JPH072945B2 - 残光性硫化亜鉛蛍光体 - Google Patents

残光性硫化亜鉛蛍光体

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JPH072945B2
JPH072945B2 JP60152783A JP15278385A JPH072945B2 JP H072945 B2 JPH072945 B2 JP H072945B2 JP 60152783 A JP60152783 A JP 60152783A JP 15278385 A JP15278385 A JP 15278385A JP H072945 B2 JPH072945 B2 JP H072945B2
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【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、主として、コンピュータ端末のディスプレイ
管などに使用される蛍光体に関し、特に、発光色が青色
で残光性を有する硫化亜鉛蛍光体に関する。
【従来の技術】
文字や図形の表示が主たる目的であるコンピュータ端末
などのディスプレイ管は、小さい文字等を鮮明に表示す
る為に、高解像度であることが要求される。高解像度の
モニターテレビは、ビデオ信号増幅回路の周波数帯域幅
を狭くして、解像度を高くする手段として、ディスプレ
イ管のフェースプレート上蛍光体塗布膜を照射する電子
線の走査速度を遅くする方法が採用されている。電子線
の走査速度を一定にして、ディスプレイ管の解像度を高
くすれば、解像度に比例して、モニターテレビのビデオ
信号増幅回路の周波数帯域を広く設計する必要がある。
このことから、高解像度ディスプレイ管のモニターテレ
ビは、通常の一般家庭用テレビに比べると、数倍から十
数倍もの広い増幅帯域を持つ。このことは、ビデオ信号
増幅回路を複雑化すると共に、部品の配列を制約し、さ
らに、高速用の半導体を必要とし、さらに又、極めて高
度な設計並びに組み立て技術を必要とし、モニターテレ
ビを著しく高価にしている。 又、ビデオ信号増幅回路の周波数帯域には制約があり、
電子線の走査速度を遅くしない限り、特に微細な文字を
表示する高解像度ディスブレイ管は実用化できない。ビ
デオ信号増幅回路の周波数帯域を狭くして、電子線の走
査速度を遅くすると、画面にちらつきを生じる。従っ
て、解像度の高いディスプレイ管を実用化するには、ち
らつきを防止する為に、10%残光時間(励起停止後、発
光輝度が励起時の10%まで低下するのに要する時間)
が、通常のディスプレイ管に使用される蛍光体よりも、
数十〜数百倍長い蛍光体が要求される。 従来より、前記高解像度ディスプレイ管に使用可能な蛍
光体として、マンガン及びヒ素付活珪酸亜鉛緑色発光蛍
光体[Zn2SiO4:Mn,As]、マンガン付活オルト燐酸亜鉛
赤色発光蛍光体[Zn3(PO4)2:Mn]、マンガン付活塩化オ
ルト燐酸カドミウムだいだい色発光蛍光体[Cd5Cl(PO4)
3:Mn]等が知られている。ところが、長残光性の青色発
光蛍光体は未だ実用化されていない。 周知のように、発光色が白色であるディスプレイ管や、
カラーディスプレイ管を得るためには、赤色発光蛍光体
と青色発光蛍光体及び緑色発光蛍光体は不可欠であり、
前記高解像度ディスプレイ管を得るために、使用可能な
長残光性青色発光蛍光体の開発が切望されている。 充分な残光特性と発光輝度を有する青色発光蛍光体が実
用されていないことが、超高解像度ディスプレイ管のモ
ノクロからカラーへの移行を阻害している。 電子線で刺激された時に青色に発光し、残光時は黄色に
発光する蛍光体は開発されている。この蛍光体は、短残
光性の青色発光蛍光体である銀付活硫化亜鉛蛍光体(Zn
S:Ag)に、長残光性緑色蛍光体であるZn2SiO4:Mn,As、
及び長残光性赤色蛍光体であるZn3(PO4)2:Mnを混合し、
青色発光蛍光体に赤と緑の蛍光体で残光性を持たせてい
