JP4607554B2 - 真空バルブ用接点 - Google Patents

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Description

本発明は、真空バルブ用接点に係り、特に接点消耗の少ない接触抵抗特性の安定した真空バルブ用接点に関する。
真空遮断器に使用される真空バルブの接点には、耐溶着特性、耐電圧特性、遮断特性が
基本的三要件として要求される。従来からこれら三要件を満たす接点としてCuに数%の
Teを含有させたCu−Te合金が多用されている。
しかし近年では負荷や電気回路の多様化や使用条件の過酷化(高電圧化、大電流化)な
どで、特に接点面の消耗(ア−クによる電気的、開閉による機械的消耗)が激しく、接触
抵抗特性の不安定化を招いている。そこで前記三要件をあるレベルに維持した上で、耐消
耗性(接点寿命)に優れた長寿命接点の出現が要求されてきた。それにもかかわらず前記
Cu−Te合金では析出物の形状や分布状態が制御されていない場合には、耐消耗性が十
分ではない。
前記基本的三要件を満たす従来接点として以下の合金が知られている。
特許文献1には、平均粒径10μm以下のCu−Te化合物が0.2〜6重量%、平均
粒子間距離が10μm以上であるCu−Te合金接点が記載されている。
特許文献2には、合金中の残存ガス、ボイド、偏析を除去し遮断特性を一層改善する為
に、加熱源を移行させながら冷却してCu−Te接点を製造する製造方法が記載されてい
る。
特許文献3には、合金中の残存ガス、ボイド、偏析を除去し耐電圧特性と遮断特性を改
善する為に、溶融中の接点を加熱源から離しながら冷却してCu−Te接点を製造する製
造方法が記載されている。
特許文献4には、B源として1μm〜4mmの範囲にある粒径を持つB粉と、同じ粒径
を持つCuとの均一混合粉を使用したCu−B−Te合金接点の製造方法が記載されてい
る。
特許文献5には、0.0005〜2%のB、溶着防止成分(Teなど)を含有するCu
−B−Te合金に於いて、B粒子が導電性分マトリックスに高度に分散し、その平均粒子
直径が0.1〜7μmの範囲にあるCu−B−Te合金接点が記載されている。
特許文献6には、主成分金属と僅少成分金属とからなる真空バルブ用接点を製造するに
際して、僅少成分金属を充填し特殊構造を持つ溶解部材と、これを保持、収納する収納容
器と、溶解部材と収納容器を収納する密閉容器と、密閉容器内を排気する排気装置と、溶
解部材を加熱するための加熱装置と、溶解部材を含む収納容器を移動させる移動装置との
各々を備えた真空バルブ用接点の製造装置が記載されている。
特許文献7には、0.0001〜0.002%のB、0.0001%〜0.002%の
酸素を含有するCu−B−Te合金に於いて、B粒子総数の90%以上のB粒子の粒径が
、0.1μm〜7μmの範囲にあり、合金中に均一に分散した状態にあるCu−B−Te
合金接点が記載されている。
特公昭63−14448号(特許第1469946号)公報 特公平6−58778号(特許第1926628号)公報 特公平6−64971号(特許第1935485号)公報 特公平6−80569号(特許第1952147号)公報 特公平6−80571号(特許第1952156号)公報 特公平6−80572号(特許第1952157号)公報 特許第2511019号公報
再点弧は電気回路が機械的に「閉」の状態(接点が接触した状態)となったにもかかわ
らず、ある時間経過後に接点間で発弧する現象であり、電気制御回路の混乱を招く。その
一因として接点面の荒れが挙げられ、接点の消耗が関係している。そのためCu−Te合
金の消耗を低減させる事が課題である。
特許文献1では、Cu−Te化合物の密集化を避ける為に平均粒径と平均粒子間距離と
を最適値に制御して、耐圧性と耐溶着圧の安定化を得ている。しかし過酷化した条件への
適応では接点消耗の抑制に対して十分ではない。
特許文献2は、加熱源を移行させながら冷却してCu−Te接点を製造する製造方法の
提案であって、接点消耗を軽減するためのCuTeの最適な存在形態についての示唆は
