JPH06306037A - 1,4−ジシアノ−2−ブテンの製造方法 - Google Patents

1,4−ジシアノ−2−ブテンの製造方法

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JPH06306037A
JPH06306037A JP5293055A JP29305593A JPH06306037A JP H06306037 A JPH06306037 A JP H06306037A JP 5293055 A JP5293055 A JP 5293055A JP 29305593 A JP29305593 A JP 29305593A JP H06306037 A JPH06306037 A JP H06306037A
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dicyano
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mol
catalyst
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Shinji Nishii
真二 西井
Takeshi Ogawa
武 小川
Shigeo Wake
繁夫 和気
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 1,4−ジシアノ−2−ブテンを収率良く、
容易に製造する方法を提供することを目的とする。 【構成】 1,4−ジアセトキシ−2−ブテン、2−ブ
テン−1,4−ジオール等のブテン類をハロゲン化第一
銅および非芳香族有機アミンハロゲン酸塩とルイス酸お
よび/または塩基性化合物からなる触媒の存在下にシア
ン化水素と反応させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、6,6−ナイロン等の
原料であるヘキサメチレンジアミンの前駆体となる1,
4−ジシアノ−2−ブテンの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】2−ブテン−1,4−ジオールとシアン
化水素を反応させて1,4−ジシアノ−2−ブテンを製
造する際に、シリカゲル等にハロゲン化第一銅を担持し
た触媒を用いて気相で行う方法(ドイツ特許 2128
001号)、臭化銅およびアルカリ金属の臭化物の存在
下に液相で行う方法(ドイツ特許 2144390号)
が知られている。
【0003】また、ハロゲン化第一銅および非芳香族有
機アミンハロゲン酸塩からなる触媒の存在下に1,4−
ジアセトキシ−2−ブテンとシアン化水素の反応が知ら
れている(特公昭47−29888号公報)。これ以外
にも1,4−ジアセトキシ−2−ブテンを使用する場合
にはハロゲン化第一銅をベースにした触媒によりシアノ
化を行う方法が幾つか知られている(ドイツ特許 27
23778号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
2−ブテン−1,4−ジオールとシアン化水素の反応に
おいて、気相系反応の場合はオリゴマーや他の不純物の
生成が多く、低収率であり、水溶液系反応の場合も容積
効率が悪く、工業的には好ましい方法とは言い難い。ま
た、1,4−ジアセトキシ−2−ブテンとシアン化水素
との反応の場合は、反応速度が十分ではなく、シアノ化
が完全には進行しない。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる事情に鑑み、本発
明者らは1,4−ジシアノ−2−ブテンの工業的に有利
な製造方法について鋭意検討した結果、ヒドロキシル
基、低級アシルオキシ基、低級アルコキシ基又はこれら
置換基の一部がシアノ基で置換されたブテン類を、ハロ
ゲン化第一銅および非芳香族有機アミンハロゲン酸塩に
ルイス酸および/または塩基性化合物からなる触媒の存
在下にシアン化水素と反応させると、反応が速やかに進
行し、選択性よく1,4−ジシアノ−2−ブテンが得ら
れること、反応終了後、触媒をそのまま、あるいは含有
する水、アルコールまたは有機酸を除去した後に、もし
