JPH04342721A - ポリエステル共重合体 - Google Patents

ポリエステル共重合体

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JPH04342721A
JPH04342721A JP11452091A JP11452091A JPH04342721A JP H04342721 A JPH04342721 A JP H04342721A JP 11452091 A JP11452091 A JP 11452091A JP 11452091 A JP11452091 A JP 11452091A JP H04342721 A JPH04342721 A JP H04342721A
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JP
Japan
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acid
aromatic polyester
diol component
polyester
component
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP11452091A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Yamaguchi
真 山口
Toranosuke Saito
斉藤 寅之助
Hironori Kadomachi
角町 博記
Daishirou Kishimoto
大志郎 岸本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Sanko Co Ltd
Original Assignee
Sanko Chemical Co Ltd
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sanko Chemical Co Ltd, Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sanko Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性エラストマー
として有用なポリエステル共重合体に関し、より詳しく
は、ゴム状弾性を有し、かつ耐熱性に優れたポリエステ
ル共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性エラストマーは、常温でゴム弾
性、低永久歪等のゴム的性質を示し、高温では溶融して
射出成形や押出成形等の通常プラッチックに対して用い
られる成形法により容易に成形できる高分子材料である
。熱可塑性エラストマーのこのような性質は、強い分子
間凝集力を有するハードセグメントと柔軟なソフトセグ
メントからなるその特徴ある分子鎖構造に起因している
。即ち、ハードセグメント間の凝集(結晶、水素結合、
ファンデアワールス力)が物理架橋点として働き、分子
鎖の拘束をもたらす。そしてこの拘束は、ハードセグメ
ント間の凝集が切れるまで保持される。従って、それ以
上の温度では熱成形が可能となる。このような特徴を有
する熱可塑性エラストマーは、プラスチック(エンジニ
アリングプラスチック)と加硫ゴムとの間をうめる新し
い高分子材料として近年その需要が大きく伸びている。
【0003】芳香族ポリエステルをハードセグメントと
し、ラクトン類をソフトセグメントとする熱可塑性エラ
ストマーに関する先行技術として、特公昭48−411
6号公報に開示されており、この公報においてはポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等
の芳香族ポリエステルとラクトン類とを30/70〜8
0/20(重量比)の割合で反応させることにより弾性
を有するポリエステルブロック共重合体を得る方法が記
載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記公報で
開示されたポリエステルブロック共重合体は、芳香族ポ
リエステルとラクトン類の組成比によって耐熱性と柔軟
性を調整しているために、耐熱性を向上させようとすれ
ば柔軟性が低下し、逆に柔軟性を向上させようとすれば
耐熱性が低下するという欠点があった。つまり、ポリエ
ステル共重合体の耐熱性を向上させるために芳香族ポリ
エステルの組成比を増大させると、室温付近でのゴム的
な柔軟性が低下し、一方、ポリエステル共重合体の柔軟
性を向上させるためにラクトン類の組成比を増大させる
と、耐熱性が低下する。
【0005】本発明は、上記の点を解決しようとするも
ので、その目的は、耐熱性および柔軟性に優れたポリエ
ステル共重合体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本第1発明は、エチレン
グリコールを主に含むジオール成分とテレフタル酸を主
に含む酸成分を構成成分とする芳香族ポリエステルと、
ポリラクトンと、ポリカルボジイミドとを反応させるこ
とにより得られるポリエステル共重合体であって、該芳
香族ポリエステルのジオール成分として、下記一般式〔
I〕で示されるジヒドロキシ化合物と下記一般式〔II
〕で表されるモノヒドロキシ化合物のうち、少なくとも
いずれか一方を構成成分とし、該ヒドロキシ化合物がジ
オール成分の0.1モル%〜30モル%含有されている
ことを特徴とし、そのことにより上記目的が達成される
【0007】
【化3】
【0008】(式中、R1,R2は独立的にアルキレン
基を示し、pは3または4であり、q,rは独立的に0
または1以上の整数を示す)。
【0009】
【化4】
【0010】(式中、R3はアルキレン基を示し、lは
2または3であり、mは0または1以上の整数を示す)
【0011】また本第2発明は、エチレングリコールお
よび/またはブチレングリコールを主に含むジオール成
分とテレフタル酸を主に含む酸成分を構成成分とする芳