成されていない。
特許文献3は、溶融中の接点を加熱源から離しながら冷却してCu−Te接点を製造す
る製造方法の提案であって、接点消耗を軽減するためのCuTeの最適な存在形態につ
いての示唆は成されていない。
特許文献4は、接点中のB量を正確に制御する事によって、電気特性のバラツキを解消
したCu−B−Te合金接点の製造方法の提供を目的としている。しかしB量の制御だけ
では、遮断あるいは被ア−ク時の接点消耗の抑制には十分ではない。
特許文献5には、遮断特性の改良と再点弧発生の防止に寄与する事が記載されている。
しかしCuTe粒子の形態の制御が十分でなく、遮断あるいは被ア−ク時の接点消耗の
抑制には十分ではない。
特許文献6は、耐電圧特性と遮断特性を改善する為に、接点中のガスの除去、ボイドの
除去、僅少成分金属の偏析を無くした製造装置の提案であって、接点消耗を軽減するため
の示唆は成されていない。
特許文献7は、加熱時の接点の変形現象を防止し、耐溶着性能の向上には有益であるが
、しかしCuTe粒子の形態の制御が十分でなく、遮断あるいは被ア−ク時の接点消耗
の発生の抑制には十分ではない。
本発明は、従来のこのような点に鑑みて為されたもので、接点消耗の少ない接触抵抗特性の安定した真空バルブ用接点を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る真空バルブ用接点は、CuTe粒子が0.001〜10質量%で、残部がCuからなるCu−CuTe系接点で構成され、1つの辺aの長さが2.5〜500μm、1つの辺aにほぼ直角の他の辺bの長さが10〜1000μmであり、かつ1つの辺aの長さと他の辺bの長さとの比率(b/a)が2〜400である形状と大きさのCuTe粒子が、通電面に平行な面における全CuTe粒子の面積の90%以上を占める事を特徴とする。
ここで、0.0001〜5質量%のBを含有したものとし、Cu−B−CuTe系接点で構成することもできる。
また、通電面に平行な面における前記形状と大きさのCu Te粒子の面積の50%以上を占めるCu Te粒子が、合金中に互いに平行に配列されているような構成とすることもできる。
本発明によれば、遮断時、開閉時に衝撃を受けても、CuTe粒子の、マトリックスからの離脱を軽減化することができ、接点消耗が少なく接触抵抗特性の安定した真空バルブ用接点を得ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の第1の実施形態は、CuTe粒子が0.001〜10質量%で、残部がCuからなるCu−CuTe系接点で構成され、
1つの辺aの長さが2.5〜500μm、前記1つの辺aにほぼ直角の他の辺bの長さが10〜1000μmであり、かつ1つの辺aの長さと他の辺bの長さとの比率(b/a)が2〜400である形状と大きさのCuTe粒子が、通電面に平行な面における全CuTe粒子の面積の90%以上を占める事を特徴とする真空バルブ用接点である。
すなわち本実施形態では、0.001〜10質量%のCuTe粒子と、残部のCuとからなるCu−CuTe系接点を用いた上で、CuTe粒子の1つの辺aの長さを2.5〜500μm、辺aにほぼ直角の他の辺bの長さを10〜1000μmの範囲とする事が好ましい。この好ましい形態のCuTe粒子面積が、通電面に平行な面(なお、通電面に平行な面には、通電面自身も含まれる。)における全CuTe粒子面積の90%以上とした事によって、CuTe粒子がマトリックスから剥がれたり脱落したりして起こる接点表面が荒れたり材料消耗が進展したりするのを軽減し、接触抵抗値が増大したり接触抵抗値のバラツキ幅が増大したりする現象を抑制する。全CuTe粒子面積の90%未満では、上記した効果が得られにくい。
CuTe粒子の辺aの長さが、500μmを越える場合には、マトリックスからのC
Te粒子の脱落が増えたり、接触抵抗値のバラツキ幅が大となったりする。2.5μ
m未満の場合には、やはりCuTe粒子のマトリックスからの脱落が増える。なおCu
Te粒子の短い辺をa、長い辺をb(a<b)とする。
CuTe粒子の辺bの長さが、1000μmを越える場合には、開閉又は遮断時の衝
