JPH0664928A - リチウム・遷移金属複合酸化物粒子及びその製造方法、並びに非水電解液二次電池 - Google Patents

リチウム・遷移金属複合酸化物粒子及びその製造方法、並びに非水電解液二次電池

Info

Publication number
JPH0664928A
JPH0664928A JP4354086A JP35408692A JPH0664928A JP H0664928 A JPH0664928 A JP H0664928A JP 4354086 A JP4354086 A JP 4354086A JP 35408692 A JP35408692 A JP 35408692A JP H0664928 A JPH0664928 A JP H0664928A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lithium
transition metal
composite oxide
compound
flux
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4354086A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3312406B2 (ja
Inventor
Takuya Endo
琢哉 遠藤
Horyu Machida
方隆 町田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP35408692A priority Critical patent/JP3312406B2/ja
Publication of JPH0664928A publication Critical patent/JPH0664928A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3312406B2 publication Critical patent/JP3312406B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 非水電解液二次電池の正極活物質として用い
ることができる複合酸化物粒子を製造する。 【構成】 リチウム塩を融剤として溶融塩中で複合酸化
物を合成し、冷却後、水、エタノール等で融剤を洗い流
して複合酸化物粒子を作る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種電子機器の電源と
して使用される充放電可能なて非水電解液二次電池並び
に、その正極活物質としても用いられる層状構造を有す
るリチウム・遷移金属複合酸化物粒子及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、種々の電子機器の飛躍的進歩とと
もに、長時間便利に且つ経済的に使用できる電源として
再充電可能な二次電池の研究が進められている。代表的
な二次電池としては、鉛蓄電池、アルカリ蓄電池、リチ
ウム二次電池等が知られている。特にリチウム二次電池
は、高出力、高エネルギー密度等の利点を有している。
上記リチウム二次電池は、リチウムイオンと可逆的に電
気化学反応する活物質を用いた正極と、リチウム金属あ
るいはリチウムを含む負極、例えばリチウムをドープ、
脱ドープし得る炭素材料からなる負極と、非水電解液と
から構成される。
【0003】一般に、負極活物質としては、金属リチウ
ム、リチウム合金(例えばLi−Al合金)、リチウム
をドープした導電性高分子(例えばポリアセチレンやポ
リピロール等)、リチウムイオンを結晶中に取り込んだ
層間化合物や炭素材料等が用いられている。また、電解
液としては、非プロトン性有機溶媒にリチウム塩を溶解
させた溶液が用いられている。
【0004】一方、正極活物質には、金属酸化物、金属
硫化物、あるいはポリマーが用いられ、たとえばTiS
2 ,MoS2 ,NbSe2 ,V2 5 等が知られてい
る。これらの材料を用いたリチウム二次電池の放電反応
は、負極においてリチウムイオンが電解液中に溶出し、
正極では活物質の層間等にリチウムイオンがインターカ
レーションすることによって進行する。逆に、充電する
場合には、上記の逆反応が進行し、正極においてはリチ
ウムがデインターカレーションする。即ち、負極からの
リチウムイオンが正極活物質に出入りする反応を繰り返
すことによって充放電を繰り返すことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】リチウム二次電池にお
いては、Ni−Cd電池等と比較して自己放電が少ない
という利点があるが、さらなる向上が望まれている。自
己放電の起こる要因は定かでないが、正極活物質、負極