香族ポリエステルと、ラクトンモノマーと、ポリカルボ
ジイミドとを反応させることにより得られるポリエステ
ル共重合体であって、該芳香族ポリエステルのジオール
成分として、請求項1に記載の一般式〔I〕で示される
ジヒドロキシ化合物と請求項1に記載の一般式〔II〕
で表されるモノヒドロキシ化合物のうち、少なくともい
ずれか一方を構成成分とし、該ヒドロキシ化合物がジオ
ール成分の0.1モル%〜30モル%含有されているこ
とを特徴とし、そのことにより上記目的が達成される。
【0012】次に本発明を詳しく説明する。
【0013】まず、本第1発明について説明する。
【0014】本発明に使用される芳香族ポリエステルは
、エチレングリコールを主に含むジオール成分とテレフ
タル酸を主に含む酸成分とを構成成分とするものである
【0015】本発明で使用するジヒドロキシ化合物は、
前記一般式〔I〕で示されるものであり、高融点の低分
子化合物であって、アルキレン基R1,R2としてはエ
チレン基またはプロピレン基が好ましく、qおよびrは
0または1が好ましい。例えば、4,4’’−ジヒドロ
キシ−p−ターフェニル、4,4’’’−ジヒドロキシ
−p−クォーターフェニル、4,4’’’−ジ(2−ヒ
ドロキシエトキシ)−p−クォーターフェニル等が好適
に使用される。4,4’’−ジヒドロキシ−p−ターフ
ェニルの融点は260℃であり、4,4’’’−ジヒド
ロキシ−p−クォーターフェニルの融点は336℃であ
り、4,4’’’−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)−p
−クォーターフェニルの融点403℃である。なお、4
,4’’’−ジヒドロキシ−p−クォーターフェニルは
、例えば、Journal of Chemical 
Society,1379−85(1940)に記載の
方法に従って合成することができる。
【0016】前記ジヒドロキシ化合物〔I〕はそれぞれ
単独使用してもよく、あるいは併用してもよい。
【0017】前記ジヒドロキシ化合物〔I〕は一般に結
晶性が高く、上記したように4,4’’−ジヒドロキシ
−p−ターフェニル、4,4’’’−ジヒドロキシ−p
−クォーターフェニル及び4,4’’’−ジ(2−ヒド
ロキシエトキシ)−p−クォーターフェニル等は融点が
高いために、これらのジヒドロキシ化合物〔I〕がポリ
マー鎖中に組み込まれた場合、そのポリマーは特異な性
質を示す。すなわち、ジヒドロキシ化合物〔I〕が結晶
性を示し、しかもその融点が高いので、ジヒドロキシ化
合物〔I〕の配合量が少量の場合でも強固で耐熱性の高
い物理的架橋を形成する。その結果、ソフトセグメント
に由来する柔軟性を損なうことなく耐熱性の高い熱可塑
性エラストマーが得られるものと推察される。
【0018】本発明で使用するモノヒドロキシ化合物は
、前記一般式〔II〕で示され、パラフェニレン骨格を
有する剛直性の低分子化合物であり、その特徴ある分子
構造を反映してこれらの化合物の融点は極めて高い。さ
らにパラフェニレン骨格は低分子液晶化合物のメソゲン
として有効であることが知られており、これは該骨格が
固体状態のみならず高温状態(溶融状態)においても、
強い凝集力を有していることを示すものである。従って
、上記のモノヒドロキシ化合物〔II〕をポリマー末端
に組み込んだ場合、非常に強固で耐熱性の高い物理的架
橋をもたらし、耐熱性に優れた熱可塑性エラストマーが
生成する。
【0019】前記一般式〔II〕で示されるモノヒドロ
キシ化合物においては、R3はエチレン基またはプロピ
レン基が好ましく、mは0または1が好ましい。上記モ
ノヒドロキシ化合物〔II〕としては、例えば、4−ヒ
ドロキシ−p−ターフェニル、4−ヒドロキシ−p−ク
ォーターフェニル、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−
p−ターフェニル、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−
p−クォーターフェニル等があげられる。モノヒドロキ
シ化合物〔II〕は、それぞれ単独で使用しても良くあ
るいはそれらを併用しても良い。
【0020】エチレングリコールと、前記ジヒドロキシ
化合物〔I〕およびモノヒドロキシ化合物〔II〕のう
ち少なくともいずれか一方と、テレフタル酸とからなる
芳香族ポリエステルに、エチレングリコール以外のグリ
コール、ポリアルキレンンオキシド、2個以上の水酸基
を有するポリシリコーン、前記式〔I〕、〔II〕以外
の芳香族ジオール成分、テレフタル酸以外の芳香族ジカ
ルボン酸、芳香族ヒドロキシカカルボン酸、および脂肪
族ジカルボン酸を構成成分として含有させてもよいが、
これらはジオール成分と酸成分の合計量の10モル%以
下が好ましい。
【0021】上記グリコールとしては、例えば、1,4
−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,3−
プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1
,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、
1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、
1,10−デカンジオール、シクロペンタン−1,2−
ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロ
ヘキサン−1,3−ジオール、シクロヘキサン−1,4
−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等
が挙げられ、これらは単独で使用されてもよく、2種以
上が併用されてもよい。
【0022】上記ポリアルキレンオキシドとしては、例
えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド
、ポリテトラメチレンオキシド、ポリヘキサメチレンオ