る。 従ってこの蛍光体は、発光色が青色であるのに対し、残
光色が黄色となり、全発光色の色純度を低下させる欠点
がある。 この赤、青、緑混合蛍光体に対し、単独で、発光色と残
光色とが青色である蛍光体が提案されている。(特開昭
58-79814号公報、特開昭58-83084号公報、特開昭58-830
85号公報、特開昭58-120521号公報、特開昭58-129083号
公報) これ等の蛍光体は、硫化亜鉛ZnSを母体とし、銀を付活
剤とし、Ga、Inのいずれか一方を第1の共付活剤とし、
Au、Cuのいずれか一方を第2の共付活剤とし、ハロゲ
ン、Al等を第3の共付活剤としたものである。 この組成の蛍光体は、発光色が青色で、しかも青色の残
光色を有するが、発光輝度が、従来の短残光青色蛍光体
に比べて著しく低く、しかも、長残光性蛍光体にとって
大切なバーニング特性が悪く、さらに、電子線の電流に
対する発光輝度の直線性が悪くて、電流密度に比例した
発光輝度が実現できない欠点があり、未だ実用化される
に至っていない。
【本発明が解決しようとする問題点】
長残光性の蛍光体は、前述の通り、高解像度ディスプレ
イ管に使用されて、文字や図形等を画面上に鮮明に表示
するが、この種の用途の蛍光体は、蛍光体塗布膜の特定
部分の決まった位置が電子線で強く照射され、このため
劣化(バーニング)によって、局部的輝度低下を引き起
こし易く、ディスプレイ管の一様な表示能力の低下原因
となって寿命を短くしている。 通常の、一般家庭のテレビジョンに使用されるカラー、
あるいはモノクロテレビジョン用ブラウン管では、蛍光
膜の全面に平均的に電子線が照射されるため、バーニン
グは一様に起こり、それほど問題とならない。ところ
が、この種の用途の高解像度ディスプレイ管では、特定
部分の局部的な電流密度が高く、しかも電子線の走査速
度が遅くて電子線の照射時間が長く、バーニング特性は
特に重要となる。 さらに、別の重要な条件として、長残光性蛍光体といえ
ども発光輝度が高いことが要求される。ところが、長残
光性蛍光体は、短残光性蛍光体に比べて、原理的に発光
輝度が低くなる。これは、長残光性蛍光体が電子線刺激
を停止した後も発光する為、電子線から与えられたエネ
ルギーを長時間にわたって発光放出することによる。 即ち、短残光性蛍光体のように、発光が短時間に行われ
ると、単位時間当りの発光量が多く、その結果発光輝度
が高くなるが、逆に発光が長時間にわたり行われる長残
光性蛍光体では、単位時間当りの発光量が少なく、その
結果発光輝度が低くなる。 さらに、困ったことに、発光輝度の低い蛍光体は、発行
輝度を高くする為に、電子線の電流密度をより高くする
が、電流密度を高くして、蛍光体の電子線刺激を強くす
ればする程、バーニングを起こし易いという弊害を生ず
る。即ち、発光輝度が低くなると、バーニング特性も悪
化し、蛍光体全体の特性を著しく低下させる。このこと
から、残光性蛍光体は残光時間が長いのは言うに及ば
ず、発行輝度が高いことも極めて重要な条件である。 さらにもうひとつ別の条件として、電流特性があげられ
る。電流特性とは、蛍光体に流す電流密度に対する発光
輝度の直線性である。理想的な蛍光体は電流密度を10
倍、100倍と上昇させると、発光輝度も電流密度に比例
して10倍、100倍と直線的に増加する。この状態を、発
光効率の電流特性が100%であるという。ところが、実
在する蛍光体は、電流に対する輝度特性が正確に直線変
化せず、これよりも低くなる。電流特性低下の主な原因
として、電流密度を増減したときに、その発光色にずれ
が起こることが挙げられる。発光輝度とは、発光エネル
ギーと、標準観測者の等色函数を掛算したものを、可視
領域波長で積分したものであるため、発光色が変化する
と、期待したはずの輝度を示さなくなる。電流密度の増
減により色ずれが起こると、ディスプレイ管の画面の明
るさに対する色再現性が低下する原因となり、これもま
た好ましくない。 以上のように、高解像度ディスプレイ管に使用される蛍