活物質と電解液との界面に於いて起こる電解液の分解と
皮膜の形成、あるいは正極活物質の溶解、などが考えら
れる。
【0006】従って、このようなリチウム二次電池を代
表とした非水電解液二次電池の実用化を図る上で、正極
活物質、負極活物質を改良することが望まれている。
【0007】そこで、本発明はこのような実情に鑑みて
提案されたものであって、非水電解液二次電池の正極活
物質等に用いることができる層状構造を有するリチウム
・遷移金属複合酸化物粒子及びその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0008】又、本発明は自己放電特性の向上が図れる
非水電解液二次電池を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の目
的を達成せんものと鋭意研究の結果、正極活物質として
用いる無機化合物、特に、リチウム・遷移金属複合酸化
物粒子の物性を最適化することにより、これを用いた二
次電池の自己放電特性が向上することを見い出すととも
に、上記リチウム・遷移金属複合酸化物粒子を溶融塩中
で合成することにより、上記リチウム・遷移金属複合酸
化物粒子の物性を容易に制御できることを見い出し、本
発明を完成するに至った。
【0010】本発明の層状構造を有するリチウム・遷移
金属複合酸化物粒子は、融剤を主として含む溶融塩中で
合成原料リチウム化合物と遷移金属(例えばCo,M
n,Ni等)化合物との反応で合成されることを特徴と
する。
【0011】融剤としては合成原料リチウム化合物に比
べて反応に直接寄与しないリチウム塩を用いることがで
きる。また、このリチウム塩としては塩化リチウムを用
いることができる。
【0012】また、本発明のリチウム・遷移金属複合酸
化物粒子の製法は、合成原料リチウム化合物と遷移金属
化合物を、合成原料リチウム化合物に比べて直接反応に
寄与しないリチウム塩を融剤として含む溶融塩中で、反
応させてリチウム・遷移金属複合酸化物を合成し、冷却
後、融剤の溶剤で上記融剤を洗い流してリチウム・遷移
金属複合酸化物粒子を作ることを特徴とするものであ
る。
【0013】この製法において、リチウム塩として塩化
リチウムを用いることができる。
【0014】また、本発明の製法は、合成原料リチウム
化合物とコバルト化合物を混合し、その混合物に塩化チ
タン塩酸溶液を添加し、更に融剤として塩化リチウムを
加えて混合し加熱して融剤が溶融した溶融塩中でリチウ
ム化合物とコバルト化合物と塩化チタンとを反応させて
層状構造を有するチタン含有のリチウム・コバルト複合
酸化物粒子を合成し、融剤を洗い流した後、分級により
合成された該リチウム・コバルト複合酸化物粒子に比べ
て粒子サイズが小さく灰緑色で層状構造を有しないチタ
ン化合物微粒子を除去して層状構造を有するチタン含有
のリチウム・コバルト複合酸化物粒子を得ることを特徴
とする。
【0015】さらに、本発明の非水電解液二次電池は、
その正極活物質として上記リチウム・遷移金属複合酸化
物粒子を用いることを特徴とするものである。
【0016】上記複合酸化物粒子としては、特に限定さ
れるものではないが、たとえばLix Mn2 4 ,Li
x y 2 (MはNiまたはCo、0.05≦x≦1.
10、y≒1)等であり、之等は非水電解液二次電池用
正極活物質として用いることができる。また、これらに
代表されるような正極活物質として用いられる複合酸化
物に、他の元素を1種類、あるいは数種類加えることで
得られる混合物、あるいは固溶体であっても良い。
【0017】また、合成時に融剤として用いる塩は、反
応に直接寄与せず、且つ上記複合酸化物の合成に適当な
温度範囲で溶融状態であることが必要であるが、これら
の条件を満たす塩であれば特に限定されるものではな
い。ただし、汚染を防ぐという意味合いから、合成され
たリチウム・遷移金属複合酸化物粒子を二次電池の正極
活物質としたときにインターカレーション、デインター
カレーションされるイオンを含む塩であれば望ましい。
例えば、リチウム二次電池の正極活物質として用いるL
x Coy 2 を合成する場合、リチウム塩を選ぶこと
が望ましい。また、合成後に目的の複合酸化物と塩との
混合物から融剤として用いた塩を洗浄除去する必要があ
るが、上記の塩の水、エタノール等の溶媒に対する溶解
度が高ければ作業性が向上し、より望ましい。この場合
について具体的に例示すれば、LiCl,Li2 SO4
等があげられる。
【0018】また、この融剤除去操作に用いる溶媒につ
いては特に限定するものではないが、融剤として用いた
塩を良く溶解する溶媒を選択することが望ましい。用い
た塩に応じて、水、エタノール、メタノール、アセトン
等から適宜選択すれば良い。
【0019】
