JPH0630927U - 磁気記録再生装置のブレーキ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 リールハブのブレーキ装置を構成するブレー
キオフプレートのスライド操作を機械的に行うよう構成
してなるディジタルオーディオ・テープレコーダ等の磁
気記録再生装置のブレーキ装置を得るにある。 【構成】 ブレーキオフプレートのスライドによりブレ
ーキアームを介してリールハブにブレーキ操作を行うテ
ープレコーダのブレーキ装置であって、上記ブレーキオ
フプレート１８を、ブレーキ制御カム４に対して同方向
にスライドできるように装着し、このブレーキオフプレ
ート１８の一端側に形成した窓部１８ｅに、支点３３を
中心に揺動自在なラッチアーム３０の一端側の作動ピン
３１を係合させると共に、この作動ピン３１の反対側に
設けたストッパピン３２を、支点３４を中心に揺動自在
なサブラッチアーム３５の先端部に係合させ、上記サブ
ラッチアーム３５の支点３４を挟んで反対側に、前記ブ
レーキ制御カム４のカム面４ｃに係合するロックピン３
６を固設したことを特徴とするものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ディジタルオーディオ・テープレコーダ（以下ＤＡＴと略称する） やビデオテープレコーダ（ＶＴＲ）等の磁気記録再生装置のブレーキ装置に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種例えばＤＡＴには、ＤＡＴカセットを機器本体に装着した際のテ ープローディング、テープの早送りや巻き戻し、あるいは高速サーチ時に、テー プの弛みによる作動不良を防止するために、ＤＡＴカセットの供給側リール及び 巻取り側リールを駆動するリールハブにブレーキ装置が設けられている。

【０００３】 以下、この種ＤＡＴのブレーキ装置を図４ないし図６に示した概略構成図に基 づいて説明する。まず、図において、１はＤＡＴカセットの供給側リールハブ、 ２は巻取り側リールハブ、３は電動モータ、４はブレーキ制御カム、５はソレノ イドを示している。また、６はＤＡＴカセットの供給側リールハブ１の外周面を 押圧するブレーキパッド６ａを備えたブレーキアーム、７は巻取り側リールハブ ２の外周面を押圧するブレーキパッド７ａを備えたブレーキアームであり、それ ぞれ支点８、９を介して揺動自在に装着されると共に、上記ブレーキアーム６、 ７はブレーキスプリング１０により常時ブレーキ状態に付勢されるようになって いる。

【０００４】 上記ブレーキ制御カム４には、フレーム上のカムガイド１１に係合する長穴４ ａが形成されており、電動モータ３による回転力がウォーム１２、ウォームギヤ １３、減速ギヤ１４、１５、及びアームギヤ１６に伝達され、このアームギヤ１ ６のアーム部に設けられたピン１６ａがブレーキ制御カム４の端部に形成した凹 溝４ｂに係合し、ブレーキ制御カム４を矢印ａ、または、ｂ方向にスライドでき るようになっている。また、１７はＤＡＴカセットのロード時、またはアンロー ド時にブレーキアーム６及び７を一時退却させてブレーキを解除するプロテクタ である。

【０００５】 一方、１８はブレーキ制御カム４に対して同方向にスライドするように装着さ れているブレーキオフプレートである。すなわち、このブレーキオフプレート１ ８に形成された長穴１８ａ、１８ｂがそれぞれブレーキアーム６、７の支点８、 ９に係合してスライドできるようになっていると共に、ブレーキオフプレート１ ８の所定位置に設けられた突起部１８ｃ、１８ｄがそれぞれブレーキアーム６、 ７のピン６ｂ、７ｂに係合している。また、ブレーキオフプレート１８の一端側 には所定の形状を有する窓部１８ｅが形成されており、この窓部１８ｅには、ラ ッチアーム２０の一端側に固設した作動ピン２１が係合している。

【０００６】 上記ラッチアーム２０は、支点２３により揺動自在に枢着されており、支点２ ３を挟んで作動ピンの反対側には、ソレノイド５の磁力によって接離される吸着 板２２が設置されていると共に、上記ラッチアーム２０の支点２３に装着した捩 りバネ２４を介して作動ピン２１をブレーキオフプレート１８の窓部１８ｅの片 側に付勢するようになっている。

【０００７】 このように構成された従来構造のブレーキ装置では、ソレノイド５を使用する ことによりＤＡＴカセットの供給側リールハブ１及び巻取り側リールハブ２のブ レーキを作動したり、解除したりするものであり、ソレノイド５を減磁すること によりブレーキの保持力を弱めて、ブレーキを作動させるものである。

