JP2785439B2 - 過給機付エンジンの制御方法 - Google Patents

過給機付エンジンの制御方法

Info

Publication number
JP2785439B2
JP2785439B2 JP2116929A JP11692990A JP2785439B2 JP 2785439 B2 JP2785439 B2 JP 2785439B2 JP 2116929 A JP2116929 A JP 2116929A JP 11692990 A JP11692990 A JP 11692990A JP 2785439 B2 JP2785439 B2 JP 2785439B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
turbocharger
switching valve
exhaust
intake
switching
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2116929A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0417726A (ja
Inventor
浩 水野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2116929A priority Critical patent/JP2785439B2/ja
Publication of JPH0417726A publication Critical patent/JPH0417726A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2785439B2 publication Critical patent/JP2785439B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Supercharger (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、主、副ターボチャージャが並列に配設さ
れ、低速域では主ターボチャージャのみ、高速域では両
ターボチャージャを作動させるようにした過給機付エン
ジンの制御方法に関する。
[従来の技術] エンジン本体に対し、主、副二つのターボチャージャ
を並列に配置し、低速域では主ターボチャージャのみ作
動させて1個ターボチャージャとし、高速域では両ター
ボチャージャを作動させるようにした、いわゆる2ステ
ージツインターボシステムを採用した過給機付エンジン
が知られている。この種の過給機付エンジンにおいて
は、1個ターボチャージャから2個ターボチャージャ作
動に切り替えるに際し、排気ガスの一部を作動停止して
いる副ターボチャージャ側に流し、該副ターボチャージ
ャを助走回転させるようにすると、切替を滑らかに行う
ことができ、切替ショックを低減できる。
特開昭59−145328号公報には、1個ターボチャージャ
から2個ターボチャージャへの切替に際し、切替時の設
定吸入空気量よりも少ない吸入空気量で排気バイパス弁
を開き、副ターボチャージャの助走回転数を高めるよう
にした構造が開示されている。また、特開昭61−112734
号公報には、ターボチャージャ切替時よりも低い過給圧
で、排気切替弁を小開して副ターボチャージャの助走回
転数を高めるようにした構造が開示されている。
[発明が解決しようとする課題] ところが、上述の如き従来の切替時制御においては、
排気切替弁小開時当は排気バイパス弁開時に、主ターボ
チャージャに供給される排気ガス量が急減するので、第
12図に示すように、主ターボチャージャの回転数が低下
し、副ターボチャージャの回転数が過給作動回転数に上
昇するまでは、エンジン全体としての過給圧が低下し、
エンジントルクも低下する。このターボチャージャ切替
前の主ターボチャージャの回転数低下および過給圧低下
を抑制するために、排気切替弁の小開開度を小さく設定
しておくと、第13図に示すように、小開開度不足のため
副ターボチャージャの回転数が十分に上昇せず、ターボ
チャージャ切替のため排気切替弁を全開にした直後に主
ターボチャージャの回転数が大きく低下するとともに過
給圧が大きく低下し、切替ショックを招くことになる。
本発明は、このような問題点に着目し、排気切替弁手
段を小開してターボチャージャ切替前に副ターボチャー
ジャを助走回転させるようにした過給機付エンジンにお
いて、排気切替弁手段の小開制御時およびターボチャー
ジャ切替のための全開直後ともに主ターボチャージャの
回転数低下を最小限に抑え、過給圧の低下を小さく抑え
て、より滑らかなターボチャージャの切替を行うことを
目的とする。
