JPS6125080Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はテープ上の特定の位置を容易に探し出
すためにテープを回転ヘツドシリンダに巻付けた
状態で正方向走行と逆方向走行とを任意に切換え
得る編集用のビデオテープレコーダ等の磁気記録
再生装置に関し、特に正方向走行におけるバンド
テンシヨンの制御と逆方向走行における制御ブレ
ーキの解除を行なうテンシヨン制御装置に関する
ものである。

従来、この種装置において、記録あるいは再生
時、即ち正方向走行中に、テープのバツクテンシ
ヨンを一定に保つためテンシヨンアームに連動す
るブレーキを供給リール台に設けるのが一般的で
あり、かつテンシヨン制御の安定性の点からバン
ドブレーキが主に用いられる。

ところが、テープ上の特定の位置を正確に探し
出すためにはテープを逆方向にも走行させる必要
があり、この時にはバンドブレーキの性質のた
め、供給リール台を逆転させるに必要なトルクが
急増する。

一方、バンドブレーキを供給リール台から解除
する方向にテンシヨンアームを強制的に回動させ
ると、回転ヘツドシリンダに巻付けたテープの走
行経路が変化し、テープのたるみ等が発生する。
このため、テープ上に記録されたコントロール信
号をカウントしながらテープ位置を検出するよう
な場合、コントロール信号のミスカウントが起
る。あるいは画像を見ながら探す場合でも、ヘツ
ドタツチ不良による画像乱れ等、好ましくない現
象が起る。

そのため、従来はバンドブレーキを作動させた
まま供給リール台を大きなトルクで逆転させるか
テンシヨンアームを回動させてバンドブレーキを
解除させ、発生するテープたるみを別に吸収する
機構を附加するかのいずれかの方法を採つてい
る。しかし、前者は大きな駆動力を必要とし、後
者は、機構が複雑となりいずれも好ましくない。

本考案はこれらの欠点を解消し、簡単な構造で
ブレーキを解除しかつ走行径路が変化しないよう
になしたものである。

以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明す
る。第１図はビデオテープレコーダのテープ走行
系を示す平面図である。１はカセツトハーフであ
り、供給リール２および巻取リール３を有してい
る。供給リール２から繰り出された磁気テープ４
は、ガイド５、消去ヘツド６、ガイド７、テンシ
ヨンアームポスト８、ガイド９を経て回転シリン
ダ１０に巻付けられる。さらに磁気テープ４は、
ガイド１１、オーデイオコントロールヘツド１
２、ガイド１３、キヤプスタン１４、ピンチロー
ラ１５を経てターンポスト１６でＵターンし、ガ
イド１７，１８，１９，２０を経て巻取リール３
に巻取られる。なお、上記ピンチローラ１５、タ
ーンポスト１６、ガイド１７，１８等は回転リン
グ２１に取付けられている。回転リング２１は磁
気テープ４を回転ヘツドシリンダ１０に巻付ける
ためにローラ２２，２３，２４でガイドされ、回
転ヘツドシリンダ１０のまわりを回転する。

２５はテンシヨンアームであり、支点ピン２６
を中心に回動自在に枢支され、遊端に上記テンシ
ヨンアームポスト８が植設されており、強制回動
されて磁気テープ４の正方向走行時と逆方向走行
時で磁気テープ４の走行経路を強制的に変えるよ
うな構成ではない。テンシヨンアーム２５はばね
２７により時計方向に付勢されている。カセツト
の供給リール２は供給リール２８に設置されてお
り、供給リール台２８にはバンドブレーキ２９が
ほぼ180゜巻付けられている。バンドブレーキ２
９の一端はテンシヨンアーム２５の端部３０に連
結されている。バンドブレーキ２９の他端はブレ
ーキバー３１の一端に設けられたバンドピン３２
に連結されている。ブレーキレバー３１はＶ字形
に形成され、支軸３３回りで回動自在に枢支され
ている。ブレーキレバー３１と、連結レバー３４
と、スライド板３５とでブレーキ作動機構３６が
構成されている。３７はブレーキレバー３１の回
動位置規制用のストツパである。スライド板３５
はテープ走行方向切換える操作部材と連動するも
ので、ガイドピン３８にスライド可能に嵌合する
長孔３９を有しており、磁気テープの正方向走行
時は第２図に示すようにスライドストロークの左
端に位置し、逆方向走行時は第３図に示すように
右端に位置する。連結レバー３４は中央で支軸４
０回りに回動自在に枢支され、一端に設けられた
ピン４１がスライド板３５の係合突部４２に係合
している。連結レバー３４の他端にはブレーキレ
バー３１の連結ピン４３の嵌合する長孔４４が設
けられている。４５は連結レバー３４を反時計方
向に付勢するばねである。

