JPH06248963A - 過給機付エンジンの制御装置 - Google Patents

過給機付エンジンの制御装置

Info

Publication number
JPH06248963A
JPH06248963A JP5036788A JP3678893A JPH06248963A JP H06248963 A JPH06248963 A JP H06248963A JP 5036788 A JP5036788 A JP 5036788A JP 3678893 A JP3678893 A JP 3678893A JP H06248963 A JPH06248963 A JP H06248963A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
duty ratio
supercharging pressure
supercharging
turbocharger
control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5036788A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Kotani
彰 小谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP5036788A priority Critical patent/JPH06248963A/ja
Publication of JPH06248963A publication Critical patent/JPH06248963A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 1個ターボチャージャから2個ターボチャー
ジャへの移行直後における制御過給圧の目標過給圧への
追従の遅れを解消するとともに、2個ターボチャージャ
域での加速時における制御過給圧のオーバシュートを防
止する。 【構成】 目標過給圧算出手段60により求められた目
標過給圧に応じたデューティ比の初期値を初期デューテ
ィ比算出手段61によって求め、初期デューティ比算出
手段61によって求められたデューティ比の初期値を第
1のデューティ比補正手段62によって補正することに
より制御過給圧を目標過給圧に追従するように制御し、
さらに第2のデューティ比補正手段64により、主、副
双方のターボチャージャによる過給時の加速開始時にお
けるデューティ比の初期値よりも主ターボチャージャの
みによる過給から双方のターボチャージャによる過給へ
の移行直後のデューティ比の初期値を大に補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主ターボチャージャと
副ターボチャージャを有し、低吸入空気量域では主ター
ボチャージャのみで過給し、高吸入空気量域では両ター
ボチャージャを作動させて両ターボチャージャで過給す
る過給機付エンジン、いわゆる2ウェイツインターボエ
ンジンの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジン本体に対し、主、副二つのター
ボチャージャを並列に配置し、低吸入空気量域では主タ
ーボチャージャのみ作動させて1個ターボチャージャと
し、高吸入空気量域では両ターボチャージャを作動させ
るようにした、いわゆる2ウェイターボシステムを採用
した過給機付エンジンが知られている。
【0003】この種の過給機付エンジンの構成は、エン
ジン本体に対し、主ターボチャージャと副ターボチャー
ジャが並列に設けられている。副ターボチャージャに接
続される吸、排気系には、それぞれ吸気切替弁と排気切
替弁が設けられている。低吸入空気量域では、吸気切替
弁および排気切替弁をともに全閉とすることにより、主
ターボチャージャのみを過給作動させ、高吸入空気量域
では両切替弁をともに全開にすることにより、副ターボ
チャージャにも過給作動を行わせ、2個ターボチャージ
ャ作動とすることができる。低吸入空気量域から高吸入
空気量域に移行するときには、吸気切替弁および排気切
替弁が閉じられているときに排気バイパス弁を小開制御
し、副ターボチャージャの助走回転数を高め、ターボチ
ャージャの切替をより円滑に(切替時のショックを小さ
く)行うことが可能になっている。
【0004】2ウェイツインターボに関連する先行技術
