JP2551664B2 - ポリエステルの製造方法 - Google Patents

ポリエステルの製造方法

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JP2551664B2
JP2551664B2 JP1235374A JP23537489A JP2551664B2 JP 2551664 B2 JP2551664 B2 JP 2551664B2 JP 1235374 A JP1235374 A JP 1235374A JP 23537489 A JP23537489 A JP 23537489A JP 2551664 B2 JP2551664 B2 JP 2551664B2
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真 山口
一雄 山形
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はポリエステルの製造方法に関し,特に熱可塑
性エラストマーとしての性質を有し,耐熱性,機械的強
度および成形加工性に優れているポリエステルを短時間
で安定して製造する方法に関するものである。
(従来の技術) 一般に,材料がゴム弾性を示すためには,分子鎖回転
の容易な無定形高分子が部分的に架橋されていることが
必要である。例えば,弾性を有するゴムでは硫黄分子が
分子鎖間を化学結合により橋架けして網目構造を形成し
ている。また、ゴム以外にも,種々の高分子化合物と架
橋剤とを組み合わせた材料が提案されている。これらの
材料を成形するためには架橋工程を必要とし,また化学
的に架橋された後では,熱可塑性を示さないので,架橋
された材料を射出成形や押し出し成形によって成形する
ことはできない。
近年,常温でゴム弾性を示し,かつ高温では可塑化さ
れる熱可塑性エラストマーが開発され,種々のタイプの
熱可塑性エラストマーが製造,市販されている。この熱
可塑性エラストマーは従来のゴムのような長時間の架橋
工程が不要であり,射出成形や押し出し成形によって成
形することができる。熱可塑性エラストマーの分子構造
の特徴は,強固な化学的結合によらない架橋,すなわ
ち,常温付近でのみ有効な何らかの高分子間拘束を施す
システムにあり,ソフトセグメントとハードセグメント
とからなる高分子集合体というのが熱可塑性エラストマ
ーの典型的な構造である。ソフトセグメントとハードセ
グメントは互いに化学構造が異なり,両者の混成組成に
おいては,同質部分がそれぞれ凝集し,異質部分が互い
に相分離したミクロ的不均衡構造を形成することにな
り,その際ハードセグメントの凝集部分が上記分子間の
拘束作用を示すのである。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば,スチレン
系,オレフィン系,ウレタン系,エステル系,アミド系
などがある。スチレン系ではハードセグメントとしてポ
リスチレンが凍結相を形成して分子鎖間を拘束し,その
結果ゴム弾性を発揮する。オレフィン系ではハードセグ
メントとしてポリプロピレンの結晶相が作用する。ま
た,ウレタン系ではポリウレタンセグメントが水素結合
によって分子鎖間の物理的な架橋をもたらす。また,エ
ステル系ではポリブチレンテレフタレート鎖が,アミド
系では6−ナイロン,6,6−ナイロン等のナイロン鎖がハ
ードセグメントとして働く。
(発明が解決しようとする課題) このように,熱可塑性エラストマーは常温でゴム弾性
を示し,しかも成形可能なため,自動車部品や各種工業
用品に広く用いられている。しかし,これまでの熱可塑
性エラストマーは,架橋タイプのゴムに比べて架橋を物
理的拘束によって行うためにその部分の軟化溶融点に制
約を受けて耐熱性が低く,またクリープ特性も劣ったも
のとなっていた。例えば,熱可塑性エラストマーの中で
も最も耐熱性の高いエステル系タイプとして知られてい
る東洋紡(株)製ペルプレンS−9001においても,融点
223℃,熱変形温度(低荷重)146℃であり,ウレタン系
においても,その軟化点はせいぜい140℃である。
p−ターフェニルもしくはp−クォーターフェニル骨