くは水等を除去すると共にハロゲン化水素酸を作用させ
た後に再使用することが可能であることを見いだし、本
発明を完成した。
【0006】すなわち本発明は、一般式、 R1 −CH2 −CH=CH−CH2 −R2 又は R3 −CH2 −CHR4 −CH=CH2 (式中、R1 、R3 はヒドロキシル基、低級アシルオキ
シ基、低級アルコキシ基又はシアノ基を、R2 、R4
ヒドロキシル基、低級アシルオキシ基、又は低級アルコ
キシ基を表す。ただし、R1 及びR2 共に、及びR4
シアノ基であることを除く。)で示されるブテン類を、
ハロゲン化第一銅および非芳香族有機アミンハロゲン酸
塩とルイス酸および/または塩基性化合物からなる触媒
の存在下にシアン化水素と反応させることを特徴とする
1,4−ジシアノ−2−ブテンの製造方法である。
【0007】本発明で用いられるブテン類としては、具
体的には2−ブテン−1,4−ジオール、3−ブテン−
1,2−ジオール、5−ヒドロキシ−3−ペンテンニト
リル、3−ヒドロキシ−4−ペンテンニトリル、1,4
−ジアセトキシ−2−ブテン、1,2−ジアセトキシ−
3−ブテン、1,4−ジプロピオニルオキシ−2−ブテ
ン、1,2−ジプロピオニルオキシ−3−ブテン、1,
4−ジブチリルオキシ−2−ブテン、1,2−ジブチリ
ルオキシ−3−ブテン、5−アセトキシ−3−ペンテン
ニトリル、3−アセトキシ−4−ペンテンニトリル、5
−プロピオニルオキシ−3−ペンテンニトリル、3−プ
ロピオニルオキシ−4−ペンテンニトリル、5−ブチリ
ルオキシ−3−ペンテンニトリル、3−ブチリルオキシ
−4−ペンテンニトリル、1,4−ジメトキシ−2−ブ
テン、1,2−ジメトキシ−3−ブテン、1,4−ジエ
トキシ−2−ブテン、1,2−ジエトキシ−3−ブテ
ン、1,4−ジプロポキシ−2−ブテン、1,2−ジプ
ロポキシ−3−ブテン、5−メトキシ−3−ペンテンニ
トリル、3−メトキシ−4−ペンテンニトリル、5−エ
トキシ−3−ペンテンニトリル、3−エトキシ−4−ペ
ンテンニトリル、5−プロポキシ−3−ペンテンニトリ
ル、3−プロポキシ−4−ペンテンニトリル等が挙げら
れる。
【0008】本発明で使用するジアシルオキシブテン類
はブタジエンと低級カルボン酸から公知の方法で製造さ
れる。ブテンジオール類はジアシルオキシブテン類の加
水分解により容易に得ることができる。ジアルコキシブ
テン類はブタジエンと低級アルコールから公知の方法で
製造される。反応においては、これらの単品または混合
物の形で使用することができる。 本発明を実施する場
合には、高濃度(含水率が10重量%以下)のシアン化
水素酸を使用するのが好ましく、もちろん無水のシアン
化水素を使用することもできる。シアン化水素はブテン
類に対して約100〜300モル%用いられ、連続的又
は間欠的に反応系に供給される。
【0009】触媒に用いるハロゲン化第一銅は塩化物ま
たは臭化物が望ましい。
【0010】非芳香族有機アミンハロゲン酸塩として
は、ハロゲン化第一銅と無水の溶融混合物を作るものが
望ましく、例えば、塩化アンモニウム、臭化アンモニウ
ム等のハロゲン化アンモニウム、メチルアミン、ジメチ
ルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチル
アミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリ
ブチルアミン等の低級アルキルアミン類の塩酸塩または
臭化水素酸塩などが挙げられる。また、これらのアミン
ハロゲン酸塩類は単独でも、また混合して用いてもよ
い。
【0011】ルイス酸としては特に制限されるものでは
なく、例えば、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化
ニッケル、臭化ニッケル、塩化マグネシウム、臭化マグ
ネシウム、ヨウ化マグネシウム、塩化リチウム、臭化リ
チウム、ヨウ化リチウム、塩化第一鉄、塩化第二鉄、臭
化第一鉄、臭化第二鉄、塩化アルミニウム、臭化アルミ
ニウムなどが挙げられる。
【0012】塩基性化合物としては酢酸ナトリウム、酢
酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸アンモニウムなどの酢
酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの炭酸塩、炭
酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの重炭酸塩な
どが挙げられる。
【0013】触媒はブテン類の約10〜200モル%用
いて行われる。使用量は反応速度との兼ね合いから、あ
る程度多いことが望ましく、通常の反応では約50〜1
00モル%程度用いて行われる。ハロゲン化第一銅と非
芳香族有機アミンハロゲン酸塩のモル比は約1:3〜
3:1、好ましくは約1:1.5〜1.5:1の範囲で
あり、通常はほぼ当モル用いて行われる。ハロゲン化第
一銅に対してルイス酸は約10〜100モル%、塩基性
化合物は約10〜50モル%用いられる。
【0014】反応温度は約20〜200℃の範囲、好ま
しくは約60〜140℃の温度で液相で行われる。本反
応を加圧下で行うこともできる。反応は窒素等の不活性
な雰囲気下で行うのが銅触媒の酸化を抑制する上で望ま
しい。
【0015】反応はハロゲン化第一銅および非芳香族有
機ハロゲン酸塩とルイス酸および/または塩基性化合物
を所定温度に加熱し、これにブテン類およびシアン化水
素を加えて行う。所定時間反応後、反応混合物は定法に
より後処理を行う。通常、酢酸エチル、トルエン等の溶
剤で抽出し、溶媒を蒸留除去して目的物を得る。また、
生成物は必要により蒸留または再結晶などの精製を行
い、使用に供される。
【0016】生成物を溶剤抽出等で分離した後の使用済
触媒は、そのままあるいは含有する水分、アルコールま
たは有機酸を減圧蒸留等で除去し、触媒として再使用で
きる。使用済触媒は室温で長く放置すると固化するの
で、通常、室温より高い温度で操作及び保管を行う。触
媒の再使用は繰り返し実施できる。触媒を繰り返し再使
用するうちにシアン化銅を主成分とする不溶物が反応液
から析出してくると共に原料の転化率、生成物の選択率
が共に低下してくる。
【0017】使用済触媒にハロゲン化水素酸を添加する
ことによって、この劣化を抑制することができる。ハロ
ゲン化水素酸としては塩酸、臭化水素酸等が挙げられ、
これらは水溶液、ガス状、有機溶媒に溶解した状態のい
ずれでも使用できる。ハロゲン化水素酸の使用量は用い
るハロゲン化第一銅1モルに対して約0.01〜0.1
モルである。
【0018】ハロゲン化水素酸は反応終了後の反応液に
添加しても良いし、生成物を分離後の使用済触媒に添加
しても良い。更に触媒の劣化により生成する不溶物に添
加しても良い。触媒液へのハロゲン化水素酸の添加は水
を除去する前でも良いし、後でも良い。
【0019】本反応では、ジアシルオキシブテン、ジア
ルコキシブテン、ブテンジオールを用いた場合にモノシ
アノ体も生成し、これは更にジシアノ体に変換されるの
で、モノシアノ体を出発原料として用いることも可能で
ある。
【0020】
【発明の効果】本発明の方法によって、1,4−ジシア
ノ−2−ブテンを収率良く、高い反応速度と良好な容積
効率で得ることができる。また後処理が容易であり、設
備的にも簡略化が可能である。更に触媒のリサイクル使
用が可能であり、触媒の使用量を軽減することができ
る。
【0021】
【実施例】本発明を実施例で詳細に説明するが、本発明
はこの実施例に限定されるものではない。反応率はブテ
ン類の転化率を、収率は1,4−ジシアノ−2−ブテン
の純度換算値を示す。
【0022】実施例1 9.9g(0.1モル)の塩化第一銅、9.6g(0.
1モル)のトリメチルアミン塩酸塩、8.18g(0.
06モル)の塩化亜鉛を撹拌下、100℃に加熱し、触
媒溶融液を調製した。17.2g(0.1モル)の1,
4−ジアセトキシ−2−ブテンと7.6ml(0.2モ
ル)のシアン化水素の混合物を上記触媒液中に100℃
で2.5時間かけて滴下した。さらに100℃で0.5
時間保持した後、フラスコ内容物を酢酸エチル15ml
で4回抽出した。次いで、溶媒を減圧下に蒸発濃縮する
ことで粗1,4−ジシアノ−2−ブテンを得た。反応率
99%、収率63%。
【0023】実施例2 9.9g(0.1モル)の塩化第一銅、9.6g(0.
