JPH0677938B2 - 複合板製造装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はカラー鋼板、カラーアルミニウム板等をコイル
状に巻回した材料に任意幅で凹凸模様を施し、これを定
尺に切断すると共に幅方向にｎ分割して、さらに表面材
をｎ系列で樋状に成形し、その次に各成形体の長手方向
の木口を箱折り状にすると共に、これら成形体の箱折り
面を当接し、この当接部にシール材を塗布して連続帯と
なし、その樋状態の未発泡の合成樹脂発泡体原料を吐出
し、その上に裏面材を積層し、さらに上記原料をキュア
オープン内で反応、発泡させて表、裏面材を一体に接着
すると共に、芯材、断熱材となる発泡体を連続的に形成
しうる複合板製造装置に関するものである。

〔従来の技術〕

この種装置としては、実公昭59-24490号公報に示されて
いるように、金属板送給機とエンボス加工機と成形機と
発泡体原料吐出部とスチールベルト、キャタピラ（登録
商標名）式の型とを直列に配設した複合板製造方法があ
る。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、この種装置では、１種類の製品しか生産
できないばかりでなく、木口の箱折りは完成品となった
後で個々に芯材を除去すると共に、箱折りを行わなけれ
ばならない欠点があった。また、特開昭61-79651号公報
に示すような装置では成形体の化粧面には長手方向のさ
ざ波模様等のエンボス加工を施すことが不可能とであっ
た。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は金属薄板の化粧面に凹凸模様のエンボス加工を
施すと共に、定尺に、かつ金属薄板の幅をｎ分割して多
種成形品を一台の成形機で同時に成形し、その後で長手
方向の木口を箱折りし、この成形品の箱折り面を当接し
この当接部をホットメルトフィルム等でシールし、その
後に発泡体原料を吐出し、裏面材を載せ、キュアオーブ
ンに送給して加温、加圧、養生してサンドイッチ構造の
連続帯とし、これを前記木口部で切断して１種または多
種の複合板を同時に製造する複合板製造装置を提案する
ものである。

