JPH06248167A - 高耐油性管状成形体およびカバーブーツ - Google Patents

高耐油性管状成形体およびカバーブーツ

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JPH06248167A
JPH06248167A JP3584593A JP3584593A JPH06248167A JP H06248167 A JPH06248167 A JP H06248167A JP 3584593 A JP3584593 A JP 3584593A JP 3584593 A JP3584593 A JP 3584593A JP H06248167 A JPH06248167 A JP H06248167A
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JP
Japan
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polyester
polyester copolymer
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acid
diol
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Withdrawn
Application number
JP3584593A
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English (en)
Inventor
Ryuichi Matsuo
龍一 松尾
Toranosuke Saito
寅之助 斉藤
Hironori Kadomachi
博記 角町
Daishirou Kishimoto
大志郎 岸本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Sanko Co Ltd
Original Assignee
Sanko Chemical Co Ltd
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、高温耐油性に優れた管状成形体お
よびカバーブーツを提供することを目的とする。 【構成】 所定の脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ジオー
ル、ならびに所定のジヒドロキシ化合物および/または
所定のモノヒドロキシ化合物を構成成分とするポリエス
テル20〜70重量%と、ブチレングリコールおよび/
またはエチレングリコールを主成分とするジオール成分
と、テレフタル酸を主成分とする酸成分とを構成成分と
する芳香族ポリエステル80〜30重量%とを混練溶融
し、交差エステル交換反応を行うことにより得られるポ
リエステル共重合体100重量部に、ポリカルボジイミ
ドを0.3〜5.0重量部配合してなるポリエステル共
重合体組成物から成形される管状成形体、および少なく
とも一部に蛇腹形状を有するカバーブーツ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高温耐油性にすぐれた管
状成形体およびカバーブーツに関する。
【0002】
【従来の技術】ホースおよびチューブに代表されるエラ
ストマー状管状成形体は、日用品、自動車、機械等多く
の分野で使用されている。他方、蛇腹形状を有するカバ
ーブーツは、自動車、自動2輪車等のサスペンション、
ステアリング、駆動系等の駆動部を保護するために使用
されている。カバーブーツの例としては等速ジョイント
ブーツ、ラックアンドピニオンブーツ、ストラットサス
ペンションブーツ等があげられる。
【0003】従来より、カバーブーツ等の管状成形体の
材料として、クロロプレン等のゴムが使用されてきた。
しかし、ゴムでは耐熱性に劣るため、耐熱性および柔軟
性に優れ、かつ成形が容易な熱可塑性エラストマーの需
要が拡大してきている。例えば、特公昭62−3426
4号公報には、アルコキシアルキルアクリレート、アク
リロニトリル、ポリエステルからなる高分子量組成物を
架橋して燃料ホース等に適した耐油性ゴム組成物とする
ことが提案されている。しかし、この組成物は、高温耐
油性が充分ではなく、さらに架橋工程を必要とするので
製造上好ましくない。
【0004】現在では、特に耐熱性の要求される部分に
使用される部材には、種々の熱可塑性エラストマーの中
でも耐熱性に優れるポリエステル系エラストマーが利用
されている。
【0005】ところで、上記管状成形体およびカバーブ
ーツが使用される駆動部は、作動性をよくするためにグ
リース等の作動油が使用されていることが多い。従っ
て、これらの部材にはこの作動油が付着する。そのた
め、上記管状成形体およびカバーブーツには、耐熱性に
加えて耐油性が要求される。上記ポリエステル系エラス
トマーは作動油が付着すると作動油を吸収して膨潤し物
性が著しく低下するという欠点があるため、耐油性に優
れた材料が要求され様々な試みがなされている。
【0006】例えば、特開昭64−87973号公報に
は、ポリエステル系エラストマーの表面をポリウレタン
系エラストマーで被覆することにより、作動油が直接ポ
リエステル系エラストマーに接するのを防止したカバー
ブーツが開示されている。しかし、上記公報では、ポリ
エステル系エラストマー自身の耐油性の改善はなされて
いない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の欠点
を解決すべくなされたものであって、高温耐油性に優れ
たカバーブーツを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】われわれは、以下に示す
特定の構造をもつモノマーを含み耐熱性および耐油性が
良好なポリエステル共重合体に特定量のポリカルボジイ
ミドを配合することにより課題を解決した。すなわち、
本発明の管状成形体は、(A)下記一般式〔I〕で表さ
れる脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ジオール、および下記
一般式〔II〕で表されるジヒドロキシ化合物と下記一般
式〔III〕で表されるモノヒドロキシ化合物のうち少な
くともいずれか一方を構成成分とし、該ジヒドロキシ化
合物と該モノヒドロキシ化合物とを合わせたヒドロキシ
化合物の含有量が全モノマーに対して2〜10モル%で
あるポリエステル20〜70重量%と、(B)ブチレン
グリコールおよび/またはエチレングリコールを主成分
とするジオール成分と、テレフタル酸を主成分とする酸
成分とを構成成分とする芳香族ポリエステル80〜30
重量%、とを、2mmHg以下の減圧下、220℃〜280
℃で溶融混練して(A)と(B)の間で交差エステル交
換反応を行うことにより得られ、かつo−クロロフェノ
ール/1,1,2,2−テトラクロロエタン=5/4の
体積比からなる混合溶媒中、30℃において測定した極
限粘度が0.8〜3.0であるポリエステル共重合体1
00重量部に、ポリカルボジイミドを0.3〜5.0重
量部配合してなるポリエステル共重合体組成物、から成
形され、そのことにより上記目的が達成される。
【0009】
【化4】
【0010】(式中、nは0〜10の整数を示す。)
【0011】
【化5】
【0012】(式中、R1およびR2はそれぞれ独立し
て、アルキレン基を示し、pは3または4であり、qお
よびrはそれぞれ独立して0または1以上の整数を示
す。)
【0013】
【化6】
【0014】(式中、R3はアルキレン基を示し、tは
2または3であり、mは0または1以上の整数を示
す。)本発明のカバーブーツは、上記管状成形体に使用
されるポリエステル共重合体組成物から成形され、少な
くとも一部に蛇腹部を有し、そのことにより上記目的が
達成される。
【0015】まず、本発明に使用されるポリエステル共
重合体組成物に用いられるポリエステル共重合体の構成
成分のうち、上記脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ジオー
ル、および上記ジヒドロキシ化合物と上記モノヒドロキ
シ化合物のうち少なくともいずれか一方を構成成分とす
るポリエステル、(以下ポリエステル(A)という)に
ついて説明する。
【0016】ポリエステル(A)の構成成分である脂肪
族ジカルボン酸は、下記一般式〔I〕で表される。脂肪
族ジカルボン酸としては、炭素数が10以下のジカルボ
ン酸が好ましい。
【0017】
【化7】
【0018】(式中、nは0〜10の整数を示す。)こ
のような化合物としては、例えばシュウ酸、マロン酸、
コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸および
セバチン酸が好適に用いられる。炭素数nが10を越え
る脂肪族ジカルボン酸を用いると、得られるポリエステ
ル共重合体組成物を用いた成形体の各種物性が劣る。
【0019】本発明に使用されるポリエステル(A)の
