JPH0455140Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は建物の外装パネルの取付構造に関し、
殊に古くなつた既存外壁に新規の外装パネルを取
付ける建物外壁の改装構造に関する。

〔従来の技術〕

従来から古くなつた建物外壁の外装に手を加え
ないで、その上に新規の外装パネル（板パネルと
云う）を固着する工法が用いられている。

その代表的な工法は、既存建物の外壁面にアン
カーボルトを打込み、これにフアスナを取付け、
フアスナには鉄、アルミニユウム等からなる下地
枠材を縦横に格子状に組合わせて取付け、この下
地枠材で出来た格子状の枠組にパネルの周縁部を
固着するものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

このような工法では、パネル固着用の基礎部材
の部品点数が多くて製造及び現場施工に手間が
かゝる。またこれらの部品がかさ高となるので、
既存外壁面とパネル表面即ち新規外壁面間の距離
が大となり支障を来たす。さらに部品点数が多い
ことに起因して高価になる。（註、新設とは異な
り改装工事は出来る丈低価格であることが望まれ
る）。

（問題点を解決するための手段〕 本考案の目的は、上述したように手間がかゝり
かつ高価になる基礎部材の部品点数を低減すると
共に既存外壁面と新規外装面間の距離を小さくし
た建物外壁の改装構造を提供することである。

上記の目的は、既存外壁面上の予定された目地
線付近に脚部が埋設されると共に頭部に雄ねじ部
が螺切されたアンカーボルトと、上記雄ねじ部に
螺合する雌ねじ部を裏面に有する取付板と、上記
取付板の表面に固着されて新規の外壁面を形成す
る外装パネルとからなる建物外壁の改装構造によ
つて達成される。

〔実施例〕

第１図は本考案の縦断面図、第２図は正面図を
示す。

既存外壁の外装に手を加えないで、新規の外装
パネルを取付けた場合の予定目地線付近において
アンカーボルト１を外壁２に打込む。打込み位置
は厳密を要さない。が、アンカーボルト１の軸線
が外壁面に対して垂直でない場合には工具（図示
せず）を用いて修整する。

第３図に示すように、取付板３は平板４の裏面
に長ナツト５を溶接等の手段で固着したもので、
長ナツト５の雌ねじ部６はアンカーボルト１の頭
部の雄ねじ部７に螺合するように形成されてい
る。

第４図及び第５図に示すように、取付板３表面
に固着するパネル８は角形平面形を有し、四周縁
を折曲げてその主平面に平行な段部９が設けら
れ、又段部９は第２図に示す如く、隣接したパネ
ル８の段部９が互に噛合うように交互に切込みが
形成されている。これは後に修理に当つてパネル
８を隣接パネルに干渉せずに取替え得るようにし
たものである。

平板４の表面位置によつてパネル８の取付高さ
Ｈが決まるので、アンカーボルト１に螺合した取
付板３を回動して調整する。この場合前記アンカ
ーボルト１の軸線が外壁面に沿つて垂直でなく取
付板表面が外壁面に対して平行とならない場合は
適宜工具を用いてアンカーボルト又は取付板を強
制的に修正する。

上記のように形成されたパネル８を取付板の平
板４の表面にタツプビス１０等を用いて固着す
る。平行４の面積を比較的大きくしておくと、ア
ンカーボルト１の軸芯が目地線から若干外れた場
合も数個のタツプビス１０を使用してパネル８を
取付板３に確実に固着することができる。上記の
固着は溶接によつて行なつてもよい。尚、１１は
パネル８の裏面に貼着した断熱材で、目地部には
バツクアツプ材１２を介してシール材１３を充填
する。

第４図は取付板３を目地線の交差点に設けた例
で、第５図は取付板３を上記の交差点以外の位置
に設けた例を示す。通常は取付板を第４図の位置
に設ける。尚前記取付板の雌ねじ６の延長線部に
位置して雄ねじ７の外径より大なる貫通孔を形成
しておくと取付板４の内外方向調整代が大きくな
りより好都合である。実施例に用いた取付板の平
板は円板状であつたが角形板等他の形状としても
よい。

〔考案の効果〕

本考案によれば、取付板を目地線付近の要所だ
けに設けたので、パネル取付用の基礎部材が少な
くかつこれらの部材がコンパクトに形成されてい
るので、既存外壁面と新規外壁面間の距離を小さ
くできるばかりでなく該距離を簡単に調節するこ
とができる。また、パネルを取付板の平板に確実
に固着することができ、更に、個々のパネルの修
理時には隣接パネルに干渉することなく取り替え
が可能である。又部材が少なくなることに起因し
て低価になる等多くの利点を有するものすであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる構造の縦断面図、第２
図は第１図の正面図、第３図は取付板を示す斜視
図、第４図及び第５図は外装パネルと取付板との
関係位置を示す概略図である。 １……アンカーボルト、３……取付板、６……
雌ねじ部、７……雄ねじ部、８……外装パネル、
１０……タツプビス。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 既存外壁に新規の外装パネルを取り付ける建
   物外壁の改装構造であつて、既存外壁面上の予
   定された目地線付近に脚部が埋設されると共に
   頭部に雄ねじ部７が螺切されたアンカーボルト
   １と、上記雄ねじ部に螺合する雌ねじ部６を裏
   面に有する取付板３と、上記取付板の表面に固
   着され、上記パネルの主平面に平行で隣接した
   パネルの段部と互に噛合うように交互に切込み
   が形成された段部を周辺に有し、新規の外壁面
   を形成する外装パネル８とからなる建物外壁の
   改装構造。 ２ 上記外装パネル８がタツプビス１０により上
   記取付板３に固着された実用新案登録請求の範
   囲第１項に記載の建物外壁の改装構造。 ３ 上記外装パネル８が溶接により上記取付板３
   に固着された実用新案登録請求の範囲第１項に
   記載の建物外壁の改装構造。