JPH04359046A - ポリエステル共重合体組成物 - Google Patents

ポリエステル共重合体組成物

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JPH04359046A
JPH04359046A JP13284091A JP13284091A JPH04359046A JP H04359046 A JPH04359046 A JP H04359046A JP 13284091 A JP13284091 A JP 13284091A JP 13284091 A JP13284091 A JP 13284091A JP H04359046 A JPH04359046 A JP H04359046A
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JP
Japan
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antioxidant
polyester copolymer
weight
parts
general formula
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP13284091A
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English (en)
Inventor
Kazuo Yamagata
一雄 山形
Ryuichi Matsuo
龍一 松尾
Toranosuke Saito
斉藤 寅之助
Hironori Kadomachi
角町 博記
Daishirou Kishimoto
大志郎 岸本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Sanko Co Ltd
Original Assignee
Sanko Chemical Co Ltd
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性エラストマー
として有用なポリエステル共重合体組成物に関し、より
詳しくは、耐熱性に優れたポリエステル共重合体組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性エラストマーは、常温でゴム弾
性を示し、しかも成形可能なため、各種工業製品に広く
用いられている。特に、p−ターフェニルもしくはp−
クォーターフェニル骨格を有するジヒドロキシもしくは
モノヒドロキシ化合物を構成成分とする芳香族ポリエス
テルとラクトンとのポリエステル共重合体は、機械的物
性に優れた熱可塑性エラストマーである。
【0003】近年、熱可塑性エラストマーは、自動車部
品等の使用用途が多方面に拡大され、厳しい環境下で十
分使用可能な熱可塑性エラストマー材料が望まれている
。特に、高温雰囲気化での使用に耐え得るエラストマー
材料の出現が強く望まれている。ポリエステル系エラス
トマーの耐熱性確保のため、例えば、特公昭52−36
535号公報、特公昭56−18144号公報、特開昭
48−89955号公報において各種安定剤の添加によ
り、耐熱性の改善が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記公報で
開示されたエラストマー組成物では、ある程度の耐熱性
の向上が認められるものの満足できるものではなかった
。これは、上記エラストマー組成物中のエラストマー自
身が構造的にみて耐熱性に劣るからである。
【0005】本発明は、上記の欠点を解決しようとする
もので、その目的は、耐熱性に優れ、長時間高温にさら
しても機械的物性が低下しないポリエステル共重合体組
成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本第1発明のポリエステ
ル共重合体組成物は、エチレングリコールおよび/また
はブチレングリコールを主に含有するジオール成分とテ
レフタル酸を主に含有する酸成分を構成成分とする芳香
族ポリエステルと、ラクトンモノマーおよび/またはポ
リラクトンとを反応させることにより得られ、該芳香族
ポリエステルのジオール成分として、下記一般式〔I〕
で表されるジヒドロキシ化合物と下記一般式〔II〕で
表されるモノヒドロキシ化合物のうち、少なくともいず
れか一方を構成成分とし、該ヒドロキシ化合物がジオー
ル成分の0.1モル%〜30モル%含有されているポリ
エステル共重合体と、下記一般式〔III〕で表される
ヒンダードフェノール系化合物、下記一般式〔IV〕で
表されるリン系化合物、および下記一般式〔V〕で表さ
れるイオウ系化合物からなる化合物群から選ばれる少な
くとも一種の酸化防止剤とを含有するポリエステル共重
合体組成物であって、各酸化防止剤が該ポリエステル共
重合体100重量部に対して0.05〜1.00重量部
含有されていることを特徴とし、そのことにより上記目
的が達成される。
【0007】
【化8】
【0008】(式中、R1,R2はそれぞれアルキレン
基を示し、pは3または4であり、q,rは独立的に0
または1以上の整数を示す)。
【0009】
【化9】
【0010】(式中、R3はアルキレン基を示し、lは
2または3であり、mは0または1以上の整数を示す)
【0011】
【化10】
【0012】(式中、R4は第2級または第3級アルキ
ル基、R5は水素またはアルキル基を示す)。
【0013】
【化11】
【0014】(式中、R6,R7,R8は独立的に芳香
族または脂肪族置換基を示す)。
【0015】
【化12】
【0016】(式中、R9,R10は独立的に芳香族ま
たは脂肪族置換基を示し、tは1〜3の整数を示す)。
【0017】また本第2発明のポリエステル共重合体組
成物は、上記ポリエステル共重合体ポリエステル共重合
体と、下記一般式〔VI〕および下記一般式〔VII〕
で表される部分構造を同一分子内に有するイオウ系ヒン
ダードフェノール酸化防止剤とを含有するポリエステル
共重合体組成物であって、該酸化防止剤が該ポリエステ
ル共重合体100重量部に対して0.05〜1.50重
量部含有されていることを特徴し、そのことにより上記
目的が達成される。
【0018】
【化13】
【0019】(式中、R11は水素またはアルキル基を
示す)。
【0020】
【化14】
【0021】(式中、R12は芳香族または脂肪族置換
基を示し、tは1〜3の整数を示す)。
【0022】また第3本発明のポリエステル共重合体組
成物は、上記ポリエステル共重合体と、上記に記載の一
般式〔III〕で表されるヒンダードフェノール系酸化
