JPH0218112B2 - - Google Patents
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- JPH0218112B2 JPH0218112B2 JP10128084A JP10128084A JPH0218112B2 JP H0218112 B2 JPH0218112 B2 JP H0218112B2 JP 10128084 A JP10128084 A JP 10128084A JP 10128084 A JP10128084 A JP 10128084A JP H0218112 B2 JPH0218112 B2 JP H0218112B2
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- JP
- Japan
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- hook
- tip
- sewing
- needle
- sewing machine
- Prior art date
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- 238000009958 sewing Methods 0.000 claims description 88
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 2
- 238000000034 method Methods 0.000 description 2
- 230000001174 ascending effect Effects 0.000 description 1
- 230000015572 biosynthetic process Effects 0.000 description 1
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 1
- 239000004744 fabric Substances 0.000 description 1
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 description 1
- 230000000630 rising effect Effects 0.000 description 1
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- Sewing Machines And Sewing (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野
この発明はミシンの釜に関し、一層詳細には、
ジグザグミシンにおける縫針の振り幅を大きく設
定した際に、糸輪が必然的に大きく形成されると
共に、この糸輪は糸の撚りに起因して倒れ易くな
り、従つて外釜の剣先が前記糸輪を捕捉し得なく
なつて目飛びを生ずる不都合を、完全に解決し得
る構造としたミシンの釜に関するものである。
ジグザグミシンにおける縫針の振り幅を大きく設
定した際に、糸輪が必然的に大きく形成されると
共に、この糸輪は糸の撚りに起因して倒れ易くな
り、従つて外釜の剣先が前記糸輪を捕捉し得なく
なつて目飛びを生ずる不都合を、完全に解決し得
る構造としたミシンの釜に関するものである。
従来技術
従来のジグザグミシンでは、後述する理由によ
り縫針の振り幅は余り大きく設定できず、縫製さ
れるジグザグ模様の横幅寸法には限界があつた。
そこで縫針の振り幅を大きくするためには、当該
縫針が固定される針棒の上昇量を大きく設定しな
ければならないが、このとき縫針に膨出形成され
る糸輪は過度に大きくなり、糸の撚りに起因して
倒れる傾向を示すため、剣先が糸輪を捕捉し得
ず、従つてこれが目飛びの原因になつていた。
り縫針の振り幅は余り大きく設定できず、縫製さ
れるジグザグ模様の横幅寸法には限界があつた。
そこで縫針の振り幅を大きくするためには、当該
