JPH0629409B2 - ケイ酸亜鉛螢光体 - Google Patents
ケイ酸亜鉛螢光体Info
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- JPH0629409B2 JPH0629409B2 JP60081895A JP8189585A JPH0629409B2 JP H0629409 B2 JPH0629409 B2 JP H0629409B2 JP 60081895 A JP60081895 A JP 60081895A JP 8189585 A JP8189585 A JP 8189585A JP H0629409 B2 JPH0629409 B2 JP H0629409B2
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Description
本発明は、JEDEC、P−39およびP−1として登
録されているケイ酸亜鉛蛍光体に関する。 更に詳しくは、電子線の厳しい励起下において、発光強
度維持特性が改善された長残光性の緑色発光蛍光体に関
する。
録されているケイ酸亜鉛蛍光体に関する。 更に詳しくは、電子線の厳しい励起下において、発光強
度維持特性が改善された長残光性の緑色発光蛍光体に関
する。
ケイ酸亜鉛蛍光体は昔からよく知られている。この蛍光
体は、残光性を持つが故に、ディスプレイ画面のちらつ
き(フリッカー)防止用としてモノクローム及びカラー
ディスプレイ管用に、現在よく使用されている。 ディスプレイ管用として使われる蛍光体は、電圧や電流
その他の駆動条件が厳しくなることが多い。従って、厳
しい電圧電流で使用されて、長寿命であるケイ酸亜鉛蛍
光体が要求されている。なかでも、蛍光体の膜焼け(バ
ーニング)については、ディスプレイ管の寿命に関係す
ることであり、特に注目されている重要な問題である。 蛍光体の膜焼けとは、真空中で加速された電子線によっ
て、蛍光体の同一箇所が局部的に繰り返し衝撃され、温
度が上昇し、蛍光体を構成する母体や付活剤、共付活剤
が、化合物からそれぞれの元素に分離される、あるい
は、蛍光体表面に叩き出されたうえ還元されて褐色から
黒色に着色する現象である。 この膜焼け防止対策として、蛍光体を製造するに際し、 原料の純度をあげること。 蛍光体化合物構成比を化学量論的割合いとするこ
と。 焼成条件を最適とし、きれいな結晶を作ること。 結晶表面を充分洗浄すること、等に特別の注意が払
われている。 また、バーニングを起こし易い蛍光体、即ち、輝度劣化
の著しい蛍光体を、輝度劣化の少ない蛍光体と組み合わ
せてカラー陰極線管に使用すると、色ずれを生ずる。特
に、ケイ酸亜鉛蛍光体は、赤や青の蛍光体に比べると輝
度劣化が早く、輝度劣化の少ない緑色発光蛍光体の開発
が切望されている。 輝度劣化の少ないケイ酸亜鉛蛍光体として、組成式が、 (Zn(1-x-2y),M2+ x,Na2y)2SiO4:Mna,A
sb,Mc で示され、x+2y≠0である蛍光体が提案されている
(特開昭59−184281号公報および特開昭60−
9782号公報)。 但し、この組成式において、M2+は、バリウム、カルシ
ウムおよびストロンチウムの少なくとも一種のアルカリ
土類金属で、Mはアンチモンおよびビスマスの少なくと
も一方である。この蛍光体は、x+2y≠0であるか
ら、蛍光体組成に、バリウム、カルシウム、ストロンチ
ウム、ナトリウムの何れかを含有している。 しかしながら、この蛍光体も従来のケイ酸亜鉛蛍光体に
比べてほとんど輝度劣化特性は改善されず、更に輝度劣
化の少ない蛍光体が要求されている。 ところで、前記の公開公報(特開昭59−184281
号公報および特開昭60−6782号公報)には、ケイ
酸亜鉛蛍光体に微量のホウ素を添加しても良いことが記