【作用】本発明では、リチウム・遷移金属複合酸化物粒
子を融剤を含む溶融塩中で合成することにより、結晶性
等の物性の制御が比較的容易となり、粒子表面の安定化
が図れる。
【0020】即ち、従来から行われてきた固相反応によ
る複合酸化物の合成では、生成物粒子はその周囲が他の
生成物粒子や反応粒子で囲まれているために粒子成長に
関して幾何学的な制約を受け、したがって自由な粒子形
状に成長することはできず、一般に等軸状粒子、もしく
はそれに近い粒子形状に成長することが多い。しかるに
本発明による合成方法では、生成物粒子は溶融塩中でそ
の対流の効果によって比較的自由に移動することがで
き、幾何学的な制約を受けにくいため固相反応の場合に
比べて、より自由な形状に粒子成長が進行する。
【0021】一般に、生成物粒子の成長は、与えられた
合成条件の下で最も安定な粒子形状・構造に向かって進
む。したがって、本発明の合成方法によって、溶融塩中
でより自由な形状・構造に成長した複合酸化物は、固相
反応によって合成されたリチウム・遷移金属複合酸化物
に比べて、より安定な化合物である。
【0022】本発明では、リチウム化合物と遷移金属化
合物とを融剤を含む溶融塩中で反応させてリチウム・遷
移金属複合酸化物粒子を合成することにより、結晶性等
の物性の制御が比較的容易になると同時に、粒子表面の
安定化をも図ることが可能である。
【0023】したがって、得られたリチウム・遷移金属
複合化合物粒子は結晶性等の物性に優れるものである。
また、非水電解液二次電池の正極活物質として用いる複
合酸化物の平均粒径を10μm以上と規定することによ
り、特に微細な粒子の反応面積が不必要に大きいことに
起因する、好ましくない反応を抑えることができる。
【0024】さらに、リチウム化合物とコバルト化合物
の混合物に塩化チタン(TiCl3)塩酸溶液を添加混
合した後に、融剤として塩化リチウムを加え加熱して、
固相と溶融塩が共存する状態でチタン含有リチウム・コ
バルト複合酸化物粒子が得られる。このようにして得ら
れるチタン含有リチウム・コバルト複合酸化物を非水電
解液二次電池の正極活物質として用いることにより、活
物質表面の電解液に対する化学的安定性が向上し、二次
電池の自己放電特性が向上する。
【0025】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例により説明す
るが、本発明がこの実施例に限定されるものでないこと
は言うまでもない。
【0026】〔実施例1〕本実施例は、酸化リチウム
(Li2 O)、酸化コバルト(Co2 3 )粉末を原料
として、塩化リチウム(LiCl)をフラックスとして
Lix Coy 2 (x<1.10、y≒1)複合酸化物
を合成した例である。
【0027】市販の酸化リチウム(Li2 O)粉末と酸
化コバルト(Co2 3 )粉末をLi、Coが所定の原
子比となるよう混合し、その混合物に対し塩化リチウム
(LiCl)粉末を1〜2倍の体積を加えてさらに混合
後、白金ルツボ中で空気雰囲気中の電気炉で800℃で
1時間加熱後、さらに1000℃で1時間加熱し、炉冷
による自然冷却する。之により、目的の複合酸化物と融
剤である塩化リチウムとの混合物を得た。得られた混合
物を十分に水で洗浄して塩化リチウムを除去後、真空乾
燥して目的の層状構造を有するリチウム・遷移金属複合
酸化物を得た。 〔比較例1〕上記実施例1と同じLix Coy 2 (x
<1.10、y≒1)複合酸化物を従来の方法により合
成した。市販の炭酸リチウム粉末(Li2 CO3 )と炭
酸コバルト粉末(CoCO3 )をLi、Coが所定の原
子比となるように混合し、空気雰囲気中の電気炉で90
0℃、7時間加熱することにより、目的の層状構造を有
するリチウム・遷移金属複合酸化物を得た。
【0028】実施例1、並びに比較例1により得られた
Lix Coy 2 複合酸化物の電子顕微鏡写真〔図1及
び図2参照〕を比較すると、上記実施例1における複合
酸化物の結晶成長が良好であることは明らかである。
【0029】次に、実施例1、比較例1で得られたLi
x Coy 2 複合酸化物を正極活物質として用い、これ
に導電剤として黒鉛粉末、バインダーとしてフッ素樹脂
粉末を混合した後、加圧成形して正極ペレットとした。
このペレットを正極とし、金属リチウムを負極とし、プ
ロピレンカーボネートと1,2−ジメトキシエタンの混
合溶媒にLiPF6 を1mol/l溶解させた電解液を
用いてコイン型電池を作製した。
【0030】作製した電池を用いて、定電流(電流密度
0.54mA/cm2 )で10回の充放電サイクルを行
った。この際、充電時の上限電圧は4.2Vとし、放電
時の終止電圧は3.7Vとし、電池温度は23℃とし
た。11サイクル目の充電を同様の条件で行った後、電
池温度を60℃として15時間放置した。その後、電池