[課題を解決するための手段] この目的に沿う本発明の過給機付エンジンの制御方法
は、エンジ本体に対し並列に設けられた主ターボチャー
ジャおよび副ターボチャージャと、副ターボチャージャ
に接続されたエンジンの吸、排気系にそれぞれ設けら
れ、ともに全開のときは副ターボチャージャに過吸作動
を行わせ、ともに全閉のときに副ターボチャージャの過
給作動を停止させる吸気切替弁手段および排気切替弁手
段と、を備え、主ターボチャージャのみの過給作動から
両ターボチャージャの過給作動への切替前に、排気切替
弁手段を小開して排気ガスの一部を作動停止している副
ターボチャージャに流し該副ターボチャージャを助走回
転させる過給機付エンジンの制御方法において、第1図
に示すように、1個ターボチャージャ状態にて排気切替
弁小開条件に到達すると(ステップ81)、前記排気切替
弁手段の前記小開制御時における開度を、該小開制御開
始時には、予め定められた小さな初期開度Aに制御し
(ステップ82)、それから徐々に開度を大きくして(ス
テップ83)、前記両ターボチャージャの過給作動への切
替のための排気切替弁手段全開直前には、予め定められ
た比較的大きな設定開度Cまで増加させ(ステップ8
4)、排気切替弁手段の開度が該設定開度に到達した後
に、排気切替弁手段を全開にして(ステップ85)両ター
ボチャージャ作動に切替える方法からなる。
[作用] このような制御方法においては、排気切替弁手段の小
開制御開始時には、十分に小さな初期開度で排気切替弁
手段が開弁されるので、小開制御初期には副ターボチャ
ージャ側に流される排気ガス量は小量であり、主ターボ
チャージャの回転数低下が小さく抑えられて過給圧の低
下が抑えられる。小開制御中、排気切替弁手段の開度は
徐々に大きくされ副ターボチャージャに流される排気ガ
ス量が増大されて副ターボチャージャの回転数も徐々に
増大される。そして、排気切替弁手段の開度が十分に大
きな設定開度に到達すると、ターボチャージャ切替のた
めに排気切替弁手段が全開されるが、このときには副タ
ーボチャージャは十分に高い回転数で助走されているの
で、排気切替弁手段全開後の主ターボチャージャの回転
数の落ち込みは小さく抑えられる。したがって、このと
きにも過給圧の低下が抑えられる。その結果、小開制御
開始時、小開制御中、ターボチャージャ切替直後の全に
ついて過給圧の低下が抑えられ、ターボチャージャの切
替がスムーズに行われる。
[実 施 例] 以下に、本発明の望ましい実施例を、図面を参照して
説明する。
第2図は、本発明の第1実施例に係る方法を実施する
ための装置構成を示しており、6気筒エンジンの場合を
示している。
第2図において、1はエンジン、2はサージタンク、
3は排気マニホルドを示す。排気マニホルド3は排気干
渉を伴わない#1〜#3気筒群と#4〜#6気筒群の2
つに集合され、その集合部が連通路3aによって互いに連
通されている。7、8は互いに並列に配置された主ター
ボチャージャ、副ターボチャージャである。ターボチャ
ージャ7、8のそれぞれのタービン7a、8aは排気マニホ
ルド3の集合部に接続され、それぞれのコンプレッサ7
b、8bは、インタクーラ6、スロットル弁4を介してサ
ージタンク2に接続されている。主ターボチャージャ7
はエンジン低速域から高速域まで作動され、副ターボチ
ャージャ8はエンジン低速域で停止される。
双方のターボチャージャ7、8の作動、停止を可能な
らしめるために、副ターボチャージャ8のタービン8aの
下流に排気切替弁手段としての排気切替弁17が、コンプ
レッサ8bの下流に吸気切替弁18が設けられる。過、排気
切替弁18、17の両方とも全開のときは、両方のターボチ
ャージャ7、8が作動される。
低速域で停止される副ターボチャージャ8の吸気通路
には、1個ターボチャージャから2個ターボチャージャ
への切替を円滑にするために、コンプレッサ8bの上流と
下流とを連通する吸気バイパス通路13と、吸気バイパス
通路13途中に配設される吸気バイパス弁33が設けられ
る。吸気バイパス弁33はアクチュエータ10によって開閉
される。なお、吸気バイパス通路の空気流れ下流側を主
ターボチャージャ7のコンプレッサ上流の吸気通路に連
通してもよい。また、吸気切替弁18の上流と下流とを連
通するバイパス通路に逆止弁12を設けて、吸気切替弁18
閉時においても、副ターボチャージャ8側のコンプレッ
サ出口圧力が主ターボチャージャ7側より大になったと
き、空気が上流側から下流側に流れることができるよう
にしてある。なお、第2図中、14はコンプレッサ出口側
の吸気通路、15はコンプレッサ入口側の吸気通路を示
す。
吸気通路15はエアフローメータ24を介してエアクリー
ナ23に接続される。排気通路を形成するフロントパイプ
20は、排気ガス触媒21を介して排気マフラー22に接続さ
れる。