防止剤、上記に記載の一般式〔V〕で表されるイオウ系
酸化防止剤およびポリカルボジイミドとを含有するポリ
エステル共重合体組成物であって、該ポリエステル共重
合体100重量部に対して、該ヒンダードフェノール系
酸化防止剤が0.05〜1.00重量部、該イオウ系酸
化防止剤が0.05〜1.6重量部、該ポリカルボジイ
ミドが0.5〜4.0重量部含有されていることを特徴
とし、そのことにより上記目的が達成される。
【0023】次に本発明を詳しく説明する。
【0024】まず、本第1発明について説明する。
【0025】本発明に使用される芳香族ポリエステルは
、エチレングリコールまたは/およびブチレングリコー
ルを主に含むジオール成分と、テレフタル酸を主に含む
酸成分とを構成成分とするものである。
【0026】ブチレングリコールは1,4−ブタンジオ
ール、1,3−ブタンジオールのいずれでも使用するこ
とができる。エチレングリコールおよびブチレングリコ
ール以外のジオール成分として、前記一般式〔I〕で表
わされるジヒドロキシ化合物および前記一般式〔II〕
で表わされるモノヒドロキシ化合物のうち少なくともい
ずれか一方を含む。
【0027】本発明で使用するジヒドロキシ化合物は、
前記一般式〔I〕で示されるものであり、液晶性の低分
子化合物であって、アルキレン基R1,R2としてはエ
チレン基またはプロピレン基が好ましく、qおよびrは
0または1が好ましい。例えば、4,4’’−ジヒドロ
キシ−p−ターフェニル、4,4’’’−ジヒドロキシ
−p−クォーターフェニル、4,4’’’−ジ(2−ヒ
ドロキシエトキシ)−p−クォーターフェニル等が好適
に使用される。4,4’’−ジヒドロキシ−p−ターフ
ェニルの結晶状態から液晶状態への転移温度は260℃
であり、4,4’’’−ジヒドロキシ−p−クォーター
フェニルのそれは336℃であり、4,4’’’−ジ(
2−ヒドロキシエトキシ)−p−クォーターフェニルの
それは403℃である。なお、4,4’’’−ジヒドロ
キシ−p−クォーターフェニルは、例えば、Journ
al of Chemical Society,13
79−85(1940)に記載の方法に従って合成する
ことができる。また液晶状態とは、溶融状態においても
分子が配向状態を保持している状態をいう。
【0028】前記ジヒドロキシ化合物〔I〕はそれぞれ
単独使用してもよく、あるいは併用してもよい。
【0029】液晶性の分子は一般に結晶性が高く、上記
したように4,4’’−ジヒドロキシ−p−ターフェニ
ル、4,4’’’−ジヒドロキシ−p−クォーターフェ
ニル及び4,4’’’−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)
−p−クォーターフェニル等はその結晶から液晶状態へ
の転移点が高いために、これらのジヒドロキシ化合物〔
I〕がポリマー鎖中に組み込まれた場合、そのポリマー
は特異な性質を示す。すなわち、ジヒドロキシ化合物〔
I〕が結晶性を示し、しかもその融点が高いので、ジヒ
ドロキシ化合物〔I〕の配合量が少量の場合でも強固で
耐熱性の高い物理的架橋を形成する。その結果、ソフト
セグメントに由来する柔軟性を損なうことなく耐熱性の
高い熱可塑性エラストマーが得られるものと推察される
【0030】本発明で使用するモノヒドロキシ化合物は
、前記一般式〔II〕で示され、パラフェニレン骨格を
有する剛直性の低分子化合物であり、その特徴ある分子
構造を反映してこれらの化合物の融点は極めて高い。さ
らにパラフェニレン骨格は低分子液晶化合物のメソゲン
として有効であることが知られており、これは該骨格が
固体状態のみならず高温状態(溶融状態)においても、
強い凝集力を有していることを示すものである。従って
、上記のモノヒドロキシ化合物〔II〕をポリマー末端
に組み込んだ場合、非常に強固で耐熱性の高い物理的架
橋をもたらし、耐熱性に優れた熱可塑性エラストマーが
生成する。
【0031】前記一般式〔II〕で示されるモノヒドロ
キシ化合物においては、R3はエチレン基またはプロピ
レン基が好ましく、mは0または1が好ましい。上記モ
ノヒドロキシ化合物〔II〕としては、例えば、4−ヒ
ドロキシ−p−ターフェニル、4−ヒドロキシ−p−ク
ォーターフェニル、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−
p−ターフェニル、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−
p−クォーターフェニル等があげられる。モノヒドロキ
シ化合物〔II〕はそれぞれ単独で使用しても良くある
いはそれらを併用しても良い。
【0032】エチレングリコールおよびブチレングリコ
ールのうち少なくともいずれか一方と、前記ジヒドロキ
シ化合物〔I〕およびモノヒドロキシ化合物〔II〕の
うち少なくともいずれか一方と、テレフタル酸とを構成
成分とする芳香族ポリエステルに、上記以外の脂肪族の
グリコール、ポリアルキレンンオキシド、2個以上の水
酸基を有するポリシリコーン、前記一般式式〔I〕、〔
II〕以外の芳香族ジオール成分、テレフタル酸以外の
芳香族ジカルボン酸、芳香族ヒドロキシカカルボン酸、
および脂肪族ジカルボン酸を構成成分として含有させて
もよいが、これらはジオール成分と酸成分の合計量の1
0モル%以下が好ましい。
【0033】上記グリコールとしては、例えば、プロピ
レングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8
−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,1
0−デカンジオール、シクロペンタン−1,2−ジオー
ル、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサ
ン−1,3−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオ
ール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等が挙げ
られ、これらは単独で使用されてもよく、2種以上が併
用されてもよい。
【0034】上記ポリアルキレンオキシドとしては、例
えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド
、ポリテトラメチレンオキシド、ポリヘキサメチレンオ
キシト等が挙げられ、これらは単独で使用されてもよく
、2種以上が併用されてもよい。ポリアルキレンオキシ
ドの数平均分子量は、20000以下が好ましく、より