温度を23℃に戻し、同様の条件で11サイクル目の放
電をさせ、さらにもう1サイクルの(12サイクル目
の)充放電を行った。
【0031】この充放電試験の結果より求めた自己放電
率、自己放電後回復率を表1に示す。ただし、自己放電
率、自己放電後回復率は次に示す数1、数2より求め
た。
【0032】
【数1】
【0033】
【数2】
【0034】
【表1】
【0035】実施例1により作製した化合物を正極活物
質として用いた電池が、自己放電率、自己放電後回復率
とともに優れている。
【0036】〔実施例2〕本実施例は、酸化リチウム
(Li2 O)、酸化コバルト(Co2 3 )粉末、塩化
チタン(TiCl3 )塩酸溶液を原料として、また、塩
化リチウム(LiCl)を溶融塩として、Lim Co
(1-n) Tin 2 (m<1.10、0<n≦0.05)
複合酸化物を合成した例である。
【0037】市販の塩化リチウム(Li2 O)粉末と酸
化コバルト(Co2 3 )粉末をLi、Coが原子比で
Li:Co=1:0.95となるように混合し、これに
市販の塩化チタン(TiCl3 )20wt%塩酸溶液を
原子比でLi:Ti=1:0.05となる量まんべんな
く滴下し、市販の塩化リチウム(LiCl)粉末を上記
原料混合物に対して体積比でおよそ2倍量加えてさらに
混合後、空気雰囲気中の電気炉で800℃で1時間加熱
後、さらに1200℃で1時間加熱し、炉冷による自然
冷却をする。
【0038】これにより、目的の複合酸化物と、Tiを
含む不純物と、塩化リチウムとの混合物を得た。得られ
た複合物を水で十分に洗浄して塩化リチウムを除去した
後、真空乾燥して目的の層状構造を有するリチウム・遷
移金属複合酸化物(黒色)と層状構造ではないTiを含
む不純物(灰緑色)との混合物を得た。ここで、混入し
ているTiを含む不純物は目的の複合酸化物と比較して
粒径が著しく小であるので、分級により不純物を除去
し、目的の複合酸化物を得た。この複合酸化物の結晶構
造、格子定数はLiCoO2 のそれとほぼ一致し、且つ
結晶中にTiを含むことがX線ディフラクトメーター法
並びにエネルギー分散型X線スペクトル解析により確認
された。
【0039】なお、加熱処理時に溶融塩の量が少ない
と、本発明による合成法の特徴である、反応時の物質移
動と結晶成長の円滑さがそこなわれる事になるので好ま
しくない。体積比で原料混合物と同程度以上ある事が望
ましい。 〔比較例2〕上記実施例2と同じLim Co(1-n) Ti
n 2 (n<1.10、n=0.03)複合酸化物を従
来の方法により合成した。市販の炭酸リチウム(Li2
CO3 )粉末と、炭酸コバルト(CoCO3 )粉末と、
酸化チタン(TiO2 )粉末とをLi,Co,Tiが所
定の原子比になるように混合し、空気雰囲気中の電気炉
で950℃で7時間加熱することにより、目的の複合酸
化物を得た。
【0040】実施例2で得られたチタン含有リチウム・
コバルト複合酸化物、ならびに比較例2により得られた
Lim Co(1-n) Tin 2 複合酸化物の電子顕微鏡写
真〔図3及び図4参照〕を比較すると、上記実施例2に
おける複合酸化物の結晶成長が良好であることは明らか
である。また、実施例2ならびに比較例2により得られ
た複合酸化物を一次粒子まで粉砕し、その平均粒径を画
像処理により求めたところ、前者で58μm、後者で
0.15μmであった。
【0041】次に、実施例2、比較例2で得られたLi
m Co(1-n) Tin 2 複合酸化物を正極活物質として
用い、これに導電剤として黒鉛粉末、バインダーとして
フッ素樹脂粉末を混合した後、加圧成形して正極ペレッ
トとした。このペレットを正極とし、金属リチウムを負
極とし、プロピレンカーボネートと1,2−ジメトキシ
エタンの混合溶媒にLiPF6 を1mol/l溶解させ
た電解液を用いてコイン型電池を作製した。
【0042】作製した電池を用いて、定電流(電流密度
0.54mA/cm2 )で10回の充放電サイクルを行
った。この際、充電時の上限電圧は4.2Vとし、放電
時の終止電圧は3.7Vとし、電池温度は23℃とし
た。11サイクル目の充電を同様の条件で行った後、電
池温度を60℃にして15時間放置した。その後、電池
温度を23℃に戻し、同様の条件で11サイクル目の放
電をさせ、さらにもう1サイクルの(12サイクル目
の)充放電を行った。
【0043】この充放電試験の結果より求めた自己放電
率、自己放電後回復率を表2に示した。ただし、自己放
電率、自己放電回復率は、数1、数2により求めた。
【0044】
【表2】
【0045】実施例2により作製した化合物を正極活物
質として用いた電池が、自己放電率、自己放電回復率と
もに優れている。
【0046】即ち、比較例2の複合酸化物では粒子が小