光体は、好ましい残光特性に加えて、発行輝度が高く、
バーニング特性及び電流特性が良好であることが望まれ
る。本発明の重要な目的は、発光色と残光色の両方が青
色で、しかも残光特性、発光輝度、バーニング特性、電
流特性共に優れた残光性硫化亜鉛蛍光体を提供すること
にある。
【課題を解決するための手段】
従来より、青色発光硫化亜鉛蛍光体は、付活剤として
銀、金、銅等が使用されてきた。このことは、前記した
先願の長残光性青色発光蛍光体(特開昭58-79814号公
報、特開昭58-83084号公報、特開昭58-83085号公報、特
開昭58-120521号公報、特開昭58-129083号公報)につい
ても同じである。 これに対し本発明の残光性硫化亜鉛蛍光体は、硫化亜鉛
ZnSを母体とし、付活剤に、自己付活のZn、又はこれに
加えてEuを使用し、さらに、Ga、In、Tl、Sn、Pb、As、
Sb、Biの少なくとも一種を第1の共付活剤とし、Cl、B
r、I、F、Alの少なくとも一種を第2の共付活剤とし
ている。 付活剤であるZn、Euの含有量によって発光輝度と発光色
が変化する。発光輝度は付活剤の量が多すぎても、又少
なすぎても低下する。 付活剤にEuを使用する場合、Euは高価な希土類元素のた
め、含有量はなるべく少なく調整される。Euの付活量
は、要求される発光輝度、発光色並びに原料コストを考
慮して最適値に決定されるが、通常母体に対して5×10
-4〜1重量%、好ましくは、5×10-4〜1×10-1重量%
に決定される。 Znの自己付活に加えてEuを付活剤に使用すると、蛍光体
の発光輝度を高くできる。付活剤にEuを使用せずにZn単
独を付活剤として使用することも可能である。母体ZnS
の自己付活剤であるZnは、得られた蛍光体から分析でき
ないが、焼成温度等によって最適値に調整される。 第1の共付活剤であるGa、In、Tl、Sn、Pb、As、Sb、Bi
は、ZnS蛍光体に含有されて残光時間を調整する。これ
等の第1の共付活剤は、好ましい使用範囲に於ては、特
定の含有量に於て、残光性時間が最も長くなる。又、含
有量が増加するに従って発光輝度が低下する。さらに、
含有される材料の種類が変わると、残光時間と発光輝度
と発光色が変化する。従って、これらの共付活剤は、要
求される残光時間、発光輝度、発光色に応じて使用され
る材料が選定され、その含有量は、母体のZnSに対し
て、通常1×10-4〜3×10-1重量%、好ましくは、3×
10-3〜1×10-1重量%に決定される。 さらに、第2の共付活剤であるCl、Br、I、F、Alは、
材料の種類と含有量によって発光輝度と発光色が変化
し、含有量が最適値から多すぎても、少なすぎても発光
輝度が低下する。従って、これ等の材料は、要求される
発光輝度と発光色とから最適値が決定される。Cl、Br、
I、Fは、母体のZnSに対して、通常5×10-4〜1×10
-1重量%、好ましくは5×10-3〜5×10-2重量%、Alは
母体のZnSに対して5×10-4〜5×10-1重量%、好まし
くは5×10-3〜1×10-1重量%含有される。
【実施例】
本発明の残光性硫化亜鉛蛍光体は、以下に述べる方法で
製造される。 蛍光体原料として、 (イ) 母体原料として、ZnS(硫化亜鉛生粉) (ロ) 付活剤として、ZnS、EuCl3のいずれかを使用
し、 (ハ) 第1の共付活剤として、Ga、In、Tl、Sn、Pb、
Sb、Biの塩化物及びAs2O3のいずれかを使用し、 (ニ) 第2の共付活剤として、Cl、Br、I、Fのアン
モニウム塩、又はアルミニウムの塩化物塩、硫酸塩、硝
酸塩のうち少なくとも一種を使用する。 さらに、好ましくは、融剤として、H3BO3、BCl3、BF3等を
使用する。融剤として使用されるオルトホウ酸の量は、
ZnSに対して5×10-4〜5×10-2重量%が適当である。 本発明の残光性硫化亜鉛蛍光体は上記原料を最適量混練
し、100℃〜110℃で乾燥し、得られた蛍光体原料混合物
を石英ルツボ、石英管等の耐熱性容器に充填して焼成を
