JPH06216556A - 電磁波シールド性積層シート - Google Patents

電磁波シールド性積層シート

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JPH06216556A
JPH06216556A JP5260027A JP26002793A JPH06216556A JP H06216556 A JPH06216556 A JP H06216556A JP 5260027 A JP5260027 A JP 5260027A JP 26002793 A JP26002793 A JP 26002793A JP H06216556 A JPH06216556 A JP H06216556A
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amorphous metal
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metal thin
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Tsutomu Obayashi
勉 大林
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 所望の広幅、実用上十分な強度を有する電磁
波シールド性積層シートの提供。 【構成】 複数枚のアモルファス金属リボンの並列体か
らなる1以上のアモルファス金属薄膜、1以上の非アモ
ルファス金属薄膜、繊維布帛を含む1以上の補強層とか
らなり、前記繊維布帛が、必要により可撓性樹脂材料に
より含浸又は被覆されている電磁波シールド性積層シー
ト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁波シールド性積層
シートに関するものである。更に詳しく述べるならば、
本発明は、アモルファス金属薄膜と非アモルファス金属
薄膜と、繊維布帛補強層とを有し、電磁波に対しすぐれ
たシールド効果を有し、かつ実用上すぐれた機械的強度
を有する積層シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年エレクトロニクス機器の発達および
普及に伴い、これらの機器および、磁気記録体などを、
静電気、および電磁波の悪影響から保護することが必要
になり、この保護材料として、シート材料、例えば、被
覆用シート材料および包装用シート材料の需要が大きく
なってきている。
【0003】従来エレクトロニクス機器を静電気の影響
から保護するために、カーボン粉末、カーボン繊維、金
属箔、又は金属粉末を含有する導電性材料を含む導電性
シートが用いられている。しかし、このような従来の導
電性シートは、エレクトロニクス機器を電磁波の影響か
ら保護する目的には十分に効果があるとは云えないもの
である。例えば、MRI(核磁気共鳴診断装置)などに
おいては、外部の電磁波によって強い障害を受けやす
く、このためMRIは厚さ2cmの鉄板でシールドされて
いる。このような厚いシールド材料を用いると、装置の
重量が極めて大きなものとなり、かつ、その製作や加工
に困難を生ずる。更に、上記鉄板シールドの最も重大な
欠点は、鉄板自身が磁気を帯び易いという点にある。
【0004】上記のような従来の電磁波シールド材料の
欠点を解消するためにアモルファス金属の利用が試みら
れた。アモルファス金属は、すぐれた電磁波に対するシ
ールド効果を有し、かつ負荷を除くと、直ちにもとの状
態に復帰し、磁気を帯びることがないという利点を有し
ている。
【0005】しかしながら、アモルファス金属は、従来
の電磁波シールド材料(例えば鉄板)に対し、下記のよ
うな問題点を有している。 (イ)一般にアモルファス金属材料の厚さは、100μ
m以下(市販アモルファス金属薄膜の大部分は50μm
以下の厚さを有する)に限定され、これ以上の厚さを有
するアモルファス金属材料を得ることが困難である。 (ロ)一般にアモルファス金属材料は、100mm以下の
幅(最も一般には20mm以下)で供給されており、これ
以上に広い幅を有するものを入手することが困難であ
る。 (ハ)従って、広幅の、かつかなりの厚さ、例えば、1
00μmより大きな厚さを有するアモルファス金属材料
を得ることは困難である。 (ニ)このため、アモルファス金属材料を広幅のシート
材料として利用することができなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題点を有するアモルファス金属薄膜を用い、所望の
幅と厚さを有し、かつ実用上十分な強度を有する電磁波
シールド性積層シートを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の電磁波シールド
性積層シートは、互いに平行に並列された複数枚のアモ
ルファス金属リボンからなる少なくとも1層のアモルフ
ァス金属薄膜層と、それに積層されている少なくとも1
層の非アモルファス金属薄膜層と、前記アモルファス金
属薄膜層および非アモルファス金属薄膜層の少なくとも