次に上記構成の動作につき説明する。第２図は
磁気テープ４の正方向走行時の状態を示してお
り、スライド板３５は上述のようにスライドスト
ロークの左端に位置している。そのため、ブレー
キレバー３４はストツパ３７から離れ、ブレーキ
レバー３１で引張られることによりバンドブレー
キ２９は供給リール台２８に押し付けられてい
る。磁気テープ４はバンドブレーキ２９による供
給リール台２８の制動およびテンシヨンアーム２
５による引張りのため、一定のバツクテンシヨン
に制御されて矢印ａ方向に走行する。

逆方向走行時は、第３図に示すようにスライド
板３５はスライドストロークの右端にスライドす
る。このため連結レバー３４はばね４５の付勢で
反時計方向に回動し、ブレーキレバー３１は時計
方向に回動してストツパ３７に当接する。この結
果、バンドブレーキ２９が供給リール台２８を離
れた状態を保ちながら供給リール台２８が矢印ｂ
方向に回転し、磁気テープ４は矢印ｃ方向に走行
する。同図のごとく、バンドブレーキ２９が供給
リール台２８から離れた場合、テンシヨンアーム
２５はばね２７により時計方向に回動変位するか
のごとく考えられるが、テンシヨンアーム２５の
位置は磁気テープ４の張力とばね２７とのバラン
スにより決るので、正方向走行時のバツクテンシ
ヨンと逆方向走行時のテンシヨンがほぼ同一であ
れば、切換操作時にテンシヨンアーム２５が回動
変位してテープ走行経路が変化することがない。
従つて、磁気テープ４へのシヨツクは少なく画像
乱れ等が発生しないとともに消去ヘツド６上での
磁気テープ４の動きもなくコントロール信号のミ
スカウントもない。

なお、上記実施例では、ブレーキ作動機構３６
をブレーキレバー３１、スライド板３５等で構成
したがブレーキ作動機構３６はこの他種々の構成
とすることができる。

以上説明したように、本考案によれば、正方向
走行から逆方向走行に切換えたとき、テンシヨン
アームが回動変位することなくバツクテンシヨン
の制御用のバンドブレーキが供給リールから離間
せしめられるので、逆方向走行に切換えたときに
大きな駆動力を必要としない。しかも、テープ走
行径路も変化しないので、複雑なテープたるみ吸
収機構を必要とせず、テープ位置の検出を確実に
できて良好な編集操作が実現できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図はテー
プ走行系を示す平面図、第２図は正方向走行状態
におけるテンシヨン制御装置の平面図、第３図は
逆方向走行状態における同平面図である。 １……カセツトハーフ、２……供給リール、３
……巻取リール、４……磁気テープ、６……消去
ヘツド、１０……回転シリンダ、１２……オーデ
イオコントロールヘツド、２５……テンシヨンア
ーム、２７……ばね、２８……供給リール台、２
９……バンドブレーキ、３１……ブレーキレバ
ー、３４……連結レバー、３５……スライド板、
３６……ブレーキ作動機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 磁気テープを回転ヘツドに巻付けるテープ走行
   経路に磁気テープにバツクテンシヨンを与えると
   ともに磁気テープの正方向走行時と逆方向走行時
   で磁気テープ走行経路に変化を強制しないテンシ
   ヨンアームを設け、かつ供給リール台にバンドブ
   レーキを設け、このバンドブレーキの一端を上記
   テンシヨンアームに連結し、バンドブレーキの他
   端を磁気テープの走行方向を切換える操作部材と
   連動して磁気テープの正方向走行時には上記バン
   ドブレーキを緊張させ逆方向走行時には緩める方
   向に動作するブレーキ作動機構に連結したことを
   特徴とする磁気記録再生装置のテンシヨン制御装
   置。