構成成分である脂肪族ジオールとしては、以下に示すグ
リコールおよびポリアルキレンオキシドがあげられる。
【0020】上記グリコールとしては、例えば、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、トリメチレング
リコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジ
オール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタ
ンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカ
ンジオール、シクロペンタン−1,2−ジオール、シク
ロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,
3−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シ
クロヘキサン−1,4−ジメタノール等があげられ、こ
れらは単独で使用されてもよく、二種類以上が併用され
てもよい。
【0021】上記ポリアルキレンオキシドとしては、ポ
リエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリテ
トラメチレンオキシド、ポリヘキサメチレンオキシド等
があげられ、これらは単独で使用されてもよく、二種以
上が併用されてもよい。ポリアルキレンオキシドの数平
均分子量は、100〜20,000が好ましく、より好
ましくは500〜5,000である。数平均分子量が1
00を下回ると生成するポリエステル(A)に柔軟性を
付与する能力が低下し、大きくなりすぎると得られるポ
リエステル(A)の熱安定性等の物性が劣る。
【0022】本発明に使用されるポリエステル(A)の
構成成分であるジヒドロキシ化合物は、下記一般式〔I
I〕で表される。
【0023】
【化8】
【0024】(式中、R1およびR2はそれぞれ独立し
て、アルキレン基を示し、pは3または4であり、qお
よびrはそれぞれ独立して0または1以上の整数を示
す。)上記〔II〕式において、アルキレン基R1および
2としてはそれぞれ独立して、エチレン基またはプロ
ピレン基が好ましく、qおよびrはそれぞれ独立して、
0または1が好ましい。例えば、ジヒドロキシ化合物
〔II〕としては、下記式〔IV〕で示される4,4’’−
ジヒドロキシ−p−ターフェニル、下記式〔V〕で示さ
れる4,4’’’−ジヒドロキシ−p−クォーターフェ
ニルおよび下記式〔VI〕で示される4,4’’’−ジ
(2−ヒドロキシエトキシ)−p−クォーターフェニル
等が好適に使用される。
【0025】
【化9】
【0026】
【化10】
【0027】
【化11】
【0028】上記化合物〔IV〕〜〔VI〕は、結晶性が高
く融点が高い。例えば、4,4’’−ジヒドロキシ−p
−ターフェニル〔IV〕の融点は260℃であり、4,
4’’’−ジヒドロキシ−p−クォーターフェニル
〔V〕のそれは336℃、および4,4’’’−ジ(2
−ヒドロキシエトキシ)−p−クォーターフェニル〔V
I〕のそれは403℃である。従って、これらのジヒド
ロキシ化合物〔II〕がポリマー鎖中に組み込まれた場
合、そのポリマーは特異な性質を示す。すなわちジヒド
ロキシ化合物〔II〕の配合量が少量の場合でも強固な物
理的架橋を形成する。その結果、本発明のポリエステル
共重合体中のソフトセグメント(脂肪族ジカルボン酸と
脂肪族ジオールからなるポリエステルセグメント)の融
点以上でもソフトセグメントに由来する柔軟性を損なう
ことなくソフトセグメントの流動を制御するので、耐熱
性および耐油性の高いポリエステル共重合体が得られる
ものと推察される。
【0029】本発明に使用されるポリエステル(A)の
構成成分であるモノヒドロキシ化合物は、下記一般式
〔III〕で表される。
【0030】
【化12】
【0031】(式中、R3はアルキレン基を示し、tは
2または3であり、mは0または1以上の整数を示
す。)この化合物は、その特徴ある分子構造を反映して
融点がきわめて高い。従って、上記モノヒドロキシ化合
物〔III〕をポリマー末端に組み込んだ場合、非常に強
固な物理的架橋をもたらし、上述のジヒドロキシ化合物
の場合と同様に、耐油性および耐熱性に優れた、すなわ
ち、高温耐油性に優れたポリエステル共重合体が生成す
る。
【0032】上記一般式〔III〕で示されるモノヒドロ
キシ化合物においては、R3はエチレン基またはプロピ
レン基が好ましく、mは0または1が好ましい。上記モ
ノヒドロキシ化合物としては、例えば、4−ヒドロキシ
−p−ターフェニル、4−ヒドロキシ−p−クォーター
フェニル、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−p−ターフ
ェニル、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−p−クォータ
ーフェニル等があげられる。上記モノヒドロキシ化合物
〔III〕は、それぞれ単独で使用しても良く、あるいは
二種以上を併用しても良い。
【0033】上記脂肪族ジカルボン酸〔I〕、脂肪族ジ
オールおよびジヒドロキシ化合物〔II〕および/または
モノヒドロキシ化合物〔III〕に加えて、2個の水酸基
を有するポリシリコーン、ラクトンや、芳香族ヒドロキ
シカルボン酸を構成成分として使用してもよい。
【0034】上記2個の水酸基を有するポリシリコーン
は、シロキサン結合を有する。この2個の水酸基は分子
末端にあることが好ましく、例えば、分子の両末端に各
1個ずつの水酸基を有するポリジメチルシロキサン、ポ
リジエチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン等が
あげられる。ポリシリコーンの数平均分子量は、100
〜20,000が好ましく、より好ましくは500〜
5,000である。数平均分子量が100を下回ると、
生成するポリエステルに柔軟性を付与する能力が低下
し、20,000を上回るとポリエステルの生成が困難
になる。
【0035】上記ラクトンは、開環してポリエステルの
カルボキシル基および水酸基と反応し、脂肪族鎖を付加
する性質を有する。このようなラクトンとしては環の中
に4個以上の炭素原子を有するものが好ましく用いら
れ、より好ましくは5員環〜8員環である。例えば、ε
−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−ブチロラ
クトン、エナントラクトン、カプリロラクトン等があげ
られる。上記ラクトンは2種以上を併用してもよい。
【0036】上記芳香族ヒドロキシカルボン酸としては
サリチル酸、メタヒドロキシ安息香酸、パラヒドロキシ
安息香酸、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−
ブロモ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−メトキシ−4−
ヒドロキシ安息香酸、3−メチル−4−ヒドロキシ安息
香酸、3−フェニル−4−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒ
ドロキシ−6−ナフトエ酸、4−ヒドロキシ−4’−カ
ルボキシビフェニル等があげられ、好ましくは、パラヒ
ドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、
4−ヒドロキシ−4’−カルボキシビフェニルである。
【0037】さらに、上記ポリエステル(A)には、ポ
リエステルの機械的物性等を向上させるために、ジヒド
ロキシ化合物〔II〕以外の芳香族ジオールや芳香族ジカ
ルボン酸を構成成分として含有させてもよい。
【0038】上記ジヒドロキシ化合物以外の芳香族ジオ
ールとしては、例えば、ヒドロキノン、レゾルシン、ク
ロロヒドロキノン、ブロモヒドロキノン、メチルヒドロ
キノン、フェニルヒドロキノン、メトキシヒドロキノ
ン、フェノキシヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシ
ビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテ
ル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルサルファイド、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’
−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルメタン、ビスフェノールA、1,1−ジ
(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,2−
ビス(4-ヒドロキシフェノキシ)エタン、1,4−ジ
ヒドロキシナフタリン、2,6−ジヒドロキシナフタリ
ンがあげられる。