吸気切替弁18はアクチュエータ11によって開閉され、
排気切替弁17は2段ダイヤフラム式アクチュエータ16に
よって開閉される。なお、9はウエストゲートバルブ31
を開閉するアクチュエータを示す。アクチュエータ10、
11、16を作動する過給圧まは負圧をON−OFFする(過給
圧または負圧と大気圧とを選択的に切り替える)ため
に、第1、第2、第3、第4の三方電磁弁25、26、27、
28が設けられている。三方電磁弁25、26、27、28の切替
は、エンジンコントロールコンピュータ29からの指令に
従って行う。三方電磁弁25、28のONは吸、排気切替弁1
8、17を全開とするようにアクチュエータ11、16を作動
させ、OFFは吸、排気切替弁18、17を全閉とするように
アクチュエータ11、16を作動させる。なお、32は排気切
替弁17小開制御用の第5の三方電磁弁であり、デューテ
ィ制御される弁に構成されている。この第5の三方電磁
弁32に送られるデューティ値の信号と、アクチュエータ
16を介して開閉される排気切替弁17の開度とは対応して
おり、デューティ値を変えることによって開度を変える
ことができるようになっている。16a、16bはアクチュエ
ータ16のダイヤフラム室、16cは調整ネジ、10aはアクチ
ュエータ10のダイヤフラム室11a、11bはアクチュエータ
11のダイヤフラム室を、それぞれ示している。
エンジンコントロールコンピュータ29は、エンジンの
各種運転条件検出センサと電気的に接続され、各種セン
サからの信号が入力される。エンジン運転条件検出セン
サには、吸気管圧力センサ30、スロットル開度センサ
5、吸入空気量測定センサとしてのエアフローメータ2
4、O2センサ19等が含まれる。
エンジンコントロールコンピュータ29は、演算をする
ためのセントラルプロセッサユニット(CPU)、読み出
し専用のメモリであるリードオンリメモリ(ROM)、一
時記憶用のランダムアクセスメモリ(RAM)、入出力イ
ンターフェイス(I/Dインターフェイス)、各種センサ
からのアナログ信号をディジタル量に変換するA/Dコン
バータを備えている。第3図は各切替弁開閉用の制御プ
ログラムであり、ROMに記憶され、CPUに読み出されて、
弁開閉の演算を実行するプログラムである。第4図は、
排気切替弁17を小開制御する際の、第5の三方電磁弁32
のデューティ制御のサブルーチンプログラムを示してい
る。
本実施例における吸給制御方法を、第3図および第4
図の制御フローとともに、第5図を参照しつつ説明す
る。なお、第3図においては第1〜第5の三方電磁弁を
それぞれVSV No.1〜VSV No.5として表している。また、
第3図および第5図においては、ターボチャージャをT/
Cと表わしてある。
まず第3図において、ステップ100でバルブ制御ルー
チンに入り、ステップ101でエンジン回転数(NE)を読
み込む。つぎにステップ102で、エンジン回転数(NE)
が例えば4000rpmより大きいか否か、つまり高回転数域
か低回転数域かを判定する。低回転数域の場合には、ス
テップ104に進み、吸気管圧力(過給圧)PMを読み込
む。続いてステップ106で吸気管圧力PMが設定圧(例え
ば500mmHg)より高いか否かが判定される。PMが設定圧
よりも高い場合には、ステップ107に進み、第5の三方
電磁弁32が、後述の如く、排気切替弁小開制御のために
デューティ制御される。このとき、アクチュエータ16の
ダイヤフラム室16bに主ターボチャージャ7のコンプレ
ッサ下流の吸気管圧力(過給圧)が導かれ、排気切替弁
17が小開される。PMが設定圧以下の場合には、ステップ
108に進み、第5の三方電磁弁32のデューティ値は0と
され、排気切替弁17は全閉とされて小開制御は実行され
ない。
ステップ102で高回転数域と判定された場合には、ス
テップ103に進み、エンジンの吸入空気量Qを読み込
む。吸入空気量はエアフローメータ24からの信号であ
る。ステップ105で、Qが、例えば4000/minより多い
か否かを判定し、多い場合は、ステップ107に進んで排
気切替弁17の小開制御を実行し、少ない場合は、ステッ
プ108に進んで小開制御は実行しない。
このように、排気切替弁17の小開制御の実行は、本実
施例では、エンジン回転数(NE)が低回転数域の場合は
過給圧で、高回転数域では吸入空気量で判定される。し
たがって、低回転数域では、排気切替弁17の小開制御が
開始される時点では過給圧は確実に設定圧に達している
ことになり、その状態で余分な排気ガスが副ターボチャ
ージャ8に流され副ターボチャージャ8が助走回転され
ることになる。この小開制御により、設定圧以上への過
過給が防止されるとともに、余分な排気ガスが副ターボ
チャージャ8の助走回転に有効に使用され、副ターボチ
ャージャ8の助走回転数が高められる。高回転数域で