さいために表面積が大きくなる。このため、電池の正極
活物質としたときに、不必要に反応速度が速くなってし
まい、保存特性、自己放電特性が劣化する。
【0047】之に対し、実施例2の複合酸化物は、粒子
サイズとして10μm以上のオーダのものが得られるた
め、表面積としては小さくなり、電池の正極活物質とし
たとき、保存特性、自己放電特性が良くなる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、結晶性、粒度等の物性
が最適化された複合酸化物粒子を提供できる。
【0049】本発明の製法によれば、合成温度、合成時
間、昇降温速度等の条件を適当に選ぶことにより、得ら
れる複合酸化物粒子の結晶性、粒度を制御することが比
較的容易であり、例えば二次電池の正極活物質として用
いるに当たって物性の最適化を行うことができる。ま
た、副次的な効果として、製造時間の短縮を図ることが
できる。従来の技術では、加熱処理前に原料粉末を注意
深く十分に混合する必要があったが、本発明によれば、
加熱処理時に溶融塩の対流により均一となるため原料粉
末の混合は極く短時間で十分である。
【0050】また本発明によれば、層状構造を有するチ
タン含有リチウム・コバルト複合酸化物を合成できる。
【0051】そして、上記の複合酸化物粒子を正極活物
質として用いることにより、非水電解液二次電池の自己
放電特性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のLix Coy 2 複合酸化物粒子の
形状を示す電子顕微鏡写真である。
【図2】比較例1のLix Coy 2 複合酸化物粒子の
形状を示す電子顕微鏡写真である。
【図3】実施例2のチタン含有リチウム・コバルト複合
酸化物粒子の形状を示す電子顕微鏡写真である。
【図4】比較例2のLiX Coy 2 (x<1.10、
y=0.03)複合酸化物粒子の形状を示す電子顕微鏡
写真である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のLix Coy 2 複合酸化物粒子の
粒子構造を示す電子顕微鏡写真である。
【図2】比較例1のLix Coy 2 複合酸化物粒子の
粒子構造を示す電子顕微鏡写真である。
【図3】実施例2のチタン含有リチウム・コバルト複合
酸化物粒子の粒子構造を示す電子顕微鏡写真である。
【図4】比較例2のLix Coy 2 (x<1.10、
y=0.03)複合酸化物粒子の粒子構造を示す電子顕
微鏡写真である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融剤を含む溶融塩中で合成原料リチウム
    化合物と遷移金属化合物との反応で合成された層状構造
    を有するリチウム・遷移金属複合酸化物粒子。
  2. 【請求項2】 融剤が合成原料リチウム化合物に比べて
    反応に直接寄与しないリチウム塩であることを特徴とす
    る請求項1記載のリチウム・遷移金属複合酸化物粒子。
  3. 【請求項3】 リチウム塩が塩化リチウムであることを
    特徴とする請求項2記載のリチウム・遷移金属複合酸化
    物粒子。
  4. 【請求項4】 合成原料リチウム化合物と遷移金属化合
    物を、前記合成原料リチウム化合物に比べて直接反応に
    寄与しないリチウム塩を融剤として含む溶融塩中で反応
    させてリチウム・遷移金属複合酸化物粒子を合成し、冷
    却後、前記融剤を洗い流してリチウム・遷移金属複合酸
    化物粒子を得ることを特徴とするリチウム・遷移金属複
    合酸化物粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】 リチウム塩として、塩化リチウムを用い
    ることを特徴とする請求項4記載のリチウム・遷移金属
    複合酸化物粒子の製造方法。
  6. 【請求項6】 合成原料リチウム化合物とコバルト化合
    物を混合し、その混合物に塩化チタン塩酸溶液を添加
    し、更に融剤として塩化リチウムを加えて混合し加熱し
    て前記融剤が溶融した溶融塩中で前記リチウム化合物と
    前記コバルト化合物と前記塩化チタンとを反応させて層
    状構造を有するチタン含有のリチウム・コバルト複合酸
    化物粒子を合成し、前記融剤を洗い流した後、分級によ
    り合成された該リチウム・コバルト複合酸化物粒子に比
    べて粒子サイズが小さく灰緑色で層状構造を有しないチ
    タン化合物微粒子を除去して得ることを特徴とする層状
    構造を有するチタン含有のリチウム・コバルト複合酸化
    物粒子の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のリチウム・遷移金属複合