1層上に積層され、かつ繊維布帛を含む少なくとも1層
の補強層とを有することを特徴とするものである。
【0008】前記補強層中の繊維布帛には、可撓性樹脂
材料が含浸、または被覆されていることが好ましい。
【0009】最近アモルファス金属を、その特性に基い
て、種々の用途に使用することが試みられている。一般
にアモルファス金属薄膜は、幅2.54〜10.16cm
のリボン状材料として供給されており、その幅の拡大に
関しては近い将来、幅20.32cmの小幅シートが、供
給されることが期待されている程度である。また、供給
されているアモルファス金属薄膜は、一般に5〜50μ
mの厚さを有するもので、極く稀に100μm程度の厚
さを有するものがあるに過ぎない。
【0010】従来は、上述のようなリボン状、又は小
(細)幅材料は、カードケース、或は小物用包装収納材
料としてのみ使用可能であって、これを100〜300
cmの広幅が要求される被覆シートなどに利用することは
殆んど不可能と考えられていた。
【0011】本発明の積層シートにおいては、アモルフ
ァス金属薄膜は、その供給幅のまゝ、または、必要に応
じ、これを所望の幅に接合して使用される。
【0012】図1において、本発明の積層シートに用い
られるアモルファス金属薄膜層1は、互いに平行に並列
された複数枚のアモルファス金属リボン2によって構成
されている。
【0013】図2に示された、本発明の積層シートに含
まれるアモルファス金属薄膜層と、非アモルファス金属
薄膜層との積層体において、複数枚のアモルファス金属
リボン2からなるアモルファス金属薄膜層1に、非アモ
ルファス金属薄膜層3が積層されて積層体4が構成され
ている。
【0014】本発明の積層シートの好ましい一実施態様
において、図3に示されているように、アモルファス金
属薄膜層1および非アモルファス金属薄膜層3からなる
積層体4に、更に繊維布帛を含む補強層5が積層されて
いる。
【0015】本発明において有用なアモルファス金属薄
膜としては、一般には鉄を主成分とし、これにホウ素、
珪素、炭素、ニッケル、コバルト、および、モリブデン
などから選ばれた1種以上を添加して得られるアモルフ
ァス合金から選ばれることが好ましい。例えば、アライ
ド社の商標:METGLAS No. 2605SC(F
e:81%,B:13.5%,Si:3.5%,C:2
%のアモルファス合金)、No. 2605S−2(Fe:
78%,B:13%,Si:9%のアモルファス合
金)、No. 2605−CO(Fe:67部、B:14
部、Si:1部、Co:18部のアモルファス合金)、
No. 2826−MB(Fe:40%,Ni:38%,M
o:4%,B:18%のアモルファス合金)などを用い
ることができる。
【0016】また、上記の鉄を主成分とする合金系の外
に、コバルトを主成分とする合金系(例えばCo90Zr
10,Co78Si1012,Co56Cr2618,Co44Mo
36 20,Co34Cr28Mo2018)、ニッケルを主成分
とする合金系(例えばNi90Zr10,Ni78Si
1012,Mi34Cr24Mo2418)、およびその他の金
属を主成分とする合金系(例えばPd80Si20,Cu80
Zr20,Nb50Ni50,Ti 50Cu50)等も利用でき
る。
【0017】また、アモルファス金属薄膜は、その電磁
波シールド性に実質的な影響のない範囲内で、有孔薄膜
であってもよい。
【0018】これらのアモルファス金属薄膜材料は、前
述のようにリボン又は細幅シートの形状で供給されてい
る場合が多いので、本発明の積層シートに、これらを使
用するとき、必要に応じて複数個のリボン状、又は、細
幅シート状のアモルファス金属薄膜材料を互いに並列に
配列して、広幅シート状体とするか、または、必要によ
りそれらの対向する側縁部を導電性接着剤又は半田によ
り接着して、所望の幅を有する広幅シート状体とする。
複数枚のリボンから広幅薄膜を作成するとき、リボン
は、得られる積層シートの長手軸方向に平行に伸びるよ
うに配置されてもよいし、或は、これに直角な方向に伸
びるように配置されていてもよい。
【0019】アモルファス金属薄膜は特に磁界に対しす
ぐれたシールド効果を有しているが、電界に対するシー
ルド効果は、磁界に対するシールド効果程は高くない。
【0020】本発明の積層シートは、アモルファス金属
薄膜の寸法上の問題点、および電界に対するシールド効
果における問題点を解消するために、アモルファス金属
薄膜に、非アモルファス金属薄膜を積層一体化する。
【0021】最近非アモルファス金属薄膜(箔)を、そ
の特性に基いて種々の用途に利用することが試みられて
いる。一般に非アモルファス金属薄膜は、幅70cm以下
のもの、一般には幅5〜60cmの細幅状材料として供給
されている。最近、幅96cmの圧延鉄箔、幅120cmの
電解鉄箔などが供給されるようになった。また、一般に
市場にある非アモルファス金属薄膜(箔)は、厚さ0.
1μm〜100μm程度のものである。
【0022】従来は、上述のようなリボン状、又は小
(細)幅材料を100〜300cmの広幅が要求される被
覆シートなどに利用することは殆んど不可能と考えられ