撃で折損し易く、折損が発生したと同時に折損部の一部はマトリックスからの脱落につな
がる。しかも辺bの長さが1000μmを越えても、製造技術の高度化が要求されるのみ
で遮断器としての機能上への利益例えば耐溶着性、接触抵抗特性の向上への寄与がない。
10μm未満の場合には、やはりCuTe粒子のマトリックスからの脱落が増える。
更に、CuTe粒子の1つの辺aの長さと他の辺bの長さとの比率(b/a)が、2
〜400である事が好ましい。
比率(b/a)が400を越える場合には、CuTe粒子が遮断時などに外力を受け
た場合、1つの粒子の一部が切り離れたり、折れたりする。その際に切り離れたり、折れ
たりした粒子の一部がマトリックスから脱落して、耐消耗性の不安定化が見られる。
一方、比率(b/a)が2.0未満の場合には、CuTe粒子とマトリックスとが接
触している接触面積が小さく、その結果マトリックスがCuTe粒子を拘束している力
が小さく、同様に耐消耗性の不安定化が見られる。
CuTe粒子の辺aの長さ、辺bの長さを上記の好ましい範囲としたとしても、Cu
Te粒子の量が0.001%未満では、耐消耗特性の改善が見られない。10%を越え
る場合では、耐消耗特性の低下が著しい。従って本発明技術は、Cu−0.001〜10
%CuTe系接点に適用した時にその効果を発揮する。
本発明の第2の実施形態は、CuTe粒子が0.001〜10質量%で、0.0001〜5質量%のBを含有し、残部がCuからなるCu−B−CuTe系接点で構成され、
1つの辺aの長さが2.5〜500μm、1つの辺aにほぼ直角の他の辺bの長さが10〜1000μmであり、かつ1つの辺aの長さと他の辺の長さbとの比率(b/a)が2〜400である形状と大きさのCuTe粒子が、通電面に平行な面における全CuTe粒子の面積の90%以上を占める事を特徴とする真空バルブ用接点である。
すなわち、前記Cu−CuTe系接点を用いた第1の実施形態と同様の傾向がCu−
B−CuTe接点を用いた第2の実施形態に於いても得られる。なお、Bを含有したこ
とにより、脱酸素を促進する効果がある。
本発明の第3の実施形態は、第1の実施形態の真空バルブ用接点において、通電面に平
行な面における前記形状と大きさのCuTe粒子の面積の50%以上を占めるCu
e粒子が、合金中に互いにほぼ平行に配列されている事を特徴とする真空バルブ用接点で
ある。
すなわち本発明は、複数のCuTe粒子が若し接触しながら交差した状態でマトリッ
クス内に存在していると、接触し交差した部分は遮断時などで受ける外力によって容易に
脱落する傾向を示し、耐消耗特性の低下が見られる。これに対して、複数のCuTe粒
子が接触しないほぼ平行に配列された状態では、安定した耐消耗特性が発揮される。この
ほぼ平行に配列された状態のCuTe粒子面積が、通電面に平行な面(なお、通電面に
平行な面には、通電面自身も含まれる。)における前記形状と大きさのCuTe粒子面
積の50%以上とした事によって、安定した耐消耗特性が発揮される。50%未満では、
上述のように、耐消耗特性が低下する。
本発明の第4の実施形態は、第2の実施形態の真空バルブ用接点において、通電面に平
行な面における前記形状と大きさのCuTe粒子の面積の50%以上を占めるCu
e粒子が、合金中に互いにほぼ平行に配列されている事を特徴とする真空バルブ用接点で
ある。
すなわち、前記Cu−CuTe系接点を用いた第2の実施形態と同様の傾向がCu−
B−CuTe接点を用いた第4の実施形態に於いても得られる。
本発明の第5の実施形態は、対向する一対の接点のうち少なくとも一方の接点として、
第1〜第4の実施形態のいずれかに記載の真空バルブ用接点を用いた事を特徴とする真空
バルブである。
すなわち、真空遮断器に使用される真空バルブの対向する一対の接点の双方に、上述の
ような第1〜第4の実施形態のいずれかの真空バルブ用接点を用いることができる。また
対向する一対の接点の一方に、上述のような第1〜第4の実施形態のいずれかの真空バル
ブ用接点を用い、他方の接点は、他方を実質的にCu、Cu合金からなる接点としたり、