〔実施例〕

以下に図面を用いて、本発明に係る複合板製造装置の一
実施例について詳細に説明する。第１図、第２図は上記
装置の概略構成図とその構成をブロック化した説明図で
あり、1は架台で２階建構造に構成し、２階部分に表面
材送給部２、第１ループ部６、第１プレヒータ８、エン
ボスロール10、テンションレベラ11、表面材案内部14か
らなるエンボス加工ライン15と、裏面材送給部36を設置
したものである。また、架台1の２階と１階間には表面
材Ａの反転部16を設け、それに連続してピンチローラ2
2、定尺切断機23、成形機24、箱折り機25、シール材吐
出機26、第２プレヒータ27、ピンチローラ28、吐出部2
9、ガイドローラ30、キュアオーブン31、走行カッタ37
の順に配列し、ピンチローラ28とキュアオーブン31間に
搬送部33を配設した切断、箱折り複合カライン39と梱包
部41とからなる装置である。さらに説明すると、表面材
送給部（以下、単に送給部という）２はアンコイラ３と
ピンチローラ４と簡易カッタ５とからなり、コイル状に
巻回された平板状の金属薄板からなる表面材（化粧塗
膜、化粧フィルム等の化粧被膜を有するもの）Ａを装着
し、第１ループ部６に常時、無理なく表面材Ａを送給す
るためのものである。なお、簡易カッタ５は必要時に表
面材Ａを切断するものである。第１ループ部６は次工程
のエンボスロール10における表面材Ａ（以下、単にコイ
ルという）移送の際に生ずる速度差、ズレをコイルＡを
弛ませることによってコントロールすると共に、送給部
２から送給されるコイルＡに大きな衝撃が付加されない
ように機能するものである。また、ピンチローラ９はコ
イルＡを所定速度でエンボスロール10に送給すると共
に、エンボス加工時にコイルＡの移動に対しブレーキと
して機能するものである。エンボスローラ10は雌雄の凹
凸部からなる模様を外周面に形成した上、下ロール10
a、10bを噛み合わせてコイルＡに任意の模様を施すもの
であり、上、下ロール10a、10bのギャップは凹凸部の高
さ、コイルＡの板厚によって定まるものである。なお、
ピンチローラ７は必要に応じて設置するものである。テ
ンションレベラ11はエンボス加工されたコイルＡに存在
する残留歪を矯正するものであり、第３図に抽出拡大し
て示すように上ローラ11a₁、11a₂、11a₃、……11_n（図
では11a₃まで示す）、下ローラ11b₁、11b₂、11b₃、……
11b_n（図では11b₄まで示す）の順にジグザグ状に配列
し、かつ、上ローラ群11aと下ローラ群1b間のギャップ
Ｇを調整しうるようにしたものである。また、引張り用
ピンチローラ13はエンボスロール10の回転より速くし、
コイルＡを引張った状態（テンション下）でエンボスロ
ール10、レベラ11の工程を通過させるようにしたもので
ある。勿論、必要に応じて設けるものである。まお、12
は搬送部材でローラ、キャタピラ（登録商標名）、ベル
ト等の１種からなるものである。また、表面材案内部14
はエンボス加工されたコイルＡ′のチェックと次工程へ
の搬送部となるものである。反転部16はコイルＡ′を２
階から１階にある切断、箱折り複合化ライン39に送給す
ると共に、コイルＡ′の表面を裏面にするためのもので
あり、ガイドローラ群17、18と湾曲ガイド板19とからな
るもので、図示しないスイッチによってガイドローラ群
17、18間を接触させたり、離したりすることができるも
のである。また、湾曲ガイド板19は平板を湾曲し、両サ
イドにガイド片19aを設けたものである。20はセンサー
でコイルＡ′がある高さに到達するとコイルの送りを速
くするようにし、21は第２ループ部で湾曲ガイド板19か
ら切断、箱折り複合化ライン39間のゾーンにコイルＡ′
をループし、エンボス加工ライン15との逃げとして機能
するものである。また、切断、箱折り複合化ライン39は
コイルＡ′を切断機23に送給するピンチローラ22と、コ
イルＡ′を定尺に切断すると共に、必要により幅方向を
ｎ分割（スリット）する定尺切断機23と切断された定尺
表面材Ａ″を例えば第４図（ａ）〜（ｌ）に示すように
成形する成形機24と、成形された定尺表面材Ａ″の木口
の両端を第５図（ａ）〜（ｃ）に示すように長さＬの両
端の木口を箱折りする箱折り機25と、必要により設置す
る、定尺表面材Ａ″をストックするストック部25aと、
箱折りされた成形体Ａの箱折り面イを当接し、接続帯
とし、その当接部をシールするシール材Ｂを第６図に示
すように吐出するシール材吐出機26と成形体Ａを30〜
110℃まで加温する第２プレヒータ27とこれを未発泡の
発泡性反応混合物Ｐ（以下、単に混合物という）を吐出
する吐出部29に送給するピンチローラ28と、裏面材Ｃを
成形体Ａの凹部に充填された上記混合物Ｐに積層する
ようにガイドするガイドローラ30と、表、裏面材Ａ、
Ｃ間に未発泡の混合物Ｐを吐出した後にキュア、成形す
るキュアオーブン31と、連結帯とした複合板の箱折り面
イを切断する走行カッタ37とから構成したものである。
さらに説明すると、吐出部29は自己接着性を有する混合
物Ｐを成形体Ａの裏面（片面）に例えば、回転羽根体
を備えた吐出方式、スプレーガン方式（エア、エアレ
ス）または注入方式等のいずれかにより供給するための
ものである。なお、混合物Ｐとしては熱硬化性、例えば
ポリウレタン樹脂、ポリイソシアヌレートフォーム用樹
脂、フェノール樹脂などの発泡性合成樹脂を用いる。さ
らに、ガイドローラ30は２階の架台1に装着されたアン
コイラ36aに巻回された裏面材Ｃ、例えばコイル、アス
ベスト紙、クラフト紙、アルミニウム箔、プラスチック
シート、アスファルトフェルト等の１種、または２種以
上をラミネートしたものを混合物Ｐ上に案内すると共
に、混合物Ｐを延展し、積層するためのものである。さ
らに説明すると、ガイドローラ30は裏面材Ｃを成形体Ａ
に対応して案内すると共に、前記混合物Ｐの状態に応
じて裏面材Ｃを混合物Ｐに接触するためのタイミング
（所謂、混合物の自己接着性をより有効に利用）と混合
物Ｐの分散ムラを平均化する機能を有するものである。
その構成としては、ローラを１個、あるいは第７図に示
すすようなローラ30a、30bを設けた構成としたものであ
る。前記したキュアオーブン31は成形体Ａと裏面材Ｃ
間に混合物Ｐを介在した状態で搬送すると共に、混合物
Ｐを良好な環境下で反応発泡せしめ、かつ、所定の板厚
のサンドイッチ板Ｓに形成するものであるね。さらに具
体的に説明すると、キュアオーブン31はロール、キャタ
ピラ（登録商標名）、ベルトのいずれか１種、またはそ
の組み合わせからなり、下型部材32、32aから形成した
型34とし加熱源35、カバー31aとから構成したものであ
る。また、カバー31aは型34内を保温すると共に混合物
Ｐの反応時に放出するトリクロロモノフルオロメタン、
あるいは加熱源35から放出される炭酸ガス、一酸化炭素
等を安全、衛生上、作業環境に放出しないため、および
より有効な保温効果を得るためである。なお、型34の
入、出口部34a、34bだけは型34内の基体の漏洩を最大限
阻止する構造に構成したものである。また、走行カッタ
37はサンドイッチ板Ｓの箱折り面イを走行中に所定長さ
に切断するものである。さらに、回転ローラ38は連続し
たサンドイッチ板Ｓの移動速度を検出するものであり、
制御盤40はエンボス加工ライン15、切断、箱折り複合化
ライン39間の連絡をコントロールするもので、架台1の
２階に計器、テレビカメラなどで各々のファクターをア
ナログ、デジタル、描写等するものである。