    酸化物粒子を正極活物質として用いて成る非水電解液二
    次電池。
JP35408692A 1991-12-26 1992-12-15 リチウム・遷移金属複合酸化物粒子及びその製造方法、並びに非水電解液二次電池 Expired - Fee Related JP3312406B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35408692A JP3312406B2 (ja) 1991-12-26 1992-12-15 リチウム・遷移金属複合酸化物粒子及びその製造方法、並びに非水電解液二次電池

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3-357504 1991-12-26
JP35750491 1991-12-26
JP35408692A JP3312406B2 (ja) 1991-12-26 1992-12-15 リチウム・遷移金属複合酸化物粒子及びその製造方法、並びに非水電解液二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0664928A true JPH0664928A (ja) 1994-03-08
JP3312406B2 JP3312406B2 (ja) 2002-08-05

Family

ID=26579980

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35408692A Expired - Fee Related JP3312406B2 (ja) 1991-12-26 1992-12-15 リチウム・遷移金属複合酸化物粒子及びその製造方法、並びに非水電解液二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3312406B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997007555A1 (en) * 1995-08-16 1997-02-27 Bell Communications Research, Inc. LixCoO2 ELECTRODE FOR HIGH-CAPACITY CYCLE-STABLE SECONDARY LITHIUM BATTERY
JP2001266871A (ja) * 2000-03-15 2001-09-28 Seimi Chem Co Ltd 非水リチウム二次電池用複合酸化物の製造法
JP2008105912A (ja) * 2006-10-27 2008-05-08 National Institute Of Advanced Industrial & Technology ナノ複酸化物AxMyOzの製造方法
WO2009151128A1 (ja) * 2008-06-11 2009-12-17 住友化学株式会社 リチウム複合金属酸化物の製造方法
WO2012176471A1 (ja) * 2011-06-24 2012-12-27 株式会社豊田自動織機 リチウム含有複合酸化物粉末およびその製造方法
KR20150142326A (ko) * 2014-06-11 2015-12-22 삼성에스디아이 주식회사 리튬 이차 전지

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997007555A1 (en) * 1995-08-16 1997-02-27 Bell Communications Research, Inc. LixCoO2 ELECTRODE FOR HIGH-CAPACITY CYCLE-STABLE SECONDARY LITHIUM BATTERY
US5693435A (en) * 1995-08-16 1997-12-02 Bell Communications Research, Inc. Lix CoO2 electrode for high-capacity cycle-stable secondary lithium battery
JP2001266871A (ja) * 2000-03-15 2001-09-28 Seimi Chem Co Ltd 非水リチウム二次電池用複合酸化物の製造法
JP4560168B2 (ja) * 2000-03-15 2010-10-13 Agcセイミケミカル株式会社 非水リチウム二次電池用複合酸化物の製造法
JP2008105912A (ja) * 2006-10-27 2008-05-08 National Institute Of Advanced Industrial & Technology ナノ複酸化物AxMyOzの製造方法
