JPH0657979B2 - 伸縮継手用枠基台の固定構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は建造物の間隙を被覆する伸縮継手において、殊
に所定レベルに平滑に仕上げられていない設置面に好適
な伸縮継手用枠基台の固定構造に関するものである。

［従来の技術］ 建造物は常時温度変化による伸縮、不等沈下及び地震等
により歪が生じるため、その歪から生ずる建造物の破壊
を防止する手段として間隙構造が構成されており、この
間隙を被覆する構造として従来より各種伸縮継手が使用
されている。そして第４図に示すように間隙Ｇを挾んだ
建造物ａ，ａの両端縁に枠基台５０，５０を固設し、該
枠基台５０，５０間に被覆板５１を摺動自在に掛架して
ガスケット５２，５２によって間隙Ｇの幅方向と両枠基
台５０，５０のレベル方向の変位を可能とした覆い構造
を構成している。

［発明が解決しようとする課題］ 従って該伸縮継手の施工に際しては、枠基台５０を所定
のレベルで平行に固設する必要があり、間隙Ｇを挾んだ
建造物ａ，ａの取付面の仕上げ寸法が不ぞろいの場合に
は、枠基台５０の固着時に該枠基台５０と建造物ａの表
面間に、モルタル等の下地材あるいは適当な端材を介在
させる、等のレベル調節をして現場施工を行っており、
作業性が悪い問題を有していた。

本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、枠基台
の固設レベルを簡単に調節して建造物の端部面に固設す
ることができ、作業性に優れた伸縮継手用枠基台の固定
構造を提供することを目的とするものである。

［課題を解決するための手段］ 即ち本発明に係る伸縮継手用枠基台の固定構造は、建造
物の歪吸収用間隙に対して、該間隙を挾んだ建造物の縁
面にそれぞれ枠基台を固設し、該枠基台間に被覆板を掛
架してなる伸縮継手において、前記両枠基台の裏面方向
に螺子作用により出退する多数の調整アンカーを突設
し、被固設面に埋設したアンカーボルトにより前記調整
アンカーによって規制した締結レベルに緊締すること、
をその要旨とするものである。

なお、上記調整アンカーは、摺動板の両側に枠基台に形
成した調整アンカー嵌合溝と摺動自在に嵌合する縁嵌合
溝を構成すると共に、該摺動板の中央に螺設した螺子孔
に対して定置レベル調整螺子を螺子作用により進退自在
に螺合することによって実施することができる。

［作用］ 上記構成によれば、アンカーボルトによって壁面等、建
造物の面に締結する枠基台が、該枠基台の背面方向に出
退する定置レベル調整螺子によって締結レベルを自在に
調整することができるため、枠基台の被設置面が所定レ
ベルを形成していない場合、或は該被設置面が凹凸を有
する所謂「不陸状態である」場合等、該被設置面に関係
なく枠基台を所定のレベル位置に固設し、伸縮継手の施
工を行うことができる。

［実施例］ 以下、本発明に係る伸縮継手用枠基台の固定構造の一実
施例を第１図乃至第３図に従って説明する。

第１図は、施工を完了した、間隙Ｇを挾んで対向した一
方の建造物ａ側について示す伸縮継手の半截断面図であ
る。

符号１は本考案の固定構造を構成した枠基台であり、該
枠基台１は、それぞれ建造物ａ、ａの間隙Ｇを挾んだ縁
部壁面に固設してなる。

該枠基台１は、アルミニウム型材によって長手方向に連
続する構造に成形され、基板部２の内端側裏面に突設し
たレベル合わせ突縁３端部に長手方向に連続する止水樋
嵌合溝４を形成すると共に、外端側表面にガスケット係
合縁５を条設してなる。また該基板部２の裏面には前記
レベル合わせ突縁３のレベルＬ１より後退したレベルＬ
２に位置して固設板部６が形成してあり、該固設板部６
の外側と内側にそれぞれ長手方向に伸びる調整アンカー
嵌合溝７，７を形成すると共に、該両調整アンカー嵌合
溝７，７間の固設板部６には適宜間隔で長手方向にアン
カーボルト挿入孔８，８を穿設してなり、該各アンカー
ボルト挿入孔８と対応する位置と両調整アンカー嵌合溝
７，７に対応する位置の基板部２にはドライバー等の締
結又は調節治具の挿入用透孔９，１０を配設してなる。

符号１１，１１は前記両調整アンカー嵌合溝７，７に長
手方向に配置嵌合した調整アンカーであり、該調整アン
カー１１は鋼板からなる摺動板１２の両側に切り起し形
成した縁嵌合溝１３，１３を構成し、調整アンカー嵌合
溝７の固設板部６に対して溝方向摺動自在に嵌合すると
共に、該摺動板１２の中央に螺設した螺子孔１４に対し
て定置レベル調整螺子１５を螺合してなるもので、該定
置レベル調整螺子１５は建造物ａ面との当接側に当接プ
レート１６を固設すると共に、螺子端に六角レンチ嵌合
孔またはマイナスドライバー嵌合孔等の調節治具挿入用
透孔１０から挿入する調節治具ｂとの嵌合構造１７を構
成してなる。

また符号１８は前記アンカーボルト挿入孔８から建造物
ａに埋設したアンカー雌螺子１９に螺合したアンカーボ
ルトであり、該アンカーボルト１８によって枠基台１を
建造物面に固着する。

上記枠基台１を建造物面に固着するに際して、調節治具
挿入用透孔１０から調節治具ｂを挿入し、調整アンカー
１１の嵌合構造１７と嵌合して定置レベル調整螺子１５
を回動する。この回動によって該定置レベル調整螺子１
５は第３図に示すように軸方向に進退（矢印Ａ）し、枠
基台１の取付レベルを調整することができるもので、該
調整後、アンカーボルト１８を締結して所定位置に枠基
台１を設置する。

尚、図中２０は間隙Ｇを挾んで建造物ａ，ａに固設した
枠基台１，１の基板部２，２間に掛架した被覆板であ
り、該被覆板２０の側縁とガスケット係合縁５間には幅
方向伸縮自在になるガスケット２１が係合埋設してあ
る。

［発明の効果］ 以上述べたように本発明に係る伸縮継手用枠基台の固定
構造は、アンカーボルトによって壁面等、建造物の面に
締結する枠基台が、該枠基台の背面方向に出退する定置
レベル調整螺子によって締結レベルを自在に調整するこ
とができるため、枠基台の被設置面が所定レベルを形成
していない場合、または該被設置面に凹凸がある場合
（所謂、不陸の状態）等における伸縮継手の施工に際し
て極めて有用であり、本発明実施後の実用的効果は大で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る伸縮継手用枠基台の固定構造の一
実施例を示す施工を完了した伸縮継手の半截断面図、第
２図は同要部の分解斜視図、第３図は本発明による定置
レベル調整を示す説明図、第４図は従来の伸縮継手を示
す断面図である。 １……枠基台、２……基板部、６……固設板部、７……
調整アンカー嵌合溝、８……アンカーボルト挿入孔、
９，１０……透孔、１１……調整アンカー、１２……摺
動板、１３……縁嵌合溝、１４……螺子孔、１５……定
置レベル調整螺子、１７……嵌合構造、１８……アンカ
ーボルト、１９……アンカー雌螺子、２０……被覆板、
２１……ガスケット。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】建造物の歪吸収用間隙に対して、該間隙を
   挾んだ建造物の縁面にそれぞれ枠基台を固設し、該枠基
   台間に被覆板を掛架してなる伸縮継手において、 前記両枠基台の裏面方向に螺子作用により出退する多数
   の調整アンカーを突設し、被固設面に埋設したアンカー
   ボルトにより前記調整アンカーによって規制した締結レ
   ベルに緊締すること、 を特徴とする伸縮継手用枠基台の固定構造。
2. 【請求項２】調整アンカーが、摺動板の両側に枠基台に
   形成した調整アンカー嵌合溝と摺動自在に嵌合する縁嵌
   合溝を構成すると共に、該摺動板の中央に螺設した螺子
   孔に対して定置レベル調整螺子を螺子作用により進退自
   在に螺合した構造になる請求項１記載の伸縮継手用枠基
   台の固定構造。