JPS6244008Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はカーテンウオールに使用するれんがパ
ネルの取付装置に関する。

現今、れんがパネルはその重厚感、装美性及び
耐久性から高層建築のカーテンウオール外壁材と
して多用されるようになつた。このようなれんが
パネルは現場において個々のれんが単体を積上げ
ずに、工場内においてユニツトとなるパネルを形
成しこれを工事現場において取付ける工法を用い
る。

れんがパネルを工場内製造するには、台上に角
形の型枠を置き、その内部に目地枠を配設して該
目地枠内に個々のれんがを配列する。次にれんが
相互間の目地部間隙にモルタルを流し込み、養生
後に型枠及び目地枠を取外すと屋外側表面に引込
み目地が形成されたれんがパネルが完成する。尚
個々のれんがは上下方向に貫通する孔を有し、該
孔内にモルタルを介してたて鉄筋を保持しれんが
パネルの連続性と強度を向上させる。

このように構成したれんがパネルを躯体に取付
ける為にパネルの一部に金具をモルタルで埋め込
む。このような従来の取付け装置にあつてはれん
がパネルと金具との結合強度が充分でなく又れん
が部分が破損し易い。

本考案は上記に鑑みてなされたもので、複数個
のれんがをその内部に上下方向に挿通したたて鉄
筋を介して連結して構成したれんがパネルを建築
物の外側に取付ける装置であつて、上記れんがパ
ネルの少なくとも上下端部に、屋内側に向けて突
出する補強部を形成し、上記たて鉄筋の上下端部
に固着した支持板と、該支持板に夫々一体的に接
続された取付け部材とよりなるれんがパネル取付
用装置を提供するものである。

以下実施例について本考案を説明する。

第１図は上層のれんがパネル１の下端部と下層
のれんがパネル１の上端部との接合部を示す断面
図である。れんが２には上下方向に貫通する複数
の孔３がその成形時に穿設されていて、工場でれ
んがパネル形成時に該孔３にたて鉄筋４を貫通し
て配設し（第３図）、たて鉄筋４の両端部４Ａに
ナツト７を締付けて積重ねたれんが２に対し上下
方向にプレストレスをかける。

本考案では、上記のたて鉄筋４を利用して取付
け部材５をれんがパネル１に固着するもので、ア
ングル状の短切の支持板６の一辺に孔６Ａを穿孔
してこれにＬ形の取付け部材５の螺切部５Ａを貫
通突出させ、取付け部材５の他端を支持板６の他
辺に当接させる。取付け部材５の支持板６に対す
る当接部及び貫通部を夫々溶接して、取付け部材
５と支持板６とを一体的に形成する。この支持板
６を第１図及び第３図に示すように前述したプレ
ストレス用のナツト７を用いて締付ける。次に各
れんが２間、れんがのたて孔３及び取付け部材５
を取付けたれんがパネル端部にモルタル８を充填
してれんがパネル１を完成する。この場合、モル
タル８を充填する部分を屋内側に突設させて補強
部を形成する。尚９はれんが状に形成されたタイ
ル、１０はれんがパネル１の裏面に吹付けた断熱
材である。このようにすると取付け部材５はれん
がパネル１の強度部材であるたて鉄筋４と一体的
に結合するので強固な継手が得られる。

取付け部材５の螺切部５Ａに係止部材１１をね
じ込む。係止部材１１は連結部１２を介し所定の
間隔をあけて対向した一対のフランジ板１３，１
３と少なくとも一方ののフランジ板１３に接続し
た工具当り部１４とを有して一体に形成される。
係止部材１１にはその長手方向中心線に沿つて螺
孔１５が形成されている。尚工具当り部１４は六
角ナツト状に形成すると好都合である。上記の係
止部材１１をれんがパネル製造時に工場において
取付け部材５の螺切部に夫々ねじ込んでおく。

第１図ないし第３図は上記の係止部材１１を支
持する受け部材１６を示す。特に第２図に示すよ
うに本考案の実施例では係止部材１１を支持する
位置を異らしめている。尚図示の上部受け部材１
６は上層れんがパネル１の下部取付け部材５を受
け、下部受け部材１６は下層れんがパネル１の上
部取付け部材５を受け、下部受け部材１６上に上
部受け部材１６を溶接等の手段で固定し、又下部
受け部材１６は躯体１７上にボルト等を用いて固
定する。受け部材１６はアングル状断面形の鋼材
等で形成され、その垂直辺部には上方に開放した
Ｕ字状溝１８を形成する。１９は補強用リブであ
る。

又れんがパネル１の下部支持板６にはアングル
材２０を介して長ナツト２１が固着されていて、
該ナツト２１に螺合したボルト２２の頭部を下部
受け部材１６に当接させることによつてれんがパ
ネル１の高さ及び幅方向の傾きを調節するように
なつている。

れんがパネル１の取付けに当つて、クレーン等
によつて吊下げたれんがパネル１を躯体１７の外
側にもたらし、夫々の係止部材１１の連結部１２
を対応した受け部材１６のＵ字状溝１８に嵌合す
る。次にスパナ等の工具を用いて係止部材１１を
回転させ、パネル１を屋内外方向に前後に移動さ
せて躯体１７に対するれんがパネル１の位置を調
節し、又これと共にボルト２２によつてれんがパ
ネル１の高さ及び幅方向の傾きを調節する。これ
らの調節が終ると係止部材１１は取付け部材５に
対し、又ボルト２２は長ナツト２１に対し夫々溶
接して固定する。

隣接するれんがパネル間にはバツクアツプ材２
３を介して不定形タイト材２４を又その屋内側に
は定形タイト材２５を設けて水密性をよくする。

上記は取付け部材５の躯体１７に対する取付け
を係止部材１１を用いた例で説明したが、躯体に
対して直接ナツト付けしてもよく、又は螺切部５
Ａを設けないで躯体に直接に溶接してもよい。

本考案は上記のように構成し、れんがパネルを
支持すべき取付け部材が、れんがパネルの強度部
材であるたて鉄筋に固着した支持板を介してれん
がパネルと一体的に接続されているので、れんが
パネルを安定的に支持することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す側面図、第２図
は第１図の正面図でれんがパネルを省略して示
し、第３図は第１図の平面図で下部受け部材関係
の部材を省略して示し、第４図は係止部材の断面
図である。 １……れんがパネル、２……れんが単体、４…
…たて鉄筋、５……取付け部材、６……支持板、
６Ａ……孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数個のれんが４をその内部に上下方向に挿通
   したたて鉄筋４を介して連結して構成したれんが
   パネル１を建築物の外側に取付ける装置であつ
   て、上記れんがパネル１の少なくとも上下端部
   に、屋内側に向けて突出する補強部を形成し、上
   記補強部の付近において一辺が上記たて鉄筋４の
   上下端部に固着され他辺に孔６Ａを有するアング
   ル状の支持板６と、一端が該支持板６の上記一辺
   に固着され他端が上記支持板の孔６Ａに貫通状に
   固着されたＬ形棒状の取付け部材５とよりなるれ
   んがパネル取付用装置。