JPS6232367Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は首振りアイドラ機構に係り、特に正方
向及び逆方向サーチ動作のための首振りアイドラ
をノーマル再生モード時にはリール系の障害とは
ならない位置に保持しうる構成とした首振アイド
ラ機構を提供することを目的とする。

以下図面と共にその一実施例について説明す
る。

第１図は本考案になる首振りアイドラ機構が組
込まれたカセツト式VTR装置を示す図、第２図
及び第３図は夫々首振りアイドラ機構を拡大して
示す図である。

カセツト式VTR装置１は、メインデツキ２上
にガイドドラム３、ガイドポール４，５、消去ヘ
ツド６、オーデイオ・コントロールヘツド７等よ
りなるテープ走行系を設け、更に供給側リールデ
イスク８と巻取側リールデイスク９との間に本考
案の要部をなす首振りアイドラ機構１０を設けて
なる。カセツト１１が両リールデイスク８，９に
嵌合して装着してある。またこのVTR装置１
は、所謂サーチ動作のための第１図に示すテープ
ローデイング状態での早送り及び巻戻しモード
（以下サーチモードという）時には首振りアイド
ラ機構１０を利用して磁気テープ１２を高速で走
行させ、ノーマル再生モード時にはキヤプスタン
１３の回転を取り出して巻取側リールデイスク９
を回動させる構成としてある。従つて、ノーマル
再生モード時には首振りアイドラ機構１０が各リ
ールデイスク８，９の回転を妨害しないようにす
る必要があり、本考案はこのための機構に係るも
のである。

首振りアイドラ機構１０において、アイドラ１
５は第１のアーム１６の先端に回転可能に設けて
ある。第１のアーム１６は、その他端側を、一端
をピン１７によりメインデツキ２上に軸支された
第２のアーム１８の自由端側にピン１９により軸
支されており、自由に回動（首振り動作）する。
アイドラ１５は、リールデイスク８，９の間に位
置して、モータ２０の駆動ローラ２１に当接して
いる。アイドラ１５の背面側には、モータ２０と
協動してアイドラ１５に移動力を与える板ばね２
２が横架してある。なお、第２のメインデツキ１
８は捩りばね２３により反時計方向の回動力を付
与されており、アイドラ１５にはばね２３とばね
４５の合力で駆動ローラ２１、各リールデイスク
８，９への圧接力が付与される。こゝで、ばね４
５はアイドラ１５をモータプーリ方向に付勢する
ためのものであり、そのばね力は捩りばね２３の
ばね力に比べて相当弱く定めてある。またアイド
ラ１５には後述する首振り動作のために軸負荷を
与えるためのクラツチ機構が内蔵してある。

ノーマル再生モード時、VTR装置１は第１図
に示す状態となる。テープパスについてみると、
テープ１２はカセツト１１より引き出され、テン
シヨンポール２５、消去ヘツド６、インピーダン
スローラ２６に添接し、ガイドポール４と５とに
より規制される角度範囲内でガイドドラム３に添
接してここゞ映像信号が再生される。ガイドドラ
ム３を離れたテープ１２はヘツド７に添接し、キ
ヤプスタン１３とピンチローラ２７とに挟持駆動
され、再びカセツト１１内に入る。キヤツプスタ
ン１３はフライホイール２８と一体であり、キヤ
プスタンモータ２９によりベルト３０を介して回
転される。

リール駆動系についてみると、再生操作によ
り、プランジヤ３１が励磁され、互いに連結して
いる第１及び第２のレバー３２，３３が矢印X₁
方向に移動する。これにより、ピンチローラアー
ム３４が軸３５に関して反時計方向に回動してピ
ンチローラ２７がテープ１２を挟んでキヤプスタ
ン１３に圧着する。また再生用アイドラ３６が第
２のレバー３３の移動と共にばね３７の作用で動
作位置に移動し、巻取側リールデイスク９とロー
ラ３８とに圧接する。ローラ３８はフライホイー
ル２８の段部２８ａとベルト３９で連結してあ
り、矢印で示す方向に回転する。このため、巻取
側リールデイスク９は再生用アイドラ３６を介し
てテープ巻取方向（時計方向）に回転される。な
お、再生用アイドラ３６は、前記アイドラ１５の
場合と同様に、互いにピンで連結されたアーム機
構４０に設けられている。