述されている。 しかしながら、ホウ素が添加されたケイ酸亜鉛蛍光体
は、ホウ素の含有量が増えるにつれ輝度が低くなるた
め、ホウ素を添加して優れた特性のケイ酸亜鉛蛍光体
は、未だに実用化されていない。 本発明者等は、ホウ素の含有量を極めて特定された範囲
内に制限することによって、焼け防止特性を飛躍的に向
上できると共に、輝度も充分実用になる値のケイ酸亜鉛
蛍光体の開発に成功した。 従って、本発明は、従来のケイ酸亜鉛蛍光体に比べて著
しく輝度劣化の少ない、即ち、バーニングを起こし難い
ケイ酸亜鉛蛍光体を提供することを目的とする。 また、本発明の他の重要な目的は、残光時間を延長する
為に含有されるひ素を含有させ易いケイ酸亜鉛蛍光体を
提供するにある。
体は、残光性を持つが故に、ディスプレイ画面のちらつ
き(フリッカー)防止用としてモノクローム及びカラー
ディスプレイ管用に、現在よく使用されている。 ディスプレイ管用として使われる蛍光体は、電圧や電流
その他の駆動条件が厳しくなることが多い。従って、厳
しい電圧電流で使用されて、長寿命であるケイ酸亜鉛蛍
光体が要求されている。なかでも、蛍光体の膜焼け(バ
ーニング)については、ディスプレイ管の寿命に関係す
ることであり、特に注目されている重要な問題である。 蛍光体の膜焼けとは、真空中で加速された電子線によっ
て、蛍光体の同一箇所が局部的に繰り返し衝撃され、温
度が上昇し、蛍光体を構成する母体や付活剤、共付活剤
が、化合物からそれぞれの元素に分離される、あるい
は、蛍光体表面に叩き出されたうえ還元されて褐色から
黒色に着色する現象である。 この膜焼け防止対策として、蛍光体を製造するに際し、 原料の純度をあげること。 蛍光体化合物構成比を化学量論的割合いとするこ
と。 焼成条件を最適とし、きれいな結晶を作ること。 結晶表面を充分洗浄すること、等に特別の注意が払
われている。 また、バーニングを起こし易い蛍光体、即ち、輝度劣化
の著しい蛍光体を、輝度劣化の少ない蛍光体と組み合わ
せてカラー陰極線管に使用すると、色ずれを生ずる。特
に、ケイ酸亜鉛蛍光体は、赤や青の蛍光体に比べると輝
度劣化が早く、輝度劣化の少ない緑色発光蛍光体の開発
が切望されている。 輝度劣化の少ないケイ酸亜鉛蛍光体として、組成式が、 (Zn(1-x-2y),M2+ x,Na2y)2SiO4:Mna,A
sb,Mc で示され、x+2y≠0である蛍光体が提案されている
(特開昭59−184281号公報および特開昭60−
9782号公報)。 但し、この組成式において、M2+は、バリウム、カルシ
ウムおよびストロンチウムの少なくとも一種のアルカリ
土類金属で、Mはアンチモンおよびビスマスの少なくと
も一方である。この蛍光体は、x+2y≠0であるか
ら、蛍光体組成に、バリウム、カルシウム、ストロンチ
ウム、ナトリウムの何れかを含有している。 しかしながら、この蛍光体も従来のケイ酸亜鉛蛍光体に
比べてほとんど輝度劣化特性は改善されず、更に輝度劣
化の少ない蛍光体が要求されている。 ところで、前記の公開公報(特開昭59−184281
号公報および特開昭60−6782号公報)には、ケイ
酸亜鉛蛍光体に微量のホウ素を添加しても良いことが記
述されている。 しかしながら、ホウ素が添加されたケイ酸亜鉛蛍光体
は、ホウ素の含有量が増えるにつれ輝度が低くなるた
め、ホウ素を添加して優れた特性のケイ酸亜鉛蛍光体
は、未だに実用化されていない。 本発明者等は、ホウ素の含有量を極めて特定された範囲
内に制限することによって、焼け防止特性を飛躍的に向
上できると共に、輝度も充分実用になる値のケイ酸亜鉛
蛍光体の開発に成功した。 従って、本発明は、従来のケイ酸亜鉛蛍光体に比べて著
しく輝度劣化の少ない、即ち、バーニングを起こし難い
ケイ酸亜鉛蛍光体を提供することを目的とする。 また、本発明の他の重要な目的は、残光時間を延長する
