JPH0463137B2 - - Google Patents
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- JPH0463137B2 JPH0463137B2 JP60297852A JP29785285A JPH0463137B2 JP H0463137 B2 JPH0463137 B2 JP H0463137B2 JP 60297852 A JP60297852 A JP 60297852A JP 29785285 A JP29785285 A JP 29785285A JP H0463137 B2 JPH0463137 B2 JP H0463137B2
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Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
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- H01H1/021—Composite material
- H01H1/023—Composite material having a noble metal as the basic material
- H01H1/0237—Composite material having a noble metal as the basic material and containing oxides
- H01H1/02372—Composite material having a noble metal as the basic material and containing oxides containing as major components one or more oxides of the following elements only: Cd, Sn, Zn, In, Bi, Sb or Te
Description
《産業上の利用分野》
本発明はAgを主成分とし、その中に金属酸化
物を分散した銀−酸化物系の接点材料に関するも
のである。 《従来の技術》 従来、電気接点材料としては、いろいろなもの
が用いられているが、とりわけAg−CdO接点が
広く使用されている。 AgにCdOを10%程度分散させた接点は、耐溶
着性、耐アーク性、耐消耗性、接触安定性などの
諸接点特性が優れているため各種スイツチ、コン
タクター、ブレーカーなど小から大電流領域まで
広く用いられている。 AgマトリツクスにCdOを分散させることに、
接点表面の清浄作用や溶着力の軽減などの電気的
諸特性を改善するものとして確かに効果的であ
る。 しかしこのような効果を充分果してきたのは特
に交流回路であり、極性の変化しない直流回路で
使用したときは一方の極から他方の極へ転移が起
こり易くなり接触状態が非常に不安定になる。 また、近時各産業分野における合理化、自動化
は目覚ましい発達を遂げているが、これに伴ない
装置は大型化、複雑化する傾向にある一方、これ
ら装置の制御系はむしろ高い精密度を要求される
ため、急速に電子化制御に移行している。 電気回路の断続において、電子化された正確な
制御は制御角が一定となり、接点のONの時期と
OFFの時期がずれることなく常に一定の状態に
コントロールされることから、接点開閉時には疑
似的な直流現象が起こることにより、一方の極か
ら他方の極へ接点材質が層状に維持し始め、(別
表1)の比較例における層状堆積の項から理解さ
れるように、104回の接点開閉後、層状に転移堆
積する量が0.85〜1.85mm3の如く大となり、従つ
て、それ以上開閉回数が増加して行つた場合に
は、堆積物はさらに成長し、遂に、当該堆積物が
なんらかの要因により脱落してしまうことが予測
され、このような状態となつた際には、接点の総
体的な消耗量が大となり、その接触安定性も著し
く損なわれることとなる。 そして、上記の如き堆積物の脱落が生ずること
のないまま接点の開閉作動が進行したときは、接
点のロツキングあるいは溶着といつた事故につな
がることにもなる。 そこで、本願人は、電気接点の表面の清浄作用
やアークに対する諸現象、たとえば消弧作用など