ていた。本発明においては、非アモルファス金属薄膜を
アモルファス金属薄膜とともに所望の幅のシート状体と
して使用するものである。
【0023】上述の一般市販非アモルファス金属薄膜材
料としては、チタン、ベリリウム、銅、ステンレススチ
ール、その他の幅6cm程度、厚さ1.4μm〜4.9μ
mの超極薄金属箔、チタン、ベリリウム銅、銅合金(燐
青銅、黄銅、青銅)、洋白、アルミニウム合金、ステン
レススチール、ニッケル、パーマロイ、ニッケル−クロ
ム合金、ニオブ、42アロイ、パラジウム、タンタル、
錫、鉛、亜鉛、鉄、金、銀、銀合金、白金、その他の幅
10cm程度、厚さ5〜100μmの一般金属箔、チタ
ン、ベリリウム銅、ニッケル、金、銀、白金、パラジウ
ム、アルミニウム、丹銅、銀合金、その他の幅3〜4cm
程度、厚さ0.3〜1.0μm程度の超極々薄箔、チタ
ン、銅及び銅合金(ベリリウム銅、丹銅、燐青銅、黄
銅、インコネル、コンスタンタン)ニッケル及びニッケ
ル合金、アルミ及びアルミ合金、ニオブ、タンタル、
鉄、ステンレススチール、金、銀、白金、パラジウム、
希金属合金、亜鉛、鉛、錫、その他の幅5cm程度、厚さ
0.1〜100μmの薄膜、特に1.0〜1.5μmの
超極薄箔、および、その他上記金属の少なくとも1種を
主成分とする金属化合物の薄膜などを包含する金属薄膜
(箔)などから選択して使用することができる。また、
非アモルファス金属薄膜は、その電磁波シールド性に実
質的な影響のない範囲内で、有孔薄膜であってもよい。
【0024】これらの非アモルファス金属材料は、前述
のようにリボン又は細幅シートの形状で供給されている
場合が多いので、本発明の積層シートに、これらを使用
するためには、複数個のリボン状、又は、細幅シート状
の非アモルファス金属材料を互いに並列に配列して、広
幅シート状体とし、または必要によりそれらの対向する
側縁部を接着剤又は半田により接着して、所望の幅を有
する広幅シート状体とする。また、非アモルファス金属
シートは、非アモルファス金属の粉末を利用して形成し
てもよい。或は、非アモルファス金属からなる細線から
編織物状、又は不織布状シートとして、これを非アモル
ファス金属シートとして用いてもよい。
【0025】前述のような非アモルファス金属は磁性体
であるものもあり、磁界に対してもすぐれたシールド効
果を有しているが、特に電界に対してすぐれたシールド
効果を有している。
【0026】前述のようなエレクトロニクス機器の保護
において、電磁波シールド手段により電磁波エネルギー
を吸収したり、或は反射したりして、エレクトロニクス
機器に電磁波エネルギーの影響が及ばないようにするこ
とが重要である。この電磁波シールド手段による電磁波
エネルギー減衰の程度は単位デシベル(dB)で表わさ
れ、電磁波シールド材料としてはこの数値が大きい程減
衰効果が大きく、好ましいことになる。
【0027】本発明の積層シートにおいて、その電磁波
シールド効果は、それに含まれている金属薄膜のシール
ド効果にほぼ依存し、一般に、10dB以上であることが
好ましく、30dB以上であることがより好ましく、60
dB以上であることが更に好ましく、90dB以上であるこ
とがより一層好ましい。
【0028】本発明の積層シートにおいて、アモルファ
ス金属薄膜および非アモルファス金属薄膜の少なくとも
一枚が導電性金属材料よりなるメッキ層を有していても
よい。メッキ用導電性金属としては、例えば銅、ニッケ
ル、コバルト、鉄、アルミニウム、金、銀、錫、亜鉛お
よびこれらから選ばれた2種以上の合金などを用いるこ
とができる。
【0029】このようにアモルファス金属薄膜および/
又は非アモルファス金属薄膜の少なくとも一面上に導電
性金属をメッキしたものを用いると、得られる積層シー
トは、アモルファス金属薄膜および非アモルファス金属
薄膜の有する電磁波シールド性に導電性金属メッキ層の
すぐれた電界シールド性が加算され、積層シート全体と
して、低周波から高周波まで広範囲の電磁波に対してす
ぐれたシールド効果を示すことができる。また、導電性
金属メッキ層は、アモルファス金属薄膜、および非アモ
ルファス金属薄膜の半田接着性を向上させ、広幅薄膜の
形成を容易にする効果もある。
【0030】また、アモルファス金属薄膜および/又は
非アモルファス金属薄膜に含まれる導電性金属メッキ層
は、0.1μm以上の厚さを有することが好ましく、
0.1〜5μm程度の厚さを有することがより好まし
い。またアモルファス金属薄膜層、非アモルファス金属
薄膜層、又はその金属メッキ層表面に、防錆剤その他の
薄い保護膜を形成してもよい。
【0031】本発明の積層シートにおいて、少なくとも
1層のアモルファス金属薄膜層と、少なくとも1層の非
アモルファス金属薄膜層とが任意の順序で積層一体化さ
れていてもよい。この場合、積層一体化された複数層の
アモルファス金属薄膜層によってアモルファス金属積層
体が形成されていてもよく、また、積層一体化された複
数層の非アモルファス金属薄膜層によって非アモルファ
ス金属積層体が形成されていてもよい。
【0032】アモルファス金属薄膜は前述のようにそれ
ぞれ5〜100μmの厚さを有するものであるが、本発
