JP2705271B2 - 過給機付エンジンの制御方法 - Google Patents

過給機付エンジンの制御方法

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JP2705271B2
JP2705271B2 JP2056494A JP5649490A JP2705271B2 JP 2705271 B2 JP2705271 B2 JP 2705271B2 JP 2056494 A JP2056494 A JP 2056494A JP 5649490 A JP5649490 A JP 5649490A JP 2705271 B2 JP2705271 B2 JP 2705271B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、主、副ターボチャージャが並列に配設さ
れ、エンジン運転条件に応じてターボチャージャ作動個
数を変更するようにした過給機付エンジンの制御方法に
関する。
[従来の技術] エンジン本体に対し、主、副二つのターボチャージャ
を並列に配置し、低速域では主ターボチャージャのみ作
動させて1個ターボチャージャとし、高速域では両ター
ボチャージャを作動させるようにした、いわゆる2ステ
ージターボシステムを採用した、いわゆる2ステージタ
ーボシステムを採用した過給機付エンジンが知られてい
る。
このターボチャージャの作動個数の変更に関し、特開
昭59−145328号公報には、ターボチャージャの切替条件
を吸入空気量で判定し、設定吸入空気量以下では1個タ
ーボチャージャ、設定吸入空気量を越えると2個ターボ
チャージャに切替えるシステムが開示されている。この
ようなシステムにおける、1個ターボチャージャ域と2
個ターボチャージャ域とを、過給圧−エンジン回転数に
関する特性で示せば、たとえば第7図のようになる。
また、特開昭60−259722号公報には、ターボチャージ
ャの切替条件をエンジン回転数で判定し、設定回転数以
下では1個ターボチャージャ、設定回転数を越えると2
個ターボチャージャに切替えるシステムが開示されてい
る。このようなシステムにおける、1個ターボチャージ
ャ域と2個ターボチャージャ域とを、過給圧−エンジン
回転数に関する特性で示すと、たとえば第8図のように
なる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、ターボチャージャの切替条件を吸入空
気量のみで判定する場合、第9図に示すように、加速途
中にシフトチェンジや減速が実行されると、吸入空気量
が2個ターボチャージャ域と1個ターボチャージャ域と
にわたって変化するため、必ず2個ターボチャージャか
ら1個ターボチャージャになり、加速と同時にまた1個
ターボチャージャから2個ターボチャージャに切り替わ
る。そのため、その都度吸、排気切替弁が開閉され、切
替作動回数が多くなり各弁の耐久性が悪くなるととも
に、切替の都度ショックが発生する。なお、ターボチャ
ージャの切替でショックとして問題となるのは、1個タ
ーボチャージャから2個ターボチャージャに切り替える
時(停止側ターボチャージャを作動させる時)に生じる
過給圧の落ち込みによるものである。2個ターボチャー
ジャから1個ターボチャージャ作動に切り替える時(タ
ーボチャージャを1個停止させる時)は、急激な過給圧
変化は発生しないので、特に問題は生じない。
一方、ターボチャージャの切替条件をエンジン回転数
で判定する場合には、定常運転中での切替頻度が高くな
り、各弁の耐久性上望ましくないとともに、やはり切替
の都度ショックが発生するという問題がある。つまり、
軽負荷であってもエンジン回転数が上昇すれば必ず2個
ターボチャージャ域に入って1個ターボチャージャから
2個ターボチャージャに切り替わり、ターボチャージャ
の切替が必要でない場合にも頻繁に切替が行われること
になる。この切替に伴うトルクショックは、定常運転中
程運転者は敏感に感じるものであり、定常運転中に高頻
度でショックが発生すると、運転者に不快感を与える。