は、小開条件が吸入空気量で判定されるので、たとえば
過給圧が設定圧以下の状態であっても、吸入空気量が2
個ターボチャージャへの切替の準備を行うべき設定量に
達した時点で小開制御が開始される。小開制御により、
ターボチャージャ切替前に確実に副ターボチャージャ8
の助走回転数が高められることになり、2個ターボチャ
ージャへの切替時のつなぎがスムーズになる。
このように、過給圧又は吸入空気量のいずれかの条件
で、排気切替弁17を小開制御すべき条件に達したと判定
されると、ステップ107で、第4図に示すような小開制
御のためのサブルーチンが実行される。
第4図のフローにおいては、ステップ90で小開制御ル
ーチンに入り、ステップ91で、条件成立後初めての演算
か否かを判定し、初回(YES)のときには、三方電磁弁3
2のデューティ値(DUTY)を初期値aにセットし、ステ
ップ94に進む。NO(2回目以降)のときには、デューテ
ィ値に所定値bだけ加算し、ステップ94に進む。ステッ
プ94では、デューティ値が上限値cを越えたか否かを判
定し、越えた場合(YESのとき)はデューティ値を上限
値cに置き換えて、ステップ96で終了する。NOのときに
はそのまま終了する。この第4図のサブルーチンは、一
定時間毎に繰り返し実行される。したがって、デューテ
ィ値は、初期値aから設定値cに至るまで、徐々に、つ
まりbづつ増加し、設定値cに至ると、それ以上増加し
ない。
再び第3図の説明に戻り、ステップ107又はステップ1
08からステップ109に進み、デューティ値がcになって
いるか否かを判定する。デューティ値がcになっていな
い場合は、まだ1個ターボチャージャ状態を継続すべき
と判定され、ステップ115に進む。デューティ値がcに
なっている場合は2個ターボチャージャに切替えるべき
か否かを判定するために、ステップ110に進み、高速域
か低速域か、すなわち2個ターボチャージャ作動域か1
個ターボタージャ作動域かを判定する。図示例では、た
とえばQが5500/minより大きい場合は2個ターボチャ
ージャ作動に切替えるべきと判断し、5500/min以下の
ときは1個ターボチャージャ作動域と判断している。た
だし、後述の如く、実際に2個ターボチャージャ作動に
切り替わるには、時間遅れがあるので、6000/min近辺
で切り替わることになる。
ステップ110で2個ターボチャージャ作動に切り替え
るべきと判断された場合はステップ111に進み、それま
での1個ターボチャージャ時に吸気切替弁18が開(パー
シャル域開)になっている場合には、第2の三方電磁弁
26をOFFとして吸気切替弁18を閉じる。続いてステップ1
12で第3の三方電磁弁27をONとし、アクチュエータ10の
ダイヤフラム室10aにコンプレッサ下流の吸気管圧力
(過給圧力)を導いて吸気バイパス弁33を閉じる。ただ
しこのとき、1個ターボチャージャ作動域において、排
気切替弁17は既に小開制御されており、副ターボチャー
ジャ8は後述の如く十分に高い回転数で助走回転されて
いる。
次に、上記第3の三方電磁弁27ON後、作動停止側のタ
ーボチャージャ、つまり副ターボチャージャ8の助走回
転数をさらにアップするのに必要な所定時間、例えば1
秒の時間遅れをもたせ、1秒経過後にステップ113で第
4の三方電磁弁28をONとし、アクチュエータ16のダイヤ
フラム室16aにコンプレッサ下流の吸気管圧力(過給圧
力)を導いて排気切替弁17を全開にする。もし、副ター
ボチャージャ8のコンプレッサ圧力が主ターボチャージ
ャ7のコンプレッサ圧力より大きくなると、副ターボチ
ャージャ8の過給空気が逆止弁12を介してエンジンに供
給される。続いて、上記第4の三方電磁弁28ON後、所定
時間、例えば0.5秒経過後にステップ114で第1の三方電
磁弁25をONとし、アクチュエータ11のダイヤフラム室11
aにコンプレッサ下流の吸気管圧力(過給圧力)を導い
て吸気切替弁18を全開にする。この状態では2個のター
ボチャージャが作動する(なお、上記所定時間経過後に
2個ターボチャージャに切り替えられる際には、吸入空
気量はタービン効率の良い目標のほぼ6000/minとなっ
ている。)続いてステップ121に進んでリターンする。
ステップ109又は110で1個ターボチャージャ作動域と
判断された場合はステップ115に進み、第1の三方電磁
弁25をOFFとして吸気切替弁18を全閉とし、ステップ116
で第4の三方電磁弁28をOFFとして排気切替弁17を全閉
とし、ステップ117で第3の三方電磁弁27をOFFとして吸
気バイパス弁33を全開とする。続いてステップ118で軽
負荷か高負荷かを判断する。図は負荷信号として吸気管
圧力PMを例にとった場合を示しているが、吸気管圧力の
代わりにスロットル開度、吸入空気量/エンジン回転数
