JP2819880B2 - 過給機付エンジンの過給圧制御装置 - Google Patents

過給機付エンジンの過給圧制御装置

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JP2819880B2
JP2819880B2 JP3223668A JP22366891A JP2819880B2 JP 2819880 B2 JP2819880 B2 JP 2819880B2 JP 3223668 A JP3223668 A JP 3223668A JP 22366891 A JP22366891 A JP 22366891A JP 2819880 B2 JP2819880 B2 JP 2819880B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2個の過給機を有する
過給機付エンジンの過給圧制御装置に関し、とくに高地
における過給機の切替直後の過給圧の低下を抑制するこ
とが可能な過給圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジン本体に対し、主、副二つのター
ボチャージャを並列に配置し、低吸入空気量域では主タ
ーボチャージャのみ作動させて1個ターボチャージャと
し、高吸入空気量域では両ターボチャージャを作動させ
るようにした、いわゆる2ステージターボシステムを採
用した過給機付エンジンが知られている。
【0003】この種の過給機付エンジンの構成は、たと
えば図16に示すようになっている。エンジン本体39
1に対し、主ターボチャージャ(T/C−1)392と
副ターボチャージャ(T/C−2)393が並列に設け
られている。副ターボチャージャ393に接続される
吸、排気系には、それぞれ吸気切替弁394、排気切替
弁395が設けられ、副ターボチャージャ393のコン
プレッサをバイパスする吸気バイパス通路397には、
吸気バイパス弁396が設けられている。低吸入空気量
域では吸気切替弁394、排気切替弁395をともに全
閉とすることにより、主ターボチャージャ392のみを
過給作動させ、高吸入空気量域では両切替弁394、3
95をともに全開とし、吸気バイパス弁396を閉じる
ことにより、副ターボチャージャ393にも過給作動を
行わせ、2個ターボチャージャ作動とすることができ
る。
【0004】低吸入空気量域から高吸入空気量域に移行
するときには、吸気切替弁394および排気切替弁39
が閉じられているときに排気バイパス弁398を開制
し、さらに吸気バイパス弁396を閉じることにより
副ターボチャージャ393の助走回転数を高め、ターボ
チャージャの切替をより円滑に(切替時のショックを小
さく)行うことが可能になっている。
【0005】主ターボチャージャ392および副ターボ
チャージャ393の双方による過給時には、ウェストゲ
ートバルブ(図示略)のフィードバック制御による開弁
制御によって過給圧制御が行なわれる。ウェストゲート
バルブはダイヤフラムアクチュエータと連結されてお
り、ダイヤフラムアクチュエータのダイヤフラム室内に
は、ウェストゲートバルブを開弁させるための過給気が
導かれている。ダイヤフラム室内に導かれた過給気は、
デューティ制御される電磁弁を介して外部にブリード
(リーク)されるようになっている。
【0006】なお、主ターボチャージャのみの過給時に
は排気バイパス弁のみをデューティ制御し、主ターボチ
ャージャおよび副ターボチャージャの双方による過給時
にはウェストゲートバルブのみをデューティ制御するこ
とにより、過給圧を所定の圧力に制御するようにした装
置は、特開昭63−25319号公報に開示されてい
る。
【0007】図17は、ウェストゲートバルブを開閉駆
動するダイヤフラムアクチュエータに供給される過給気
の大気へのブリード量(リーク量)と過給圧との関係を
示している。ウェストゲートバルブ用のダイヤフラムア
クチュエータは、ダイヤフラムに作用する圧力が高くな
るとウェストゲートバルブを開弁するようになってお
り、ダイヤフラムに作用する圧力が小さい状態では内蔵
されたスプリングの付勢力によって閉弁するようになっ
ている。したがって、図17に示すように、ダイヤフラ
ムアクチュエータから過給気をブリードする電磁弁へ出
力する制御信号のデューティ値を大にし、ダイヤフラム
アクチュエータからの過給気のブリード量を多くするこ
とにより、排気バイパス弁の開度が小さくなり、制御過
給圧が高められる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】過給圧は大気圧に対し
て相関関係にあるので、過給圧の絶対圧制御では制御過
給圧は大気圧に対して高地ほど相対圧差が大きくなる。
図12のPはウェストゲートバルブによる過給圧制御時
の制御圧力を示しており、この制御圧力Pに対する平地
での大気圧(760mmHgabs)の差はAであり、
制御圧力レベルPに対する高地(600mmHgab
s)の差はBとなる。このように、制御過給圧は大気圧
に対し高地ほど相対圧差が大きくなり、高地では図12
および図15のP1 に示すように2個ターボチャージャ
への切替直後の過給圧が低下する。これを補正するため
には、ウェストゲートバルブを駆動するダイヤフラムア
クチュエータへ導入される過給気を多量に外部にブリー
ドさせてウェストゲートバルブの開度を小さくする必要
が生じるが、従来ではダイヤフラムアクチュエータから
過給気をブリードする電磁弁の初期デューティ値が固定
となっているため、高地では切替直後のアクチュエータ
のブリード量不足を解消することができず、制御過給圧
が低下してしまう。すなわち、図12および図15にお
いて、1個過給機運転から2個過給機運転への切替時に
過給圧が一端低下し、切替時からT秒後に電磁弁のデュ