として、1個ターボチャージャ時には排気バイパス弁の
開度を、2個ターボチャージャ時にはウェストゲートバ
ルブの開度をそれぞれ制御し、過給圧を目標値に制御す
るようにしたものが知られている(特開平2−1981
7号公報)。ウェストゲートバルブを駆動するアクチュ
エータのダイヤフラム室には過給圧が導かれるようにな
っており、この過給圧によってウェストゲートバルブが
開弁するようになっている。
【0005】2個ターボチャージャ時には、ウェストゲ
ートバルブ用のアクチュエータのダイヤフラム室に導か
れる過給気のブリード量が電磁弁のデューティ制御によ
って可変され、これに伴なうウェストゲートバルブの開
度調整により、過給圧が目標値と一致するように制御さ
れる。
【0006】ウェストゲートバルブによる過給圧制御で
は、目標過給圧がエンジン回転数に基づいて設定されて
いるが、変速機の変速比を1速(ローギヤ)に設定して
加速した場合には、他の変速比に比べてエンジン回転数
の上昇率が高くなり、エンジン回転数の上昇率に対して
ウェストゲートバルブの開度制御の追従性が悪くなる。
そのため、目標過給圧に対して制御過給圧を十分に高め
ることができず、エンジン性能を十分に発揮できない。
【0007】そこで、主ターボチャージャおよび副ター
ボチャージャの双方が過給作動する2個ターボチャージ
ャ時に、目標過給圧に対して制御過給圧を迅速に追従さ
せることが可能な過給機付エンジンの制御装置が提案さ
れている(特願平3−266958号)。この装置で
は、目標過給圧に応じてウェストゲートバルブの開度を
制御する電磁弁の初期デューティ比を算出し、さらにそ
のデューティ比を補正することにより目標過給圧に対し
て制御過給圧を迅速に追従させている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
装置においては、初期デューティ比の補正が目標過給圧
と制御過給圧との比較により一律に補正されるため、つ
ぎの問題がある。
【0009】1個ターボチャージャから2個ターボチャ
ージャの移行時の際の加速時では、副ターボチャージャ
を助走させるためのエネルギー消費や排気切替弁の開弁
動作に伴なう流路抵抗の増加により、制御過給圧の上昇
が遅くなり、過給性能が悪くなる。また、2個ターボチ
ャージャ域におけるその後の加速時では、逆に制御過給
圧の立ち上がりが早くなり、制御過給圧が目標過給圧に
対してオーバシュートするという問題がある。
【0010】本発明は、上記の問題に着目し、1個ター
ボチャージャから2個ターボチャージャへの移行直後に
おける制御過給圧の目標過給圧への追従の遅れを解消す
るとともに、2個ターボチャージャ域での加速時におけ
る制御過給圧のオーバシュートを防止することが可能な
過給機付エンジンの制御装置を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明に係る過給機付エンジンは、主ターボチャージ
ャと、副ターボチャージャとを備え、エンジンから排出
される排気ガスの一部を前記主ターボチャージャのター
ビンをバイパスさせて流すウェストゲートバルブを有
し、該ウェストゲートバルブをダイヤフラムアクチュエ
ータのダイヤフラム室内に導かれる過給気の圧力によっ
て開弁可能に構成し、両方のターボチャージャによる過
給作動時に、過給圧制御手段により前記ダイヤフラムア
クチュエータのダイヤフラム室内に導入される過給気を
デューティ制御される電磁弁を介して外部にブリードさ
せ、前記ウェフトゲートバルブを開度制御することによ
り制御過給圧を目標過給圧に一致させるようにした過給
機付エンジンの制御装置であって、エンジン回転数から
目標過給圧を求める目標過給圧算出手段と、前記目標過
給圧算出手段によって求められた前記目標過給圧に応じ
た前記電磁弁のデューティ比の初期値を求める初期デュ
ーティ比算出手段と、前記デューティ比の初期値に基づ
きウェストゲートバルブの開度制御の開始後、該デュー
ティ比の初期値を補正し制御過給圧を目標過給圧に追従
させる第1のデューティ比補正手段と、前記双方のター
ボチャージャによる過給時の加速開始時におけるデュー
ティ比の初期値よりも主ターボチャージャのみによる過
給から双方のターボチャージャによる過給への移行直後
のデューティ比の初期値を大に補正する第2のデューテ
ィ比補正手段と、を具備したものから成る。
【0012】
【作用】このように構成された過給機付エンジンの制御