好ましくは5000以下である。数平均分子量が大きく
なりすぎると生成する芳香族ポリエステルの熱安定性等
の物性が低下する。
【0035】上記ポリシリコーンは2個の水酸基を有す
るものであり、2個の水酸基が分子末端にあるポリシリ
コーンが好ましく、例えば、分子の両末端に2個の水酸
基を有するジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロ
キサン、ジフェニルポリシロキサン等があげられる。ポ
リシリコーンの数平均分子量は、大きくなると芳香族ポ
リエステルの生成が困難になるので、20000以下が
好ましく、より好ましくは5,000以下である。
【0036】上記芳香族ジオールとしては、ヒドロキノ
ン、レゾルシン、クロロヒドロキノン、ブロモヒドロキ
ノン、メチルヒドロキノン、フェニルヒドロキノン、メ
トキシヒドロキノン、フェノキシヒドロキノン、4,4
’−−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルサルファイト、4,4’−ジヒドロキシジフェニル
スルホン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4
,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、ビスフェノー
ルA、1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)エ
タン、1,4−ジヒドロキシナフタリン、2,6−ジ゛
ヒドロキシナフタリンなどが挙げられる。
【0037】上記芳香族ジカルボン酸としては、イソフ
タル酸、5−スルホイソフタル酸の金属塩、4,4’−
ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジカルボキシジフ
ェニルエーテル、4,4’−ジカルボキシジフェニルサ
ルファイド、4,4’−ジカルボキシジフェニルスルホ
ン、3,3’−ジカルボキシベンゾフェノン、4,4’
−ジカルボキシベンゾフェノン、1,2’−ビス(4−
カルボキシフェノキシ)エタン、1,4−ジカルボキシ
ナフタリン、または2,6−ジカルボキシナフタリン等
が挙げられる。
【0038】上記芳香族ヒドロキシカルボン酸は、ポリ
エステルに剛性や液晶性を付与するものであり、サリチ
ル酸、メタヒドロキシ安息香酸、パラヒドロキシ安息香
酸、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−ブロモ
−4−ヒドロキシ安息香酸、3−メトキシ−4−ヒドロ
キシ安息香酸、3−メチル−4−ヒドロキシ安息香酸、
3−フェニル−4−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキ
シ−6−ナフトエ酸、4−ヒドロキシ−4’−カルボキ
シビフェニル等が挙げられ、好ましくは、パラヒドロキ
シ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、4−ヒ
ドロキシ−4’−カルボキシビフェニルである。
【0039】上記脂肪族ジカルボン酸は、炭素数が10
以下のものが好ましく、例えば、シュウ酸、マロン酸、
琥珀酸、グルダル酸、アジピン酸、スベリル酸、セバチ
ン酸等が挙げられる。
【0040】上記ジヒドロキシ化合物〔I〕および/ま
たはモノヒドロキシ化合物〔II〕のうち少なくとも一
方のヒドロキシ化合物と、エチレングリコールおよびブ
チレングリコールのうち少なくとも一方と、テレフタル
酸を主に含む酸よりなる芳香族ポリエステルは、ジヒド
ロキシ化合物〔I〕および/またはモノヒドロキシ化合
物〔II〕の含有量が少なくなると、耐熱性が低下し、
多くなると充分な分子量上昇が得られないだけでなく、
融点が上昇しもはや次の溶融エステル交換段階に供する
ことができないため、上記ジヒドロキシ化合物〔I〕お
よび/又はモノヒドロキシ化合物〔II〕の含有量は、
芳香族ポリエステルを構成するジオール成分の0.1〜
30モル%であり、より好ましくは0.5〜20モル%
であり、さらに好ましくは1.0〜10モル%である。 尚、芳香族以外のジオールとしてポリアルキレンオキシ
ドやポリシリコーンを使用する場合、その構成単位を1
モノマーとして数える。即ち、重合度10のポリエチレ
ンオキシドは10モノマーとして数える。ジヒドロキシ
化合物〔I〕とモノヒドロキシ化合物〔II〕を合わせ
て使用する場合、ジヒドロキシ化合物〔I〕とモノヒド
ロキシ化合物〔II〕の割合は、 0<〔II〕/〔I〕+〔II〕<2/3を満たす範囲
が好ましい。
【0041】以上のような構成成分から成る芳香族ポリ
エステルは、一般に知られている任意の重縮合方法を用
いて製造することができる。例えば、■ジカルボン酸と
ジオール成分(脂肪族ジオール、ジヒドロキシ化合物、
モノヒドロキシ化合物等を含めるものとする)とを直接
反応させる方法、■ジカルボン酸の低級エステルとジオ
ール成分とをエステル交換を利用して反応させる方法、
■ジカルボン酸のハロゲン化物とジオール成分をピリジ
ンなどの適当な溶媒中で反応させる方法、■ジオール成
分の金属アルコラートをジカルボン酸のハロゲン化物と
反応させる方法、■ジオール成分のアセチル化物とジカ
ルボン酸とをエステル交換を利用して反応させる方法、
等の方法があげられる。
【0042】重縮合する際には、一般にポリエステルを
製造する際に使用されている触媒が使用されてよい。こ
の触媒としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セ
シウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロ
ンチウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲ
ルマニウム、錫、鉛、アンチモン、ヒ素、セリウム、ホ
ウ素、カドミウム、マンガンなどの金属、その有機金属
化合物、有機酸塩、金属アルコキシド、金属酸化物等が
あげられる。
【0043】特に好ましい触媒は、酢酸カルシウム、ジ
アシル第一錫、テトラアシル第二錫、ジブチル錫オキサ
イド、ジブチル錫ジラウレート、ジメチル錫マレート、
錫ジオクタノエート、錫テトラアセテート、トリイソブ
チルアルミニウム、テトラブチルチタネート、二酸化ゲ
ルマニウム、および三酸化アンチモンである。これらの
触媒は二種以上併用してもよい。また、重合時の熱安定
性向上のために、各種安定剤が使用されてよい。
【0044】また、重合と共に副生する水や、アルコー