為に含有されるひ素を含有させ易いケイ酸亜鉛蛍光体を
提供するにある。
本発明の蛍光体は、シリカの一部を、特定量のホウ素で
置換している。すなわち、この発明のケイ酸亜鉛蛍光体
は次の組成式で表される。 Zn2Si(1−w)BwO(4−w/2):Mnx,Mv
y,Gez ただし、この組成式において、 Mvは、ひ素、アンチモン、ビスマスの少なくとも一種
である。 ホウ素の含有量を示すwは、5×10-6モル以下で有効
であるが、少なすぎるとバーニング特性が低下するの
で、Wは、1×10-6以上の数値に特定されている。 また、付活剤である、マンガン、ひ素、アンチモン、ビ
スマス、セリウムの含有量を示す、x、y、zの値は、
下記の数値に特定されている。 0<x<0.05 0≦y<0.001 0≦z≦0.05 但し、製造工程において、ホウ素の添加量はこの10倍
〜100倍が適当である。ホウ素は、焼成工程で多くが
焼失されることが理由である。 ケイ酸亜鉛蛍光体にホウ素を添加する原料としては、 H2BO3、 (NH4)2B10O16、 Na2B4O7、 Li2B2O7、 BF3などのホウ素化合物を使用できる。 これ等のホウ素化合物は、焼成工程において融剤として
の作用もあり、蛍光体の結晶づくりの手助けにもなって
いる。
置換している。すなわち、この発明のケイ酸亜鉛蛍光体
は次の組成式で表される。 Zn2Si(1−w)BwO(4−w/2):Mnx,Mv
y,Gez ただし、この組成式において、 Mvは、ひ素、アンチモン、ビスマスの少なくとも一種
である。 ホウ素の含有量を示すwは、5×10-6モル以下で有効
であるが、少なすぎるとバーニング特性が低下するの
で、Wは、1×10-6以上の数値に特定されている。 また、付活剤である、マンガン、ひ素、アンチモン、ビ
スマス、セリウムの含有量を示す、x、y、zの値は、
下記の数値に特定されている。 0<x<0.05 0≦y<0.001 0≦z≦0.05 但し、製造工程において、ホウ素の添加量はこの10倍
〜100倍が適当である。ホウ素は、焼成工程で多くが
焼失されることが理由である。 ケイ酸亜鉛蛍光体にホウ素を添加する原料としては、 H2BO3、 (NH4)2B10O16、 Na2B4O7、 Li2B2O7、 BF3などのホウ素化合物を使用できる。 これ等のホウ素化合物は、焼成工程において融剤として
の作用もあり、蛍光体の結晶づくりの手助けにもなって
いる。
本発明のケイ酸亜鉛蛍光体は、特定量のホウ素を含んで
いる。ホウ素は、亜鉛、シリカ、マンガン、ひ素を強く
結合させて、結晶表面をガラス化させ、強い電子線の刺
激から蛍光体を防護する。 更に、ホウ素は、強い電子線の刺激によって発生した温
度上昇等を抑制する作用もある。このため、ホウ素によ
って両作用の相乗効果が発揮されて、ケイ酸亜鉛蛍光体
の欠点であった輝度劣化を効果的に防止できる特長があ
る。 更に、本発明のケイ酸亜鉛蛍光体は、必要ならば、共付
活剤として、特定量のセリウムを添加して、さらにバー
ニング特性を改善できる。 セリウムの含有量は、0〜0.05モル、好ましくは
0.000000015〜0.000003モルに調整
される。 セリウムとホウ素を含有する本発明の蛍光体は、強い電
子線の刺激で起こるケイ酸亜鉛蛍光体のバーニングを極
減でき、しかも蛍光体の輝度を高くすることができる。 本発明の蛍光体が、従来のものに比べていかに優れた特
性を有するかを第1図に示している。第1図の測定は、
輝度劣化を明確にする為に、加速電圧を30KV、電流
密度を1.5μA/cm2として、時間と共に、輝度が低
下する状態を測定している。 第1図のバーニングの測定法については、蛍光体をガラ
ス板に塗布し、メタルバッグを施して、一定時間電子線
を連続照射した後、電子線を当てていない部分との輝度
の比較を行って%で表示した。 第1図において、実線Aは本発明のケイ酸亜鉛蛍光体の
バーニング特性、即ち、時間と共に輝度が低下する状態
を示し、鎖線Bは、特開昭60−6782号公報で提案
されたタイプでホウ素を含有しないケイ酸亜鉛蛍光体の
バーニング特性を示す。 但し、実線Aのケイ酸亜鉛蛍光体は、 ホウ素の含有量を0.000004モル、 セリウムの含有量を零、 マンガンの含有量を0.00005モル、 ひ素の含有量を0.00002モルとした。 また、鎖線Bで示される従来のケイ酸亜鉛蛍光体は、前
記の公報において、最も輝度低下の少ないバーニング特
性の優れたもの、即ち、 (Zn0.999Ba0.001)2SiO4/Mn
0.0008,As0.0002Sb0.0002のケ
イ酸亜鉛蛍光体を使用した。 第1図から明らかなように、本発明のケイ酸亜鉛蛍光体
は、実線Aで示すように、鎖線Bで示す従来の蛍光体に
比べて、著しく優れたバーニング特性を示している。 即ち、図において、2時間経過後、従来のケイ酸亜鉛蛍
光体は、輝度が74%に低下したのに対し、本発明のケ
イ酸亜鉛蛍光体は、91.3%(曲線A)にしか低下せ
ず、輝度低下率は、何と従来の蛍光体の2分の1以下と
飛躍的に向上できた。
いる。ホウ素は、亜鉛、シリカ、マンガン、ひ素を強く
結合させて、結晶表面をガラス化させ、強い電子線の刺
激から蛍光体を防護する。 更に、ホウ素は、強い電子線の刺激によって発生した温
度上昇等を抑制する作用もある。このため、ホウ素によ
って両作用の相乗効果が発揮されて、ケイ酸亜鉛蛍光体
の欠点であった輝度劣化を効果的に防止できる特長があ
る。 更に、本発明のケイ酸亜鉛蛍光体は、必要ならば、共付
活剤として、特定量のセリウムを添加して、さらにバー
ニング特性を改善できる。 セリウムの含有量は、0〜0.05モル、好ましくは
0.000000015〜0.000003モルに調整
される。 セリウムとホウ素を含有する本発明の蛍光体は、強い電
子線の刺激で起こるケイ酸亜鉛蛍光体のバーニングを極
減でき、しかも蛍光体の輝度を高くすることができる。 本発明の蛍光体が、従来のものに比べていかに優れた特
性を有するかを第1図に示している。第1図の測定は、
輝度劣化を明確にする為に、加速電圧を30KV、電流
密度を1.5μA/cm2として、時間と共に、輝度が低
下する状態を測定している。 第1図のバーニングの測定法については、蛍光体をガラ
ス板に塗布し、メタルバッグを施して、一定時間電子線
を連続照射した後、電子線を当てていない部分との輝度
の比較を行って%で表示した。 第1図において、実線Aは本発明のケイ酸亜鉛蛍光体の
バーニング特性、即ち、時間と共に輝度が低下する状態
を示し、鎖線Bは、特開昭60−6782号公報で提案
されたタイプでホウ素を含有しないケイ酸亜鉛蛍光体の
バーニング特性を示す。 但し、実線Aのケイ酸亜鉛蛍光体は、 ホウ素の含有量を0.000004モル、 セリウムの含有量を零、 マンガンの含有量を0.00005モル、 ひ素の含有量を0.00002モルとした。 また、鎖線Bで示される従来のケイ酸亜鉛蛍光体は、前
記の公報において、最も輝度低下の少ないバーニング特
性の優れたもの、即ち、 (Zn0.999Ba0.001)2SiO4/Mn
0.0008,As0.0002Sb0.0002のケ
イ酸亜鉛蛍光体を使用した。 第1図から明らかなように、本発明のケイ酸亜鉛蛍光体
は、実線Aで示すように、鎖線Bで示す従来の蛍光体に
比べて、著しく優れたバーニング特性を示している。 即ち、図において、2時間経過後、従来のケイ酸亜鉛蛍
光体は、輝度が74%に低下したのに対し、本発明のケ
イ酸亜鉛蛍光体は、91.3%(曲線A)にしか低下せ
ず、輝度低下率は、何と従来の蛍光体の2分の1以下と
飛躍的に向上できた。
以下、この発明のケイ酸亜鉛蛍光体の実施例を説明す
る。 実施例1 下記の蛍光体原料を用意する。 ZnO…………396g SiO2…………167g MnO2………1.3g As2O3………0.08g H3BO3………1.2g CeCO3………0.2g これらの原料に、純水1リットルを加え、原料と水とを
2リットルポットで4時間混練する。混合品を乾燥し、
石英ルツボに詰め、1250℃3時間焼成し、焼成品を
ボールミル、フルイ、水洗処理を施して分離乾燥し、フ
ルイしてケイ酸亜鉛蛍光体として仕上げた。 得られたケイ酸亜鉛蛍光体の特性は次の通りであった。 相対輝度80%、 残光時間120ms、 バーニング99.7%、 このケイ酸亜鉛蛍光体を分析したところ、 ホウ素が0.000005モル、 セリウムが0.0000014モル、 ひ素が0.000032モル含まれていた。 実施例2 下記の蛍光体原料を用意する。 ZnO…………396g SiO2…………167g MnO2…………1.3g AS2O3…………0.04g H3BO3…………0.6g CeCO3…………0.1g これ等の蛍光体原料を使用して、実施例1と同様の工程
で、ケイ酸亜鉛蛍光体を得た。 得られたケイ酸亜鉛蛍光体は、 相対輝度92%、 残光時間100ms、 バーニング99.1%であった。 また、このケイ酸亜鉛蛍光体を分析した結果、 ホウ素を0.0000032モル、 セリウムを0.00000078モル、 ひ素を0.000018モル含有していた。 実施例3 下記の蛍光体原料を用意する。 ZnO…………396g SiO2…………167g MnO2…………1.3g As2O3…………0.025g H3BO3…………0.4g CeCO3…………0.05g これ等の蛍光体原料を使用して、実施例1と同様の工程
で、ケイ酸亜鉛蛍光体を製造した。 得られたケイ酸亜鉛蛍光体は、 相対輝度100.1%、 残光時間85ms、 バーニング98.5%であった。 また、このケイ酸亜鉛蛍光体を分析した結果、 ホウ素を0.000002モル、 セリウムを0.000003モル、 ひ素を0.000015モル含んでいた。 実施例4 下記の蛍光体原料を用意する。 ZnO…………396g SiO2…………167g MnO2…………1.3g AS2O3…………0.020g H3BO3…………0.4g これ等の蛍光体原料を使用して、実施例1と同様の工程
でケイ酸亜鉛蛍光体を製造した。 得られたケイ酸亜鉛蛍光体は、 相対輝度103.5%、 残光時間73ms、 バーニング98.2%であった。 このケイ酸亜鉛蛍光体を分析した結果、 ホウ素を0.0000016モル、 ひ素を0.000012モル含有していた。 ところで、本発明のケイ酸亜鉛蛍光体は、第2図に示す
ように、特定の範囲内でホウ素の含有量を増加させるに
従って、含有劣化は著しく改善された。 第2図は、加速電圧15KV、電流密度を10μA/cm
2として、電子線で30分間連続照射する強制劣化試験
を行い、そのときの輝度を、最初の輝度に比較して%で
表示している。 この図からも明かなように、ホウ素の含有量が0.00
0005モルのケイ酸亜鉛蛍光体は、輝度劣化が0.3
%であったのに対し、ホウ素を含まない従来のケイ酸亜
鉛蛍光体は、輝度が5.5%を低下した。 即ち、この測定条件の下で、本発明のケイ酸亜鉛蛍光体
は、ホウ素を含まないケイ酸亜鉛蛍光体に比べて、輝度
劣化が約18分の1に極減した。 第3図は、ホウ素の含有量に対する輝度の変化を示す。
この図からも明かなように、ホウ素の含有量が0.00
0005モルのケイ酸亜鉛蛍光体は、ホウ素を含まない
ケイ酸亜鉛蛍光体(100%)に比べて約80%の輝度
を実現できた。 ホウ素を含有させることによって、輝度が80%に低下
したケイ酸亜鉛蛍光体であっても、他の赤色、青色との
輝度のバランスにより、バーニングが良ければ極めて有
効に使用できる。 第2図及び第3図から、ホウ素の含有量は、1×10-6
以上、5×10-6以下の範囲に決定される。 特定量のホウ素が含有されてバーニング特性が向上され
たケイ酸亜鉛蛍光体は、多少輝度が低下するが、この輝
度低下は、ホウ素と共に、セリウムを混合することで改
善できる。 第4図にセリウムの混合量に対する輝度の変化を示す。
この図からも明らかなように、セリウムを混合すること
によって、ホウ素添加による輝度低下を相当に改善でで
きた。 但し、第2図ないし第4図において、ケイ酸亜鉛蛍光体
のマンガン含有量は、0.00005モルに、ひ素の含
有量は、0.000002モルと一定とし、この蛍光体
を100%基準として、ホウ素又はセリウムの変化に伴
う値が記載されている。 セリウムは、含有量に対する輝度変化がゆるやかであ
る。又、セリウムは、含有量が0.0000003モル
以下の場合、輝度は2〜3%向上するにすぎない。しか
しながら、セリウムの含有量が0.0000003モル
以下であっても、蛍光体のバーニング特性は向上する。
このことからセリウムの含有量は、通常、0.05モル
以下、好ましくは、0.000000015モル〜0.
000003の範囲に決定される。 更に、第5図と第6図とに、ひ素の含有量と残光時間、
相対輝度の関係を示す。ひ素の含有量を増加すると、含
有が10分の1になる1/10残光時間が長くなり、輝
度が低下する。従って、ひ素はケイ酸亜鉛蛍光体に要求
される残光時間によって含有量が決定されるが、通常
0.001モル以下に決定される。 第5図及び第6図において、マンガン含有量は0.00
005モル一定とした。 更に、ひ素の含有量を0.000002モルとして、こ
の蛍光体を100%基準としてマンガンの含有量を変化
させたときの輝度変化を第7図に示す。この図から、マ
ンガンの含有量は0.05モル以下、好ましい含有量
は、0.00002〜0.00016モルに決定され
る。 なお、本発明のケイ酸亜鉛蛍光体において、ケイ素の一
部をゲルマニウムに置換してもよい。更に、本発明の蛍
光体は、残光時間を長くするひ素に代わって、アンチモ
ン、ビスマスを使用することもできる。 更に又、ユーロピウム、リン、鉛、アルミニウム、ベリ
リウムおよびカドミウムを微量添加して本発明のケイ酸
亜鉛蛍光体とすることもできる。 更に又、セリウム(Ce)の一部あるいは全部を、ラン
タン(La)、テルビウム(Tb)で置換することによ
って、セリウムと同様の効果がある。 また、蛍光体にセリウムを含有させる場合、セリウムの
原料として、実施例1〜3にに使用したCeCO3に代
わって、例えばCe2O3、Ce(NO3)3、CE
(NO3)3、Ce2(C2O4)3などの化合物も使
用できる。
る。 実施例1 下記の蛍光体原料を用意する。 ZnO…………396g SiO2…………167g MnO2………1.3g As2O3………0.08g H3BO3………1.2g CeCO3………0.2g これらの原料に、純水1リットルを加え、原料と水とを
2リットルポットで4時間混練する。混合品を乾燥し、
石英ルツボに詰め、1250℃3時間焼成し、焼成品を
ボールミル、フルイ、水洗処理を施して分離乾燥し、フ
ルイしてケイ酸亜鉛蛍光体として仕上げた。 得られたケイ酸亜鉛蛍光体の特性は次の通りであった。 相対輝度80%、 残光時間120ms、 バーニング99.7%、 このケイ酸亜鉛蛍光体を分析したところ、 ホウ素が0.000005モル、 セリウムが0.0000014モル、 ひ素が0.000032モル含まれていた。 実施例2 下記の蛍光体原料を用意する。 ZnO…………396g SiO2…………167g MnO2…………1.3g AS2O3…………0.04g H3BO3…………0.6g CeCO3…………0.1g これ等の蛍光体原料を使用して、実施例1と同様の工程