で代替えされてもよい。例えば吸気管圧力PMが−100mmH
gより小さい場合は軽負荷と判断し、−100mmHg以上の場
合は高負荷と判断する。
ステップ118で高負荷と判断された場合はステップ120
に進み、第2の三方電磁弁26をOFFとする。すなわち、
第1および第2の三方電磁弁25および26をOFFとしてア
クチュエータ11のダイヤフラム室11aおよび11bに大気圧
力を導いて吸気切替弁18が全閉とされ、ステップ121に
進みリターンする。この状態では吸気切替弁18が全閉、
排気切替弁17が全閉、吸気バイパス弁33が全開だから、
吸入空気量の少ない状態にて1個ターボチャージャ作動
となり、過給圧力、トルクレスポンスが良好となる。
ステップ118で軽負荷と判断された場合は、ステップ1
19に進み第2の三方電磁弁26をONとし、アクチュエータ
11のダイヤフラム11bにサージタンク2内の負圧を導い
て吸気切替弁18を開く。この状態では、排気切替弁17が
閉であるから副ターボチャージャ8は作動せず、主ター
ボチャージャ7のみの作動となる。しかし、吸気通路14
は吸気切替弁18が開いているため、2個ターボチャージ
ャ分の吸気通路が開の状態である。つまり、両方のター
ボチャージャのコンプレッサ7b、8bを通して空気が吸入
される。この結果、多量の過給空気量をエンジン1に供
給でき、低負荷からの加速特性が改善される。続いて、
ステップ121に進みリターンする。
上記の制御において、1個ターボチャージャから2個
ターボチャージャ作動への切替時の状態は、第5図に示
すようになる。排気切替弁17の小開制御開始条件に達す
ると、第5の三方電磁弁32のデューティ値は初期値aに
セットされ、それに対応して排気切替弁17は初期開度A
だけ小開される。この初期開度Aは、実験的に求めら
れ、予め定められた開度で、排気切替弁17を小開して
も、主ターボチャージャの回転数、過給圧の低下を極め
て小さく抑えることのできる開度に設定されている。し
たがって、小開制御初期には、主ターボチャージャ7の
回転数の低下、過給圧の低下は実質的に防止される。
そして、第4図に示した実行プログラムが一定時間
(演算周期)毎に実行され、デューティ値がbづつ徐々
に増加される。つまり、デューティ値の増加特性の傾き
は、b/(演算周期)となる。このデューティ値の増加
は、デューティ値が設定値cに達するまで続行される。
この設定値cは、排気切替弁17の設定開度Cに対応して
おり、該設定開度Cは、ターボチャージャ切替前に副タ
ーボチャージャ8の十分に高い助走回転数が得られる開
度で、実験的に求められ、予め設定される開度である。
したがって、ターボチャージャ切替直前には、過給圧や
主ターボチャージャ7の回転数の低下を伴うことなく、
副ターボチャージャ8が十分に高い回転数で助走され
る。
この状態で、第4の三方電磁弁28がONとされて排気切
替弁17が全開され、1個ターボチャージャから2個ター
ボチャージャに切替えられる。切替直前には、副ターボ
チャージャ8は十分に高い回転数で助走されているの
で、切替直後の主ターボチャージャ7の回転数の落ち込
み、過給圧の低下はごく僅かに抑えられ、スムーズなタ
ーボチャージャ切替が行われる。
上記制御における、小開制御特性以外の基本特性、つ
まり1個ターボチャージャ作動の場合と2個ターボチャ
ージャ作動の場合の過給圧特性は第6図のようになる。
高速域では、吸気切替弁18と排気切替弁17がともに開
かれ、吸気バイパス弁33が閉じられる。これによって2
個ターボチャージャ7、8が過給作動し、十分な過給空
気量が得られ、出力が向上される。このとき過給圧は、
+500mmHgを越えないように、ウエストゲートバルブ31
で制御される。
低速域でかつ高負荷時には、吸気切替弁18と排気切替
弁17がともに閉じられ、吸気バイパス弁33は開かれる。
これによって1個のターボチャージャ7のみが駆動され
る。低回転域で1個ターボチャージャとする理由は、第
8図に示すように、低回転域では1個ターボチャージャ
過給特性が2個ターボチャージャ過給特性より優れてい
るからである。1個ターボチャージャとすることによ
り、過給圧、トルクの立上りが早くなり、レスポンスが
迅速となる。
低速域でかつ軽負荷時には、排気切替弁17を閉じたま
ま吸気切替弁18を開にする。これによって、1個ターボ
チャージャ駆動のまま、吸気通路2個ターボチャージャ
分が開となり、1個ターボチャージャによる吸気抵抗の
増加を除去できる。これによって、低負荷からの加速初
期における過給圧立上り特性、レスポンスをさらに改善
できる。
低速域から高速域に移行するとき、つまり1個ターボ
チャージャから2個ターボチャージャ作動へ切り替える
ときには、前述の排気切替弁17の小開制御が開始された
後、吸入空気量Qが5500/minに達したときに吸気バイ
パス弁33が閉じられ、その後時間遅れをもたせて(本実
施例では1秒経過後)、排気切替弁17が全開され、続い
て吸気切替弁18が全開されて、2個ターボチャージャ過
給作動が開始される。
上記1個ターボチャージャから2個ターボチャージャ
への切替時の制御を、タイムチャートで示すと第7図の
ようになる。
まず、低回転数域においては過給圧が設定圧に達する
と、高回転数域においては吸入空気量が設定量に達する
と、第5の三方電磁弁32(VSV No.5)のデューティ制御
による排気切替弁17の小開制御が始まり、副ターボチャ
ージャ8が助走回転される。このとき、吸気バイパス弁
33は開いており、副ターボチャージャ8のコンプレッサ
8b出口側の加圧空気は、バイパス通路13を通してコンプ
レッサ入口側へと循環されるので、コンプレッサ出口圧
力の過上昇が防止されるとともに、この部分での吸気温
過上昇が防止される。
副ターボチャージャ8の助走回転開始後、吸入空気量
Qが5500/minに至ると、吸気バイパス弁33が閉じられ
る。吸気バイパス弁33閉により、コンプレッサ8bの出口
圧力が高められるので、副ターボチャージャ8の助走回
転数が高められる。吸気バイパス弁33閉後所定時間経過
後に(本実施例では1秒経過後に)、小開制御されてい
た排気切替弁17が全開とされる。このとき、吸入空気量
Qは、加速条件で自然に、切替時条件として最もタービ
ン効率のよい6000/minあるいはその近傍の値に達して
いる。続いて吸気切替弁18が全開とされ(本実施例では
排気切替弁17全開後0.5秒経過後)、2個ターボチャー
ジャ過給作動に切り替わる。
なお、上記実施例においては、排気切替弁17の小開制
御開始条件の判定を、低回転数域では過給圧で、高回転
数域では吸入空気量で判定するようにしたが、これは以
下のような理由による。
すなわち、一般に、タービン効率は、1個ターボチャ
ージャ時、2個ターボチャージャ時それぞれ吸入空気量
との間に第8図に示すような相関関係があるので、吸入
空気量がA点(たとえば6000/min)にあるときに切替
を実施するのが最も効率が良い(図においてはターボチ
ャージャをT/Cと表わしてある。)。したがって、排気
切替弁手段の小開条件としては、上記A点よりも少ない
吸入空気量(たとえば4000/min)で判定し、その吸入
空気量に達した時点から副ターボチャージャの助走回転
を開始、あるいは助走回転数を高めるようにすればよい
ことになる。
しかし、実際には、ターボチャージャにはターボラグ
(アクセル踏み込みに対する過給圧上昇の時間的遅れ)
があるので、上記の如く吸入空気量で排気切替弁手段の
小開条件を定めると、小開後過給圧が設定圧まで上がら
なくなるとがある。すなわち、第9図に示すように、1
個ターボチャージャ特性として図の実線で示すような理
論特性を有する場合、実際にはターボラグのため図の一
点鎖線で示すような特性となるので、4000/minの条件
で小開を開始すると図のB点で小開を開始することにな
る。このときには、過給圧はまだ設定圧(たとえば+50
0mmHg)に達していないから、このB点で排気切替弁手
段を小開し排気ガス一部を副ターボチャージャ側に流し
てしまうと、その分主ターボチャージャ側に流れる排気
ガス量が減り、過給圧の低下を招くとともに過給圧が設
定圧まで上がらなくなり、低速トルクの低下を招く。し
たがって、この低速域においてトルクを低下させること
なく排気切替弁手段を小開する条件としては、過給圧が
設定圧に達した時点、つまり第9図のC点に達した時点
で排気切替弁手段の小開を実施し、余分の排気ガスを副
ターボチャージャ側に流して副ターボチャージャを助走
回転させる方法がよい。つまり過給圧で小開条件を判定
することである。
ところが、過給圧のみによって小開条件を判定する
と、高速域のたとえば第9図のD点の場合のように、吸
入空気量が2個ターボチャージャ作動領域に入ったにも
かかわらず過給圧が設定圧以下であるため、2個ターボ
チャージャへの切替前の排気切替弁手段で2個ターボチ
ャージャへの切替前の排気切替弁手段の小開が実行され
ないという状態が生じる。このような状態で2個ターボ
チャージャへの切替を行うと、副ターボチャージャの助
走回転数が十分に高められない状態で2個ターボチャー
ジャに切り替わるので、切替時の過給圧低下が大きくな
り、スムーズな切替が難しくなる。このような問題に対
し、排気切替弁の小開制御開始条件を、低回転数域では
過給圧で判定し、高回転数域では吸入空気量で判定する
ことにより、低回転数域では、過過給を防止しつつ、過
給圧が確実に設定圧に達した時点で余分の排気ガスを副
ターボチャージャの助走回転に有効に使用でき、高回転
数域では、たとえ過給圧が設定圧以下の状態にあっても
吸入空気量が設定量に達した時点で確実に副ターボチャ
ージャを助走回転させることができる。
次に、第10図に本発明の第2実施例に係るシステムを
示す。本実施例では、第2図に示した第1実施例に比
べ、第5の電磁弁42が、デューティ制御される二方電磁
弁に構成され、コンプレッサ下流の吸気通路からアクチ
ュエータ16の小開制御用ダイヤフラム室16bに導入され
る過給圧が、二方電磁弁42によって吸気通路15(大気
側)に洩らされ、それによってダイヤフラム室16Bに小
開制御のための適正圧力が伝達されるようになってい
る。その他の構成、作用は第1実施例に準じる。
また、上記各実施例においては、排気切替弁手段を一
つの排気切替弁17で構成したが、たとえば第11図に第3
実施例として示すように、副ターボチャージャ8の排気
系に排気切替弁17をバイパスする排気バイパス通路36を
設け、この排気バイパス通路36を開閉する排気バイパス
弁37およびそのアクチュエータ38を設け、アクチュエー
タ38をデューティ制御される第5の三方電磁弁32で開閉
するようにしてもよい。この場合、排気切替弁17と排気
バイパス弁37とで、本発明でいう排気切替弁手段を構成
する。アクチュエータ38の作動制御用の第5の三方電磁
弁32のデューティ制御は、第4図に示した制御フローに
準じる。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明の過給機付エンジンの制
御方法によるときは、ターボチャージャ切替前の排気切
替弁手段小開制御において、小開制御初期には十分に小
さな弁開度とし、徐々に開度を増加させ、切替直前には
十分に大きな開度とした後ターボチャージャの切替を行
なうようにしたので、副ターボチャージャの助走回転数
を徐々に高めて、小開制御初期および小開制御中の主タ
ーボチャージャの回転数の低下および過給圧の低下を小
さく抑えることができるとともに、小開制御後期(ター
ボチャージャ切替直前)に副ターボチャージャの助走回
転数を十分に高めてターボチャージャ切替直後の主ター
ボチャージャの回転数の低下および過給圧の低下も小さ
く抑えることができる。したがって排気切替弁手段小開
制御の目的が略理想的な状態で達成され、1個ターボチ
ャージャから2個ターボチャージャへの切替を、ショッ
クを伴うことなく極めてスムーズに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る過給機付エンジンの制御方法の制
御ステップを示すブロック図、 第2図は本発明の第1実施例に係る方法の実施に用いる
装置の系統図、 第3図は第2図の装置を用いて本発明方法を実施する場
合の制御フロー図、 第4図は第3図のフローにおける、小開制御サブルーチ
ンの制御フロー図、 第5図は第3図および第4図の制御によるターボチャー
ジャ切替時特性図、 第6図は第3図の制御フローによるエンジン回転数−過
給圧特性図、 第7図はターボチャージャ切替時のタービン効率および
各弁作動の特性図、 第8図は2ステージターボシステムにおける吸入空気量
とタービン効率との関係図、 第9図は2ステージターボシステムにおけるターボラグ
の影響を示すエンジン回転数−過給圧特性図、 第10図は本発明の第2実施例に係る装置の系統図、 第11図は本発明の第3実施例に係る装置の系統図、 第12図は従来システムにおけるターボチャージャ切替時
特性図、 第13図は別の従来システムにおけるターボチャージャ切
替時特性図、である。 1……エンジン 2……サージタンク 3……排気マニホルド 4……スロットル弁 5……スロットル開度センサ 6……インタクーラ 7……主ターボチャージャ 8……副ターボチャージャ 10……吸気バイパス弁のアクチュエータ 11……吸気切替弁のアクチュエータ 13……吸気バイパス通路 14……吸気通路(コンプレッサ下流) 15……吸気通路(コンプレッサ上流) 16……排気切替弁のアクチュエータ 17……排気切替弁 18……吸気切替弁 24……エアフローメータ 25……第1の三方電磁弁 26……第2の三方電磁弁 27……第3の三方電磁弁 28……第4の三方電磁弁 29……エンジンコントロールコンピュータ 30……吸気管圧力センサ 31……ウエストゲートバルブ 32……第5の三方電磁弁(デューティ制御) 33……吸気バイパス弁 36……排気バイパス通路 37……排気バイパス弁 38……排気バイパス弁のアクチュエータ 42……二方電磁弁(デューティ制御)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02B 37/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジン本体に対し並列に設けられた主タ
    ーボチャージャおよび副ターボチャージャと、副ターボ
