまでの間に、少なくとも1回以上は接点材料に塑
性加工を施すことを特徴とする製造方法である。
しかして、実施態様は次の通りである。
(1)接点材料の高導電材料中に双晶組織を有する真空
バルブ用接点材料である。
(2)高導電材料は、Cu又は/及びAgである真空バルブ
用接点材料である。
(3)耐弧材料は、Cr又はTiである真空バルブ用接点材
料である。
(4)接点材料にBi,Pb,Te,Se又はSbのうち少なくとも
1つ以上の元素を添加した真空バルブ用接点材料であ
る。
(5)塑性加工後に熱処理を施す真空バルブ用接点材料
の製造方法である。
(6)接点材料は、耐弧材料スケルトンに高導電材料を
溶浸した真空バルブ用接点材料の製造方法である。
(7)高導電材料はCu又は/及びAgである真空バルブ用
接点材料の製造方法である。
(8)耐弧材料は、Cr又はTiである真空バルブ用接点材
料の製造方法である。
(9)塑性加工は、圧延加工,鍛造加工又はプレス加工
のうち少なくとも1つ以上の加工を含む真空バルブ用接
点材料の製造方法である。
(10)塑性加工は、熱間加工であり、熱処理又は冷間加
工を施すまでの加工率は20%乃至80%で好ましくは50乃
至70%である真空バルブ用接点材料の製造方法である。
(11)塑性加工は、冷間加工であり、熱処理を施すまで
の加工率は10%以上70%以下で好ましくは30%乃至60%
である真空バルブ用接点材料の製造方法でである。
(12)熱間加工後熱処理を施さないで冷間加工を行う真
空バルブ用接点材料の製造方法である。
(13)熱処理温度は250℃以上である真空バルブ用接点
材料の製造方法である。
(14)接点材料にBi,Pb,Te,Se又はSbのうち少なくとも
1つ以上を添加した真空バルブ用接点材料の製造方法で
ある。
(作 用) 上記した手段のように、高導電材料と耐弧材料より構成
される接点材料に於いて、高導電材料中の結晶粒度を規
定し、また、その結晶中に双晶組織を引出すことによ
り、接点材料の溶着引外しに合った接点組織とすること
ができた。
つまり、溶浸上りの高導電材料等に於いては結晶粒が非
常に大きくなり、1粒子以上の耐弧材を1つの導電材料
の結晶で覆ってしまう場合が多くあり、これが耐弧材料
の延性をも助長し、耐弧材料の導電材料へノッチ効果を
も得られず、強いては耐溶着性の低下原因となる。一
方、高導電材料の結晶粒が非常に細い場合は、上記した
ように接点材料の強度が向上し、これも耐溶着性の低下
原因となる。このような見地から、導電材料中にある一
定の結晶粒度を持つ材料だけが、耐溶着性の向上に寄与
できる。
双晶を有する材料が、耐溶着性の改善に適するのは、導
電材料中により多くの界面を得られるからである。
(実施例) 以下、本発明の実施例を具体的実施態様に基づいて説明
するが、はじめに本発明の接点材料が適用される真空バ
ルブの構成を第1図および第2図を参照して説明する。
第1図は、本発明の接点材料を適用する真空バルブの構
成例を示すもので、同図に於いて、1は遮断室を示し、
この遮断室1は、絶縁材料によりほぼ円筒状に形成され
た絶縁容器2と、この両端に封止金具3a,3bを介して設
けた金属性の蓋体4a,4bとで真空気密に構成されてい
る。しかして、上記遮断室1内には、導電棒5,6の対向
する端部に取付けられた1対の電極7,8が配設され、上
部の電極7を固定電極、下部の電極8を可動電極として
いる。また、この可動電極8の電極棒6には、ベローズ
9が取付けられた遮断室1内を真空気密に保持しながら
電極8の軸方向の移動を可能にし、このベローズ9上部
には金属性のアークシールド10が設けられ、ベローズ9
がアーク蒸気で覆われることを防止している。11は、上
記電極7,8を覆うようにして遮断室1内に設けられた金
属性のアークシールドで、絶縁容器2がアーク蒸気で覆
われることを防止している。さらに、電極8は、第2図
に拡大して示すように、導電棒6にろう付部12によって