ル、グリコール等を効率よく留出するためには反応系を
1mmHg以下に減圧することが好ましい。反応温度は
一般に150〜350℃である。
【0045】本発明に使用されるラクトンモノマーは、
開環して酸または水酸基と反応し、脂肪族鎖を付加する
ものであり、環の中に4個以上の炭素原子を有するもの
が好ましく用いられ、より好ましくは5員環〜8員環で
ある。例えば、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクト
ン、γ−ブチロラクトン、エナントラクトン、カプリロ
ラクトン等があげられる。ラクトンモノマーは2種以上
を併用してもよい。
【0046】本発明に使用されるポリラクトンは、上記
芳香族ポリエステルとエステル交換して脂肪族鎖を付加
するものであって、ポリエステル共重合体に柔軟性を付
与する。環の中に4個以上の炭素原子を有するラクトン
モノマーを開環重合して得られるポリラクトンが好まし
く、より好ましくは5員環〜8員環のラクトンモノマー
より得られるポリラクトンである。例えば、ε−カプロ
ラクトン、δ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトン、
エナントラクトン、カプリロラクトン等から重合される
ポリラクトンがあげられる。2種以上のラクトンモノマ
ーからなるポリラクトンでも差し支えない。
【0047】上記芳香族ポリエステルとラクトン化合物
(ラクトンモノマーおよび/またはポリラクトン)との
組成比は、得られるポリエステル共重合体の弾性特性の
点から、芳香族ポリエステル/ラクトン化合物の重量比
が30/70〜80/20が好ましく、特に好ましい範
囲は30/70〜70/30である。
【0048】芳香族ポリエステルとラクトンモノマーと
の反応には、前記芳香族ポリエステルを製造する際に使
用する触媒が使用されてもよい。反応温度は、無溶媒系
で反応を行う場合には、通常芳香族ポリエステルとラク
トンモノマーとの混合物が均一に溶融する温度でかつ生
成したブロック共重合体の融点以上の温度がよい。溶媒
系で芳香族ポリエステルとラクトンモノマーとを反応さ
せる場合には、反応温度は適宜温度が採択される。一般
に180℃〜300℃の範囲が好ましい。180℃未満
では芳香族ポリエステルがラクトンモノマーと容易に均
一に溶解し難く、300℃を超えると分解その他好まし
くない副反応が起こる。また上記反応を溶媒で行う際の
溶媒は、芳香族ポリエステルラクトンモノマーとの共通
溶媒であることを要する。例えば、α−メチルナフタレ
ンを採用できる。
【0049】芳香族ポリエステルとポリラクトンとのエ
ステル交換反応は無触媒でも進行するが、上記触媒が使
用されてもよい。反応温度は、通常芳香族ポリエステル
とポリラクトンとの混合物が均一に溶融する温度でかつ
生成したブロック共重合体の融点以上の温度がよい。一
般に180℃〜300℃の範囲が好ましい。180℃未
満では芳香族ポリエステルがラクトンモノマーと容易に
均一に溶解し難く、300℃を超えると分解その他好ま
しくない副反応が起こる。
【0050】エステル交換反応は、通常ポリエステルを
重合するのに用いる重合装置が好適に用いられる。また
押出機や混練機中で芳香族ポリエステルとポリラクトン
とのエステル交換反応を行わしめることができる。
【0051】本発明のポリエステル共重合体組成物は、
ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤
およびイオウ系酸化防止剤からなる群より選ばれた少な
くとも一種の酸化防止剤を含有する。
【0052】本発明に使用されるヒンダードフェノール
系酸化防止剤は、前記一般式〔III〕で示されるもの
であり、例えば、3,9−ビス−〔2−(3−(3−t
−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プ
ロピオニロキシ)−1,1−ジメチルエチル〕2,4,
6,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、
トリエチレングリコールビス〔3−(3−tブチル−5
−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕
、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、
テトラキス〔メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシハイドロシンナメート)〕メタン、オクタデ
シル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレン
ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒド
ロシンナマミド)、3,5−t−ブチル−4−ヒドロキ
シ−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、1
,3,5−トリメチル−2,4,6,−トリス−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ン、ビス(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ルホスホン酸エチル)カルシウム、トリス−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシア
ヌレート、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒド
ロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、2,2−ビ
ス〔4−(2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシハイドロシンナモイロキシ))エトキシフェニル〕
プロパン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノ
ール等があげられる。
【0053】上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤は
、ポリエステル共重合体100重量部に対して、0.0
5〜1.00重量部添加される。ヒンダードフェノール
系酸化防止剤の含有量が0.05重量部未満の場合、耐
熱性が低下する。一方、ヒンダードフェノール系酸化防
止剤の含有量が1.00重量部を超える場合、耐熱性は
向上するが効果的でなく、機械的強度等の物性が低下す
る。
【0054】本発明に使用されるリン系酸化防止剤は、
前記一般式〔IV〕で示されるものであり、例えば、ト
リス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリイソオクチ
ルホスファイト、トリイソデシルホスファイト、トリフ
ェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイ
ト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、フェニルイ
ソデシルホスファイト、ジイソオクチルフェニルホスフ
ァイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホ
スファイト等のホスファイト化合物;ジステアリルペン
タエリスリトール−ジ−ホスファイト、ジオクチルペン
タエリスリトール−ジ−ホスファイト、ジイソデシルペ
ンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,4
−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ
−ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−
メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファ
イト等のペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト化合
物;テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−
4,4’−ビフェニレンフォスフォナイト等が挙げられ
る。
【0055】上記リン系酸化防止剤は、ポリエステル共
重合体100重量部に対して、0.05〜1.00重量
部添加される。リン系酸化防止剤の含有量が0.05重
量部未満の場合、耐熱性が低下する。一方、リン系酸化
防止剤の含有量が1.00重量部を超える場合、耐熱性
は向上するが効果的でなく、機械的強度等の物性が低下
する。
【0056】本発明に使用されるイオウ系酸化防止剤は
、前記一般式〔V〕で示されるものであり、例えば、ジ
ラリル−3,3’−チオジブロピオネート、ジミリスチ
ル−3,3’−チオジブロピオネート、ペンタエリスチ
リルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、
ジトリデシル−3,3’−チオジブロピオネート、ジオ
クタデシルジスルフィド等が挙げられる。
【0057】上記イオウ系酸化防止剤は、ポリエステル
共重合体100重量部に対して、0.05〜1.00重
量部添加される。イオウ系酸化防止剤の含有量が0.0
5重量部未満の場合、耐熱性が低下する。一方、イオウ
系酸化防止剤の含有量が1.00重量部を超える場合、
耐熱性は向上するが効果的でなく、機械的強度等の物性
が低下する。
【0058】またヒンダードフェノール系酸化防止剤と
リン系酸化防止剤を併用する場合には、ヒンダードフェ
ノール系酸化防止剤に対するリン系酸化防止剤の重量比
は、0.3〜6.0が好ましい。ヒンダードフェノール
系酸化防止剤に対するリン系酸化防止剤の重量比が、0
.3未満または6.0を超える場合、ヒンダードフェノ
ール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤との有効な相乗効
果が劣る。
【0059】またヒンダードフェノール系酸化防止剤と
イオウ系酸化防止剤を併用する場合には、ヒンダードフ
ェノール系酸化防止剤に対するイオウ系酸化防止剤の重
量比は、0.3〜6.0が好ましい。ヒンダードフェノ
ール系酸化防止剤に対するイオウ系酸化防止剤の重量比
が、0.3未満または6.0を超える場合、ヒンダード
フェノール系酸化防止剤とイオウ系酸化防止剤との有効
な相乗効果が劣る。
【0060】また、本発明のポリエステル共重合体組成
物の製造時または製造後に実用性を損なわない範囲で以
下の添加剤が添加されてもよい。
【0061】(i)無機繊維:ガラス繊維、炭素繊維、
ボロン繊維、炭化けい素繊維、アルミナ繊維、アモロフ
ァス繊維、シリコン・チタン・炭素系繊維等。
【0062】(ii)有機繊維:アラミド繊維等。
【0063】(iii)無機充填剤:炭酸カルシウム、
酸化チタン、マイカ、タルク等。
【0064】(iv)難燃剤:ヘキサブロモシクロドデ
カン、トリス−(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェ
ート、ペンタブロモフェニルアリルエーテル等。
【0065】(v)紫外線吸収剤:p−tert−ブチ
ルフェニルサリシレート、2−ヒドロキシ−4−メトキ
シベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2
’−カルボキシベンゾフェノン、2,4,5−トリヒド
ロキシブチロフェノン等。
【0066】(vi)酸化防止剤:ブチルヒドロキシア
ニソール、ブチルヒドロキシトルエン、ジステアリルチ
オジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート
、ヒンダードフェノール系酸化防止剤等。
【0067】(vii)帯電防止剤:N,N−ビス(ヒ
ドロキシエチル)アルキルアミン、アルキルアリルスル
ホネート、アルキルスルファネート等。
【0068】(viii)無機物:硫酸バリウム、アル
ミナ、酸化珪素等。
【0069】(ix)高級脂肪酸塩:ステアリン酸ナト
リウム、ステアリン酸バリウム、パルミチン酸ナトリウ
ム等。
【0070】(x)その他の有機化合物:ベンジルアル
コール、ベンゾフェノン等。
【0071】(xi)結晶化促進剤;高結晶化したポリ
エチレンテレフタレート、ポリトランス−シクロヘキサ
ンジメタノールテレフタレート等。
【0072】さらに得られたポリエステル共重合体組成
物は、他の熱可塑性樹脂、例えば、ポリオレフィン、変
性ポリオレフィン、ポレスチレン、ポリアミド、ポリカ
ーボネート、ポリスルフォン、ポリエステル等と混合し
、あるいはゴム成分と混合してその性質を改質してもよ
い。
【0073】次に本第2発明について説明する。
【0074】本発明に使用される芳香族ポリエステル及
び芳香族ポリエステル共重合体は、上記の第1発明で用
いたものを使用することができる。
【0075】本発明のポリエステル共重合体組成物は、
イオウ系ヒンダードフェノール酸化防止剤を含有する。
【0076】本発明に使用されるイオウ系ヒンダードフ
ェノール酸化防止剤は、前記一般式〔VI〕および〔V
II〕で示される部分構造を同一分子内に有するもので
あり、例えば、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−
3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−t
−ブチル−o−クレゾール)、4,4’−ジ−チオビス
(2,6−ジ−t−ブチルフェノール、4,4’−トリ
−チオビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール、ビス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンシル)
スルフィド、2,2−チオビス(4−メチル−6−t−
ブチルフェノール)、1,2’−チオビス(2−ナフト
ール)、2−メチル−4,6−ジオクチルメチルフェノ
ール等が挙げられる。
【0077】上記イオウ系ヒンダードフェノール酸化防
止剤は、ポリエステル共重合体100重量部に対して、
0.05〜1.50重量部添加される。イオウ系ヒンダ
ードフェノール酸化防止剤の含有量が0.05重量部未
満の場合、耐熱性が低下する。一方、イオウ系ヒンダー
ドフェノール酸化防止剤の含有量が1.50重量部を超
える場合、耐熱性は向上するが効果的でなく、機械的強
度等の物性が低下する。
【0078】本発明のポリエステル共重合体組成物の製
造時または製造後に実用性を損なわない範囲で第1発明
で記載した添加剤が添加されてもよい。
【0079】さらに得られたポリエステル共重合体組成
物は、他の熱可塑性樹脂、例えば、第1発明で記載した
も樹脂と混合し、あるいはゴム成分と混合してその性質
を改質してもよい。
【0080】次に本第3発明について説明する。
【0081】本発明に使用される芳香族ポリエステル及
び芳香族ポリエステル共重合体は、上記の第1発明で用
いたものを使用することができる。
【0082】本発明のポリエステル共重合体組成物は、
ヒンダードフェノール系酸化防止剤およびイオウ系酸化
防止剤とを含有する。
【0083】本発明に使用されるヒンダードフェノール
系酸化防止剤は、前記一般式〔III〕示されるもので
あり、例えば、第1発明で記載したものが挙げられる。
【0084】上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤は
、ポリエステル共重合体100重量部に対して、0.0
5〜1.00重量部添加される。ヒンダードフェノール
系酸化防止剤の含有量が0.05重量部未満の場合、耐
熱性が低下する。一方、ヒンダードフェノール系酸化防
止剤の含有量が1.00重量部を超える場合、耐熱性は
向上するが、機械的強度等の物性が低下する。
【0085】本発明に使用されるイオウ系酸化防止剤は
、前記一般式〔VI〕示されるものであり、例えば、第
1発明で記載したものが挙げられる。
【0086】上記イオウ系酸化防止剤は、ポリエステル
共重合体100重量部に対して、0.05〜1.6重量
部添加される。イオウ系酸化防止剤の含有量が0.05
重量部未満の場合、耐熱性が低下する。一方、イオウ系
酸化防止剤の含有量が1.6重量部を超える場合、耐熱
性は向上するが効果的でなく、機械的強度等の物性が低
下する。
【0087】ヒンダードフェノール系酸化防止剤に対す
るイオウ系酸化防止剤の重量比は、0.3〜6.0が好
ましい。ヒンダードフェノール系酸化防止剤に対するイ
オウ系酸化防止剤の重量比が、0.3未満または6.0
を超える場合、ヒンダードフェノール系酸化防止剤とイ
オウ系酸化防止剤との有効な相乗効果が劣る。
【0088】ヒンダードフェノール系酸化防止剤とイオ
ウ系酸化防止剤の重量和は、ポリエステル共重合体10
0重量部に対して2重量部以下が好ましい。ヒンダード
フェノール系酸化防止剤とイオウ系酸化防止剤の重量和
が2重量部を超える場合、耐熱性は向上するが効果的で
なく、機械的強度等の物性が低下する。
【0089】本発明のポリエステル共重合体組成物は、
さらにポリカルボジイミドを含有する。
【0090】本発明に使用されるポリカルボジイミドは
、1分子当り平均2個以上のカルボジイミドを有するポ
リカルボジイミドである。これらのカルボジイミドは、
脂肪族、脂環族、芳香族のいずれでもよい。例えば、ポ
リ(トリルカルボジイミド)、ポリ(4,4’−ジフェ
ニルメタンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカ
ルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド
)、ポリ(1,3,5,−トリイソプロピル−2,4−
フェニレンカルボジイミド)等が挙げられる。 ポリカルボジイミドは2種以上併用してもよい。
【0091】上記ポリカルボジイミドは、ポリエステル
共重合体100重量部に対して0.5〜4.0重量部添
加される。ポリカルボジイミドの含有量が0.5重量部
未満の場合、耐熱性が低下する。一方、ポリカルボジイ
ミドの含有量が4.0重量部を超える場合、耐熱性は向
上するが効果的でなく、機械的強度等の物性が低下する
【0092】上記添加剤の配合は、押出機、プラストグ
ラフ、バンバリーミキサー等を用いて溶融混練により行
われる。溶融混練温度は、樹脂の分解を抑制するため、
混合可能な最低温度で行うことが望ましい。
【0093】第1発明、第2発明及び第3発明で得られ
たポリエステル共重合体組成物は、熱可塑性エラストマ
ーとして使用することができ、プレス成形、押出成形、
射出成形、ブロー成形等の溶融成形方法により、成形体
とされる。成形体の物性は、その構成成分及びその配合
割合などによって任意に変化させることができ、自動車
部品、ホース、ベルト、パッキンなどの柔軟性を有する
成形体や、塗料、接着剤などに好適に使用される。
【0094】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて説明する
【0095】(A)芳香族ポリエステルの合成攪拌機、
温度計、ガス吹き込み口及び蒸留口を備えた内容積1リ
ットルのガラス製フラスコに、テレフタル酸ジメチル1
94g(1.0mol)、エチレングリコール138g
(2.24mol)、触媒として酢酸カルシウム及びジ
n−ブチルスズオキシドを少量加えた。フラスコ内を窒
素で置換した後にフラスコ内を昇温して180℃で3時
間反応させた。反応とともに、フラスコ内からメタノー
ルが留出しはじめ、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレ
フタレートを得る。
【0096】このフラスコに、4,4’’’−ジヒドロ
キシ−p−クェーターフェニル(DHQ)50.7gを
加え、フラスコを280℃まで昇温し、この温度で約2
時間反応させた。次に、蒸留口を真空器につなぎ、フラ
スコ内を1mmHgに減圧した状態で1時間反応させた
。反応とともにエチレングリコールが留出し、フラスコ
内には極めて粘稠な液体が生成した。フラスコを放冷後
、ガラスフラスコを破壊し、生成物を取り出した。
【0097】(B)ポリエステル共重合体の合成攪拌羽
根、ガス吹き込み口及び蒸留口を備えた内容積1リット
ルのガラス製フラスコに、上記(A)で得られた芳香族
ポリエステル200g、ε−カプロラクトン300g、
触媒としてテトラブチルチタネート1.0g、および熱
安定化剤として1,3,5−トリメチル−2,4,6−
トリス(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル
)ベンゼン1.0gを仕込み、フラスコ内を窒素で置換
した後に、攪拌しながらオイルバス中で250℃に加熱
した。反応系は均一な粘稠なポリマー溶融体となった。 続いて、窒素気流下で1時間反応させた後、ガス吹き込
み口を真空ポンプにつなぎ、フラスコ内を1mmHgに
減圧した状態でさらに1時間反応させた。得られたポリ
マーの融点220℃、ショアD硬度38で良好なゴム状
弾性を有していた。また引張破断強度は350kg/c
m2であり、引張破断伸びは1300%であった。
【0098】実施例1〜4、比較例1〜5上記で得られ
たポリエステル共重合体にヒンダードフェノール系酸化
防止剤として3,9−ビス〔2−(3−(3−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオ
ニロキシ)−1,1−ジメチルエチル〕2,4,8,1
0−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン(添加剤
1)または1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリ
ス(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベ
ンゼン(添加剤2)を共重合体100重量部に対して表
1に示す重量部を添加し、ブラベンダープラストグラフ
押出機を用いて220℃で10分間溶融混練し、樹脂組
成物を得た。次にインジェンクション成形(射出圧15
00kgf/cm2、金型温度70℃、シリンダー温度
220℃)により3号ダンベルを得た。
【0099】実施例1〜4及び比較例1〜5で得られた
ダンベル片について以下に示す方法により耐熱劣化性試
験を行った。その結果を表1に示す。
【0100】耐熱劣化性試験 ギアーオーブン中で得られたダンベル片を表1に示す所
定時間、170℃で放置した。所定時間経過後、ダンベ
ル片を取り出し、その伸度保持率を測定した。伸度保持
率は、JIS  K6301に従い、引っ張り破談伸び
を島津オートグラフAG−5000を用いて測定し、耐
熱性試験前後の比により求めた。
【0101】
【表1】
【0102】表1より、実施例1〜4のポリエステル共
重合体組成物より得られたダンベル片は、耐熱性が良好
であることがわかる。
【0103】実施例5〜8、比較例6〜9上記で得られ
たポリエステル共重合体にリン系酸化防止剤としてトリ
ス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(
添加剤3)または(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチ
ルフェニル)ペンタエリスリトール(添加剤4)を共重
合体100重量部に対して表2に示す重量部を添加する
以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得、実施例
1と同様にしてダンベルを得た。
【0104】実施例5〜8及び比較例6〜9で得られた
ダンベル片について前記と同様の方法により耐熱劣化性
試験を行った。その結果を比較例1の結果と併せて表2
に示す。
【0105】
【表2】
【0106】表2より、実施例5〜8のポリエステル共
重合体組成物より得られたダンベル片は、耐熱性が良好
であることがわかる。
【0107】実施例9〜12、比較例10〜13上記で
得られたポリエステル共重合体にイオウ系酸化防止剤と
してペンタエリスチリルテトラキス(3−ラウリルチオ
プロピオネート)(添加剤5)またはジステアリル−3
,3’−プロピオネート(添加剤6)を共重合体100
重量部に対して表3に示す重量部を添加する以外は、実
施例1と同様にして樹脂組成物を得、実施例1と同様に
してダンベルを得た。
【0108】実施例9〜12及び比較例10〜13で得
られたダンベル片について前記と同様の方法により耐熱
劣化性試験を行った。その結果を比較例1の結果と併せ
て表3に示す。
【0109】
【表3】
【0110】表3より、実施例9〜12のポリエステル
共重合体組成物より得られたダンベル片は、耐熱性が良
好であることがわかる。
【0111】実施例13〜18、比較例14〜15上記
で得られたポリエステル共重合体にヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤として前記添加剤1または添加剤2を、
リン系酸化防止剤として前記添加剤3または添加剤4を
、共重合体100重量部に対して表4に示す重量部を添
加する以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得、
実施例1と同様にしてダンベルを得た。
【0112】実施例13〜18及び比較例14〜15で
得られたダンベル片について前記と同様の方法により耐
熱劣化性試験を行った。その結果を実施例1及び比較例
1の結果と併せて表4に示す。
【0113】
【表4】
【0114】実施例13及び比較例14、ならびに比較
例1で得られたダンベル片について以下に示す方法によ
り成形安定性試験を行った。
【0115】成形安定性試験 得られたダンベル片を1000℃で5時間乾燥させ、島
津フローテスターCFT500により5分後および30
分後のフロー粘度を測定した(荷重100kg,ダイ径
1mm,ダイ長さ10mm,フロー温度220℃)。ま
た30分後のフロー粘度測定により得られたストランド
サンプルの極限温度〔η〕をオルトクロルフェノール中
、30℃で測定した。その結果を表5に示す。
【0116】
【表5】
【0117】表4及び表5より、実施例13〜18のポ
リエステル共重合体組成物より得られたポリエステル共
重合体は、耐熱性及び機械的強度が良好であることがわ
かる。
【0118】実施例19〜24、比較例16〜17上記
で得られたポリエステル共重合体にヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤として前記添加剤1または添加剤2を、
イオウ系酸化防止剤として前記添加剤5または添加剤6
を、共重合体100重量部に対して表6に示す重量部を
添加する以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得
、実施例1と同様にしてダンベルを得た。
【0119】実施例19〜24、比較例16〜17で得
られたダンベル片について前記と同様の方法により耐熱
劣化性試験を行った。その結果を比較例1の結果と併せ
て表6に示す。
【0120】
【表6】
【0121】表6より、実施例19〜24のポリエステ
ル共重合体組成物より得られたポリエステル共重合体は
、耐熱性が良好であることがわかる。
【0122】実施例25〜26、比較例18〜19上記
で得られたポリエステル共重合体にイオウ系ヒンダード
フェノール酸化防止剤として2−メチル−4,6−ジオ
クチルメチルフェノール(添加剤7)を共重合体100
重量部に対して表7に示す重量部を添加する以外は、実
施例1と同様にして樹脂組成物を得、実施例1と同様に
してダンベルを得た。
【0123】実施例25〜26及び比較例18〜19で
得られたダンベル片について前記と同様の方法により耐
熱劣化性試験を行った。その結果を比較例1の結果と併
せて表7に示す。
【0124】
【表7】
【0125】表7より、実施例25〜26のポリエステ
ル共重合体組成物より得られたポリエステル共重合体は
、耐熱性が良好であることがわかる。
【0126】実施例27〜28、比較例20上記で得ら
れたポリエステル共重合体にヒンダードフェノール系酸
化防止剤として前記添加剤1を、イオウ系酸化防止剤と
して前記添加剤5を、共重合体100重量部に対して表
5に示す重量部を、カルボジイミド化合物としてポリ(
1,3,5−トリイソプロピルフェニレン−2,4−カ
ルボジイミド)(添加剤8;住友バイエルウレタン(株
),スタバクソールP−100)を添加する以外は、実
施例1と同様にして樹脂組成物を得、ついで実施例1と
同様にしてダンベルを得た。
【0127】実施例27〜28、比較例20で得られた
ダンベル片について前記と同様の方法により耐熱劣化性
試験を行った。その結果を比較例1の結果と併せて表8
に示す。
【0128】
【表8】
【0129】表8より、実施例27〜28のポリエステ
ル共重合体組成物より得られたポリエステル共重合体は
、耐熱性が良好であることがわかる。
【0130】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
ポリエステル共重合体組成物によれば、耐熱性および機
械的強度に優れた熱可塑性エラストマーを提供すること
ができ、各種部材に好適に使用することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレングリコールおよび/またはブチレ
    ングリコールを主に含有するジオール成分とテレフタル
    酸を主に含有する酸成分を構成成分とする芳香族ポリエ
    ステルと、ラクトンモノマーおよび/またはポリラクト
    ンとを反応させることにより得られ、該芳香族ポリエス
    テルのジオール成分として、下記一般式〔I〕で表され
    るジヒドロキシ化合物と下記一般式〔II〕で表される
    モノヒドロキシ化合物のうち、少なくともいずれか一方
    を構成成分とし、該ヒドロキシ化合物がジオール成分の
    0.1モル%〜30モル%含有されているポリエステル
    共重合体と、下記一般式〔III〕で表されるヒンダー
    ドフェノール系酸化防止剤、下記一般式〔IV〕で表さ
    れるリン系酸化防止剤、および下記一般式〔V〕で表さ
    れるイオウ系酸化防止剤からなる化合物群から選ばれる
    のうち少なくとも一種の酸化防止剤とを含有するポリエ
    ステル共重合体組成物であって、各酸化防止剤が該ポリ
    エステル共重合体100重量部に対して0.05〜1.
    00重量部含有されているポリエステル共重合体組成物
    。 【化1】 (式中、R1,R2はそれぞれにアルキレン基を示し、
    pは3または4であり、q,rは独立的に0または1以
    上の整数を示す)。 【化2】 (式中、R3はアルキレン基を示し、lは2または3で
    あり、mは0または1以上の整数を示す)。 【化3】 (式中、R4は第2級または第3級アルキル基、R5は
    水素またはアルキル基を示す)。 【化4】 (式中、R6,R7,R8は独立的に芳香族または脂肪
    族置換基を示す)。 【化5】 (式中、R9,R10は独立的に芳香族または脂肪族置
    換基を示し、tは1〜3の整数を示す)。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のポリエステル共重合体と
    、下記一般式〔VI〕および下記一般式〔VII〕で表
    される部分構造を同一分子内に有するイオウ系ヒンダー
    ドフェノール酸化防止剤とを含有するポリエステル共重
    合体組成物であって、該酸化防止剤が該ポリエステル共
    重合体重量部に対して0.05〜1.50重量部含有さ
    れているポリエステル共重合体組成物。 【化6】 (式中、R11は水素またはアルキル基を示す)。 【化7】 (式中、R12は芳香族または脂肪族置換基を示し、t
    は1〜3の整数を示す)。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のポリエステル共重合体と
    、請求項1に記載の一般式〔III〕で表されるヒンダ
    ードフェノール系酸化防止剤、請求項1に記載の一般式
    〔V〕で表されるイオウ系酸化防止剤およびポリカルボ
    ジイミドとを含有するポリエステル共重合体組成物であ
    って、該ポリエステル共重合体100重量部に対して、
    該ヒンダードフェノール系酸化防止剤が0.05〜1.
    00重量部、該イオウ系酸化防止剤が0.05〜1.6
    重量部、該ポリカルボジイミドが0.5〜4.0重量部
    含有されているポリエステル共重合体組成物。
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