他の所定の合金からなる接点としたりすることもでき、このような組み合わせであっても
、耐消耗性と接触抵抗特性の安定化を図ることができる。
以上説明したように、Cu−CuTe系接点、Cu−B−CuTe接点を構成して
いるCuTe粒子の存在形態を、1つの辺aの長さが2.5〜500μm、この辺aに
ほぼ直角の他の辺bの長さが10〜1000μmの形状と大きさとし、かつ1つの辺aの
長さと他の辺の長さbとの比率(b/a)を2〜400としたCuTe粒子が、通電面
に平行な面における全CuTe粒子面積の90%以上とし、補助技術として、通電面に
平行な面における上記形状と大きさのCuTe粒子面積の50%以上のCuTe粒子
を合金中に互いにほぼ平行に配列する事によって、CuTe粒子のマトリックスからの
離脱を軽減化して、接点消耗の少ない接触抵抗特性の安定した真空遮断器に使用される真
空バルブ用の接点とする。これにより、材料消耗の進展するのを軽減し、接点表面の荒れ
を軽減し、接触抵抗値を増大させたり接触抵抗値のバラツキ幅を増大させたりする現象を
抑制することができる。
次に、図1を参照して、本発明の実施形態に係る真空バルブ用接点を製造する方法につ
いて説明する。
所定比率のCuTe(CuTe)とCu(必要に応じてBも)を秤量して、それを例
えばMgOルツボに入れ、真空中で、1150℃で30分間加熱して溶解し、インゴット
1を作る(工程1)。
インゴット1の側周面の表面汚れや傷、亀裂等をとるために、側周面の表面を除去する
(剥がす)(工程2)。
表面を除去した後の新たな表面の亀裂の有無をチェックする(工程3)。
亀裂があったときは、工程2に戻り、さらに表面を除去する。
表面に亀裂のないインゴット1の側周面を、加圧機で加圧する。即ち、断面収縮率が5
〜10%となるような加圧力を与える。必要に応じて、インゴット1を30°回転させた
位置で、同様に加圧する。これを数回繰り返してもよい(工程4)。
工程4で得た細長い円柱状のインゴット2に、側周面の一方向から加圧力を与えて扁平
な形状に加工し、板状の接点素材3を得る(工程5)。
この板状の接点素材3から、円板状の接点4を切り出す(工程6)。
以下、図2および図3を参照して、本発明の実施例および比較例について説明する。
(接触抵抗の測定)
まず、実施例および比較例を評価するための接触抵抗の測定について説明する。
各接点素材から直径42mm、厚さ3mmの1対の接点を製作する。これを真空バルブ
に組込みこれらを対向させ、両接点間に150Nの接触荷重を与え、測定電流10Aで接
触抵抗を測定した。参考に測定した真空バルブを支持する支持部品や電極とで構成される
導体抵抗の合計値は50μΩであったので、図3では、この50μΩを差し引いた値をも
って接触抵抗値とした。測定値は5台の真空バルブの最大値と最小値を示した。
(耐消耗特性)
次に、耐消耗特性について説明する。
各接点素材から直径10mm、厚さ3mmの1対のネジ込み式の接点を作成し真空バル
ブに組込み、これらを対向させ両接点間に10Nの接触荷重を与え、電流100Aで通電
させ30,000回開閉後、真空バルブから取り外し、開閉前後の重量の変化を材料消耗
量として測定した。5対の接点の測定値の最大値と最小値を示した。
(実施例1〜5、比較例1〜2)
Bを0.001%含有したCu−2.5%CuTe合金中のCuTe粒子の1つの
辺aの長さをほぼ2.5〜5μmに一定とした場合の、所定条件での耐消耗性と接触抵抗
特性に及ぼす辺b(辺aにほぼ直角)の長さの影響を確認した。
辺bの長さが1000μmを越えた2500μmの場合(比較例2)では、電流開閉あ
るいは遮断時の衝撃でCuTe粒子が折損しマトリックスから脱落している状況が観察
される。それに伴い30,000回開閉後の材料消耗が大きい。また消耗による表面荒れ
は接触抵抗値のバラツキ幅の増大を招き真空バルブ用接点として好ましくない。
これに対して、辺bの長さが1000μm以下の場合では、評価後も安定した表面状態
を得て良好な耐消耗性と接触抵抗特性を示す(実施例1〜4)。
