JP2512615B2 - 脂肪族ポリエステルの製造方法 - Google Patents

脂肪族ポリエステルの製造方法

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JP2512615B2 JP21178390A JP21178390A JP2512615B2 JP 2512615 B2 JP2512615 B2 JP 2512615B2 JP 21178390 A JP21178390 A JP 21178390A JP 21178390 A JP21178390 A JP 21178390A JP 2512615 B2 JP2512615 B2 JP 2512615B2
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  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は熱可塑性エラストマーとしての性質を有し、
耐熱性、機械的強度および成形加工性に優れている脂肪
族ポリエステルを安定して製造する方法に関する。
(従来の技術) 熱可塑性エラストマーは常温でゴム弾性を示し、しか
も成形可能なため、各種工業用品に広く用いられてい
る。時に、p−ターフェニルもしくはp−クォーターフ
ェニル骨格を有するジヒドロキシもしくはモノヒドロキ
シ化合物を構成成分とする脂肪族ポリエステルは、機械
的物性に優れた熱可塑性エラストマーを提供し得、本出
願人はこの脂肪族ポリエステルに関する発明を既に出願
した(例えば、特願平1−263476号)。
ところで、脂肪族ポリエステルを合成するには、一般
にはジカルボン酸の低級エステルとグリコールとをエス
テル交換反応用触媒の存在下でエステル交換反応させ、
続いて脱グリコール反応により行われる。そして、上記
ヒドロキシ化合物を構成成分の一部として用いてポリエ
ステルを合成しようとすれば、このヒドロキシ化合物は
共重合モノマーに極めて溶けにくいので、重合系を均一
状態に保つために、重合温度は300℃近くもしくはそれ
以上の高温にすることが必要となる。
(発明が解決しようとする課題) しかし、このように高温下で重縮合を行うと、上記エ
ステル交換反応用触媒が存在していることにより、生成
されたポリエステルにはジアルキレングリコール単位を
生じていたり、末端カルボキシル基が生成するなど構造
欠陥が生じやすいという欠点があった。しかも、上記触
媒が熱分解を促進するため、脂肪族ポリエステルを成形
する際の熱安定性が低下するという欠点もあった。
本発明は上記欠点を解決するためになされたものであ
り、その目的とするところは、構造欠陥が生成し難く、
しかも成形時等における熱安定性性に優れた脂肪族ポリ
エステルの製造方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明の脂肪族ポリエステルの製造方法の製造方法
は、一般式〔I〕で表わされる脂肪族ジカルボン酸と脂
肪族ジオールを直接エステル化させる工程及び、得られ
たエステル化物と、一般式〔II〕で表わされるジヒドロ
キシ化合物と一般式〔III〕で表わされるモノヒドロキ
シ化合物のうち少なくともいずれか一方とをエステル交
換する工程よりなり、そのことにより上記目的が達成さ
れる。
HOOC−(CH2)n−COOH 〔I〕 (式中、nは0〜10の整数を示す。) (式中、R1、R2は独立的にアルキレン基を示し、pは3
または4であり、q、r独立的に0または1以上の整数
を示す。) (式中、R3はアルキレン基を示し、lは2または3であ
り、mは0または1以上の整数を示す。)。
上記脂肪族ジカルボン酸において、炭素数が10を超え
るジカルボン酸を用いると、脂肪族ポリエステルから得
られる成形体の物性が低下する。上記ジカルボン酸とし
ては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタ
ル酸、アジピン酸、スベリン酸およびバセチン酸が好適
に用いられる。
上記脂肪族ジオールとしては、グリコール及びポリア
ルキレンオキシドがあげられる。上記グリコールとして
は、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オク
タンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジ
オール、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキ
サン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,3−ジオー
ル、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン
−1,4−ジメタノール等があげられ、これらは単独で使
用されてもよく、二種以上が併用されてもよい。
上記ポリアルキレンオキシドとしては、例えば、ポリ
エチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリテト
ラメチレンオキシド、ポリヘキサメチレンオキシド等が
あげられ、これらは単独で使用されてもよく、二種以上
が併用されてもよい。ポリアルキレンオキシドの数平均
分子量は、小さくなると生成する脂肪族ポリエステルに
柔軟性を付与する能力が低下し、大きくなりすぎると得
られた脂肪族ポリエステルの熱安定性等の物性が低下す
るので、100〜20,000が好ましく、より好ましくは500〜
5,000である。
上記式〔II〕で表されるジヒドロキシ化合物は液晶性
を示す低分子化合物であって、アルキレン基R1およびR2
はエチレン基又はプロピレン基が好ましく、qおよびr
は0又は1が好ましく、4,4″−ジヒドロキシ−p−タ
ーフェニル、4,4−ジヒドロキシ−p−クォーターフ
ェニル、4,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)−p−
クォーターフェニル等が好適に使用される。
4,4″−ジヒドロキシ−p−ターフェニルの結晶状態
から液晶状態への転移温度は260℃で、4,4−ジヒドロ
キシ−p−クォーターフェニルのそれは336℃、そして
4,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)−p−クォータ
ーフェニルのそれは403℃である。尚、液晶状態とは、
化合物が溶融状態であって、また分子が配向状態を保持
している状態をいう。上記各ジヒドロキシ化合物〔II〕
はそれぞれ単独で使用しても良く、あるいは併用しても
良い。
液晶性の分子は一般に結晶性が高く、上記したように
4,4″−ジヒドロキシ−p−ターフェニル、4,4−ジヒ
ドロキシ−p−クォーターフェニル及び4,4−ジ(2
−ヒドロキシエトキシ)−p−クォーターフェニル等は
その結晶から液晶状態への転移点が高いために、これら
のジヒドロキシ化合物〔II〕がポリマー鎖中に組み込ま
れた場合、そのポリマーは特異な性質を示す。すなわ
ち、ジヒドロキシ化合物〔II〕が結晶性を示し、しかも
その転移点が高いので、ジヒドロキシ化合物〔II〕の配
合量が少量の場合でも強固で耐熱性の高い物理的架橋を
形成する。その結果、ソフトセグメントに由来する柔軟
性を損なうことなく耐熱性の高い熱可塑性エラストマー
が得られるものと推察される。
上式〔III〕で示されるモノヒドロキシ化合物は、パ
ラフェニレン骨格を有する剛直性の低分子化合物であ
り、その特徴ある分子構造を反映してこれらの化合物の
融点は極めて高い。さらにパラフェニレン骨格は低分子
液晶化合物のメソゲンとして有効であることが知られて
おり、これは該骨格が固体状態のみならず高温状態(溶
融状態)においても、強い凝集力を有していることを示
すものである。従って、上記のモノヒドロキシ化合物
〔III〕をポリマー末端に組み込んだ場合、非常に強固
で耐熱性の高い物理的架橋をもたらし、耐熱性に優れた
熱可塑性エラストマーが生成する。
上式〔III〕で示されるモノヒドロキシ化合物におい
ては、R3はエチレン基またはプロピレン基が好ましく、
mは0または1が好ましい。上記モノヒドロキシ化合物
としては、例えば、4−ヒドロキシ−p−ターフェニ
ル、4−ヒドロキシ−p−クォーターフェニル、4−
(2−ヒドロキシエトキシ)−p−ターフェニル、4−
(2−ヒドロキシエトキシ)−p−クォーターフェニル
等があげられる。モノヒドロキシ化合物〔III〕は、そ
れぞれ単独で使用しても良く、あるいはそれらを併用し
ても良い。
上記脂肪族ジカルボン酸〔I〕、脂肪族ジオールおよ
びジヒドロキシ化合物〔II〕とモノヒドロキシ化合物
〔III〕のうち少なくともいずれか一方よりなる脂肪族
ポリエステルに、2個の水素基を有するポリシリコーン
や、ラクトンや、芳香族ヒドロキシカルボン酸を構成成
分として含有させてもよい。
上記ポリシリコーンは、2個の水酸基を有するもので
あり、2個の水酸基が分子末端にあるポリシリコーンが
好ましく、たとえば、分子の両末端に2個の水酸基を有
するジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシキサン、
ジフェニルポリシロキサン等があげられる。ポリシリコ
ーンの数平均分子量は、小さくなると生成するポリエス
テルに柔軟性を付与する能力が低下し、大きくなるとポ
リエステルの生成が困難になるので、100〜20,000が好
ましく、より好ましくは500〜5,000である。
上記ラクトンは、開環して酸及び水酸基と反応し、脂
肪族鎖を付加するものであって、ポリエステルに柔軟性
を付与するものであり、環の中に4個以上の炭素原子を
有するものが好ましく、より好ましくは5員環〜8員環
であり、例えばε−カプロラクトン、δ−バレロラクト
ン、γ−ブチロラクトン等があげられる。
上記芳香族ヒドロキシカルボン酸は、ポリエステルに
剛性や液晶性を付与するものであり、サリチル酸、メタ
ヒドロキシ安息香酸、パラヒドロキシ安息香酸、3−ク
ロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−ブロモ−4−ヒド
ロキシ安息香酸、3−メトキシ−4−ヒドロキシ安息香
酸、3−メチル−4−ヒドロキシ安息香酸、3−フェニ
ル−4−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナ
フトエ酸、4−ヒドロキシ−4′−カルボキシビフェニ
ル等があげられ、好ましくは、パラヒドロキシ安息香
酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、4−ヒドロキシ
−4′−カルボキシビフェニルである。
さらに、上記脂肪族ポリエステルに、ポリエステルの
機械的物性等を向上させるために、ジヒドロキシ化合物
〔II〕以外の芳香族ジオールや芳香族ジカルボン酸を構
成成分として含有させてもよい。
上記芳香族ジオールとしては、ヒドロキノン、レゾル
シン、クロロヒドロキノン、ブロモヒドロキノン、メチ
ルヒドロキノン、フェニルヒドロキノン、メトキシヒド
ロキノン、フェノキシヒドロキノン、4,4′−ジヒドロ
キシビフェニル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエー
テル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルサルファイド、
4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒ
ドロキシベンゾフェノン、4,4′−ジヒドロキシジフェ
ニルメタン、ビスフェノールA、1,1−ジ(4−ヒドロ
キシフェニル)シクロヘキサン、1,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェノキシ)エタン、1,4−ジヒドロキシナフタ
リン、2,6−ジヒドロキシナフタリン等があげられる。
上記芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、5−スルホイソフタル酸の金属塩、4,4′
−ジカルボキシビフェニル、4,4′−ジカルボキシジフ
ェニルエーテル、4,4′−ジカルボキシジフェニルサル
ファイド、4,4′−ジカルボキシジフェニルスルホン、
3,3′−ジカルボキシベンゾフェノン、4,4′−ジカルボ
キシベンゾフェノン、1,2−ビス(4−カルボキシフェ
ノキシ)エタン、1,4−ジカルボキシナフタリン、また
は2,6−ジカルボキシナフタリン等があげられる。
上記ジヒドロキシ化合物〔II〕と脂肪族ジオールと脂
肪族ジカルボン酸よりなる脂肪族ポリエステルは、ジヒ
ドロキシ化合物〔II〕の含有量が、少なくなると耐熱性
が低下し、多くなると弾性率が高くなり柔軟性が低下
し、熱可塑性エラストマーとしては不適当になるので、
上記ジヒドロキシ化合物〔II〕の含有量は、ポリエステ
ルを構成する全モノマー中の0.1〜30モル%が好まし
く、より好ましくは0.5〜20モル%であり、さらに好ま
しくは1.0〜10モル%である。尚、芳香族以外のジオー
ルとしてポリアルキレンオキシドやポリシリコーンを使
用する場合、その構成単位を1モノマーとして数える。
即ち、重合度10のポリエチレンオキシドは10モノマーと
して数える。
また、上記モノヒドロキシ化合物〔III〕と脂肪族ジ
オールと脂肪族ジカルボン酸よりなる脂肪族ポリエステ
ルは、モノヒドロキシ化合物〔III〕の含有量が少なく
なると耐熱性が低下し、多くなると脂肪族ポリエステル
の分子量が十分に上昇せず、物性的に劣ったものとなる
ので脂肪族ポリエステルを構成する全モノマー中の0.1
〜20モル%とするのが好ましい。
また、上記ジヒドロキシ化合物〔II〕とモノヒドロキ
シ化合物〔III〕と脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン
酸より成る脂肪族ポリエステルは、ジヒドロキシ化合物
〔II〕とモノヒドロキシ化合物〔III〕とを合せたヒド
ロキシ化合物の含有量が少なくなると耐熱性が低下し、
多くなると柔軟性の低下および十分な分子量上昇が得ら
れないため、脂肪族ポリエステルを構成する全モノマー
中の0.1〜30モル%とするのが好ましい。この際のジヒ
ドロキシ化合物〔II〕とモノヒドロキシ化合物〔III〕
の割合は 0<〔III〕/〔II〕+〔III〕<2/3 を満たす範囲が好ましい。
以上のような構成成分から成る脂肪族ポリエステル
は、通常、以下に挙げる第1段階及び第2段階の反応を
経て合成される。
第1段階 脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールの直接エステル
化反応により触媒を使用することなくエステル化物を合
成する。
この直接エステル化反応は、脂肪族ジカルボン酸およ
び脂肪族ジオールを不活性気流下、構成成分のうちの最
も沸点の低い成分の沸点付近以下の温度で、副生物であ
る水を留出させながら行う。
脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールの配合割合は、
脂肪族ジカルボン酸1モルに対して脂肪族ジオール1.6
〜4モルが好ましく、さらに好ましくは1.8〜2.5モルで
ある。
この第1段階の反応では、上記ジヒドロキシ化合物
〔II〕および/またはモノヒドロキシ化合物〔III〕が
反応系に同時に投入されてもよいが、脂肪族ジカルボン
酸と反応しないように、ジヒドロキシ化合物〔II〕及び
モノヒドロキシ化合物〔III〕が溶解しない条件で反応
させるのが好ましい。従って、第1段階のエステル化反
応により、主に脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールと
のエステル化物が生成する。このエステル化物の構造は
次式〔IV〕で表される。
HO−R4OOC(CH2tCOOR4−OH 〔IV〕 式〔IV〕中のtは0〜10の整数、R4な脂肪族ジカルボ
ン酸と脂肪族ジオールの配合割合等により決定され得る
二価の基であり、例えば、アルキレン基、R5OOC(C
H2tCOOR5 (R5はアルキレン基、tは0〜10の整
数、uは1以上の整数)である。
第2段階 第1段階で合成したエステル化物を200〜300℃の温度
範囲および減圧下で、ジヒドロキシ化合物〔II〕及びモ
ノヒドロキシ化合物〔III〕を溶解させ、グリコール成
分、アルコール、水を留出させながら、エステル交換反
応すると共に重縮合反応を行い高分子量化させ脂肪族ポ
リエステルを得る。充分高分子量の脂肪族ポリエステル
を得るためには1torr以下の減圧度に保つことが望まし
い。
このようにして得られた脂肪族ポリエステルは、第1
段階のエステル交換反応の際には触媒を添加する必要が
なく得られたエステル化物中に構造欠陥が少なく、また
第2段階において重縮合触媒を添加しても触媒量が少な
くてすみ、触媒による構造欠陥生成の促進がないので、
ポリマー中の構造欠陥量が大きく低減され、また成形時
の熱安定性が優れたものとなる。
上記第2段階の反応において、重縮合触媒が使用され
てよい。この重縮合触媒としては、一般にポリエステル
を製造する際に使用されている触媒が使用されてよく、
例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、
マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウ
ム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニ
ウム、錫、鉛、アンチモン、ヒ素、セリウム、ホウ素、
カドミウム、マンガンなどの金属、その有機金属化合
物、有機酸塩、金属アルコキシド、金属酸化物等があげ
られる。特に好ましい触媒は、酢酸カルシウム、ジアシ
ル第一錫、テトラアシル第二錫、ジブチル錫オキサイ
ド、ジブチル錫ジラウレート、ジメチル錫マレート、錫
ジオクタノエート、錫テトラアセテート、トリイソブチ
ルアルミニウム、テトラブチルチタネート、二酸化ゲル
マニウム、及び三酸化アンチモンである。これらの触媒
は二種以上併用してもよい。
また、脂肪族ポリエステルの製造時または製造後に、
実用性を損なわない範囲で、以下の添加剤が添加されて
もよい。
無機繊維:ガラス繊維、炭素繊維、ボロン繊維、炭化
けい素繊維、アルミナ繊維、アモロファス繊維、シリコ
ン・チタン・炭素系繊維等。
有機繊維:アラミド繊維等。
無機充填剤:炭酸カルシウム、酸化チタン、マイカ、
タルク等。
熱安定剤:トリフェニルホスファイト、トリラウリル
ホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、2
−tert−ブチル−α−(3−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)−p−クメニルビス(p−ノニルフェニ
ル)ホスファイト等。
難燃剤:ヘキサブロモシクロドデカン、トリス−(2,
3−ジクロロプロピル)ホスフェート、ペンタブロモフ
ェニルアリルエーテル等。
紫外線吸収剤:p−tert−ブチルフェニルサリシレー
ト、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−メトキシ−2′−カルボキシベンゾ
フェノン、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン等。
酸化防止剤:ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒ
ドロキシトルエン、ジステアリルチオジプロピオネー
ト、ジラウリルチオジプロピオネート、ヒンダードフェ
ノール系酸化防止剤等。
帯電防止剤:N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アルキル
アミン、アルキルアリルスルホネート、アルキルスルフ
ァネート等。
無機物:硫酸バリウム、アルミナ、酸化珪素等。
高級脂肪酸塩:ステアリン酸ナトリウム、ステアリン
酸バリウム、パルミチン酸ナトリウム等。
その他の有機化合物:ベンジルアルコール、ベンゾフ
ェノン等。
結晶化促進剤;高結晶化したポリエチレンテレフタレ
ート、ポリトランス−シクロヘキサンジメタノールテレ
フタレート等。
さらに本発明の製造方法で得られた脂肪族ポリエステ
ルは、他の熱可塑性樹脂、例えば、ポリオレフィン、変
性ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカ
ーボネート、ポリスルフォン、ポリエステル等と混合
し、あるいはゴム成分と混合してその性質を改質して使
用してもよい。
本発明の製造方法で得られた脂肪族ポリエステルは、
プレス成形、押出成形、射出成形、ブロー成形等により
成形体とされる。成形体の物性はその構成成分及びその
配合割合等によって任意に変化し得る。脂肪族ポリエス
テルは、自動車部品、ホース、ベルト、パッキン等の柔
軟性を有する成形体や、塗料、接着剤等に好適に用いる
ことができる。
(実施例) 以下に、本発明を実施例に基づいて説明する。
実施例1 アジピン酸29.25g(0.2mol)、エチレングリコール2
9.8g(0.48mol)および4,4−ジヒドロキシ−p−クォ
ーターフェニル(以下、DHQとする)6.77g(0.02mol)
の混合物に、安定剤として1,3,5−トリメチル−2,4,6−
トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン40mg、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェ
ニル)ホスファイト40mgを加え、反応系を窒素下、200
℃で2時間保ち、エステル化反応を行った。
次いで、三酸化アンチモン20mgを添加し、30分間で32
0℃まで昇温して、この状態で20分間、常圧で保持した
後、300℃に降温し、1mmHg以下に減圧した状態で1時間
重縮合反応を行った。薄灰色の樹脂が得られた。
得られた脂肪族ポリエステルの極限粘度〔η〕は、オ
ルトクロルフェノール中、30℃で測定した。
また、成形時の熱安定性を評価するために、得られた
脂肪族ポリエステルを100℃で5時間乾燥させ、フロー
テスターCFT−500(島津製作所製)により表1に示す所
定の温度で5分後と30分後のフロー粘度を測定した(試
験荷重100kg、ダイ径1mm、ダイ長さ10mm)。また、30分
後のフロー粘度測定により得られたストランドサンプル
の極限粘度も併せて測定した。これらの結果を表1に示
す。
実施例2 DHQを5.08g(0.015mol)用いた以外は、実施例1と同
様にして脂肪族ポリエステルを得、実施例1と同様の評
価を行った。結果を表1に示す。
比較例1 アジピン酸ジメチル34.84g(0.2mol)、エチレングリ
コール29.8g(0.48mol)およびDHQ6.77g(0.02mol)の
混合物に、触媒として三酸化アンチモン20mgおよび酢酸
カルシウム44mgと、安定剤として1,3,5−トリメチル−
2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシベ
ンジル)ベンゼン40mg、トリス(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)ホスファイト40mgを加え、反応系を窒素下、
200℃で2時間保ち、エステル交換反応を行った。
次いで、この反応系を30分間で320℃まで昇温して、
この状態で20分間、常圧で保持した後、300℃に降温
し、1mmHg以下に減圧した状態で1時間重縮合反応を行
った。薄灰色の樹脂が得られた。
比較例2 DHQを5.08g(0.015mol)用いた以外は、比較例1と同
様にして脂肪族ポリエステルを得、実施例1と同様の評
価を行った。結果を表1に示す。
表1より、実施例1及び2で得られた脂肪族ポリエス
テルは、極限粘度の低下及びフロー粘度の低下が、比較
例1及び2の脂肪族ポリエステルに比べて小さいことが
わかる。このことは、直接エステル化法を用いて合成し
た脂肪族ポリエステルの熱安定性が優れていることを示
している。
(発明の効果) 本発明の脂肪族ポリエステルの製造方法は、脂肪族ジ
オールと脂肪族ジカルボン酸とを直接エステル化法によ
り反応させた後、エステル交換反応を行っているので、
脂肪族ポリエステル生成時の構造欠陥がなく、また成形
時の熱安定性が優れた脂肪族ポリエステルを得ることが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸本 大志郎 大阪府茨木市三島丘2丁目11番20号 ウ メヤママンション102 (56)参考文献 特開 平3−97725(JP,A) 特公 昭48−4116(JP,B1)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式〔I〕で表わされる脂肪族ジカルボ
    ン酸と脂肪族ジオールを直接エステル化させる工程及
    び、得られたエステル化物と、一般式〔II〕で表わされ
    るジヒドロキシ化合物と一般式〔III〕で表わされるモ
    ノヒドロキシ化合物のうち少なくともいずれか一方とを
    エステル交換する工程よりなる脂肪族ポリエステルの製
    造方法: HOOC−(CH2)n−COOH 〔I〕 (式中、nは0〜10の整数を示す。) (式中、R1、R2は独立的にアルキレン基を示し、pは3
    または4であり、q、rは独立的に0または1以上の整
    数を示す。) (式中、R3はアルキレン基を示し、lは2または3であ
    り、mは0または1以上の整数を示す。)。
JP21178390A 1990-08-10 1990-08-10 脂肪族ポリエステルの製造方法 Expired - Lifetime JP2512615B2 (ja)

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