    チャージャに接続されたエンジンの吸、排気系にそれぞ
    れ設けられ、ともに全開のときは副ターボチャージャに
    過給作動を行わせ、ともに全閉のときには副ターボチャ
    ージャの過給作動を停止させる吸気切替弁手段および排
    気切替弁手段と、を備え、主ターボチャージャのみの過
    給作動から両ターボチャージャの過給作動への切替前
    に、排気切替弁手段を小開して排気ガスの一部を作動停
    止している副ターボチャージャに流し該副ターボチャー
    ジャを助走回転させる過給機付エンジンの制御方法にお
    いて、前記排気切替弁手段の前記小開制御時における開
    度を、該小開制御開始時には、予め定められた小さな初
    期開度に制御し、それから徐々に開度を大きくして、前
    記両ターボチャージャの過給作動への切替のための排気
    切替弁手段全開直前には、予め定められた比較的大きな
    設定開度まで増加させ、排気切替弁手段の開度が該設定
    開度に到達した後に、排気切替弁手段を全開にすること
    を特徴とする過給機付エンジンの制御方法。
JP2116929A 1990-05-08 1990-05-08 過給機付エンジンの制御方法 Expired - Fee Related JP2785439B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2116929A JP2785439B2 (ja) 1990-05-08 1990-05-08 過給機付エンジンの制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2116929A JP2785439B2 (ja) 1990-05-08 1990-05-08 過給機付エンジンの制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0417726A JPH0417726A (ja) 1992-01-22
JP2785439B2 true JP2785439B2 (ja) 1998-08-13

Family

ID=14699188

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2116929A Expired - Fee Related JP2785439B2 (ja) 1990-05-08 1990-05-08 過給機付エンジンの制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2785439B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0417726A (ja) 1992-01-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH03217621A (ja) 過給機付エンジンの制御方法
JP2785439B2 (ja) 過給機付エンジンの制御方法
JP2522422B2 (ja) 過給機付エンジンの過給制御方法
JP2522077B2 (ja) 過給機付エンジンの制御方法
JP2705271B2 (ja) 過給機付エンジンの制御方法
JP2503642Y2 (ja) 過給機付エンジン
JP2765173B2 (ja) 過給機付エンジンの制御方法
JPH0539726A (ja) 過給機付エンジンの過給圧制御装置
JPH06272565A (ja) 過給機付エンジンの制御装置
JPH0441930A (ja) 過給機付エンジンの制御方法
JPH03213621A (ja) 過給機付エンジンの制御装置
JPH04241731A (ja) 過給機付エンジンの制御装置
JP2501865Y2 (ja) 複合過給内燃機関における過給制御装置
JPH0529768B2 (ja)
JPH03222821A (ja) 過給機付エンジンの制御方法
JPH03275939A (ja) 過給機付エンジンの制御方法
JPH03229931A (ja) 過給機付エンジンの制御方法
JPH03213619A (ja) 過給機付エンジン
JPH0441929A (ja) 過給機付エンジンの制御方法
JPH06248963A (ja) 過給機付エンジンの制御装置
JP2861516B2 (ja) 過給機付エンジンの過給圧制御装置
JPS6291624A (ja) 内燃機関の複合過給装置
JPH03267525A (ja) 過給機付エンジン
JPH0598980A (ja) 過給機付エンジンの過給圧制御装置
JPH06248962A (ja) 過給機付エンジンの制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees