JPS6367537B2 - - Google Patents
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Description
本発明は新規な電気接点材料に関するもので、
特に従来、比較的小電流の継電器から電磁開閉器
や遮断器などの大電流域まで広汎に用いられてき
たAg−CdO系接点材料に代つて、CdOを排し代
替酸化物を含有させるようにしたAg酸化物系接
点材料に係るものでる。 従来、電気接点材料としては種々のものが用い
られているが、特にAg−CdO系材料は電気接点
として要求される耐溶着性、耐消耗性、接触抵抗
の安定性などの諸性能にすぐれているため、その
需要も年々上昇し、材料面の改良が重ねられてお
り、またこれに関する学術的研究も多く、いわば
この系の材料、製造技術の進歩は極限にまで達し
ているといえよう。 しかし、このAg−CdO系接点材料は、既知の
ようにその製造上、溶解、熱間加工、高温内部酸
化、分析及び回収などCdを系外に排出し易い多
数の工程を含んでいるため、当然その排出防止に
努めなければならない。 この結果、殊に生産設備の拡大に伴つて莫大な
公害防止設備が必要となり、当該防止のために多
大なエネルギーが消費され、生産価格にまで重大
な影響を与えることになる。 Ag中にCdOを分散させることは、接点表面の
清浄化作用、溶着力の低減などの性能を改善する
ものとして効果的であるが、このような交果を十
分に果すのは特に交流回路においてであり、極性
の変化しない直流回路において当該接点材料を使
用したときは、比較的耐溶着性に乏しく開閉回数
が増すと接触抵抗が増加するなどの難点がある。 その原因は、一方の極から他方の極に接点材料
が移転し、接点表面に接点母材と異なる変質層が
形成されるためと堤唱されており、この欠点は
Ag−CdO系接点を用いる限り解消できない宿命
といえよう。 そこで、Ag−CdO系接点材料に匹敵する新し
い材料の開発が注目されるに至り、近年各種の研
究がなされつつあり、Ag中にLaの酸化物を分散
させた電気接点材料なども発表されている。 そこで本願人は既に、上記の諸点鑑み、Cd成
分を含まない酸化物の接点特性に寄与する役割に
ついて研究を重ねた結果、電気接点の表面におけ
る清浄化作用やアークに対する諸現象、例えば消
弧作用などが、添加する酸化物の物性、特にその
蒸気圧の温度特性に最も関係が深いとする考え方
に想到し、高性能Ag−酸化物系接点材料の開発
に必要な指針を得た。 このような思考を基盤として蒸気圧がCdOのそ
れに近い酸化物に着目し、Sb、Zn、In、Teなど
の酸化物をAg中に含有させることにより、Ag−
CdO系接点と同等以上の接点表面清浄化作用を発
揮させ得ることを確認することができた。 さらに、Ni、Feなどを加えることによつて相
乗的効果が発揮され得ることについても、各種の
提案を発表している。 本発明は以上のような研究経過に基づいてなさ
れたものであり、Ag中に約500〜1500℃の温度範
囲でCdOより高い蒸気圧のもつSbの酸化物、約
1500〜4000℃の温度範囲でCdOより高い蒸気圧を
もつSn酸化物、約500〜4000℃の温度範囲でCdO
より低い蒸気圧をもつIn、Znの酸化物を組合せ
て分散させることにより、優れた接点特性を発揮
し得るようにしたものである。 さらに、本発明の重要な点は、上記元素にさら
にTeを加えた酸化物を分散させることにより、
Ag−CdO系接点のもつているような欠陥を改善
しようとするにある。 すなわち既知の如く機器の頻繁な運転に伴い、
その開閉を司るスイツチにあつては、その接点表
面がアーク熱やジユール熱によつて溶融する程の
高温に熱せられ、これが夜間などの運転休止時に
は温室まで降温することになるから、高温と室温
の熱サイクルが繰返されることになる。 ところで当該接点は、片側をAg層としてCu、
Cu−Znなどによる台材に、ろう付けされること
になるが、Agや上記台材、接点材(Ag−CdO)
の熱膨張率には差があり、このため上記の如き頻
繁な熱サイクルによる膨張、収縮が繰返される
と、接点が弯曲変形するという現象を生じ、これ
により接点が台材から剥離し、剥離部分が欠落消
耗あるいは温度上昇を起すことになる。 既述のTeの添加は、Ag中に当該酸化物を均一
微細に分散させる効果があり、前記剥離消耗現象
を軽減する。 そこで発明(1)は、0.2〜6.2重量%Sb、0.1〜0.5
