JPH0110778Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はVTR（ビデオテープレコーダ）におけ
るバツクテンシヨン機構の改良に関するものであ
る。一般にカセツト式VTRにおいては、テープ
装架機構によつてカセツト内よりテープを引き出
し、ガイドシリンダに所定角度巻付けると共に、
先端にバツクテンシヨンピンを有するバツクテン
シヨンレバーを回動させてカセツト内より引き出
し、テープ走行状態において、バツクテンシヨン
用発条の付勢によりバツクテンシヨンピンを介し
てテープにテンシヨンを付与すると共に、バツク
テンシヨンレバーに接続され供給リールに巻付け
られたブレーキバンドにより供給リールに制動を
加えてテープテンシヨンを一定に保つようにして
いる。 ところで、上述のバツクテンシヨン機構では巻
戻し或いは早送り時にはブレーキバンドによる供
給リールの制動は大きな負荷となるため、ブレー
キバンドは解除状態としておく必要がある。 また、巻戻し或いは早送り時にはテープテンシ
ヨンが大きく変動するためバツクテンシヨンレバ
ーが大きく移動し、テープ走行が不安定となるば
かりか、極端に大きく移動すると他の部品に接触
する場合も起こりうる。 本考案は上述の点に鑑みなされたもので、簡単
な機構により通常記録再生時はバツクテンシヨン
レバーを作動状態とし、早送り或いは巻戻し時に
はバツクテンシヨンレバーを固定状態としたバツ
クテンシヨン機構を提供するものである。 以下、図面に従つて本考案の一実施例を説明す
る。 図中、１は回転ヘツドを内蔵するガイドシリン
ダ、２はそれぞれ異なるカム面を有するカム部２
ａ，２ｂ，２ｃを備えた円環状のローデイングデ
イスク、３は先端にバツクテンシヨンピン３ａを
有し、支軸４を中心に回動可能なバツクテンシヨ
ンレバー、５は該バツクテンシヨンレバーに一端
が連結されたブレーキレバー、６は一端が該ブレ
ーキレバーの他端に接続され供給リール７に約半
周巻き付けられて他端がシヤーシに固定されたブ
レーキバンドで、前記バツクテンシヨンレバー３
の回動に応じて制動が制御される。８は支軸９を
中心に回動可能であり、前記ローデイングデイス
クのカム部２ａ，２ｂ，２ｃに一端が常時当接
し、他端に係合ピン８ａを有する回動レバー、１
０は該回動レバーと前記バツクテンシヨンレバー
の折曲片３ｂとの間に張架され該バツクテンシヨ
ンレバーを時計方向に付勢する発条、１１は前記
バツクテンシヨンレバー３と一体となつて回動
し、前記係合ピン８ａが係合可能な凹所１１ａ及
び下方に突出する突出ピン１１ｂを有する係合レ
バー、１２はソレノイド（図示省略）の吸引によ
り支軸１３を中心に時計方向に回動し、前記突出
ピン１１ｂに当接して前記バツクテンシヨンレバ
ー３及び係合レバー１１を反時計方向へ回動せし
める作動レバーである。また、１４はテープ１５
が巻回されたカセツトで前面に切欠き１４ａを形
成している。 次にアンローデイング状態における動作を第１
及び第２図に従つて説明する。 この状態ではローデイングデイスク２はアンロ
ーデイングの位置にあり、回動レバー８はカム部
２ａに当接している。バツクテンシヨンレバー３
と一体となつている係合レバー１１は発条１０に
より時計方向に付勢されているが、前記回動レバ
ーの係合ピン８ａが凹所１１ａの一側面を圧押す
ることにより係合しており、該係合によりバツク
テンシヨンレバー３は発条１０の付勢に抗して時
計方向に付勢されガイドシリンダ１に当接する位
置で静止している。前記バツクテンシヨンレバー
３のガイドシリンダー１への当接により該バツク
テンシヨンレバーはアンローデイグ状態での位置
決めが為され先端のバツクテンシヨンピン３ａは
カセツト１４の切欠き１４ａ内に正確に位置決め
される。更に、この状態で、係合レバー１１にブ
レーキレバー５を介して接続されたブレーキバン
ド６は供給リール７への制動を解除している。 この状態から第３図に示す如くローデイング操
作が行なわれると、ローデイングデイスク２の反
時計方向への回動により、回動レバー８はカム部
２ｂを摺接する。このとき、該回動レバーは反時
計方向に回動し、係合ピン８ａが係合レバー１１
の凹所１１ａ内で上方に移動するためバツクテン
シヨンレバー３は発条１０の付勢により若干時計
方向に回動する。よつて、該バツクテンシヨンレ