縫針が固定される針棒の上昇量を大きく設定しな
ければならないが、このとき縫針に膨出形成され
る糸輪は過度に大きくなり、糸の撚りに起因して
倒れる傾向を示すため、剣先が糸輪を捕捉し得
ず、従つてこれが目飛びの原因になつていた。
例えば、第1図に示すミシンの垂直釜におい
て、この垂直全回転釜は、ミシン主軸に接続して
所定方向に回転する外釜10(可動部)と、前記
外釜10中に収納されて固定保持される内釜12
(固定部)とから構成されている。この外釜10
(可動部)は、ミシン主軸に対し直角な横方向に
揺動する縫針14に形成される糸輪16を、適時
に補捉するための剣先18を備えている。また内
釜12(固定部)の円周の一部には、前記縫針1
4の揺動運動範囲に対応して針落下用の切欠20
が、弧状に形成されている。このように構成した
垂直全回転釜を使用して縫製運転を開始すると、
上糸22を伴つた縫針14は、加工布24を刺通
した後、前記切欠20中に侵入し、その最大下降
位置から上昇姿勢を転じる過程で前記上糸22を
たるませて、糸輪16を形成する。そして糸輪1
6の形成領域を通過する前記外釜10(可動部)
の剣先18が、所定のタイミングで該糸輪16を
捕捉することにより縫製がなされる。
て、この垂直全回転釜は、ミシン主軸に接続して
所定方向に回転する外釜10(可動部)と、前記
外釜10中に収納されて固定保持される内釜12
(固定部)とから構成されている。この外釜10
(可動部)は、ミシン主軸に対し直角な横方向に
揺動する縫針14に形成される糸輪16を、適時
に補捉するための剣先18を備えている。また内
釜12(固定部)の円周の一部には、前記縫針1
4の揺動運動範囲に対応して針落下用の切欠20
が、弧状に形成されている。このように構成した
垂直全回転釜を使用して縫製運転を開始すると、
上糸22を伴つた縫針14は、加工布24を刺通
した後、前記切欠20中に侵入し、その最大下降
位置から上昇姿勢を転じる過程で前記上糸22を
たるませて、糸輪16を形成する。そして糸輪1
6の形成領域を通過する前記外釜10(可動部)
の剣先18が、所定のタイミングで該糸輪16を
捕捉することにより縫製がなされる。
ところでジグザグミシンでは、第1図に示す如
く、前記縫針14は横方向に揺動して、針落下用
切欠20に右位置Aおよび左位置Bに交互に落下
するようになつており、この場合の縫針14の振
り幅は、一般に7mm程度に設定されている。しか
るに、ジグザグ縫い模様を大きく見せて見栄え良
くするには、可能な限り縫針14の振り幅を増大
させることが推奨される。しかし縫針14の振り
幅を増大させると、右側に基線(ジグザグ幅が一
線上に揃う位置)を設けた場合において、縫針
14が右落ちした後、最下点Aより若干上昇する
過程で形成される糸輪16の大きさに対し(第2
図a参照)、当該縫針14が左に大きく振つて
落下した後、その落下点Bから上昇する過程で形
成される糸輪16の方が、寸法的に大きくなる現
象を示る(第2図b参照)。すなわち縫針14の
振り幅を大きく設定すると、縫針14が右落ちす
る際の当該縫針を支持する針棒(図示せず)の上
昇量に比べて、左落ちする際の針棒上昇量が相当
大きくなつて、図示の如く必然的に大きな糸輪1
6が形成されてしまう。このように糸輪16が過
度に大きくなると、使用している上糸22の撚り
により、当該糸輪16が倒れる傾向を示す。
く、前記縫針14は横方向に揺動して、針落下用
切欠20に右位置Aおよび左位置Bに交互に落下
するようになつており、この場合の縫針14の振
り幅は、一般に7mm程度に設定されている。しか
るに、ジグザグ縫い模様を大きく見せて見栄え良
くするには、可能な限り縫針14の振り幅を増大
させることが推奨される。しかし縫針14の振り
幅を増大させると、右側に基線(ジグザグ幅が一
線上に揃う位置)を設けた場合において、縫針
14が右落ちした後、最下点Aより若干上昇する
過程で形成される糸輪16の大きさに対し(第2
図a参照)、当該縫針14が左に大きく振つて
落下した後、その落下点Bから上昇する過程で形
成される糸輪16の方が、寸法的に大きくなる現