重量%Zn、0.5〜5.0重量%Sn、0.1〜5.0重量%In、
0.01〜1.2重量%Teで、かつその総和が5.0〜15.0
重量%の範囲である元素成分が酸化物として分散
しており、残部Agであることを特徴としている。 このような電気接点材料の製造には既知のよう
に焼結法(粉末治金法)と内部酸化法とがある
が、内部酸化の方が耐消耗性にすぐれていること
から後者が多用されている。 内部酸化合金接点の製法は、AgとSb、Sn、
In、Zn、TeとのAg基合金を溶解によつて作製
し、これを酸素雰囲気中で高温に保持させること
により、合金の表面から酸素を侵入させ、添加元
素を選択的に酸化させて、Ag中に酸化物として
均一微細に分散させる。 元素成分としてのSbは、0.2〜6.2重量%でなく
てはならず、ここでAgへのSbの添加量の上限を
6.2重量%に限定しなければならない理由は、合
金のα固溶体におけるSbの最大固溶限が、300℃
で6.2重量%であり、この添加量を越えるSbを添
加した場合には著しく冷間加工性を阻害すること
となり、電気接点材料の量産が困難となるからで
ある。 一方、0.2重量%未満の添加量であると、顕著
な添加効果が得られず、その目的を達成し得な
い。 さらにZnを添加すると、Zn酸化物は約1500℃
以下で、Sb酸化物より低い蒸気圧であるため、
これら酸化物のアークなどによる揮発損耗を抑制
する効果がある。 そしてZnの添加上限を5.0重量%とした理由は、
それを越える添加量とした場合、当該酸化物が層
状に表面近傍にて形成され、内部酸化が困難とな
るだけでなく、非常に脆くなつてしまうからであ
り、0.1重量%の下限値は、明瞭なる効果発揮の
最低限を示している。 成分元素としてのSnは0.5〜5.0重量%の範囲で
なければならない。 このような範囲に限定しなければならない理由
は、Snを添加した合金を内部酸化すると、当該
酸化物は針状を呈するが、5.0重量%を越えた添
加では、当該酸化物が層状に表面近傍にて形成さ
れ、内部酸化処理が困難となり、一方、0.5重量
%未満の場合は、Snを添加した明らかな効果が
あらわれないからである。 Inを含んだ合金は、Snと同様内部酸化すると、
針状の酸化物となるが、Sbその他の元素と組合
せた合金にあつてはInが5.0重量%を越えて添加
されると、内部酸化時に、表面に緻密な酸化被膜
を形成し、これが内部酸化を困難にすることにな
るため、上限を5.0重量%としなければならず、
0.1重量%未満では、添加の明瞭なる効果が期待
できない。 本発明では、さらに前記の如くTeを添加する
が、その添加による効果は前記の通り熱サイクル
による熱歪を小さくし、接点の剥離、異常損耗を
解消し得る。 その上限を1.2重量%とした理由は、溶解試料
においてTeとAgの金属間化合物が形成されるた
め加工性が低下し、1.2重量%以上のTeの添加に
おいては加工が困難となつてくるためである。 下限の0.01重量%は効果発揮の最低限を示して
いる。 このように、Sb、Zn、Sn、In、Teを複合添加
することにより、単体添加では得られない相乗効
果が得られることになり、すぐれた接点性能を発
揮することになる。 さらに、添加元素成分の総和が15.0重量%を越
えると内部酸化によつて酸化物を均一微細に分散
させることが極めて困難になる。 一方、総和が5.0重量%以下では、接点性能改
善への効果が殆ど現れていない。 次に発明(2)にあつては、上記(1)の発明内容に加
えて、金属成分が0.01〜0.5重量%となるNi、金
属成分が0.01〜0.5重量%となるFeの一種または
二種の酸化物をも分散しており、残部Agである
ことを特徴としている。 ここで上記の如くNi、Feを添加することの役
割は、酸化物粒子を微細化し、整えることにあ
り、この際上記の如く0.5重量%を上限としたの
は、これを越えて添加すると溶解によつて均一な
合金が得られなくなるからである。 また下限としての0.01重量%は、前記の如き酸
化物粒子微細化の効果を発揮し得る最低限を意味
している。 さらに、添加成分の総和が15.0重量%を越える
と、内部酸化によつて酸化物を均一微細に分散さ
せることが極めて困難になる。 一方総和が5.0重量%以下では接点性能改善へ
の効果が明瞭に現れてこない。 ここで発明(1)についての実施例を示せば、99.5
重量%以上の純度を有する材料を原料として、こ