1モル)のトリメチルアミン塩酸塩、3.89g(0.
03モル)の塩化ニッケルを撹拌下、120℃に加熱
し、触媒溶融液を調製した。17.2g(0.1モル)
の1,4−ジアセトキシ−2−ブテンと7.6ml
(0.2モル)のシアン化水素の混合物を上記触媒液中
に100℃で2.5時間かけて滴下した。さらに100
℃で0.5時間保持した後、フラスコ内容物を酢酸エチ
ル15mlで4回抽出した。次いで、溶媒を減圧下に蒸
発濃縮することで粗1,4−ジシアノ−2−ブテンを得
た。反応率95%、収率61%。
【0024】実施例3 9.9g(0.1モル)の塩化第一銅、9.6g(0.
1モル)のトリメチルアミン塩酸塩、8.18g(0.
06モル)の塩化亜鉛、1.64g(0.02モル)の
酢酸ナトリウムを撹拌下、100℃に加熱し、触媒溶融
液を調製した。17.2g(0.1モル)の1,4−ジ
アセトキシ−2−ブテンと7.6ml(0.2モル)の
シアン化水素の混合物を上記触媒液中に100℃で2.
5時間かけて滴下した。さらに100℃で1時間保持し
た後、フラスコ内容物を酢酸エチル15mlで4回抽出
した。次いで、溶媒を減圧下に蒸発濃縮することで粗
1,4−ジシアノ−2−ブテンを得た。反応率97%、
収率88%。
【0025】実施例4 4.95g(0.05モル)の塩化第一銅、4.78g
(0.05モル)のトリメチルアミン塩酸塩、6.81
g(0.05モル)の塩化亜鉛、0.82g(0.01
モル)の酢酸ナトリウムを撹拌下、100℃に加熱し、
触媒溶融液を調製した。17.2g(0.1モル)の
1,4−ジアセトキシ−2−ブテンと7.6ml(0.
2モル)のシアン化水素の混合物を上記触媒液中に10
0℃で3.5時間かけて滴下した。さらに100℃で1
時間保持した後、フラスコ内容物を酢酸エチル15ml
で4回抽出した。次いで、溶媒を減圧下に蒸発濃縮する
ことで粗1,4−ジシアノ−2−ブテンを得た。反応率
91%、収率73%。
【0026】実施例5 9.9g(0.1モル)の塩化第一銅、8.16g
(0.1モル)のジメチルアミン塩酸塩、5.45g
(0.04モル)の塩化亜鉛、1.64g(0.02モ
ル)の酢酸ナトリウムを撹拌下、120℃に加熱し、触
媒溶融液を調製した。17.2g(0.1モル)の1,
4−ジアセトキシ−2−ブテンと7.6ml(0.2モ
ル)のシアン化水素の混合物を上記触媒液中に100℃
で2.5時間かけて滴下した。さらに100℃で1時間
保持した後、フラスコ内容物を酢酸エチル15mlで4
回抽出した。次いで、溶媒を減圧下に蒸発濃縮すること
で粗1,4−ジシアノ−2−ブテンを得た。反応率96
%、収率90%。
【0027】実施例6 9.9g(0.1モル)の塩化第一銅、9.6g(0.
1モル)のトリメチルアミン塩酸塩、5.45g(0.
04モル)の塩化亜鉛、1.68g(0.02モル)の
炭酸水素ナトリウムを撹拌下、100℃に加熱し、触媒
溶融液を調製した。17.2g(0.1モル)の1,4
−ジアセトキシ−2−ブテンと7.6ml(0.2モ
ル)のシアン化水素の混合物を上記触媒液中に100℃
で2.5時間かけて滴下した。さらに100℃で1時間
保持した後、フラスコ内容物を酢酸エチル15mlで4
回抽出した。次いで、溶媒を減圧下に蒸発濃縮すること
で粗1,4−ジシアノ−2−ブテンを得た。反応率96
%、収率85%。
【0028】実施例7 9.9g(0.1モル)の塩化第一銅、9.6g(0.
1モル)のトリメチルアミン塩酸塩、1.64g(0.
02モル)の酢酸ナトリウムを撹拌下、100℃に加熱
し、触媒溶融液を調製した。17.2g(0.1モル)
の1,4−ジアセトキシ−2−ブテンと7.6ml
(0.2モル)のシアン化水素の混合物を上記触媒液中
に100℃で3時間かけて滴下した。さらに100℃で
2時間保持した後、フラスコ内容物をトルエン30ml
で4回抽出した。次いで、溶媒を減圧下に蒸発濃縮する
ことで粗1,4−ジシアノ−2−ブテンを得た。反応率
96%、収率60%。
【0029】実施例8 4.95g(0.05モル)の塩化第一銅、4.78g
(0.05モル)のトリメチルアミン塩酸塩、2.72
g(0.02モル)の塩化亜鉛、0.82g(0.01
モル)の酢酸ナトリウムを撹拌下、100℃に加熱し、
触媒溶融液を調製した。5.8g(0.05モル)の
1,4−ジメトキシ−2−ブテンと3.8ml(0.1
モル)のシアン化水素の混合物を上記触媒液中に100
℃で3時間かけて滴下した。さらに100℃で2時間保
持した後、フラスコ内容物をトルエン30mlで4回抽
出した。次いで、溶媒を減圧下に蒸発濃縮することで粗
1,4−ジシアノ−2−ブテンを得た。反応率99%、
収率33%。
【0030】実施例9 4.95g(0.05モル)の塩化第一銅、4.78g
(0.05モル)のトリメチルアミン塩酸塩、1.9g
(0.02モル)の塩化マグネシウム、1.64g
(0.02モル)の酢酸ナトリウムを撹拌下、100℃
に加熱し、触媒溶融液を調製した。5.8g(0.05
モル)の1,4−ジメトキシ−2−ブテンと3.8ml
(0.1モル)のシアン化水素の混合物を上記触媒液中
に100℃で3時間かけて滴下した。さらに100℃で
2時間保持した後、フラスコ内容物をトルエン30ml
で4回抽出した。次いで、溶媒を減圧下に蒸発濃縮する
ことで粗1,4−ジシアノ−2−ブテンを得た。反応率
99%、収率45%。
【0031】実施例10 4.95g(0.05モル)の塩化第一銅、4.78g
(0.05モル)のトリメチルアミン塩酸塩、0.85
g(0.02モル)の塩化リチウムを撹拌下、100℃
に加熱し、触媒溶融液を調製した。5.8g(0.05
モル)の1,4−ジメトキシ−2−ブテンと3.8ml
(0.1モル)のシアン化水素の混合物を上記触媒液中
に100℃で3時間かけて滴下した。さらに100℃で
2時間保持した後、フラスコ内容物をトルエン30ml
で4回抽出した。次いで、溶媒を減圧下に蒸発濃縮する
ことで粗1,4−ジシアノ−2−ブテンを得た。反応率
99%、収率37%。
【0032】実施例11 9.9g(0.1モル)の塩化第一銅、8.16g
(0.1モル)のジメチルアミン塩酸塩、5.45g
(0.04モル)の塩化亜鉛、1.64g(0.02モ
ル)の酢酸ナトリウムを撹拌下、120℃に加熱し、触
媒溶融液を調製した。17.2g(0.1モル)の1,
4−ジアセトキシ−2−ブテンと7.6ml(0.2モ
ル)のシアン化水素の混合物を上記触媒液中に100℃
で2.5時間かけて滴下した。さらに100℃で2時間
保持した後、フラスコ内容物をトルエン15mlで4回
抽出した。次いで、溶媒を減圧下に蒸発濃縮することで
粗1,4−ジシアノ−2−ブテンを得た。抽出操作後、
触媒液を回収し、70〜80℃で濃塩酸0.2g(0.
002モル)を加え30分保持したあと、減圧下に水を
除去し、次回の反応にリサイクル使用した。反応結果を
表1に示す。トルエンでの抽出は十分ではなく、他の実
施例に比べて収率が必ずしも高い値を示してはいない。
【0033】
【表1】
【0034】比較例1 9.9g(0.1モル)の塩化第一銅と9.6g(0.
1モル)のトリメチルアミン塩酸塩を撹拌下、100℃
に加熱し、触媒溶融液を調製した。17.2g(0.1
モル)の1,4−ジアセトキシ−2−ブテンと7.6m
l(0.2モル)のシアン化水素の混合物を上記触媒液
中に100℃で2.5時間かけて滴下した。さらに10
0℃で1時間保持した後、フラスコ内容物を酢酸エチル
15mlで4回抽出した。次いで、溶媒を減圧下に蒸発
濃縮することで粗1,4−ジシアノ−2−ブテンを得
た。反応率91%、収率46%。
【0035】比較例2 4.95g(0.05モル)の塩化第一銅、4.78g
(0.05モル)のトリメチルアミン塩酸塩を撹拌下、
100℃に加熱し、触媒溶融液を調製した。5.8g
(0.05モル)の1,4−ジメトキシ−2−ブテンと
3.8ml(0.1モル)のシアン化水素の混合物を上
記触媒液中に100℃で3時間かけて滴下した。さらに
100℃で2時間保持した後、フラスコ内容物をトルエ
ン30mlで4回抽出した。次いで、溶媒を減圧下に蒸
発濃縮することで粗1,4−ジシアノ−2−ブテンを得
た。反応率97%、収率26%。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式、 R1 −CH2 −CH=CH−CH2 −R2 又は R3 −CH2 −CHR4 −CH=CH2 (式中、R1 、R3 はヒドロキシル基、低級アシルオキ
    シ基、低級アルコキシ基又はシアノ基を、R2 、R4
    ヒドロキシル基、低級アシルオキシ基、又は低級アルコ
    キシ基を表す。ただし、R1 及びR2 共に、及びR4
    シアノ基であることを除く。)で示されるブテン類を、
    ハロゲン化第一銅および非芳香族有機アミンハロゲン酸
    塩とルイス酸および/または塩基性化合物からなる触媒
    の存在下にシアン化水素と反応させることを特徴とする
    1,4−ジシアノ−2−ブテンの製造方法。
  2. 【請求項2】 使用済触媒をそのままあるいは含有する
    水、アルコールまたは有機酸を除去した後に再使用する
    ことを特徴とする請求項1記載の1,4−ジシアノ−2
    −ブテンの製造方法。
  3. 【請求項3】 使用済触媒をハロゲン化水素酸を反応さ
    せ、次いで含有する水、アルコールまたは有機酸を除去
    した後に、または含有する水、アルコールまたは有機酸
    を除去し、次いでハロゲン化水素酸を反応させた後に再
    使用することを特徴とする請求項1記載の1,4−ジシ
    アノ−2−ブテンの製造方法。
  4. 【請求項4】 ハロゲン化第一銅が塩化第一銅または臭
    化第一銅である請求項1記載の1,4−ジシアノ−2−
    ブテンの製造方法。
  5. 【請求項5】 非芳香族有機アミンハロゲン酸塩が低級
    アルキルアミン類の塩酸塩または臭化水素酸塩である請
    求項1記載の1,4−ジシアノ−2−ブテンの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 ルイス酸が塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化
    亜鉛、塩化ニッケル、臭化ニッケル、塩化マグネシウ
    ム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、塩化リチ
    ウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、塩化第一鉄、塩
    化第二鉄、臭化第一鉄または臭化第二鉄である請求項1
    記載の1,4−ジシアノ−2−ブテンの製造方法。
  7. 【請求項7】 塩基性化合物が酢酸ナトリウム、酢酸カ
    リウム、酢酸リチウム、酢酸アンモニウム、炭酸ナトリ
    ウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水
    素カリウムである請求項1記載の1,4−ジシアノ−2
    −ブテンの製造方法。
  8. 【請求項8】 ブテン類が1,4−ジアセトキシ−2−
    ブテンである請求項1記載の1,4−ジシアノ−2−ブ
    テンの製造方法。
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