格を有するジヒドロキシもしくはモノヒドロキシ化合物
を構成成分とするポリエステルは,このヒドロキシル化
合物の結晶状態から液晶状態への転移点(融点)が,そ
の特徴ある分子構造を反映して極めて高いため,非常に
強固で耐熱性の高い物理的架橋を有し,耐熱性および機
械的物性に優れた熱可塑性エラストマーである。しかし
ながら,これらのヒドロキシ化合物は,各種溶媒や他の
共重合モノマーに極めて溶けにくいので,このヒドロキ
シ化合物を用いてポリエステルを合成する際には,高温
状態としてヒドロキシ化合物を溶融させ,そしてこの化
合物と他の共重合モノマーとをエステル反応させる必要
がある。ところが,ヒドロキシ化合物が溶融する程度の
高温状態で長時間反応させると,生成物が着色し,及び
生成物の物性が低下する原因となっていた。これは,生
成物に含まれる脂肪族成分が反応時の熱で分解するため
と思われる。生成物の熱分解を防ぐために,ヒドロキシ
化合物と共重合モノマーとを低温で重合させた場合には
ジヒドロキシ化合物の反応が不十分であるため,このヒ
ドロキシ化合物が生成物中に残存することになり得られ
たポリエステルの分子量は低く,物性の劣ったものとな
っていた。
本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであり,本
発明の目的は,分子量が高く,耐熱性及び機械的物性に
優れており,かつ着色の少ないポリエステルが短時間で
得られる方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明のポリエステルの製造方法は,一般式が下式
〔I〕で表わされる脂肪族ジカルボン酸と,一般式が下
式〔II〕で表わされるジヒドロキシ化合物と,脂肪族ジ
オールとを主たる構成成分とするポリエステルを製造す
るにあたり,ジカルボン酸の低級エステルと,脂肪族ジ
オールとをジヒドロキシ化合物が溶融しない温度でエス
テル交換反応を行い、そのエステル交換反応が終了した
後,反応温度を昇温してジヒドロキシ化合物を溶解さ
せ,次にジヒドロキシ化合物が析出しない範囲の温度ま
で降温して,この温度でさらにエステル交換反応を行な
うことを特徴し,そのことにより上記目的が達成され
る。
HOOC−(CH2)n−COOH 〔I〕 (式中,nは0〜10の整数を示す。) (式中,R1,R2は独立的にアルキレン基を示し,pは3また
は4であり,q,rは独立的に0または1である。) 上記脂肪族ジカルボン酸において,炭素数が10を超え
るジカルボン酸を用いると,脂肪族ポリエステルから得
られる成形体の物性が低下する。上記ジカルボン酸とし
ては,たとえばシュウ酸,マロン酸,コハク酸,グルタ
ル酸,アジピン酸,スベリン酸,セバチン酸が好適に用
いられる。
上記脂肪族ジオールとしては,グリコール及びポリア
ルキレンオキシドがあげられる。上記グリコールとして
は,例えば,エチレングリコール,プロピレングリコー
ル,トリメチレングリコール,1,4−ブタンジオール,1,3
−ブタンジオール,1,5−ペンタンジオール,1,6−ヘキサ
ンジオール,1,7−ヘプタンジオール,1,8−オクタンジオ
ール,1,9−ノナンジオール,1,10−デカンジオール,シ
クロペンタン−1,2−ジオール,シクロヘキサン−1,2−
ジオール,シクロヘキサン−1,3−ジオール,シクロヘ
キサン−1,4−ジオール,シクロヘキサン−1,4−ジメタ
ノール等があげられ,これらは単独で使用されてもよ
く,二種以上が併用されてもよい。
上記ポリアルキレンオキシドとしては,例えば,ポリ
エチレンオキシド,ポリプロピレンオキシド,ポリテト
ラメチレンオキシド,ポリヘキサメチレンオキシド等が
あげられ,これらは単独で使用されてもよく,二種以上
が併用されてもよい。ポリアルキレンオキシドの数平均
分子量は,小さくなると生成する脂肪族ポリエステルに
柔軟性を付与する能力が低下し,大きくなりすぎると得
られた脂肪族ポリエステルの熱安定性等の物性が低下す
るので、100〜20,000が好ましく,より好ましくは500〜
5,000である。
上式〔II〕で表されるジヒドロキシ化合物は液晶性を
示す低分子化合物であって,アルキレン基R1,R2はエチ
