JPH0647050Y2 - 外壁パネルのジョイント構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、ユニット住宅の相隣れる外壁パネルを連結固
定するジョイント構造に関するものである。

［従来技術］ 第４図は従来の上記ジョイント構造の代表例を示すもの
で、相隣れるユニットの外壁パネル1A、1Bの対向する側
端は、縦フレーム２、スペーサ４を介してビス５等にて
予めユニット柱3A、3Bにそれぞれ固定されている。

［本考案が解決しようとする課題］ このように従来のジョイント構造では外壁パネルが予め
ユニット柱に固定されているため、基礎の誤差や据付け
誤差等によって相隣れるユニットの外壁パネルの接続部
に段差が生じても、これを調整することができないとい
う問題があった。また、据付け前に外壁パネルの出面が
決められるためユニットや基礎などの各部位に必要以上
の精度が要求されていた。更にまた、増改築などの目的
で外壁パネルを取りはずそうとしても、その作業が極め
て困難であった。

なお、建築物の外壁パネルのジョイント構造について
は、施工の簡易化、材料費の節減、シール性の向上等を
目的として種々の提案がなされているが（実開昭56−20
808号、実開昭56−93410号、実開昭56−52510号等）、
上記の問題についての適切な解決手段は見出されていな
い。

そこで本考案は、ユニット住宅の外壁パネルにおいて、
相隣れる外壁パネルの段差および外壁パネル全体の出入
の調整が容易であり、かつ増改築時の取りはずしも容易
であるジョイント構造を提供することを目的とするもの
である。

［課題を解決するための手段］ 本考案のジョイント構造は第１図ないし第３図に例示す
るように、相隣れる外壁パネル1A、1Bの対向側端にはそ
れぞれ内側面に断面Ｚ字型の縦フレーム２を固定して外
壁パネルとの間に側端に沿う縦溝20が形成してある。そ
して外壁パネル1A、1Bの高さと同長で中央部71が山型を
なし両端にフランジ部72を形成したジョイント部材７を
準備し、このジョイント部材７を、中央部71の突出側を
外壁パネル1A、1B側としてフランジ部72を対向する縦溝
20に上から嵌挿することで両外壁パネル1A、1B間に介設
する。外壁パネル1A、1Bはユニット柱3A、3Bに予め固定
されていない。

据付けられた相隣れるユニットのユニット柱3A、3B間の
隙間に、室内側からストッパ部材８をその先端面のユニ
ット柱3A、3Bからの出寸法を調整して挿置する。出寸法
は例えばスペーサ４により行なう。

外壁パネル1A、1Bの連続固定は、それぞれの縦フレーム
２をストッパ部材８の先端面に当てがい、ジョイント部
材７をその中央部よりビス５等でストッパ部材８の先端
面に締込み、両縦フレーム２をジョイント部材７を介し
て上記先端面に締付け固定することによりなされる。

［作用、効果］ 相隣れる外壁パネル1A、1Bの対向側端はジョイント部材
７および縦フレーム２を介してストッパ部材８の先端面
に共通に固定されるから、対向側端に段差は生じない。
また取付作業性もよい。

また、各ユニット間のストッパ部材８の先端面の出寸法
を調整することで、壁全体を出入りのない平面とするこ
とができ仕上り品質が向上する。

更にまた、ジョイント部材７がコーキングの下地材とな
ってコーキング厚さの安定に役立ち、かつコーキング材
より水の侵入が起ったとしても、外壁パネル１、フレー
ム２およびジョイント部材７で囲まれた空間が侵入水圧
力を緩和し、二次防水となる。

［実施例］ 第１図に示すように相隣れる外壁パネル1A、1Bの対向す
る側端の内面側にはそれぞれ全長にわたって断面乙字型
の鋼板よりなる縦フレーム２が、接着あるいはビス等の
手段で固定してあり、外壁パネル1A、1Bと縦フレーム２
との間に縦溝20が形成されている。

外壁パネル1A、1Bの両端を縦フレーム２によりユニット
柱3A、3Bに固定するためのジョイント部材７は鋼板より
なり、第２図に示すように幅方向中央部71が山型で両端
にフランジ部72を有する断面形状で、外壁パネル1A、1B
の高さに対応する長さとし、中央部71の頂部には所定の
間隔をおいてビス孔73が設けてある。