明のアモルファス金属薄膜積層体層は全体として50μ
m〜5,000μmの厚さを有することが好ましく、1
00〜5,000μmの厚さを有することがより好まし
い。このために、本発明の積層シートにおいてアモルフ
ァス金属積層体は2〜200枚のアモルファス金属薄膜
層が積層一体化されていることが好ましい。
【0033】本発明の積層シート中のアモルファス金属
薄膜積層体層は、少なくとも1個のメッキ付アモルファ
ス金属薄膜層と、少なくとも1個のメッキ層を有しない
アモルファス金属薄膜層とを含むものであってもよい。
このようにアモルファス金属薄膜層の一部からメッキ層
を省略することにより製品のコストを低下させながら、
所望の電磁波シールド性を得ることができる。
【0034】本発明の積層シートにおいて、非アモルフ
ァス金属薄膜は、一般に0.1〜100μmの厚さを有
するので、その複数層からなる非アモルファス金属積層
体層は、50〜5,000μmの厚さを有することが好
ましく、50〜3,000μmの厚さを有することがよ
り好ましい。
【0035】非アモルファス金属積層体層の厚さが5,
000μmより大きくなると、積層体層の剛性が過大と
なり、変形しにくく、ドレープ性が不十分となり、鋭利
な切断面を形成して作業上危険を生ずることがある。
【0036】本発明の積層シートにおいて、アモルファ
ス金属薄膜層および非アモルファス金属薄膜層とを互い
に接合一体化するために、接着剤又は粘着剤が用いられ
る。多数のアモルファス金属薄膜層および/又は非アモ
ルファス金属薄膜層を互いに積層し接合する場合、接着
剤又は粘着剤による接合域が互いに重複して、得られる
積層体層中に局部的に厚さの異なる部分が形成されない
ように、接着剤又は粘着剤接合域が互いに重複しないよ
うに、積層体層中にほゞ均一に分布させ、それによって
厚さ、風合の均一性を維持することが好ましい。
【0037】接着剤又は粘着剤は、積層された複数枚の
アモルファスおよび/又は非アモルファス金属薄膜を電
気的に互いに連結させるために、導電性、又は半導電性
であることが好ましく、更にそれが防銹性を有するもの
であってもよい。このような接着剤又は粘着剤の種類に
は格別の限定はなく、使用目的に応じて既存のものから
任意に選択して使用することができる。例えば、使用環
境に応じて耐寒性の高いもの、或は耐熱性の高いものな
どを選択して使用すればよい。
【0038】一般に、積層体層中における複数層のアモ
ルファス又は非アモルファス金属薄膜層は互いに接着剤
又は粘着剤により接着又は粘着されていてもよい。この
接着又は粘着において互いに隣接し、重なり合うアモル
ファス又は非アモルファス金属薄膜層の全面に接着剤又
は粘着剤が塗布固着されていてもよい。しかし、この場
合、積層体層が折曲げられたとき、互いに接着又は粘着
されたアモルファス金属薄膜層間の相互い変位の自由度
が不十分となる。このような問題点を解決するために
は、複数層のアモルファス又は非アモルファス金属薄膜
層が互いに接着又は粘着されていないことが好ましい
が、この場合複数枚のアモルファス又は非アモルファス
金属薄膜層の一体化が困難になる。
【0039】本発明のアモルファス又は非アモルファス
金属薄膜層の積層体層内において、各アモルファス又は
非アモルファス金属薄膜層がその隣接し重なり合ってい
る層に部分的に接着又は粘着され、接着又は粘着部分以
外の部分で、互いに相対的変位が可能であることが好ま
しい。このため各アモルファス又は非アモルファス金属
薄膜層がその隣接し重なり合っている層に対し、その側
縁部のみにおいて、或は少なくとも1個の線状、又は点
状に配置された接着剤又は粘着剤の層により接着又は粘
着されていることが好ましい。例えば複数層のアモルフ
ァス又は非アモルファス金属薄膜層の積層体層中におい
て、その構成アモルファス金属薄膜層は、少なくとも1
個の線状又は点状に或は、これらの混合状体に分布させ
た接着剤又は粘着剤の層により接着又は粘着されること
が好ましい。このような態様の接着又は粘着により複数
層のアモルファス金属薄膜層は、互いに接合され一体化
される。しかしアモルファス又は非アモルファス金属薄
膜層の非接合部分は屈曲に応じて互いに相互い的に変位
することができ、これにより積層体層の屈曲が容易にな
り、また屈曲に伴う積層体層の破断が防止される。
【0040】接合部分の形状は、1個以上の直線、曲
線、又はこれらの混合であってもよく、或は1個以上の
点からなるものであってもよく、これらの接合部分の合
計は、当該アモルファス又は非アモルファス金属薄膜層
の接合面積に対し90%以下であることが好ましく、1
〜90%の範囲内にあることがより好ましい。
【0041】アモルファス又は非アモルファス金属薄膜
層の積層体層に含まれる点状、又は線状の接着剤又は粘
着剤の塗布域は、積層体層に局部的に厚さの不均一を生
じないように、互いに重複しないよう、ほゞ均一に分布
させることが好ましく、これによってほゞ均一の充実度
を有する積層体層が得られる。
【0042】本発明の積層シートは、アモルファス金属
薄膜層、および非アモルファス金属薄膜層の少なくとも
1層に、繊維布帛を含む少なくとも1層の補強層(以下