【0039】上記芳香族ジカルボン酸としては、テレフ
タル酸、イソフタル酸、5−スルホイソフタル酸の金属
塩、4,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジ
カルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジカルボキ
シジフェニルサルファイド、4,4’−ジカルボキシジ
フェニルスルホン、3,3’−ジカルボキシベンゾフェ
ノン、4,4’−ジカルボキシベンゾフェノン、1,2
−ビス(4−カルボキシフェノキシ)エタン、1,4−
ジカルボキシナフタリン、2,6−ジカルボキシナフタ
リン等があげられる。
【0040】本発明に使用されるポリエステル(A)
が、脂肪族ジカルボン酸〔I〕、脂肪族ジオール、およ
びジヒドロキシ化合物〔II〕で構成される場合には、上
記ジヒドロキシ化合物〔II〕の含有量は、ポリエステル
(A)を構成する全モノマー中の2〜10モル%であ
る。ジヒドロキシ化合物〔II〕の含有量が少なくなると
得られるポリエステル共重合体の高温耐油性が低下し、
逆に多くなると弾性率が高くなり、かつ柔軟性が低下す
るため、熱可塑性エラストマーとしては不適当になる。
【0041】本発明に使用されるポリエステル(A)
が、脂肪族ジカルボン酸〔I〕、脂肪族ジオール、およ
びモノヒドロキシ化合物〔III〕で構成される場合に
は、モノヒドロキシ化合物〔III〕の含有量は、ポリエ
ステル(A)を構成する全モノマー中の2〜10モル%
である。モノヒドロキシ化合物〔III〕の含有量が少な
くなると得られるポリエステル共重合体の高温耐油性が
低下し、逆に多くなるとポリエステル(A)の分子量が
十分に高くならず、得られるポリエステル共重合体の物
性が低下する。
【0042】本発明に使用されるポリエステル(A)
が、上記ジヒドロキシ化合物〔II〕とモノヒドロキシ化
合物〔III〕との両者を含有する場合には、ジヒドロキ
シ化合物〔II〕とモノヒドロキシ化合物〔III〕とを合
わせたヒドロキシ化合物の含有量は、ポリエステル
(A)を構成する全モノマー中の2〜10モル%であ
る。これらのヒドロキシ化合物の含有量が低いと、得ら
れるポリエステル共重合体の高温耐油性が劣り、高すぎ
ると得られるポリエステル共重合体の柔軟性が不十分と
なり、かつ十分に分子量が高くならない。ポリエステル
(A)中のジヒドロキシ化合物〔II〕とモノヒドロキシ
化合物との合計量に対するモノヒドロキシ化合物〔II
I〕の含有割合は、 0<〔III〕/(〔II〕+〔III〕)<2/3 を満たす範囲が好ましい。
【0043】上記含有割合を求めるに際しては、上記ポ
リエステル(A)の構成成分として、上記ポリアルキレ
ンオキシドや上記ポリシリコーンを使用する場合には、
その構成単位を1モノマーと数える。すなわち、重合度
10のポリエチレンンオキシドは10モノマーとして数
える。
【0044】以上のような構成成分からなり、本発明に
使用されるポリエステル共重合体の構成成分となるポリ
エステル(A)は、以下にあげる一般に知られている任
意の重縮合方法を用いて製造することができる。
【0045】ジカルボン酸とジオール成分(脂肪族ジ
オール、ジヒドロキシ化合物、ポリアルキレンオキシ
ド、芳香族ヒドロキシカルボン酸、モノヒドロキシ化合
物等を含む)とを直接反応させる方法。
【0046】ジカルボン酸の低級エステルとジオール
成分とをエステル交換を利用して反応させる方法。
【0047】ジカルボン酸のハロゲン化物とジオール
成分をピリジン等の適当な溶媒中で反応させる方法。
【0048】ジオール成分の金属アルコラートをジカ
ルボン酸のハロゲン化物と反応させる方法。
【0049】ジオール成分のアセチル化物とジカルボ
ン酸とをエステル交換を利用して反応させる方法。
【0050】重縮合する際においては、一般にポリエス
テルを製造する際に使用される触媒が使用されてよい。
触媒としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシ
ウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロン
チウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲル
マニウム、錫、鉛、アンチモン、ヒ素、セリウム、ホウ
素、カドミウム、マンガン等の金属、その有機金属化合
物、有機酸塩、金属アルコキシド、金属酸化物等があげ
られる。
【0051】特に好ましい触媒は、酢酸カルシウム、ジ
アシル第一錫、テトラアシル第二錫、ジブチル錫オキサ
イド、ジブチル錫ジラウレート、ジメチル錫マレート、
錫ジオクタノエート、錫テトラアセテート、トリイソブ
チルアルミニウム、テトラブチルチタネート、二酸化ゲ
ルマニウム、および三酸化アンチモン等である。これら
の触媒は2種類以上併用してもよい。
【0052】さらに、重合時のポリエステル(A)の熱
安定性向上のために、以下のヒンダードフェノール系酸
化防止剤および熱安定剤を使用してもよい。
【0053】上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤と
しては、例えば、1,3,5−トリメチル−2,4,6
−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)ベンゼン、3,9−ビス〔2−〔3−(3−
t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プ
ロピオニロキシ〕−1,1−ジメチルエチル〕−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカ
ン等があげられる。
【0054】上記熱安定剤としては、例えば,トリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ト
リラウリルホスファイト、2−t−ブチル−α−(3−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−クメニル
ビス(p−ノニルフェニル)ホスファイト、ジミリスチ
ル−3,3’−チオプロピオネート、ジステアリル−
3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチル
テトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)等があ
げられる。
【0055】重合とともに副生する水および、アルコー
ル、グリコール等を効率よく留出させ、高分子量ポリマ
ーを得るために、反応系の圧力を重合後期に1mmHg
以下に減圧することが好ましい。反応温度は一般に15
0〜350℃である。
【0056】上記ポリエステル(A)の構成成分として
ジヒドロキシ化合物〔II〕を用いる場合には、重合反応
を行う際に、該ジヒドロキシ化合物〔II〕を反応系に加
える時期を変えることによって、得られるポリエステル
(A)の構造を規制することも可能である。例えば、ジ
ヒドロキシ化合物〔II〕をジカルボン酸および他のジオ
ール成分と一括して仕込んだ場合は、ランダム共重合体
が得られやすい。重合後期にジヒドロキシ化合物〔II〕
を仕込んだ場合にはブロック共重合体が得られやすくな
る。また、あらかじめジカルボン酸と他のジオール成分
とを重縮合反応させて合成したポリエステルに、ジヒド
ロキシ化合物〔II〕あるいはジヒドロキシ化合物〔II〕
のアセチル化合物を減圧加熱した状態において溶融混合
し、脱エチレングリコールあるいはエステル交換反応に
よって分子鎖にジヒドロキシ化合物〔II〕に基づくセグ
メントを導入することも可能である。
【0057】また、このポリエステル(A)には枝分か
れ成分としてジカルボン酸成分に対して5モル%まで
の、少なくとも三つのエステル形成基を有する化合物が
含まれていてもよい。上記化合物として、例えば、トリ
メリット酸、ピロメリット酸、およびそれらのメチルエ
ステルやエチルエステル、また、トリメチロールプロパ
ン、ヒドロキシヒドロキノン、およびそれらのアセチル
化物があげられる。
【0058】次に、本発明に用いられるポリエステル共
重合体組成物の構成成分である、ブチレングリコールお
よび/またはエチレングリコールを主成分とするジオー
ル成分と、テレフタル酸を主成分とする酸成分とを構成
成分とする芳香族ポリエステル(以下芳香族ポリエステ
ル(B)という)について説明する。
【0059】芳香族ポリエステル(B)は、ブチレング
リコールおよび/またはエチレングリコールを主成分と
するジオール成分と、テレフタル酸を主成分とする酸成
分とを構成成分とする。
【0060】上記ジオール成分の主成分として用いられ
るブチレングリコールとしては1,4−ブタンジオー
ル、1,3−ブタンジオールがあげられる。
【0061】さらに、芳香族ポリエステル(B)は、主
成分以外の、他のジオール成分として、上記以外の脂肪
族グリコール、2個の水酸基を有するポリシリコーン、