れを大気中にて溶解することにより、 (1) Ag−1.0Sb−3.0Zn−1.0Sn−5.0In−0.5Te(総
和10.5) (2) Ag−3.0Sb−1.5Zn−2.0Sn−2.0In−0.8Te(総
和9.3) (3) Ag−1.0Sb−0.8Zn−4.5Sn−4.0In−0.6Te(総
和10.9) (4) Ag−0.5Sb−5.0Zn−0.5Sn−0.1In−1.2Te(総
和7.3) (5) Ag−5.0Sb−0.1Zn−1.0Sn−0.5In−0.01Te
(総和6.61) (6) Ag−0.8Sb−0.8Zn−0.8Sn−5.0In−0.5Te(総
和7.9) の鋳塊を製造し、この鋳塊の表層を面削後、その
一面に薄い純銀板を熱圧着して、ろう付け用の銀
層を形成する。 次に当該素材を冷間圧延して厚さ2mmの板にし
た後、プレス機により直径8mmφの円盤状に打抜
き、これを内部酸化炉に入れ、酸素を炉内に導入
しながら750℃で180時間加熱し、Sb、Sn、In、
Zn、Teを酸化させて本発明合金を作製した。 また発明(2)に係る実施例としては、上記発明(1)
について実施したと同じ工程により、 (7) Ag−1.5Sb−1.0Zn−3.0Sn−2.0In−0.3Te−
0.3Fe(総和8.1) (8) Ag−3.0Sb−1.0Zn−2.0Sn−2.0In−0.3Te−
0.3Fe(総和8.6) (9) Ag−1.5Sb−4.0Zn−0.3Sn−4.0In−0.3Te−
0.2Ni−0.2Fe(総和13.2) (10) Ag−6.0Sb−0.3Zn−5.0Sn−3.0In−0.1Te−
0.01Fe(総和14.41) (11) Ag−0.2Sb−0.2Zn−4.0Sn−0.2In−0.05Te−
0.01Ni−0.49Fe(総和5.15) による本発明合金を作製した。 そして上記(1)〜(11)につき接点試験用として当該
合金の裏側に形成されたAgと接点保持用の台材
とをAgろう付けして、接点試験にはASTM接点
試験機を用い、電圧AC100V、電流20A、力率
0.6、接触力150g、解離力300gの条件で、従来
使用されている代表的な接点材料と比較しながら
第1表にあげた各項について試験を行なつた。
特に従来、比較的小電流の継電器から電磁開閉器
や遮断器などの大電流域まで広汎に用いられてき
たAg−CdO系接点材料に代つて、CdOを排し代
替酸化物を含有させるようにしたAg酸化物系接
点材料に係るものでる。 従来、電気接点材料としては種々のものが用い
られているが、特にAg−CdO系材料は電気接点
として要求される耐溶着性、耐消耗性、接触抵抗
の安定性などの諸性能にすぐれているため、その
需要も年々上昇し、材料面の改良が重ねられてお
り、またこれに関する学術的研究も多く、いわば
この系の材料、製造技術の進歩は極限にまで達し
ているといえよう。 しかし、このAg−CdO系接点材料は、既知の
ようにその製造上、溶解、熱間加工、高温内部酸
化、分析及び回収などCdを系外に排出し易い多
数の工程を含んでいるため、当然その排出防止に
努めなければならない。 この結果、殊に生産設備の拡大に伴つて莫大な
公害防止設備が必要となり、当該防止のために多
大なエネルギーが消費され、生産価格にまで重大
な影響を与えることになる。 Ag中にCdOを分散させることは、接点表面の
清浄化作用、溶着力の低減などの性能を改善する
ものとして効果的であるが、このような交果を十
分に果すのは特に交流回路においてであり、極性
の変化しない直流回路において当該接点材料を使
用したときは、比較的耐溶着性に乏しく開閉回数
が増すと接触抵抗が増加するなどの難点がある。 その原因は、一方の極から他方の極に接点材料
が移転し、接点表面に接点母材と異なる変質層が
形成されるためと堤唱されており、この欠点は
Ag−CdO系接点を用いる限り解消できない宿命
といえよう。 そこで、Ag−CdO系接点材料に匹敵する新し
い材料の開発が注目されるに至り、近年各種の研
究がなされつつあり、Ag中にLaの酸化物を分散
させた電気接点材料なども発表されている。 そこで本願人は既に、上記の諸点鑑み、Cd成
分を含まない酸化物の接点特性に寄与する役割に
ついて研究を重ねた結果、電気接点の表面におけ
る清浄化作用やアークに対する諸現象、例えば消
弧作用などが、添加する酸化物の物性、特にその
蒸気圧の温度特性に最も関係が深いとする考え方
に想到し、高性能Ag−酸化物系接点材料の開発
