JPH0610953Y2 - ミシンの水平釜 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、ミシンの水平釜に関する。

［従来の技術］ 従来の水平釜の外釜１は、第３図のようになっている。
ミシンの水平釜は、下糸を保有する内釜（図示せず）と
その内釜の外周を回転する外釜１とからなり、外釜１に
は回転方向の先端部に針糸ループを捕捉するための剣先
５が形成され、また、回転方向の終端部には、ミシン針
６が剣先５の回転軌跡の内側８に入り込み剣先５と衝突
する事故を防止するための針受け２の固定部２Ｂがねじ
４，４にて固定されている。

［従来技術の問題点］ しかし、毎分４０００回転以上の高速で回転したとき、
従来の針受け２では、その自由端部２Ａの強度よりもそ
れにかかる遠心力の方が大きく、第４図の二点鎖線で示
したように針受け２の自由端部２Ａが遠心力によって外
側にたわんで変形する。このため、第４図のように針６
が剣先５の回転軌跡の外側へ押し曲げられ、針６と剣先
５の隙間が大きくなり、剣先５が針糸ループ７を捕捉で
きないで目飛びを生ずるという問題があった。

また、遠心力によって針受け２の自由端部２Ａが外側に
たわむため、針受け２や針受け止めねじ４の折損事故が
発生しやすい。

これを防ぐ方法として、針受け２の底面を広くして底面
とメインフレームを複数のねじで固着する方法がある
が、この場合、ねじを設置するスペースが確保しずら
く、また、コストが高くつくという問題もある。

〔問題を解決する手段〕

針の上下動によって形成される上糸ループを水平釜が捕
捉して、縫い目を形成する本縫いミシンにおいて、水平
釜の外釜のフレームに固定された針受け部の自由端部に
１個または複数個の穴２を開けることを特徴とする本縫
いミシンの水平釜を用いる。

〔作用〕

ミシンの水平釜が高速で回転しても、針受け部の自由端
部の質量が減っているので、外側にたわむことがなくな
る。

〔考案の実施例〕

本考案の実施例は、第１図及び第１図Ａのとおりであ
り、針受け２の自由端部２Ａに穴３をくり抜いている。
穴３は自由端部２Ａが強度的に耐えられ且つ最大限その
質量を減らすように開けてある。自由端部２Ａに穴を開
けて質量を減らすと、自由端部２Ａの強度は弱くなる
が、水平釜の回転によっても破損することのない程度ま
で質量を減らす。

なお、第１図および第１図Ａでは穴３は１個となってい
るが、複数個の穴を設けてもよく、穴の形状も図の物と
異なっていてもよいのはもちろんである。

次に作用について説明する。

第１図及び第１図Ａのように、針受け２の自由端部２Ａ
をくり抜いて穴３を開けることにより自由端部２Ａの強
度を損なうことなく針受け２の質量を軽くする。これに
よって、水平釜が以前と同じ速度で高速回転しても、自
由端部２Ａに掛かる遠心力は少なくなり、自由端部２Ａ
が外側にたわまなくなる。

［効果］ 本考案を実施することにより、針受け２の自由端部２Ａ
が遠心力によって外側へたわむ事がなくなる。これによ
り、針６と剣先５の隙間が広がることがなく、隙間が常
に一定に保たれるので、目飛びや半掛け等の縫い不良の
無い連続した美しい縫い目が得られる。

また、針受け２や止めねじ４の折損事故も防ぐことがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の実施例の斜視図、 第１図Ａは、本考案の実施例の針受け２の側面図、 第２図は、本考案及び従来例の実施例の平面図、 第３図は、従来例の実施例の斜視図、 第４図は、従来例の実施例の平面図である。 １……外釜のフレーム、２……針受け、２Ａ……針受け
２の自由端部、２Ｂ……針受け２の固定部、３……針受
け２の先端部にくり抜いた穴、４……止めねじ、５……
剣先、６……針、７……上糸ループ、８……剣先５の回
転軌跡の内側。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】針の上下動によって形成される上糸ループ
   を水平釜が捕捉して、縫い目を形成する本縫いミシンに
   おいて、 水平釜の外釜のフレームに固定された針受け部の自由端
   部に１個または複数個の穴を開けることを特徴とする本
   縫いミシンの水平釜。