ーティ値が0から初期デューティ値(Sw、ただし、従
来はSwは固定値)にスキップされ初期デューティ値か
ら目標デューティ値へと上昇していって過給圧が目標過
給圧に回復していく時間が、平地においてはt 1 であっ
たものが、高地ではt 2 と長くなってしまい、それだけ
高地における、切替直後の過給圧の低下が大きくなる。
この過給圧の低下は出力トルクの低下を招き、トルクシ
ョックの発生や車両のドライバビリティを悪化させる。
【0009】本発明は、高地における過給機の切替直後
の過給圧の低下を抑制することが可能な過給機付エンジ
ンの過給圧制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明に係る過給機付エンジンの過給圧制御装置は、
次の通りである。
【0011】(1) 2個の過給機を有し、1個過給
運転か2個過給運転かをエンジン運転条件によって切
替え、過給圧をウェストゲートバルブの開度を調整する
ことにより制御し、前記ウェストゲートバルブの開度を
該ウェストゲートバルブに連結されダイヤフラム室に過
給圧が導入されるアクチュエータの前記ダイヤフラム室
の圧力を制御することにより制御し、前記アクチュエー
タのダイヤフラム室の圧力を、デューティ値が大なほど
ブリード量を増大させて前記ウェストゲートバルブの開
度を小にし過給圧を大にするウェストゲートバルブ用電
磁弁のデューティ制御によって行う過給機付エンジンの
過給圧制御装置であって、1個過給機運転から2個過給
機運転への切替時の前記ウェストゲートバルブ用電磁弁
の初期デューティ値を大気圧検出手段からの大気圧の値
が小さいほど大に補正する第1の初期デューティ値補正
手段を備えていることを特徴とする過給機付エンジンの
過給圧制御装置。
【0012】(2) 2個の過給機を有し、1個過給
運転か2個過給運転かをエンジン運転条件によって切
替え、切替前の過給圧を排気バイバス弁の開度を調整す
ることにより制御し、前記排気バイバス弁の開度を該排
気バイパス弁に連結されダイヤフラム室に過給圧が導入
される排気バイパス弁用アクチュエータの前記ダイヤフ
ラム室の圧力を制御することにより制御し、前記排気バ
イパス弁用アクチュエータのダイヤフラム室の圧力を、
大気圧が低いほどデューティ値を大とされデューティ値
が大なほどブリード量を増大させて前記排気バイパス弁
の開度を小にし過給圧を大にする排気バイパス弁用電磁
弁のデューティ制御によって行い、 切替後の過給圧をウ
ェストゲートバルブの開度を調整することにより制御
し、前記ウェストゲートバルブの開度を該ウェストゲー
トバルブに連結されダイヤフ ラム室に過給圧が導入され
るウェストゲートバルブ用アクチュエータの前記ダイヤ
フラム室の圧力を制御することにより制御し、前記ウェ
ストゲートバルブ用アクチュエータのダイヤフラム室の
圧力を、デューティ値が大なほどブリード量を増大させ
て前記ウェストゲートバルブの開度を小にし過給圧を大
にするウェストゲートバルブ用電磁弁のデューティ制御
によって行う過給機付エンジンの過給圧制御装置であっ
て、1個過給機運転から2個過給機運転への切替時の
記ウェストゲートバルブ用電磁弁の初期デューティ値を
前記排気バイパス弁用電磁弁のデューティ値が大きいほ
ど大に補正する第2の初期デューティ値補正手段を備え
ていることを特徴とする過給機付エンジンの過給圧制御
装置。
【0013】
【作用】上記(1)の過給圧制御装置においては、大気
圧検出手段によって検出される大気圧が低くなると、第
1の初期デューティ値補正手段によってウェストゲート
バルブの開度を調整するウェストゲートバルブ用電磁弁
の初期デューティ値が補正される。そのため、大気圧が
低くなる高地においては、過給機の切替初期にはウェス
トゲートバルブは大気圧の低下に見合った開度に制御さ
れる。したがって、過給量の増加がはかれ切替直後の過
給圧の低下が抑制される。
【0014】上記(2)の過給圧制御装置においては
気バイパス弁用電磁弁のデューティ値には大気圧が反
映されるので、このデューティ値から大気圧を間接的に
推測することが可能となる。したがって、第2の初期デ
ューティ値補正手段では、大気圧を反映した排気バイパ
ス弁用電磁弁のデューティ値に基づいてウェストゲート
バルブ用電磁弁の初期デューティ値を補正することが可
能となり、大気圧を直接検出するセンサ等が不要とな
る。
【0015】
【実施例】以下に、本発明に係る過給機付エンジンの過
給圧制御装置の望ましい実施例を、図面を参照して説明
する。
【0016】第1実施例 図1ないし図12は、本発明の第1実施例を示してお
り、とくに車両に搭載される6気筒エンジンに適用した
場合を示している。図2において、1はエンジン、2は
サージタンク、3は排気マニホールドを示す。排気マニ
ホールド3は排気干渉を伴わない#1〜#3気筒群と#
4〜#6気筒群の2つに集合され、その集合部が連通路
3aによって連通されている。7、8は互いに並列に配
置された過給機としての主ターボチャージャ、副ターボ
チャージャである。ターボチャージャ7、8のそれぞれ
のタービン7a、8aは排気マニホールド3の集合部に
接続され、それぞれのコンプレッサ7b、8bは、イン
タクーラ6、スロットル弁4を介してサージタンク2に
接続されている。
【0017】主ターボチャージャ7は、低吸入空気量域
から高吸入空気量域まで作動され、副ターボチャージャ
8は低吸入空気量域で停止される。双方のターボチャー
ジャ7、8の作動、停止を可能ならしめるために、副タ
ーボチャージャ8のタービン8aの下流に排気切替弁1
7が、コンプレッサ8bの下流に吸気切替弁18が設け
られる。吸、排気切替弁18、17の両方とも開弁のと
きは、両方のターボチャージャ7、8が作動される。副