本発明は、ターボチャージャの切替頻度を必要最小限
に抑え、切替弁の耐久性を向上するとともに、シフトチ
ェンジや減速時、あるいは高速定常運転中に実行されて
いた不要なターボチャージャ切替を無くすことにより、
それらによる切替ショックを解消することを目的とす
る。
[課題を解決するための手段] この目的に沿う本発明の過給機付エンジンの制御方法
は、エンジン本体に対し並列に設けられた主ターボチャ
ージャおよび副ターボチャージャと、副ターボチャージ
ャに接続されたエンジンの吸、排気系にそれぞれ設けら
れ、ともに全開のときは副ターボチャージャに過給作動
を行わせ、ともに全閉のときには副ターボチャージャの
過給作動を停止させる吸気切替弁および排気切替弁と、
を備え、エンジン運転条件に応じて前記吸気切替弁およ
び排気切替弁を開閉することによりターボチャージャの
作動個数を変更する過給機付エンジンにおいて、第1図
に示すように、ターボチャージャの切替に関し、1個タ
ーボチャージャから2個ターボチャージャ作動への切替
については、吸入空気量を検出し(ステップ81)該吸入
空気量で1個ターボチャージャから2個ターボチャージ
ャ作動への切替条件を判定して(ステップ82)該切替を
実行し(ステップ83)、2個ターボチャージャから1個
ターボチャージャ作動への切替については、エンジン回
転数を検出し(ステップ84)該エンジン回転数で2個タ
ーボチャージャから1個ターボチャージャ作動への切替
条件を判定して(ステップ85)該切替を実行する(ステ
ップ86)方法から成る。
したがって、ステップ82で1個ターボチャージャ域と
判定された場合には1個ターボチャージャ作動状態が継
続され(ステップ87)、ステップ85で2個ターボチャー
ジャ域と判定された場合には、2個ターボチャージャ作
動状態がそのまま継続される(ステップ88)。
[作用] このような制御方法においては、一旦2個ターボチャ
ージャ域に入ると、エンジン回転数が切替条件として設
定された回転数以下に落ちない限り、2個ターボチャー
ジャ作動状態が継続される。したがって、低吸入空気量
域からの加速時に、シフトチェンジや減速の都度発生し
ていた2個ターボチャージャから1個ターボチャージャ
へ、さらには1個ターボチャージャから2個ターボチャ
ージャへの切替が無くなり、高速(定常)運転時におい
ては、2個ターボチャージャ作動状態で加減速をくり返
しても1個ターボチャージャには切り替わらず、切替頻
度が大幅に低減されて各切替弁の耐久性が向上される。
また、不要な切替が実行されないので、全体として、切
替ショックが低減され、たとえば高速定常運転中に切替
ショックを発生させることも無くなる。この高速条件で
は、吸入空気量も多いので、2個ターボチャージャのま
まで運転していてもターボラグは小さく、レスポンス悪
化の心配もない。したがって、レスポンスの悪化を招く
ことなくターボチャージャの切替頻度が大幅に減り、ド
ライバビリティ、切替弁の耐久性が向上される。
[実施例] 以下に、本発明の望ましい実施例を、図面を参照して
説明する。
第2図は、本発明の一実施例に係る方法を実施するた
めの装置構成を示しており、6気筒エンジンの場合を示
している。
第2図において、1はエンジン、2はサージタンク、
3は排気マニホルドを示す。排気マニホルド3は排気干
渉を伴わない#1〜#3気筒群と#4〜#6気筒群の2
つに集合され、その集合部が連通路3aによって互いに連
通されている。7、8は互いに並列に配置された主ター
ボチャージャ、副ターボチャージャである。ターボチャ
ージャ7、8のそれぞれのタービン7a、8aは排気マニホ
ルド3の集合部に接続され、それぞれのコンプレッサ7
b、8bは、インタクーラ6、スロットル弁4を介してサ
ージタンク2に接続されている。主ターボチャージャ7
はエンジン低速域から高速域まで作動され、副ターボチ
ャージャ8はエンジン低速域で停止される。
双方のターボチャージャ7、8の作動、停止を可能な
らしめるために、副ターボチャージャ8のタービン8aの