固定されるか、また、かしめによって圧着接続されてい
る。接点13aは、電極8にろう付け14で固着されてい
る。なお、第1図における13bは固定側接点である。
本発明に係る接点材料は、上記したような接点13a,13b
の双方または何れか一方を構成するのに適したものであ
る。
ここで、本発明の接点材料を得るまでの考察について説
明する。
本発明者らの研究によれば、Cu−Cr接点材料の溶着現象
は、 (1)接点同士の接触面に発生するジュール熱により接
点材料が溶融し、その後凝固する場合、 (2)遮断器の開閉の瞬間に発生するアーク放電により
接点材料が気化し、その後凝固する場合 の一方または相互作用に於いて発生する。何れの場合も
凝固する段階においてCrとCuが1μm以下の微細粒子と
なり、互いに入り乱れた状態で数μmから数十μm程度
の層を形成する。一般に組織の微細化は、材料の強度向
上に寄与する要因の一つであり、この場合も例外ではな
い。しかして、この微細Cu−Cr層の強度がCu−Cr合金の
マトリクス強度に優れ、かつマトリクス強度が設計され
た引外し力を超えた時に溶着が発生する。
本発明者らは、高導電材料と耐弧材料から構成される接
点材料の耐溶着性を向上させるために、高導電材料の結
晶粒度と耐溶着性の関係に着目し、耐溶着性向上に適し
た結晶粒度があることを見出した。
しかして、高導電材料が大きすぎた場合、1つの高導電
材料の結晶粒で1つ以上の耐弧材料を包囲してしまい、
溶着引外し時に、高導電材料の延性が耐弧材料をも巻き
込み、耐弧材料が高導電材料中に於いてノッチ効果の役
目を果たせないことが判明した。また、結晶粒が小さす
ぎる場合は、前述したように接点材料の強度が向上し過
ぎ、耐溶着性向上に対して良好な結果を得られない。以
上の見地から高導電材料の結晶粒度は、ASTMのNo.5〜13
が良好である。
また、本発明者らの研究によれば、導電材料中の結晶粒
内には双晶が存在した方が耐溶着性に対して良好な結果
を得られることが判明した。すなわち、双晶は、前述し
たように導電材料の結晶粒が大きすぎる場合の耐弧材料
の延性を低下させる役目を果たすからである。
さらに、耐融着性をより一層向上させる方法として、公
知技術のBi,Pb,Te,SeまたはSbのうち少なくとも1つ以
上を添加し、かつ結晶粒度を同じようにコントロールす
ることも有効であることをも見出した。結晶粒度が耐溶
着性改善に寄与するのは前述した通りである。一方、上
記添加元素は、高導電材料への固溶度が低く、かつマト
リクスを脆化させる特徴を有しており、これら2つの要
因を組み合わせることにって相乗時に耐溶着性能は大幅
に向上するものである。但し、これらの元素は何れも蒸
気圧が高いため、耐電圧特性を低下させる恐れがあり、
その添加量は微量な程よい。
次に、このような高導電材料中の結晶粒度の製造方法に
ついて説明する。溶浸上りの接点材料中の高導電材料に
は明瞭な結晶粒界が存在しない。本発明者らは、この状
態から結晶粒界を造り出すには、適当な加工率の塑性加
工と適当な温度の熱処理を施すことにより、高導電材料
中に定められた結晶粒界を造り出すことが可能であるこ
とを見出だした。
これに適した塑性加工方法,加工率,熱処理等について
は、以下の実施例で説明する。
次に、この接点材料の製造方法の一例をCu−Cr材につい
て説明する。所定粒径のCrを加圧成形して粉末成形体を
得る。ついで、この粉末成形体を露点が−50℃以下の水
素雰囲気または真空度が1×10-3Torr以下で、所定温度
例えば950℃×1時間にて仮焼結し、仮焼結体を得る。
ついで、この仮焼結体の残存空孔中にCuを例えば1100℃
×1時間で溶浸し、C−Cr合金を得る。溶浸は主として
真空中で行うが、水素中でも行い得る。
ここで、焼結熱処理又は/及び溶浸熱処理温度を高めに
選択すると、Cuの蒸発が激しく、その成分量の制御が困
難となる。しかし、炉の性能、または一度に熱処理する
素材の量,大きさ,熱容量などによって熱処理温度は変