に必要な指針を得た。 このような思考を基盤として蒸気圧がCdOのそ
れに近い酸化物に着目し、Sb、Zn、In、Teなど
の酸化物をAg中に含有させることにより、Ag−
CdO系接点と同等以上の接点表面清浄化作用を発
揮させ得ることを確認することができた。 さらに、Ni、Feなどを加えることによつて相
乗的効果が発揮され得ることについても、各種の
提案を発表している。 本発明は以上のような研究経過に基づいてなさ
れたものであり、Ag中に約500〜1500℃の温度範
囲でCdOより高い蒸気圧のもつSbの酸化物、約
1500〜4000℃の温度範囲でCdOより高い蒸気圧を
もつSn酸化物、約500〜4000℃の温度範囲でCdO
より低い蒸気圧をもつIn、Znの酸化物を組合せ
て分散させることにより、優れた接点特性を発揮
し得るようにしたものである。 さらに、本発明の重要な点は、上記元素にさら
にTeを加えた酸化物を分散させることにより、
Ag−CdO系接点のもつているような欠陥を改善
しようとするにある。 すなわち既知の如く機器の頻繁な運転に伴い、
その開閉を司るスイツチにあつては、その接点表
面がアーク熱やジユール熱によつて溶融する程の
高温に熱せられ、これが夜間などの運転休止時に
は温室まで降温することになるから、高温と室温
の熱サイクルが繰返されることになる。 ところで当該接点は、片側をAg層としてCu、
Cu−Znなどによる台材に、ろう付けされること
になるが、Agや上記台材、接点材(Ag−CdO)
の熱膨張率には差があり、このため上記の如き頻
繁な熱サイクルによる膨張、収縮が繰返される
と、接点が弯曲変形するという現象を生じ、これ
により接点が台材から剥離し、剥離部分が欠落消
耗あるいは温度上昇を起すことになる。 既述のTeの添加は、Ag中に当該酸化物を均一
微細に分散させる効果があり、前記剥離消耗現象
を軽減する。 そこで発明(1)は、0.2〜6.2重量%Sb、0.1〜0.5
重量%Zn、0.5〜5.0重量%Sn、0.1〜5.0重量%In、
0.01〜1.2重量%Teで、かつその総和が5.0〜15.0
重量%の範囲である元素成分が酸化物として分散
しており、残部Agであることを特徴としている。 このような電気接点材料の製造には既知のよう
に焼結法(粉末治金法)と内部酸化法とがある
が、内部酸化の方が耐消耗性にすぐれていること
から後者が多用されている。 内部酸化合金接点の製法は、AgとSb、Sn、
In、Zn、TeとのAg基合金を溶解によつて作製
し、これを酸素雰囲気中で高温に保持させること
により、合金の表面から酸素を侵入させ、添加元
素を選択的に酸化させて、Ag中に酸化物として
均一微細に分散させる。 元素成分としてのSbは、0.2〜6.2重量%でなく
てはならず、ここでAgへのSbの添加量の上限を
6.2重量%に限定しなければならない理由は、合
金のα固溶体におけるSbの最大固溶限が、300℃
で6.2重量%であり、この添加量を越えるSbを添
加した場合には著しく冷間加工性を阻害すること
となり、電気接点材料の量産が困難となるからで
ある。 一方、0.2重量%未満の添加量であると、顕著
な添加効果が得られず、その目的を達成し得な
い。 さらにZnを添加すると、Zn酸化物は約1500℃
以下で、Sb酸化物より低い蒸気圧であるため、
これら酸化物のアークなどによる揮発損耗を抑制
する効果がある。 そしてZnの添加上限を5.0重量%とした理由は、
それを越える添加量とした場合、当該酸化物が層
状に表面近傍にて形成され、内部酸化が困難とな
るだけでなく、非常に脆くなつてしまうからであ
り、0.1重量%の下限値は、明瞭なる効果発揮の
最低限を示している。 成分元素としてのSnは0.5〜5.0重量%の範囲で
なければならない。 このような範囲に限定しなければならない理由
は、Snを添加した合金を内部酸化すると、当該
酸化物は針状を呈するが、5.0重量%を越えた添
加では、当該酸化物が層状に表面近傍にて形成さ
れ、内部酸化処理が困難となり、一方、0.5重量
%未満の場合は、Snを添加した明らかな効果が
あらわれないからである。 Inを含んだ合金は、Snと同様内部酸化すると、
針状の酸化物となるが、Sbその他の元素と組合
せた合金にあつてはInが5.0重量%を越えて添加
されると、内部酸化時に、表面に緻密な酸化被膜
を形成し、これが内部酸化を困難にすることにな
るため、上限を5.0重量%としなければならず、
0.1重量%未満では、添加の明瞭なる効果が期待