次に本発明に係る複合板製造装置の動作について説明す
る。ピンチローラ９、エンボスロール10、テンションレ
ベラ11、引張り用ピンチローラ13は20m/minの速度で回
転している。一方、切断、箱折り複合化ライン39はエン
ボス加工ライン15と同調するスピードに設定され、第１
プレヒータ８は80℃に、キュアオーブン31内は90℃に加
温され、吐出部29は制御盤40によってコイルＡの有無に
よってON−OFFするようにセットし、走行カッタ37はサ
ンドイッチ板Ｓの移動中に箱折り部で定尺にカットする
ようにコントロールされている。そこで、アンコイラ３
に装着したコイルＡはピンチローラ４を介して第１ルー
プ部６に順次、送給する。次にコイルＡ′は第１ループ
部６を経てピンチローラ９にガイドされる。次にコイル
Ａをピンチローラ９を介してエンボスロール10に送給す
るものである。また、エンボスロール10では、例えば第
８図に示すような凹状部α、凸状部βとからなるエンボ
ス模様を連続して形成するものである。そして、エンボ
スロール10を出たコイルＡ′は搬送部材12を経てレベラ
11に送給される。次に、コイルＡ′はレベラ11によって
エンボス加工時における残留歪を引張用ピンチローラ13
によって引張られた状態で矯正し、反転部16に送給され
るものである。反転部16を経たコイルＡ′はガイドロー
ラ群17、18、湾曲ガイド板19を介してセンサ20が存在す
る第２ループ部21を経て１階にある切断、箱折り複合化
ライン39に送給さるものである。そこで、コイルＡ′は
ピンチローラ22を経て定尺切断機23に送給される。切断
機ではコイルＡ′を定尺に、および必要によって幅方向
にｎ分割して成形機24に送給し例えば第４図（ａ）に示
す定尺表面材Ａ″をｎ枚、同時に成形するものである。
成形体Ａは箱折り機25によって長手方向の木口面を第
５図（ａ）〜（ｃ）のいずれか、図では（ａ）のように
屈曲し、次にこの成形体Ａの箱折り面イを当接してシ
ール材吐出機26に送給し、合成樹脂、ゴム等のいずれか
をフィルム状、紐状、滴状でシールするものである。勿
論、貼着剤付面材で箱折り部当接部を被覆してもよい。
シール材吐出機26によって連続帯となった成形体Ａは
30〜110℃に第２プレヒータ27で加温され、ガイドロー
ラ的なピンチローラ28を経て吐出部29の直下に送出し、
その凹部に連続して未発泡の混合物Ｐを吐出し、その混
合物Ｐ上に裏面材Ｃをガイドローラ30を介して積層し、
キュアオーブン31に送給する。キュアオーブン31では成
形体Ａと裏面材Ｃ間に未発泡の混合物Ｐを介在し、反
応、発泡させて複合板帯として、その出口34bから送出
し、走行カッタ37で箱折り面イの当接部を分断し、梱包
部41に送給するものである。なお、キュアオーブン31に
おけるサンドイッチ板Ｓの移動速度は回転ローラ（エン
コーダ）38によって計測されるものである。なお、通常
の稼働中はピンチローラ13、28はOFF状態にしておくこ
ともできる。