装置においては、エンジン回転数から目標過給圧が目標
過給圧算出手段によって求められ、この目標過給圧に応
じた電磁弁のデューティ比の初期値が初期デューティ比
算出手段によって求められる。このデューティ比の初期
値は、第1のデューティ比補正手段により補正され、制
御過給圧は目標過給圧に追従するように制御される。
【0013】ここで、第2のデューティ比補正手段によ
り、双方のターボチャージャによる過給時の加速開始時
におけるデューティ比の初期値よりも主ターボチャージ
ャのみによる過給から双方のターボチャージャによる過
給への移行直後のデューティ比の初期値が大に補正され
る。したがって、2個ターボチャージャへの移行直後で
も制御過給圧を目標過給圧にすぐに追従することがで
き、かつ2個ターボチャージャ域における加速時の制御
過給圧のオーバシュートの発生が防止される。
【0014】
【実施例】以下に、本発明に係る過給機付エンジンの制
御装置の望ましい実施例を、図面を参照して説明する。
図1ないし図9は、本発明の一実施例を示しており、と
くに車両に搭載される6気筒エンジンに適用した場合を
示している。
【0015】図2において、1はエンジン、2はサージ
タンク、3は排気マニホールドを示す。排気マニホール
ド3は排気干渉を伴わない#1〜#3気筒群と#4〜#
6気筒群の2つに集合され、その集合部が連通路3aに
よって連通されている。7、8は互いに並列に配置され
た主ターボチャージャ、副ターボチャージャである。タ
ーボチャージャ7、8のそれぞれのタービン7a、8a
は排気マニホールド3の集合部に接続され、それぞれの
コンプレッサ7b、8bは、インタクーラ6、スロット
ル弁4を介してサージタンク2に接続されている。
【0016】主ターボチャージャ7は、全運転領域で作
動され、副ターボチャージャ8は低負荷域で停止され
る。双方のターボチャージャ7、8の作動、停止を可能
ならしめるために、副ターボチャージャ8のタービン8
aの下流に排気切替弁17が、コンプレッサ8bの下流
に吸気切替弁18が設けられる。吸、排気切替弁18、
17の両方とも開弁のときは、両方のターボチャージャ
7、8が作動される。副ターボチャージャ8のタービン
8aの下流と主ターボチャージャ7のタービン7aの下
流とは、排気バイパス通路40を介して連通可能となっ
ている。排気バイパス通路40には、この排気バイパス
通路40を開閉する排気バイパス弁41が設けられてい
る。排気バイパス弁41は、ダイヤフラム式アクチュエ
ータ42によって開閉されるようになっている。
【0017】吸気切替弁18の上流と下流とを連通する
バイパス通路には、逆止弁12が設けられており、吸気
切替弁18の閉時において副ターボチャージャ8側のコ
ンプレッサ出口圧力が主ターボチャージャ7側より大に
なったとき、空気が上流側から下流側に流れることがで
きるようにしてある。なお、図中、14はコンプレッサ
出口側の吸気通路、15はコンプレッサ入口側の吸気通
路を示す。
【0018】吸気通路15はエアフローメータ24を介
してエアクリーナ23に接続される。排気通路を形成す
るフロントパイプ20は、排気ガス触媒21を介して排
気マフラーに接続される。吸気切替弁18はアクチュエ
ータ11によって開閉され、排気切替弁17はダイヤフ
ラムアクチュエータ16によって開閉されるようになっ
ている。ウエストゲートバルブ31は、ダイヤフラムア
クチュエータ9によって開閉されるようになっている。
【0019】ダイヤフラムアクチュエータ9、11、1
6、42は、過給圧または負圧の導入によって作動する
ようになっている。各アクチュエータ9、11、16、
42には、正圧タンク51、コンプレッサ出口部14か
らの過給圧またはサージタンク2の負圧とエアフローメ
ータ24の下流からの大気圧とを選択的に切り替えるた
めに、第1、第4、第5、第6の電磁弁25、28、3
2、44が接続されている。各電磁弁25、28、3
2、44の切替は、エンジンコントロールコンピュータ
29からの指令に従って行なわれる。
【0020】第1の電磁弁25のONは、吸気切替弁1
8を全開とするようにアクチュエータ11を作動させ、
OFFは吸気切替弁18を全閉とするようにアクチュエ
ータ11を作動させる。第4の電磁弁28のONは、排
気切替弁17を全開とするようにアクチュエータ16を
作動させ、OFFは排気切替弁17を全閉するようにア
クチュエータ16を作動させる。
【0021】排気バイパス弁41を作動させるアクチュ