で、ケイ酸亜鉛蛍光体を得た。 得られたケイ酸亜鉛蛍光体は、 相対輝度92%、 残光時間100ms、 バーニング99.1%であった。 また、このケイ酸亜鉛蛍光体を分析した結果、 ホウ素を0.0000032モル、 セリウムを0.00000078モル、 ひ素を0.000018モル含有していた。 実施例3 下記の蛍光体原料を用意する。 ZnO…………396g SiO2…………167g MnO2…………1.3g As2O3…………0.025g H3BO3…………0.4g CeCO3…………0.05g これ等の蛍光体原料を使用して、実施例1と同様の工程
で、ケイ酸亜鉛蛍光体を製造した。 得られたケイ酸亜鉛蛍光体は、 相対輝度100.1%、 残光時間85ms、 バーニング98.5%であった。 また、このケイ酸亜鉛蛍光体を分析した結果、 ホウ素を0.000002モル、 セリウムを0.000003モル、 ひ素を0.000015モル含んでいた。 実施例4 下記の蛍光体原料を用意する。 ZnO…………396g SiO2…………167g MnO2…………1.3g AS2O3…………0.020g H3BO3…………0.4g これ等の蛍光体原料を使用して、実施例1と同様の工程
でケイ酸亜鉛蛍光体を製造した。 得られたケイ酸亜鉛蛍光体は、 相対輝度103.5%、 残光時間73ms、 バーニング98.2%であった。 このケイ酸亜鉛蛍光体を分析した結果、 ホウ素を0.0000016モル、 ひ素を0.000012モル含有していた。 ところで、本発明のケイ酸亜鉛蛍光体は、第2図に示す
ように、特定の範囲内でホウ素の含有量を増加させるに
従って、含有劣化は著しく改善された。 第2図は、加速電圧15KV、電流密度を10μA/cm
2として、電子線で30分間連続照射する強制劣化試験
を行い、そのときの輝度を、最初の輝度に比較して%で
表示している。 この図からも明かなように、ホウ素の含有量が0.00
0005モルのケイ酸亜鉛蛍光体は、輝度劣化が0.3
%であったのに対し、ホウ素を含まない従来のケイ酸亜
鉛蛍光体は、輝度が5.5%を低下した。 即ち、この測定条件の下で、本発明のケイ酸亜鉛蛍光体
は、ホウ素を含まないケイ酸亜鉛蛍光体に比べて、輝度
劣化が約18分の1に極減した。 第3図は、ホウ素の含有量に対する輝度の変化を示す。
この図からも明かなように、ホウ素の含有量が0.00
0005モルのケイ酸亜鉛蛍光体は、ホウ素を含まない
ケイ酸亜鉛蛍光体(100%)に比べて約80%の輝度
を実現できた。 ホウ素を含有させることによって、輝度が80%に低下
したケイ酸亜鉛蛍光体であっても、他の赤色、青色との
輝度のバランスにより、バーニングが良ければ極めて有
効に使用できる。 第2図及び第3図から、ホウ素の含有量は、1×10-6
以上、5×10-6以下の範囲に決定される。 特定量のホウ素が含有されてバーニング特性が向上され
たケイ酸亜鉛蛍光体は、多少輝度が低下するが、この輝
度低下は、ホウ素と共に、セリウムを混合することで改
善できる。 第4図にセリウムの混合量に対する輝度の変化を示す。
この図からも明らかなように、セリウムを混合すること
によって、ホウ素添加による輝度低下を相当に改善でで
きた。 但し、第2図ないし第4図において、ケイ酸亜鉛蛍光体
のマンガン含有量は、0.00005モルに、ひ素の含
有量は、0.000002モルと一定とし、この蛍光体
を100%基準として、ホウ素又はセリウムの変化に伴
う値が記載されている。 セリウムは、含有量に対する輝度変化がゆるやかであ
る。又、セリウムは、含有量が0.0000003モル
以下の場合、輝度は2〜3%向上するにすぎない。しか
しながら、セリウムの含有量が0.0000003モル
以下であっても、蛍光体のバーニング特性は向上する。
このことからセリウムの含有量は、通常、0.05モル
以下、好ましくは、0.000000015モル〜0.
000003の範囲に決定される。 更に、第5図と第6図とに、ひ素の含有量と残光時間、
相対輝度の関係を示す。ひ素の含有量を増加すると、含
有が10分の1になる1/10残光時間が長くなり、輝
度が低下する。従って、ひ素はケイ酸亜鉛蛍光体に要求
される残光時間によって含有量が決定されるが、通常
0.001モル以下に決定される。 第5図及び第6図において、マンガン含有量は0.00
005モル一定とした。 更に、ひ素の含有量を0.000002モルとして、こ
の蛍光体を100%基準としてマンガンの含有量を変化
させたときの輝度変化を第7図に示す。この図から、マ
ンガンの含有量は0.05モル以下、好ましい含有量
は、0.00002〜0.00016モルに決定され
る。 なお、本発明のケイ酸亜鉛蛍光体において、ケイ素の一
部をゲルマニウムに置換してもよい。更に、本発明の蛍
光体は、残光時間を長くするひ素に代わって、アンチモ
ン、ビスマスを使用することもできる。 更に又、ユーロピウム、リン、鉛、アルミニウム、ベリ
リウムおよびカドミウムを微量添加して本発明のケイ酸
亜鉛蛍光体とすることもできる。 更に又、セリウム(Ce)の一部あるいは全部を、ラン
タン(La)、テルビウム(Tb)で置換することによ
って、セリウムと同様の効果がある。 また、蛍光体にセリウムを含有させる場合、セリウムの
原料として、実施例1〜3にに使用したCeCO3に代
わって、例えばCe2O3、Ce(NO3)3、CE
(NO3)3、Ce2(C2O4)3などの化合物も使
用できる。
第1図は本発明の蛍光体と従来の蛍光体の輝度特性を示
すグラフ、第2図はホウ素含有量に対するバーニング特
性図、第3図はホウ素含有量に対する輝度特性図、第4
図はセリウム含有量に対する輝度特性図、第5図はひ素
含有量に対する残光時間特性図、第6図はひ素含有量に
対する輝度特性図、第7図はマンガン含有量に対する輝
度特性図である。
すグラフ、第2図はホウ素含有量に対するバーニング特
性図、第3図はホウ素含有量に対する輝度特性図、第4
図はセリウム含有量に対する輝度特性図、第5図はひ素
含有量に対する残光時間特性図、第6図はひ素含有量に
対する輝度特性図、第7図はマンガン含有量に対する輝
度特性図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石立 健一 徳島県阿南市上中町岡491番地100 日亜化 学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−184281(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】組成式が、 Zn2Si(1−w)BwO(4−w/2):Mnx,Mv
y,Gezで表されるケイ酸亜鉛蛍光体。 ただし、組成式において、 Mvは、ひ素、アンチモン、ビスマスの少なくとも一種
であり、w、x、y、zは下記の範囲の数値である。 1×10-6≦w≦5×10-6 0<x<0.05 0≦y<0.001 0≦z≦0.05
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60081895A JPH0629409B2 (ja) | 1985-04-17 | 1985-04-17 | ケイ酸亜鉛螢光体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60081895A JPH0629409B2 (ja) | 1985-04-17 | 1985-04-17 | ケイ酸亜鉛螢光体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61238884A JPS61238884A (ja) | 1986-10-24 |
JPH0629409B2 true JPH0629409B2 (ja) | 1994-04-20 |
Family
ID=13759173
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60081895A Expired - Lifetime JPH0629409B2 (ja) | 1985-04-17 | 1985-04-17 | ケイ酸亜鉛螢光体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0629409B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59184281A (ja) * | 1983-04-04 | 1984-10-19 | Kasei Optonix Co Ltd | 珪酸亜鉛螢光体 |
-
1985
- 1985-04-17 JP JP60081895A patent/JPH0629409B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61238884A (ja) | 1986-10-24 |
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