なお、辺aの長さが1μm以下の場合(比較例1)では、接触抵抗特性は問題ないが耐
消耗性が劣り好ましくない。
従って、辺bの長さは10μm〜1000μmの範囲が耐消耗性と接触抵抗特性の安定
化に対して良好である。
前記実施例1〜4では、Bを0.001%含有するCu−2.5%CuTe合金につ
いて、合金中のCuTe粒子の1つの辺aの長さをほぼ2.5〜5μmに一定とした場
合の、所定条件での耐消耗性と接触抵抗特性に及ぼす辺b(辺aにほぼ直角)の長さの影
響を確認したが、BのないCu−2.5%CuTe合金であっても同様の効果を得た(
実施例5)。
各条件の辺aとbを持つ合金は、1100〜1200℃を選択し真空溶解してインゴッ
トを得て、加圧機械、圧延機械、鍛造機械を単独あるいは適宜組み合わせかつ外力を選択
し、所定の試験片を600℃程度で加工し接点とした後、所定条件を持つCuTe粒子
の辺aと辺bの長さの試料を顕微鏡組織観察によって選出した。
(実施例6〜8、比較例3〜4)
前記実施例では、CuTe粒子の1つの辺aの長さをほぼ2.5〜5μmに一定とし
た場合について、効果を示したが、本発明での辺aの長さは、2.5〜5μmに限ること
なくその効果を発揮する。
すなわち辺aの長さが、8、100、500μmの場合に於いて、良好な耐消耗性と接
触抵抗特性を示す(実施例6〜8)。これに対して、同じ500μmの場合でも、辺bが
3000μmの場合では、CuTe粒子の折損があり耐耐消耗性が好ましくない(比較
例3)。辺aの長さが、2000μmの場合では,マトリックスからのCuTe粒子の
脱落が著しく耐消耗性が好ましくない(比較例4)。
従って、辺aの長さは2.5μm〜500μmの範囲が耐消耗性と接触抵抗特性の安定
化に対して良好である。
以上の実施例1〜8、比較例1〜4の結果から、辺aの長さが2.5μm〜500μm
、辺bの長さが10μm〜1000μmの範囲で、かつ辺aと辺bの比率b/aが2〜4
00であることが好ましい。
(実施例9〜11、比較例5〜6)
上記実施例1〜8および比較例1〜4では、CuTe量を2.5%含有させた場合の
CuTe粒子の辺a、b値の耐消耗性と接触抵抗特性に及ぼす影響を示したが、本発明
技術で使用するCu−CuTe合金中のCuTe量は2.5%以外でも効果を発揮す
る。
すなわち、CuTe量が0.001%、0.1%、10%であっても、CuTe粒
子の辺a、b値が前記所定値範囲であれば良好な耐消耗性と接触抵抗特性を示す(実施例
9〜11)。しかし、CuTe量を15%含有させCu−CuTe合金に対して、C
Te粒子の辺a、b値を所定値に調整しても、Cu−CuTe合金自体の脆化によ
って、真空バルブとしての基本的三要件を満たさず好ましくない(比較例6)。一方参考
として示したCuTe量がゼロの場合では、耐溶着性が極端に劣り真空バルブとしての
基本的三要件を満たしていない(比較例5)。
従って、CuTe量が0.001〜10%の範囲のCu−CuTe合金に対して、
辺aの長さは2.5μm〜500μmの範囲に調整する時、良好な耐消耗性と接触抵抗特
性を示す(実施例9〜11)。
(実施例12〜17)
前記実施例1〜11では、B量を0.001%含有させたCu−CuTe合金に対し
て、CuTe粒子の辺a、b値の耐消耗性と接触抵抗特性に及ぼす影響を示したが、本
発明技術で使用するCu−CuTe合金中のB量は0.001%に限る事なく効果を発
揮する。
すなわちB量を0.0001%、0.01%、0.1%、1%、5%とした場合に於い
て、良好な耐消耗性と接触抵抗特性を示す(実施例13〜17)。
前記実施例1〜4、実施例6〜11、実施例13〜17では、Bが所定量存在したCu
−CuTe合金について、合金中のCuTe粒子の1つの辺aの長さをほぼ2.5〜
5μmに一定とした場合(または辺aの長さを8、100、500とした場合)の、耐消
耗性と接触抵抗特性に及ぼす辺b(辺aにほぼ直角)の長さの影響を確認したが、Bのな
いCu−1.0%CuTe合金であっても同様の効果を得た(実施例12)。
従って、Cu−CuTe合金、Cu−B−CuTe合金に対しても辺aの長さは2
.5μm〜500μmの範囲が耐消耗性と接触抵抗特性の安定化に対して良好である。
(実施例18、比較例8)
前記実施例1〜16では、Cu−CuTe合金、Cu−B−CuTe合金中の通
電面(対向する接点との接触面)に平行な面における各CuTe粒子の配列状況として
、50面積%以上を並列とした場合の効果を示したが、本発明技術で使用するCu−Cu
Te合金中のCuTe粒子、Cu−B−CuTe合金中の各CuTe粒子の配列
状況が95〜100%でも同様の効果を発揮する(実施例18)。50面積%以上あるい
は95〜100面積%を並列としたCu−CuTe合金、Cu−B−CuTe合金は
、金属顕微鏡による観察によって選別した。一方、この配列の平行部分が50%未満とし
た場合には耐消耗性の低下が大きく好ましくない(比較例8)。これも、同様に金属顕微
鏡による観察によって選別した。
従って、Cu−CuTe合金、Cu−B−CuTe合金中の通電面に平行な面にお
ける各CuTe粒子の配列状況として50面積%以上とした場合に耐消耗性と接触抵抗
特性の安定化が良好である。
(変形例1)
前記実施例1〜18では、対向する1対の接点として、Cu−CuTe合金またはC
u−B−CuTe合金同士を組み合わせ、耐消耗性と接触抵抗特性の安定化を確認した
これに限らず、接点の一方をCu−CuTe合金またはCu−B−CuTe合金と
し、他方をCu、Cu合金とした組み合わせであっても耐消耗性と接触抵抗特性の安定化
を確認した。
(変形例2)
前記実施例1〜18では、対向する1対の接点として、Cu−CuTe合金またはC
u−B−CuTe合金同士を組み合わせ、耐消耗性と接触抵抗特性の安定化を確認した
これに限らず、接点の一方をCu−CuTe合金またはCu−B−CuTe合金と
し、他方を15〜60%のCrを含むCu−Cr合金、他方を20〜80%のWを含むC
u−W合金、他方を20〜80%のWと0.05〜1%のSbを含むCu−W−Sb合金
、他方を30〜60%のWCを含むCu−WC合金、他方を30〜60%のMoCを含
むCu−MoC合金、他方を30〜60%のTiCを含むCu−TiC合金、他方を3
0〜60%のWCを含むAg−WC合金とした組み合わせであっても耐消耗性と接触抵抗
特性の安定化を確認した。
本発明の実施形態に係る真空バルブ用接点を製造する方法を説明するための図。 本発明の各実施例および比較例の評価条件を示す表図。 本発明の各実施例および比較例の評価結果を示す表図。
符号の説明
1、2…インゴット
3…接点素材
4…円板状の接点

Claims (4)

  1. CuTe粒子が0.001〜10質量%で、残部がCuからなるCu−CuTe系接点で構成され、
    1つの辺aの長さが2.5〜500μm、前記1つの辺aに直角の他の辺bの長さが10〜1000μmであり、かつ前記1つの辺aの長さと前記他の辺bの長さとの比率(b/a)が2〜400である形状と大きさのCuTe粒子が、通電面に平行な面における全CuTe粒子の面積の90%以上を占める事を特徴とする真空バルブ用接点。
  2. CuTe粒子が0.001〜10質量%で、0.0001〜5質量%のBを含有し、残部がCuからなるCu−B−CuTe系接点で構成され、
    1つの辺aの長さが2.5〜500μm、前記1つの辺aに直角の他の辺bの長さが10〜1000μmであり、かつ前記1つの辺aの長さと前記他の辺の長さbとの比率(b/a)が2〜400である形状と大きさのCuTe粒子が、通電面に平行な面における全CuTe粒子の面積の90%以上を占める事を特徴とする真空バルブ用接点。
  3. 通電面に平行な面における前記形状と大きさのCuTe粒子の面積の50%以上を占めるCuTe粒子が、合金中に互いに平行に配列されている事を特徴とする請求項1に記載の真空バルブ用接点。
  4. 通電面に平行な面における前記形状と大きさのCuTe粒子の面積の50%以上を占めるCuTe粒子が、合金中に互いに平行に配列されている事を特徴とする請求項2に記載の真空バルブ用接点。
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