が添加する酸化物の物性、特にその蒸気圧の温度
特性に最も関係が深いとする思考基盤に基づい
て、既に次のような研究をすすめてきている。 即ち、当該蒸気圧に関し、約500〜1500℃の温
度範囲でCdOの蒸気圧より高いSb酸化物に着目
し、これをAg中に分散させることによりAg−
CdO系のものと同等以上の接点表面清浄作用が発
揮し得たことは、特願昭48−61188(特公昭53−
18165)に明示の如く確認され、更にZn,Cu,
Mn,Sn酸化物を分散させた系においても特願昭
48−120317(特公昭55−18165)で特に耐アーク消
耗性、耐溶着性に効果的なことを確認している。 ところが、このAgにSb酸化物あるいはSb酸化
物とZn,Cu,Mn,Sn酸化物を分散させた電気
接点材料について種々な回路条件で試験を行つた
ところ前述のように、制御角の一定な電子化制御
により接点の開閉を長時間行つた場合にあつて
は、どちらか一方の極に接点材料の堆積が始ま
り、当該堆積物にアークが集中して異常消費に発
展することが確認された。 《発明が解決しようとする問題点》 そこで、上記の異常消耗につき、その原因を追
求した。 ここで、通常電気接点を開閉すると、接点間に
は激しいアークが発生し、接点表面はかなりの高
温にさらされる。 このとき接点表面は、接点特性に有効な成分が
逸散することで、消耗するのであり、この際失わ
れた効果的な成分が接点内部から表層部へ間断な
く補われるのが理想的な接点材料といえる。 ところで、前掲のAg−Sb−Zn−Cu−Mn系に
ついては、この効果的成分が順調に供給されない
ため前述のような現象が起こつたものと考えられ
る。 これらについて詳細な検討を進めた結果、接点
内部から表層への順調な有効成分の供給力は、ア
ークによる表層成分の発揮によつて促がされる点
に着目し酸化物の蒸気圧と深い関係があると推定
した。 そこでSb酸化物の蒸気圧を基準とし、それよ
り高い蒸気圧を有する各種酸化物とSb酸化物と
を共存した系で実験を繰り返した結果、別途、特
願昭60−295976に明示の如くAgに当該SbとTeの
酸化物とを複合添加することによつて有効成分の
表層への供給が順調になり層状堆積防止に極めて
大きい効果があることを見い出したものである
が、本願の第1発明では、さらに、約1500〜4000
℃の温度範囲でCdOより高い蒸気圧をもつCu,
Zn,Mnの内一種以上の酸化物をも分散させるこ
とによつて、上記のように、単に種々な回路条件
に適合し、層状の堆積物や欠落などによる異常な
消耗のないようにするだけでなく、アーク消費量
を低減し、接点の溶着回数特性をも改善しようと
するものであり、第2発明では、さらに適当量の
Fe,Ni,Co酸化物を一種以上添加することで、
その特性の向上を意図している。 《問題点を解決するための手段》 本発明は上記の目的を達成するために、第1の
発明では、銀を主成分とし、これに金属成分が
0.2〜6.2重量%となるSb酸化物を、金属成分が
0.05〜5重量%となるCu,Zn,Mnの酸化物一種
以上と更に金属成分が0.05〜2重量%Te酸化物
とが分散されていることを特徴とする銀−酸化物
系の接点材料を提供しようとしており、さらに第
2発明では、上記第1発明に、0.02〜0.5重量%
となるFe,Ni,Co酸化物の一種以上をも分散さ
せるようにしたことを特徴とする銀−酸化物系の
接点材料を提供しようとしている。 《実施例》 本発明を後記具体例を示して、さらに詳記する
と、先づこのような電気接点材料を製造するには
既知のように、焼結法によつても内部酸化法によ
つてもよいが、溶製内部酸化法ではSbとTeおよ
びCu,Zn,Mnを添加したAg合金を酸化雰囲気
中で高温に保持してその表面より酸化を侵入さ
せ、Sb,Te,Cu,Zn,Mnその他の元素を選択
的に酸化するものであり、長時間該酸化を続ける
ことにより、Agマトリツクス中に当該酸化物を
分散せしめて電気接点材料を製するものである。 ここで、AgへのSbとTeとZn−Cu−Mnの添加
量の上限を夫々6.2重量%と2重量%および5重
量%に限定しなければならない理由は、Ag−Sb
合金のα固溶体におけるSbの最大固溶限が、300
℃で6.2重量%であり、この添加量を超過するSb