レン基又はプロピレン基が好ましく,q及びrは0又は1
であり、次式〔A〕で表される4,4″−ジヒドロキシ−
p−ターフェニル,次式〔B〕で表される4,4−ジヒ
ドロキシ−p−クォーターフェニル及び次式〔C〕で表
される4,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)−p−ク
ォーターフェニル等が好適に使用される。
4,4″−ジヒドロキシ−p−ターフェニル〔A〕の結
晶状態から液晶状態への転移温度は260℃で,4,4−ジ
ヒドロキシ−p−クォーターフェニル〔B〕のそれは33
6℃,4,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)−p−クォ
ーターフェニル〔C〕のそれは403℃である。尚,液晶
状態とは,化合物が溶融状態であって,分子が配向状態
を保持している状態をいう。上記各ジヒドロキシ化合物
〔II〕はそれぞれ単独で使用しても良く,あるいは併用
しても良い。
液晶性の分子は一般に結晶性が高く,上記したように
4,4″−ジヒドロキシ−p−フェニル〔A〕,4,4−ジ
ヒドロキシ−p−クォーターフェニル〔B〕及び4,4
−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)−p−クォーターフェ
ニル〔C〕はその結晶から液晶状態への転移点が高いた
めに,これらのジヒドロキシ化合物〔II〕がポリマー鎖
中に組み込まれた場合,そのポリマーは特異な性質を示
す。
すなわちジヒドロキシ化合物〔II〕が結晶性を示し,
しかもその転移点が高いので,ジヒドロキシ化合物〔I
I〕の配合量が少量の場合でも強固で耐熱性の高い物理
的架橋を形成する。その結果,ソフトセグメントに由来
する柔軟性を損なうことなく耐熱性の高い熱可塑性エラ
ストマーが得られるものと推察される。
上記脂肪族ジカルボン酸〔I〕,脂肪族ジオールおよ
びジヒドロキシ化合物〔II〕を構成成分とする脂肪族ポ
リエステルに,2個の水酸基を有するポリシリコーンや,
ラクトンや,芳香族ヒドロキシカルボン酸を構成成分と
して含有させてもよい。
上記ポリシリコーンは,2個の水酸基を有するものであ
り,2個の水酸基が分子末端にあるポリシリコーンが好ま
しく,たとえば,分子の両末端に2個の水酸基を有する
ジメチルポリシロキサン,ジエチルポリシロキサン,ジ
フェニルポリシロキサン等があげられる。ポリシリコー
ンの数平均分子量は,小さくなると,生成するポリエス
テルに柔軟性を付与する能力が低下し,大きくなると,
ポリエステルの生成が困難になるので,100〜20,000が好
ましく,より好ましくは500〜5,000である。
上記ラクトンは,開環して酸及び水酸基と反応し,脂
肪族鎖を付加するものであって,ポリエステルに柔軟性
を付与するものであり,環の中に4以上の炭素原子を有
するものが好ましく,より好ましくは5員環〜8員環で
あり,例えばε−カプロラクトン,δ−バレロラクト
ン,γ−ブチロラクトン等があげられる。
上記芳香族ヒドロキシカルボン酸は,ポリエステルに
剛性や液晶性を付与するものであり,サリチル酸,メタ
ヒドロキシ安息香酸,パラヒドロキシ安息香酸,3−クロ
ロ−4−ヒドロキシ安息香酸,3−ブロモ−4−ヒドロキ
シ安息香酸,3−メトキシ−4−ヒドロキシ安息香酸,3−
メチル−4−ヒドロキシ安息香酸,3−フェニル−4−ヒ
ドロキシ安息香酸,2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸,4−
ヒドロキシ−4′−カルボキシビフェニルなどがあげら
れ,好ましくは,パラヒドロキシ安息香酸,2−ヒドロキ
シ−6−ナフトエ酸,4−ヒドロキシ−4′−カルボキシ
ビフェニルである。
さらに,上記脂肪族ポリエステルに,ポリエステルの
機械的物性等を向上させるために,ジヒドロキシ化合物
〔II〕以外の芳香族ジオールや芳香族ジカルボン酸を構
成成分として含有させてもよい。
芳香族ジオールとしては,ヒドロキノン,レゾルシ
ン,クロロヒドロキノン,ブロモヒドロキノン,メチル
ヒドロキノン,フェニルヒドロキノン,メトキシヒドロ
キノン,フェノキシヒドロキノン,4,4′−ジヒドロキシ