芳香族ジオールを含んでいてもよい。
【0062】上記ブチレングリコールおよびエチレング
リコール以外の脂肪族グリコールとしては、プロピレン
グリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オ
クタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−
デカンジオール、シクロペンタン−1,2−ジオール、
シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−
1,3−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオー
ル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、4,
4’’−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)−p−ターフェ
ニル、4,4’’’−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)−
p−クォーターフェニル等があげられる。
【0063】上記ポリシリコーンとしては、ポリエステ
ル(A)を重合する際に用いられるものがあげられる。
【0064】上記芳香族ジオールとしては、ポリエステ
ル(A)を重合する際に用いられるものや、4,4’’
−ジヒドロキシ−p−ターフェニル、4,4’’’−ジ
ヒドロキシ−p−クォーターフェニル等があげられる。
【0065】さらに、芳香族ポリエステル(B)は、主
成分以外の、他の酸成分としてテレフタル酸以外の芳香
族ジカルボン酸、芳香族ヒドロキシカルボン酸、およ
び、脂肪族ジカルボン酸を含んでいてもよい。
【0066】上記テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン
酸としては、ポリエステル(A)を重合する際に用いら
れるものがあげられる。
【0067】上記芳香族ヒドロキシカルボン酸として
は、ポリエステル(A)を重合する際に用いられるもの
があげられる。
【0068】上記脂肪族ジカルボン酸としては、ポリエ
ステル(A)を重合する際に用いられるものがあげられ
る。
【0069】これら主成分以外のジオール成分および主
成分以外の酸成分を合計した含有量はジオール成分と酸
成分の合計量(主成分およびそれ以外の成分を含む。)
の10モル%以下が好ましい。
【0070】以上のような構成成分からなる芳香族ポリ
エステル(B)は、ポリエステル(A)と同様な任意の
重縮合方法を用いて製造することができる。
【0071】重縮合する際には、ポリエステル(A)の
製造に使用されている触媒が使用されてよい。
【0072】また、重合時のポリエステル(B)の熱安
定性向上のために、ポリエステル(A)の場合と同様の
各種の安定剤を使用してよい。
【0073】また、重合とともに副生する水および、ア
ルコール、グリコール等を効率よく留出させ、高分子量
ポリマーを得るためには、反応系をの圧力を重合後期に
1mmHg以下に減圧することが好ましい。反応温度は
一般に150℃〜350℃、好ましくは170℃〜32
0℃である。
【0074】さらに、この芳香族ポリエステル(B)に
は枝分かれ成分としてジカルボン酸成分に対して5モル
%までの、少なくとも三つのエステル形成基を有する化
合物が含まれていてもよい。上記化合物として、例え
ば、トリメリット酸、ピロメリット酸、およびそれらの
メチルエステルやエチルエステル、さらに、トリメチロ
ールプロパン、ヒドロキシヒドロキノン、およびそれら
のアセチル化物があげられる。
【0075】次に、本発明の組成物に使用されるポリエ
ステル共重合体の製造方法について説明する。
【0076】本発明に使用されるポリエステル共重合体
は、上記ポリエステル(A)と上記芳香族ポリエステル
(B)とを、2mmHg以下の減圧下、220℃〜28
0℃で溶融混練して(A)と(B)の間で交差エステル
交換反応を行うことにより得られる。
【0077】上記交差エステル交換反応を行う際には、
種々の方法を用いることができる。例えば、ポリエステ
ル(A)の重合後期に芳香族ポリエステル(B)を仕込
む方法、または芳香族ポリエステル(B)の重合後期に
ポリエステル(A)を仕込む方法を取ることが出来る。
また、ポリエステル(A)と芳香族ポリエステル(B)
をそれぞれ重合後、反応容器から取り出して、プラスト
ミルや押出機により混練し、これを減圧装置を備えた反
応釜に仕込んで溶融し、エステル交換反応を行うことも
できる。また、エステル交換反応には通常ポリエステル
を重合する場合に用いる重合装置が好適に使用される
が、減圧装置を備えた押出機や混練機中でエステル交換
反応を行うこともできる。
【0078】上記交差エステル交換反応は無触媒でも進
行するが、上記触媒を使用してもよい。
【0079】上記交差エステル交換反応を行う際の圧力
が2mmHgをこえると、エステル交換反応中に生成す
る低分子量物がポリエステル共重合体から十分に取り除
けないため、得られるポリエステルの物性が低下する。
【0080】上記交差エステル交換反応を行う温度は、
220℃〜280℃であり、好ましくは230℃〜28
0℃である。220℃を下回ると樹脂の粘度が高くなり
混練が困難になり、また、ポリエステル(A)と芳香族
ポリエステル(B)との間の交差エステル交換反応も遅
くなる。280℃を上回るとポリエステル(A)と芳香
族ポリエステル(B)との間の交差エステル交換反応が
激しくなりランダム化を抑制できなくなり、その上、熱
分解その他好ましくない反応が起こるので不適当であ
る。
【0081】ここで、ランダム化とは、上記ポリエステ
ル共重合体において、芳香族ポリエステルセグメントの
セグメント長が短くなることをいう。ランダム化は、上
記ポリエステル共重合体の芳香族ポリエステルセグメン
トに基づく結晶化温度の低下で観察される。本発明に使
用されるポリエステル共重合体の高温耐油性を確保する
ために、この結晶化温度(測定条件:示差走査熱量計を
用い、窒素雰囲気下、室温から280℃まで10℃/分
で昇温した後、10℃/分で冷却したときに得られる発
熱曲線のピーク温度)は、120℃以上、好ましくは1
40℃以上であることが望ましい。
【0082】上記交差エステル交換反応を行う時間は、
5分以上3時間以下であり、好ましくは10分以上3時
間以下であり、より好ましくは10分以上2時間以下で
ある。5分未満であるとポリエステル(A)と芳香族ポ
リエステル(B)とのエステル交換が十分進行しない。
また、3時間を越えるとランダム化が進み、目的とする
ブロック共重合体が得られない上に、熱分解等の副反応
が起こるので不適当である。
【0083】本発明の成形体に使用されるポリエステル
共重合体組成物に用いられるポリエステル共重合体は、
20〜70重量%のポリエステル(A)と80〜30重
量%の芳香族ポリエステル(B)から得られる。芳香族
ポリエステル(B)が80重量%を越えると柔軟性が不
十分となる。芳香族ポリエステル(B)が30重量%を
下回ると得られるブロック共重合体と、それと同組成の
ランダム共重合体との間の物性の差が現れなくなる。
【0084】さらに、本発明に使用されるポリエステル
共重合体を製造する際に、固相重合を行ってもよい。
【0085】上述のようにして得られるポリエステル共
重合体の、極限粘度(o−クロロフェノール/1,1,
2,2−テトラクロロエタン=5/4の体積比からなる
混合溶媒中、30℃)は0.8〜3.0である。0.8
を下回ったポリエステル共重合体を用いた場合には、該
ポリエステル共重合体を含有する組成物の耐熱性および
機械的物性が劣り、3.0より上回るポリエステル共重
合体を用いた場合には、該組成物を成形することが困難
になる。
【0086】次に、本発明の成形体に用いられるポリエ
ステル共重合体組成物について説明する。
【0087】本発明の成形体に使用されるポリエステル
共重合体組成物は、上述のポリエステル共重合体とポリ
カルボジイミドを反応させることにより得られる。ポリ
カルボジイミドをポリエステル共重合体に含有させるこ
とにより、このポリエステルの耐熱性は向上し、その成
形体を高温下に使用しても分子量が低下しない。これ
は、ポリカルボジイミドがポリエステルの末端カルボキ
シル基と反応してこれを封止し、あるいは2つの末端カ
ルボキシル基をつないで分子鎖を延長するので、分子量
の低下が抑制されると推測される。このようなポリカル
ボジイミドは、1分子あたり平均2個以上のカルボジイ
ミドを有するポリカルボジイミドであり、脂肪族、脂環
族、芳香族のいずれでもよい。例えば、ポリ(トリルカ
ルボジイミド)、ポリ(4,4’−ジフェニルメタンカ
ルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミ
ド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ
(1,3,5−トリイソプロピルフェニレン−2,4−