これを繊維布帛補強層と記す)が貼着積層されている。
例えば、本発明の積層シートにおいて、アモルファス金
属薄膜と非アモルファス金属薄膜との積層体上に1層の
繊維布帛補強層が積層されていてもよいし、互いに対向
する2枚の繊維布帛補強層の間に前記薄膜積層体がパッ
クされ一体化されていてもよいし、或は、アモルファス
金属薄膜積層体と非アモルファス金属薄膜積層体との間
に繊維布帛補強層が挿入合体されていてもよい。この繊
維布帛補強層が導電性又は半導電性であることが望まし
い。
【0043】繊維布帛補強層は、本発明の積層シート
に、所望の柔軟性、圧縮弾性、および衝撃や押圧に対す
る緩衝性、耐破断性などを与えることができる。すなわ
ち、積層シートに屈曲などの外力が作用したとき、この
繊維布帛補強層が、変形することによってこの外力を吸
収し、アモルファス金属薄膜の伸びおよび圧縮を少なく
し、これによってアモルファス金属薄膜の裂断や折損を
防止し、かつ永久変形(折れ目の形成)を防止するとい
う緩衝作用を発揮する。このような積層シートは、エレ
クトロニクス機器の被覆用シート、或は、包装収納用シ
ートとして有用なものである。
【0044】本発明の積層シートに含まれる繊維布帛補
強シート層のうちの少なくとも1層において、繊維布帛
が可撓性樹脂材料により含浸、又は被覆されていてもよ
い。このような可撓性樹脂材料としては、天然ゴム、ネ
オプレンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、ハ
イパロンその他の合成ゴム、またはPVC樹脂、エチレ
ン−酢酸ビニールコポリマー(EVA)樹脂、アクリル
樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレ
ン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリエ
ステル樹脂、フッ素樹脂その他の合成樹脂を用いること
ができる。このような材料は、また、良好な防水性を有
し、得られる積層シートに所望の防水性並びに難燃性や
機械的強度を与えることができる。可撓性樹脂層は、
0.05mm以上の、より好ましくは0.05〜1.0mm
の厚さを有することが好ましく、また導電性物質を含ん
でいることが好ましい。
【0045】これらの可撓性樹脂層は、上記の如きゴム
又は樹脂のフィルム、溶液、ペースト又はストレートな
どを用い、公知の方法、例えば、トッピング、カレンダ
リング、コーティング、ディッピングなどの方法によっ
て、繊維布帛に含浸又は被覆することができる。これら
のゴム又は樹脂中には、可塑剤、安定剤、着色剤、紫外
線吸収剤などや他の機能付与剤、例えば防炎剤、難燃化
剤などが含まれていてもよい。
【0046】これらの可撓性樹脂層は、多孔質、すなわ
ち、発泡層であってもよい。このような発泡多孔質層は
所望の可撓性を有する限り硬質フォームであってもよい
が、一般には軟質フォームであることが好ましい。
【0047】発泡多孔質層の気孔率は、50〜99%
(発泡倍率:2〜100倍)であることが好ましく、8
0〜98%(発泡倍率:5〜50倍)であることがより
好ましい。通常は発泡倍率20〜60倍のものが用いら
れる。また、発泡多孔質シート材料層の圧縮抵抗は、2
5%圧縮において、10kg/cm2 以下であれば用途によ
っては実用可能であるが、一般に0.5kg/cm2 以下で
あることが好ましく、0.1kg/cm2 以下であることが
より好ましい。
【0048】発泡多孔質層の厚さには、格別の制限はな
く、積層シートの用途に応じて任意に設定することがで
きるが、一般に、0.5〜100mmの範囲内にあること
が好ましく、1〜50mmの範囲内にあることがより好ま
しい。
【0049】発泡多孔質層は、繊維布帛に結着されてい
るが、発泡多孔質シートを予じめ作成しておき、これを
接着剤を用いて結着してもよく、或は、発泡多孔質シー
トの接合表面部分を熱溶融して、融着してもよい。ま
た、発泡多孔質層は、化学発泡させて形成してもよい
し、或は、気泡を含有する重合体塗料を塗布し、これを
固化する、所謂、機械発泡法により形成してもよい。
【0050】上述のような可撓性発泡多孔質層を含む繊
維布帛補強層は、本発明の積層シートの両面に形成され
てもよく、或は、その片面のみに形成されてもよい。後
者の場合、本発明の積層シートの他の片面に、前述のよ
うな可撓性樹脂の非多孔質層を含む繊維布帛補強層が結
着されていてもよい。
【0051】一般にアモルファス又は非アモルファス金
属薄膜層に積層される繊維布帛補強層は、本発明の積層
シートの、引張強度における方向性、強度不均一性、低
引裂強度性などをカバーするのに有効である。
【0052】補強繊維布帛層は、天然繊維、例えば、木
綿、麻など、無機繊維、例えば、ガラス繊維、カーボン
繊維、金属繊維など、再生繊維、例えば、ビスコースレ
ーヨン、キュプラなど、半合成繊維、例えば、ジ−およ
びトリ−アセテート繊維など、及び合成繊維、例えば、
ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66等)繊維、ポリ