WO2009151128A1 (ja) * 2008-06-11 2009-12-17 住友化学株式会社 リチウム複合金属酸化物の製造方法
JP2010021134A (ja) * 2008-06-11 2010-01-28 Sumitomo Chemical Co Ltd リチウム複合金属酸化物の製造方法
US20110086257A1 (en) * 2008-06-11 2011-04-14 Sumitomo Chemical Company, Limited Method for producing lithium complex metal oxide
CN102056845A (zh) * 2008-06-11 2011-05-11 住友化学株式会社 锂复合金属氧化物的制造方法
WO2012176471A1 (ja) * 2011-06-24 2012-12-27 株式会社豊田自動織機 リチウム含有複合酸化物粉末およびその製造方法
JPWO2012176471A1 (ja) * 2011-06-24 2015-02-23 株式会社豊田自動織機 リチウム含有複合酸化物粉末およびその製造方法
KR20150142326A (ko) * 2014-06-11 2015-12-22 삼성에스디아이 주식회사 리튬 이차 전지

Also Published As

Publication number Publication date
JP3312406B2 (ja) 2002-08-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3691279B2 (ja) リチウム二次電池用正極活物質、その製造方法、及びリチウム二次電池
KR101245418B1 (ko) 티타늄 및 조밀 리튬 복합 산화물의 분말상 화합물과, 이화합물의 제조 방법 및 이 혼합물을 포함하는 전극
JP5294225B2 (ja) リチウム二次電池電極用酸化物の単結晶粒子及びその製造方法、ならびにそれを用いたリチウム二次電池
JP2007290919A (ja) SiOx(x<1)の製造方法
JP2001028265A (ja) リチウム二次電池用正極活物質とその製造方法
JPH08273665A (ja) リチウム二次電池用正極材料およびその製造方法、並びにこれを用いたリチウム二次電池
KR20080031470A (ko) 양극 활물질, 비수 전해질 전지용 양극, 비수 전해질 전지
JP2007265784A (ja) 非水系電解質二次電池用正極活物質とその製造方法、および、これを用いた非水系電解質二次電池
JP3394364B2 (ja) 非水電解液電池活物質LiCoO2の原料用コバルト水酸化物と四酸化三コバルトおよびその製造法
JP2008277309A (ja) リチウム二次電池用正極活物質及びその製造方法
JP2003017060A (ja) 正極活物質及び非水電解質電池
JP4785230B2 (ja) リチウム二次電池用正極活物質及びその製造方法
JP3257350B2 (ja) 非水電解液二次電池およびその正極活物質の製造法
JP4374930B2 (ja) 非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法
KR101080619B1 (ko) 음극 활성 물질 및 그 제조 방법, 및 비수전해질 전지
JPS62256371A (ja) 有機電解質一次電池
JP3312406B2 (ja) リチウム・遷移金属複合酸化物粒子及びその製造方法、並びに非水電解液二次電池
JP4055269B2 (ja) マンガン酸化物及びその製造方法、並びにマンガン酸化物を用いたリチウムマンガン複合酸化物及びその製造方法
JPH06275276A (ja) 高表面積を有するスピネルLiM▲n2▼O▲4▼の製造方法とその非水電池への応用
JP3475480B2 (ja) 非水電解液二次電池及びその製造方法
JP4560168B2 (ja) 非水リチウム二次電池用複合酸化物の製造法
JP4491947B2 (ja) 正極活物質の製造方法及び非水電解質電池の製造方法
JP3858088B2 (ja) 均質形状のリチウムマンガン酸化物の製造方法
TW202017233A (zh) 鋰二次電池用正極活性物質、其製造方法及鋰二次電池
JP2000215895A (ja) 非水二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090531

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100531

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees