JPH0659403B2 - 脱酸素活性にすぐれた表面改質鉄粉 - Google Patents

脱酸素活性にすぐれた表面改質鉄粉

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JPH0659403B2
JPH0659403B2 JP58129039A JP12903983A JPH0659403B2 JP H0659403 B2 JPH0659403 B2 JP H0659403B2 JP 58129039 A JP58129039 A JP 58129039A JP 12903983 A JP12903983 A JP 12903983A JP H0659403 B2 JPH0659403 B2 JP H0659403B2
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【発明の詳細な説明】 本発明は空気中酸素との反応活性(脱酸素活性)にすぐ
れた表面改質鉄粉に関するものである。
従来、鉄粉が水分の存在下で空気中酸素と反応すること
は知られており、この原理を利用した脱酸素剤が種々提
案されている。鉄粉を脱酸素主剤として用いて脱酸素剤
を製造する場合、鉄粉単独では空気中酸素との反応速度
が遅いことから、一般に、助剤として、各種金属のハロ
ゲン化物や、硫酸塩、亜硫酸塩、アンモニウム塩等の電
解質が併用されている。
ところで、この助剤として用いる電解質の使用に関して
は、従来の技術知識によれば、鉄粉と電解質微粉末とを
直接混合して得られる混合物や、金属質微粉末と電解質
と水分とを直接混合して得られるような混合物は、脱酸
素反応速度が遅く、実用性上問題があり、脱酸素速度の
高められた脱酸素剤を得るには、電解質は、水溶液の形
で充填剤に含浸させて鉄粉と混合したり、あるいは鉄粉
を電解質水溶液と混合し、乾燥して金属質微粉末の表面
を電解質で均一に被覆することなどの工夫を行う必要が
あるとするのが常識であつた(特開昭53-14185号公報、
特開昭55-61932号公報等)。しかしながら、脱酸素剤の
製造において、電解質を水溶液の形で用いることは、後
設の処理において、乾燥や水分調節工程を必要とし、ま
た場合によつては、廃液等を生じる問題があるので、未
だ満足すべき方法とはいうことができなかつた。
本発明者らは、鉄粉を脱酸素主剤として用いる脱酸素剤
において、鉄粉に対する電解質の添加方法に関し種々研
究を重ねた結果、平均粒径が104μm(150メッシュ)よ
り小さく、150メツシユ通過量が65重量%以上にまで微
粉砕化された粒度の鉄粉100重量部に、平均粒径が104μ
mより小さく、150メツシユ通過量が75重量%以上にま
で微粉砕化された粒度の電解質微粉末0.01〜5重量部を
そのまま直接混合する時には、意外にも、得られた鉄粉
と電解質との混合物は、鉄粉と電解質との付着性がよ
く、振動を与えても、電解質が鉄粉から遊離して混合物
表面に析出集合するようなことがなく、電解質の鉄粉に
対する均一分散性が保持されることを見出した。即ち、
前記のような混合物は、それに含まれる電解質は振動等
の外力によつて混合物表面に析出集合することがないこ
とから表面改質鉄粉として取扱うことができる上、電解
質の添加が少量であるにもかかわらず鉄粉の脱酸素活性
を著しく高めることができ、かつ同一の表面改質鉄粉を
マスターバツチとして、それから同一充填量の脱酸素剤
充填袋を多数作製する時に、それらの脱酸素剤充填袋の
酸素吸収能はバラツキの著しく少ないものになる。本発
明は、このような知見に基づいてなされたものである。
即ち、本発明によれば、平均粒径が104μmより小さ
く、150メツシユ通過量が65重量%以上の鉄粉100重量部
に、平均粒径が104μmより小さく、150メツシユ通過量
が75重量%以上の電解質微粉末を均一に混合して形成し
てなる脱酸素活性にすぐれた表面改質鉄粉が提供され
る。
本発明で用いる鉄粉は、純鉄である必要はなく、鉄を主
成分とすればよく、例えば、イオウやリン成分等の不純
物を含むものや、フエロニツケル、炭化鉄等の合金であ
つてもよい。また、この鉄粉は種々の方法で製造された
ものであつてよく、例えば、還元粉、電解粉、噴霧粉、
破砕粉等であることができる。本発明においては、この
鉄粉は、平均粒径が104μmより小さく、150メツシユ
(タイラーメツシユ)通過量が65重量%以上、好ましく
は80〜100重量%という微粉末状で用いられる。
本発明において、前記鉄粉成分に対する助剤として用い
る電解質は、平均粒径が104μmより小さく、150メツシ
ユ通過量が75重量%以上、好ましくは80〜100重量%と
いう微粉末状で用いられる。この場合、電解質として
は、種々の金属ハロゲン化物又は金属塩が挙げられ、例
えば、NaC,KC,NaBr,KBrなどのアルカリ金属
ハロゲン化物、MaC,CaC,CaBr,MgBr,BaBrな
どのアルカリ土類金属のハロゲン化物の他、AgC,
ZnC,AC,SnC,MnC,FeC,
CoC,NiC,CuC,ZnBr,SnBr,CuBr,FeBr
などの各種金属ハロゲン化物、さらにNaSO,KSO,CaSO,Mg
SO,A(SO),NiSO,FeSOなどの各種硫酸塩、Nh
C,NHBr,(NH)SOなどの各種アンモニウム塩が挙げら
れる。
本発明においては、電解質は、無水物又は水和物の形で
適用され、また両者の混合物の形で適用されるが、脱酸
素剤の反応活性の点からは、水和物又は水和物と無水物
との混合物を用いるのが有利である。さらに、無水物と
水和物の混合物を用いる場合、水和物としては加水分解
により酸性を示す電解質、例えば、塩化アニモニウム
や、硫酸アンモニウム、塩化鉄等の強酸と弱塩酸との塩
の水和物等を用いるのが好ましい。また、本発明の場
合、電解質としては、殊に、金属ハロゲン化物の使用が
すぐれている。
本発明において、電解質の使用量は、鉄粉100重量部に
対し、0.01〜5重量部、好ましくは0.5〜4重量部程度
である。電解質の使用量が余りにも少なくなるとその添
加効果が十分ではなく、一方、余りにも多くなると、経
済的ではなくなるので、本発明の場合、0.01〜5重量部
程度の範囲にするのがよい。
本発明の表面改質鉄粉を製造する場合、前記した鉄粉及
び電解質微粉末は、両者をそのまま均一に混合すればよ
い。この場合の混合は、ボールミル、ワークミル、サン
ドミル、V型ブレンダー、エツジライナー、スクリユー
ブレンダー等の通常の混合機を採用することができ、ま
た加熱等の特別の条件は特に必要とされない。従つて、
本発明の表面改質鉄粉の製造は極めて容易である。この
ようにして得られた表面改質鉄粉は、前記のように、電
解質と鉄粉表面との付着性がよく、脱酸素剤の製造時や
使用時における振動によつては、鉄粉表面から電解質微
粉末が遊離して混合物表面に電解質微粉末が析出集合す
るようなことはない。本発明の表面改質鉄粉は、混合物
の感じを与えるものではなく、振動を与えてもその状態
は変らず、鉄粉と同様に外観を与える。
本発明の表面改質鉄粉は、大気中では安定であるが、水
蒸気の存在下では分子状酸素と高められた反応速度で反
応する。従つて、本発明の表面改質鉄粉は、水分を含む
食品と共にプラスチツクフイルムの包装袋に密封するこ
とによつて脱酸素剤として適用することができる。即
ち、このような密封包装袋内においては、包装袋内は食
品から放出される水蒸気によつて充満されることから、
表面改質鉄粉はその水蒸気の作用により、包装内の分子
状酸素と反応し、包装内の酸素濃度を1%以下にまで減
少させる。
また、本発明の表面改質鉄粉は、含水物と組合せること
によつて、速効性の脱酸素剤とすることができる。即
ち、この含水物と組合せられた表面改質鉄粉は、これを
密封空間におくと、その含水物からの水蒸気の作用によ
つて、密封空間の分子状酸素と反応する。この場合、含
水物としては、水蒸気を蒸散するものであれば任意のも
のが適用され、例えば、ゼオライト、セピオライト、黄
土、カオリン、ケイソウ土、タルク、ベントナイト、パ
ーライト、白土、活性炭、シリカ、アルミナ、軽焼マグ
ネシア、シリカゲル等の吸水性物質に水分を添加したも
のや、結晶水を有する化合物等が挙げられる。
本発明の表面改質鉄粉は、通常、通気性の薬包紙に充填
して用いられるが、含水物と組合せて用いる場合、表面
改質鉄粉と含水物とは特に混合する必要はなく、薬包紙
に対し、表面改質鉄粉と含水物とを2段に分けて充填す
ればよい。
本発明の表面改質鉄粉からなる脱酸素剤は、従来のもの
と同様に、密封空間中の酸素を除去するための手段とし
て、食品分野をはじめ、種々の分野に利用される。
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1 (1)鉄粉: 鉄粉としては、平均粒径が104μmより小さく、150メツ
シユ(メッシュ寸法:104μm)通過量が65重量%、200
メツシユ通過量50重量%の還元鉄粉を用いた。
(2)電解質微粉末 市販食塩(50メツシユ通過量4.5重量%、28メツシユ通
過量80.5重量%)を、コーヒミルで微粉砕化して微粉末
とした。この微粉末を、150メツシユの節で分けて、こ
れを通過したもの(A)と、通過しないもの(B)とを得た。
(3)鉄粉と電解質微粉末との付着性テスト ガラス容器(内容積250cc)に前記鉄粉100gを入れ、こ
れに下記第1表で示す各電解質微粉末4gを添加した後、
ガラス容器を上下にはげしく振動させて鉄粉と電解質粉
末との混合を行つた。次に、この混合物を左右に振動を
与えて表面に分離してくる電解質の状態を目視により判
定し、鉄粉と電解質との付着性を評価した。その結果を
次表に示す。
前記表−1に示された結果からわかるように、実験NO.
