JPH0679479U - ミシンの水平釜 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ミシンの水平釜において、剣先より解放され
る上糸ループの揺動を規制して、適正な縫い目を形成可
能にする。 【構成】 下降する縫い針に外側面を接触させ、縫い針
の揺動を防止する針受け体５と、上糸ループ８を捕捉す
る挿入部３ａおよび捕捉した上糸ループの係止部３ｂを
有した剣先３と、を備えたミシンの水平釜の前記針受け
体５を、少なくとも係止部３ｂまで延伸させ、剣先３の
外側面と所定の空隙９をおいて対向させるように構成す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案はミシンの水平釜に関し、詳しくは上糸の揺動を防止し、適正な縫い 目形成をなすミシンの水平釜に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ミシンの縫い針から供給される上糸に下糸を交差させ、所定の縫い目を形成す るミシンの水平釜は、図３に示すように構成されている。 図において、１は回転軸であり、この回転軸１は不図示の回転手段と連結され 、矢符に示す方向に回転するようになっている。 そして、２は外釜であり、この外釜２は、回転軸１とともに回転するようにな っていて、剣先３と、針受け体５とを備えている。 また、４は外釜２に載置される中釜であり、この中釜４は外釜２とともに回転 することがないよう針板６に係合していて、内部には下糸を巻装するボビン７を 格納している。なおＫは、中釜４を覆うキャップである。

【０００３】 このミシンの水平釜は、縫製時において布地Ｗの下方に下降する縫い針Ｎを針 受け体５の外側面を接触させ、縫い針Ｎの揺動を防止し、縫い針Ｎの昇降運動を 安定したものとすることができる。 このミシンの水平釜において、外釜２とともに回転する剣先３は、図４に示す ように縫い針Ｎによって布地Ｗの下方に形成された上糸ループ８を挿入部３ａに より捕捉し、捕捉した上糸ループ８を係止部３ｂで係止し、上糸ループ８ととも に中釜４の回りを回転する。

【０００４】 そして、中釜４の周りを回転する上糸ループ８は、図５に示すように中釜４（ キャップＫ）の外周面に沿ってループ形状を徐々に拡大し次いで縮小させつつ移 動し、中釜４に格納された下糸と交差した後に剣先３から解放され、布地Ｗには 所定の縫い目が形成される。（図３参照）

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来のミシンの水平釜には次のような問題がある。 すなわち、中釜４の外周面に沿って移動する上糸ループ８は、下糸との交差の 後の剣先３からの解放時において、中釜４による張力も解放されるので、大きく 揺動してしてまう。 そして、この揺動する上糸ループ８は、水平釜の近傍に設けられる送り歯等に 接触し、布地Ｗの裏面に縫い目が突出する、いわゆる裏チョーチンを生じたり、 上糸が切断してしまうという不都合を生る。 また、こうした不都合は、形状の大きい水平釜の使用時、すなわち形成される 上糸ループ８の形状が大きくなるとさらに顕著となる傾向がある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案に係るミシンの水平釜は、外釜に形成される針受け体を、少なくとも 剣先の係止部まで延伸させ、剣先の外側面と所定の空隙をおいて対向させるよう にして上記従来の課題を解決しようとするものである。

【０００７】

【作用】

この考案に係るミシンの水平釜は、剣先の外側面と、剣先の係止部まで延伸さ せた針受け体の内側面と、により剣先から解放される上糸ループの揺動を規制し 、適正な縫い目の形成を可能にする。

【０００８】

【実施例】

図面にもとづいてこの考案の実施例を説明する。なお従来例と同一箇所には同 一符号を付して重複説明は省略する。図１および図２は、この考案に係るミシン の水平釜の一実施例を示す図である。

【０００９】 図において５は針受け体であり、この針受け体５は、図に示すように先端を剣 先３の係止部３ｂまで延伸して形成されている。 そして、図２に示すように、針受け体５の内側面と、剣先３の外側面とは所定 の空隙９をおいて対向している。 そして、この空隙９は、剣先３における挿入部３ａと係止部３ｂとを結ぶ曲線 よりも僅かに広く、上糸が容易に通過できる幅となっていて、剣先３により捕捉 され中釜４をくぐり抜ける際の上糸ループ８と、針受け体５とが接触することが ないようになっている。

【００１０】 この針受け体５を備えたミシンの水平釜によれば、下糸との交差後に剣先３よ り解放される上糸ループ８の揺動を、針受け体５の内側面と、剣先３の外側面と により規制し、上糸ループ８の送り歯等への接触を防止するので、所定の適正な 縫い目を実現でき、縫製品質が向上する。 なお、この針受け体５は、従来技術と同様、下降する縫い針Ｎに外側面を接触 させ、縫い針Ｎの昇降運動を安定させることは無論である。

【００１１】

【考案の効果】

この考案に係るミシンの水平釜は、以上説明したように、針受け体を、少なく とも剣先の係止部まで延伸させ、剣先の外側面と所定の空隙をおいて対向させる ようにしたので、剣先から解放される上糸ループの揺動を規制することができ、 適正な縫い目の形成を可能にする。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係るミシンの水平釜の一実施例を示
す正面図である。

【図２】図１に示したミシンの水平釜の平面図である。

【図３】従来のミシンの水平釜を示す説明図である。

【図４】図３に示したミシンの水平釜の剣先による上糸
ループすくい時の説明図である。

【図５】図３に示したミシンの水平釜の中釜を、上糸ル
ープがくぐり渡る状態を示す説明図である。

【符号の説明】

Ｎ 縫い針 ３ 剣先 ３ａ 挿入部 ３ｂ 係止部 ５ 針受け体 ８ 上糸ループ ９ 空隙

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 下降する縫い針に外側面を接触させ、縫
   い針の揺動を防止する針受け体と、縫い針により形成さ
   れた上糸ループを捕捉する挿入部および捕捉した上糸ル
   ープの係止部を有する剣先と、を備えたミシンの水平釜
   において、 前記針受け体を、少なくとも前記係止部まで延伸させ、
   剣先の外側面と所定の空隙をおいて対向させるようにし
   たことを特徴とするミシンの水平釜。