動するので、その温度を普遍的に表現することは無理で
あり、実際には残存するCu量を、例えばX線法によって
直接的に決定し管理する方法が採られ得るが、概して13
00℃以上の温度の選択はCuの存在を少なくし、好ましく
ないことが明らかになっている。一方、下限温度は、焼
結熱処理に於いては、原料または成形体の脱ガスの観点
から600℃以上、好ましくは900℃以上を必要とし、また
溶浸熱処理に於いては、スケルトンを脱ガスし、かつCu
を溶融する必要性から少なくとも1100℃を必要とする。
ついで、冷間圧延にて50%の加工率を施し、真空中で50
0℃×1時間の熱処理を施す。このような工程で製造さ
れた接点材料は、導電材料中の結晶粒度がASTMのNo.8程
度であり、接点材の延性及び強度の点からも耐溶着性が
優れたものである。
したがって、上記した焼結合金は耐溶融性に優れたもの
で、真空バルブ用接点材料として最適である。
次に、以上のようにして製造された各接点材料を比較例
と対比して示す。なお、この各例において評価したとき
の条件,方法は、次の通りである。
(1)耐溶着性 外径25mmφの一対の円板状試料に外径25mmφ先端が100R
の球面をなす加圧ロッドを対向させ、100kgの荷重を加
え10-5mmHgの真空中において50Hz,20KAの電流を20ミリ
秒間通電し、その時の試験−ロッド間の引外しに必要な
力を測定し耐溶着性の判断をした。なお、評価は、比較
例2に示した溶浸上りのCu−Cr合金の融着引外し力を1.
00としたときの相対的な値で比較した。各表には上記接
点数3個の測定値におけるばらつき幅を示す。
(2)耐電圧特性 耐電圧特性の低下が心配されるので、第3元素を添加し
たサンプルについてのみ実施した。
各接点合金についてバフ研磨により鏡面仕上をしたNi針
を陽極とし、同じように鏡面仕上をした各試料を陰極と
し、両極間のギャップを0.5mmとし、10-6mmHgの真空に
おいて徐々に電圧を上昇しスパークを発生したときの電
圧値を測定し、静耐圧値を求めた。第2表に示す測定デ
ータは、3回の繰返しテストを行ったときのばらつき値
を含めて、溶浸上りのCu−Cr合金の静耐圧値を1.00(第
1表に示す比較例1)としたときの相対的な値で示し
た。
実施例1〜3、比較例2,3 結晶粒度,冷間加工率,耐溶着性の関係を調査するため
に、溶浸上りのCu−Cr材を標準(比較例1)とし、冷間
圧延の加工率をパラメータとし熱処理温度を500℃×1
時間一定として、導電材料の結晶粒度に対する耐溶着性
能の向上度を調査した。冷間加工率はそれぞれ5,10,50,
70,90%とした。
これらの特性を第1表に示す。
上記工程によって製造された高導電材の結晶粒度はASTM
のNo.がそれぞれ0,3,8,12,15であった。耐溶着性が最も
良好であったものは、ASTMのNo.8の0.4〜0.6であり、つ
いで、No.3の0.5〜0.7である。No.15のものは耐溶着性
向上が0.8〜1.0であり、実際に真空バルブに組み込んで
も大きな利益は得られない。一方、No.0のものは耐溶着
性向上は1.0と従来品と変りはない。したがって、高導
電材料の結晶粒度は、ASTMのNo.3〜12程度が望ましい。
また、これを冷間加工率から見れば、10%〜70%程度が
望ましいことが分かる。
実施例4〜6、比較例4,5 冷間加工率の最適値を求めたのと同じように結晶粒度,
熱間加工率,耐溶着性の関係を調査するために、溶浸上
りのCu−Cr材を標準とし、熱間加工率をパラメータとし
て導電材の結晶粒度に対する耐溶着性能の向上度を調査
した。熱間加工率はそれぞれ10%,20%,50%,80%,90%
とし、熱間加工後の熱処理は省略する。
これらの特性を第1表に示す。
上記工程によって製造された高導電材料の結晶粒度はAS
TMのNo.がそれぞれ1,3,8,13,16であった。冷間圧延の時
と同様に耐溶着性能に効果が確かめられたものは、ASTM