ターボチャージャ8のタービン8aの下流と主ターボチ
ャージャ7のタービン7aの下流とは、排気バイパス通
路40を介して連通可能となっている。排気バイパス通
路40には、この排気バイパス通路40を開閉する排気
バイパス弁41が設けられている。排気バイパス弁41
は、ダイヤフラム式アクチュエータ42によって開閉さ
れるようになっている。
【0018】低吸入空気量域で停止される副ターボチャ
ージャ8の吸気通路には、1個ターボチャージャから2
個ターボチャージャへの切替を円滑にするために、コン
プレッサ7bの上流とコンプレッサ8bの下流とを連通
する吸気バイパス通路13と、吸気バイパス通路13の
途中に配設される吸気バイパス弁33が設けられる。吸
気バイパス弁33はダイヤフラム式のアクチュエータ1
0によって開閉される。吸気切替弁18の上流と下流と
を連通するバイパス通路には、逆止弁12が設けられて
おり、吸気切替弁18の閉時において副ターボチャージ
ャ8側のコンプレッサ出口圧力が主ターボチャージャ7
側より大になったとき、空気が上流側から下流側に流れ
ることができるようにしてある。なお、図中、14はコ
ンプレッサ出口側の吸気通路、15はコンプレッサ入口
側の吸気通路を示す。吸気通路15はエアフローメータ
24を介してエアクリーナ23に接続される。排気通路
を形成するフロントパイプ20は、排気ガス触媒21を
介して排気マフラーに接続される。吸気切替弁18はア
クチュエータ11によって開閉され、排気切替弁17は
ダイヤフラム式アクチュエータ16によって開閉される
ようになっている。ウエストゲートバルブ31は、アク
チュエータ9によって開閉されるようになっている。
【0019】アクチュエータ9、10、11、16、4
2は、過給圧または負圧の導入によって作動するように
なっている。各アクチュエータ9、10、11、16、
42には、正圧タンク51からの過給圧または負圧とエ
アフローメータ24の下流からの大気圧とを選択的に切
り替えるために、第1、第2、第3、第4、第5、第6
の電磁弁25、26、27、28、32、44が接続さ
れている。各電磁弁25、26、27、28、32、4
4の切替は、エンジンコントロールコンピュータ29か
らの指令に従って行なわれる。なお、第2の電磁弁26
へ負圧を導入する通路には、負圧の一方の流れのみを許
すチェック弁45が介装されている。
【0020】第1の電磁弁25のONは、吸気切替弁1
8を弁開とするようにアクチュエータ11を作動させ、
OFFは吸気切替弁18を全閉とするようにアクチュエ
ータ11を作動させる。第4の電磁弁28のONは、排
気切替弁17を全開とするようにアクチュエータ16を
作動させ、OFFは排気切替弁17を全閉するようにア
クチュエータ16を作動させる。第3の電磁弁27のO
Nは、吸気バイパス弁33を全閉するようにアクチュエ
ータ10を作動させ、OFFは吸気バイパス弁33を全
開するようにアクチュエータ10を作動させる。
【0021】ウェストゲートバルブ31は、図3に示す
ように、排気下流側に開くスイングアーム弁から構成さ
れている。ウェストゲートバルブ31と連結されるダイ
ヤフラムアクチュエータ9には、ダイヤフラム室9aが
形成されている。ダイヤフラム室9aはダイヤフラム9
cによって区画されており、ダイヤフラム室9aの反対
側の室9bにはダイヤフラム9cをダイヤフラム室9a
側に押圧するスプリング9dが収納されている。ダイヤ
フラム室9aには、正圧タンク51から過給圧が導かれ
るようになっている。ダイヤフラム室9aに導かれた過
給気は、第6の電磁弁44を介して大気側にリークされ
るようになっている。
【0022】エンジン運転中は、ウェストゲートバルブ
31の弁体31aには排気ガスの排圧Paが作用してお
り、この排圧Paによって弁体31aにかかる力と、ウ
ェストゲートバルブ31と連結されるダイヤフラムアク
チュエータ9のダイヤフラム室9a内に作用する過給圧
によって生じる力との和が一定値を超えることによって
ウェストゲートバルブ31は開弁される。ウェストゲー
トバルブ31の閉弁動作は、スプリング9dの付勢力に
よって行なわれる。
【0023】排気バイパス弁41は、図4に示すよう
に、排気下流側に開くスイングアーム弁から構成されて
いる。排気バイパス弁41と連結されるダイヤフラムア
クチュエータ42には、ダイヤフラム室42aが形成さ
れている。ダイヤフラム室42aはダイヤフラム42c
によって区画されており、ダイヤフラム室42aの反対
側の室42bにはダイヤフラム42cをダイヤフラム室
42a側に押圧するスプリング42dが収納されてい
る。ダイヤフラム室42aには、正圧タンク51から過
給圧が導かれるようになっている。ダイヤフラム室42
aに導かれた過給気は、第5の電磁弁32を介して大気
側にリークされるようになっている。
【0024】エンジン運転中は、排気バイパス弁41の
弁体41aには排気ガスの排圧が作用しており、この排
圧Pbによって弁体41aにかかる力と、排気バイパス
弁41と連結されるダイヤフラムアクチュエータ42の
ダイヤフラム室42a内に作用する過給圧によって生じ
る力との和が一定値を超えることによって排気バイパス
弁41は開弁される。排気バイパス弁41の閉弁動作
は、スプリング42dの付勢力によって行なわれる。
【0025】排気バイパス弁41を作動させるアクチュ
エータ42に大気圧を導入する第5の電磁弁32は、O
N、OFF制御でなく、デューティ制御される。同様
に、ウエストゲートバルブ31を作動させるアクチュエ
ータ9に大気圧を導く(過給圧をブリードすることと同
じ)第6の電磁弁44は、ON、OFF制御でなく、デ
ューティ制御される。デューティ制御は、周知の通り、
デューティ値により通電時間を制御することであり、デ
ジタル的に通電、非通電の割合を変えることにより、ア