エステル(ポリエチレンテレフタレート等)繊維、芳香
族ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリ塩化ビニル繊
維、ポリオレフィン繊維など、から選ばれる少なくとも
1種からなるものである。繊維布帛中の繊維は、短繊維
紡績糸系、長繊維糸系、スプリットヤーン、テープヤー
ンなどのいずれの形状のものであってもよく、また布帛
は、織物、編物、不織布又はこれらの複合布のいずれで
あってもよい。また補強繊維布帛として、平行に並べた
たて糸とよこ糸とを交差するように重ね、これらをから
み糸で押えて構成された織物は、特に好ましい。また、
得られる積層シートが柔軟であることを必要とする場合
は、補強層用繊維布帛が比較的目の粗い編織物であるこ
とが好ましく、また強度の高いことを必要とする場合
は、比較的密度の高い編織物をもって形成することが好
ましい。更に、補強層用繊維布帛層は導電性又は半導電
性であることが好ましい。
【0053】一般にアモルファス又は非アモルファス金
属薄膜層の引裂き強さは殆んど0に等しい程低く、低い
負荷で容易に裂断する。またこのようなアモルファス金
属の薄膜は引張強さにおいても比較的弱く、かつ、強度
のバラツキが大きい。例えば厚さ25μmのアモルファ
ス金属薄膜の引張り強さを、JIS−L−1096(1
979)、「一般織物試験方法」の6.12、引張り強
さ及び伸び率6.121(1)A他(ストリップ法)に
準拠し、幅:3cm、把み間隔:20cm、引張りスピー
ド:200mm/分での条件で測定すると、その引張り強
さは、65〜125kg/3cm、平均100kg/3cm程度
の比較的弱いものであり、また測定値にバラツキが大き
く、また、アモルファス金属は、一般に幅の狭いリボン
状で提供されているので、これらを並列に配列してシー
ト状にすると、たとえ、これらを、その対向している側
縁部で、半田により、或は接着剤で接着しても、このシ
ートの横方向の引張り強さは不十分であり、しかもその
バラツキが大きいという問題がある。そこで、重包装
用、重被覆用に使用された積層シート、或は局部的に摩
擦されたり、局部的に外力が作用する用途に用いられる
積層シートは、繊維布帛補強層により補強されているこ
とが好ましい。
【0054】この補強層用繊維布帛の引張り強さは、各
アモルファス又は非アモルファス金属薄膜層の引張り強
さよりも高いことが好ましい。また、補強層用繊維布帛
の引張強さは、積層シート中のアモルファスおよび非ア
モルファス金属薄膜層の引張り強さの最低値よりも高い
ことが好ましい。このような補強層は、本発明の積層シ
ートの引張り強さを補強し、かつ、そのバラツキを少な
くすることができる。
【0055】また、補強層用繊維布帛として破断伸度が
5%以下のものを用いると、本発明の積層シートと補強
層との伸長性の差が小さくなり、従って、両者のS−S
荷重曲線は近似し、このため積層シートは、比較的大き
な引張り強さを示すことができる。また破断伸度がアモ
ルファス金属薄膜のそれと等しいか、或は、5%以下の
繊維布帛を補強層に用いて、これを薄膜積層体と合体す
ると、薄膜積層体の形成に当り、アモルファス金属リボ
ンを並列に配置しただけでよく、半田による、或は接着
剤又は粘着剤によるリボンの接着は必ずしも必要でなく
なる。このような接着目のないアモルファスおよび非ア
モルファス金属薄膜は、継ぎ目が目立たず良好な外観を
示す。
【0056】このような補強層用繊維布帛を構成する繊
維としては130kg/mm2 以上の引張り強さと5%以下
の破断伸度を有するものが好ましい。このような性能を
有する繊維の種類に格別の限定はないが下記のものが例
示される。 繊 維 引張り強さ(kg/mm2) 破断伸度(%) ガラス繊維 350〜600 3〜4 カーボン繊維 200〜300 1.5〜0.5 金属(スチール)繊維 240 1.7 芳香族アラミド繊維 285 2.0〜5.0 これらの高強度繊維布帛は、上記の効果を達成するのに
有効なものであるが、低伸度を有し、屈曲強度の低いも
のである。従って、積層シートの用途に耐屈曲性の高い
ことを要求される場合は、上記高強度繊維布帛に高伸度
の、屈曲強度の高い他の繊維、又はそれらからなる糸条
又は布帛を混用することが好ましい。このような高伸度
繊維の種類に格別の限定はないが、それらを例示すれば
下記の通りである。 繊 維 引張り強さ(kg/mm2) 破断伸度(%) ポリエステル繊維 約115 約13 脂肪族ポリアミド(ナイロン)繊維 約100 約19
【0057】上記の他に、ポリ塩化ビニル繊維、ポリア
クリル繊維、およびポリオレフィン繊維も使用すること
ができる。また補強繊維布帛層の表面は、積層シートの
用途に応じて、必要な平滑性、又は、滑り防止性、或
は、所望の色彩、模様などを有していてもよく、この補
強層の上に、上記特性を付与する処理を施してもよい
し、或は、被覆を施してもよい。
【0058】補強層用繊維布帛として、130kg/mm2
以上の引張り強さと、5%以下の切断伸度とを有する繊
維を含む布帛を用いることが好ましい。
【0059】また、アモルファス又は非アモルファス金