を添加した場合には著しく加工性を阻害すること
となり、量産的加工が不能となるからであつて、
Agに対し、Zn−Cu−Mnの一種または二種以上
の添加は30%程度の量でも充分可能だが、上記の
通り既にAgに最大6.2重量%のSbを含んだ合金系
に更にZn−Cu−Mnを添加する場合であると、
Agへの固溶度が急に減少すると共に一種または
二種以上5重量%を越えた添加であると展延性が
著しく低下し、所望形状までの加工が極めて困難
となるからである。 またTeの上限を上記の如く2重量%に限定し
た理由は、TeのAgに対する溶解度が低いことに
加え、これ以上の添加では塑性加工が極めて困難
なためである。 一方、Sb,Te,Zn,Cu,Mnの添加量が夫々
0.2重量%,0.05重量%,0.05重量%未満の場合は
後述する添加効果が得られない。 次に第2発明においてFe族元素の添加量を0.02
〜0.5重量%に限定した理由は、Agに対するFe族
元素の固溶度が0.5重量%を超えると急激に減少
するため、Agマトリツク中に偏在、偏析して加
工性を阻害し0.02重量%未満の添加では内部酸化
組成の調整に対する効果が低いためである。 ここで具体例を示せば、99.5重量%以上の純度
を有するSb,Te,Zn,Cu,MnおよびFe,Ni,
Coを原料とし、(別表1)に示す組成合金を次の
工程で製作した。 高周波誘導溶解炉で、溶解、鋳造したインゴツ
トを熱間鍛造表面切削後、その一面にAg板を熱
圧着して、ろう付用のAg層を形成する。 次に当該素材を冷間圧延して厚さ2mmの板にし
た後、直径6mmの円盤状に打抜き、これを720℃
の酸化雰囲気中でSb,Te、およびFe,Ni,Co
を内部酸化して夫々本発明合金((A),(B),(C),
(D),(E),(F),(G),(H),(I),(J),(K)) 比較のためAg−10重量%Cd,Ag−3Sb−2Cu
重量%,Ag−2重量%Teの各合金をつくり実験
に供した。 接点試験は、接触抵抗とアーク消耗量および層
状堆積の傾向について、夫々ASTM接点試験機
(AC200V,50A)とアーク消耗試験機
(AC200V,10A)および市販スイツチによる実
機テスト(AC200V,35A)を行つて評価したそ
の結果が、(別表1)である。 《発明の効果》 (別表1)に示される如く、Ag−10Cdの層状
堆積物は1.05mm3、Ag−3Sd−2Cuの層状堆積物が
0.85mm3、そしてAg−2Teの層状堆積物は1.85mm3で
あるのに対し、本発明になる(A)(B)(C)(D)(E)(F)(G)(H)
(I)
(J)(K)合金はいずれも0.1mm3以下の極く微小であ
り、SbとTeの複合添加が極めて効果的であるこ
とを示している。 しかし、これはAgに対するSbとTeの複合添加
が条件であり、Te酸化物のみの添加では層状堆
積物防止に対する効果が著しく低いことを念のた
め述べておく。 さらに、本発明合金では、AgにSbとTeの酸化
物だけでなく、Cu,Zn,Mnの酸化物一種以上分
散するようにしたので、アーク消耗量と接点の溶
着回数についても、可成りの改善をみることがで
き、このことは、前掲AgにSbとTeの酸化物を複
合添加したもの(特願昭60−295976)が、(別表
2)の如き試験結果であつたのに対比すること
で、確認することができた。 また、第族元素のFe,Ni,Coの一種または
二種以上の添加は、Agマトリツクス中に析出す
るSbとTeの酸化物とZn,Cu,Mn酸化物の一種
以上を均一に分散せしむると共に結晶粒を微細化
する効果がある。
物を分散した銀−酸化物系の接点材料に関するも
のである。 《従来の技術》 従来、電気接点材料としては、いろいろなもの
が用いられているが、とりわけAg−CdO接点が
広く使用されている。 AgにCdOを10%程度分散させた接点は、耐溶
着性、耐アーク性、耐消耗性、接触安定性などの
諸接点特性が優れているため各種スイツチ、コン
タクター、ブレーカーなど小から大電流領域まで
広く用いられている。 AgマトリツクスにCdOを分散させることに、
接点表面の清浄作用や溶着力の軽減などの電気的
諸特性を改善するものとして確かに効果的であ
る。 しかしこのような効果を充分果してきたのは特