ナログ的に平均電流が可変制御される。なお、デューテ
ィ値は、1サイクルの時間に対する通電時間の割合であ
り、1サイクル中の通電時間をA、非通電時間をBとす
ると、デューティ値=A/(A+B)×100(%)で
表わされる。
【0026】排気バイパス弁41を駆動するダイヤフラ
ムアクチュエータ42のダイヤフラム室42a内の圧力
は、ダイヤフラム室42a内に導入された過給気をデュ
ーティ制御される第5の電磁弁32を介して大気にブリ
ード(リーク)させることにより変化するようになって
いる。このダイヤフラム室42aの圧力調整によって排
気バイパス弁41の開度が制御され、1個ターボチャー
ジャ域における過給圧制御が行なわれる。ウエストゲー
トバルブ31の開度は、アクチュエータ9のダイヤフラ
ム室9aに導入される過給気の大気へのブリード量(リ
ーク量)を第6の電磁弁44のデューティ制御によって
調整することにより変化させることが可能となってい
る。すなわち、ダイヤフラム室9aの圧力調整を第6の
電磁弁44のデューティ制御によって調整することによ
り、2個ターボチャージャ域における過給圧制御が行な
われる。
【0027】エンジンコントロールコンピュータ29
は、エンジンの各種運転条件検出センサと電気的に接続
され、各種センサからの信号が入力される。エンジン運
転条件検出センサには、吸気管圧力センサ30、スロッ
トル開度センサ5、吸入空気量測定センサとしてのエア
フローメータ24、エンジン回転数センサ50、および
酸素センサ19が含まれる。エンジンコントロールコン
ピュータ29は、演算をするためのセントラルプロセッ
サユニット(CPU)、読み出し専用のメモリであるリ
ードオンリメモリ(ROM)、一時記憶用のランダムア
クセスメモリ(RAM)、入出力インターフェイス(I
/Oインターフェイス)、各種センサからのアナログ信
号をディジタル量に変換するA/Dコンバータを備えて
いる。
【0028】エンジンコントロールコンピュータ29に
は、図2に示すように、大気圧検出手段としての大気圧
センサ60が接続されている。大気圧センサ60は、検
出した大気圧の値を電気信号に変換し、エンジンコント
ロールコンピュータ29に入力する機能を有する。エン
ジンコントロールコンピュータ29には、図1に示すよ
うに、第1の初期デューティ値補正手段61が形成され
ている。第1の初期デューティ値補正手段61は、エン
ジンコントロールコンピュータ29内に格納されるプロ
グラムから構成されている。第1の初期デューティ値補
正手段61は、大気圧センサ61によって検出された大
気圧が低くなるにつれてウェストゲートバルブ用電磁
弁、すなわち第6の電磁弁44へ出力する初期デューテ
ィ値を大に補正する機能を有している。
【0029】図11は、エンジンコントロールコンピュ
ータ29のROMに格納され、第1の初期デューティ値
補正手段61の一部を構成するマップを示している。図
11に示すように、平地から高地にいくにつれて切替直
後における第6の電磁弁44の初期デューティ値が大き
くなっている。これによって、大気圧の低い高地での走
行の場合もダイヤフラムアクチュエータ6の2個ターボ
チャージャ切替時の初期ブリード量の不足に起因する切
替直後の過給圧の低下が抑制されるようになっている。
【0030】つぎに、第1実施例における作用について
説明する。高吸入空気量域では、吸気切替弁18は排気
切替弁17がともに開かれ、吸気バイパス弁10が閉じ
られる。これによって2個ターボチャージャ7、8が駆
動され、十分な過給空気量が得られ、出力が向上され
る。低速域でかつ高負荷時には、吸気切替弁18と排気
切替弁17がともに閉じられ、吸気バイパス弁33が開
かれる。これによって主ターボチャージャ7のみが駆動
される。低吸入空気量域で1個ターボチャージャとする
理由は、低吸入空気量域では1個ターボチャージャ過給
特性が2個ターボチャージャ過給特性より優れているか
らである。1個ターボチャージャとすることにより、過
給圧、トルクの立上りが早くなり、レスポンスが迅速と
なる。
【0031】低吸入空気量域から高吸入空気量域に移行
するとき、つまり1個ターボチャージャから2個ターボ
チャージャ作動へ切り替えるときには、吸気切替弁18
および排気切替弁17が閉じられているときに排気バイ
パス弁41をデューティ制御により開制御し、さらに吸
気バイパス弁33を閉じることにより副ターボチャージ
ャ8の助走回転数を高め、ターボチャージャの切替をよ
り円滑(切替時のショックを小さく)に行うことが可能
になる。
【0032】つぎに、過給機付エンジンにおける排気バ
イパス弁のデューティ制御を、図5ないし図8のフロー
チャートに基づいて説明する。この制御ルーチンは、た
とえば8msごとに行なわれる。図5において、ステッ
プ100で排気バイパス弁41のデューティ制御ルーチ
ンに入り、ステップ101でエンジン回転数(NE)が
取り込まれる。つぎに、ステップ102に進み、エンジ
ン回転数が4000rpm以上であるか否かが判断され
る。ここで、エンジン回転数が4000rpmよりも高
い場合は、ステップ103に進み、吸入空気量Qが取り
込まれる。この吸入空気量Qは、エアフローメータ24
からの信号である。ステップ103で吸入空気量Qが取
り込まれると、ステップ104に進み、吸入空気量Q
が、たとえば4000l/minよりも大であるか否か
が判断される。ここで、吸入空気量Qが4000l/m
inよりも大である場合は、ステップ107に進む。
【0033】ステップ102において、エンジン回転数
が4000rpmよりも低いと判断された場合は、ステ
ップ105に進み、吸気管圧力PMが取り込まれる。吸
気管圧力PMは、吸気管圧力センサ30からの信号であ
る。ステップ105で吸気管圧力PMが取り込まれる
と、ステップ130に進み、吸気管圧力PMが1100
mmHgabsよりも大であるか否かが判断される。こ
こで、吸気管圧力PMが1100mmHgabsよりも
低いと判断された場合は、図8のステップ126に進
む。ステップ130において、吸気管圧力PMが110
mmHgabsよりも高いと判断された場合は、ステ
ップ131に進み、Xイニシャルがセットされているか
否かが判断される。ここで、Xイニシャルがリセットさ
れていると判断された場合は、ステップ106に進む。
ステップ131でXイニシャルがセットされていると判
断された場合は、ステップ132に進み、デューティ比
に大きな初期スキップ値(たとえばデューティ比S%)
が付加される。つぎに、ステップ133に進み、Xイニ
シャルがリセットされた後、ステップ115に進む。
【0034】図5のステップ106においては、たとえ
ば吸気管圧力PMが1300mmHgabsよりも大で
あるか否かが判断される。ここで、吸気管圧力PMが1
300mmHgabsよりも大である場合は、図6のス
テップ107に進む。ステップ106で吸気管圧力PM
が1300mmHgabsよりも低いと判断された場合
は、後述するステップ118に進む。ステップ107で
は、スキップ制御がONであるか否かが判断される。つ
まり、このステップでは、スキップ制御と積分制御のい
ずれかを選択すべきかの判断が行なわれる。ここで、積
分制御とは、予め定めた積分定数によりデューティ比の
補正制御を意味する。スキップ制御は、排気バイパス弁
41における開弁開始時の駆動力と開弁終了時の駆動力
に差があるために必要な制御である。すなわち、排気バ
イパス弁41の駆動力にはヒステリシスが存在し、これ
に対応するためにデューティ比を予め定めたスキップ値
によって補正するスキップ制御が行なわれる。
【0035】ステップ107において、スキップ制御で
あると判断された場合は、ステップ109に進み、デュ
ーティ比にスキップ値(デューティ比5%)が付加され
る。つぎに、ステップ114に進み、スキップONがリ
セットされる。ステップ107において、スキップ制御
でないと判断された場合は、ステップ108に進み、デ
ューティ比が50%を越えているか否かが判断される。
ここで、デューティ比が50%を越えていれば、ステッ
プ110に進み、デューティ比に大きな積分定数値(た
とえばデューティ比2%)が付加され、ステップ115
に至る。
【0036】ステップ108において、デューティ比が
50%を越えていないと判断された場合は、ステップ1
11に進み、デューティ比に小さな積分定数値(たとえ
ばデューティ比1%)が付加され、ステップ115に至
る。ステップ115では、スキップ制御のOFFがセッ
トされ、ステップ116に進む。ステップ116では、
デューティ比が100%以上に設定されているかを判断
し、100%以上であると判断された場合は、ステップ
117に進み、デューティ比は100%に設定(修正)
される。ステップ116において、デューティ比が10
0%以下に設定されている場合は、ステップ127に進
む。このように、ステップ107〜117は、吸気管圧
力または吸入空気量が設定値以上になった場合の制御を
示し、この場合は、デューティ比を増加させ、アクチュ
エータ42からのブリード量の増加によって排気バイパ
ス弁41の開弁力が小とされる。
【0037】図5のステップ104で吸入空気量が40
00l/minよりも少ないと判断された場合、または
ステップ106で吸気管圧力が1300mmHgabs
よりも低いと判断された場合は、ステップ118へ進
む。ステップ118では、スキップ制御がOFFにセッ
トされているか否かが判断される。つまり、ステップ1
18では、スキップ制御と積分制御のいずれかを選択す
べきかの判断が行なわれる。ステップ118において、
スキップ制御であると判断された場合は、ステップ12
0に進み、デューティ比からスキップ値(デューティ比
5%)が減算される。つぎに、ステップ123に進み、
スキップ制御のOFFがリセットされる。
【0038】ステップ118において、積分制御である
と判断された場合は、ステップ119に進み、デューテ
ィ比が50%を越えているか否かが判断される。ここ
で、デューティ比が50%を越えていると判断された場
合は、ステップ121に進み、デューティ比から予め定
めた積分定数値(たとえばデューティ比2%)が減算さ
れ、ステップ124に進む。ステップ119では、デュ
ーティ比が50%よりも小さいと判断された場合は、ス
テップ122に進み、デューティ比から予め定めた積分
定数値(たとえばデューティ比2%)が減算され、ステ
ップ124に進む。ステップ124においては、スキッ
プ制御がONセットされ、図8のステップ125に進
む。
【0039】ステップ125においては、デューティ比
がゼロよりも小であるか否かが判断される。ここで、デ
ューティ比がゼロよりも小であると判断された場合は、
ステップ126に進み、デューティ比はゼロに修正され
る。そして、ステップ126に進んでデューティ比はゼ
ロにセットされ、ステップ134でXイニシャルがセッ
トされる。この処理が終了すると、つぎにステップ12
7に進んで第5の電磁弁32のデューティ制御が行なわ
れる。このステップ127からは、上述した各バルブ制
御が開始され、2個ターボチャージャへの切替えが可能
となる。
【0040】つぎに、ウェストゲートバルブのデューテ
ィ制御を、図9および図10のフローチャートに基づい
て説明する。1個ターボチャージャから2個ターボチャ
ージャへの切替時に、過給圧が一時的に低下する現象が
生じる。これは、各経路に配置された各切替弁の切替動
作によって主ターボチャージャ側の過給気が副ターボチ
ャージャ側に逃げるためである。切替時に過給圧が一時