ビフェニル,4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル,
4,4′−ジヒドロキシジフェニルサルファイド,4,4′−
ジヒドロキシジフェニルスルホン,4,4′−ジヒドロキシ
ベンゾフェノン,4,4′−ジヒドロキシジフェニルメタ
ン,ビスフェノールA,1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン,1,2−ビス(4−ヒドロキシフェノ
キシ)エタン,1,4−ジヒドロキシナフタリン,2,6−ジヒ
ドロキシナフタリンなどがあげられる。
芳香族ジカルボン酸としては,テレフタル酸,イソフ
タル酸,5−スルホイソフタル酸の金属塩,4,4′−ジカル
ボキシビフェニル,4,4′−ジカルボキシジフェニルエー
テル,4,4′−ジカルボキシジフェニルサルファイド,4,
4′−ジカルボキシジフェニルスルホン,3,3′−ジカル
ボキシベンゾフェノン,4,4′−ジカルボキシベンゾフェ
ノン,1,2−ビス(4−カルボキシフェノキシ)エタン,
1,4−ジカルボキシナフタリン,または2,6−ジカルボキ
シナフタリンなどがあげられる。
ジヒドロキシ化合物〔II〕と脂肪族ジオールと脂肪族
ジカルボン酸よりなる脂肪族ポリエステルは,ジヒドロ
キシ化合物〔II〕の含有量が,少なくなると耐熱性が低
下し,多くなると弾性率が高くなり柔軟性が低下し,熱
可塑性エラストマーとしては不適当になるので,ジヒド
ロキシ化合物〔II〕の含有量は,ポリエステルを構成す
る全モノマー中の0.1〜30モル%が好ましく,より好ま
しくは0.5〜20モル%であり,さらに好ましくは1.0〜10
モル%である。尚,芳香族以外のジオールとしてポリア
ルキレンオキシドやポリシリコーンを使用する場合,そ
の構成単位を1モノマーとして数える。即ち,重合度10
のポリエチレンオキシドは10モノマーとして数える。
本発明においては,まず上記ジカルボン酸の低級エス
テルとジオール成分とをジヒドロキシ化合物〔II〕が溶
融しない温度でエステル交換反応させる。低級エステル
としては,通常低級アルキルエステルであり,例えばメ
チルエステル,エチルエステル,プロピルエステル等が
ある。ここでの反応温度は,ジヒドロキシ化合物〔II〕
が溶融しない温度であれば変動してもよい。次に,上記
エステル交換反応が完了した後,反応温度を昇温してジ
ヒドロキシ化合物〔II〕が溶解する温度とする。ここで
の温度は,ジヒドロキシ化合物〔II〕が溶解する温度で
あれば,可能な限り低い方が好ましい。ジヒドロキシ化
合物〔II〕が溶解した後,反応温度を降下して,ジヒド
ロキシ化合物〔II〕が析出しない温度とする。ここでの
温度は,ジヒドロキシ化合物〔II〕が析出しない温度で
あれば,特に低い温度が好ましい。ジヒドロキシ化合物
〔II〕が析出し始める温度は,用いるジヒドロキシ化合
物〔II〕及び組成濃度等に異なるが実測することによっ
て求めることができる。この範囲内の温度でジヒドロキ
シ化合物と他の共重合モノマーとのエステル交換反応を
所定時間行い,次いで放冷してポリエステルが得られ
る。
ジヒドロキシ化合物と他の共重合モノマーとを重縮合
する際には,一般にポリエステルを製造する際に使用さ
れている触媒が使用されてよい。この触媒としては,リ
チウム,ナトリウム,カリウム,セシウム,マグネシウ
ム,カルシウム,バリウム,ストロンチウム,亜鉛,ア
ルミニウム,チタン,コバルト,ゲルマニウム,錫,
鉛,アンチモン,ヒ素,セリウム,ホウ素,カドミウ
ム,マンガンなどの金属,その有機金属化合物,有機酸
塩,金属アルコキシド,金属酸化物等があげられる。
特に好ましい触媒は,酢酸カルシウム,ジアシル第一
錫,テトラアシル第二錫,ジブチル錫オキサイド,ジブ
チル錫ジラウレート,ジメチル錫マレート,錫ジオクタ
ノエート,錫テトラアセテート,トリイソブチルアルミ
ニウム,テトラブチルチタネート,二酸化ゲルマニウ
ム,及び三酸化アンチモンである。これらの触媒は二種
以上併用してもよい。また,重合とともに副生する水
や,アルコール,グリコールなどを効率よく留出させ,
高分子量ポリマーを得るためには,反応系を重合後期に