正方向サーチモード時には、モータ２０が正転
して駆動ローラ２１が矢印A₁方向に回転する。
これにより、アイドラ１５は第２図に示すように
駆動ローラ２１の回りを矢印B₁方向に移動し、
１５Ａで示すように巻取側リールデイスク９に圧
接し、リールデイスク９が時計方向に回転し、正
方向サーチ動作が行なわれる。

逆方向サーチモード時には、モータ２０が逆転
して駆動ローラ２１が矢印A₂方向に回転する。
これにより、アイドラ１５は上記の場合とは逆に
駆動ローラ２１の回りを矢印B₂方向に移動し、
１５Ｂで示すように供給側リールデイスク８に圧
接し、リールデイスク８が反時計方向に回転し、
逆方向サーチ動作が行なわれる。

正方向及び逆方向サーチモードはこのための操
作を解除することにより停止し、装置は停止モー
ド状態を経ることなく、直接ノーマル再生モード
状態となる。

次に、首振りアイドラ機構１０の動作について
説明する。

首振りアイドラ機構１０に関連して、摺動レバ
ー４１が矢印Y₁，Y₂，方向に摺動可能に設けて
ある。摺動レバー４１は早送り又は巻戻しモード
時にはばね４２により矢印Y₁方向に移動してい
る。摺動レバー４１の所定位置には係止片４１ａ
が形成してあり、この係止片４１ａは捩りばね２
３の一腕部２３ａを係止保持している。例えば、
早送りモード時には、第１図及び第２図に示すよ
うに係止片４１ａは矢印Y₁方向に移動した位置
にあるため、捩りばね２３は一腕部２３ａを図中
右方向に偏倚した位置で係止されてばね力が発生
した状態にあり、第２のアーム１８は反時計方向
の回動力を付与され、アイドラ１５は巻取側リー
ルデイスク９に圧接している。

ノーマル再生モード時には、前記の第２のレバ
ー３３が矢印X₁方向に摺動することにより、Ｌ
字状レバー４３がピン４４を中心に反時計方向に
回動し、これと連結してある摺動レバー４１がば
ね４２に抗して矢印Y₂方向に摺動する。

これにより、摺動レバー４１の係止片４１ａと
捩りばね２３との位置関係は第３図に示す状態と
なる。即ち、捩りばね２３は、一腕部２３ａが左
方向に移動して荷重が作用してない元の形状とな
り、ばね力が消勢された状態となる。

またモータ２０が一時的に作動して、駆動ロー
ラ２１が矢印A₁方向に回転する。これにより、
アイドラ１５は１５Ｂで示す位置にあるときにも
矢印B₁方向に巻取側リールデイスク９に当接す
る位置まで移動する。この後駆動ローラ２１の回
転が停止する。

ノーマル再生モード時には巻取側リールデイス
ク９は前記のようにキヤプスタンモータ９により
時計方向に回転し、この回転力は、アイドラ１５
に対してはこれをリールデイスク９により離れる
方向に押し出す作用をする。このとき、捩りばね
２３は消勢されており、アイドラ１５はリールデ
イスク９への圧接力を作用されていない状態にあ
るため、アイドラ１５は一旦はリールデイスク９
に当接するもリールデイスク９の上記回転により
蹴られて当該リールデイスク９より僅かに離れた
状態、即ち第１図及び第３図に１５Ｃで示す状態
となる。なお、アイドラ１５はばね４５によりモ
ータプーリ方向に付勢されており、１５Ｃで示す
状態に安定に保持される。第３図中ｇはアイドラ
１５のリールデイスク９よりの離間寸法である。
なお、矢印B₂方向については、アイドラ１５は
板ばね２２に係止されて同方向の移動を制限され
る。これにより、アイドラ１５は、リールデイス
ク系に影響を与えない位置に安定に保持される。