行う。焼成は硫化水素雰囲気、硫黄蒸気雰囲気、二硫化
炭素雰囲気等の硫化性雰囲気中で行う。焼成温度は800
℃〜1100℃が適当である。焼成時間は焼成温度、蛍光体
原料混合物の量等により異なるが、1〜8時間が適当で
ある。焼成後、得られた焼成物を充分水洗し、100℃〜1
10℃で乾燥させ、ふるいにかけ本発明の残光性硫化亜鉛
蛍光体を得る。 実施例1. 硫化亜鉛生粉 ZnS 1000g 塩化ナトリウム NaCl 18g 塩化ガリウム GaCl3 0.1g オルトホウ酸 H3BO3 5g 上記原料を水スラリーとし、充分に混練し、100℃〜110
℃で乾燥し、得られた蛍光体原料混合物に硫黄及び活性
炭を適当量加えて石英ルツボに充填した。石英ルツボに
蓋をした後、電気炉に入れ、940℃の温度で3時間焼成
を行った。焼成後、得られた焼成物を充分に水洗し、10
0℃〜110℃で乾燥し、ふるいに掛けた。このようにし
て、ZnS:Zn,Ga,Cl蛍光体を得た。 この蛍光体は、母体であるZnSに対して、3.2×10-3重量
%のガリウム、1×10-2重量%の塩素を含有していた。 上記蛍光体は、第1表に示すように、発光色が、CIE色
度表示のx値、y値に於て、x=0.148、y=0.140と色
純度の高い青色発光を示し、従来の長残光性青色発光蛍
光体に比べて発光輝度が高く、しかも電子線励起停止後
の10%残光時間は、58ミリ秒と好ましい値を示した。 この蛍光体は、製造工程に於て、第1の共付活剤の原料
であるGaCl3の混合量を調整して、相対発光輝度と残光
時間とを測定した。その結果を第1図と第2図に示す。
第1図から明らかなように、Gaの含有量が増加するに従
って発光輝度は低下するが、残光時間はGaの付活量が1.
2×10-5〜2.2×10-1重量%の範囲で20ミリ秒をこえ、4
×10-4〜4×10-2重量%の範囲で40ミリ秒以上となっ
た。 実施例2. 硫化亜鉛生粉 ZnS 1000g 塩化ユーロピウム EuCl3 3.4g 塩化ナトリウム NaCl 18g 塩化ガリウム GaCl3 5g オルトホウ酸 H3BO3 5g 上記原料を実施例1と同様の処理をしてZnS:Zn,Eu,Ga,C
l蛍光体を得た。 この蛍光体は、母体であるZnSに対し、2×10-1重量%
のEu、5.8×10-3重量%のGa、1×10-2重量%のClを含
有していた。 上記蛍光体は、第1表に示すように長残光青色発光蛍光
体として優れた特性を有していた。 この蛍光体は、Eu付活量を調製すると、第3図に示すよ
うに発光輝度が変化した。Euの付活量は原料であるEuCl
3の混合量で調製した。第3図から明らかなように、Eu
の混合量を増加していくとしだいに発光輝度が高くな
り、Eu付活量3×10-2重量%で最大となりその後ゆっく
りと低下する。 実施例3. 硫化亜鉛生粉 ZnS 1000g 臭化アンモニウム NH4Br 30g 塩化インジウム InCl3 0.5g オルトホウ酸 H3BO3 5g 上記原料を920℃で2.5時間焼成すること以外、実施例1
と同様の処理をして、ZnS:Zn,In,Br蛍光体を得た。この
蛍光体は、母体であるZnSに対して、1.2×10-2重量%の
In、2×10-2重量%のBrを含有していた。 上記蛍光体は、第1表に示すように、長残光青色発光蛍
光体として優れた特性を有している。 この螢光体の原料であるInCl3の混合量を調製して、相
対発光輝度と残光時間を測定したところ、第4図と第5
図に示す特性を示した。第5図から明らかなようにIn付
活量が2.2×10-5〜2.5×10-1重量%の範囲で残光時間は
20ミリ秒以上、4×10-4〜1×10-1重量%の範囲で40ミ
リ秒以上となった。 実施例4. 硫化亜鉛生粉 ZnS 1000g 臭化アンモニウム NH4Br 30g 塩化錫 SnCl2 0.6g オルトホウ酸 H3BO3 10g 上記原料を920℃で2.5時間焼成すること以外、実施例1
と同様の処理をして、ZnS:Zn,Sn,Br蛍光体を得た。 この蛍光体は、母体であるZnSに対して、1.6×10-2重量