1mmHg以下に減圧することが好ましい。反応温度は一般
に150〜350℃である。
本発明のポリエステルの製造時又は製造後に実用性を
損なわない範囲で以下の添加剤が添加されてもよい。す
なわち,ガラス繊維,炭素繊維,ボロン繊維,炭化けい
素繊維,アルミナ繊維,アモルファス繊維,シリコン・
チタン・炭素系繊維等の無機繊維,アラミド繊維等の有
機繊維,炭酸カルシウム,酸化チタン,マイカ,タルク
等の無機充填剤,トリファニルホスファイト,トリラウ
リルホスファイト,トリスノニルフェニルホスファイ
ト,2−tert−ブチル−α−(3−tert−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)−p−クメニルビス(p−ノニルフ
ェニル)ホスファイト等の熱安定剤,ヘキサブロモシク
ロドデカン,トリス−(2,3−ジクロロプロピル)ホス
フェート,ペンタブロモフェニルアリルエーテル等の難
燃剤,p−tert−ブチルフェニルサリシレート,2−ヒドロ
キシ−4−メトキシベンゾフェノン,2−ヒドロキシ−4
−メトキシ−2′−カルボキシベンゾフェノン,2,4,5−
トリヒドロキシシブチロフェノン等の紫外線吸収剤,ブ
チルヒドロキシアニソール,ベチルヒドロキシトルエ
ン,ジステアリルオジプロピオネート,ジラウリルチオ
ジプロピオネート等,ヒンダードフェノール系酸化防止
剤等の酸化防止剤,N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アル
キルアミン,アルキルアリルスルホネート,アルキルス
ルファネート等の帯電防止剤,硫酸バリウム,アルミ
ナ,酸化珪素などの無機物;ステアリン酸ナトリウム,
ステアリン酸バリウム,パルミチン酸ナトリウムなどの
高級脂肪酸塩;ベンジルアルコール,ベンゾフェノンな
どの有機化合物;高結晶化したポリエチレンテレフタレ
ート,ポリトランス−シクロヘキサンジメタノールテレ
フタレート等の結晶化促進剤等があげられる。
さらに,本発明の製造方法で得られた脂肪族ポリエス
テルは,他の熱可塑性樹脂,例えばポリオレフィン,変
成ポリオレフィン,ポリスチレン,ポリアミド,ポリカ
ードネート,ポリスルフォン,ポリエステル等と混合
し,あるいはゴム成分と混合してそ性質を改質して使用
してもよい。
本発明の製造方法で得られた脂肪族ポリエステルは、
プレス成形,押出成形,射出成形,ブロー成形等により
成形体とされる。成形体の物性は,その構成成分及びそ
の配合割合等によって任意に変化し得る。ポリエステル
を熱可塑性エラストマーとして調製した場合には,成形
体は自動車部品,ホース,ベルト,パッキンなどの柔軟
性を有する成形体や,塗料,接着剤等に好適に用いられ
る。
(実施例) 以下に,本発明を実施例に基づいて説明する。
実施例1 撹拌機,温度計,ガス吹き込み口及び蒸留口を備えた
内容積100mlのガラス製フラスコに,アジピン酸ジメチ
ル(以下DMAとする)34.84g(200mmol),エチレングリ
コール(以下EGとする)29.79g(480mmol),4,4−ジ
ヒドロキシ−p−クォーターファニル(以下DHQとす
る)6.7682g(20mmol),および触媒として二酸化ゲル
マニウム0.0072gと酢酸カルシウム0.044gとを加え,フ
ラスコ内を窒素で置換した後,フラスコをオイルバスに
浸し,バス温をすみやかに190℃まで昇温し約2時間反
応させた。反応とともにフラスコからメタノールが留出
しはじめ,ビス(2−ヒドロキシエチル)アジペート
(以下BHEAとする)が生成した。この反応の間,DHQはほ
とんど溶解していなかった。次いで,バス温を320℃ま
で昇温して撹拌を続けた。この間にDHQは液体状態のBHE
Aに溶解した。DHQの溶解を確認してからすみやかにバス
温を300℃まで降温した。DHQが溶解して降温するまでの
間は30分であった。バス温300℃の状態で1時間反応を
続けた後,蒸留口を真空器につなぎ,フラスコ内を1mmH
g以下に減圧した状態で約2時間重縮合反応を行なっ
た。反応とともにエチレングリコールが留出し,フラス
コ内には極めて粘稠な液体が生成した。フラスコを放冷