【０００８】 すなわち、図４において、ＤＡＴカセットを装着すると、電動モータ３により ブレーキ制御カム４を矢印ａ方向にスライドさせると共に、ブレーキオフプレー ト１８を同方向にスライドさせてブレーキアーム６、７をブレーキスプリング１ ０に抗して押し開き、ブレーキを解除する。このとき、ラッチアーム２０も捩り バネ２４により図の反時計方向に回動させて吸着板２２をソレノイド５に吸着さ せる。

【０００９】 次に、図５に示すように、ブレーキ制御カム４を矢印ｂ方向に戻すと、ブレー キオフプレート１８がそのまま残され、ブレーキは解除された状態が保持される ので、ＤＡＴカセットのモード選択に応じた再生（ＰＬＡＹ）、 早送り（ＦＦ ）／ 巻き戻し（ＲＥＷ） 等の操作を行うことができる。また、図６に示すよ うに、ソレノイド５を減磁してラッチアーム２０の吸着板２２を引き離すと、ラ ッチアーム２０が時計方向に回動して、ブレーキオフプレート１８を図の右方向 に移動させるので、ブレーキアーム６、７がブレーキスプリング１０により引き 寄せられてリールハブ１及び２にブレーキが作動する。

【００１０】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上述した従来構造のブレーキ装置では、ブレーキオフプレート をスライドさせるのにソレノイドや回路部品を必要とするのでコスト高になって いると共に、ソレノイドの磁石部に鉄粉や埃が吸着され易く、このために接触不 良や作動不良を起こしたり、あるいは誤動作を起こし易い等、耐久性の点でも問 題があった。

【００１１】 本考案の目的は、上記従来構造の課題を解決するためになされたもので、リー ルハブのブレーキ装置を構成するブレーキオフプレートのスライド操作を機械的 に行うよう構成してなるディジタルオーディオ・テープレコーダ等の磁気記録再 生装置のブレーキ装置を得るにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】

このような目的を達成するために、本考案は、ブレーキオフプレートのスライ ドによりブレーキアームを介してリールハブにブレーキ操作を行うテープレコー ダのブレーキ装置であって、上記ブレーキオフプレートを、ブレーキ制御カムに 対して同方向にスライドできるように装着し、このブレーキオフプレートの一端 側に形成した窓部に、支点を中心に揺動自在なラッチアームの一端側の作動ピン を係合させると共に、この作動ピンの反対側に設けたストッパピンを、支点を中 心に揺動自在なサブラッチアームの先端部に係合させ、上記サブラッチアームの 支点を挟んで反対側に、前記ブレーキ制御カムのカム面に係合するロックピンを 固設したことを特徴とするものである。

【００１３】

【作用】

このように本考案によるディジタルオーディオ・テープレコーダ等の磁気記録 再生装置のブレーキ装置は、リールハブのブレーキ装置を構成するブレーキオフ プレートのスライド操作を機械的に行うよう構成したことにより、ブレーキオフ プレートのスライド操作に連動するラッチアーム及びサブラッチアームを介して リールハブのブレーキ状態及びブレーキ解除状態を保持することができる

【００１４】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

【００１５】 図１は本考案によるブレーキ装置の実施例を示す要部の上面図であり、図にお いて従来のブレーキ構造と対応する同一部品には同じ符号を付して説明を省略す るする。まず、ブレーキ制御カム４は、電動モータ３の回転によりアームギヤ１ ６を介して矢印ａ、またはｂ方向にスライドできるようになっている。また、上 記ブレーキ制御カム４の反対側端部で、ＤＡＴカセットが装着される側には、外 側に傾斜したカム面４ｃが形成されている。

【００１６】 上記ブレーキオフプレート１８は、ブレーキ制御カム４に対してスライドでき るように装着されており、このブレーキオフプレート１８の一端側には所定の形 状を有する窓部１８ｅが形成されており、この窓部１８ｅには、支点３３により 揺動自在に枢着されたラッチアーム３０の一端側の作動ピン３１が係合している 。そして、このラッチアーム３０の支点３３を中心にして作動ピン３１の反対側 には、支点３４により揺動自在に枢着されたサブラッチアーム３５に係合するス トッパーピン３２が固設されている。

【００１７】 上記サブラッチアーム３５は支点３４を中心にして一端側３５ａがロックスプ リング３７により図示の時計方向に付勢されており、支点３４の反対側の所定位 置には、前記ブレーキ制御カム４のカム面４ｃに係合するロックピン３６が固設 されている。