カルボジイミド)等があげられる。上記ポリカルボジイ
ミドは、2種以上を併用してもよい。
【0088】上記ポリカルボジイミドは、上記ポリエス
テル共重合体100重量部に対して0.3〜5.0重量
部の割合で配合される。0.3重量部より少ないと、十
分な耐熱性を有するポリエステル共重合体組成物が得ら
れず、5.0重量部より多いとポリエステル共重合体組
成物の物性が劣る。
【0089】本発明に使用されるポリエステル共重合体
組成物には、実用性を損なわない範囲で以下の添加剤が
添加されてもよい。
【0090】(i)無機繊維:ガラス繊維、炭素繊維、
ボロン繊維、炭化けい素繊維、アルミナ繊維、アモルフ
ァス繊維、シリコン・チタン・炭素系繊維等; (ii)有機繊維;アラミド繊維等; (iii)無機充填剤;炭酸カルシウム、酸化チタン、
マイカ、タルク等; (iv)難燃剤;ヘキサブロモシクロドデカン、トリス
−(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、ペンタ
ブロモフェニルアリルエーテル等; (v)熱安定剤;3,9−ビス〔2−〔3−(3−t−
ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピ
オニロキシ〕−1,1−ジメチルエチル〕2,4,8,
10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、トリ
エチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5
−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート〕、テトラキス〔メチレン(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)〕メタ
ン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘ
キサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシ−ヒドロシンナムアミド)、ジオクタデシルジス
ルフィド、トリフェニルホスファイト、トリラウリルホ
スファイト、2−t−ブチル−α−(3−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)−p−クメニルビス(p−ノ
ニルフェニル)ホスファイト、ポリ(トリカルボジイミ
ド)、ポリ(4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミ
ド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ
(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(1,3,5
−トリイソプロピルフェニレン−2,4−カルボジイミ
ド)等; (vi)帯電防止剤:N,N−ビス(ヒドロキシエチ
ル)アルキルアミン、アルキルアリルスルホネート、ア
ルキルスルファネート等; (vii)無機物粉末:硫酸バリウム、アルミナ、酸化
けい素等; (viii)高級脂肪酸塩:ステアリン酸ナトリウム、
ステアリン酸バリウム、パルミチン酸ナトリウム等; (ix)紫外線吸収剤:p−t−ブチルフェニルサリシ
レート、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシ
ベンゾフェノン、2,4,5−トリヒドロキシブチロフ
ェノン等; (x)酸化防止剤:ブチルヒドロキシアニソール、ブチ
ルヒドロキシトルエン、ジラウリル−3,3’−チオジ
プロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロ
ピオネート、ジステアリス−3,3’−チオジプロピオ
ネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリル
チオプロピオネート)、ジトリデシル−3,3’−チオ
ジプロピオネート等; (xi)結晶化促進剤:ベンジルアルコール、ベンゾフ
ェノン等;さらに、本発明に使用されるポリエステル共
重合体組成物に、他の熱可塑性樹脂、例えばポリウレタ
ン、ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリスチレ
ン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルフォン、
ポリエステル等、あるいはゴム成分を混合することによ
り、ポリエステル共重合体組成物の性質を改質して使用
することが可能である。
【0091】上記ポリエステル共重合体に、ポリカルボ
ジイミドおよび必要に応じて上記各種の添加剤の各成分
を混合するには、通常、樹脂を均一に混合できる公知の
方法を用いることができる。例えば、プラストミル、押
出機、ニーダー、バンバリーミキサー等による溶融混練
法を用いることができる。
【0092】本発明のポリエステル共重合体組成物を成
形し、ホース、チューブ等の管状成形体を得る方法とし
ては、押出成形、射出成形、ブロー成形等の成形方法を
用いることができる。
【0093】本発明のカバーブーツは、上記管状成形体
と同様のポリエステル共重合体組成物を成形して得られ
る。
【0094】図1は本発明のカバーブーツの側面図であ
る。カバーブーツ1はその一部に蛇腹部2を有する成形
体である。カバーブーツ1は、その全部が蛇腹部2で成
形されていても良い。
【0095】上記ポリエステル共重合体組成物を成形し
て本発明のカバーブーツ1を得る方法としては、例え
ば、上記管状成形体を得る方法としてあげた方法をあげ
ることができ、押出ブロー成形機を用いた押出成形法が
好適である。
【0096】以下に、本発明を実施例に基づいて説明す
る。
【0097】
【実施例】ポリエステルの極限粘度は、ウベローデ粘度
管を用い,o−クロロフェノール溶媒中30℃で測定し
た。
【0098】結晶化温度(以下Tcと表す)は、示差走
査熱量計(セイコー電子工業製:DSC 220C)を
用いて、冷却温度10℃/分の時の発熱曲線のピーク温
度で評価した。
【0099】以下の各実施例および各比較例において芳
香族ポリエステル(B)として東洋紡社製〔ポリ(1,
4−ブチレンテレフタレート)〕C7000Nを用い
た。
【0100】(実施例1) <ポリエステル(A)の合成>アジピン酸ジメチル1
7.42kg(100mol)、エチレングリコール1
4.9kg(240mol)および4,4’’’−ジヒ
ドロキシ−p−クォーターフェニル(以下、DHQと省
略する)3.39kg(10mol)のモノマー混合物
に、触媒として二酸化ゲルマニウム20gおよび酢酸カ
ルシウム10gと、安定剤として1,3,5−トリメチ
ル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシベンジル)ベンゼン20g、およびトリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト20
gを加え、反応系を窒素下、200℃で3時間反応させ
た。反応と共にフラスコからメタノールが留出し始め
た。次いでこの反応系を320℃まで昇温して、この状
態で20分間常圧で保持した後、300℃に降温し、1
mmHg以下に減圧した状態で1時間重縮合反応を行っ
た。反応と共にエチレングリコールが留出し反応容器内
には粘ちょうな流体が生成した。
【0101】<ポリエステル共重合体の合成>上記の反
応容器を、減圧を保ち攪拌を続けながら260℃に降温
した。反応容器内に窒素を導入して減圧を解除した。窒
素を流した状態でサンプル投入口を開け、攪拌を微速で
行いながら予め120℃で4時間乾燥したポリ(1,4
−ブチレンテレフタレート)20kgを投入した。15
分間でポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)を融解
させた後、攪拌速度を大きくし反応容器内を均一にかき
混ぜた。窒素を流すのを止め、次いで10分間かけて反
応容器内を1mmHg以下に減圧した。1時間後窒素を
導入して減圧を解除し、生成物を水中に投入して急冷す
ることにより薄い橙色を帯びた樹脂を得た。上記の方法
で、このポリエステル共重合体の極限粘度と結晶化温度
を測定した。
【0102】<ポリエステル共重合体組成物の製造>こ
のポリエステル共重合体に、ポリカルボジイミドとして
ポリ(1,3,5−トリイソプロピルフェニレン−2,
4−カルボジイミド)(住友バイエルウレタン(株),
スタバクソールP−100)を表1に示す割合で、また
熱安定剤として3,9−ビス〔2−〔3−(3−t−ブ
チル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピ
オニロキシ〕−1,1−ジメチルエチル〕2,4,8,
10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカンを0.