外壁パネル1A、1Bは、工場出荷時にはユニットに固定さ
れておらず、ユニット据付け後にユニット柱3A、3Bに固
定される。

据付けられたユニットの相隣れるユニット柱3A、3Bの間
にはストッパ部材８が挿置せしめてある。ストッパ部材
８は木材等の加工容易な材料からなり、ユニット柱3A、
3B間に入る頭部81とユニット柱3A、3Bに当接して位置決
めを行なう脚部82とで構成されている。各ユニット間の
ストッパ部材８の出寸法は壁全体が出入りなく面一とな
るように、それぞれ脚部82とユニット柱間、あるいは頭
部先端面にスペーサ４を設けることにより調整してあ
る。

上記ジョイント部材７は、山型中央部71の突出側を外側
パネル1A、1B側とし、両端のフランジ72を、並列せしめ
た両外壁パネル1A、1Bの側端の縦溝20に嵌入せしめ、中
央頂部を側端間に位置せしめた状態で、側端間に挿置せ
しめてある。そして両外壁パネル1A、1Bの対向側端はジ
ョイント部材７のビス孔73から両縦フレーム２の対向間
隙を通してストッパ部材８の先端面にビス５を締め込む
ことで固定せしめてある。

第３図は外壁パネル固定作業の手順を示すものである。

第３図（Ａ）に示すようにユニット柱3A、3Bを据付け、
側端に縦フレーム２を設けた外壁パネル1A、1Bをユニッ
ト柱間をつなく梁（図示略）に仮留めする。次に第３図
（Ｂ）に示すようにジョイント部材７を対向する縦フレ
ーム２間に上方から挿入する。これにより外壁1A、1B間
の段差はある程度矯正される。次に第３図（Ｃ）に示す
ようにユニット柱3A、3B間にストッパ部材８を室内側か
ら挿入し、必要に応じて仮固定する。このとき、外壁パ
ネル全体の通りを見て、各ユニット間のストッパ部材８
の出寸法をスペーサ４により調整する。そして脚部82を
ユニット柱3A、3Bにビス締めする等によりストッパ部材
８を固定する。しかる後、ジョイント部材６を外部から
ビス５にてストッパ部材８の先端面に固定するのであ
る。最後にジョイント部材７を目地底として、外壁パネ
ル1A、1B間のコーキングを行なう。

しかして本考案によるときは、相隣れる外壁パネルのジ
ョイント部を作業性よく連結固定することができ、ジョ
イント部に段差がなく、かつ壁全体を面一にすることが
できる。しかもコーキングも容易となるとともに、増改
築時の外壁パネルの取はずしも容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案の実施例を示すもので、第
１図はジョイント構造の全体図、第２図はジョイント部
材を示す図、第３図（Ａ）、（Ｂ）（Ｃ）はジョイント
構造を構成する過程を示す図、第４図は従来のジョイン
ト構造を示す図である。 1A、1B……外壁パネル ２……縦フレーム 20……縦溝 3A、3B……ユニット柱 ４……スペーサ ５……ビス ７……ジョイント部材 ８……ストッパ部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ユニット住宅の相隣れる外壁パネルの対向
   する側端にはそれぞれ内面側に縦フレームを設けて外壁
   パネルと縦フレーム間に上記側端に沿う縦溝を形成し、
   上記外壁パネルの側端間には該外壁パネルの高さと同長
   で幅方向中央部が断面山型をなし両端にフランジを有す
   るジョイント部材を、山型の突出側を外壁パネル側とし
   てフランジ部を対向する上記縦溝に嵌挿せしめて介設す
   る一方、据付けられた相隣れるユニット柱の隙間に室内
   側からストッパ部材をその先端面のユニット柱よりの出
   寸法を調整して挿置し、上記ジョイント部材を山型をな
   す中央部よりビス等の締結具にてストッパ部材の先端面
   に締込み、上記縦フレームをジョイント部材を介してス
   トッパ部材の先端面に締付け固定してなる外壁パネルの
   ジョイント構造。