JPH0642295Y2 - カード式乗車券精算装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は路線バスのような車両に設けられ、使用可能
金額の情報を記憶したカード式乗車券いわゆるキャッシ
ュレス乗車券に対する乗車賃の精算を行うカード式乗車
券精算装置に関する。

「従来の技術」 従来、鉄道やバスのカード式乗車券は、所定金額の価値
が磁気記録等で記憶され、利用毎に当該利用金額がその
記憶金額から差引かれるように構成されている。

カード式乗車券精算装置においては、第９図に示すよう
に、乗車口近傍に設置されたカード処理装置５と、降車
口近傍に設置されたカード処理装置７とを必要とする。
この例ではカード処理装置５は整理券発行器６に一体に
組込まれ、カード処理装置７は運賃箱８に一体に組込ま
れている。そしてカード式乗車券を利用する乗客（以下
カード乗客と記す）は、乗車の時にはカード式乗車券１
をカード処理装置５に挿入する。従来においてはこの時
カード式乗車券１には乗車運賃区間が磁気記録される。
降車の時にはカード式乗車券１をカード処理装置７に挿
入する。カード処理装置７は乗車の時に記録された情報
から運賃を判断し、残り金額の情報に書き替える。この
時の精算金額はデジタル運賃表示器３によって、あらか
じめ車内に表示されている。これらの詳細については、
特願昭60-124944にて記載されている。

「考案が解決しようとする課題」 しかしながら従来の装置では、特別なカード処理装置が
乗車口と降車口とのそれぞれに必要とするため、都市型
交通の乗車口が広い路線バスには経済的負担が大きくな
った。つまり乗客輸送量が多い地区では、乗車時の停車
時間を短くするために、乗車口を広くし、整理券61の受
取を早くするために、第９図に示すように２台の整理券
発行器6,6′を搭載している。したがってこの様な車で
は、カード処理装置も２台（5,5′）になるのは当然で
あった。

したがってバス一車両に３台のカード処理装置が使用さ
れることになり、装置の価格が高くなるため普及を阻害
する要因となっていた。

この考案は上記問題点を一掃解決するための、安価で信
頼性が高く、特に乗車時の迅速な処理を可能とするカー
ド式乗車券精算装置を提案するものである。

「課題を解決するための手段」 この考案によれば乗車口側に設けるカード処理装置を安
価で、かつ迅速な処理を可能とするため、情報の書替機
能がない読取り用カード処理装置とする。すなわち乗車
口側のカード処理装置は、情報の読取し専用のものとす
る。さらに、運賃精算の信頼性を高めるべく、精算に必
要な情報を２つの記憶手段にそれぞれ記憶しておくもの
である。

あらかじめ販売されるカード式乗車券には、そのカード
式乗車券の固有番号を記録しておき、乗車口カード処理
装置ではそのカード式乗車券の固有番号を読取る。読取
られた固有番号は中央処理装置から受信した現運賃区間
を示すコードと組とされて乗車口カード処理装置の制御
部のメモリに記憶される。同時にその読取った固有番号
は中央処理装置に送信され、現運賃区間と組とされて中
央処理装置のメモリにも記憶される。そして降車時にお
いて降車口カード処理装置にカード式乗車券が通された
時に読取られた固有番号および使用可能金額が中央処理
装置に送信され、中央処理装置はその送信された固有番
号からメモリの記憶を参照してそのカード式乗車券の乗
車運賃区間を判定し、その判定した乗車運賃区間と現運
賃区間の情報から運賃を算出してその運賃を降車口カー
ド処理装置から送信された使用可能金額から差し引く。
その差し引かれた使用可能金額は降車口カード処理装置
へ送信され、降車口カード処理装置はその送信された使
用可能金額にカード式乗車券の情報を書替える。

そして、請求項１に記載された考案では、運転中の電源
断やノイズ等の異常により中央処理装置のメモリが記憶
している固有番号、乗車運賃区間の情報が消去したり破
壊され、降車口カード処理装置から送信された固有番号
から乗車運賃区間を判定することができない場合、乗車
口カード処理装置のメモリ情報を参照してそのカード式
乗車券の乗車運賃区間を判定する。

このように請求項１の考案では、中央処理装置のメモリ
データが異常を起こした場合、乗車口カード処理装置の
メモリデータを照合するのでカード式乗車券精算装置の
信頼性を上げることが可能となる。