に交流回路であり、極性の変化しない直流回路で
使用したときは一方の極から他方の極へ転移が起
こり易くなり接触状態が非常に不安定になる。 また、近時各産業分野における合理化、自動化
は目覚ましい発達を遂げているが、これに伴ない
装置は大型化、複雑化する傾向にある一方、これ
ら装置の制御系はむしろ高い精密度を要求される
ため、急速に電子化制御に移行している。 電気回路の断続において、電子化された正確な
制御は制御角が一定となり、接点のONの時期と
OFFの時期がずれることなく常に一定の状態に
コントロールされることから、接点開閉時には疑
似的な直流現象が起こることにより、一方の極か
ら他方の極へ接点材質が層状に維持し始め、(別
表1)の比較例における層状堆積の項から理解さ
れるように、104回の接点開閉後、層状に転移堆
積する量が0.85〜1.85mm3の如く大となり、従つ
て、それ以上開閉回数が増加して行つた場合に
は、堆積物はさらに成長し、遂に、当該堆積物が
なんらかの要因により脱落してしまうことが予測
され、このような状態となつた際には、接点の総
体的な消耗量が大となり、その接触安定性も著し
く損なわれることとなる。 そして、上記の如き堆積物の脱落が生ずること
のないまま接点の開閉作動が進行したときは、接
点のロツキングあるいは溶着といつた事故につな
がることにもなる。 そこで、本願人は、電気接点の表面の清浄作用
やアークに対する諸現象、たとえば消弧作用など
が添加する酸化物の物性、特にその蒸気圧の温度
特性に最も関係が深いとする思考基盤に基づい
て、既に次のような研究をすすめてきている。 即ち、当該蒸気圧に関し、約500〜1500℃の温
度範囲でCdOの蒸気圧より高いSb酸化物に着目
し、これをAg中に分散させることによりAg−
CdO系のものと同等以上の接点表面清浄作用が発
揮し得たことは、特願昭48−61188(特公昭53−
18165)に明示の如く確認され、更にZn,Cu,
Mn,Sn酸化物を分散させた系においても特願昭
48−120317(特公昭55−18165)で特に耐アーク消
耗性、耐溶着性に効果的なことを確認している。 ところが、このAgにSb酸化物あるいはSb酸化
物とZn,Cu,Mn,Sn酸化物を分散させた電気
接点材料について種々な回路条件で試験を行つた
ところ前述のように、制御角の一定な電子化制御
により接点の開閉を長時間行つた場合にあつて
は、どちらか一方の極に接点材料の堆積が始ま
り、当該堆積物にアークが集中して異常消費に発
展することが確認された。 《発明が解決しようとする問題点》 そこで、上記の異常消耗につき、その原因を追
求した。 ここで、通常電気接点を開閉すると、接点間に
は激しいアークが発生し、接点表面はかなりの高
温にさらされる。 このとき接点表面は、接点特性に有効な成分が
逸散することで、消耗するのであり、この際失わ
れた効果的な成分が接点内部から表層部へ間断な
く補われるのが理想的な接点材料といえる。 ところで、前掲のAg−Sb−Zn−Cu−Mn系に
ついては、この効果的成分が順調に供給されない
ため前述のような現象が起こつたものと考えられ
る。 これらについて詳細な検討を進めた結果、接点
内部から表層への順調な有効成分の供給力は、ア
ークによる表層成分の発揮によつて促がされる点
に着目し酸化物の蒸気圧と深い関係があると推定
した。 そこでSb酸化物の蒸気圧を基準とし、それよ
り高い蒸気圧を有する各種酸化物とSb酸化物と
を共存した系で実験を繰り返した結果、別途、特
願昭60−295976に明示の如くAgに当該SbとTeの
酸化物とを複合添加することによつて有効成分の
表層への供給が順調になり層状堆積防止に極めて
大きい効果があることを見い出したものである
が、本願の第1発明では、さらに、約1500〜4000
℃の温度範囲でCdOより高い蒸気圧をもつCu,
Zn,Mnの内一種以上の酸化物をも分散させるこ
とによつて、上記のように、単に種々な回路条件
に適合し、層状の堆積物や欠落などによる異常な
消耗のないようにするだけでなく、アーク消費量
を低減し、接点の溶着回数特性をも改善しようと
するものであり、第2発明では、さらに適当量の
Fe,Ni,Co酸化物を一種以上添加することで、