できない。 本発明では、さらに前記の如くTeを添加する
が、その添加による効果は前記の通り熱サイクル
による熱歪を小さくし、接点の剥離、異常損耗を
解消し得る。 その上限を1.2重量%とした理由は、溶解試料
においてTeとAgの金属間化合物が形成されるた
め加工性が低下し、1.2重量%以上のTeの添加に
おいては加工が困難となつてくるためである。 下限の0.01重量%は効果発揮の最低限を示して
いる。 このように、Sb、Zn、Sn、In、Teを複合添加
することにより、単体添加では得られない相乗効
果が得られることになり、すぐれた接点性能を発
揮することになる。 さらに、添加元素成分の総和が15.0重量%を越
えると内部酸化によつて酸化物を均一微細に分散
させることが極めて困難になる。 一方、総和が5.0重量%以下では、接点性能改
善への効果が殆ど現れていない。 次に発明(2)にあつては、上記(1)の発明内容に加
えて、金属成分が0.01〜0.5重量%となるNi、金
属成分が0.01〜0.5重量%となるFeの一種または
二種の酸化物をも分散しており、残部Agである
ことを特徴としている。 ここで上記の如くNi、Feを添加することの役
割は、酸化物粒子を微細化し、整えることにあ
り、この際上記の如く0.5重量%を上限としたの
は、これを越えて添加すると溶解によつて均一な
合金が得られなくなるからである。 また下限としての0.01重量%は、前記の如き酸
化物粒子微細化の効果を発揮し得る最低限を意味
している。 さらに、添加成分の総和が15.0重量%を越える
と、内部酸化によつて酸化物を均一微細に分散さ
せることが極めて困難になる。 一方総和が5.0重量%以下では接点性能改善へ
の効果が明瞭に現れてこない。 ここで発明(1)についての実施例を示せば、99.5
重量%以上の純度を有する材料を原料として、こ
れを大気中にて溶解することにより、 (1) Ag−1.0Sb−3.0Zn−1.0Sn−5.0In−0.5Te(総
和10.5) (2) Ag−3.0Sb−1.5Zn−2.0Sn−2.0In−0.8Te(総
和9.3) (3) Ag−1.0Sb−0.8Zn−4.5Sn−4.0In−0.6Te(総
和10.9) (4) Ag−0.5Sb−5.0Zn−0.5Sn−0.1In−1.2Te(総
和7.3) (5) Ag−5.0Sb−0.1Zn−1.0Sn−0.5In−0.01Te
(総和6.61) (6) Ag−0.8Sb−0.8Zn−0.8Sn−5.0In−0.5Te(総
和7.9) の鋳塊を製造し、この鋳塊の表層を面削後、その
一面に薄い純銀板を熱圧着して、ろう付け用の銀
層を形成する。 次に当該素材を冷間圧延して厚さ2mmの板にし
た後、プレス機により直径8mmφの円盤状に打抜
き、これを内部酸化炉に入れ、酸素を炉内に導入
しながら750℃で180時間加熱し、Sb、Sn、In、
Zn、Teを酸化させて本発明合金を作製した。 また発明(2)に係る実施例としては、上記発明(1)
について実施したと同じ工程により、 (7) Ag−1.5Sb−1.0Zn−3.0Sn−2.0In−0.3Te−
0.3Fe(総和8.1) (8) Ag−3.0Sb−1.0Zn−2.0Sn−2.0In−0.3Te−
0.3Fe(総和8.6) (9) Ag−1.5Sb−4.0Zn−0.3Sn−4.0In−0.3Te−
0.2Ni−0.2Fe(総和13.2) (10) Ag−6.0Sb−0.3Zn−5.0Sn−3.0In−0.1Te−
0.01Fe(総和14.41) (11) Ag−0.2Sb−0.2Zn−4.0Sn−0.2In−0.05Te−
0.01Ni−0.49Fe(総和5.15) による本発明合金を作製した。 そして上記(1)〜(11)につき接点試験用として当該
合金の裏側に形成されたAgと接点保持用の台材
とをAgろう付けして、接点試験にはASTM接点
試験機を用い、電圧AC100V、電流20A、力率
0.6、接触力150g、解離力300gの条件で、従来
使用されている代表的な接点材料と比較しながら
第1表にあげた各項について試験を行なつた。
【表】
【表】
Sb、Zn、Sn、In、Teの酸化物を所範囲内の添
加量だけAg中に分散させることにより、Ag−
CdO系接点と比較すると、その消耗量ではこれを
可成り低減でき、しかも溶着回数を大幅に下させ
ることができたものであり、また前記した熱サイ
クルによる剥離消耗の点でも改善効果が得られ、