的に低下する現象は、大気圧の関係から平地より高地の
ほうが著しい。そこで、本実施例のように、ウェストゲ
ートバルブ31を、目標過給圧と制御過給圧との偏差に
基づいて開度制御することにより、制御過給圧を目標過
給圧に一致させるようにしたフィードバック制御では、
2個ターボチャージャへの切替時の一時的な過給圧の低
下を防止するために、図9および図10に示す制御処理
が行なわれる。
【0041】図9のステップ200において、ウェスト
ゲートバルブ31の開度制御が開始され、ステップ20
1で1個ターボチャージャから2個ターボチャージャへ
の切替の検知が行なわれる。2個ターボチャージャへの
切替検知は、第4の電磁弁28の開弁信号に基づいて行
なわれる。つぎに、ステップ202に進み、第4の電磁
弁28がオンになってT秒経過したか否かが判断され
る。すなわち、ここでは排気切替弁17が開弁し1個タ
ーボチャージャから2個ターボチャージャへの切替えが
行なわれてからT秒経過したか否かが判断される。本実
施例では、T秒はたとえば1秒に設定されている。ステ
ップ202において、切替後T秒経過していないと判断
された場合は、ステップ21に進んでYイニシャルをセ
ットした後ステップ210に進み、第6の電磁弁44の
デューティ値が0%とされ、制御過給圧に基づくウェス
トゲートバルブ31の開度制御は禁止される。この処理
が完了すると、ステップ216に進みリターンする。
【0042】ステップ202において、切替後T秒経過
していると判断された場合は、ステップ211に進み、
スロットル開度TAが60degよりも大であるか否か
が判断される。ここで、スロットル開度TAが60de
gよりも大であると判断された場合は、ステップ203
に進み、制御過給圧が1300mmHgabsを超えて
いるか否かが判断される。ステップ203において、制
御過給圧が1300mmHgabsを超えていると判断
された場合は、ステップ204に進んで第6の電磁弁4
4のデューティ値を小さくし、ステップ205に進む。
ステップ205では、第6の電磁弁44のデューティ値
が0%よりも小であるか否かが判断される。ここで、デ
ューティ値が0%よりも小であると判断された場合は、
ステップ206に進んでデューティ値は0%に修正さ
れ、ステップ216に進んでリターンする。ステップ2
05でデューティ値が0%よりも大である場合は、ステ
ップ216に進んでリターンする。
【0043】ステップ211において、スロットル開度
TAが60degよりも小であると判断された場合は、
ステップ212に進み、Yイニシャルセットが行なわれ
る。Yイニシャルセットが行なわれると、ステップ21
0に進み、デューティ値が0%とされ、その後、ステッ
プ216に進んでリターンする。
【0044】ステップ203において、制御過給圧が1
300mmHgabsよりも低いと判断された場合は、
ステップ213に進み、Yイニシャルセットが行なわれ
たか否かが判断される。ここで、Yイニシャルセットが
行なわれていると判断された場合は、ステップ214に
進み、Yイニシャルのリセットが行なわれる。Yイニシ
ャルのリセットが行なわれると、図10のステップ21
5に進み、第6の電磁弁44の初期デューティ値が第1
の初期デューティ値補正手段によって補正される。この
補正は、図11に示すマップに基づいて行なわれる。第
6の電磁弁44の初期デューティ値が大気圧の大きさに
応じて補正されると、ステップ216に進み、リターン
する。
【0045】ステップ213において、Yイニシャルセ
ットが行なわれていないと判断された場合は、ステップ
207に進み、第6の電磁弁44のデューティ値を大き
くしてステップ208に進む。ステップ208では、第
6の電磁弁44のデューティ値が100%よりも大であ
るか否かが判断される。ここで、デューティ値が100
%よりも大であると判断された場合は、ステップ209
に進んでデューティ値は100%に修正され、ステップ
216に進んでリターンする。ステップ208でデュー
ティ値が100%よりも小であると判断された場合は、
ステップ216に進んでリターンする。
【0046】このように、本実施例では2個ターボチャ
ージャへの切替えからT秒経過までは、ウェストゲート
バルブ31の開度制御を行なう第6の電磁弁44のデュ
ーティ値が0%とされる。そして、T秒経過後には、
ューティ値が初期デューティ値Swにスキップされ、そ
こから目標デューティ値に向かって増えていく。この
合、本発明では、大気圧検出手段60によって検出され
た大気圧の値が低い(高地)ほど初期デューティ値Sw
が大となるようにしてあるので、高地では、図12の特
性D 1 に示すように、従来の高地の場合に比べて初期デ
ューティ値Swが大である。この初期デューティ値Sw
から目標デューティ値に上昇して過給圧が目標過給圧に
回復する時間は、従来のt 2 に比べて、t 3 と短くなり
(速やかに回復でき)、それだけ切替時の過給圧の低下
(落ち込み)も少なくなる。この場合、大気圧が低くな
る高地においては、2個ターボチャージャへの切替直後
に、ダイヤフラムアクチュエータ9からの過給気のブリ
ード量は増加され、ウェストゲートバルブ31の開度
小となり排気ガスのバイパス量は抑制される。したがっ
て、従来装置のようなウェストゲートバルブを駆動する
ダイヤフラムアクチュエータの切替初期のブリード量不
足に起因する過給圧の低下が抑制され、トルクショック
が緩和されるとともに、ドライバビリティの向上がはか
れる。
【0047】第2実施例 図13および図14は、本発明の第2実施例を示してい
る。第2実施例が第1実施例と異なるところは、第6の
電磁弁の初期デューティ値の補正制御処理のみであり、
その他の部分は第1実施例に準じるので、準じる部分に
第1実施例と同一の符号を付すことにより、準じる部分