%のSn、2×10-2重量%のBrを含有していた。 上記蛍光体は、第1表に示すように、長残光青色発光蛍
光体として優れた特性を有している。 実施例5. 硫化亜鉛生粉 ZnS 1000g 塩化ナトリウムム NaCl 18g 塩化タリウム TlCl3 0.15g オルトホウ酸 H3BO3 5g 上記原料を930℃で3時間焼成すること以外、実施例1
と同様の処理をして、ZnS:Zn,Tl,Cl蛍光体を得た。 この蛍光体は、母体であるZnSに対して、8.0×10-3重量
%のTl、1×10-2重量%のClを含有していた。 上記蛍光体は、第1表に示すように、長残光青色発光蛍
光体として優れた特性を有している。 この蛍光体のTl含有量を変化させたところ、第6図と第
7図に示す特性を示した。第7図から明らかなように、
Tl含有量6×10-5〜1.2×10-1重量%の範囲に於て残光
時間は20ミリ秒以上、8×10-3〜2.5×10-2重量%の範
囲で40ミリ秒以上となった。 実施例6. 硫化亜鉛生粉 ZnS 1000g 塩化ナトリウムム NaCl 18g 塩化鉛 PbCl2 0.1g オルトホウ酸 H3BO3 10g 上記原料を890℃で3時間焼成すること以外、実施例1
と同様の処理をして、ZnS:Zn,Pb,Cl蛍光体を得た。 この蛍光体は、母体であるZnSに対して、6×10-5重量
%のPb、1×10-2重量%のClを含有していた。上記蛍光
体は第1表に示すように、長残光青色発光蛍光体として
優れた特性を有している。 実施例7. 硫化亜鉛生粉 ZnS 1000g 塩化ナトリウムム NaCl 18g 塩化ユーロピウム EuCl3 1.7g 三酸化二ヒ素 As2O3 0.2g オルトホウ酸 H3BO4 10g 上記原料を900℃で3時間焼成すること以外、実施例1
と同様の処理をして、ZnS:Zn,Eu,As.Cl蛍光体を得た。
この蛍光体は、母体であるZnSに対して、1×10-1重量
%のEu、1.1×10-2重量%のAs、1×10-2重量%のClを
含有していた。 上記蛍光体は、第1表に示すように、長残光青色発光蛍
光体として優れた特性を有している 第1の共付活剤には、実施例1〜7で使用されたGa、I
n、Tl、Sn、Pb、Asのみならず、SbやBiも使用できる。 これ等の共付活剤は単独で母体に含有させることも、又
複数種を一緒に母体に含有させることも可能である。 これ等第1の共付活剤の含有量は、第1図、第2図、第
4図ないし第7図に示す特性から、前述の範囲、即ち、
通常1×10-4〜3×10-1重量%、好ましくは3×10-5
1×10-1重量%に決定される。 ところで、第1図、第2図、第4図ないし第7図に於
て、第1の共付活剤の含有量に対する相対発光輝度は、
第1の共付活剤を含まない蛍光体を100%として表示し
た。 又、第2の共付活剤には、前記実施例で使用されたClや
Brのみでなく、I、F等のハロゲンとAlが使用できる。
Znを付活剤とするZnSは、共付活剤としてハロゲンとAl
が同等に使用されることが知られている。それは、IIIb
族イオンであるAl3+が、VIIb族イオンであるハロゲンイ
オンと電荷補償が行われるからである。Znで付活された
ZnSのSA(self-activated luminescence)中心の構造に
ついては、下記のモデルが提案されている。SA中心は、
Zn2+の空位[V(Zn2+)]とS2-を置換した共付活剤のC
l-(あるいはZn2+を置換したAl3+)とが最接近位置に会
合したものである。ハロゲン化融剤を使用しないで、代
わりにAl3+を導入して同様の発光が生ずることはすでに
明確にされ、VIIbあるいはIIIb族イオンが、ZnS蛍光体
の共付活剤と呼ばれるようになった。VIIbあるいはIIIb
族イオンは、発光中心の形成には大切であるが、発光色
に与える影響が極めて少ないので共付活剤と呼ばれてい
る。VIIbあるいはIIIb族イオンであるCl、Br、I、F、