属薄膜層の積層体層の一面に、130kg/mm2 以上の引
張り強さと5%以下の切断伸度とを有する高強度繊維を
含んでなる繊維布帛補強層を積層し、かつ、その他の面
に、130kg/mm2 より低い引張り強さと、5%より高
い切断伸度とを有する高伸度繊維を含んでなる繊維布帛
補強層を積層してもよい。
【0060】また、繊維布帛補強層が、130kg/mm2
以上の引張り強さと、5%以下の切断伸度とを有する高
強度繊維と、130kg/mm2 より低い引張り強さと、5
%より高い切断伸度とを有する高伸度繊維との混合物を
含んでなるものであってもよい。
【0061】更に、繊維布帛補強層が、130kg/mm2
以上の引張り強さと、5%以下の切断伸度とを有する高
強度繊維を含む少なくとも1個の繊維布帛と、130kg
/mm 2 より低い引張り強さと、5%より高い切断伸度と
を奏する高伸度繊維を含む少なくとも1個の繊維布帛と
を含むものであってもよい。
【0062】更にまた、本発明の積層シートの少なくと
も一面上に繊維布帛層が積層されており、この繊維布帛
層上に可撓性樹脂材料が含浸又は被覆されていてもよ
い。
【0063】本発明の積層シートに積層される繊維布帛
補強層が積層シートの最外表面に形成されているとき、
この繊維布帛層は、カーペットの上表部を構成する繊維
布帛層、例えばパイル布帛層であってもよく、或は、壁
紙シートを構成する壁紙状シート層であってもよい。前
者の場合、得られる積層カーペットは、電磁波シールド
性敷物として有用であり、後者の場合、得られる積層シ
ートは電磁波シールド性壁紙として有用である。
【0064】本発明の積層シートの最外表面の両方が繊
維布帛補強層に形成されていてもよく、或はその一つが
繊維布帛補強層により形成され、他の一つが可撓性樹脂
材料からなる層により被覆されていてもよい。
【0065】
【実施例】以下に本発明の積層シートを実施例により更
に説明する。実施例1 アモルファス合金薄膜(Fe:81%,B:13.5
%,Si:3.5%,C:2%、商標:METGLAS
No. 2605SC、アライド社製、幅7.62cm、厚
さ25μmのリボン状体)からなるリボンを13枚並列
し、その上に、厚さ4.9μm、幅10cmのステンレス
スチール金属膜リボン(引張り強さ12〜20kg/3c
m、平均引張り強さ18kg/3cm、破断伸度0.7%)
11枚を並列し、これらを合成ゴム系接着剤(商標:S
C 12N、ソニーケミカル社製)により接着し、薄膜
積層体を得た。この薄膜積層体は、45dBの電磁波シー
ルド効果を示した。
【0066】上記薄膜積層体の両面に合成ゴム系接着剤
(商標:SC 12N、ソニーケミカル社製)を塗布
し、その一面にFRP用ガラス繊維布帛(商標:KS−
2671、カネボウ硝子繊維社製、厚さ0.22mm、目
付210g/m2 、平織経19本/25.4mm、緯19
本/25.4mm、繊維引張り強さ350kg/mm2 、繊維
破断伸度3%、布帛引張り強さ、経緯両方向共に11
1.6kg/3cm、布帛破断面伸度、経緯両方向ともに
3.0%)を貼着し、他の一面に下記組織のポリエステ
ルフィラメント平織粗布: を貼着し、基層シートを作成した。この平織布帛は、厚
さ:0.3mm、目付:40g/m2 、布帛引張り強さ:
経、緯ともに25kg/3cm、布帛破断伸度:経緯両方向
ともに15%、繊維引張り強さ:110kg/mm2 、繊維
破断伸度:13%であった。
【0067】上記基層シートを下記組成の可撓・防水製
樹脂被膜液に浸漬した。 成 分 ポリ塩化ビニル樹脂 80重量部 ブチルベンジルフタレート 68重量部 エポキシ化大豆油 7重量部 炭酸カルシウム 20重量部 カドミウムバリウム系安定剤 3重量部 顔料 8重量部 トルエン(溶剤) 130重量部 上記の被覆液を含有した基層シートをニップローラーで
絞り、被覆液の付着量を100%に調節し、乾燥機中で
90℃で1分間乾燥した。次に、この被覆層を180℃
で1分間熱処理してポリ塩化ビニルをゲル化固着した。
得られた可撓・防水性樹脂層の厚さは0.3mmであっ
た。
【0068】得られたステンレンスチール金属膜積層シ
ートは良好な、電磁波に対するシールド性と、すぐれた
防水性、防汚性および耐候性を有し、また、熱融着接合
の可能なものであった。このようなすぐれた熱融着接合
性によって、従来考えられなかったステンレススチール
金属膜とアモルファス金属薄膜とをシート材料(例えば
大型テント用シート)に使用することを可能にし、従来
縫合できなかったステンレススチール金属膜およびアモ
ルファス金属薄膜の縫合を可能にし、その利用を簡易化
し、かつ利用分野を拡大することができるようになっ
た。
【0069】また本実施例の積層体において、並列配置
されたステンレススチール金属膜リボンおよびアモルフ
ァス金属薄膜リボンは、半田接合されていなかったが、
金属膜リボンが定位置から滑って欠落部分を生じること
もなく、また、半田接合のときの側縁部に重ね合わせに
伴う凹凸の形成がなく好ましい外観を有していた。
【0070】実施例2 アモルファス合金(Fe:81%,B:13.5%,S
i:3.5%,C:2%、商標:METGLAS No.
2605SC、アライド社製、幅7.62cm、厚さ25
μmのリボン状体)の全表面に、厚さ1μmの銅メッキ
を施した。このアモルファス金属リボンを13枚並列
し、それぞれの側縁端を半田接合して幅約1mの広幅シ
ートを作成した。半田接合部の引張り強さは40〜86
kg/3cm、平均68.6kg/3cmで半田接合部の引張り
強さはかなり低いものであった。
【0071】また、実施例1記載のものと同一の厚さ
4.9μm、幅10cmのステンレススチール金属膜リボ
ンの全表面に、厚さ1μmの銅メッキを施した。この銅
メッキされたステンレススチール金属膜のリボンの11
枚を、互いに並列に配列し、それぞれの側縁端を1cmづ
つ重ね合わせ、接着することなく広幅シート状に形成し
た。
【0072】この広幅ステンレススチールシートの両面
に前記アモルファス金属薄膜広幅シートを重ね合わせ、
対向する薄膜層の一面上に合成ゴム系接着剤(商標:S
C12N、ソニーケミカル社製)を、直径3mmの円型ス
ポット状に1cm3 当り2個の密度で塗布し、これらを一
体に接着した。この接着剤の塗布面積率は14.13%
であった。得られた積層シートは50dBの高電磁性シー
ルド効果を示した。
【0073】上記積層シートの一面の全面に、上記接着
剤を塗布し、これに実施例1記載のものと同一のFRP
用ガラス繊維布帛を、また、他の一面に、実施例2記載
のものと同一のポリエステルフィラメント平織粗布を貼
着した。得られた積層体上に実施例1と同様の可撓・防
水性樹脂被膜層を形成した。
【0074】得られた積層体は良好な、電磁波に対する
シールド性(50dB)と、すぐれた防水性、防汚性およ
び耐候性を有し、また、熱融着接合の可能なものであっ
た。
【0075】
【発明の効果】本発明の積層シートは、1層以上のアモ
ルファス金属薄膜層と、1層以上の非アモルファス金属
薄膜層と、1層以上の繊維布帛補強層とを含むものであ
るが、実用上十分な柔軟性、屈曲性、強度、および作業
性を有し、更に、すぐれた電磁波シールド性とともに、
すぐれた電界シールド効果を併せ有しているので、電磁
波シールド性の被覆、又は、包装シート、敷物、或は壁
紙シートなどの用途において、磁界および電界シールド
に幅広い効果を期待することができ、これらの用途に有
用なものである。また、本発明の積層シートは上記用途
における中間体製品又は完成製品のいづれに組み合わせ
て使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明積層シートに用いられるアモル
ファス金属薄膜層の構成を示す平面図。
【図2】図2は、本発明の積層シートに用いられるアモ
ルファス金属薄膜と非アモルファス金属薄膜との積層体
の一実施態様の断面説明図。
【図3】図3は、本発明の積層シートの一実施態様の断
面説明図。
【符号の説明】
1…アモルファス金属薄膜層 2…アモルファス金属リボン 3…非アモルファス金属薄膜層 4…積層体 5…繊維布帛補強層

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに平行に並列された複数枚のアモル
    ファス金属リボンからなる、少なくとも一層のアモルフ
    ァス金属薄膜と、少なくとも1層の非アモルファス金属
    薄膜と、繊維布帛を含む少なくとも1層の補強層とが任
    意の順序に積層されていることを特徴とする、電磁波シ
    ールド性積層シート。
  2. 【請求項2】 前記アモルファス金属薄膜および非アモ
    ルファス金属薄膜の少なくとも1枚が、導電性金属材料
    よりなるメッキ層を有する、請求項1に記載の積層シー
    ト。
  3. 【請求項3】 前記繊維布帛補強層が積層シートの少な
    くとも1つの最外表面層を形成している、請求項1に記
    載の積層シート。
  4. 【請求項4】 前記補強層用繊維布帛が、ガラス繊維、
    カーボン繊維、金属繊維、ポリエステル繊維、脂肪族ポ
    リアミド繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリ塩化ビニル
    繊維、ポリアクリル繊維およびポリオレフィン繊維から
    選ばれた少なくとも1種の繊維を含んでなる、請求項1
    に記載の積層シート。
  5. 【請求項5】 前記補強層用繊維布帛が、前記アモルフ
    ァス金属薄膜層、又は非アモルファス金属薄膜層の少な
    くとも1枚よりも高い引張り強さを有する、請求項1に
    記載の積層シート。
  6. 【請求項6】 前記補強層用繊維布帛が、前記積層体層
    中の複数層のアモルファス金属薄膜層、又は非アモルフ
    ァス金属薄膜層の少なくとも1枚の引張り強さの最低値
    よりも高い引張り強さを有する、請求項1に記載の積層
    シート。
  7. 【請求項7】 前記補強層用繊維布帛が、5%以下の破
    断伸度を有する、請求項1に記載の積層シート。
  8. 【請求項8】 前記補強層用繊維布帛が、130kg/mm
    2 以上の引張り強さと、5%以下の切断伸度とを有する
    繊維を含んでなる、請求項1に記載の積層シート。
  9. 【請求項9】 前記アモルファス金属薄膜層および非ア
    モルファス金属薄膜層の積層体が、その一面において、
    130kg/mm2 以上の引張り強さと5%以下の切断伸度
    とを有する高強度繊維を含んでなる繊維布帛補強層によ
    り積層され、かつ、その他の面において、130kg/mm
    2 より低い引張り強さと、5%より高い切断伸度とを有
    する高伸度繊維を含んでなる繊維布帛補強層により積層
    されている、請求項1に記載の積層シート。
  10. 【請求項10】 前記繊維布帛補強層が130kg/mm2
    以上の引張り強さと5%以下の切断伸度とを有する高強
    度繊維と、130kg/mm2 より低い引張り強さと、5%
    より高い切断伸度とを有する高伸度繊維との混合物を含
    んでなる、請求項1に記載の積層シート。
  11. 【請求項11】 前記繊維布帛補強層が130kg/mm2
    以上の引張り強さと5%以下の切断伸度とを有する高強
    度繊維を含む少なくとも1個の繊維層と、130kg/mm
    2 より低い引張り強さと、5%より高い切断伸度とを有
    する高伸度繊維を含む少なくとも1個の繊維層とを含
    む、請求項1に記載の積層シート。
  12. 【請求項12】 前記繊維布帛補強層繊維布帛が、可撓
    性樹脂材料により含浸、又は被覆されている、請求項1
    に記載の積層シート。
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