象を示る(第2図b参照)。すなわち縫針14の
振り幅を大きく設定すると、縫針14が右落ちす
る際の当該縫針を支持する針棒(図示せず)の上
昇量に比べて、左落ちする際の針棒上昇量が相当
大きくなつて、図示の如く必然的に大きな糸輪1
6が形成されてしまう。このように糸輪16が過
度に大きくなると、使用している上糸22の撚り
により、当該糸輪16が倒れる傾向を示す。
このように糸輪16が倒れてしまつた場合に
は、当然のことながら前記剣先14による糸輪1
6の捕捉は不可能となり、目飛び現象を生ずるに
至る。従つてジグザグ模様を大きく見せるため
に、針振り幅を大きくしたいと云う要請はある
が、実際には目飛びによる縫製不良の問題を生ず
るので、その実現は困難であるのが実情である。
は、当然のことながら前記剣先14による糸輪1
6の捕捉は不可能となり、目飛び現象を生ずるに
至る。従つてジグザグ模様を大きく見せるため
に、針振り幅を大きくしたいと云う要請はある
が、実際には目飛びによる縫製不良の問題を生ず
るので、その実現は困難であるのが実情である。
発明の目的
本発明は、従来技術に係るミシンの釜に内在し
ている前記欠点に鑑み、これを解決するべく案出
されたものであつて、ジグザグミシンにおける縫
針の振り幅を大きく設定しつつも、その針振りの
拡大に伴い必然的に大きく形成される糸輪の倒れ
を有効に防止して、剣先による糸輪の捕捉を確実
に行なわせて目飛びを防止し、以つて縫針の振り
幅拡大によりジグザグ模様を随伴的に大きくし、
外観上見栄えの良好なジグザグ縫いを実現するこ
とを目的とする。
ている前記欠点に鑑み、これを解決するべく案出
されたものであつて、ジグザグミシンにおける縫
針の振り幅を大きく設定しつつも、その針振りの
拡大に伴い必然的に大きく形成される糸輪の倒れ
を有効に防止して、剣先による糸輪の捕捉を確実
に行なわせて目飛びを防止し、以つて縫針の振り
幅拡大によりジグザグ模様を随伴的に大きくし、
外観上見栄えの良好なジグザグ縫いを実現するこ
とを目的とする。
課題を解決するための手段
前述した課題を克服し、所期の目的を達成する
ため本発明は、横方向へ揺動運動可能な縫針に形
成された糸輪を捕捉するため所定方向に回転運動
する剣先を備えた可動部と、その縫針の揺動運動
範囲に対応して針落下用の切欠を形成した固定部
とを有する釜において、 前記縫針に関して剣先の所定回転方向側に位置
する前記切欠の端縁に近傍すると共に、前記剣先
の運動軌跡に近傍して突起を前記固定部の所定位
置に設け、 この突起は、前記縫針が前記切欠の端縁側に揺
動運動した時に、縫針から膨出形成された糸輪と
係合可能な位置まで、剣先の運動軌跡を横切る方
向に突出させたことを特徴とする。
ため本発明は、横方向へ揺動運動可能な縫針に形
成された糸輪を捕捉するため所定方向に回転運動
する剣先を備えた可動部と、その縫針の揺動運動
範囲に対応して針落下用の切欠を形成した固定部
とを有する釜において、 前記縫針に関して剣先の所定回転方向側に位置
する前記切欠の端縁に近傍すると共に、前記剣先
の運動軌跡に近傍して突起を前記固定部の所定位
置に設け、 この突起は、前記縫針が前記切欠の端縁側に揺
動運動した時に、縫針から膨出形成された糸輪と
係合可能な位置まで、剣先の運動軌跡を横切る方
向に突出させたことを特徴とする。
実施例
次に、本発明に係るミシンの釜につき、好適な
実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説
明する。本実施例では、垂直全回転釜を例示する
が、これ以外にも、垂直半回転釜や水平全回転釜
等が知られており、本発明は若干の設計変更のみ
で、これら垂直半回転釜や水平全回転釜に関して
も同様に好適に実施し得るものである。但し、日
本工業規格(JIS)によれば、垂直全回転釜およ
び水平全回転釜については、可動部を「外釜」と
称すると共に、固定部を「内釜」と称している。
しかるに垂直半回転釜では、剣先に備えているも
のを中釜(可動部)と称し、針落下用の切欠が形
成されたものを大釜(固定部)と称している。こ