キシト等が挙げられ、これらは単独で使用されてもよく
、2種以上が併用されてもよい。ポリアルキレンオキシ
ドの数平均分子量は、20000以下が好ましく、より
好ましくは5000以下である。数平均分子量が大きく
なりすぎると生成する芳香族ポリエステルの熱安定性等
の物性が低下する。
【0023】上記ポリシリコーンは2個の水酸基を有す
るものであり、2個の水酸基が分子末端にあるポリシリ
コーンが好ましく、例えば、分子の両末端に2個の水酸
基を有するジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロ
キサン、ジフェニルポリシロキサン等があげられる。ポ
リシリコーンの数平均分子量は、大きくなると芳香族ポ
リエステルの生成が困難になるので、20,000以下
が好ましく、より好ましくは5,000以下である。
【0024】上記芳香族ジオールとしては、ヒドロキノ
ン、レゾルシン、クロロヒドロキノン、ブロモヒドロキ
ノン、メチルヒドロキノン、フェニルヒドロキノン、メ
トキシヒドロキノン、フェノキシヒドロキノン、4,4
’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ルサルファイト、4,4’−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,
4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、ビスフェノール
A、1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキ
サン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)エタ
ン、1,4−ジヒドロキシナフタリン、2,6−ジヒド
ロキシナフタリン等が挙げられる。
【0025】上記芳香族ジカルボン酸としては、イソフ
タル酸、5−スルホイソフタル酸の金属塩、4,4’−
ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジカルボキシジフ
ェニルエーテル、4,4’−ジカルボキシジフェニルサ
ルファイド、4,4’−ジカルボキシジフェニルスルホ
ン、3,3’−ジカルボキシベンゾフェノン、4,4’
−ジカルボキシベンゾフェノン、1,2−ビス(4−カ
ルボキシフェノキシ)エタン、1,4−ジカルボキシナ
フタリン、または2,6−ジカルボキシナフタリンなど
があげられる。
【0026】上記芳香族ヒドロキシカルボン酸は、ポリ
エステルに剛性や液晶性を付与するものであり、サリチ
ル酸、メタヒドロキシ安息香酸、パラヒドロキシ安息香
酸、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−ブロモ
−4−ヒドロキシ安息香酸、3−メトキシ−4−ヒドロ
キシ安息香酸、3−メチル−4−ヒドロキシ安息香酸、
3−フェニル−4−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキ
シ−6−ナフトエ酸、4−ヒドロキシ−4’−カルボキ
シビフェニル等が挙げられ、好ましくは、パラヒドロキ
シ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、4−ヒ
ドロキシ−4’−カルボキシビフェニルである。
【0027】上記脂肪族ジカルボン酸は、炭素数が10
以下のものが好ましく、例えば、シュウ酸、マロン酸、
琥珀酸、グルダル酸、アジピン酸、スベリル酸、セバチ
ン酸等が挙げられる。
【0028】上記ジヒドロキシ化合物〔I〕および/ま
たはモノヒドロキシ化合物〔II〕のうち少なくとも一
方のヒドロキシ化合物と、エチレングリコールと、テレ
フタル酸を主に含む酸よりなる芳香族ポリエステルは、
ジヒドロキシ化合物〔I〕および/またはモノヒドロキ
シ化合物〔II〕の含有量が少なくなると、耐熱性が低
下し、多くなると充分な分子量上昇が得られないだけで
なく、融点が上昇しもはや次の溶融エステル交換段階に
供することができないため、上記ジヒドロキシ化合物〔
I〕および/又はモノヒドロキシ化合物〔II〕の含有
量は、芳香族ポリエステルを構成するジオール成分の0
.1〜30モル%であり、より好ましくは0.5〜20
モル%であり、さらに好ましくは1.0〜10モル%で
ある。尚、芳香族以外のジオールとしてポリアルキレン
オキシドやポリシリコーンを使用する場合、その構成単
位を1モノマーとして数える。即ち、重合度10のポリ
エチレンオキシドは10モノマーとして数える。ジヒド
ロキシ化合物〔I〕とモノヒドロキシ化合物〔II〕を
合わせて使用する場合、ジヒドロキシ化合物〔I〕とモ
ノヒドロキシ化合物〔II〕の割合は、 0<〔II〕/〔I〕+〔II〕<2/3を満たす範囲
が好ましい。
【0029】以上のような構成成分から成る芳香族ポリ
エステルは、一般に知られている任意の重縮合方法を用
いて製造することができる。例えば、■ジカルボン酸と
ジオール成分(脂肪族ジオール、ジヒドロキシ化合物、
モノヒドロキシ化合物等を含めるものとする)とを直接
反応させる方法、■ジカルボン酸の低級エステルとジオ
ール成分とをエステル交換を利用して反応させる方法、
■ジカルボン酸のハロゲン化物とジオール成分をピリジ
ンなどの適当な溶媒中で反応させる方法、■ジオール成
分の金属アルコラートをジカルボン酸のハロゲン化物と
反応させる方法、■ジオール成分のアセチル化物とジカ
ルボン酸とをエステル交換を利用して反応させる方法、
等の方法があげられる。
【0030】重縮合する際には、一般にポリエステルを
製造する際に使用されている触媒が使用されてよい。こ
の触媒としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セ
シウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロ
ンチウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲ
ルマニウム、錫、鉛、アンチモン、ヒ素、セリウム、ホ
ウ素、カドミウム、マンガンなどの金属、その有機金属
化合物、有機酸塩、金属アルコキシド、金属酸化物等が
あげられる。
【0031】特に好ましい触媒は、酢酸カルシウム、ジ
アシル第一錫、テトラアシル第二錫、ジブチル錫オキサ
イド、ジブチル錫ジラウレート、ジメチル錫マレート、
錫ジオクタノエート、錫テトラアセテート、トリイソブ
チルアルミニウム、テトラブチルチタネート、二酸化ゲ
ルマニウム、および三酸化アンチモンである。これらの
触媒は二種以上併用してもよい。
【0032】また、重合時の熱安定性向上のために、ヒ
ンダードフェノール系酸化防止剤、リン系安定剤等の各
種安定剤が使用されてよい。
【0033】ヒンダードフェノール系酸化防止剤として
は、例えば、トリエチレングリコールビス〔3−(3−
t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3
−(3,5−ジブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート〕、テトラキス〔メチレン(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)〕メ
タン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−
ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシ−ヒドロシンナマミド)、3,5−t−ブチル
−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジエチ
ルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−ト
リス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジル)ベンゼン、ビス(3,5−t−ブチル−4−ヒド
ロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシウム、トリス
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル
)−イソシアヌレート、3,9−ビス〔2−(3−(3
−tブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プ
ロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル〕−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカ
ン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ
−5−t−ブチルフェニル)ブタン、2,2−ビス〔4
−(2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハ
イドロシンナモイロキシ))エトキシフェニル〕プロパ
ン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールな
どがあげられる。
【0034】上記リン系安定剤としては、例えば、トリ
ス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリイソオクチル
ホスファイト、トリイソデシルホスファイト、トリフェ
ニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト
、ジフェニルイソオクチルホスファイト、フェニルイソ
デシルホスファイト、ジイソオクチルフェニルホスファ
イト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホス
ファイトなどのホスファイト化合物;ジステアリルペン
タエリスリトール−ジ−ホスファイト、ジオクチルペン
タエリスリトール−ジ−ホスファイト、ジイソデシルペ
ンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,4
−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ
−ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−
メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファ
イトなどのペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト化
合物;テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)
−4,4’−ビフェニレンフォスフォナイトなどがあげ
られる。
【0035】また、重合と共に副生する水や、アルコー
ル、グリコール等を効率よく留出するためには反応系を
1mmHg以下に減圧することが好ましい。反応温度は
一般に150〜350℃である。
【0036】本発明に使用されるポリラクトンは、上記
芳香族ポリエステルとエステル交換して脂肪族鎖を付加
するものであって、ポリエステル共重合体に柔軟性を付
与する。環の中に4個以上の炭素原子を有するラクトン
モノマーを開環重合して得られるポリラクトンが好まし
く、より好ましくは5員環〜8員環のラクトンモノマー
より得られるポリラクトンである。例えば、ε−カプロ
ラクトン、δ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトン、
エナントラクトン、カプリロラクトン等から重合される
ポリラクトンがあげられる。2種以上のラクトンモノマ
ーからなるポリラクトンでも差し支えない。
【0037】上記芳香族ポリエステルとポリラクトンと