さらにNi、Feを添加することにより、酸化物粒
子を整え、溶着回数についての、改善を促進させ
ることができた。
加量だけAg中に分散させることにより、Ag−
CdO系接点と比較すると、その消耗量ではこれを
可成り低減でき、しかも溶着回数を大幅に下させ
ることができたものであり、また前記した熱サイ
クルによる剥離消耗の点でも改善効果が得られ、
さらにNi、Feを添加することにより、酸化物粒
子を整え、溶着回数についての、改善を促進させ
ることができた。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 0.2〜6.2重量%Sb、0.1〜5.0重量%Zn、0.5〜
5.0重量%Sn、0.1〜5.0重量%In、0.01〜1.2重量%
Teで、かつその総和が5.0〜15.0重量%の範囲で
ある元素成分が酸化物として分散しており、残部
Agであることを特徴とする銀−酸化物系接点材
料。 2 0.2〜6.2重量%Sb、0.1〜5.0重量%Zn、0.5〜
5.0重量%Sn、0.1〜5.0重量%In、0.01〜1.2重量%
Teに、さらに0.01〜0.5重量%Ni、0.01〜0.5重量
%Feの一種あるいは二種を加えて、その総和が
5.0〜15.0重量%の範囲である元素成分が酸化物
として分散しており、残部Agであることを特徴
とする銀−酸化物系接点材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP56126498A JPS58144446A (ja) | 1981-08-12 | 1981-08-12 | 銀一酸化物系接点材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP56126498A JPS58144446A (ja) | 1981-08-12 | 1981-08-12 | 銀一酸化物系接点材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS58144446A JPS58144446A (ja) | 1983-08-27 |
JPS6367537B2 true JPS6367537B2 (ja) | 1988-12-26 |
Family
ID=14936688
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP56126498A Granted JPS58144446A (ja) | 1981-08-12 | 1981-08-12 | 銀一酸化物系接点材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS58144446A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0585727U (ja) * | 1992-04-21 | 1993-11-19 | 株式会社ロゴス・ユーアイ社 | ローラコンベア |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5451272A (en) * | 1991-04-12 | 1995-09-19 | Mitsubishi Materials Corporation | Silver-oxide electric contact material for use in switches for high current |
KR100464868B1 (ko) * | 2003-08-22 | 2005-01-15 | 희성금속 주식회사 | 전기접점재료 |
-
1981
- 1981-08-12 JP JP56126498A patent/JPS58144446A/ja active Granted
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0585727U (ja) * | 1992-04-21 | 1993-11-19 | 株式会社ロゴス・ユーアイ社 | ローラコンベア |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS58144446A (ja) | 1983-08-27 |
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