請求項２に記載された考案では、中央処理装置のメモリ
に記憶されているカード式乗車券の固有番号、乗車運賃
区間の情報は、例えばバスのドアの開閉制御ごとに、正
常か否かチェックされる。チェック結果が異常の場合
は、その異常記憶内容を乗車口カード処理装置のメモリ
の対応する記憶内容に書替える。この場合も、中央処理
装置のメモリデータが異常を起こした場合、乗車口カー
ド処理装置のメモリデータによって異常が修復されるの
で、カード式乗車券精算装置の信頼性を上げることが可
能となる。

なお、上述した構成においては精算のための情報として
運賃区間を用いているが、運賃区間に替えて停留所番号
（コードを含む）を用いるものとしてもよい。

「実施例」 全体の構成及び動作 以下この考案のカード式乗車券精算装置（以下精算装置
という）の実施例を図面を使用して詳細に説明する。こ
の実施例では多くの機能を設けてあるが、必要に応じて
省略又は変更できるものも多く含んでいる。このことは
後の説明で明らかにする。

この考案の実施例の全体の構成を第１図に示す。この精
算装置に用いるカード式乗車券１は、例えばバスのター
ミナル、地下鉄等との乗継駅などに設置されるキャッシ
ュレス乗車券販売器（以下販売器と称する）２によって
発行販売される。カード式乗車券１は地下鉄などとの乗
継ぎを可能にするものとするのであれば、形状、カード
の種別、カードに記憶させる情報の記録手段ならびにデ
ータ様式等を乗継ぎ可能交通機関において統一化するこ
とが必要である。

カード式乗車券１は各種情報を記録し、またその記録を
読出すことができるもので、例えば磁気カードが用いら
れる。即ちカード式乗車券１には例えば磁気ストライプ
101が方形カードの長手方向と平行に設けられ、この磁
気ストライプ101上に金額情報と共にカード式乗車券１
の固有番号が記憶してある。販売器２は乗客があらかじ
め設定された現金206を貨幣挿入口201に挿入し、その後
希望する金額を金額押しボタン群204のボタンを選択的
に押すことによって、購入金額に相当するカード式乗車
券１がカード取出口203に発行される。乗車券販売器２
の表示器202は挿入した貨幣の金額を表示するものであ
り、販売器２内の制御器205は乗車券発行のための機械
部並びに電気部の制御を行い、カード式乗車券１の磁気
ストライプ101に購入金額、券の有効期間、カード種別
（大人，小人等）等の諸データとともにカード式乗車券
１の固有番号（発行機械番号、発行連続番号等）を示す
データを記録する。なおこの考案は発行されたカード式
乗車券１を用いるが、その発行のための構成に特徴があ
るものではないから、乗車券販売器２の具体的構成につ
いての説明は省略する。

この考案の主たる構成であるバス４側に搭載するカード
処理に必要な機器のみを取り出して説明すれば、バス４
の乗車口500および降車口700の乗客用の通路近くに読取
り用乗車口カード処理装置５、精算用降車口カード処理
装置７がそれぞれ設けられ、それらカード処理装置5,7
の総合管理を行う中央処理装置80および運転士が操作す
る入力操作部９が例えば運転席近くに設けられる。

乗車口カード処理装置５には乗車券通路501が形成さ
れ、カード式乗車券１をその通路501の入口502から出口
503に通過させることにより、カード式乗車券１の記録
情報の読取りを行う。カード式乗車券１の送りを乗客自
身が手動で行う形式と、カード式乗車券１を入口502に
挿入するとモータ504が起動され、モータ504によってカ
ード搬送機構505が駆動され、自動的にカード式乗車券
１が出口503に移動される形式とが考えられるが、この
説明では後者で行うものとする。

乗車口での処理 カード式乗車券１が入口502に挿入されると、カード挿
入検出器506が検出し、（第２図ＡのステップS₁）、制
御部510が動作を開始し、制御部510はモータ504を起動
し（ステップS₂）、挿入されたカード式乗車券１を搬送
する。そのカード式乗車券１はその搬送途中で読取ヘッ
ド507にて、この例では使用可能金額、有効期間、カー
ド式乗車券固有番号等の諸データが読出され、その読出
されたデータが有効であると判断すれば（ステップ
S₄）、そのままカード式乗車券１は搬送される。もしそ
の読出されたデータから使用可能金額がない場合、有効
期間が外れている場合等有効でないと判断されると、モ
ータ504に対し逆転指令が出され（ステップS₅）、カー
ド式乗車券１は返却される。この時、表示器511および
スピーカ512によって乗客にその内容を知らせることも
行われる（ステップS₆）。