【００１８】 次いで、このように構成された本考案の実施例によるブレーキ装置の動作を説 明する。まず、図１において、ＤＡＴカセットが挿入されると電動モータ３が回 転してテープが引き出されると共に、ブレーキ制御カム４を矢印ａ方向にスライ ドさせ、ブレーキオフプレート１８を同方向に押し出してブレーキアーム６、７ をブレーキスプリング１０に抗して押し開き、ブレーキが解除される。このとき ラッチアーム３０は支点３３を中心にして反時計方向に回動すると共に、ラッチ アーム３０のストッパーピン３２が、支点３４を中心に回動するサブラッチアー ム３５をロックスプリング３７に抗して反時計方向に回動させ、サブラッチアー ム３５のロックピン３６をブレーキ制御カム４のカム面４ａに当接させてラッチ 可能な状態に保持する。

【００１９】 次に、ブレーキ制御カム４を図２の矢印ｂ方向に若干戻すと、サブラッチアー ム３５のロックピン３６がブレーキ制御カム４のカム面４ｃに当接したままでブ レーキが解除された状態が保持されている。また、図３に示すように、この状態 よりブレーキ制御カム４をさらに矢印ｂ方向にスライドさせると、ラッチアーム ３０を時計方向に回動させ、ラッチアーム３０のストッパーピン３２がサブラッ チアーム３５の先端部より解除されるので、ブレーキアーム６、７がブレーキス プリング１０によって引き寄せられてリールハブ１及び２にブレーキがかかるよ うになっている。

【００２０】 一方、図２に示すように、リールハブ１及び２のブレーキが解除された状態で 、ＤＡＴカセットのモード選択に応じたＰＬＡＹ、ＦＦ／ＲＥＷ 等の操作を行 うことができるものであり、再生（ＰＬＡＹ）モードが選択されると、ブレーキ 制御カム４が矢印ａ方向にスライドして図１の状態になり、ＰＬＡＹモードによ るテープ走行が可能になると共に、モード選択によりテープの早送り（ＦＦ）、 巻き 戻し （ＲＥＷ） を行う場合にも、モード選択がなされるとブレーキ制 御カム４が矢印ａ方向スライドしてブレーキを解除した状態に保持されるので、 モード選択に応じたテープ走行が可能になる。

【００２１】 なお、本考案によるブレーキ制御カム４は、スライド可能な形状に形成したも ので説明しているが、これに限定するものではなく、円形状の回転カムを用いる ことも可能であり、本考案の実施例と同様な作用効果を奏することができる。

【００２２】

【考案の効果】

以上詳細に説明したように、本考案によるディジタルオーディオ・テープレコ ーダ等の磁気記録再生装置のブレーキ装置は、リールハブのブレーキ装置を構成 するブレーキオフプレートのスライド操作を機械的に行うよう構成したので、ソ レノイドや回路部品を必要とせず、しかもソレノイドの磁石部に鉄粉や埃が吸着 されて接触不良や作動不良を起こしたり、あるいは誤動作を起こす等の弊害がな くなり、耐久性のよいブレーキ装置を安価に得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるブレーキ装置の実施例を示す要部
の上面図である。

【図２】図１におけるブレーキ装置のブレーキ解除状態
を示す要部の上面図である。

【図３】図１におけるブレーキ装置のブレーキ状態を示
す要部の上面図である。

【図４】従来構造のブレーキ装置を示す要部の上面図で
ある。

【図５】図４におけるブレーキの解除状態を示す要部の
上面図である。

【図６】図４におけるブレーキ状態を示す要部の上面図
である。

【符号の説明】

１ 供給側リールハブ ２ 巻取り側リールハブ ４ ブレーキ制御カム ４ｃ カム面 ６、７ ブレーキアーム １８ ブレーキオフプレート １８ｅ 窓部 ３０ ラッチアーム ３１ 作動ピン ３２ ストッパーピン ３３、３４ 支点 ３５ サブラッチアーム ３６ ロックピン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ブレーキオフプレートのスライドにより
   ブレーキアームを介してリールハブにブレーキ操作を行
   うテープレコーダのブレーキ装置であって、上記ブレー
   キオフプレートを、ブレーキ制御カムに対して同方向に
   スライドできるように装着し、このブレーキオフプレー
   トの一端側に形成した窓部に、支点を中心に揺動自在な
   ラッチアームの一端側の作動ピンを係合させると共に、
   この作動ピンの反対側に設けたストッパピンを、支点を
   中心に揺動自在なサブラッチアームの先端部に係合さ
   せ、上記サブラッチアームの支点を挟んで反対側に、前
   記ブレーキ制御カムのカム面に係合するロックピンを固
   設したことを特徴とする磁気記録再生装置のブレーキ装
   置。