この結果、ノーマル再生モード時、各リールデ
イスク８，９はアイドラ１５の影響を受けずに円
滑に回転され、テープ走行状態が安定となる。

ノーマル再生モード時ポーズ操作を行なうと、
モータ２０は矢印A₂方向に回転し、その後矢印
A₁方向に回転して停止する。これにより、アイ
ドラ１５は矢印B₂方向に移動して巻取側リール
デイスク８に圧接してこれをテープ巻取方向に回
転させ、その後矢印B₁方向に移動して元の位置
に戻る。

なお、第１図中１５Ｄは中立位置にあるアイド
ラを示す。

上述の如く、本考案になる首振りアイドラ機構
は、首振り自在なアームに支持されたアイドラを
供給側リールデイスクと巻取側リールデイスクと
の間の駆動軸に当接させて設け、駆動軸の回転に
よりアイドラが移動して正方向サーチモード時に
巻取側リールデイスク、逆方向サーチモード時に
供給側リールデイスクに圧接する首振りアイドラ
機構であつて、アイドラを巻取側リールデイスク
に圧接させるばね部材を再生操作に応じて移動す
る移動部材と連結させて設け、ノーマル再生モー
ド時には移動部材が移動してばね部材による巻取
側リールデイスクへの圧接力を消勢すると共に、
上記駆動軸が一時的に回転してアイドラがノーマ
ル再生モード時にアイドラを押し出す方向に回転
する巻取リールデイスク側に寄せる構成としてあ
るため、ノーマル再生モード時に供給側及び巻取
側リールデイスクが上記アイドラの影響を受けな
い状態とし得、然して記録又は再生モード時に両
リールデイスクが円滑に回転して安定なテープ走
行状態を得ることが出来、更には正方向又は逆方
向サーチモードより一旦停止モードを経由せずに
直接ノーマル再生モードにモード変換しうる
VTR装置にも適用出来るという等の特長を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案になる首振りアイドラ機構が組
込まれたカセツト式VTR装置のノーマル再生モ
ード時での状態を示す平面図、第２図及び第３図
は夫々本考案になる首振りアイドラ機構の一実施
例の正方向サーチモード時及びノーマル再生モー
ド時での状態を拡大して示す図である。 １……カセツト式VTR装置、３……ガイドド
ラム、８……供給側リールデイスク、９……巻取
側リールデイスク、１０……首振りアイドラ機
構、１１……カセツト、１２……磁気テープ、１
３……キヤプスタン、１５……アイドラ、１６…
…第１のアーム、１８……第２のアーム、２０…
…モータ、２１……駆動ローラ、２２……板ば
ね、２３……捩りばね、２３ａ……一腕部、２８
……フラスホイール、２９……キヤプスタンモー
タ、３１……プランジヤ、４１……摺動レバー、
４１ａ……係止片、４３……Ｌ字状レバー、４５
……ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 首振り自在なアームに支持されたアイドラを供
   給側リールデイスクと巻取側リールデイスクとの
   間の駆動軸に当接させて設け、該駆動軸の回転に
   より該アイドラが移動して正方向サーチモード時
   に該巻取側リールデイスク、逆方向サーチモード
   時に該供給側リールデイスクに圧接する首振りア
   イドラ機構であつて、該アイドラを該巻取側リー
   ルデイスクに圧接させるばね部材を記録又は再生
   操作に応じて移動する移動部材と連結させて設
   け、ノーマル再生モード時には該移動部材が移動
   して該ばね部材による該巻取側リールデイスクへ
   の圧接力を消勢すると共に、上記駆動軸が一時的
   に回転して該アイドラがノーマル再生モード時に
   該アイドラを押し出す方向に回転する該巻取リー
   ルデイスク側に寄せる構成の首振りアイドラ機
   構。