した後、フラスコを割って生成物をとり出した。得られ
た脂肪族ポリエステルの色を目視で観察し,極限粘度を
測定した。極限粘度〔η〕は,オルトクロルフェノール
中,30℃で測定した。生成物は極めて淡い黄色半透明の
固体であり、極限粘度は1.45であった。
比較例1 実施例1と同様のフラスコに,実施例1と同様のモノ
マー及び触媒を仕込み,190℃のオイルバス中で約2時間
反応を行い,実施例1と同様にBHEAを生成させた。次い
で,バス温を320℃まで昇温して撹拌し,DHQを液体状態
のBHEAに溶解させた。DHQの溶解を確認してから320℃に
保った状態で更に約1時間反応を続けた後,フラスコ内
を1mmHg以下に減圧した状態で約2時間重縮合反応を行
なった。反応とともにエチレングリコールが留出し,フ
ラスコ内には極めて粘稠な液体が生成した。フラスコを
放冷した後,ガラスを割って生成物をとり出した。生成
物は褐色に着色した半透明の固体であり,その極限粘度
は1.30であった。
比較例2 実施例1と同様のフラスコに,実施例1と同様のモノ
マー,触媒を仕込み,190℃のオイルバス中で約2時間反
応を行い,次いで,このバス温を300℃まで昇温して撹
拌し,DHQを液体状態のBHEAに溶解させた。DHQが完全に
溶解するまで約1時間かかった。バス温300℃で約1時
間反応を続けた後,フラスコ内を1mmHg以下に減圧した
状態で2時間重縮合反応を行なった。反応とともにエチ
レングリコールが留出し,フラスコ内には極めて粘稠な
液体が生成した。フラスコを放冷した後,ガラスを割っ
て生成物をとり出した。生成物は極めて淡い黄色,半透
明の固体であり,その極限粘度は1.40であった。
以上の結果から,下記のようなことがわかった。DHQ
を溶解させた後降温してさらにエステル交換反応を行な
った場合(実施例1)はDHQを溶解させた温度(320℃)
を保ってエステル交換反応を続けた場合(比較例1)に
比べて,着色が少なく,極限粘度の値も高い。また溶解
温度が低い場合(比較例2)は,DHQが完全に溶解するま
で時間がかかり,その極限粘度の値が低い。
(発明の効果) 本発明によれば結晶性が高く,融点の高いジヒドロキ
シ化合物を,反応系を長時間高温に保持することなく分
子鎖中に導入することができ,十分高分子量であって機
械的物性に優れ,しかも着色の極めて少ないポリエステ
ルを短時間で得ることができる。
このようにして得られたポリエステルは,熱可塑性エ
ラストマーとしての性能を有すると共に,耐熱性,力学
特性,成形加工性等が優れている。
フロントページの続き (72)発明者 仁木 章博 大阪府三島郡島本町百山2番2号 (72)発明者 斉藤 寅之助 大阪府茨木市山手台5丁目17番21号 (72)発明者 角町 博記 大阪府茨木市大手町7番20号 (72)発明者 岸本 大志郎 大阪府茨木市三島丘2丁目11番20号 ウ メヤママンション102 (56)参考文献 特公 昭48−4116(JP,B1) 特公 昭52−49037(JP,B2) ソ連国特許発明186124(SU,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式が下式〔I〕で表わされる脂肪族ジ
    カルボン酸と、一般式が下式〔II〕で表わされるジヒド
    ロキシ化合物と、脂肪族ジオールとを主たる構成成分と
    するポリエステルを製造するにあたり、 ジカルボン酸の低級エステルと、脂肪族ジオールとをジ
    ヒドロキシ化合物が溶融しない温度でエステル交換反応
    を行い、そのエステル交換反応が終了した後、反応温度
    を昇温してジヒドロキシ化合物を溶解させ、次にジヒド
    ロキシ化合物が析出しない範囲の温度まで降温して、こ
    の温度でさらにエステル交換反応を行うことを特徴とす
    るポリエステルの製造方法。 HOOC−(CH2)n−COOH 〔I〕 (式中、nは0〜10の整数を示す。) (式中、R1、R2は独立的にアルキレン基を示し、pは3
    または4であり、q、rは独立的に0または1であ
    る。)
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