エータ42にかかる過給圧を大気にブリードさせる第5
の電磁弁32は、ON、OFF制御でなく、デューティ
制御される。同様に、ウエストゲートバルブ31を作動
させるアクチュエータ9にかかる過給圧を大気にブリー
ドさせる第6の電磁弁44は、ON、OFF制御でな
く、デューティ制御される。デューティ制御は、周知の
通り、デューティ値により通電時間を制御することであ
り、デジタル的に通電、非通電の割合を変えることによ
り、アナログ的に平均電流が可変制御される。なお、デ
ューティ値は、1サイクルの時間に対する通電時間の割
合であり、1サイクル中の通電時間をA、非通電時間を
Bとすると、デューティ値=A/(A+B)×100
(%)で表わされる。
【0022】排気バイパス弁41の開度は、アクチュエ
ータ42のダイヤフラム室42aに導入される過給気の
大気へのブリード量(リーク量)を第5の電磁弁32の
デューティ制御によって可変させることにより可変可能
となっている。ウェストゲートバルブ31の開度は、ア
クチュエータ9のダイヤフラム室9aに導入される過給
気の大気へのブリード量(リーク量)を第6の電磁弁4
4のデューティ制御によって可変させることにより可変
可能となっている。
【0023】エンジンコントロールコンピュータ29
は、エンジンの各種運転条件検出センサと電気的に接続
され、各種センサからの信号が入力される。エンジン運
転条件検出センサには、吸気管圧力センサ(PMセン
サ)30、スロットル開度検知センサ5、吸入空気量測
定センサとしてのエアフローメータ24、エンジン回転
数検知センサ50、酸素センサ19、変速比検知手段5
6が含まれる。
【0024】エンジンコントロールコンピュータ29
は、演算をするためのセントラルプロセッサユニット
(CPU)、読み出し専用のメモリであるリードオンリ
メモリ(ROM)、一時記憶用のランダムアクセスメモ
リ(RAM)、入出力インターフェイス(I/Oインタ
ーフェイス)、各種センサからのアナログ信号をディジ
タル量に変換するA/Dコンバータを備えている。
【0025】エンジンコントロールコンピュータ29に
は、図1に示すように、目標過給圧算出手段60、初期
デューティ比算出手段61、過給圧制御手段62、第1
のデューティ比補正手段63、第2のデューティ比補正
手段64が形成されている。目標過給圧算出手段60、
初期デューティ比算出手段61、過給圧制御手段62、
第1のデューティ比補正手段63、第2のデューティ比
補正手段64は、エンジンコントロールコンピュータ2
9内に格納されるプログラムから構成される。
【0026】目標過給圧算出手段60は、エンジン回転
数検出センサ50によって検知されたエンジン回転数N
Eから目標過給圧PMCTを求める機能を有している。
目標過給圧PMCTは、図4に示すマップM1 によって
エンジン回転数NE毎に求められる。目標過給圧算出手
段60からの信号は、初期デューティ比算出手段61に
入力されている。
【0027】初期デューティ比算出手段61は、目標過
給圧算出手段60によって求められた目標過給圧PTC
Tに応じた第6の電磁弁44のデューティ比の初期値D
UTYTを求める機能を有している。デューティ比の初
期値DUTYTは、図5に示すマップM2 によって目標
過給圧PMCT毎に求められる。初期デューティ比算出
手段61からの信号は、過給圧制御手段62に入力可能
となっている。
【0028】過給圧制御手段62には、第1のデューテ
ィ比補正手段63からの信号が入力されている。第1の
デューティ比補正手段63は、デューティ比の初期値D
UTYTに基づくウェストゲートバルブ31の開度制御
の開始後、過給圧PMで検知する吸気管圧力センサ30
からの信号に基づきデューティ比初期値DUTYTを補
正し、これに基づくウェストゲートバルブ31の開度制
御により制御過給圧PMを目標過給圧PMCTに追従さ
せる機能を有している。
【0029】第2のデューティ比補正手段64には、変
速比検知手段56からの信号が入力されている。第2の
デューティ比補正手段64は、主、副ターボチャージャ
7、8による過給時の加速開始時におけるデューティ比
の初期値よりも双方のターボチャージャ7、8による過
給への移行直後のデューティ比の初期値を大に補正する
機能を有している。
【0030】第2のデューティ比補正手段64は、変速
比を考慮した補正を行うようになっており、変速比が大