その特性の向上を意図している。 《問題点を解決するための手段》 本発明は上記の目的を達成するために、第1の
発明では、銀を主成分とし、これに金属成分が
0.2〜6.2重量%となるSb酸化物を、金属成分が
0.05〜5重量%となるCu,Zn,Mnの酸化物一種
以上と更に金属成分が0.05〜2重量%Te酸化物
とが分散されていることを特徴とする銀−酸化物
系の接点材料を提供しようとしており、さらに第
2発明では、上記第1発明に、0.02〜0.5重量%
となるFe,Ni,Co酸化物の一種以上をも分散さ
せるようにしたことを特徴とする銀−酸化物系の
接点材料を提供しようとしている。 《実施例》 本発明を後記具体例を示して、さらに詳記する
と、先づこのような電気接点材料を製造するには
既知のように、焼結法によつても内部酸化法によ
つてもよいが、溶製内部酸化法ではSbとTeおよ
びCu,Zn,Mnを添加したAg合金を酸化雰囲気
中で高温に保持してその表面より酸化を侵入さ
せ、Sb,Te,Cu,Zn,Mnその他の元素を選択
的に酸化するものであり、長時間該酸化を続ける
ことにより、Agマトリツクス中に当該酸化物を
分散せしめて電気接点材料を製するものである。 ここで、AgへのSbとTeとZn−Cu−Mnの添加
量の上限を夫々6.2重量%と2重量%および5重
量%に限定しなければならない理由は、Ag−Sb
合金のα固溶体におけるSbの最大固溶限が、300
℃で6.2重量%であり、この添加量を超過するSb
を添加した場合には著しく加工性を阻害すること
となり、量産的加工が不能となるからであつて、
Agに対し、Zn−Cu−Mnの一種または二種以上
の添加は30%程度の量でも充分可能だが、上記の
通り既にAgに最大6.2重量%のSbを含んだ合金系
に更にZn−Cu−Mnを添加する場合であると、
Agへの固溶度が急に減少すると共に一種または
二種以上5重量%を越えた添加であると展延性が
著しく低下し、所望形状までの加工が極めて困難
となるからである。 またTeの上限を上記の如く2重量%に限定し
た理由は、TeのAgに対する溶解度が低いことに
加え、これ以上の添加では塑性加工が極めて困難
なためである。 一方、Sb,Te,Zn,Cu,Mnの添加量が夫々
0.2重量%,0.05重量%,0.05重量%未満の場合は
後述する添加効果が得られない。 次に第2発明においてFe族元素の添加量を0.02
〜0.5重量%に限定した理由は、Agに対するFe族
元素の固溶度が0.5重量%を超えると急激に減少
するため、Agマトリツク中に偏在、偏析して加
工性を阻害し0.02重量%未満の添加では内部酸化
組成の調整に対する効果が低いためである。 ここで具体例を示せば、99.5重量%以上の純度
を有するSb,Te,Zn,Cu,MnおよびFe,Ni,
Coを原料とし、(別表1)に示す組成合金を次の
工程で製作した。 高周波誘導溶解炉で、溶解、鋳造したインゴツ
トを熱間鍛造表面切削後、その一面にAg板を熱
圧着して、ろう付用のAg層を形成する。 次に当該素材を冷間圧延して厚さ2mmの板にし
た後、直径6mmの円盤状に打抜き、これを720℃
の酸化雰囲気中でSb,Te、およびFe,Ni,Co
を内部酸化して夫々本発明合金((A),(B),(C),
(D),(E),(F),(G),(H),(I),(J),(K)) 比較のためAg−10重量%Cd,Ag−3Sb−2Cu
重量%,Ag−2重量%Teの各合金をつくり実験
に供した。 接点試験は、接触抵抗とアーク消耗量および層
状堆積の傾向について、夫々ASTM接点試験機
(AC200V,50A)とアーク消耗試験機
(AC200V,10A)および市販スイツチによる実
機テスト(AC200V,35A)を行つて評価したそ
の結果が、(別表1)である。 《発明の効果》 (別表1)に示される如く、Ag−10Cdの層状
堆積物は1.05mm3、Ag−3Sd−2Cuの層状堆積物が
0.85mm3、そしてAg−2Teの層状堆積物は1.85mm3で
あるのに対し、本発明になる(A)(B)(C)(D)(E)(F)(G)(H)
(I)
(J)(K)合金はいずれも0.1mm3以下の極く微小であ
り、SbとTeの複合添加が極めて効果的であるこ
とを示している。 しかし、これはAgに対するSbとTeの複合添加