その読み出されたデータの内、カード式乗車券１の固有
番号が現運賃区間の情報と組とされてメモリ513に記憶
される。現運賃区間は中央処理装置80から与えられる。
それと同時に読取った固有番号は中央処理装置80に転送
される。中央処理装置80では送信された固有番号が現運
賃区間と組とされてデータ記録メモリ807に記憶され
る。

有効と判定されたカード式乗車券１は出口503に送ら
れ、モータ504は停止され、カード式乗車券１に記憶さ
れている使用可能金額が表示され（ステップS₇）、そし
て乗客の手にカード式乗車券１は渡る。

降車口での処理 降車口700側に設置する降車口カード処理装置７の電気
的ならびに機械的構成は、乗車口カード処理装置５に、
書込ヘッド708とデータの書替えが正常に行われたかを
チェックする読取りヘッド709とが付加されたものにな
る。降車口カード処理装置７および中央処理装置80での
カード式乗車券１の処理は第２図Ｂに示すように、降車
時点でカード式乗車券１が降車口カード処理装置７に挿
入され、これが検出されると（ステップS₈）、モータが
起動され（ステップS₉）、カード式乗車券１の固有番号
および使用可能金額が読取られ（ステップS₁₀）、それ
らが中央処理装置80に送信され、中央処理装置80では送
信された固有番号からデータ記録メモリ807の記憶を参
照してそのカード式乗車券１の乗車運賃区間を判定し
（ステップS₁₁）、その判定した乗車運賃区間と現運賃
区間の情報から運賃を算出し、その算出された運賃を降
車口カード処理装置７から送信された使用可能金額から
差し引いて精算が行われ（ステップS₁₂）、その差し引
かれた使用可能金額のデータが降車口カード処理装置７
へ送信され、降車口カード処理装置７の書込みヘッド70
8によりその送信された使用可能金額がカード式乗車券
１に書込まれる（ステップS₁₃）。降車の際も乗客に対
しては残高金額等を表示器711によって知らせ（ステッ
プS₁₄）、これにより乗客は常にそのカード式乗車券１
の使用可能金額を知ることができ、使用可能金額がなく
なるまで何回も使用することができる。カード式乗車券
１が降車口カード処理装置７の出口703へ送られるとモ
ータ704は停止される。

なおステップS₁₂での運賃精算は第２図Ｃに示すよう
に、固有番号で判定された乗車運賃区間と現運賃区間と
より運賃データ表から運賃Prが読取られ（ステップ
S₁₅）、読取られた乗継コードから乗継ぎか否か判定さ
れ（ステップS₁₆）、乗継ぎと判定されるとPrに対する
割引き演算が行われ、運賃がPr′とされ（ステップ
S₁₇）、このPr′又はPrを降車口カード処理装置７から
送信された使用可能金額Ｐから減算する（ステップ
S₁₂）。

中央処理装置及び入力操作部 次に第１図における中央処理装置80と入力操作部９の構
成、作用を説明する。中央処理装置80はカード処理装置
5,7のそれぞれを管理するものであり、カード処理装置
5,7と必要データの送受信を行うためのインターフェー
スユニット（以下I/Oと称する）801,802と、有効期間、
乗継時刻等の管理を行うための補助機能となる時計回路
803と、入力操作部９とのデータ送受用I/O804と、運行
系統、停留所データ等を記憶した運行メモリ805と、運
行精算に必要な運賃メモリ806と、乗車運賃区間ごとに
カード式乗車券１の固有番号を分類記憶し、また必要に
応じて乗客の利用区間、路線収入、運行時間等の乗降デ
ータを記憶するためのデータ記憶メモリ807と、データ
記憶メモリ807内の乗降データを外部から取出す出力端
子、かつ運行メモリ805、運賃メモリ806の情報書替えの
ためのデータ入力用端子とするデータ入出力用I/O808
と、前記した各構成部を制御するマイクロコンピュータ
809とがデータバス810にて互に接続されて構成されてい
る。

入力操作部９は運行系統を支持するための系統スイッチ
901と、運行開始時にそのことを中央処理装置80にセッ
トするための起動スイッチ902と、停留所に停車した
（到着した）ことを知るためのドア開信号904の入力部
と、停留所を判定するための距離信号あるいは運転者の
操作による停留所信号905の入力部と、主としてカード
処理装置5,7の動作を監視するモニタ903などで構成され
る。

バスの運行に際しては、運転者はこれから走るべき路線
の系統番号を系統スイッチ901で設定し、始発駅にて起
動スイッチ902を押す、これによりI/O804を介してマイ
クロコンピュータ809には運行系統が指示されるため、
マイクロコンピュータ809は運行メモリ805および運賃メ
モリ806よりその系統の運行データと必要な諸データと
を読出し、マイクロコンピュータ809内に持つ一次記憶
メモリのRAMに記憶し、必要に応じて諸データの読出し
ができる状態を作る。

カード式乗車券１の精算処理に必要とするデータは、デ
ータ記録メモリ807に記憶されている。カード式乗車券
１が降車口カード処理装置７に挿入され、その記録情報
が読み出され、中央処理装置80に送信される。中央処理
装置80は、データ記録メモリ807に記憶されたカード式
乗車券１の固有番号と送信された固有番号とを照合し、
一致する番号があればそのカード式乗車券１の乗車運賃
区間と現運賃区間とにより運賃の算出を行う。もし一致
する固有番号が無い場合は、電源異常等でデータが消去
または破壊されたものと見なし、乗車口カード処理装置
５のメモリ513の固有番号と照合する。一致する固有番
号があれば、そのカード式乗車券１の乗車運賃区間デー
タを使って運賃の算出を行う。

カード処理装置5,7は中央処理装置80より伝送されるカ
ード式乗車券１の有効判定および運賃精算に必要な各情
報のデータを制御部510,710の記憶用メモリ（RAM）に記
憶し、そしてカード式乗車券１が挿入されるたびに制御
部510,710はそれぞれ予め決められた演算処理を行う。
また読取りによって判る乗客の乗車運賃区間、降車運賃
区間、大人、小人の種別等のデータをデータ記録メモリ
807に保存しておくことができる。その記録データは特
別に用意したデータ収集器によりデータ入出力用I/O808
を通じて人為的に集められるが、その収集を無線機等に
て遠隔操作することもできる。

次に各部の詳細を図面により補足説明する。

カード式乗車券 第３図は磁気カードによるカード式乗車券１のデータフ
ォーマット例を示す。その磁気ストライプ101には第３
図Ａに示すように記録情報の始めを示す「STX」、「会
社コード（交通機関企業体コード）」、「乗車券固有番
号」、「有効期間」、「券金額」、「券種」、「系
統」、「降車地」、「乗継ぎ」、「使用時刻」、記録情
報の終りを示す「ETX」がその順に書込まれており、カ
ード処理装置内でのカード式乗車券１の移動により「ST
X」から順次その記録が読出しされる。

書込みデータの例を第１図中のカード式乗車券１の流れ
b,c,dに対応して第３図B,Cに表わす。購入されたカード
式乗車券１は第３図Ｂに示すように￥3000であることが
券金額欄に記録さてあり、また券種の欄には大人用の券
であることが記録されてある。乗車してそのカード式乗
車券１を乗車口カード処理装置５を通過させた状態では
そのカード式乗車券１の内容は第３図Ｂと同じで変化し
ない。

乗客が降車地で降車口カード処理装置７にカード式処乗
車券１を通した状態（第１図中の流れｄ）では、そのカ
ード式乗車券１は第３図Ｃに示すように例えばその降車
地の停留所コード015が降車地欄に、その時の降車時刻1
3:00が使用時刻欄に、更にコード002の乗車停留所から
コード015の停留所まで（第５図参照）の運賃￥140（第
７図の運賃メモリ参照）を、乗車時の券金額￥3000から
差引いて精算された金額￥2860が券金額の欄にそれぞれ
記録されたものとなる。

系統、降車地、使用時刻のデータは、乗継割引の有効性
判断に必要となる。

カード処理装置 第４図は降車口カード処理装置７の内部構成例をさらに
詳細に示したものである。制御部710はマイクロコンピ
ュータで構成された例であり、マイクロプロセッサ（CP
U）7101、制御の手順がプログラムとして記憶されてい
るプログラムメモリ（ROM）7102、さらに各種処理に必
要なデータの読書き、記録データの一時記憶等を行うた
めの読書き可能なメモリ（RAM）7103、中央処理装置80
との信号入出力のためのインタフェース用入出力ポート
7104、カード搬送機構駆動用モータ704に対する動作指
令出力のためのインタフェース用入出力ポート7105、読
取り磁気ヘッド707,709の読取りデータを取込むための
インタフェース用入出力ポート7106,7107、書込み磁気
ヘッド708に書込みデータを送出するためのインタフェ
ース用入出力ポート7108、カード挿入検出器706の検出
出力を取込むためのインタフェース用入出力ポート710
9、表示器711へ表示データを送出するためのインタフェ
ース用入出力ポート7110、音声合成回路7112、その合成
音声信号をスピーカ712へ出力するためのインタフェー
ス用入出力ポート7111で構成されてある。読取り及び書
込み用の磁気ヘッドに対する入出力ポート7106〜7108は
増幅器、周波数変調、復調回路等が組込まれている。

この降車口カード処理装置７に対して乗車口カード処理
装置５は、書込磁気ヘッド708、I/O7108、読取磁気ヘッ
ド709、I/O7107を省いたものとすることができる。

運行路線 第５図は運行路線の例を示し、バス系統110とバス系統1
20とが乗継ぎ停留所1aで交差し、バス系統120とバス系
統130とが乗継ぎ停留所1bで交差し、バス系統130の起終
点101は地下鉄系統140との乗継ぎ停留所1cとなってい
る。各系統の丸印は停留所を示し、その３桁の数字はこ
の停留所のコードを示し、01,02…は停留所間の運賃区
間を示す。

運行メモリデータ 第６図は運行メモリ805の記憶データ例を示す。運行メ
モリ805は各運行系統の停留所コードの順序とその運賃
区間が記憶され、またその停留所に乗継ぎ系統があれば
そのデータなどを記憶している。

運賃メモリデータ 第７図は運賃メモリ806の記憶データ例として120系統の
運賃表（大人）を示す。例えばコード002の停留所で乗
り、コード015の停留所で降りた人は運賃が140円であ
る。

データ記録メモリ 第８図Ａはメモリ513およびデータ記録メモリ807の記録
データの例を示す。同図Ａは運賃精算に必要となるカー
ド式乗車券１の固有番号、乗車運賃区間のデータであ
る。

なお、チェックデータ欄はデータ記憶メモリ807におい
てその記憶内容が正常か否かをチェックする構成とした
際にデータ記録メモリ807に設けられるものである。す
なわち、ドアーの開閉制御ごとに記憶内容が正常か否か
チェックデータを検索し、フォーマットが合っているか
を判定する。フォーマットに異常がある場合は、乗車口
カード処理装置５のメモリ513の対応するデータをデー
タ記録メモリ807に転送し、異常記憶内容をそれに書替
える。チェックデータは、コンピュータ等で一般的に使
われるパリティチェックでも良いし、カード式乗車券１
の固有番号、乗車運賃区間を加算したデータでも良い。

第８図Ｂはメモリ容量を少なくする為に、運行終了後に
データを編集し、系統別の乗車−降車間の利用人数デー
タにした例である。

なお、メモリ容量が少なくてすむように、メモリ513お
よびデータ記録メモリ807に記憶されたカード式乗車券
１の固有番号、運賃区間の情報を運行の終了操作による
入力手段で消去するようにしてもよい。

変形例 上述では制御部510,710で各種演算、判断などを行った
が、中央処理装置80の処理能力が大きければ、制御部51
0,710は中央処理装置80とのデータの送受のみを行い、
すべての処理を中央処理装置80で行ってもよい。

また、降車口カード処理装置７の制御部710に中央処理
装置80を含ませてもよい。この場合には車内における精
算装置の占めるスペースを削減することができる。

乗車口での有効性の判定は期間内券であるかと、残額が
あるか否かとだけでもよい。降車口での処理において料
金不足が生じると、その不足分は現金で支払うようにし
てもよいし、あるいは金額が残っている他のカード式乗
車券で精算するようにしてもよい。またそのカード式乗
車券による最後の１回の乗車に限り、不足分を免除する
ようにしてもよい。

カード式乗車券１の固有番号としては、発行日、連続す
る番号の他にカードの使用可能金額、前乗車で使用した
車両番号、系統、降車停留所番号等の情報を適当に組合
わせてもよい。

乗継ぎを確実に判定するには使用時刻のみならず使用し
た日も記録した方がよく、また簡単にするには使用した
日だけを記録してもよい。乗継ぎがない系統のみに用い
られる場合は、使用日時、降車地、系統の記録は必要と
しない。乗継ぎが２系統間でのみ行われる場合は系統の
記録をしなくてもよい。

カード式乗車券１の有効性の報知は視覚的報知と聴覚的
報知との一方又は両方でもよく、視覚的表示は単に有効
か無効かを表示するだけ、又は使用可能金額を表示する
ことにより有効か無効かを表示してもよい。降車口カー
ド処理装置７では必ずしも使用可能金額の表示を行わな
くてもよく、代わりに差し引くべき乗車運賃を表示して
もよい。有効性報知は有効でない場合のみ報知し、有効
な場合はなにも出さないことによりその有効性を報知す
るものでよい。書き込み誤りが数回に及んだ場合、カー
ド式乗車券１を挿入口に戻して警報を発するようにして
もよい。カード式乗車券１としては磁気カードに限らず
半導体メモリを用いたICカードでもよい。

なお、精算のための情報として、上述した運賃区間に替
えて停留所番号を用いる構成とすることもできる。

「考案の効果」 この考案のカード式乗車券精算装置によれば、電源異常
等で、降車時のカード式乗車券の精算に必要な中央処理
装置のデータ記録メモリに記憶された固有番号、乗車運
賃区間の情報が消去または破壊された場合、請求項１の
構成では、乗車口カード処理装置のメモリに記憶された
情報を参照することにより、カード式乗車券の精算が可
能となり、また請求項２の構成では、車のドアの開閉制
御ごとに、中央処理装置のデータ記憶メモリの記憶内容
が正常か否かをチェックし、そのチェック結果が異常の
場合はその異常記憶内容を乗車口カード処理装置のメモ
リの対応する記憶内容に書替えておくことにより、カー
ド式乗車券の精算が可能となり、いずれにおいてもシス
テムの信頼性が上がる。また精算不能によるカード式乗
車券の利用者と乗務員のトラブルも減少する効果があ
る。

この考案のカード式乗車券精算装置によれば、車両内の
乗車口、降車口に小型で簡易型のカード処理装置を設
け、これらに対し乗客は単にカード式乗車券の挿入動作
をすれば、そのカード式乗車券に対し運賃の精算処理が
行われるため、その処理に対して運転者に特別の操作を
必要としない。また乗客は乗車のたびの乗車券の購入が
必要でなく、余分なわずらわしさから解放されるなどの
効果がある。

更に乗車口のカード処理装置は読取り手段のみでよいた
め、書替えのための機構、電気回路を省くことができ、
全体の装置を安価にすることができる。また書替えの回
数も半分になるため、書替えによるデータ破壊の誤りも
減り、それだけ装置の信頼性をより向上できる。さら
に、乗車時のカード式乗車券の処理を迅速に行うことが
できるため、乗車時の停車時間を短くすることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案によるカード式乗車券精算装置の一例
を示すブロック図、第２図はその各部の動作の例を示す
流れ図、第３図はカード式乗車券の記憶例を示す図、第
４図は降車口カード処理装置の具体例を示すブロック
図、第５図は路線系統、停留所コード、運賃区間コード
の例を示す図、第６図は運行メモリの記憶例を示す図、
第７図は運賃メモリの記憶例を示す図、第８図はデータ
記録メモリの記憶例を示す図、第９図は従来のカード式
乗車券精算装置を示す見取り図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｇ０７Ｂ 15/00 Ｊ 8111−3Ｅ

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車内に設けられ、固有番号と使用可能金額
   の情報を記憶したカード式乗車券を精算するカード式乗
   車券精算装置において、 乗車口の近傍に設けられ、上記カード式乗車券の固有番
   号を読取る第１読取り手段と、その読取った固有番号を
   中央処理装置に送信する手段と、上記中央処理装置から
   現運賃区間又は現停留所番号を受信する手段と、上記読
   取った固有番号と上記受信した運賃区間又は停留所番号
   とを組として記憶する第１記憶手段とを有する読取り用
   乗車口カード処理装置と、 降車口の近傍に設けられ、上記カード式乗車券の固有番
   号および使用可能金額を読取る第２読取り手段と、上記
   中央処理装置から送信された使用可能金額を上記カード
   式乗車券に書込む手段と、上記中央処理装置へ上記第２
   読取り手段で読取った固有番号および使用可能金額を送
   信する手段とを有する精算用降車口カード処理装置と、 上記読取り用乗車口カード処理装置から送信された固有
   番号と現運賃区間又は現停留所番号とを組として記憶す
   る第２記憶手段と、上記精算用降車口カード処理装置か
   ら送信された固有番号から上記第２記憶手段の記憶を参
   照してそのカード式乗車券の乗車運賃区間又は乗車停留
   所番号を判定する手段と、その判定した乗車運賃区間又
   は乗車停留所番号と現運賃区間又は現停留所番号の情報
   から運賃を算出する手段と、その算出された運賃を上記
   精算用降車口カード処理装置から送信された使用可能金
   額から差し引く精算手段と、その差し引かれた使用可能
   金額を上記精算用降車口カード処理装置へ送信する手段
   と、上記乗車運賃区間又は乗車停留所番号を判定するこ
   とができない場合、上記読取り用乗車口カード処理装置
   の第１記憶手段を参照してそのカード式乗車券の乗車運
   賃区間又は乗車停留所番号を判定する手段とを有する上
   記中央処理装置と、 よりなるカード式乗車券精算装置。
2. 【請求項２】車内に設けられ、固有番号と使用可能金額
   の情報を記憶したカード式乗車券を精算するカード式乗
   車券精算装置において、 乗車口の近傍に設けられ、上記カード式乗車券の固有番
   号を読取る第１読取り手段と、その読取った固有番号を
   中央処理装置に送信する手段と、上記中央処理装置から
   現運賃区間又は現停留所番号を受信する手段と、上記読
   取った固有番号と上記受信した運賃区間又は停留所番号
   とを組として記憶する第１記憶手段とを有する読取り用
   乗車口カード処理装置と、 降車口の近傍に設けられ、上記カード式乗車券の固有番
   号および使用可能金額を読取る第２読取り手段と、上記
   中央処理装置から送信された使用可能金額を上記カード
   式乗車券に書込む手段と、上記中央処理装置へ上記第２
   読取り手段で読取った固有番号および使用可能金額を送
   信する手段とを有する精算用降車口カード処理装置と、 上記読取り用乗車口カード処理装置から送信された固有
   番号と現運賃区間又は現停留所番号とを組として記憶す
   る第２記憶手段と、上記車のドアの開閉制御ごとに、上
   記第２記憶手段の記憶内容が正常か否かをチェックする
   手段と、そのチェック結果が異常の場合はその異常記憶
   内容を上記第１記憶手段の対応する記憶内容に書替える
   手段と、上記精算用降車口カード処理装置から送信され
   た固有番号から上記第２記憶手段の記憶を参照してその
   カード式乗車券の乗車運賃区間又は乗車停留所番号を判
   定する手段と、その判定した乗車運賃区間又は乗車停留
   所番号と現運賃区間又は現停留所番号の情報から運賃を
   算出する手段と、その算出された運賃を上記精算用降車
   口カード処理装置から送信された使用可能金額から差し
   引く精算手段と、その差し引かれた使用可能金額を上記
   精算用降車口カード処理装置へ送信する手段とを有する
   上記中央処理装置と、 よりなるカード式乗車券精算装置。
3. 【請求項３】上記中央処理装置を上記精算用降車口カー
   ド処理装置に内蔵させたことを特徴とする請求項１又は
   ２記載のカード式乗車券精算装置。
4. 【請求項４】上記第1,第２記憶手段に記憶されたカード
   式乗車券の固有番号、運賃区間又は停留所番号の情報
   を、運行の終了操作による入力手段で消去するようにし
   た請求項1,2又は３記載のカード式乗車券精算装置。