となる低速段ほど補正値が大となるようになっている。
2個ターボチャージャの加速時開始における第6の電磁
弁のデューティ比(DVSV4A)および1個ターボチ
ャージャから2個ターボチャージャへの移行直後の第6
の電磁弁44のデューティ比(DVSV4B)は、つぎ
のように表わされる。
【0031】 (1)DVSV4A=DUTYT+DUTYC+DUT
YS2 (2)DVSV4B=DUTYT+DUTYC+DUT
YS1 ここで、DUTYTは、初期デューティ比算出手段61
によって求められるデューティ比の初期値である。DU
TYCは、第1のデューティ比補正手段63によって求
められるデューティ比の補正値である。
【0032】DUTYS1 は、1個ターボチャージャか
ら2個ターボチャージャへの移行直後におけるデューテ
ィ比の補正値である。DUTYS2 は、2個ターボチャ
ージャ域における加速開始時のデューティ比の補正値で
ある。DUTYS1 およびDUTYS2 は、エンジン1
に連結される変速機55の変速比毎にその値が異なって
いる。表1は、変速機55の変速比を4段に設定した場
合を示している。
【0033】
【表1】
【0034】表1に示すように、変速比が低速段(1速
ローギヤ)ほどデューティ値の補正値が大となるよう設
定されている。このDUTYS1 およびDUTYS2
設定は、図1に示す変速比検知手段56からの信号に基
づき、第2のデューティ比補正手段64によって自動的
に行われる。
【0035】つぎに、本実施例の作用について説明す
る。高吸入空気量域では、吸気切替弁18と排気切替弁
17がとも開かれ、2個ターボチャージャ7、8が駆動
され、十分な過給空気量が得られ、出力が向上される。
低吸入空気量域では、吸気切替弁18と排気切替弁17
がともに閉じられ、1個ターボチャージャ7のみが駆動
される。低吸入空気量域で1個ターボチャージャとする
理由は、低吸入空気量域では1個ターボチャージャ過給
特性が2個ターボチャージャ過給特性より優れているか
らである。1個ターボチャージャとすることにより、過
給圧、トルクの立上りが早くなり、レスポンスが迅速と
なる。
【0036】低吸入空気量域から高吸入空気量域に移行
するとき、つまり1個ターボチャージャから2個ターボ
チャージャ作動へ切り替えるときには、吸気切替弁18
および排気切替弁17が閉じられているときに排気バイ
パス弁41をデューティ制御により小開制御し、副ター
ボチャージャ8の助走回転数を高め、ターボチャージャ
の切替をより円滑(切替時のショックを小さく)に行う
ことが可能になる。
【0037】1個ターボチャージャから2個ターボチャ
ージャの移行の際の加速時では、副ターボチャージャ8
を助走させるためのエネルギー消費や排気切替弁17の
開弁動作に伴なう流路抵抗の増加により、制御過給圧の
目標過給圧までの上昇が遅くなる。また、2個ターボチ
ャージャ域における加速時では、逆に制御過給圧の立ち
上がりが早くなり、制御過給圧が目標過給圧に対してオ
ーバシュートするという問題がある。
【0038】また、エンジン1に連結される変速機55
の変速比を1速に(ローギヤ)に設定した場合は、変速
比をたとえば4速に設定した場合に比べてエンジン回転
数NEの上昇率が著しく高くなる。そのため、変速比を
1速にして加速した場合は、エンジン回転数NEの上昇
率に対するウェストゲートバルブ31の開度制御の追従
性が悪くなる。したがって、ウェストゲートバルブ31
の開度制御では、変速比の変化も考慮した制御が必要と
なる。
【0039】本実施例では、これに対処するために図8
に示す制御処理が行われる。図8は、エンジンコントロ
ールコンピュータ29における過給圧制御の処理手順を
示している。図8において、ステップ101において処
理が開始され、ステップ102に進んで2個ターボチャ
ージャ域か否かが判断される。これは、たとえば排気切
替弁17に対応するフラグに基づいて判断される。ここ
で、2個ターボチャージャ域でないと判断された場合
は、ステップ113に進み、第6の電磁弁44のデュー
ティ比(DVSV4)が100%に固定される。
【0040】第6の電磁弁44のデューティ比が100
%に固定された状態では、正圧タンク51から第6の電
磁弁44に供給される過給気の全てが大気側にブリード
され、ウェストゲートバルブ31は全閉状態に保たれ
る。ステップ113の処理が完了すると、ステップ11
4に進み、処理のリターンが行われる。ステップ102
