JPH0544482A - 過給機付エンジンの過給圧制御装置 - Google Patents

過給機付エンジンの過給圧制御装置

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JPH0544482A
JPH0544482A JP3223668A JP22366891A JPH0544482A JP H0544482 A JPH0544482 A JP H0544482A JP 3223668 A JP3223668 A JP 3223668A JP 22366891 A JP22366891 A JP 22366891A JP H0544482 A JPH0544482 A JP H0544482A
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turbocharger
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intake
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Mamoru Yoshioka
衛 吉岡
Kunihiko Nakada
邦彦 中田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高地における2個ターボチャージャへの切替
直後の過給圧の低下を抑制する。 【構成】 大気圧検出手段60によって検出された大気
圧が低くなるにつれてウェストゲートバルブ用電磁弁4
4の初期デューティ値を大に補正する第1の初期デュー
ティ値補正手段61を具備させ、高地における2個ター
ボチャージャへの切替初期にウェストゲートバルブ31
の開度を小さくすることにより、切替直後の過給圧の低
下を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、過給機付エンジンの過
給圧制御装置に関し、とくに高地における2個ターボチ
ャージャへの切替直後の過給圧の低下を抑制することが
可能な過給圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジン本体に対し、主、副二つのター
ボチャージャを並列に配置し、低吸入空気量域では主タ
ーボチャージャのみ作動させて1個ターボチャージャと
し、高吸入空気量域では両ターボチャージャを作動させ
るようにした、いわゆる2ステージターボシステムを採
用した過給機付エンジンが知られている。
【0003】この種の過給機付エンジンの構成は、たと
えば図16に示すようになっている。エンジン本体39
1に対し、主ターボチャージャ(T/C−1)392と
副ターボチャージャ(T/C−2)393が並列に設け
られている。副ターボチャージャ393に接続される
吸、排気系には、それぞれ吸気切替弁394、排気切替
弁395が設けられ、副ターボチャージャ393のコン
プレッサをバイパスする吸気バイパス通路397には、
吸気バイパス弁396が設けられている。低吸入空気量
域では吸気切替弁394、排気切替弁395をともに全
閉とすることにより、主ターボチャージャ392のみを
過給作動させ、高吸入空気量域では両切替弁394、3
95をともに全開とし、吸気バイパス弁396を閉じる
ことにより、副ターボチャージャ393にも過給作動を
行わせ、2個ターボチャージャ作動とすることができ
る。
【0004】低吸入空気量域から高吸入空気量域に移行
するときには、吸気切替弁395および排気切替弁39
4が閉じられているときに排気バイパス弁398を小開
制御し、さらに吸気バイパス弁396を閉じることによ
り副ターボチャージャ393の助走回転数を高め、ター
ボチャージャの切替をより円滑に(切替時のショックを
小さく)行うことが可能になっている。
【0005】主ターボチャージャ392および副ターボ
チャージャ393の双方による過給時には、ウェストゲ
ートバルブ(図示略)のフィードバック制御による開弁
制御によって過給圧制御が行なわれる。ウェストゲート
バルブはダイヤフラムアクチュエータと連結されてお
り、ダイヤフラムアクチュエータのダイヤフラム室内に
は、ウェストゲートバルブを開弁させるための過給気が
導かれている。ダイヤフラム室内に導かれた過給気は、
デューティ制御される電磁弁を介して外部にブリード
(リーク)されるようになっている。
【0006】なお、主ターボチャージャのみの過給時に
は排気バイパス弁のみをデューティ制御し、主ターボチ
ャージャおよび副ターボチャージャの双方による過給時
にはウェストゲートバルブのみをデューティ制御するこ
とにより、過給圧を所定の圧力に制御するようにした装
置は、特開昭63−25319号公報に開示されてい
る。
【0007】図17は、ウェストゲートバルブを開閉駆
動するダイヤフラムアクチュエータに供給される過給気
の大気へのブリード量(リーク量)と過給圧との関係を
示している。ウェストゲートバルブ用のダイヤフラムア
クチュエータは、ダイヤフラムに作用する圧力が高くな
るとウェストゲートバルブを開弁するようになってお
り、ダイヤフラムに作用する圧力が小さい状態では内蔵
されたスプリングの付勢力によって閉弁するようになっ
ている。したがって、図17に示すように、ダイヤフラ
ムアクチュエータに過給気を供給する電磁弁へ出力する
制御信号のデューティ値を大にし、ダイヤフラムアクチ
ュエータからの過給気のブリード量を多くすることによ
り、排気バイパス弁の開度が小さくなり、制御過給圧が
高められる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】過給圧は大気圧に対し
て相関関係にあるので、過給圧の絶対圧制御では制御過
給圧は大気圧に対して高地ほど相対圧差が大きくなる。
図12のPはウェストゲートバルブによる過給圧制御時
の制御圧力を示しており、この制御圧力Pに対する平地
での大気圧(760mmHgabs)の差はAであり、
制御圧力レベルPに対する高地(600mmHgab
s)の差はBとなる。このように、制御過給圧は大気圧
に対し高地ほど相対圧差が大きくなり、高地では図15
のP1 に示すように2個ターボチャージャへの切替直後
の過給圧が低下する。これを補正するためには、ウェス
トゲートバルブを駆動するダイヤフラムアクチュエータ
へ導入される過給気を多量に外部にブリードさせてウェ
ストゲートバルブの開度を小さくする必要が生じるが、
従来ではダイヤフラムアクチュエータに過給気を導入す
る電磁弁の初期デューティ値が固定となっているため、
高地では切替直後のアクチュエータのブリード量不足を
解消することができず、制御過給圧が低下してしまう。
この過給圧の低下は出力トルクの低下を招き、トルクシ
ョックの発生や車両のドライバビリティを悪化させる。
【0009】本発明は、上記の問題に着目し、高地にお
ける2個ターボチャージャへの切替直後の過給圧の低下
を抑制することが可能な過給機付エンジンの過給圧制御
装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明は、主ターボチャージャと、副ターボチャージ
ャとを備え、前記副ターボチャージャのコンプレッサ下
流に吸気通路を開閉する吸気切替弁を設けるとともに、
副ターボチャージャのタービン下流または上流に排気通
路を開閉する排気切替弁を設け、低吸入空気量域では前
記吸気切替弁と排気切替弁を共に閉弁させることにより
主ターボチャージャのみを過給作動させ、高吸入空気量
域では前記吸気切替弁と排気切替弁とを共に開弁させる
ことにより双方のターボチャージャを過給作動させ、主
ターボチャージャのみの過給時には副ターボチャージャ
の下流に設けられた排気バイパス弁のデューティ制御に
よる開弁制御により過給圧制御を行ない、主ターボチャ
ージャおよび副ターボチャージャの双方による過給時に
は、ウェストゲートバルブと連結されるダイヤフラムア
クチュエータのダイヤフラム室内に導入される過給気を
デューティ制御されるウェストゲートバルド用電磁弁を
介して外部にブリードさせることにより前記ウェストゲ
ートバルブの開度を調整し過給圧制御を行なうようにし
た過給機付エンジンの過給圧制御装置において、つぎの
ように構成されている。
【0011】(1)大気圧を検出する大気圧検出手段
と、前記大気圧検出手段によって検出された大気圧が低
くなるにつれてウェストゲートバルブ用電磁弁の初期デ
ューティ値を大に補正する第1の初期デューティ値補正
手段と、を具備したものから成る。
【0012】(2)双方のターボチャージャへの切替直
前における排気バイパス弁用電磁弁のデューティ値を検
出するデューティ値検出手段と、デューティ値検出手段
によって検出された切替直前のデューティ値に基づいて
ウェストゲートバルブ用電磁弁の初期デューティ値を補
正する第2の初期デューティ値補正手段と、を具備した
ものから成る。
【0013】
【作用】このように構成された過給機付エンジンの過給
圧制御装置においては、つぎのような作用が行なわれ
る。上述の(1)の構成においては、大気圧検出手段に
よって検出される大気圧が低くなると、第1の初期デュ
ーティ値補正手段によってウェストゲートバルブを駆動
するウェストゲートバルブ用電磁弁の初期デューティ値
が補正される。そのため、大気圧が低くなる高地におい
ては、2個ターボチャージャへの切替初期にウェストゲ
ートバルブの開度を小にして排気ガスのバイパス量を抑
制することが可能となる。これにより、過給量の増加が
はかれ切替直後の過給圧の低下が抑制される。
【0014】上述の(2)の構成においては、デューテ
ィ値検出手段によって2個ターボチャージャへの切替直
前における排気バイパス弁用電磁弁のデューティ値が検
出される。ここで、排気バイパス弁用電磁弁のデューテ
ィ値には大気圧が反映されるので、このデューティ値か
ら大気圧を間接的に推測することが可能となる。したが
って、第2の初期デューティ値補正手段では、大気圧を
反映した排気バイパス弁用電磁弁のデューティ値に基づ
いてウェストゲートバルブ用電磁弁の初期デューティ値
を補正することが可能となり、大気圧を直接検出するセ
ンサ等が不要となる。
【0015】
【実施例】以下に、本発明に係る過給機付エンジンの過
給圧制御装置の望ましい実施例を、図面を参照して説明
する。
【0016】第1実施例 図1ないし図12は、本発明の第1実施例を示してお
り、とくに車両に搭載される6気筒エンジンに適用した
場合を示している。図2において、1はエンジン、2は
サージタンク、3は排気マニホールドを示す。排気マニ
ホールド3は排気干渉を伴わない#1〜#3気筒群と#
4〜#6気筒群の2つに集合され、その集合部が連通路
3aによって連通されている。7、8は互いに並列に配
置された主ターボチャージャ、副ターボチャージャであ
る。ターボチャージャ7、8のそれぞれのタービン7
a、8aは排気マニホールド3の集合部に接続され、そ
れぞれのコンプレッサ7b、8bは、インタクーラ6、
スロットル弁4を介してサージタンク2に接続されてい
る。
【0017】主ターボチャージャ7は、低吸入空気量域
から高吸入空気量域まで作動され、副ターボチャージャ
8は低吸入空気量域で停止される。双方のターボチャー
ジャ7、8の作動、停止を可能ならしめるために、副タ
ーボチャージャ8のタービン8aの下流に排気切替弁1
7が、コンプレッサ8bの下流に吸気切替弁18が設け
られる。吸、排気切替弁18、17の両方とも開弁のと
きは、両方のターボチャージャ7、8が作動される。副
ターボチャージャ8のタービン8aの下流と主ターボチ
ャージャ7のタービン7aの下流とは、排気バイパス通
路40を介して連通可能となっている。排気バイパス通
路40には、この排気バイパス通路40を開閉する排気
バイパス弁41が設けられている。排気バイパス弁41
は、ダイヤフラム式アクチュエータ42によって開閉さ
れるようになっている。
【0018】低吸入空気量域で停止される副ターボチャ
ージャ8の吸気通路には、1個ターボチャージャから2
個ターボチャージャへの切替を円滑にするために、コン
プレッサ7bの上流とコンプレッサ8bの下流とを連通
する吸気バイパス通路13と、吸気バイパス通路13の
途中に配設される吸気バイパス弁33が設けられる。吸
気バイパス弁33はダイヤフラム式のアクチュエータ1
0によって開閉される。吸気切替弁18の上流と下流と
を連通するバイパス通路には、逆止弁12が設けられて
おり、吸気切替弁18の閉時において副ターボチャージ
ャ8側のコンプレッサ出口圧力が主ターボチャージャ7
側より大になったとき、空気が上流側から下流側に流れ
ることができるようにしてある。なお、図中、14はコ
ンプレッサ出口側の吸気通路、15はコンプレッサ入口
側の吸気通路を示す。吸気通路15はエアフローメータ
24を介してエアクリーナ23に接続される。排気通路
を形成するフロントパイプ20は、排気ガス触媒21を
介して排気マフラーに接続される。吸気切替弁18はア
クチュエータ11によって開閉され、排気切替弁17は
ダイヤフラム式アクチュエータ16によって開閉される
ようになっている。ウエストゲートバルブ31は、アク
チュエータ9によって開閉されるようになっている。
【0019】アクチュエータ9、10、11、16、4
2は、過給圧または負圧の導入によって作動するように
なっている。各アクチュエータ9、10、11、16、
42には、正圧タンク51からの過給圧または負圧とエ
アフローメータ24の下流からの大気圧とを選択的に切
り替えるために、第1、第2、第3、第4、第5、第6
の電磁弁25、26、27、28、32、44が接続さ
れている。各電磁弁25、26、27、28、32、4
4の切替は、エンジンコントロールコンピュータ29か
らの指令に従って行なわれる。なお、第2の電磁弁26
へ負圧を導入する通路には、負圧の一方の流れのみを許
すチェック弁45が介装されている。
【0020】第1の電磁弁25のONは、吸気切替弁1
8を弁開とするようにアクチュエータ11を作動させ、
OFFは吸気切替弁18を全閉とするようにアクチュエ
ータ11を作動させる。第4の電磁弁28のONは、排
気切替弁17を全開とするようにアクチュエータ16を
作動させ、OFFは排気切替弁17を全閉するようにア
クチュエータ16を作動させる。第3の電磁弁27のO
Nは、吸気バイパス弁33を全閉するようにアクチュエ
ータ10を作動させ、OFFは吸気バイパス弁33を全
開するようにアクチュエータ10を作動させる。
【0021】ウェストゲートバルブ31は、図3に示す
ように、排気下流側に開くスイングアーム弁から構成さ
れている。ウェストゲートバルブ31と連結されるダイ
ヤフラムアクチュエータ9には、ダイヤフラム室9aが
形成されている。ダイヤフラム室9aはダイヤフラム9
cによって区画されており、ダイヤフラム室9aの反対
側の室9bにはダイヤフラム9cをダイヤフラム室9a
側に押圧するスプリング9dが収納されている。ダイヤ
フラム室9aには、正圧タンク51から過給圧が導かれ
るようになっている。ダイヤフラム室9aに導かれた過
給気は、第6の電磁弁44を介して大気側にリークされ
るようになっている。
【0022】エンジン運転中は、ウェストゲートバルブ
31の弁体31aには排気ガスの排圧Paが作用してお
り、この排圧Paによって弁体31aにかかる力と、ウ
ェストゲートバルブ31と連結されるダイヤフラムアク
チュエータ9のダイヤフラム室9a内に作用する過給圧
によって生じる力との和が一定値を超えることによって
ウェストゲートバルブ31は開弁される。ウェストゲー
トバルブ31の閉弁動作は、スプリング9dの付勢力に
よって行なわれる。
【0023】排気バイパス弁41は、図4に示すよう
に、排気下流側に開くスイングアーム弁から構成されて
いる。排気バイパス弁41と連結されるダイヤフラムア
クチュエータ42には、ダイヤフラム室42aが形成さ
れている。ダイヤフラム室42aはダイヤフラム42c
によって区画されており、ダイヤフラム室42aの反対
側の室42bにはダイヤフラム42cをダイヤフラム室
42a側に押圧するスプリング42dが収納されてい
る。ダイヤフラム室42aには、正圧タンク51から過
給圧が導かれるようになっている。ダイヤフラム室42
aに導かれた過給気は、第5の電磁弁32を介して大気
側にリークされるようになっている。
【0024】エンジン運転中は、排気バイパス弁41の
弁体41aには排気ガスの排圧が作用しており、この排
圧Pbによって弁体41aにかかる力と、排気バイパス
弁41と連結されるダイヤフラムアクチュエータ42の
ダイヤフラム室42a内に作用する過給圧によって生じ
る力との和が一定値を超えることによって排気バイパス
弁41は開弁される。排気バイパス弁41の開弁動作
は、スプリング42dの付勢力によって行なわれる。
【0025】排気バイパス弁41を作動させるアクチュ
エータ42に大気圧を導入する第5の電磁弁32は、O
N、OFF制御でなく、デューティ制御される。同様
に、ウエストゲートバルブ31を作動させるアクチュエ
ータ9に負圧を導く第6の電磁弁44は、ON、OFF
制御でなく、デューティ制御される。デューティ制御
は、周知の通り、デューティ値により通電時間を制御す
ることであり、デジタル的に通電、非通電の割合を変え
ることにより、アナログ的に平均電流に可変制御され
る。なお、デューティ値は、1サイクルの時間に対する
通電時間の割合であり、1サイクル中の通電時間をA、
非通電時間をBとすると、デューティ値=A/(A+
B)×100(%)で表わされる。
【0026】排気バイパス弁41を駆動するダイヤフラ
ムアクチュエータ42のダイヤフラム室42a内の圧力
は、ダイヤフラム室42a内に導入された過給気をデュ
ーティ制御される第5の電磁弁32を介して大気にブリ
ード(リーク)させることにより可変されるようになっ
ている。このダイヤフラム室42aの圧力調整によって
排気バイパス弁41の開度が制御され、1個ターボチャ
ージャ域における過給圧制御が行なわれる。ウエストゲ
ートバルブ31の開度は、アクチュエータ9のダイヤフ
ラム室9aに導入される過給気の大気へのブリード量
(リーク量)を第6の電磁弁44のデューティ制御によ
って可変させることにより可変可能となっている。すな
わち、ダイヤフラム室9aの圧力調整を第6の電磁弁4
4のデューティ制御によって調整することにより、2個
ターボチャージャ域における過給圧制御が行なわれる。
【0027】エンジンコントロールコンピュータ29
は、エンジンの各種運転条件検出センサと電気的に接続
され、各種センサからの信号が入力される。エンジン運
転条件検出センサには、吸気管圧力センサ30、スロッ
トル開度センサ5、吸入空気量測定センサとしてのエア
フローメータ24、エンジン回転数センサ50、および
酸素センサ19が含まれる。エンジンコントロールコン
ピュータ29は、演算をするためのセントラルプロセッ
サユニット(CPU)、読み出し専用のメモリであるリ
ードオンリメモリ(ROM)、一時記憶用のランダムア
クセスメモリ(RAM)、入出力インターフェイス(I
/Oインターフェイス)、各種センサからのアナログ信
号をディジタル量に変換するA/Dコンバータを備えて
いる。
【0028】エンジンコントロールコンピュータ29に
は、図2に示すように、大気圧検出手段としての大気圧
センサ60が接続されている。大気圧センサ60は、検
出した大気圧の値を電気信号に変換し、エンジンコント
ロールコンピュータ29に入力する機能を有する。エン
ジンコントロールコンピュータ29には、図1に示すよ
うに、第1の初期デューティ値補正手段61が形成され
ている。第1の初期デューティ値補正手段61は、エン
ジンコントロールコンピュータ29内に格納されるプロ
グラムから構成されている。第1の初期デューティ値補
正手段61は、大気圧センサ61によって検出された大
気圧が低くなるにつれてウェストゲートバルブ用電磁
弁、すなわち第6の電磁弁44へ出力する初期デューテ
ィ値を大に補正する機能を有している。
【0029】図11は、エンジンコントロールコンピュ
ータ29のROMに格納され、第1の初期デューティ値
補正手段61の一部を構成するマップを示している。図
11に示すように、平地から高地にいくにつれて切替直
後における第6の電磁弁44の初期デューティ値が大き
くなっている。これによって、大気圧の低い高地で走行
の場合もダイヤフラムアクチュエータ6の2個ターボチ
ャージャ切替時の初期ブリード量の不足に起因する切替
直後の過給圧の低下が抑制されるようになっている。
【0030】つぎに、第1実施例における作用について
説明する。高吸入空気量域では、吸気切替弁18は排気
切替弁17がともに開かれ、吸気バイパス弁10が閉じ
られる。これによって2個ターボチャージャ7、8が駆
動され、十分な過給空気量が得られ、出力が向上され
る。低速域でかつ高負荷時には、吸気切替弁18と排気
切替弁17がともに閉じられ、吸気バイパス弁33が開
かれる。これによって主ターボチャージャ7のみが駆動
される。低吸入空気量域で1個ターボチャージャとする
理由は、低吸入空気量域では1個ターボチャージャ過給
特性が2個ターボチャージャ過給特性より優れているか
らである。1個ターボチャージャとすることにより、過
給圧、トルクの立上りが早くなり、レスポンスが迅速と
なる。
【0031】低吸入空気量域から高吸入空気量域に移行
するとき、つまり1個ターボチャージャから2個ターボ
チャージャ作動へ切り替えるときには、吸気切替弁18
および排気切替弁17が閉じられているときに排気バイ
パス弁41をデューティ制御により小開制御し、さらに
吸気バイパス弁33を閉じることにより副ターボチャー
ジャ8の助走回転数を高め、ターボチャージャの切替を
より円滑(切替時のショックを小さく)に行うことが可
能になる。
【0032】つぎに、過給機付エンジンにおける排気バ
イパス弁のデューティ制御を、図5ないし図8のフロー
チャートに基づいて説明する。この制御ルーチンは、た
とえば8msごとに行なわれる。図5において、ステッ
プ100で排気バイパス弁41のデューティ制御ルーチ
ンに入り、ステップ101でエンジン回転数(NE)が
取り込まれる。つぎに、ステップ102に進み、エンジ
ン回転数が4000rpm以上であるか否かが判断され
る。ここで、エンジン回転数が4000rpmよりも高
い場合は、ステップ103に進み、吸入空気量Qが取り
込まれる。この吸入空気量Qは、エアフローメータ24
からの信号である。ステップ103で吸入空気量Qが取
り込まれると、ステップ104に進み、吸入空気量Q
が、たとえば4000l/minよりも大であるか否か
が判断される。ここで、吸入空気量Qが4000l/m
inよりも大である場合は、ステップ107に進む。
【0033】ステップ102において、エンジン回転数
が4000rpmよりも低いと判断された場合は、ステ
ップ105に進み、吸気管圧力PMが取り込まれる。吸
気管圧力PMは、吸気管圧力センサ30からの信号であ
る。ステップ105で吸気管圧力PMが取り込まれる
と、ステップ130に進み、吸気管圧力PMが1200
mmHgabsよりも大であるか否かが判断される。こ
こで、吸気管圧力PMが1200mmHgabsよりも
低いと判断された場合は、図8のステップ126に進
む。ステップ130において、吸気管圧力PMが120
0mmHgabsよりも高いと判断された場合は、ステ
ップ131に進み、Xイニシャルがセットされているか
否かが判断される。ここで、Xイニシャルがリセットさ
れていると判断された場合は、ステップ106に進む。
ステップ131でXイニシャルがセットされていると判
断された場合は、ステップ132に進み、デューティ比
に大きな積分定数値K3 (たとえばデューティ比S%)
が付加される。つぎに、ステップ133に進み、Xイニ
シャルがリセットされた後、ステップ115に進む。
【0034】図5のステップ106においては、たとえ
ば吸気管圧力PMが1300mmHgabsよりも大で
あるか否かが判断される。ここで、吸気管圧力PMが1
300mmHgabsよりも大である場合は、図6のス
テップ107に進む。ステップ106で吸気管圧力PM
が1300mmHgabsよりも低いと判断された場合
は、後述するステップ118に進む。ステップ107で
は、スキップ制御がONであるか否かが判断される。つ
まり、このステップでは、スキップ制御と積分制御のい
ずれかを選択すべきかの判断が行なわれる。ここで、積
分制御とは、上述した積分定数によりデューティ比の補
正制御を意味する。スキップ制御は、排気バイパス弁4
1における開弁開始時の駆動力と介弁終了時の駆動力に
差があるために必要な制御である。すなわち、排気バイ
パス弁41の駆動力にはヒステリシスが存在し、これに
対応するためにデューティ比を積分定数値によって補正
するスキップ制御が行なわれる。
【0035】ステップ107において、スキップ制御で
あると判断された場合は、ステップ109に進み、デュ
ーティ比にスキップ値S(デューティ比5%)が付加さ
れる。つぎに、ステップ114に進み、スキップONが
リセットされる。ステップ107において、スキップ制
御でないと判断された場合は、ステップ108に進み、
デューティ比が50%を越えているか否かが判断され
る。ここで、デューティ比が50%を越えていれば、ス
テップ110に進み、デューティ比に大きな積分整数値
2 (たとえばデューティ比2%)が付加され、ステッ
プ115に至る。
【0036】ステップ108において、デューティ比が
50%を越えていないと判断された場合は、ステップ1
11に進み、デューティ比に小さな積分定数値K1 (た
とえばデューティ比1%)が付加され、ステップ115
に至る。ステップ115では、スキップ制御のOFFが
セットされ、ステップ116に進む。ステップ116で
は、デューティ比が100%以上に設定されているかを
判断し、100%以上であると判断された場合は、ステ
ップ117に進み、デューティ比は100%に設定(修
正)される。ステップ116において、デューティ比が
100%以下に設定されている場合は、ステップ127
に進む。このように、ステップ107〜117は、吸気
管圧力または吸入空気量が設定値以上になった場合の制
御を示し、この場合は、デューティ比を増加させ、アク
チュエータ42からのブリード量の増加によって排気バ
イパス弁41の開弁力が小とされる。
【0037】図5のステップ104で吸入空気量が40
00l/minよりも少ないと判断された場合、または
ステップ106で吸気管圧力が1300mmHgabs
よりも低いと判断された場合は、ステップ118へ進
む。ステップ118では、スキップ制御がOFFにセッ
トされているか否かが判断される。つまり、ステップ1
18では、スキップ制御と積分制御のいずれかを選択す
べきかの判断が行なわれる。ステップ118において、
スキップ制御であると判断された場合は、ステップ12
0に進み、デューティ比からスキップ値S(デューティ
比5%)が減算される。つぎに、ステップ123に進
み、スキップ制御のOFFがリセットされる。
【0038】ステップ118において、積分制御である
と判断された場合は、ステップ119に進み、デューテ
ィ比が50%を越えているか否かが判断される。ここ
で、デューティ比が50%を越えていると判断された場
合は、ステップ121に進み、デューティ比から積分定
数値K2 (たとえばデューティ比2%)が減算され、ス
テップ124に進む。ステップ119では、デューティ
比が50%よりも小さいと判断された場合は、ステップ
122に進み、デューティ比から積分定数値K1 (たと
えばデューティ比2%)が減算され、ステップ124に
進む。ステップ124においては、スキップ制御がON
セットされ、図8のステップ125に進む。
【0039】ステップ125においては、デューティ比
がゼロよりも小であるか否かが判断される。ここで、デ
ューティ比がゼロよりも小であると判断された場合は、
ステップ126に進み、デューティ比はゼロに修正され
る。そして、ステップ126に進んでデューティ比はゼ
ロにセットされ、ステップ134でXイニシャルがセッ
トされる。この処理が終了すると、つぎにステップ12
7に進んで第5の電磁弁32のデューティ制御が行なわ
れる。このステップ127からは、上述した各バルブ制
御が開始され、2個ターボチャージャへの切替えが可能
となる。
【0040】つぎに、ウェストゲートバルブのデューテ
ィ制御を、図9および図10のフローチャートに基づい
て説明する。1個ターボチャージャから2個ターボチャ
ージャへの切替時に、過給圧が一時的に低下する現象が
生じる。これは、各経路に配置された各切替弁の切替動
作によって主ターボチャージャ側の過給気が副ターボチ
ャージャ側に逃げるためである。切替時に過給圧が一時
的に低下する現象は、大気圧の関係から平地より高地の
ほうが著しい。そこで、本実施例のように、ウェストゲ
ートバルブ31を、目標過給圧と制御過給圧との偏差に
基づいて開度制御することにより、制御過給圧を目標過
給圧に一致させるようにしたフィードバック制御では、
2個ターボチャージャへの切替時の一時的な過給圧の低
下を防止するために、図9および図10に示す制御処理
が行なわれる。
【0041】図9のステップ200において、ウェスト
ゲートバルブ31の開度制御が開始され、ステップ20
1で1個ターボチャージャから2個ターボチャージャへ
の切替の検知が行なわれる。2個ターボチャージャへの
切替検知は、第4の電磁弁28の開弁信号に基づいて行
なわれる。つぎに、ステップ202に進み、第4の電磁
弁28がオンになってT秒経過したか否かが判断され
る。すなわち、ここでは排気切替弁17が開弁し1個タ
ーボチャージャから2個ターボチャージャへの切替えが
行なわれてからT秒経過したか否かが判断される。本実
施例では、T秒はたとえば1秒に設定されている。ステ
ップ202において、切替後T秒経過していないと判断
された場合は、ステップ21に進んでYイニシャルをセ
ットした後ステップ210に進み、第6の電磁弁44の
デューティ値が0%とされ、制御過給圧に基づくウェス
トゲートバルブ31の開度制御は禁止される。この処理
が完了すると、ステップ216に進みリターンする。
【0042】ステップ202において、切替後T秒経過
していると判断された場合は、ステップ211に進み、
スロットル開度TAが60degよりも大であるか否か
が判断される。ここで、スロットル開度TAが60de
gよりも大であると判断された場合は、ステップ203
に進み、制御過給圧が1300mmHgabsを超えて
いるか否かが判断される。ステップ203において、制
御過給圧が1300mmHgabsを超えていると判断
された場合は、ステップ204に進んで第6の電磁弁4
4のデューティ値を小さくし、ステップ205に進む。
ステップ205では、第6の電磁弁44のデューティ値
が0%よりも小であるか否かが判断される。ここで、デ
ューティ値が0%よりも小であると判断された場合は、
ステップ206に進んでデューティ値は0%に修正さ
れ、ステップ216に進んでリターンする。ステップ2
05でデューティ値が0%よりも大である場合は、ステ
ップ216に進んでリターンする。
【0043】ステップ211において、スロットル開度
TAが60degよりも小であると判断された場合は、
ステップ212に進み、Yイニシャルセットが行なわれ
る。Yイニシャルセットが行なわれると、ステップ21
0に進み、デューティ値が0%とされ、その後、ステッ
プ216に進んでリターンする。
【0044】ステップ203において、制御過給圧が1
300mmHgabsよりも低いと判断された場合は、
ステップ213に進み、Yイニシャルセットが行なわれ
たか否かが判断される。ここで、Yイニシャルセットが
行なわれていると判断された場合は、ステップ214に
進み、Yイニシャルのリセットが行なわれる。Yイニシ
ャルのリセットが行なわれると、図10のステップ21
5に進み、第6の電磁弁44の初期デューティ値が第1
の初期デューティ値補正手段によって補正される。この
補正は、図11に示すマップに基づいて行なわれる。第
6の電磁弁44の初期デューティ値が補正されると、ス
テップ216に進み、リターンする。
【0045】ステップ213において、Yイニシャルセ
ットが行なわれていないと判断された場合は、ステップ
207に進み、第6の電磁弁44のデューティ値を大き
くしてステップ208に進む。ステップ208では、第
6の電磁弁44のデューティ値が100%よりも大であ
るか否かが判断される。ここで、デューティ値が100
%よりも大であると判断された場合は、ステップ209
に進んでデューティ値は100%に修正され、ステップ
216に進んでリターンする。ステップ208でデュー
ティ値が100%よりも小であると判断された場合は、
ステップ216に進んでリターンする。
【0046】このように、本実施例では2個ターボチャ
ージャへの切替えからT秒経過までは、ウェストゲート
バルブ31の開度制御を行なう第6の電磁弁44のデュ
ーティ値が0%とされる。そして、T秒経過後には、大
気圧検出手段60によって検出される大気圧が低くなる
と、図12に示すように、第1の初期デューティ値補正
手段61によってウェストゲートバルブ31の開度制御
を行なう第6の電磁弁44の初期デューティ値D1 が大
に補正される。そのため、大気圧が低くなる高地におい
ては、2個ターボチャージャへの切替直後に、ダイヤフ
ラムアクチュエータ9からの過給気のブリード量を増加
させることができ、ウェストゲートバルブ31の開度を
小にして排気ガスのバイパス量を抑制することが可能と
なる。したがって、従来装置のようなウェストゲートバ
ルブを駆動するダイヤフラムアクチュエータの切替初期
のブリード量不足に起因する過給圧の低下が抑制され、
トルクショックが緩和されるとともに、ドライバビリテ
ィの向上がはかれる。
【0047】第2実施例 図13および図14は、本発明の第2実施例を示してい
る。第2実施例が第1実施例と異なるところは、第6の
電磁弁の初期デューティ値の補正制御処理のみであり、
その他の部分は第1実施例に準じるので、準じる部分に
第1実施例と同一の符号を付すことにより、準じる部分
の説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0048】本実施例では、図13に示すように、デュ
ーティ値検出手段62と第2の初期デューティ値補正手
段63が設けられている。デューティ値検出手段62
は、第1実施例の大気圧検出手段60に相当するもので
あり、第2の初期デューティ値補正て63は、同様に第
1実施例の第1の初期デューティ値補正手段61に相当
するものである。
【0049】デューティ値検出手段62は、排気バイパ
ス弁41をデューティ制御する第5の電磁弁32のデュ
ーティ値の2個ターボチャージャへの切替直前における
値を検出する機能を有している。第2の初期デューティ
値補正手段63は、デューティ値検出手段62によって
検出された双方のターボチャージャへの切替直前のデュ
ーティ値に基づいてウェストゲートバルブ用電磁弁、す
なわち第6の電磁弁44の初期デューティ値を補正する
機能を有している。デューティ値検出手段62および第
2の初期補正手段63は、エンジンコントロールコンピ
ュータ29に格納されたプログラムから構成されてい
る。
【0050】図14は、第5の電磁弁32のデューティ
値と第6の電磁弁44の初期デューティ値との関係を示
している。この両者の関係はマップとしてエンジンコン
トロールコンピュータ29に格納されている。ここで、
第5の電磁弁32のデューティ値は、2個ターボチャー
ジャへの切替直前のデューティ値の平均値であり、この
切替直前のデューティ値の平均値に基づいて第6の電磁
弁44の初期デューティ値が第2の初期デューティ値補
正手段63によって補正される。図14に示すように、
第5の電磁弁32のデューティ値の平均値が大になるに
つれて、第6の電磁弁44の初期デューティ値が大にな
ることがわかる。
【0051】図15は、第5の電磁弁32および第6の
電磁弁44のデューティ値と過給圧との関係を示してい
る。図15に示すように、過給圧P0 に達した時点でフ
ィードバック制御による過給圧制御が開始され、主ター
ボチャージャ7のみによる過給状態では、排気バイパス
弁41による過給圧制御が行なわれる。ここで、図15
のS1 は平地における第5の電磁弁32のデューティ値
特性であり、S2 は高地における第6の電磁弁44のデ
ューティ値特性である。図15に示すように、第5の電
磁弁32のデューティ値は、平地よりも高地で大きくな
っており、高地でのデューティ値は大気圧の変化を反映
したものとなっている。
【0052】このように、高地では空気が希薄になるた
め、1個ターボチャージャ時の過給圧を上げるためには
第5の電磁弁32のデューティ値を大にして排気バイパ
ス弁41の開度を小にする必要があり、本実施例では第
5の電磁弁32のデューティ値から間接的に大気圧を推
測することが可能となっている。これにより、本実施例
では第1実施例のように大気圧を直接検知する大気圧セ
ンサ60が不要となり、装置の簡素化がはかられてい
る。
【0053】ターボチャージャの過給作動が1個ターボ
チャージャから2個ターボチャージャへ切替えられる
と、排気バイパス弁41は閉弁し、ウェストゲートバル
ブ31による過給圧制御が開始される。図15におい
て、S3 は平地における第6の電磁弁44のデューティ
値特性を示している。S4 は従来装置における高地での
第6の電磁弁44のデューティ値特性を示している。
【0054】ここで、従来装置では第6の電磁弁44の
初期デューティ値が固定になっているので、高地では2
個ターボチャージャへの切替初期においてアクチュエー
タ9からの過給気のブリード量不足が生じ、図15の特
性P1 のように切替直後の過給圧の低下が大きくなる。
そこで、本実施例では、高地における2個ターボチャー
ジャへの切替直前の第5の電磁弁32のデューティ値特
性S2 に基づいて第6の電磁弁44の初期デューティ値
1 を大にする補正が、第2の初期デューティ値補正手
段63によって行なわれる。これにより、切替直後のダ
イヤフラムアクチュエータ9か過給気のブリード量を大
することができ、ウェストゲートバルブ31の開度を小
とすることができる。したがって、切替直後の過給圧P
1 の低下は従来に比べて大幅に抑制され、トルルショッ
クを小さくすることが可能になるとともに、ドライバビ
リティの向上がはかれる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る過給
機付エンジンの過給付制御装置によれば、つぎのような
効果が得られる。
【0056】(イ)請求項1の過給機付エンジンの過給
圧制御装置においては、大気圧検出手段によって検出さ
れた大気圧が低くなるにつれてウェストゲートバルブ用
電磁弁の初期デューティ値を大に補正する第1の初期デ
ューティ値補正手段を具備するようにしたので、高地に
おける2個ターボチャージャへの切替初期のウェストゲ
ートバルブ用ダイヤフラムアクチュエータからの過給気
のブリード量を増加させることができ、2個ターボチャ
ージャへの切替初期にはウェストゲートバルブの開度を
小にすることができる。したがって、高地における2個
ターボチャージャへの切替直後の過給圧の低下を抑制す
ることが可能となり、トルクショックの発生を緩和する
ことができるとともに、車両のドライバビリティの悪化
を防止することができる。
【0057】(ロ)請求項2の過給機付エンジンの過給
圧制御装置においては、2個ターボチャージャへの切替
直前における排気バイパス弁用電磁弁のデューティ値を
デューティ値検出手段によって検出し、この切替直前の
デューティ値に基づいてウェストゲートバルブ用電磁弁
の初期デューティ値を第2の初期デューティ値補正手段
によって補正するようにしたので、直接大気圧を検出す
るセンサ等を用いることなく2個ターボチャージャ切替
時の過給圧の低下を抑制することができる。これによ
り、装置の構成を簡素化することができ、装置の信頼性
の向上とコストの低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る過給機付エンジンの
過給圧制御装置のブロック図である。
【図2】図1の装置を備えた過給機付エンジンの制御系
統図である。
【図3】図2の装置におけるウェストゲートバルブ近傍
の拡大断面図である。
【図4】図2の装置における排気バイパス弁近傍の概略
断面図である。
【図5】図1の装置における排気バイパス弁による過給
圧制御の処理手順の一部を示すフローチャートである。
【図6】図5に続くフローチャートである。
【図7】図5に続くフローチャートである。
【図8】図6および図7に続くフローチャートである。
【図9】図1の装置におけるウェストゲートバルブによ
る過給圧制御の処理手順の一部を示すフローチャートで
ある。
【図10】図9に続くフローチャートである。
【図11】大気圧と図2における第6の電磁弁のデュー
ティ値との関係を示すマップである。
【図12】過給機圧を制御する電磁弁のデューティ値と
制御過給圧との関係を示す特性図である。
【図13】本発明の第2実施例に係る過給機付エンジン
の過給圧制御装置のブロック図である。
【図14】図1における第5の電磁弁のデューティ値と
第6の電磁弁の初期デューティ値との関係を示すマップ
である。
【図15】過給圧を制御する電磁弁のデューティ値と制
御過給圧との関係を示す特性図である。
【図16】従来の過給機付エンジンの概略構成図であ
る。
【図17】図16の装置における排気バイパス弁を駆動
する電磁弁のデューティ値と制御過給圧との関係を示す
特性図である。
【符号の説明】
1 エンジン 7 主ターボチャージャ 8 副ターボチャージャ 29 エンジンコントロールコンピュータ 31 ウェストゲートバルブ 32 排気バイパス弁用電磁弁としての第5の電磁弁 41 排気バイパス弁 42 ダイヤフラムアクチュエータ 44 ウェストゲートバルブ用電磁弁としての第6の電
磁弁 60 大気圧検出手段 61 第1の初期デューティ値補正手段 62 デューティ値検出手段 63 第2の初期デューティ値補正手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主ターボチャージャと、副ターボチャー
    ジャとを備え、前記副ターボチャージャのコンプレッサ
    下流に吸気通路を開閉する吸気切替弁を設けるととも
    に、副ターボチャージャのタービン下流または上流に排
    気通路を開閉する排気切替弁を設け、低吸入空気量域で
    は前記吸気切替弁と排気切替弁を共に閉弁させることに
    より主ターボチャージャのみを過給作動させ、高吸入空
    気量域では前記吸気切替弁と排気切替弁とを共に開弁さ
    せることにより双方のターボチャージャを過給作動さ
    せ、主ターボチャージャのみの過給時には副ターボチャ
    ージャの下流に設けられた排気バイパス弁のデューティ
    制御による開弁制御により過給圧制御を行ない、主ター
    ボチャージャおよび副ターボチャージャの双方による過
    給時には、ウェストゲートバルブと連結されるダイヤフ
    ラムアクチュエータのダイヤフラム室内に導入される過
    給気をデューティ制御されるウェストゲートバルド用電
    磁弁を介して外部にブリードさせることにより前記ウェ
    ストゲートバルブの開度を調整し過給圧制御を行なうよ
    うにした過給機付エンジンの過給圧制御装置において、 大気圧を検出する大気圧検出手段と、 前記大気圧検出手段によって検出された大気圧が低くな
    るにつれて前記ウェストゲートバルブ用電磁弁の初期デ
    ューティ値を大に補正する第1の初期デューティ値補正
    手段と、を具備したことを特徴とする過給機付エンジン
    の過給圧制御装置。
  2. 【請求項2】 主ターボチャージャと、副ターボチャー
    ジャとを備え、前記副ターボチャージャのコンプレッサ
    下流に吸気通路を開閉する吸気切替弁を設けるととも
    に、副ターボチャージャのタービン下流または上流に排
    気通路を開閉する排気切替弁を設け、低吸入空気領域で
    は前記吸気切替弁と排気切替弁を共に閉弁させることに
    より主ターボチャージャのみを過給作動させ、高吸入空
    気量域では前記吸気切替弁と排気切替弁とを共に開弁さ
    せることにより双方のターボチャージャを過給作動さ
    せ、主ターボチャージャのみの過給時には副ターボチャ
    ージャの下流に設けられた排気バイパス弁のデューティ
    制御による開弁制御により過給圧制御を行ない、主ター
    ボチャージャおよび副ターボチャージャの双方による過
    給時には、ウェストゲートバルブと連結されるダイヤフ
    ラムアクチュエータのダイヤフラム室内に導入される過
    給気をデューティ制御されるウェストゲートバルブ用電
    磁弁を介して外部にブリードさせることにより前記ウェ
    ストゲートバルブの開度を調整し過給圧制御を行なうよ
    うにした過給機付エンジンの過給圧制御装置において、 前記双方のターボチャージャへの切替直前における排気
    バイパス弁用電磁弁のデューティ値を検出するデューテ
    ィ値検出手段と、 前記デューティ値検出手段によって検出された切替直前
    の排気バイパス用電磁弁のデューティ値に基づいて前記
    ウェストゲートバルブ用電磁弁の初期デューティ値を補
    正する第2の初期デューティ値補正手段と、を具備した
    ことを特徴とする過給機付エンジンの過給圧制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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