のように、釜の種類により、可動部と固定部とを
示す用語が夫々異なるので、本明細書中では、内
釜、外釜、中釜、大釜等の用語は使用せず、剣
先を備えて回転する側の部材を「可動部10」お
よび針落下用の切欠が形成される固定側の部材
を「固定部12」と称して説明するものとする。
実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説
明する。本実施例では、垂直全回転釜を例示する
が、これ以外にも、垂直半回転釜や水平全回転釜
等が知られており、本発明は若干の設計変更のみ
で、これら垂直半回転釜や水平全回転釜に関して
も同様に好適に実施し得るものである。但し、日
本工業規格(JIS)によれば、垂直全回転釜およ
び水平全回転釜については、可動部を「外釜」と
称すると共に、固定部を「内釜」と称している。
しかるに垂直半回転釜では、剣先に備えているも
のを中釜(可動部)と称し、針落下用の切欠が形
成されたものを大釜(固定部)と称している。こ
のように、釜の種類により、可動部と固定部とを
示す用語が夫々異なるので、本明細書中では、内
釜、外釜、中釜、大釜等の用語は使用せず、剣
先を備えて回転する側の部材を「可動部10」お
よび針落下用の切欠が形成される固定側の部材
を「固定部12」と称して説明するものとする。
第3図〜第6図は、本発明に係るミシンの釜の
好適な実施例を示すものであつて、基本的には、
第1図に示す従来の垂直全回転釜と構成を同一に
している。従つて同一の構成部材については、第
1図に関して使用した参照符号を指示するものと
する。図において外釜を構成する可動部10の外
周には、前記糸輪16を捕捉するための剣先18
が形成されている。この可動部(外釜)10の形
成した円筒状キヤビテイ26には、内釜を構成す
る固定部12が同心的に収納され、該固定部12
に周設した鍔部をキヤビテイの内周端面部に形成
した環状段部と環状押え板28とで挟持すること
により相対回転自在となつている。なお固定部1
2は、図示しない回り止めによつてミシン機枠に
係止固定されるようになつている。
好適な実施例を示すものであつて、基本的には、
第1図に示す従来の垂直全回転釜と構成を同一に
している。従つて同一の構成部材については、第
1図に関して使用した参照符号を指示するものと
する。図において外釜を構成する可動部10の外
周には、前記糸輪16を捕捉するための剣先18
が形成されている。この可動部(外釜)10の形
成した円筒状キヤビテイ26には、内釜を構成す
る固定部12が同心的に収納され、該固定部12
に周設した鍔部をキヤビテイの内周端面部に形成
した環状段部と環状押え板28とで挟持すること
により相対回転自在となつている。なお固定部1
2は、図示しない回り止めによつてミシン機枠に
係止固定されるようになつている。
前記固定部12には、縫針14の揺動運動範囲
に対応して、前述した如く針落下用の切欠20が
形成されているが、本願発明は縫針14の振り幅
を大きく設定しても目飛びのない縫針を可能にす
ることを目的とするものであるので、この切欠2
0における弧状幅は、従来の固定部12(内釜)
における切欠に比較して充分大きく設定されてい
る。
に対応して、前述した如く針落下用の切欠20が
形成されているが、本願発明は縫針14の振り幅
を大きく設定しても目飛びのない縫針を可能にす
ることを目的とするものであるので、この切欠2
0における弧状幅は、従来の固定部12(内釜)
における切欠に比較して充分大きく設定されてい
る。
そして前記固定部12の所定位置、すなわち固
定部12に形成した切欠20における剣先18の
所定回転方向(第3図において反時計方向)側に
位置する端縁20aには、前記剣先18の運動軌
跡lに近接して突起30が一体的に設けられてい
る。この突起30の突出方向は、前記剣先18が
回転通過する運動軌跡lを直角に横切る方向に突
出しており、これによつて後述する如く、前記縫
針14から膨出形成された糸輪16が前記突起3
0に係合して倒れが防止され、当該糸輪16中に
剣先18が通過する充分な空間が確保されるよう
になつている。
定部12に形成した切欠20における剣先18の
所定回転方向(第3図において反時計方向)側に
位置する端縁20aには、前記剣先18の運動軌
跡lに近接して突起30が一体的に設けられてい
る。この突起30の突出方向は、前記剣先18が
回転通過する運動軌跡lを直角に横切る方向に突
出しており、これによつて後述する如く、前記縫
針14から膨出形成された糸輪16が前記突起3
0に係合して倒れが防止され、当該糸輪16中に
剣先18が通過する充分な空間が確保されるよう
になつている。
前記突起30の最良の形態としては、第5図お
よび第6図に示す如く、剣先18の運動軌跡lを
挟んで上下方向に、上部突起30aおよび下部突
起30bとして夫々形成しておくのが好ましい。
また、前記剣先18の所定回転方向に延在する前
記切欠20の側縁20bに近接して、前記固定部
12の所定位置には、起立壁32を一体的に形成
しておくのが好ましい。この起立壁32の配設位
置は、第6図から判明するように、剣先18によ
り糸輪16が捕捉される際に位置する前記縫針1
4の目孔34よりも高く設定されるものとし、こ
れによつて後述する如く、糸輪16は剣先18の
運動軌跡lを横切る姿勢に保持されるようになつ
ている。
よび第6図に示す如く、剣先18の運動軌跡lを
挟んで上下方向に、上部突起30aおよび下部突
起30bとして夫々形成しておくのが好ましい。
また、前記剣先18の所定回転方向に延在する前
記切欠20の側縁20bに近接して、前記固定部
12の所定位置には、起立壁32を一体的に形成
しておくのが好ましい。この起立壁32の配設位
置は、第6図から判明するように、剣先18によ
り糸輪16が捕捉される際に位置する前記縫針1
4の目孔34よりも高く設定されるものとし、こ
れによつて後述する如く、糸輪16は剣先18の
運動軌跡lを横切る姿勢に保持されるようになつ
ている。
第7図および第8図は本発明に係るミシンの釜
の別の実施例を示すものであつて、下部突起30
bは、縫針14に関して剣先18の所定回転方向
側に位置する前記切欠20の端縁20aに近接
し、かつ剣先18の運動軌跡lを基準としてそれ
より下方に形成されている。また第6図に関連し
て説明した起立壁32が、固定部(内釜)12に
おける切欠20の側縁20bと近接した位置に一
体的に設けられている。
の別の実施例を示すものであつて、下部突起30
bは、縫針14に関して剣先18の所定回転方向
側に位置する前記切欠20の端縁20aに近接
し、かつ剣先18の運動軌跡lを基準としてそれ
より下方に形成されている。また第6図に関連し
て説明した起立壁32が、固定部(内釜)12に
おける切欠20の側縁20bと近接した位置に一
体的に設けられている。
第9図および第10図は本発明に係るミシンの
釜の更に別の実施例を示すものであつて、この実
施例では、前述した上部突起30aおよび下部突
換30bのみが形成されている。すなわち剣先1
8の所定回転方向側に位置する前記切欠20の端
部20aに近接する固定部12の所定位置に、前
記剣先18の運動軌跡lを挟んで上下関係をなす
よう、夫々上部突起30aおよび下部突起30b
が突設されている。但し、前述した起立壁32は
設けられない。
釜の更に別の実施例を示すものであつて、この実
施例では、前述した上部突起30aおよび下部突
換30bのみが形成されている。すなわち剣先1
8の所定回転方向側に位置する前記切欠20の端
部20aに近接する固定部12の所定位置に、前
記剣先18の運動軌跡lを挟んで上下関係をなす
よう、夫々上部突起30aおよび下部突起30b
が突設されている。但し、前述した起立壁32は
設けられない。
第11図および第12図は本発明に係るミシン
の釜の別の実施例を示すものであつて、縫針14
に関して剣先18の所定回転方向側に位置する前
記切欠20の端縁20aに近接し、かつ剣先18
の運動軌跡lを基準としてそれより下方に、下部
突起30bだけが形成されている。この場合、前
記上部突起30aおよび起立壁32は形成されて
いない。
の釜の別の実施例を示すものであつて、縫針14
に関して剣先18の所定回転方向側に位置する前
記切欠20の端縁20aに近接し、かつ剣先18
の運動軌跡lを基準としてそれより下方に、下部
突起30bだけが形成されている。この場合、前
記上部突起30aおよび起立壁32は形成されて
いない。
作 用
次に、このように構成した実施例に係るミシン
の釜における作用について説明する。この釜の使
用されるジグザグミシンでは、前述したように、
縫針14の振り幅は従来のミシンにおける振り幅
よりも大きくなるよう、図示しない針棒揺動機構
の設定がなされている。例えば、従来のミシンに
おける振り幅は一般に7mmに設定してあるが、本
願のジグザグミシンではこれより2mm大きい9mm
に設定されている。
の釜における作用について説明する。この釜の使
用されるジグザグミシンでは、前述したように、
縫針14の振り幅は従来のミシンにおける振り幅
よりも大きくなるよう、図示しない針棒揺動機構
の設定がなされている。例えば、従来のミシンに
おける振り幅は一般に7mmに設定してあるが、本
願のジグザグミシンではこれより2mm大きい9mm
に設定されている。
縫針の振り幅を7mmに設定してある従来のジグ
ザグミシンでは、先に説明したように、縫針14
が右側に落下した後、上昇姿勢に転じる際に形成
される糸輪16および左側に落下した後、上昇姿
勢に転じる際に形成される糸輪16の大きさ寸法
は、何れも縫針14を支持する針棒の上昇量が余
り大きくないために比較的小さい。従つて使用さ
れる上糸22の撚りが作用しても簡単に倒れるこ
とはなく、可動部10(外釜)の所定方向の回転
に伴い剣先18は適切なタイミングで当該糸輪1
6を確実に捕捉し得るので、目飛びは生じない。
ザグミシンでは、先に説明したように、縫針14
が右側に落下した後、上昇姿勢に転じる際に形成
される糸輪16および左側に落下した後、上昇姿
勢に転じる際に形成される糸輪16の大きさ寸法
は、何れも縫針14を支持する針棒の上昇量が余
り大きくないために比較的小さい。従つて使用さ
れる上糸22の撚りが作用しても簡単に倒れるこ
とはなく、可動部10(外釜)の所定方向の回転
に伴い剣先18は適切なタイミングで当該糸輪1
6を確実に捕捉し得るので、目飛びは生じない。
しかるにジグザグミシンにおいて縫製されるジ
グザグ模様の縫い幅を大きくして、外観上の見栄
えを良好にするためには、先に述べた如く、縫針
14の振り幅を従来のものよりも大きく設定する
必要がある。そして第2図bに示す如く、縫針1
4が左位置に落下した後に上昇姿勢を転じる場合
は、針棒(図示せず)の上昇量が必然的に大きく
なり、従つて糸輪16は大きく形成され、上糸2
2の撚りに起因して容易に倒れる傾向を示す。
グザグ模様の縫い幅を大きくして、外観上の見栄
えを良好にするためには、先に述べた如く、縫針
14の振り幅を従来のものよりも大きく設定する
必要がある。そして第2図bに示す如く、縫針1
4が左位置に落下した後に上昇姿勢を転じる場合
は、針棒(図示せず)の上昇量が必然的に大きく
なり、従つて糸輪16は大きく形成され、上糸2
2の撚りに起因して容易に倒れる傾向を示す。
しかしながら第3図〜第6図に示す実施例で
は、切欠20の端縁20aに近接し、かつ剣先1
8の運動軌跡lを挟んで上下の突起30a,30
bが突設され、更に切欠20の側縁20bに近接
して起立壁32が設けられている。従つて、縫針
14が左落下位置において上昇姿勢に転じる際に
大きく形成された糸輪16は、前記上部突起30
a、下部突起30bに係合する。しかも前述した
ように、剣先18が糸輪16を捕捉するタイミン
グに際し、起立壁32は縫針14に設けた目孔3
4の高さよりも高く位置するよう設定されている
から、当該糸輪16はその倒れを有効に防止され
て、前記剣先18の運動軌跡lを横切る姿勢に保
持される(第6図)。すなわち、糸輪16中に前
記剣先18の通過する空間が確実に形成されるこ
とになるので、該糸輪16は確実に剣先18より
捕捉される。
は、切欠20の端縁20aに近接し、かつ剣先1
8の運動軌跡lを挟んで上下の突起30a,30
bが突設され、更に切欠20の側縁20bに近接
して起立壁32が設けられている。従つて、縫針
14が左落下位置において上昇姿勢に転じる際に
大きく形成された糸輪16は、前記上部突起30
a、下部突起30bに係合する。しかも前述した
ように、剣先18が糸輪16を捕捉するタイミン
グに際し、起立壁32は縫針14に設けた目孔3
4の高さよりも高く位置するよう設定されている
から、当該糸輪16はその倒れを有効に防止され
て、前記剣先18の運動軌跡lを横切る姿勢に保
持される(第6図)。すなわち、糸輪16中に前
記剣先18の通過する空間が確実に形成されるこ
とになるので、該糸輪16は確実に剣先18より
捕捉される。
第7図および第8図に示す実施例では、左落ち
した縫針14により形成される糸輪16は、下部
突起30bおよび起立壁32に係合してその倒れ
が抑制され、前記剣先18の運動軌跡lを横切る
姿勢に保持される(第8図)。
した縫針14により形成される糸輪16は、下部
突起30bおよび起立壁32に係合してその倒れ
が抑制され、前記剣先18の運動軌跡lを横切る
姿勢に保持される(第8図)。
また第9図および第10図に示す実施例では、
前記糸輪16は、上部突部30aおよび下部突起
30bに係合してその倒れが防止され、前記剣先
18の運動軌跡lを横切る姿勢に保持される(第
10図)。
前記糸輪16は、上部突部30aおよび下部突起
30bに係合してその倒れが防止され、前記剣先
18の運動軌跡lを横切る姿勢に保持される(第
10図)。
更に第11図および第12図に示す実施例で
は、糸輪16は、下部突起30bにより保持され
て同じくその倒れを防止され、前記剣先18の運
動軌跡lを横切る姿勢に保持される(第12図)。
は、糸輪16は、下部突起30bにより保持され
て同じくその倒れを防止され、前記剣先18の運
動軌跡lを横切る姿勢に保持される(第12図)。
発明の効果
以上詳細に説明したように、本発明に係るミシ
ンの釜によれば、ジグザグミシンにおいて縫針の
振り幅を大きく設定することによりもたらされる
縫針(針棒)の上昇量の増大に伴い、必然的に大
きく形成されて倒れ易くなる糸輪を、前記固定部
に設けた所要の起立壁および/または突起により
係合支持してその倒れを防止し、前記剣先の運動
軌跡を横切る姿勢に保持することによつて、剣先
による糸輪の捕捉を確実に達成することができ
る。すなわち、従来不可能であつた縫針の振り幅
を増大させつつも、糸輪の倒れを有効に防止し、
目飛びのないしかも見栄えのする縫幅の大きなジ
グザグ模様を容易に縫製し得るものである。
ンの釜によれば、ジグザグミシンにおいて縫針の
振り幅を大きく設定することによりもたらされる
縫針(針棒)の上昇量の増大に伴い、必然的に大
きく形成されて倒れ易くなる糸輪を、前記固定部
に設けた所要の起立壁および/または突起により
係合支持してその倒れを防止し、前記剣先の運動
軌跡を横切る姿勢に保持することによつて、剣先
による糸輪の捕捉を確実に達成することができ
る。すなわち、従来不可能であつた縫針の振り幅
を増大させつつも、糸輪の倒れを有効に防止し、
目飛びのないしかも見栄えのする縫幅の大きなジ
グザグ模様を容易に縫製し得るものである。
第1図は、従来技術に係る通常のミシンの釜に
おける縫針の揺動運動を示す説明図、第2図a,
bは、第1図に示すミシンの釜において縫針の振
幅を大きく設定した場合に、糸輪が大きく形成さ
れて倒れ易くなる傾向にあることを示す説明図、
第3図、第4図、第5図、第6図、第7図、第8
図、第9図、第10図、第11図および第12図
は、夫々本発明に係るミシンの釜の好適な実施例
を示す説明図である。 10……可動部(外釜)、12……固定部(内
釜)、14……縫針、16……糸輪、18……剣
先、20……切欠、20a……端縁、20b……
側縁、30……突起、32……起立壁、34……
目孔。
おける縫針の揺動運動を示す説明図、第2図a,
bは、第1図に示すミシンの釜において縫針の振
幅を大きく設定した場合に、糸輪が大きく形成さ
れて倒れ易くなる傾向にあることを示す説明図、