において、2個ターボチャージャ域であると判断された
場合は、ステップ103に進み、初期デューティ比(D
UTYT)が算出される。初期デューティ比は、図4の
マップM1 に示すよって算出された目標過給圧PMCに
基づき図5のマップM2 によって求められる。
【0041】ステップ103において、初期デューティ
比(DUTYT)が求められると、ステップ104に進
み、第1のデューティ比補正手段63によりデューティ
比の補正値(DUTYC)が求められる。第1のデュー
ティ比補正手段63による補正値(DYTYC)は、図
7に示すように、制御過給圧PMを検知する吸気管圧力
センサ30からの信号に基づきデューティ比の初期値
(DUTYT)を補正し、制御過給圧を目標過給圧に追
従させるためのものである。
【0042】ステップ104における処理が完了する
と、ステップ105に進み、変速比検知手段56により
変速比が検知される。すなわち、変速比が何速に設定さ
れているかが検知される。変速比が検知されると、ステ
ップ106に進み、減速したか否かの判断が行われる。
これは、たとえばストットル弁4の開度の変化に基づい
て間接的に判断される。
【0043】ステップ106において、減速していない
と判断された場合は、ステップ111に進む。ステップ
111では、第2のデューティ比補正手段64により1
個ターボチャージャから2個ターボチャージャ時への移
行直後の初期デューティ比を補正する補正値(DUTY
1 )の算出が行われる。補正値(DUTYS1 )は、
上述の表1に基づいて求められる。
【0044】補正値(DUTYS1 )が求められると、
ステップ112に進み、1個ターボチャージャから2個
ターボチャージャへの移行直後の第6の電磁弁44のデ
ューティ比(DVSV4B)が算出される。DVSV4
Bは、上述したように、DUTYT、DUTYC、DU
TYS1 をそれぞれ加算した値である。ここで、DUT
YS1 は、2個ターボチャージャ域の加速時におけるデ
ューティ比の補正値DUTYS2 よりも大に設定されて
いるので、図9に示すように、従来よりも制御過給圧P
Mをより早く目標過給圧PMCTに近づけることが可能
となる。ステップ112での処理が終了すると、ステッ
プ114に進み、処理のリターンが行われる。
【0045】ステップ106において、減速したと判断
された場合は、ステップ107に進む。ステップ107
では、つぎのフィードバック制御に備えて第6の電磁弁
44のデューティ比が0%に固定される。つぎに、ステ
ップ108に進み、フィードバック制御の開始条件とし
て制御過給圧PMの判定が行われる。ここで、過給圧P
Mが判定値PM1 以下であれば、ステップ114に進
み、処理のリターンが行われる。
【0046】ステップ108において、過給圧PMが判
定値PM1 以上であると判断された場合は、ステップ1
09に進む。ステップ109においては、2個ターボチ
ャージャ域の加速時のデューティ比の補正値(DUTY
2 )が算出される。補正値(DUTYS2 )は、上述
の表1に基づいて求められる。
【0047】補正値(DUTYS2 )が求められると、
ステップ110に進み、2個ターボチャージャ域の加速
時における第6の電磁弁44のデューティ比(DVSV
4A)が算出される。DVSVAは、上述したように、
DUTYT、DUTYC、DUTYS2 をそれぞれ加算
した値である。ここで、DUTYS2 は、上述した1個
ターボチャージャから2個ターボチャージャへの移行直
後の補正値(DUTYS1 )よも小に設定されているの
で、制御過給圧PMが目標過給圧PMCTに比べて大き
くずれることはなくなり、図9に示すように制御過給圧
PMのオーバシュートの発生が防止される。
【0048】このように、本実施例では、1個ターボチ
ャージャから2個ターボチャージャへの移行時のデュー
ティ比と2個ターボチャージャ域での加速開始時のデュ
ーティ比とを変えているので、一律に初期デューティ値
を設定する場合のように、制御過給圧PMの目標過給圧
PMCTへの追従が遅れたり、制御過給圧PMが目標過
給圧PMCTに対してオーバシュートするということも
なくなる。
【0049】さらに、変速比の変化により補正値(DU
TYS1 、DUTYS2 )を新たに設定しているので、
変速比の変化に伴なうエンジン回転数の上昇率の変化を
考慮したウェストゲートバルブ31の開度制御が可能と
なる。したがって、制御過給圧PMと目標過給圧PMC