バーはガイドシリンダ１から離間すると共にバツ
クテンシヨンピン３ａはカセツト１４内のテープ
１５を引き出す。この状態でも前記ブレーキバン
ド６は解除状態にある。 ローデイングが完了すると、第４図に示す如く
ローデイングデイスク２はローデイング位置で回
動を停止し、回動レバー８はカム部２ｃに当接す
る。このとき、回動レバー８は更に反時計方向に
回動し、それに伴つて係合レバー１１も時計方向
に回動するが、所定の位置まで回動すると、ブレ
ーキレバー５が上方へ引張られるため、ブレーキ
バンド６が供給リール７に係合して、制動状態に
なり前記係合レバーは所定位置で静止する。前記
回動レバーはこの状態より若干回動した位置で固
定される為前記係合ピン８ａと凹所１１ａとの係
合が解除される。 この状態でバツクテンシヨンレバー３は動作状
態にあり、記録、再生時走行するテープのテンシ
ヨンを一定に保つべく周知の動作を行なう。 次に巻戻し或いは早送り操作時、には第５図に
示す如く、作動レバー１２がソレノイド（図示省
略）の吸引により時計方向に回動し、先端が係合
レバー１１の突出ピン１１ｂを発条１０の付勢に
抗して右方へ押圧するため、該係合レバーは反時
計方向へ回動する。この回動によりブレーキバン
ド６は解除状態となり、一方、前記係合レバーの
凹所１１ａの他側が前記回動レバーの係合ピン８
ａに係合するため所定の位置で静止する。よつ
て、バツクテンシヨンレバー３は巻戻し或いは早
送り操作中は所定位置で固定されることになりバ
ツクテンシヨンピン３ａの移動が禁止されるため
テープが安定に走行する。 上述の如く本考案によれば、巻戻し或いは早送
り時に供給リールのブレーキバンドを解除すると
共に、バツクテンシヨンレバーの位置を固定する
ことによつて、テープテンシヨンの大きな変動に
よつてもバツクテンシヨンレバーが移動すること
がなく、テープ走行が極めて安定となる。また、
極めて簡単な機構により実現できるため、部品点
数の削減、コストダウンが可能となり実用的であ
る。 尚、上述の実施例では、バツクテンシヨンレバ
ーと係合レバーを別部品として構成したが、これ
らは一つの部品に一体成型してもかまわない。

【図面の簡単な説明】

図面はいずれも本考案の一実施例に関し、第１
及び第２図は本考案機構のアンローデイング状態
における平面図及び側面図、第３、第４図及び第
５図はそれぞれローデイング中、プレイ状態及び
巻戻し早送り状態における平面図である。 主な図番の説明、１…ガイドシリンダ、２…ロ
ーデイングデイスク、３…バツクテンシヨンレバ
ー、６…ブレーキバンド、８…回動レバー、１１
…係合レバー、１２…作動レバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 先端にバツクテンシヨンピンを有し、支軸を中
   心に回動可能なバツクテンシヨンレバーと、該バ
   ツクテンシヨンレバーと一体となつて回動し、第
   １乃至第３係合部を備える係合部材と、テープ装
   架手段のカム部に常時係合すると共に前記第１及
   び第２係合部に係合可能な被係合部材と、該被係
   合部材と前記バツクテンシヨンレバー若しくは係
   合部材との間に前記バツクテンシヨンレバーを付
   勢する発条と、前記バツクテンシヨンレバーの回
   動によりリール台の制動を制御するブレーキ手段
   と、その作動により前記第３係合部と係合して該
   ブレーキ手段を解除せしめる解除方向に前記バツ
   クテンシヨンレバーを回動せしめると共に、前記
   第２係合部と被係合部材とを係合せしめる作動部
   材とをそれぞれ配し、アンローデイング状態にお
   いて前記被係合部材を前記第１係合部に当接せし
   めて前記バツクテンシヨンレバーの位置を固定
   し、通常記録再生時に前記被係合部材を前記第１
   係合部より離間させることによつて前記バツクテ
   ンシヨンレバーを動作状態となし、巻戻し或いは
   早送り時、前記作動部材の作動により前記ブレー
   キ手段を解除せしめると共に、被係合部材を前記
   第２係合部と係合させて前記解除方向への前記バ
   ツクテンシヨンレバーの回動を規制し、前記解除
   方向とは逆方向への回動規制は前記作動部材と前
   記第３係合部との係合により行い前記バツクテン
   シヨンレバーの位置を固定せしめることを特徴と
   するバツクテンシヨン機構。