の説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0048】本実施例では、図13に示すように、デュ
ーティ値検出手段62と第2の初期デューティ値補正手
段63が設けられている。デューティ値検出手段62
は、第1実施例の大気圧検出手段60に相当するもので
あり、第2の初期デューティ値補正手段63は、同様に
第1実施例の第1の初期デューティ値補正手段61に相
当するものである。
【0049】デューティ値検出手段62は、排気バイパ
ス弁41をデューティ制御する第5の電磁弁32のデュ
ーティ値の2個ターボチャージャへの切替直前における
(RAMに残っている値)を検出して用いる機能を有
している。第2の初期デューティ値補正手段63は、デ
ューティ値検出手段62によって検出された双方のター
ボチャージャへの切替直前のデューティ値に基づいてウ
ェストゲートバルブ用電磁弁、すなわち第6の電磁弁4
4の初期デューティ値を補正する機能を有している。デ
ューティ値検出手段62および第2の初期補正手段63
は、エンジンコントロールコンピュータ29に格納され
たプログラムから構成されている。
【0050】図14は、第5の電磁弁32のデューティ
値と第6の電磁弁44の初期デューティ値との関係を示
している。この両者の関係はマップとしてエンジンコン
トロールコンピュータ29に格納されている。ここで、
第5の電磁弁32のデューティ値は、2個ターボチャー
ジャへの切替直前のデューティ値の平均値であり、この
切替直前のデューティ値の平均値に基づいて第6の電磁
弁44の初期デューティ値が第2の初期デューティ値補
正手段63によって補正される。図14に示すように、
第5の電磁弁32のデューティ値の平均値が大になるに
つれて、第6の電磁弁44の初期デューティ値が大に
定されている
【0051】図15は、第5の電磁弁32および第6の
電磁弁44のデューティ値と過給圧との関係を示してい
る。図15に示すように、過給圧P0 に達した時点でフ
ィードバック制御による過給圧制御が開始され、主ター
ボチャージャ7のみによる過給状態では、排気バイパス
弁41による過給圧制御が行なわれる。ここで、図15
のS1 は平地における第5の電磁弁32のデューティ値
特性であり、S2 は高地における第6の電磁弁44のデ
ューティ値特性である。図15に示すように、第5の電
磁弁32のデューティ値は、平地よりも高地で大きくな
っており、高地でのデューティ値は大気圧の変化を反映
したものとなっている。
【0052】このように、高地では空気が希薄になるた
め、1個ターボチャージャ時の過給圧を上げるためには
第5の電磁弁32のデューティ値を大にして排気バイパ
ス弁41の開度を小にする必要があり、本実施例では第
5の電磁弁32のデューティ値から間接的に大気圧を推
測することが可能となっている。これにより、本実施例
では第1実施例のように大気圧を直接検知する大気圧セ
ンサ60が不要となり、装置の簡素化がはかられる。
【0053】ターボチャージャの過給作動が1個ターボ
チャージャから2個ターボチャージャへ切替えられる
と、排気バイパス弁41は閉弁し、ウェストゲートバル
ブ31による過給圧制御が開始される。図15におい
て、S3 は平地における第6の電磁弁44のデューティ
値特性を示している。S4 は従来装置における高地での
第6の電磁弁44のデューティ値特性を示している。
【0054】ここで、従来装置では第6の電磁弁44の
初期デューティ値が固定になっているので、高地では2
個ターボチャージャへの切替初期においてアクチュエー
タ9からの過給気のブリード量不足が生じ、図15の特
性P1 のように切替直後の過給圧の低下が大きくなる。
そこで、本実施例では、高地における2個ターボチャー
ジャへの切替直前の第5の電磁弁32のデューティ値特
性S2 に基づいて第6の電磁弁44の初期デューティ値
1 を大にする補正が、第2の初期デューティ値補正手
段63によって行なわれる。これにより、切替直後のダ
イヤフラムアクチュエータ9の過給気のブリード量を大
とすることができ、ウェストゲートバルブ31の開度を
小とすることができる。したがって、本発明の高地の場
合の、切替直後の過給圧 2 の低下は従来の高地の場
合のP 1 に比べて大幅に抑制され、トルルショックを小
さくすることが可能になるとともに、ドライバビリティ
の向上がはかれる。
【0055】
【発明の効果】本発明に係る過給機付エンジンの過給付
制御装置によれば、つぎの効果が得られる。
【0056】(イ)請求項1の過給機付エンジンの過給
圧制御装置によれば、大気圧検出手段によって検出され
た大気圧に基づきウェストゲートバルブ用電磁弁の初期
デューティ値を補正する第1の初期デューティ値補正手
段を設けたので、大気圧が低くなる高地では、過給機の
切替初期にはウェストゲートバルブは大気圧の低下に見
合った開度に制御され、過給量を増加することができ
る。したがって、高地における過給機の切替直後の過給
圧の低下を抑制することが可能となり、トルクショック
の発生を緩和することができるとともに、車両のドライ
バビリティの悪化を防止することができる。
【0057】(ロ)請求項2の過給機付エンジンの過給
圧制御装置によれば、過給機の切替直前における排気バ
イパス弁用電磁弁のデューティ値に基づいてウェストゲ
ートバルブ用電磁弁の初期デューティ値を第2の初期デ
ューティ値補正手段によって補正するようにしたので、
直接大気圧を検出するセンサ等を用いることなく過給機
の切替時の過給圧の低下を抑制することができる。これ
により、装置の構成を簡素化することができ、装置の信
頼性の向上とコストの低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る過給機付エンジンの
過給圧制御装置のブロック図である。
【図2】図1の装置を備えた過給機付エンジンの制御系
統図である。
【図3】図2の装置におけるウェストゲートバルブ近傍
の拡大断面図である。
【図4】図2の装置における排気バイパス弁近傍の概略
断面図である。
【図5】図1の装置における排気バイパス弁による過給
圧制御の処理手順の一部を示すフローチャートである。
【図6】図5に続くフローチャートである。
【図7】図5に続くフローチャートである。
【図8】図6および図7に続くフローチャートである。
【図9】図1の装置におけるウェストゲートバルブによ
る過給圧制御の処理手順の一部を示すフローチャートで
ある。
【図10】図9に続くフローチャートである。
【図11】大気圧と図2における第6の電磁弁のデュー
ティ値との関係を示すマップである。
【図12】過給機圧を制御する電磁弁のデューティ値と
制御過給圧との関係を示す特性図である。
【図13】本発明の第2実施例に係る過給機付エンジン
の過給圧制御装置のブロック図である。
【図14】図1における第5の電磁弁のデューティ値と
第6の電磁弁の初期デューティ値との関係を示すマップ
である。
【図15】過給圧を制御する電磁弁のデューティ値と制
御過給圧との関係を示す特性図である。
【図16】従来の過給機付エンジンの概略構成図であ
る。
【図17】図16の装置における排気バイパス弁を駆動
する電磁弁のデューティ値と制御過給圧との関係を示す
特性図である。
【符号の説明】
1 エンジン 7 主ターボチャージャ 8 副ターボチャージャ 29 エンジンコントロールコンピュータ 31 ウェストゲートバルブ 32 排気バイパス弁用電磁弁としての第5の電磁弁 41 排気バイパス弁 42 ダイヤフラムアクチュエータ 44 ウェストゲートバルブ用電磁弁としての第6の電
磁弁 60 大気圧検出手段 61 第1の初期デューティ値補正手段 63 第2の初期デューティ値補正手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−92540(JP,A) 特開 昭61−101625(JP,A) 特開 平1−313627(JP,A) 特開 平5−39729(JP,A) 特開 平3−37329(JP,A) 特開 平2−163419(JP,A) 特開 昭61−101626(JP,A) 特開 昭57−122122(JP,A) 特開 平2−191818(JP,A) 特開 平3−105021(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02B 33/00 - 39/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2個の過給機を有し、1個過給運転か
    2個過給運転かをエンジン運転条件によって切替え、
    過給圧をウェストゲートバルブの開度を調整することに
    より制御し、前記ウェストゲートバルブの開度を該ウェ
    ストゲートバルブに連結されダイヤフラム室に過給圧が
    導入されるアクチュエータの前記ダイヤフラム室の圧力
    を制御することにより制御し、前記アクチュエータのダ
    イヤフラム室の圧力を、デューティ値が大なほどブリー
    ド量を増大させて前記ウェストゲートバルブの開度を小
    にし過給圧を大にするウェストゲートバルブ用電磁弁の
    デューティ制御によって行う過給機付エンジンの過給圧
    制御装置であって、1個過給機運転から2個過給機運転
    への切替時の前記ウェストゲートバルブ用電磁弁の初期
    デューティ値を大気圧検出手段からの大気圧の値が小さ
    いほど大に補正する第1の初期デューティ値補正手段
    備えていることを特徴とする過給機付エンジンの過給圧
    制御装置。
  2. 【請求項2】 2個の過給機を有し、1個過給運転か
    2個過給運転かをエンジン運転条件によって切替え、 切替前の過給圧を排気バイバス弁の開度を調整すること
    により制御し、前記排気バイバス弁の開度を該排気バイ
    パス弁に連結されダイヤフラム室に過給圧が導入される
    排気バイパス弁用アクチュエータの前記ダイヤフラム室
    の圧力を制御することにより制御し、前記排気バイパス
    弁用アクチュエータのダイヤフラム室の圧力を、大気圧
    が低いほどデューティ値を大とされデューティ値が大な
    ほどブリード量を増大させて前記排気バイパス弁の開度
    を小にし過給圧を大にする排気バイパス弁用電磁弁のデ
    ューティ制御によって行い、 切替後の過給圧をウェストゲートバルブの開度を調整す
    ることにより制御し、前記ウェストゲートバルブの開度
    を該ウェストゲートバルブに連結されダイヤフラム室に
    過給圧が導入されるウェストゲートバルブ用アクチュエ
    ータの前記ダイヤフラム室の圧力を制御することにより
    制御し、前記ウェストゲートバルブ用アクチュエータの
    ダイヤフラム室の圧力を、デューティ値が大なほどブリ
    ード量を 増大させて前記ウェストゲートバルブの開度を
    小にし過給圧を大にする ウェストゲートバルブ用電磁弁
    のデューティ制御によって行う過給機付エンジンの過給
    圧制御装置であって、1個過給機運転から2個過給機運転への切替時の 前記ウ
    ェストゲートバルブ用電磁弁の初期デューティ値を前記
    排気バイパス弁用電磁弁のデューティ値が大きいほど大
    補正する第2の初期デューティ値補正手段を備えてい
    ことを特徴とする過給機付エンジンの過給圧制御装
    置。
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