Tとのずれが大きい低速段ほど補正デューティ比を大き
くすることができ、低速段での制御過給圧PMと目標過
給圧PMCTのずれを小に抑えることができる。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、目標過給圧算出手段に
よって求められた目標過給圧に応じた電磁弁のデューテ
ィ比の初期値を初期デューティ比算出手段によって求
め、このデューティ比の初期値を第1のデューティ比補
正手段により制御過給圧が目標過給圧に追従するように
補正し、第2のデューティ比補正手段により、双方のタ
ーボチャージャによる過給時の加速開始時におけるデュ
ーティ比の初期値よりも主ターボチャージャのみによる
過給から双方のターボチャージャによる過給への移行直
後のデューティ比の初期値を大に補正するようにしたの
で、つぎの効果が得られる。
【0051】(1)主ターボチャージャのみの過給から
主、副双方のターボチャージャによる過給へ移行する際
の加速開始時には、電磁弁のデューティ比を大きくする
ことができるので、制御過給圧の目標過給圧への追従の
遅れを回避することができ、過給性能を高めることがで
きる。
【0052】(2)双方のターボチャージャによる過給
域での加速開始時には、デューティ比の初期値が小に補
正されるので、目標過給圧に対する制御過給圧のオーバ
シュートの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る過給機付エンジンの制
御装置のブロック図である。
【図2】本発明の一実施例に係る過給機付エンジンの系
統図である。
【図3】図2の装置におけるウェストゲートバルブ近傍
の拡大断面図である。
【図4】図2の装置におけるエンジン回転数から目標過
給圧を求めるためのマップである。
【図5】図2の装置における目標過給圧からデューティ
比の初期値を求めるマップである。
【図6】図2の装置のウェストゲートバルブの開度制御
が一時的に禁止された場合のデューティ比の変化を示す
特性図である。
【図7】図1の初期デューティ比算出手段によって算出
されたデューティ比の初期値を補正する際の信号の波形
図である。
【図8】図2の装置におけるウェストゲートバルブの開
度制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】図2の装置における過給圧と第6の電磁弁のデ
ューティ比との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 エンジン 4 スロットル弁 7 主ターボチャージャ 8 副ターボチャージャ 17 排気切替弁 18 吸気切替弁 29 エンジンコントロールコンピュータ 31 ウェストゲートバルブ 60 目標過給圧算出手段 61 デューティ比算出手段 62 過給圧制御手段 63 第1のデューティ比補正手段 64 第2のデューティ比補正手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主ターボチャージャと、副ターボチャー
    ジャとを備え、エンジンから排出される排気ガスの一部
    を前記主ターボチャージャのタービンをバイパスさせて
    流すウェストゲートバルブを有し、該ウェストゲートバ
    ルブをダイヤフラムアクチュエータのダイヤフラム室内
    に導かれる過給気の圧力によって開弁可能に構成し、両
    方のターボチャージャによる過給作動時に、過給圧制御
    手段により前記ダイヤフラムアクチュエータのダイヤフ
    ラム室内に導入される過給気をデューティ制御される電
    磁弁を介して外部にブリードさせ、前記ウェストゲート
    バルブを開度制御することにより制御過給圧を目標過給
    圧に一致させるようにした過給機付エンジンの制御装置
    であって、 エンジン回転数から目標過給圧を求める目標過給圧算出
    手段と、 前記目標過給圧算出手段によって求められた前記目標過
    給圧に応じた前記電磁弁のデューティ比の初期値を求め
    る初期デューティ比算出手段と、 前記デューティ比の初期値に基づきウェストゲートバル
    ブの開度制御の開始後、該デューティ比の初期値を補正
    し制御過給圧を目標過給圧に追従させる第1のデューテ
    ィ比補正手段と、 前記双方のターボチャージャによる過給時の加速開始時
    におけるデューティ比の初期値よりも主ターボチャージ
    ャのみによる過給から双方のターボチャージャによる過
    給への移行直後のデューティ比の初期値を大に補正する
    第2のデューティ比補正手段と、を具備したことを特徴
    とする過給機付エンジンの制御装置。
JP5036788A 1993-02-25 1993-02-25 過給機付エンジンの制御装置 Pending JPH06248963A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5036788A JPH06248963A (ja) 1993-02-25 1993-02-25 過給機付エンジンの制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5036788A JPH06248963A (ja) 1993-02-25 1993-02-25 過給機付エンジンの制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06248963A true JPH06248963A (ja) 1994-09-06

Family

ID=12479533

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5036788A Pending JPH06248963A (ja) 1993-02-25 1993-02-25 過給機付エンジンの制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06248963A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008128158A (ja) * 2006-11-24 2008-06-05 Toyota Motor Corp 過給機付き内燃機関
JP2008274802A (ja) * 2007-04-26 2008-11-13 Isuzu Motors Ltd 2段過給システム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008128158A (ja) * 2006-11-24 2008-06-05 Toyota Motor Corp 過給機付き内燃機関
JP2008274802A (ja) * 2007-04-26 2008-11-13 Isuzu Motors Ltd 2段過給システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH06272565A (ja) 過給機付エンジンの制御装置
JPH06248963A (ja) 過給機付エンジンの制御装置
JP2522422B2 (ja) 過給機付エンジンの過給制御方法
JP2522077B2 (ja) 過給機付エンジンの制御方法
JP2765173B2 (ja) 過給機付エンジンの制御方法
JPH0539726A (ja) 過給機付エンジンの過給圧制御装置
JP2705271B2 (ja) 過給機付エンジンの制御方法
JPH04241731A (ja) 過給機付エンジンの制御装置
JP2701533B2 (ja) 過給機付エンジンの制御装置
JPH0579343A (ja) 過給機付エンジンの制御装置
JPH04241730A (ja) 過給機付エンジンの制御装置
JPH0598978A (ja) 過給機付エンジンの制御装置
JPH06248962A (ja) 過給機付エンジンの制御装置
JP2785439B2 (ja) 過給機付エンジンの制御方法
JPH0598976A (ja) 過給機付エンジンの制御装置
JPH0598980A (ja) 過給機付エンジンの過給圧制御装置
JPH05163952A (ja) 過給機付エンジンの制御装置
JP2861516B2 (ja) 過給機付エンジンの過給圧制御装置
JP2503642Y2 (ja) 過給機付エンジン
JPH03222821A (ja) 過給機付エンジンの制御方法
JPH04191415A (ja) 過給機付エンジンの制御装置
JPH05222946A (ja) 過給機付エンジンの制御装置
JPH04370369A (ja) 過給機付エンジンの点火時期制御装置
JPH0544482A (ja) 過給機付エンジンの過給圧制御装置
JPH0598977A (ja) 過給機付エンジンの制御装置