下流に排気切替弁17が、コンプレッサ8bの下流に吸気切
替弁18が設けられる、吸、排気切替弁18、17の両方とも
全開のときは、両方のターボチャージャ7、8が作動さ
れる。
低速域で停止される副ターボチャージャ8の吸気通路
には、1個ターボチャージャから2個ターボチャージャ
への切替を円滑にするために、コンプレッサ8bの上流と
下流とを連通する吸気バイパス通路13と、吸気バイパス
通路13途中に配設される吸気バイパス弁33が設けられ
る。吸気バイパス弁33はアクチュエータ10によって開閉
される。なお、吸気バイパス通路の空気流れ下流側を主
ターボチャージャ7のコンプレッサ上流の吸気通路に連
通してもよい。また、吸気切替弁18の上流と下流とを連
通するバイパス通路に逆止弁12を設けて、吸気切替弁18
閉時においても、副ターボチャージャ8側のコンプレッ
サ出口圧力が主ターボチャージャ7側より大になったと
き、空気が上流側から下流側に流れることができるよう
にしてある。なお、第2図中、14はコンプレッサ出口側
の吸気通路、15はコンプレッサ入口側の吸気通路を示
す。
吸気通路15はエアフローメータ24を介してエアクリー
ナ23に接続される。排気通路を形成するフロントパイプ
20は、排気ガス触媒21を介して排気マフラー22に接続さ
れる。
吸気切替弁18はアクチュエータ11によって開閉され、
排気切替弁17は2段ダイヤフラム式アクチュエータ16に
よって開閉される。なお、9はウエストゲートバルブ31
を開閉するアクチュエータを示す。アクチュエータ10、
11、16を作動する過給圧または負圧をON−OFFする(過
給圧または負圧と大気圧とを選択的に切り替える)ため
に、第1、第2、第3、第4の三方電磁弁25、26、27、
28が設けられている。三方電磁弁25、26、27、28の切替
は、エンジンコントロールコンピュータ29からの指令に
従って行う。三方電磁弁25、28のONは吸、排気切替弁1
8、17を全開とするようにアクチュエータ11、16を作動
させ、OFFは吸、排気切替弁18、17を全閉とするように
アクチュエータ11、16を作動させる。なお、32は排気切
替弁17小開制御用の第5の三方電磁弁である。16a、16b
はアクチュエータ16のダイヤフラム室、16cは小開開度
調整ネジ、10aはアクチュエータ10のダイヤフラム室、1
1a、11bはアクチュエータ11のダイヤフラム室を、それ
ぞれ示している。
第1、第3、第4、第5の三方電磁弁25、27、28、32
は、それぞれ、大気圧とコンプレッサ下流でかつスロッ
トル弁4上流の吸気管圧力とを選択的に切り替えるが、
この吸気管圧力導入経路にはチェック弁35が設けられて
おり、コンプレッサ出口圧力(正圧)の最大値をホール
ドできるようになっている。したがって、軽負荷域でも
各ダイヤフラム室にコンプレッサ出口圧力をホールドで
き、高速域における2個ターボチャージャ作動状態を維
持できるようになっている。
エンジンコントロールコンピュータ29は、エンジンの
各種運転条件検出センサと電気的に接続され、各種セン
サからの信号が入力される。エンジン運転条件検出セン
サには、吸気管圧力センサ30、スロットル開度センサ
5、吸入空気量測定センサとしてのエアフローメータ2
4、O2センサ19およびエンジン回転数センサ34等が含ま
れる。
エンジンコントロールコンピュータ29は、演算をする
ためのセントラルプロセッサユニット(CPU)、読み出
し専用のメモリであるリードオンリメモリ(ROM)、一
時記憶用のランダムアクセスメモリ(RAM)、入出力イ
ンターフェイス(I/Dインターフェイス)、各種センサ
からのアナログ信号をディジタル量に変換するA/Dコン
バータを備えている。第3図は切替弁開閉用の制御プロ
グラムであり、ROMに記憶され、CPUに読み出されて、弁
開閉の演算を実行するプログラムである。
本実施例における過給制御方法を、第3図の制御フロ
ーとともに、第4図を参照しつつ説明する。なお、第3
図においては第1〜第5の三方電磁弁をそれぞれVSVNo.