のNo.がそれぞれ3,8,13であり、他は溶浸上りとほぼ同
様の耐溶着性能であった。したがって、熱間加工におい
ては、その加工率が20%乃至80%が望ましいことが分か
る。
実施例7,8、比較例6 塑性加工後の最適熱処理温度を見出すために以下の評価
を行った。
Cu−Cr溶浸材をもと材とし、冷間圧延により加工率50%
一定とした後、熱処理温度をそれぞれ150℃,300℃,500
℃,800℃の4水準で熱処理温度に対する耐溶着性を評価
した。
これらの特性を第2表に示す。
150℃で熱処理を施した時は、導電材料の再結晶が未だ
終了しておらず、材料強度的にも強いためか、耐溶着性
の向上は見られなかった。これに対し、300℃,500℃,80
0℃の各温度で熱処理を施したものは、結晶粒度がASTM
のNo.12,8,5に相当し、耐溶着性能も0.4〜0.7と改善の
あとが見られた。したがって、塑性加工後の熱処理温度
は250℃程度以上が望ましい。熱処理温度の上限は、導
電材料の溶融点以下が望ましい。
実施例9 塑性加工の組み合わせによる耐溶着性の改善を調査する
ために、30%加工率の熱間圧延後20%加工率の冷間圧延
を施し、その後500℃×1時間の熱処理を施したものの
耐溶着改善状況を第2表に示す。導電材料の結晶粒度は
ASTMのNo.7であり、耐溶着性能も0.4〜0.6と改善のあと
が見られる。したがって、複数の塑性加工の組み合わせ
においても耐溶着性が改善できる。
実施例10,11 以上は圧延加工についての実施例について説明してきた
が、他の塑性加工についての実施例について検討する。
溶浸Cu−Cr材を50%加工率で冷間プレスし、そのあと50
0℃の熱処理を加えたもの(実施例10)と、加工率60%
の熱間鍛造を行ったもの(実施例11)である。
この結果を第2表に示す。
何れも高導電材料の結晶粒度は、ASTMのNo.7〜8程度で
あり、また、耐溶着性能は、0.4〜0.6であり、耐溶着性
改善に有効な手段であると考えられる。
実施例12〜15 耐溶着性をより改善するために、微量添加元素の影響を
検討する。予め溶解しておいた0.3%Sb〜Cu合金をCrス
ケルトンに溶浸したあとに10%の冷間圧延し、ついで、
500℃の熱処理を施したもの(実施例12)、2%Te−Cu
をCrスケルトンに溶浸した後に30%の熱間圧延を施した
もの(実施例13)、1%Se−Cu合金をCrスケルトン溶浸
した後に30%熱間圧延を施したもの(実施例14)、2%
Te−1%Se−Cu合金をCrスケルトに溶浸した後に30%の
熱間圧延を施したもの(実施例1)の4水準である。
これらの結果を第2表に示す。
導電材料の結晶粒度は、実施例12がASTMのNo.3である他
は全てNo.5である。耐溶着性能は全て0.3〜0.4であり、
今までの塑性加工と熱処理の組合わせの工程のものより
優れている。しかし、前述したように耐電圧特性が0.7
〜0.8と従来のものに比べて劣っている。しかし、この
程度の耐電圧特性の低下は、実用上問題のない数値であ
る。
実施例16,17 以上は、導電材料としてCu、また、耐弧材料としてCrを
対象としてきたが、他の元素についても有効であること
を調査した。
Ti粉末を仮焼結しTiスケルトンを製造した後、Cuを溶浸
させて製造したCu−Ti材料を50%の冷間圧延し、500℃
の熱処理を施したもの(実施例16)と、Crスケルトンに
Agを溶浸させたものを50%の冷間圧延し、500℃の熱処
理を施したもの(実施例17)について評価した。
これらの結果を第3表に示す。
何れも導電材料の結晶粒度はASTMのNo.7〜8、耐溶着性
は0.4〜0.6であり、本製造方法がCu−Cr材のみならず、
上記材料に於いても有効であることが分かる。
なお、実施例1〜17は、高導電性材料と耐弧材料との比
率がほぼ50:50の場合について説明したが、本発明の趣
旨が高導電性材料の状態によって発揮されることから、
上記比率は50:50に限らずその効果が発揮されることは
明らかである。
[発明の効果] 本発明は、以上のように構成されているから、耐溶着性
を著しく向上した真空バルブ用接点材料およびその製造
方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明が適用される真空バルブの断面図、第2
図は接点部の拡大断面図である。 1……遮断室 7,8……電極 13a,13b……接点

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高導電材料と耐弧材料から構成される真空
    バルブ用接点材料において、前記高導電材料の結晶粒度
    がASTMのNo.3乃至13であることを特徴とする真空バルブ
    用接点材料。
  2. 【請求項2】接点材料の高導電材料中に双晶組織を有す
    る特許請求の範囲第1項記載の真空バルブ用接点材料。
  3. 【請求項3】高導電材料は、Cu又は/及びAgである特許
    請求の範囲第1項及び第2項記載の真空バルブ用接点材
    料。
  4. 【請求項4】耐弧材料は、Cr又はTiである特許請求の範
    囲第1項乃至第3項記載の真空バルブ用接点材料。
  5. 【請求項5】接点材料に、Bi,Pb,Te,Se又はSbのうち少
    なくとも1つ以上の元素を添加した特許請求の範囲第1
    乃至第4項記載の真空バルブ用接点材料。
  6. 【請求項6】高導電材料と耐弧材料から構成される真空
    バルブ用接点材料に於いて、この接点材料が真空バルブ
    に組込まれ、かつ真空バルブとして完成するまでの間
    に、少なくとも1回以上前記接点材料に塑性加工を施す
    ことを特徴とする真空バルブ用接点材料の製造方法。
  7. 【請求項7】塑性加工後に熱処理を施す特許請求の範囲
    第6項記載の真空バルブ用接点材料の製造方法。
  8. 【請求項8】接点材料は、耐弧材料スケルトンに高導電
    材料を溶浸したものである特許請求の範囲第6項及び第
    7項記載の真空バルブ用接点材料の製造方法。
  9. 【請求項9】高導電材料は、Cu又は/及びAgである特許
    請求の範囲第6項乃至第8項記載の真空バルブ用接点材
    料の製造方法。
  10. 【請求項10】耐弧材料は、Cr又はTiである特許請求の
    範囲第6項乃至又第9項記載の真空バルブ用接点材料の
    製造方法。
  11. 【請求項11】塑性加工は、圧延加工,鍛造加工又はプ
    レス加工のうち少なくとも1つ以上の加工を含む特許請
    求の範囲第6項乃至第10項記載の真空バルブ用接点材料
    の製造方法。
  12. 【請求項12】塑性加工は、熱間加工であり、熱処理又
    は冷間加工を施すまでの加工率は20%乃至80%で好まし
    くは50%乃至70%である特許請求の範囲第6項乃至第11
    項記載の真空バルブ用接点材料の製造方法。
  13. 【請求項13】塑性加工は、冷間加工であり、熱処理を
    施すまでの加工率は10%以上70%以下で好ましくは30%
    乃至60%である特許請求の範囲第6項乃至第11項記載真
    空バルブ用接点材料の製造方法。
  14. 【請求項14】熱間加工後熱処理を施さないで冷間加工
    を行う特許請求の範囲第6項乃至第13項記載の真空バル
    ブ用接点材料の製造方法。
  15. 【請求項15】熱処理温度は250℃以上である特許請求
    の範囲第6項乃至第3項記載の真空バルブ用接点材料の
    製造方法。
  16. 【請求項16】接点材料にBi,Pb,Te,Se又はSbのうち少
    なくとも1つ以上を添加した特許請求の範囲第6項乃至
    第15項記載の真空バルブ用接点材料の製造方法。
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