Alは、第1の共付活剤と同様に、単独使用のみでなく、
複数種を母体に含有させることも可能であ。以上のよう
に、第2の共付活剤は、本願発明の蛍光体に大切な10%
残光時間を左右するものではないので、例えば、実施例
1において、第2の共付活剤をClからAlに変更しても、
10%残光時間は変化しない。 第1、第2の共付活剤は複数種が一緒に母体に含有され
る場合、母体ZnSに対する含有量は、第1又は第2の共
付活剤の総含有量のトータル量で調整される。
【発明の効果】
本発明の残光性硫化亜鉛蛍光体の特性を比較するため
に、発光輝度の高い短残光青色発光蛍光体と、発光色と
残光色とが青色である前記の特開昭58-79814号公報記載
の長残光青色発光蛍光体とを試作した。 短残光青色蛍光体として、ZnS:Ag蛍光体を使用した。
又、長残光青色発光蛍光体には、ZnS:Ag,Ga,Cl蛍光体を
使用し、付活剤であるAgの含有量をZnSに対して、1×1
0-2重量%、Gaの含有量を1×10-2重量%、Clの含有量
を1×10-2重量%とした。 第1表のCIE色度表示のx値、y値から明らかなよう
に、本発明の残光性硫化亜鉛蛍光体は、x値が0.145〜
0.149、y値が0.131〜0.141と、従来の短残光蛍光体に
匹敵する色純度の高い青色発光を示した。 又、電子線励起停止後、発光輝度が励起時の10%に低下
する10%残光時間は、本発明の残光性硫化亜鉛蛍光体が
48〜92ミリ秒と、従来の長残光青色発光蛍光体の2倍以
上もの長い残光時間が実現できた。 さらに、相対発光輝度も、短残光蛍光体の輝度を100%
としたとき、Yが53.0〜66.0%、Zが50.2〜65.3%と、
従来の長残光青色発光蛍光体のY=30.5%、Z=32.3%
に比べて飛躍的に向上できた。 但し、第1表おいてY(%)は視感度補正した相対輝度
を示し、Z(%)は青成分としての相対輝度を示す。 このことから、本発明の残光性硫化亜鉛蛍光体は、色純
度の高い青色発光を示し、残光時間、発光輝度と共に従
来品を卓越する理想的な特性を示した。 さらに又、第8図に示すように、バーニング特性に於て
も、従来品とは比較にならない優れた特性を示した。即
ち、第8図において、曲線aは本発明の残光性硫化亜鉛
蛍光体であって実施例1で試作された蛍光体の特性を示
し、曲線bは従来の長残光性青色発光蛍光体、即ち、Zn
S:Ag,Ga,Cl蛍光体の特性を示す。バーニング特性の測定
は次の方法を使用した。 パイレックスガラスに蛍光体を塗布、アクリルラッカー
フィルミング、メタルバックを施して、蛍光体輝度測定
装置にて27kVで20μA/cm2の電子線を特定の時間蛍光体
塗布膜に走査し、強制劣化させた面を得る。電子線走査
してない蛍光体塗布膜の部分の発光輝度を27kVで0.5μA
/cm2で測定したものを100%として、同条件で、強制劣
化させた面の発光輝度を測定し、その相対輝度を百分率
で示した。これを特定の時間のバーニング特性とする。 第8図から明らかなように、本発明の残光性硫化亜鉛蛍
光体は、強制劣化試験に於て、1時間経過後も、発光輝
度が2.5%しか低下しなかったのに対し、従来のZnS:Ag,
Ga長残光蛍光体は、1時間経過後、発光輝度が8%も低
下し、本発明の蛍光体の約3倍も低下した。 このことから、本発明の残光性硫化亜鉛蛍光体は、従来
の長残光性青色発光蛍光体に比べてバーニング特性が著
しく優れていることが明らかである。 実際の使用状態に於ては、発光輝度の低い蛍光体は、電
流密度を高くして輝度を上げて使用する。発光輝度の高
い本発明の蛍光体は、発光輝度の低い従来のZnS:Ag,Ga,
Cl蛍光体に比べて、ディスプレイ管の所望の輝度を得る
のに低い電流密度で使用できる。このことが相乗して、
本発明の残光性硫化亜鉛蛍光体のバーニング特性は、従
来のZnS:Ag、Ga蛍光体を卓越する。 第9図に電流特性の測定結果を示す。第9図の電流測定
は次の状態で測定した。 電流密度が0.05μA/cm2であるときの発光輝度を100と
し、電流密度を10倍、100倍としたとき、発光輝度がそ