4〜9の混合物は、これをマスターバツチとして充填機
に充填し、これから薬包紙に自動充填する場合、電解質
粉末の局部的な偏りが生じるため、不良品を与えること
となる。即ち、各薬包紙に自動充填されたNO.4〜9の
混合物は、それぞれ電解質粉末の含量の異つたもので、
あるものは多くの電解質粉末を含み、またあるものは殆
んど電解質粉末を含まなかつたりし、その反応性に著し
いバラツキが生じて実用上の製品とはなり得ない。な
お、鉄粉100重量部に対し実験NO.3の電解質粉末10重量
部を混合した場合、得られる混合物は、振動によりその
電解質が表面に析出集合する現象が見られた。
(4)表面改質鉄粉の反応性テスト 市販の食塩をコーヒミルで微粉砕化して、150メツシユ
通過量78重量%、200メツシユ通過量48重量%の食塩微
粉末(X)を得た。この食塩微粉末を種々の割合で前記鉄
粉に加えて均一に混合して、本発明の表面改質鉄粉を製
造した。
次に各表面改質鉄粉を薬包紙〔(株)ケプロン製、ケプ
ロン1号用薬包紙〕に充填して開口部を密封した。この
表面改質鉄粉充填袋を空間容積約1200ccの容器に入れ、
さらに水約1ccを含ませた脱脂綿を入れて全体を密封
し、所定時間間隔で密閉空間の酸素濃度を測定し、その
測定結果に基づいて、密閉空間からの脱酸素量を算出し
た。その結果を次表に示す。
実施例2 実施例1の実験NO.(4)において、電解質微粉末(NaC
)(X)の代りに、他の電解質微粉末(X-2)〜(X-5)を用
いた以外は同様にして試験を行つた(電解質の添加量0.
6重量%)。その結果を次表に示す。
なお、電解質微粉末(X-2)〜(X-5)は、いずれも、市販品
を実施例1の場合と同様にしてコーヒミルで微粉砕化し
たもので、150メツシユ通過量が約80重量%程度である
ことが確認された。また、電解質微粉末(X-2)〜(X-5)は
次のことを意味する。
X−2:塩化第2鉄水和物(FeC・6H O) X−3:塩化第2鉄無水物(FeC) X−4:塩化マグネシウム水和物(MgC・6H
O) X−5:硫酸第1鉄水和物(FeSO・7H O) 実施例3 実施例1の実験NO.(4)において、鉄1.5gに対し、実施例
1の実験NO.(4)で示した食塩0.006gと、実施例2の(X-
2)で示した塩化第二鉄6水和物(FeC・6H O)
0.01g〜0.04gを加えて得た表面改質鉄粉を用いた以外は
同様にして反応を行つたところ、次の酸素吸収結果が得
られた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒径が104μmより小さく、150メツシ
    ユ通過量が65重量%以上の鉄粉100重量部に、平均粒径
    が104μmより小さく、150メツシユ通過量が75重量%以
    上の電解質微粉末0.01〜5重量部を均一に混合して形成
    してなる脱酸素活性にすぐれた表面改質鉄粉。
JP58129039A 1983-07-15 1983-07-15 脱酸素活性にすぐれた表面改質鉄粉 Expired - Lifetime JPH0659403B2 (ja)

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