第3図、第4図、第5図、第6図、第7図、第8
図、第9図、第10図、第11図および第12図
は、夫々本発明に係るミシンの釜の好適な実施例
を示す説明図である。 10……可動部(外釜)、12……固定部(内
釜)、14……縫針、16……糸輪、18……剣
先、20……切欠、20a……端縁、20b……
側縁、30……突起、32……起立壁、34……
目孔。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 横方向へ揺動運動可能な縫針14に形成され
た糸輪16を捕捉するため所定方向に回転運動す
る剣先18を備えた可動部10と、その縫針14
の揺動運動範囲に対応して針落下用の切欠20を
形成した固定部12とを有する釜において、 前記縫針14に関して剣先18の所定回転方向
側に位置する前記切欠20の端縁20aに近接す
ると共に、前記剣先18の運動軌跡lに近接して
突起30を前記固定部12の所定位置に設け、 この突起30は、前記縫針14が前記切欠20
の端縁20a側に揺動運動した時に、縫針14か
ら膨出形成された糸輪16と係合可能な位置ま
で、剣先18の運動軌跡lを横切る方向に突出さ
せたことを特徴とするミシンの釜。 2 前記突起30は、前記剣先18の運動軌跡l
を上下方向に挟んだ状態にて、前記固定部12に
突設されていることを特徴とする特許請求の範囲
第1項記載のミシンの釜。 3 前記剣先18の所定回転方向に延びる前記切
欠20の側縁20bに近接した前記固定部12の
所定位置に起立壁32が設けられ、前記起立壁3
2は前記剣先18により糸輪16が捕捉される時
に位置する縫針14の目孔34の高さよりも高い
位置に配置されて、前記剣先18の運動軌跡lを
横切る姿勢に糸輪16を保持するために糸輪16
と係合し得ることを特徴とする特許請求の範囲第
1項記載のミシンの釜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10128084A JPS60246789A (ja) | 1984-05-19 | 1984-05-19 | ミシンの釜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10128084A JPS60246789A (ja) | 1984-05-19 | 1984-05-19 | ミシンの釜 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60246789A JPS60246789A (ja) | 1985-12-06 |
JPH0218112B2 true JPH0218112B2 (ja) | 1990-04-24 |
Family
ID=14296454
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10128084A Granted JPS60246789A (ja) | 1984-05-19 | 1984-05-19 | ミシンの釜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60246789A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6377488A (ja) * | 1986-09-20 | 1988-04-07 | ジューキ株式会社 | ミシンの垂直回転釜 |
JPH08252388A (ja) * | 1995-03-16 | 1996-10-01 | Hirose Mfg Co Ltd | 垂直全回転かま |
-
1984
- 1984-05-19 JP JP10128084A patent/JPS60246789A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60246789A (ja) | 1985-12-06 |
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