1〜VSVNo.5として表している。また、第3図および第4
図においては、ターボチャージャをT/Cと表わしてあ
る。
まず第3図において、ステップ100でバルブ制御ルー
チンに入り、ステップ101でエンジン回転数センサ34か
らの信号によりエンジン回転数(NE)を読み込む。つぎ
にステップ102でエンジン回転数(NE)が例えば4000rpm
より大きいか否か、つまり高回転数域か低回転数域かを
判定する。低回転数域の場合には、ステップ104に進
み、吸気管圧力(過給圧)PMを読み込む。続いてステッ
プ106で吸気管圧力PMが設定圧(例えば500mmHg)より高
いか否かが判定される。PMが設定圧よりも高い場合に
は、ステップ107に進み、第5の三方電磁弁32がONとさ
れ、アクチュエータ16のダイヤフラム室16bに主ターボ
チャージャ7のコンプレッサ下流の吸気管圧力(過給
圧)が導かれ、吸気切替弁17が小開される。PMが設定圧
以下の場合には、ステップ108に進み、第5の三方電磁
弁32はOFFとされ、小開制御は実行されない。
ステップ102で高回転数域と判定された場合には、ス
テップ103に進み、エンジンの吸入空気量Qを読み込
む。吸入空気量はエアフローメータ24からの信号であ
る。ステップ105で、Qが、例えば4000l/minより多いか
否かを判定し、多い場合は、ステップ107に進んで排気
切替弁17の小開制御を実行し、少ない場合は、ステップ
108に進んで小開制御は実行しない。
このように、本実施例では、排気切替弁17の小開制御
は、エンジン回転数(NE)が低回転数域の場合は過給圧
で、高回転数域では吸入空気量で判定される。したがっ
て、低回転数域では、排気切替弁17の小開制御が開始さ
れる時点では過給圧は確実に設定圧に達していることに
なり、その状態で余分な排気ガスが副ターボチャージャ
8に流され副ターボチャージャ8が助走回転されること
になる。この小開制御により、設定圧以上への過過給が
防止されるとともに、余分な排気ガスが副ターボチャー
ジャ8の助走回転に有効に使用され、副ターボチャージ
ャの助走回転数が高められて、2個ターボチャージャへ
の切替のつなぎがスムーズになる。高回転数域では、小
開条件が吸入空気量で判定されるので、たとえ過給圧が
設定圧以下の状態であっても、吸入空気量が2個ターボ
チャージャへの切替の準備を行うべき設定量に達した時
点で小開制御が開始される。小開制御により、ターボチ
ャージャ切替前に確実に副ターボチャージャ8の助走回
転数が高められることになり、2個ターボチャージャへ
の切替時のつなぎがスムーズになる。
排気切替弁17の小開条件を判定した後に、1個ターボ
チャージャ作動とすべきか2個ターボチャージャに切替
えるべきかを判定するために、ステップ109に進み、ま
ず吸入空気量Qで2個ターボチャージャ作動域か1個タ
ーボチャージャ作動域かを判定する。図示例では、たと
えばQが5500l/minより大きい場合は2個ターボチャー
ジャ作動に切替えるべきと判断し、5500l/min以下のと
きは1個ターボチャージャ作動域と判断している。ただ
し、後述の如く、実際に2個ターボチャージャ作動に切
り替わるには、時間遅れがあるので、6000l/min近辺で
切り替わることになる。
ステップ109で2個ターボチャージャ作動に切り替え
るべきと判断された場合はステップ110に進み、それま
での1個ターボチャージャ時に吸気切替弁18が開(パー
シャル域開)になっている場合には、第2の三方電磁弁
26をOFFとして吸気切替弁18を閉じる。続いてステップ1
11で第3の三方電磁弁27をONとし、アクチュエータ10の
ダイヤフラム室10aにコンプレッサ下流の吸気管圧力
(過給圧力)を導いて吸気バイパス弁33を閉じる。ただ
しこのとき、1個ターボチャージャ作動域において、排
気切替弁17は既に小開制御されており、副ターボチャー
ジャ8は助走回転されている。
次に、上記第3の三方電磁弁27ON後、作動停止側のタ
ーボチャージャ、つまり副ターボチャージャ8の助走回
転数をアップするのに必要な所定時間、例えば1秒の時
間遅れをもたせ、1秒経過後にステップ112で第4の三
方電磁弁28をONとし、アクチュエータ16のダイヤフラム
室16aにコンプレッサ下流の吸気管圧力(過給圧力)を
導いて排気切替弁17を全開にする。もし、副ターボチャ
ージャ8のコンプレッサ圧力が主ターボチャージャ7の
コンプレッサ圧力より大きくなると、副ターボチャージ
ャ8の過給空気が逆止弁12を介してエンジンに供給され
る。続いて、上記第4の三方電磁弁28ON後、所定時間、
例えば0.5秒経過後にステップ113で第1の三方電磁弁25
をONとし、アクチュエータ11のダイヤフラム室11aにコ
ンプレッサ下流の吸気管圧力(過給圧力)を導いて吸気
切替弁18を全開にする。この状態では2個のターボチャ
ージャが作動する(なお、上記所定時間経過後に2個タ
ーボチャージャに切り替えられる際には、吸入空気量は
タービン効率の良い目標のほぼ6000l/minとなってい
る)。続いてステップ122に進んでリターンする。
ステップ109で1個ターボチャージャ作動域と判断さ
れた場合はステップ114に進み、第1の三方電磁弁25がO
Nか(2個ターボチャージャ作動状態であったか)OFFか
(1個ターボチャージャ作動状態であったか)を判定す
る。OFFであった場合にはステップ119に進む。ONであっ
た場合には、ステップ115に進み、エンジン回転数NE
が、例えば3000rpmより低いか高いかを判定し、高い場
合にはステップ122に進んでリターンする。つまり、た
とえ吸入空気量が1個ターボチャージャ域まで低下した
としても、それまでの2個ターボチャージャ作動を継続
する。NEが3000rpmより低い場合には、ステップ116に進
み、第1の三方電磁弁25をOFFとして吸気切替弁18を全
閉とし、ステップ117で第4の三方電磁弁28をOFFとして
排気切替弁17を弁閉とし、ステップ118で第3の三方電
磁弁27をOFFとして吸気バイパス弁33を全開とする。つ
まり1個ターボチャージャ作動とする。続いてステップ
119で軽負荷か高負荷かを判断する。図は負荷信号とし
て吸気管圧力PMを例にとった場合を示しているが、吸気
管圧力の代わりにスロットル開度、吸入空気量/エンジ
ン回転数で代替えされてもよい。例えば吸気管圧力PMが
−100mmHgより小さい場合は軽負荷と判断し、−100mmHg
以上の場合は高負荷と判断する。
ステップ119で高負荷と判断された場合はステップ121
に進み、第2の三方電磁弁26をOFFとする。すなわち、
第1および第2の三方電磁弁25および26をOFFとしてア
クチュエータ11のダイヤフラム室11aおよび11bに大気圧
力を導いて吸気切替弁18が全閉とされ、ステップ122に
進みリターンする。この状態では吸気切替弁18が全閉、
排気切替弁17が全閉、吸気バイパス弁33が全開だから、
吸入空気量の少ない状態にて1個ターボチャージャ作動
となり、過給圧力、トルクレスポンスが良好となる。
ステップ119で軽負荷と判断された場合は、ステップ1
20に進み第2の三方電磁弁26をONとし、アクチュエータ
11のダイヤフラム11bにサージタンク2内の負圧を導い
て吸気切替弁18を開く。この状態では、排気切替弁17が
閉であるから副ターボチャージャ8は作動せず、主ター
ボチャージャ7のみの作動となる。しかし、吸気通路14
は吸気切替弁18が開いているため、2個ターボチャージ
ャ分の吸気通路が開の状態である。つまり、両方のター
ボチャージャのコンプレッサ7b、8bを通して空気が吸入
される。この結果、多量の過給空気量をエンジン1に供
給でき、低負荷からの加速特性が改善される。続いて、
ステップ122に進みリターンする。
上記制御における、1個ターボチャージャ作動の場合
と2個ターボチャージャ作動の場合の切替領域特性は第
4図のようになる。
高速域では、吸気切替弁18と排気切替弁17がともに開
かれ、吸気バイパス弁33が閉じられる。これによって2
個ターボチャージャ7、8が過給作動し、十分な過給空
気量が得られ、出力が向上される。このとき過給圧は、
+500mmHgを越えないように、ウエストゲートバルブ31
で制御される。
低速域でかつ高負荷時には、吸気切替弁18と排気切替
弁17がともに閉じられ、吸気バイパス弁33は開かれる。
これによって1個のターボチャージャ7のみが駆動され
る。低回転域で1個ターボチャージャとする理由は、第
4図に示すように、低回転域では1個ターボチャージャ
過給特性が2個ターボチャージャ過給特性より優れてい
るからである。1個ターボチャージャとすることによ
り、過給圧、トルクの立上りが早くなり、レスポンスが
迅速となる。
低速域でかつ軽負荷時には、排気切替弁17を閉じたま
ま吸気切替弁18を開にする。これによって、1個ターボ
チャージャ駆動のまま、吸気通路2個ターボチャージャ
分が開となり、1個ターボチャージャによる吸気抵抗の
増加を除去できる。これによって、低負荷からの加速初
期における過給圧立上り特性、レスポンスをさらに改善
できる。
低速域から高速域に移行するとき、つまり1個ターボ
チャージャから2個ターボチャージャ作動へ切り替える
ときには、切替条件は吸入空気量Qで判定され、前述の
排気切替弁17の小開制御が開始された後、吸入空気量Q
が5500l/minに達したときに吸気バイパス弁33が閉じら
れ、その後時間遅れをもたせて(本実施例では1秒経過
後)、排気切替弁17が全開され、続いて吸気切替弁18が
全開されて、2個ターボチャージャ過給作動が開始され
る(第4図の(B)領域から(C)領域への移行)。
そして、2個ターボチャージャから1個ターボチャー
ジャ作動への切替条件はエンジン回転数NEで判定され、
NEが例えば3000rpm以下に低下しない限り(第4図の
(A)領域まで低下しない限り)1個ターボチャージャ
には切り替わらないから、加速時に一旦2個ターボチャ
ージャ作動に切り替われば、シフトチェンジによりたと
え吸入空気量が一時的に低下(1個ターボチャージャ域
まで低下)したとしても、エンジン回転数は2個ターボ
チャージャ域にあるのでターボチャージャの切替は実行
されず、2個ターボチャージャ作動状態が継続される。
したがって、従来加速時のシフトチェンジの都度生じて
いたターボチャージャの切替が無くなり、切替頻度が大
幅に低減されるとともに、その切替に伴うショックも発
生しなくなる。
また、高回転数域(高速走行条件)では、一旦2個タ
ーボチャージャになってしまえば加減速を何度くり返し
ても1個ターボチャージャに切り替わることがないの
で、ターボチャージャ切替に伴うショックは全く発生し
なくなる。この高回転数条件では、吸入空気量が多いの
で、2個ターボチャージャのまま運転してもターボラグ
は小さく、レスポンス悪化の心配もない。
なお、上記実施例の第3図に示した制御フローにおい
て、ステップ109とステップ110、114との間に、第5図
に示すようにステップ201を加入し、エンジン回転数NE
が例えば3300rpm(第4図にも図示)より高くなったか
否かを判定する、ガードステップを入れてもよい。ステ
ップ109にてエアフロメータ24からの信号により吸入空
気量Qを判定するのであるが、エアフロメータはオーバ
シュートすることもあり得るので、上記のようなガード
ステップを加えておけば、エアフロメータのオーバシュ
ートによる誤作動(誤信号による)を防止することがで
きる。
また、上記実施例においては、排気切替弁17自身でそ
の小開制御を行うようにしたが、たとえば第6図に示す
ように、副ターボチャージャ8の排気系に排気切替弁17
をバイパスする排気バイパス通路36を設け、この排気バ
イパス通路36を開閉する排気バイパス弁37およびそのア
クチュエータ38を設け、アクチュエータ38を第5の三方
電磁弁32で開閉するようにしてもよい。アクチュエータ
38の作動制御用の第5の三方電磁弁32の制御は、第3図
に示した制御フローと全く同一でよい。
さらに、上記実施例は2個のターボチャージャをエン
ジン本体に対し並列に配置した場合について詳述した
が、たとえば特開昭55−84816号公報に開示されている
ような、大小2個のターボチャージャを直列に配置し
た、いわゆる2ステージのシーケンシャルターボシステ
ムのエンジンについても、本発明による制御方法を適用
することができ、上記実施例同様の作用、効果が得られ
る。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明の過給機付エンジンの制
御方法によるときは、1個ターボチャージャから2個タ
ーボチャージャへの切替は吸入空気量で判定して実行
し、2個ターボチャージャから1個ターボチャージャへ