の組成比は、得られるポリエステル共重合体の弾性特性
の点から、芳香族ポリエステル/ポリラクトンの重量比
が30/70〜80/20が好ましく、特に好ましい範
囲は30/70〜70/30である。
【0038】本発明に使用されるポリカルボジイミドは
、1分子当り平均2個以上のカルボジイミドを有する線
状ポリカルボジイミドである。これらのカルボジイミド
は、脂肪族、脂環族、芳香族のいずれでもよい。例えば
、ポリ(トリルカルボジイミド)、ポリ(4,4’−ジ
フェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレ
ンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイ
ミド)、ポリ(1,3,5−トリイソプロピルフェニレ
ン−2,4−カルボジイミド)が挙げられる。ポリカル
ボジイミドは2種以上併用してもよい。
【0039】またポリカルボジイミドの添加量は、芳香
族ポリエステルとポリラクトンの合計重量に対し0.0
5〜5重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3重
量%である。
【0040】芳香族ポリエステル、ポリラクトンおよび
ポリカルボジイミドとの反応は無触媒でも進行するが、
上記触媒が使用されてもよい。また、この際上記安定剤
を加えてもよい。反応温度は、無溶媒系で反応を行う場
合には、通常芳香族ポリエステル、ポリラクトンおよび
ポリカルボジイミドとの混合物が均一に溶融する温度で
かつ生成したブロック共重合体の融点以上の温度がよい
。溶媒系で芳香族ポリエステル、ポリラクトンおよびポ
リカルボジイミドの反応させる場合には、反応温度は適
宜温度が採択される。一般に180℃〜300℃の範囲
が好ましい。180℃未満では芳香族ポリエステルがポ
リラクトンと容易に均一に溶解し難く、300℃を超え
ると分解その他好ましくない副反応が起こる。また上記
反応を溶媒で行う際の溶媒は、芳香族ポリエステル、ポ
リラクトンおよびポリカルボジイミドとの共通溶媒であ
ることを要する。
【0041】この反応は通常ポリエステルを重合するの
に用いる重合装置が好適に用いられる。
【0042】また、芳香族ポリエステル、ポリラクトン
およびポリカルボジイミドとを反応させる際、通常、各
成分を全量同時に仕込むが、それぞれの成分を反応が完
結するまでの間に時間をずらせて添加することもできる
【0043】また、本発明のポリエステル共重合体の製
造時または製造後に実用性を損なわない範囲で以下の添
加剤が添加されてもよい。
【0044】(i)無機繊維:ガラス繊維、炭素繊維、
ボロン繊維、炭化けい素繊維、アルミナ繊維、アモロフ
ァス繊維、シリコン・チタン・炭素系繊維等。
【0045】(ii)有機繊維:アラミド繊維等。
【0046】(iii)無機充填剤:炭酸カルシウム、
酸化チタン、マイカ、タルク等。
【0047】(iv)難燃剤:ヘキサブロモシクロドデ
カン、トリス−(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェ
ート、ペンタブロモフェニルアリルエーテル等。
【0048】(v)紫外線吸収剤:p−tert−ブチ
ルフェニルサリシレート、2−ヒドロキシ−4−メトキ
シベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2
’−カルボキシベンゾフェノン、2,4,5−トリヒド
ロキシブチロフェノン等。
【0049】(vi)酸化防止剤:ブチルヒドロキシア
ニソール、ブチルヒドロキシトルエン、ジステアリルチ
オジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート
、ヒンダードフェノール系酸化防止剤等。
【0050】(vii)帯電防止剤:N,N−ビス(ヒ
ドロキシエチル)アルキルアミン、アルキルアリルスル
ホネート、アルキルスルファネート等。
【0051】(viii)無機物:硫酸バリウム、アル
ミナ、酸化珪素等。
【0052】(ix)高級脂肪酸塩:ステアリン酸ナト
リウム、ステアリン酸バリウム、パルミチン酸ナトリウ
ム等。
【0053】(x)その他の有機化合物:ベンジルアル
コール、ベンゾフェノン等。
【0054】(xi)結晶化促進剤;高結晶化したポリ
エチレンテレフタレート、ポリトランス−シクロヘキサ
ンジメタノールテレフタレート等。
【0055】さらに得られたポリエステル共重合体は、
他の熱可塑性樹脂、例えば、ポリオレフィン、ヘンセイ
ポリオレフィン、ポレスチレン、ポリアミド、ポリカー
ボネート、ポリスルフォン、ポリエステル等と混合し、
あるいはゴム成分と混合してその性質を改質してもよい
【0056】次に本第2発明について説明する。
【0057】本発明に使用される芳香族ポリエステルは
、エチレングリコールおよび/またはブチレングリコー
ルを主に含むジオール成分とテレフタル酸を主に含む酸
成分を構成成分とするものである。
【0058】ブチレングリコールは1,4−ブタンジオ
ール、1,3−ブタンジオールのいずれでも使用するこ
とができる。エチレングリコールおよびブチレングリコ
ール以外のジオール成分として、前記一般式〔I〕で表
わされるジヒドロキシ化合物および前記一般式〔II〕
で表わされるモノヒドロキシ化合物のうち少なくともい
ずれか一方を含む。
【0059】ジヒドロキシ化合物〔I〕は、高融点の低
分子化合物であって、アルキレン基R1およびR2はエ
チレン基又はプロピレン基が好ましく、q及びrは0又
は1が好ましい。例えば、第1発明で記載した化合物が
好適に使用される。また、ジヒドロキシ化合物〔I〕は
それぞれ単独で使用しても良く、あるいは併用しても良
い。
【0060】第1発明で説明したように、ジヒドロキシ
化合物〔I〕がポリマー鎖中に組み込まれた場合、その
ポリマーは特異な性質を示す。すなわち、ジヒドロキシ
化合物〔I〕が結晶性を示し、しかもその融点が高いの
で、ジヒドロキシ化合物〔I〕の配合量が少量の場合で
も強固で耐熱性の高い物理的架橋を形成する。その結果
、ソフトセグメントに由来する柔軟性を損なうことなく
耐熱性の高い熱可塑性エラストマーが得られるものと推
察される。
【0061】前記一般式〔II〕で表されるモノヒドロ
キシ化合物は、パラフェニレン骨格を有する剛直性の低
分子化合物であり、その特徴ある分子構造を反映してこ
れらの化合物の融点は極めて高い。さらにパラフェニレ
ン骨格は低分子液晶化合物のメソゲンとして有効である
ことが知られており、これは該骨格が固体状態のみなら
ず高温状態(溶融状態)においても、強い凝集力を有し
ていることを示すものである。従って、上記のモノヒド
ロキシ化合物〔II〕をポリマー末端に組み込んだ場合
、非常に強固で耐熱性の高い物理的架橋をもたらし、耐
熱性に優れた熱可塑性エラストマーが生成する。
【0062】前記一般式〔II〕で示されるモノヒドロ
キシ化合物においては、R3はエチレン基またはプロピ
レン基が好ましく、nは0または1が好ましい。上記モ
ノヒドロキシ化合物としては、例えば、第1発明で記載
した化合物が挙げられる。モノヒドロキシ化合物〔II
〕は、それぞれ単独で使用しても良く、あるいはそれら
を併用しても良い。
【0063】エチレングリコールとブチレングリコール
のうち少なくともいずれか一方と、ジヒドロキシ化合物
〔I〕とモノヒドロキシ化合物〔II〕のうち少なくと
もいずれか一方と、テレフタル酸とよりなる芳香族ポリ
エステルに、上記以外の脂肪族グリコール、ポリアルキ
レンオキシド、2個の水酸基を有するポリシリコーン、
前記一般式〔I〕、〔II〕以外の芳香族ジオール成分
、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸、芳香族ヒド
ロキシカルボン酸、および脂肪族ジカルボン酸を構成成
分として含有させてもよいが、これはを含有させる場合
にはジオール成分と酸成分の合計量の10モル%以下が
好ましい。
【0064】上記脂肪族グリコールとしては、例えば、
第1発明で記載した化合物が挙げられ、これらは単独で
使用されてもよく、二種以上が併用されてもよい。
【0065】上記ポリアルキレンオキシドとしては、例
えば、第1発明で記載した化合物が挙げられ、これらは
単独で使用されてもよく、二種以上が併用されてもよい
。ポリアルキレンオキシドの数平均分子量は、小さくな
ると生成する芳香族ポリエステルに柔軟性を付与する能
力が低下し、大きくなりすぎると得られた芳香族ポリエ
ステルの熱安定性等の物性が低下するので、20,00
0以下が好ましく、より好ましくは5,000以下であ
る。
【0066】上記ポリシリコーンは2個の水酸基を有す
るものであり、2個の水酸基が分子末端にあるポリシリ
コーンが好ましく、例えば、第1発明で記載した化合物
が挙げられる。ポリシリコーンの数平均分子量は、大き
くなると芳香族ポリエステルの生成が困難になるので、
20,000以下が好ましく、より好ましくは5,00
0以下である。
【0067】上記芳香族ジオール、芳香族ジカルボン酸
、芳香族ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、第1
発明で記載させた化合物などがあげられる。
【0068】上記脂肪族ジカルボン酸としては、炭素数
が10以下のジカルボン酸が好ましく、例えば、シュウ
酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ス
ベリン酸、およびセバチン酸などがあげられる。
【0069】上記ジヒドロキシ化合物〔I〕およびモノ
ヒドロキシ化合物〔II〕のうち少なくとも一方のヒド
ロキシ化合物と、エチレングリコールおよびブチレング
リコールのうち少なくともいずれか一方と、テレフタル
酸を主に含む酸よりなる芳香族ポリエステルは、ジヒド
ロキシ化合物〔I〕及びモノヒドロキシ化合物〔II〕
の含有量が少なくなると、耐熱性が低下し、多くなると
充分な分子量上昇が得られないだけでなく、融点が上昇
しもはや次の溶融エステル交換段階に供することができ
ないため、上記ジヒドロキシ化合物〔I〕および/又は
モノヒドロキシ化合物〔II〕の含有量は、芳香族ポリ
エステルを構成するジオール成分の0.1〜30モル%
であり、より好ましくは0.5〜20モル%であり、さ
らに好ましくは1.0〜10モル%である。尚、芳香族
以外のジオールとしてポリアルキレンオキシドやポリシ
リコーンを使用する場合、その構成単位を1モノマーと
して数える。即ち、重合度10のポリエチレンオキシド
は10モノマーとして数える。ジヒドロキシ化合物〔I
〕とモノヒドロキシ化合物〔II〕を合わせて使用する
場合、ジヒドロキシ化合物〔I〕とモノヒドロキシ化合
物〔II〕の割合は、0<〔II〕/〔I〕+〔II〕
<2/3を満たす範囲が好ましい。
【0070】以上のような構成成分から成る芳香族ポリ
エステルは、第1発明で記載したような重縮合方法を用
いて製造することができる。
【0071】重縮合する際には、一般にポリエステルを
製造する際に使用されている触媒が使用されてよい。こ
の触媒としては、第1発明で記載したものがあげられる
【0072】またこれら触媒は2種以上併用しても良い
【0073】また、重合時の熱安定性向上のために、ヒ
ンダードフェノール系酸化防止剤、リン系安定剤等の各
種安定剤が使用されてよい。
【0074】また、重合とともに副生する水や、アルコ
ール、グリコールなどを効率よく留出させ、高分子量ポ
リマーを得るためには、反応系を重合後期に1mmHg
以下に減圧することが好ましい。反応温度は一般に15
0〜350℃である。
【0075】本発明に使用されるラクトンモノマーは、
開環して酸または水酸基と反応し、脂肪族鎖を付加する
ものであって、環の中に4個以上の炭素原子を有するも
のが好ましく用いられ、より好ましくは5員環〜8員環
である。例えば、ε−カプロラクトン、δ−バレロラク
トン、γ−ブチロラクトン、エナントラクトン、カプリ
ロラクトン等があげられる。ラクトンモノマーは2種以
上を併用してもよい。
【0076】上記芳香族ポリエステルとラクトンモノマ
ーとの組成比は、得られるポリエステル共重合体の弾性
特性の点から、芳香族ポリエステル/ラクトンモノマー
の重量比が30/70〜80/20が好ましく、特に好
ましい範囲は30/70〜70/30である。
【0077】本発明に使用されるポリカルボジイミドは
、1分子当り平均2個以上のカルボジイミドを有する線
状ポリカルボジイミドである。これらのカルボジイミド
は、脂肪族、脂環族、芳香族のいずれでもよい。例えば
、第1発明で記載したものが挙げられる。
【0078】またポリカルボジイミドの添加量は、芳香
族ポリエステルとポリラクトンの合計重量に対し0.0
5〜5重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3重
量%である。
【0079】芳香族ポリエステル、ラクトンモノマーお
よびポリカルボジイミドとの反応は無触媒でも進行する
が、上記触媒が使用されてもよい。また、この際上記安
定剤を加えてもよい。反応温度は、無溶媒系で反応を行
う場合には、通常芳香族ポリエステル、ラクトンモノマ
ーおよびポリカルボジイミドとの混合物が均一に溶融す
る温度でかつ生成したブロック共重合体の融点以上の温
度がよい。溶媒系で芳香族ポリエステル、ラクトンモノ
マーおよびポリカルボジイミドの反応させる場合には、
反応温度は適宜温度が採択される。一般に180℃〜3
00℃の範囲が好ましい。180℃未満では芳香族ポリ
エステルがポリラクトンと容易に均一に溶解し難く、3
00℃を超えると分解その他好ましくない副反応が起こ
る。また上記反応を溶媒で行う際の溶媒は、芳香族ポリ
エステル、ラクトンモノマーおよびポリカルボジイミド
との共通溶媒であることを要する。
【0080】この反応は通常ポリエステルを重合するの
に用いる重合装置が好適に用いられる。
【0081】また、芳香族ポリエステル、ラクトンモノ
マーおよびポリカルボジイミドとを反応させる際、通常
、各成分を全量同時に仕込むが、それぞれの成分を反応
が完結するまでの間に時間をずらせて添加することもで
きる。
【0082】本発明の芳香族ポリエステルの製造時また
は製造後に実用性を損なわない範囲で第1発明で記載し
た添加剤が添加されてもよい。
【0083】第1発明および第2発明のポリエステル共
重合体は、その分子鎖内にパラフェニレン骨格を有する
セグメント(前記一般式〔I〕、〔II〕)を有するこ
とにより、従来市販のエラストマーに比べて耐熱製が極
めて高く、かつ室温付近での柔軟性に優れた熱可塑性エ
ラストマーとなり、プレス成形、押出成形、射出成形、
ブロー成形等の成形方法により成形帯とされる。成形体
の物性は、その構成成分およびその配合割合等によって
任意に変化させることができ、自動車部品、ホース、ベ
ルト、バッキン等の柔軟性を有する成形体や、塗料、接
着剤等に好適に使用される。
【0084】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて説明する
【0085】なお、以下の実施例で得られたポリエステ
ル共重合体の物性は以下の方法に従って測定した。
【0086】ポリエステル共重合体を用いてインジェン
クションにてJIS K−6301に準拠し、2mm厚
の3号形ダンベル試験片を作成した。このダンベルを用
い、以下の物性を測定した。
【0087】■ビカット軟化点:JIS K−6301
に準拠し、1kg荷重にて測定した。
【0088】■引張破断強度および引張破断伸度:23
℃にて引張強度50mm/minで試験を行った。
【0089】実施例1 (A)4,4’’’−ジヒドロキシ−p−クォーターフ
ェニルの合成4−ヒドロキシ−4−ブロモビフェニル6
0.0gに、メタノール100g、10wt%水酸化ナ
トリウム液300gおよびパラジウム/カーボン13g
を加え、120℃、5気圧の条件下で4時間反応させる
ことにより、4,4’’’−ジヒドロキシ−p−クォー
ターフェニルのジナトリウム塩を得た。この固形物にN
.N−ジメチルホルムアミドを加え、加熱濾過して触媒
を分離した後、濾液を希硫酸で酸析し、メタノールで洗
浄して白色結晶性粉末の4,4’’’−ジヒドロキシ−
p−クォーターフェニル(以下、DHQと略す)を得た
。DHQの融点は336℃であった。
【0090】(B)芳香族ポリエステルの合成攪拌機、
温度計、ガス吹き込み口及び蒸留口を備えた内容積1リ
ットルのガラス製フラスコに、テレフタル酸ジメチル1
94g(1.0mol)、エチレングリコール138g
(2.24mol)、触媒として酢酸カルシウム及び三
酸化アンチモンを少量加えた。フラスコ内を窒素で置換
した後にフラスコ内を昇温して180℃で3時間反応さ
せた。反応とともに、フラスコ内からメタノールが留出
しはじめ、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレー
トが得られた。
【0091】このフラスコに、上記DHQ10.14g
(0.15ml)を加え、フラスコを280℃まで昇温
し、この温度で約2時間反応させた。次に、蒸留口を真
空器につなぎ、フラスコ内を1mmHgに減圧した状態
で1時間反応させた。 反応とともにエチレングリコールが留出し、フラスコ内
には極めて粘稠な液体が生成した。フラスコを放冷後、
ガラスフラスコを破壊し、生成物を取り出した。
【0092】(C)ポリエステル共重合体の合成攪拌羽
根、ガス吹き込み口及び蒸留口を備えた内容積1リット
ルのガラス製フラスコに、上記(B)で得られた芳香族
ポリエステル250g、ポリラクトン(U.C.C.社
TONE Polymer P−700:ポリ−ε−カ
プロラクトン;平均分子量約400)250g、ポリカ
ルボジイミド(住友バイエル社製スタバクソールP−1
00)2gおよび熱安定剤として1,3,5−トリメチ
ル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシベンジル)ベンゼン1.0gを仕込み、フ
ラスコ内を窒素で置換した後に、攪拌しながらオイルバ
ス中で260℃に加熱した。反応系は均一な粘稠なポリ
マー溶融体となった。続いて、窒素気流下で1時間反応
させた。得られたポリマーのビカット軟化点(1Kg荷
重)は125℃、ショアD硬度38で良好なゴム状弾性
を有していた。また引張破断強度は250Kg/cm2
であり、引張破断伸びは1700%であった。
【0093】実施例2 (D)芳香族ポリエステルの合成 攪拌機、温度計、ガス吹き込み口及び蒸留口を備えた内
容積1リットルのガラス製フラスコに、テレフタル酸ジ
メチル194g(1.0mol)、1,4−ブチレング
リコール202g(2.24mol)、触媒として酢酸
カルシウム及びテトラブチルチタネートを少量加えた。 フラスコ内を窒素で置換した後にフラスコ内を昇温して
180℃で3時間反応させた。反応とともに、フラスコ
内からメタノールが留出しはじめ、ビス(2−ヒドロキ
シブチル)テレフタレートが得られた。
【0094】このフラスコに、実施例1と同様にして合
成したDHQ10.14g(0.15ml)を加え、フ
ラスコを270℃まで昇温し、この温度で約2時間反応
させた。次に、蒸留口を真空器につなぎ、フラスコ内を
1mmHgに減圧した状態で1時間反応させた。反応と
ともにブチレングリコールが留出し、フラスコ内には極
めて粘稠な液体が生成した。フラスコを放冷後、ガラス
フラスコを破壊し、生成物を取り出した。
【0095】(E)ポリエステル共重合体の合成攪拌羽
根、ガス吹き込み口及び蒸留口を備えた内容積1リット
ルのガラス製フラスコに、上記(D)で得られた芳香族
ポリエステル200g、ε−カプロラクトン300g、
実施例1と同様のポリカルボジイミド2gおよび熱安定
剤として1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン1.0gを仕込み、フラスコ内を窒素で置換し
た後に、攪拌しながらオイルバス中で240℃に加熱し
た。反応系は均一な粘稠なポリマー溶融体となった。続
いて、窒素気流下で1時間反応させた後、ガス吹き込み
口を真空ポンプにつなぎ、フラスコ内を1mmHgに減
圧した状態でさらに1時間反応させた。得られたポリマ
ーのビカット軟化点(1Kg荷重)は110℃、ショア
D硬度30で良好なゴム状弾性を有していた。また引張
破断強度は220Kg/cm2であり、引張破断伸びは
1600%であった。
【0096】実施例3 実施例1と同様にしてDHQを合成し、次いで実施例1
と同様にして芳香族ポリエステルを合成した。
【0097】(F)ポリエステル共重合体の合成攪拌羽
根、ガス吹き込み口及び蒸留口を備えた内容積1リット
ルのガラス製フラスコに、上記(B)で得られた芳香族
ポリエステル250g、ε−カプロラクトン250g、
実施例1と同様のポリカルボジイミド2gおよび熱安定
剤として1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン1.0gを仕込み、フラスコ内を窒素で置換し
た後に、攪拌しながらオイルバス中で250℃に加熱し
た。反応系は均一な粘稠なポリマー溶融体となった。続
いて、窒素気流下で1時間反応させた後、ガス吹き込み
口を真空ポンプにつなぎ、フラスコ内を1mmHgに減
圧した状態でさらに1時間反応させた。得られたポリマ
ーのビカット軟化点(1Kg荷重)は130℃、ショア
D硬度37で良好なゴム状弾性を有していた。また引張
破断強度は260Kg/cm2であり、引張破断伸びは
1800%であった。
【0098】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
ポリエステル共重合体によれば、耐熱性、柔軟性および
成形加工性に優れた熱可塑性エラストマーを提供するこ
とができ、各種部材に好適に使用することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレングリコールを主に含むジオール成
    分とテレフタル酸を主に含む酸成分を構成成分とする芳
    香族ポリエステルと、ポリラクトンと、ポリカルボジイ
    ミドとを反応させることにより得られるポリエステル共
    重合体であって、該芳香族ポリエステルのジオール成分
    として、下記一般式〔I〕で示されるジヒドロキシ化合
    物と下記一般式〔II〕で表されるモノヒドロキシ化合
    物のうち、少なくともいずれか一方を構成成分とし、該
    ヒドロキシ化合物がジオール成分の0.1モル%〜30
    モル%含有されていることを特徴とするポリエステル共
    重合体。 【化1】 (式中、R1,R2は独立的にアルキレン基を示し、p
    は3または4であり、q,rは独立的に0または1以上
    の整数を示す)。 【化2】 (式中、R3はアルキレン基を示し、lは2または3で
    あり、mは0または1以上の整数を示す)。
  2. 【請求項2】エチレングリコールおよび/またはブチレ
    ングリコールを主に含むジオール成分とテレフタル酸を
    主に含む酸成分を構成成分とする芳香族ポリエステルと
    、ラクトンモノマーと、ポリカルボジイミドとを反応さ
    せることにより得られるポリエステル共重合体であって
    、該芳香族ポリエステルのジオール成分として、請求項
    1に記載の一般式〔I〕で示されるジヒドロキシ化合物
    と請求項1に記載の一般式〔II〕で表されるモノヒド
    ロキシ化合物のうち、少なくともいずれか一方を構成成
    分とし、該ヒドロキシ化合物がジオール成分の0.1モ
    ル%〜30モル%含有されていることを特徴とするポリ
    エステル共重合体。
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JP4621885B2 (ja) * 2004-05-07 2011-01-26 独立行政法人物質・材料研究機構 ポリリンゴ酸共重合体の製造方法

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