が条件であり、Te酸化物のみの添加では層状堆
積物防止に対する効果が著しく低いことを念のた
め述べておく。 さらに、本発明合金では、AgにSbとTeの酸化
物だけでなく、Cu,Zn,Mnの酸化物一種以上分
散するようにしたので、アーク消耗量と接点の溶
着回数についても、可成りの改善をみることがで
き、このことは、前掲AgにSbとTeの酸化物を複
合添加したもの(特願昭60−295976)が、(別表
2)の如き試験結果であつたのに対比すること
で、確認することができた。 また、第族元素のFe,Ni,Coの一種または
二種以上の添加は、Agマトリツクス中に析出す
るSbとTeの酸化物とZn,Cu,Mn酸化物の一種
以上を均一に分散せしむると共に結晶粒を微細化
する効果がある。
【表】
【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 銀を主成分とし、これに金属成分が0.2〜6.2
重量%となるSb酸化物と、金属成分が0.05〜5重
量%となるCu,Zn,Mnの酸化物一種以上と更に
金属成分が0.05〜2重量%Te酸化物とが分散さ
れていることを特徴とする銀−酸化物系の接点材
料。 2 銀を主成分とし、これに金属成分が0.2〜6.2
重量%となるSb酸化物と、金属成分が0.05〜5重
量%となるCu,Zn,Mnの酸化物一種以上と、金
属成分が0.05〜2重量%Te酸化物と、さらに金
属成分として0.02〜0.5重量%となるFe,Ni,Co
酸化物の一種以上とが分散されていることを特徴
とする銀−酸化物系の接点材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60297852A JPS62158838A (ja) | 1985-12-30 | 1985-12-30 | 銀一酸化物系の接点材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60297852A JPS62158838A (ja) | 1985-12-30 | 1985-12-30 | 銀一酸化物系の接点材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62158838A JPS62158838A (ja) | 1987-07-14 |
JPH0463137B2 true JPH0463137B2 (ja) | 1992-10-08 |
Family
ID=17851983
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60297852A Granted JPS62158838A (ja) | 1985-12-30 | 1985-12-30 | 銀一酸化物系の接点材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62158838A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03219032A (ja) * | 1990-01-22 | 1991-09-26 | Tokuriki Honten Co Ltd | 銀―酸化物系の接点材料 |
CN105728714B (zh) * | 2014-12-12 | 2018-12-04 | 施耐德电气工业公司 | 银-金属氧化物电触头材料的制备方法、装置以及应用 |
CN105798319B (zh) * | 2014-12-31 | 2020-09-22 | 施耐德电气工业公司 | 银钨电触头材料的制备方法及电触头材料、电触头 |
CN112805415A (zh) * | 2018-10-03 | 2021-05-14 | 朗姆研究公司 | 用于惰性阳极镀覆槽的设备 |
-
1985
- 1985-12-30 JP JP60297852A patent/JPS62158838A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62158838A (ja) | 1987-07-14 |
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