2重量部、イオウ系酸化防止剤として、ペンタエリスリ
チルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)を
0.32重量部の割合で配合し、二軸押出機を用い24
0℃で押し出しポリエステル共重合体組成物を得た。こ
の組成物を一軸押出機により、内径10mm外径14m
mのホース金型を用いて押出し、ホースを成形した。成
形温度は金型が235℃、バレル部分はホッパー側21
5℃〜220℃、中間部、先端部で230℃〜235℃
とした。
【0103】耐油性試験として、このホースを20cm
の長さに切断し、JIS3号油をホース内部に充填し、
両側をシリコン栓で密封して、130℃のギアーオーブ
ン中に静置した。60日後室温に冷却し、油を抜きだし
た後、90度に折り曲げた表面状態を目視により観察し
た。その結果、本実施例におけるホース表面には割れ
(クラック)等もなく柔軟性を保っていた。
【0104】(実施例2,3)実施例1に用いたポリエ
ステル共重合体を用い、表1に示す配合比でポリエステ
ル共重合体組成物を製造した他は、実施例1と同様にホ
ースを成形し耐油性試験を行った。
【0105】(比較例1〜2)実施例1に用いたポリエ
ステル共重合体を用い、表1に示す配合比でポリエステ
ル共重合体組成物を製造した他は、実施例1と同様にホ
ースを成形し耐油性試験を行った。
【0106】(比較例3) <ポリエステル(A)の合成>二酸化ゲルマニウムを1
0gとし、重縮合反応を45分間行ったこと以外は実施
例1と同様にした。
【0107】<ポリエステル共重合体の合成>反応容器
を1mmHg以下に減圧してから、40分後に窒素を導
入したこと以外は実施例1と同様にした。上記の方法
で、このポリエステル共重合体の極限粘度と結晶化温度
を測定した。このポリエステル共重合体から、表1に示
す配合比でポリエステル共重合体組成物を製造した他
は、実施例1と同様にホースを成形し耐油性試験を行っ
た。
【0108】(比較例4)ポリエステル共重合体の合成
において、300℃からの降温を290℃までとし、2
90℃でポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)と溶
融混練したこと以外は、実施例1と同様にしたところ、
赤茶色の透明な樹脂を得た。このポリエステル共重合体
の極限粘度を上記の方法で測定した。このポリエステル
共重合体の結晶化温度を上記の方法を用、300℃から
200℃までの範囲で測定したが、発熱曲線上に結晶化
に基づくピークは観察されなかった。
【0109】この樹脂を用い、表1に示す配合比でポリ
エステル共重合体組成物を製造し、成形温度を金型部で
220℃、バレル部分でホッパー側205℃〜210
℃、中間部、先端部で220℃〜225℃としたこと以
外は、実施例1と同様にホースを成形し耐油性試験を行
った。
【0110】(比較例5)ポリエステル共重合体の合成
において、減圧下での圧力を5mmHg以上10mmH
g以下の範囲内にしたこと以外は、実施例1と同様にし
た。
【0111】上記の方法で、ポリエステル共重合体の極
限粘度を測定した。
【0112】この樹脂を用い、表1に示す配合比でポリ
エステル共重合体組成物を製造した他は、実施例1と同
様にホースを成形し耐油性試験を行った。 (実施例4) <ポリエステル(A)の合成>アジピン酸ジメチル1
0.45kg(60mol)、エチレングリコール8.
94kg(144mol)およびDHQ1.02kg
(3.0mol)のモノマー混合物に、触媒として二酸
化ゲルマニウム12gおよび酢酸カルシウム6gと、安
定剤として1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリ
ス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン12g、およびトリス(2,4−ジ−t−
ブチルフェニル)ホスファイト12gを加え、反応系を
窒素下、200℃で3時間反応させた。反応と共にフラ
スコからメタノールが留出し始めた。次いでこの反応系
を320℃まで昇温して、この状態で15分間常圧で保
持した後、300℃に降温し、1mmHg以下に減圧し
た状態で1時間重縮合反応を行った。反応と共にエチレ
ングリコールが留出し反応容器内には粘ちょうな流体が
生成した。
【0113】<ポリエステル共重合体の合成>上記の反
応容器を、減圧を保ち攪拌を続けながら245℃に降温
した。反応容器内に窒素を導入して減圧を解除した。窒
素を流した状態でサンプル投入口を開け、攪拌を微速で
行いながら予め120℃で4時間乾燥したポリ(1,4
−ブチレンテレフタレート)28kgを投入した。15
分間でポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)を融解
させながら235℃に降温した後、攪拌速度を大きく
し、反応容器内を均一にかき混ぜた。窒素を流すのを止
め、次いで5分間かけて反応容器内を1mmHg以下に
減圧した。1時間後窒素を導入して減圧を解除し、生成
物を水中に投入して急冷することにより薄い橙色を帯び
た樹脂を得た。
【0114】上記の方法で、このポリエステル共重合体
の極限粘度と結晶化温度を測定した。この樹脂を用い、
表1に示す配合比でポリエステル共重合体組成物を製造
した他は、実施例1と同様にホースを成形し耐油性試験
を行った。
【0115】(実施例5) <ポリエステル(A)の合成>アジピン酸ジメチル2
0.9kg(120mol)、エチレングリコール1
7.88kg(288mol)およびDHQ5.09k
g(15mol)のモノマー混合物に、触媒として二酸
化ゲルマニウム24gおよび酢酸カルシウム12gと、
安定剤として1,3,5−トリメチル−2,4,6−ト
リス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン24g、およびトリス(2,4−ジ−t−
ブチルフェニル)ホスファイト24gを加え、反応系を
窒素下、200℃で3時間反応させた。反応と共にフラ
スコからメタノールが留出し始めた。次いでこの反応系
を320℃まで昇温して、この状態で25分間常圧で保
持した後、300℃に降温し、1mmHg以下に減圧し
た状態で1時間重縮合反応を行った。反応と共にエチレ
ングリコールが留出し反応容器内には粘ちょうな流体が
生成した。
【0116】<ポリエステル共重合体の合成>上記の反
応容器を、減圧を保ち攪拌を続けながら270℃に降温
した。反応容器内に窒素を導入して減圧を解除した。窒
素を流した状態でサンプル投入口を開け、攪拌を微速で
行いながら予め120℃で4時間乾燥したポリ(1,4
−ブチレンテレフタレート)16kgを投入した。15
分間でポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)を融解
させた後、攪拌速度を大きくし、反応容器内を均一にか
き混ぜた。窒素を流すのを止め、次いで10分間かけて
反応容器内を1mmHg以下に減圧した。1時間後窒素
を導入して減圧を解除し、生成物を水中に投入して急冷
することにより薄い橙色を帯びた樹脂を得た。
【0117】上記の方法で、このポリエステル共重合体
の極限粘度と結晶化温度を測定した。この樹脂を用い、
表1に示す配合比でポリエステル共重合体組成物を製造
した他は、実施例1と同様にホースを成形し耐油性試験
を行った。
【0118】(比較例6) <ポリエステル(A)の合成>アジピン酸ジメチル3.
49kg(20mol)、エチレングリコール2.98
kg(48mol)およびDHQ0.68kg(2mo
l)のモノマー混合物に、触媒として二酸化ゲルマニウ
ム4gおよび酢酸カルシウム2gと、安定剤として1,
3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン4
g,トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフ
ァイト4gを加え、反応系を窒素下、200℃で2時間
反応させた。反応と共にフラスコからメタノールが留出
し始めた。次いでこの反応系を320℃まで昇温して、
この状態で20分、常圧で保持した後、300℃に降温
し、1mmHg以下に減圧した状態で40分間重縮合反
応を行った。反応と共にエチレングリコールが留出し、
反応容器内には粘ちょうな流体が生成した。
【0119】<ポリエステル共重合体の合成>上記の反
応容器を、減圧を保ち攪拌を続けながら260℃に降温
した。反応容器内に窒素を導入して減圧を解除した。窒
素を流した状態でサンプル投入口を開け、攪拌を微速で
行いながら予め120℃で4時間乾燥したポリ(1,4
−ブチレンテレフタレート)36kgを投入した。15
分間でポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)を融解
させた後、攪拌速度を大きくし、反応容器内を均一にか
き混ぜた。窒素を流すのを止め、次いで10分間かけて
反応容器内を1mmHg以下に減圧した。1時間後窒素
を導入して減圧を解除し、生成物を水中に投入して急冷
することにより薄い橙色を帯びた樹脂を得た。
【0120】上記の方法で、このポリエステル共重合体
の極限粘度を測定した。この樹脂を用い、表1に示す配
合比でポリエステル共重合体組成物を製造した他は、実
施例1と同様にホースを成形し耐油性試験を行った。
【0121】(比較例7) <ポリエステル(A)の合成>アジピン酸ジメチル2
7.87kg(160mol)、エチレングリコール2
3.84kg(384mol)およびDHQ5.42k
g(16mol)のモノマー混合物に、触媒として二酸
化ゲルマニウム32gおよび酢酸カルシウム16gと、
安定剤として1,3,5−トリメチル−2,4,6−ト
リス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン32g,トリス(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)ホスファイト32gを加え、反応系を窒素
下、200℃で3時間反応させた。反応と共にフラスコ
からメタノールが留出し始めた。次いでこの反応系を3
20℃まで昇温して、この状態で20分、常圧で保持し
た後、300℃に降温し、1mmHg以下に減圧した状
態で1時間重縮合反応を行った。反応と共にエチレング
リコールが留出し、反応容器内には粘ちょうな流体が生
成した。
【0122】<ポリエステル共重合体の合成>上記の反
応容器を、減圧を保ち攪拌を続けながら260℃に降温
した。反応容器内に窒素を導入して減圧を解除した。窒
素を流した状態でサンプル投入口を開け、攪拌を微速で
行いながら予め120℃で4時間乾燥したポリ(1,4
−ブチレンテレフタレート)8kgを投入した。15分
間でポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)を融解さ
せた後、攪拌速度を大きくし、反応容器内を均一にかき
混ぜた。窒素を流すのを止め、次いで10分間かけて反
応容器内を1mmHg以下に減圧した。1時間後窒素を
導入して減圧を解除し、生成物を水中に投入して急冷す
ることにより薄い橙色を帯びた樹脂を得た。
【0123】上記の方法で、このポリエステル共重合体
の極限粘度を測定した。この樹脂を用い、表1に示す配
合比でポリエステル共重合体組成物を製造した他は、実
施例1と同様にホースを成形し耐油性試験を行った。
【0124】(比較例8) <ポリエステル(A)の合成>DHQを0.34kg
(1mol)とし、320℃の状態を5分とし、重縮合
反応を290℃で行った他は、実施例1と同様に行っ
た。
【0125】<ポリエステル共重合体の合成>実施例1
と同様にしてポリエステル共重合体を得た。上記の方法
で、ポリエステル共重合体の極限粘度を測定した。この
樹脂を用い、表1に示す配合比でポリエステル共重合体
組成物を製造した他は、実施例1と同様にホースを成形
し耐油性試験を行った。 (比較例9) <ポリエステル(A)の合成>アジピン酸ジメチル1
0.45kg(60mol)、エチレングリコール8.
94kg(144mol)およびDHQ4.27kg
(12.6mol)のモノマー混合物に、触媒として二
酸化ゲルマニウム12gおよび酢酸カルシウム6gと、
安定剤として1,3,5−トリメチル−2,4,6−ト
リス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン18g、およびトリス(2,4−ジ−t−
ブチルフェニル)ホスファイト18gを加え、反応系を
窒素下、200℃で3時間反応させた。反応と共にフラ
スコからメタノールが留出し始めた。次いでこの反応系
を320℃まで昇温して、この状態で1時間、常圧で保
持した後、300℃に降温し、1mmHg以下に減圧し
た状態で30分間重縮合反応を行った。反応と共にエチ
レングリコールが留出し、反応容器内には極めて粘ちょ
うな流体が生成した。
【0126】<ポリエステル共重合体の合成>300℃
から270℃に降温し、ポリ(1,4−ブチレンテレフ
タレート)の投入量を28kgとした以外は実施例1と
同様にしてポリエステル共重合体を得た。
【0127】上記の方法で、このポリエステル共重合体
の極限粘度と結晶化温度を測定した。この樹脂を用い、
表1に示す配合比でポリエステル共重合体組成物を製造
した他は、実施例1と同様にホースを成形し耐油性試験
を行った。
【0128】
【表1】
【0129】1)ポリエステル共重合体組成重量比;ポ
リエステル(A)/芳香族ポリエステル(B) 2)ポリエステル共重合体を合成するときの温度 3)ポリエステル共重合体100重量部に対するポリカ
ルボジイミドの添加量 4)耐油性試験後(130℃、60日後)の割れ発生状
況 5)ポリエステル(A)を構成する全モノマーに対しD
HQ2.5mol% 6)ポリエステル(A)を構成する全モノマーに対しD
HQ6.25mol% 7)ポリエステル(A)を構成する全モノマーに対しD
HQ0.5mol% 8)ポリエステル(A)を構成する全モノマーに対しD
HQ10.5mol% 比較例6および比較例9では管状成形体の柔軟性が不足
したため、90℃に曲げると成形体は完全に破断した。
【0130】(実施例6)実施例1で得られたポリエス
テル共重合体を押出ブロー成形機を用いて、図1で示す
ように一部に蛇腹部2を有するカバーブーツ1を成形し
た。図1において、外径H1は93mm、Bの外径は3
0mmであった。蛇腹部2の最大山部の外径は105m
m、最小山部の外径は70mm、最大谷部の外径は72
mm、最小谷部の外径は50mm、カバーブーツ1の平
均肉厚は1.3mmであった。
【0131】このカバーブーツを、130℃にて60日
間JIS3号油に浸漬した。浸漬後、蛇腹部分が平面に
なるように水平に引き伸ばし割れの発生状況を10倍の
拡大鏡を用いて観察した。結果を表2に示す。
【0132】(実施例7)実施例2で得られたポリエス
テル共重合体組成物を使用したこと以外は、実施例6と
同様にして試験した。
【0133】(実施例8)実施例3で得られたポリエス
テル共重合体組成物を使用したこと以外は、実施例6と
同様にして試験した。
【0134】(比較例10)比較例1で得られたポリエ
ステル共重合体組成物を使用したこと以外は、実施例6
と同様にして試験した。
【0135】(比較例11)比較例2で得られたポリエ
ステル共重合体組成物を使用したこと以外は、実施例6
と同様にして試験した。
【0136】(比較例12)比較例3で得られたポリエ
ステル共重合体組成物を使用したこと以外は、実施例6
と同様にして試験した。
【0137】(比較例13)比較例4で得られたポリエ
ステル共重合体組成物を使用したこと以外は、実施例6
と同様にして試験した。
【0138】(比較例14)比較例5で得られたポリエ
ステル共重合体組成物を使用したこと以外は、実施例6
と同様にして試験した。
【0139】(実施例9)実施例4で得られたポリエス
テル共重合体組成物を使用したこと以外は、実施例6と
同様にして試験した。
【0140】(実施例10)実施例5で得られたポリエ
ステル共重合体組成物を使用したこと以外は、実施例6
と同様にして試験した。
【0141】(比較例15)比較例6で得られたポリエ
ステル共重合体組成物を使用したこと以外は、実施例6
と同様にして試験した。
【0142】(比較例16)比較例7で得られたポリエ
ステル共重合体組成物を使用したこと以外は、実施例6
と同様にして試験した。
【0143】(比較例17)比較例8で得られたポリエ
ステル共重合体組成物を使用したこと以外は、実施例6
と同様にして試験した。
【0144】(比較例18)比較例9で得られたポリエ
ステル共重合体組成物を使用したこと以外は、実施例6
と同様にして試験した。
【0145】
【表2】
【0146】1)ポリエステル共重合体組成重量比;ポ
リエステル(A)/芳香族ポリエステル(B) 2)ポリエステル共重合体を合成するときの温度 3)ポリエステル共重合体100重量部に対するポリカ
ルボジイミドの添加量 4)耐油性試験後(130℃、60日後)の割れ発生状
況 5)ポリエステル(A)を構成する全モノマーに対しD
HQ2.5mol% 6)ポリエステル(A)を構成する全モノマーに対しD
HQ6.25mol% 7)ポリエステル(A)を構成する全モノマーに対しD
HQ0.5mol% 8)ポリエステル(A)を構成する全モノマーに対しD
HQ10.5mol%
【0147】
【発明の効果】本発明によれば、結晶性が高く、融点の
高いジヒドロキシ化合物やモノヒドロキシ化合物に基づ
くセグメントが特定量導入されているポリエステルと、
テレフタル酸を主成分とする芳香族ポリエステルからな
る、一定分子量以上のポリエステル共重合体にポリカル
ボジイミドを配合した組成物を用いることにより、高温
耐油性に優れた管状成形体およびカバーブーツを得るこ
とができ、作業油を使用する機械の部分に使用する各種
部材として好適に使用し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカバーブーツの側面図である。
【符号の説明】
1 カバーブーツ 2 蛇腹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸本 大志郎 大阪府茨木市三島丘2丁目24番23号サンハ イツ三島丘306

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)下記一般式〔I〕で表される脂肪族
    ジカルボン酸、脂肪族ジオール、および下記一般式〔I
    I〕で表されるジヒドロキシ化合物と下記一般式〔III〕
    で表されるモノヒドロキシ化合物のうち少なくともいず
    れか一方を構成成分とし、該ジヒドロキシ化合物と該モ
    ノヒドロキシ化合物とを合わせたヒドロキシ化合物の含
    有量が全モノマーに対して2〜10モル%であるポリエ
    ステル20〜70重量%と、 (B)ブチレングリコールおよび/またはエチレングリ
    コールを主成分とするジオール成分と、テレフタル酸を
    主成分とする酸成分とを構成成分とする芳香族ポリエス
    テル80〜30重量%、とを、2mmHg以下の減圧
    下、220℃〜280℃で溶融混練して(A)と(B)
    との間で交差エステル交換反応を行うことにより得ら
    れ、かつo−クロロフェノール/1,1,2,2−テト
    ラクロロエタン=5/4の体積比からなる混合溶媒中、
    30℃において測定した極限粘度が0.8〜3.0であ
    るポリエステル共重合体100重量部に、ポリカルボジ
    イミドを0.3〜5.0重量部配合してなるポリエステ
    ル共重合体組成物から成形される管状成形体。 【化1】 (式中、nは0〜10の整数を示す。) 【化2】 (式中、R1およびR2はそれぞれ独立して、アルキレン
    基を示し、pは3または4であり、qおよびrはそれぞ
    れ独立して0または1以上の整数を示す。) 【化3】 (式中、R3はアルキレン基を示し、tは2または3で
    あり、mは0または1以上の整数を示す。)
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のポリエステル共重合体
    組成物から成形される、少なくとも一部に蛇腹部を有す
    るカバーブーツ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2017038864A1 (ja) * 2015-09-03 2017-03-09 ウィンテックポリマー株式会社 ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2017038864A1 (ja) * 2015-09-03 2017-03-09 ウィンテックポリマー株式会社 ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物
JPWO2017038864A1 (ja) * 2015-09-03 2018-02-22 ウィンテックポリマー株式会社 ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物
CN107922718A (zh) * 2015-09-03 2018-04-17 胜技高分子株式会社 聚对苯二甲酸丁二醇酯树脂组合物

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