のまま10倍、100倍となるように、理想的蛍光体を仮定
し、その理想的な蛍光体が個々の電流密度で発光輝度が
100%としたときの、相対発光輝度を電流特性と定義
し、測定した。 図中の曲線aは本発明の残光性硫化亜鉛蛍光体であって
実施例1で試作された製品の特性を示し、曲線bは従来
の長残光性青色発光蛍光体の特性である。これより本発
明の蛍光体が従来の長残光性青色発光蛍光体に比べ電流
特性に優れていることが明らかである。 第10図は、残光時間に対する相対発光輝度の変化を示
す。第10図において、曲線aは実施例1で試作された本
発明の蛍光体の特性を示し、曲線bは従来の長残光青色
発光蛍光体、即ち、ZnS:Ag,Ga,Cl蛍光体の曲線を示し、
曲線cは短残光青色蛍光体の特性を示す。この図から明
らかなように、本発明の残光性硫化亜鉛蛍光体は、従来
の長残光青色発光蛍光体に比べて発光輝度が高く、しか
も残光時間が長いという優れた特性を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図はガリウム含有量に対する蛍光体の
相対発光輝度と残光時間を示すグラフ、第3図はユーロ
ピウム含有量に対する蛍光体の相対発光輝度を示すグラ
フ、第4図ないし第7図はインジウム、タリウム含有量
に対する相対発光輝度、残光時間を示すグラフ、第8図
は強制バーニング特性を示すグラフ、第9図は電流密度
に対する相対発光輝度を示すグラフ、第10図は従来の蛍
光体と本発明の蛍光体の残光特性を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 恵祥 徳島県阿南市上中町岡491番地100 白亜化 学工業株式会社内 (72)発明者 西村 彰悦 徳島県阿南市上中町岡491番地100 白亜化 学工業株式会社内 (72)発明者 藤井 章夫 徳島県阿南市上中町岡491番地100 白亜化 学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−222180(JP,A)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ZnS(硫化亜鉛)を母体とし、Zn(亜鉛)
    単独又はZnとEu(ユーロピウム)との両者を付活剤と
    し、焼成時に塩化物又は酸化ヒ素(As2O3)として添加
    されて母体内に導入された第1の共付活剤を、Ga(ガリ
    ウム)、In(インジウム)、Tl(タリウム)、Sn
    (錫)、Pb(鉛)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)、Bi
    (ビスマス)のうち少なくとも一種とし、第2の共付活
    剤がCl(塩素)、Br(シュウ素)、F(フッ素)、I
    (ヨウ素)、Al(アルミニウム)のうち少なくとも一種
    とすることを特徴とする残光性硫化亜鉛蛍光体。
  2. 【請求項2】Euの含有量がZnS(硫化亜鉛)母体に対し
    て、5×10-4〜1重量%である特許請求の範囲第(1)
    項記載の残光性硫化亜鉛蛍光体。
  3. 【請求項3】第1の共付活剤の含有量が、ZnS(硫化亜
    鉛)母体に対して1×10-4〜3×10-1重量%である特許
    請求の範囲第(1)項記載の残光性硫化亜鉛蛍光体。
  4. 【請求項4】第2の共付活剤であるCl、Br、I、Fの含
    有量が、母体であるZnS(硫化亜鉛)に対し、5×10-4
    〜1×10-1重量%である特許請求の範囲第(1)項記載
    の残光性硫化亜鉛蛍光体。
  5. 【請求項5】第2の共付活剤であるAlの含有量が、母体
    であるZnSに対して、5×10-4〜5×10-1重量%である
    特許請求の範囲第(1)項記載の残光性硫化亜鉛蛍光
    体。
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