の切替はエンジン回転数で判定して実行し、一旦1個タ
ーボチャージャから2個ターボチャージャに切り替わる
とエンジン回転数が上記条件値以下まで低下しない限り
1個ターボチャージャには切り替わらないようにしたの
で、加速時のシフトチェンジの都度発生していたターボ
チャージャ切替、高速定常走行条件で発生していた不要
なターボチャージャ切替を無くすことができ、ターボチ
ャージャの切替頻度を大幅に低減して切替弁の耐久性を
向上することができるとともに、不要なターボチャージ
ャ切替による切替時ショックを無くして、過給レスポン
スの悪化を招くことなくドライバビリティを向上するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る過給機付エンジンの制御方法の制
御ステップを示すブロック図、 第2図は本発明の一実施例に係る方法の実施に用いる装
置の系統図、 第3図は第2図の装置を用いて本発明方法を実施する場
合の制御フロー図、 第4図は第3図の制御フローによる、ターボチャージャ
の切替領域を示したエンジン回転数−過給圧特性図、 第5図は第3図のフローの変形例に係る部分制御フロー
図、 第6図は第2図の変形例に係る過給機付エンジンの系統
図、 第7図は吸入空気量のみでターボチャージャ切替条件を
判定する場合のエンジン回転数−過給圧特性図、 第8図はエンジン回転数のみでターボチャージャ切替条
件を判定する場合のエンジン回転数−過給圧特性図、 第9図は従来のターボチャージャ切替制御における加速
時の特性図、 である。 1……エンジン 2……サージタンク 3……排気マニホルド 4……スロットル弁 5……スロットル開度センサ 6……インタクーラ 7……主ターボチャージャ 8……副ターボチャージャ 10……吸気バイパス弁のアクチュエータ 11……吸気切替弁のアクチュエータ 13……吸気バイパス通路 14……吸気通路(コンプレッサ下流) 15……吸気通路(コンプレッサ上流) 16……排気切替弁のアクチュエータ 17……排気切替弁 18……吸気切替弁 24……エアフローメータ 25……第1の三方電磁弁 26……第2の三方電磁弁 27……第3の三方電磁弁 28……第4の三方電磁弁 29……エンジンコントロールコンピュータ 30……吸気管圧力センサ 31……ウエストゲートバルブ 32……第5の三方電磁弁 33……吸気バイパス弁 34……エンジン回転数センサ 35……チェック弁 36……排気バイパス通路 37……排気バイパス弁 38……排気バイパス弁のアクチュエータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−145329(JP,A) 特開 平2−201022(JP,A) 特開 平2−42123(JP,A) 特開 昭61−277818(JP,A) 特開 昭60−259722(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主ターボチャージャおよび副ターボチャー
    ジャと、副ターボチャージャに接続されたエンジンの
    吸、排気系にそれぞれ設けられ、ともに全開のときは副
    ターボチャージャに過給作動を行わせ、ともに全閉のと
    きには副ターボチャージャの過給作動を停止させる吸気
    切替弁および排気切替弁と、を備え、エンジン運転条件
    に応じて前記吸気切替弁および排気切替弁を開閉するこ
    とによりターボチャージャの作動個数を変更する過給機
    付エンジンにおいて、1個ターボチャージャから2個タ
    ーボチャージャ作動への切替については、吸入空気量を
    検出し該吸入空気量で1個ターボチャージャから2個タ
    ーボチャージャ作動への切替条件を判定して該切替を実
    行し、2個ターボチャージャから1個ターボチャージャ
    作動への切替については、エンジン回転数を検出し該エ
    ンジン回転数で2個ターボチャージャから1個ターボチ
    ャージャ作動への切替条件を判定して該切替を実行する
    ことを特徴とする過給機付エンジンの制御方法。
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