〔発明の効果〕

上述したように、本発明に係る複合板製造装置によれ
ば、エンボス加工時はコイルに対し一定の張力が負荷
された状態となるため、凹凸模様がエンボス加工中にず
れたりすることがなく、美しい凹凸模様が形成できる。
エンボス加工時の残留歪がテンションレベラを通過さ
せることによって容易に除去できるので、ペコツキ、捩
じれがない。エンボス加工ライン、箱折り、複合化ラ
インに各々ループ部を設け、ライン間の連結をスムーズ
にできる。コイルはＵ字状の軌跡を描くことによって
反転するため無理がない。２階建の構成としたため、
ラインをコンパクト化できる。エンポス加工し、反転
後に定尺に切断し、それを成形し、その木口を箱折りし
た成形体を連続して製造できる。箱折りまでと合成樹
脂発泡体充填の工程を分離して稼働することもできる。
箱折りした定尺体の箱折り部をシール材によって目止
めし連続帯としたため合成樹脂発泡体を連続して吐出で
きる。型内を排ガス排出口、複合板の出入口意外をほ
とんど密封状態にしたため、保温性が改善され、有害ガ
ス、燃焼ガスの作業環境への漏洩が少なくなり、作業員
の安全、衛生面を大きく改善できる。裏面材と混合物
の接触タイミングをガイドローラの位置を可変すること
によって容易に、かつ、自由に選択できるため、確実に
裏面材を接着でき、複合板の強度が大きく向上する。
エンボス加工ラインと切断、箱折り複合化ラインを制御
盤を介してコントロールしたため、歩留まりが良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る複合板製造装置の一実施例を示す
構成略図、第２図は本発明に係る装置の工程を示す説明
図、第３図はレベラを示す斜視図、第４図（ａ）〜
（ｌ）は表面材の成形例を示す説明図、第５図（ａ）〜
（ｃ）は箱折り形状の一例を示す説明図、第６図は成形
体の箱折り面を当接し、この部分をシール材で被覆した
状態を示す説明図、第７図は裏面材の供給部を示す説明
図、第８図はエンボス模様の一例を示す斜視図である。1 ……架台、10……エンボスロール、11……テンション
レベラ、23……定尺切断機、24……成形機、25……箱折
り機、26……シール材吐出機、29……吐出部、31……キ
ュアオーブン、37……走行カッタ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】表面材となる金属薄板を送給するためのア
   ンコイラとピンチローラからなる表面材送給部と、該送
   給部から供給される表面材を弛んだ状態で収容し、前後
   工程間の調整を図る第１ループ部と、上記表面材を約30
   〜80℃に加温する第１プレヒータと該ヒータから送出さ
   れる表面材の全幅または部分幅のいずれかに対し任意の
   凹凸模様を施すエンボスロールと、該ロールの後に配し
   たテンションレベラと、該レベラの出口から供給される
   表面材を１階まで案内する表面材案内部とを２階に形成
   し、該２階の一端から表面材を案内しながら反転する反
   転部と、該反転部を通過した表面材を定尺に切断すると
   共に、表面材の幅をｎ等分にスリットする定尺切断機
   と、該定尺切断機を通った表面材をｎ系列で成形する成
   形機と、該成形機を通ったｎ種の表面材の長手方向の両
   端を箱折りする箱折り機と、該箱折りされた表面材の箱
   折り木口を当接して連続帯とし、その当接部にシール材
   を吐出するシール材吐出機と、該シール材吐出機の後に
   設けた第２プレヒータと、該プレヒータから送出される
   表面材裏面に未発泡の発泡性反応混合物を吐出する吐出
   部と、裏面材を積層された混合物を覆うように案内する
   ガイドローラと、上記プレヒータに直列に配列したキュ
   アオーブンと、該キュアオーブンから送出されたサンド
   イッチ構造の連続帯を表面材の定尺位置で切断する走行
   カッタから構成したことを特徴とする複合板製造装置。